商品陳列棚の表示板取付装置
【課題】 表示板のサイズを棚板の前端面の面積に左右されることなく大きいものにすることで、表示板の表示面積を確保すると共に、表示板を使用しない状態においても美観を損なうことのない商品陳列棚の表示板取付装置を提供すること。
【解決手段】 表示板18の上端縁および下端縁を上下の棚板5の溝条5d、5eに嵌合させ挟持させることができるので、表示板18を棚板5間の前面に安定して設けることができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板5間に表示板18を設けない場合においても、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【解決手段】 表示板18の上端縁および下端縁を上下の棚板5の溝条5d、5eに嵌合させ挟持させることができるので、表示板18を棚板5間の前面に安定して設けることができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板5間に表示板18を設けない場合においても、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品陳列棚の棚板に載置される商品の商品名・値段等が表示される表示板は、表示板を棚板の前端面にネジ固定された取付板の上下に形成される係止片間に係合させることで取り付けが行われている(例えば、特許文献1参照)。そして、取付板の固定手段としては、ネジを用いずに、取付板(プライスカード保持板)の背面に係止片を設け、予め棚板の前端面に形成された係止孔に係止片を係合させ、この取付板の前面に表示板を取り付けていた(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】実公平7−3971号公報(第2頁左欄、第2図)
【特許文献2】特許第2757254号公報(第2頁左欄、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の表示装置は、使用される表示板のサイズが、棚板の前端面の面積や、表示板を挟持する支持部材の大きさによっておのずと制限されてしまうことから、表示内容も価格あるいは商品名等に限定されたものであり、多くのことを表示しようとすれば、字や図形の大きさを小さくしなければならなかった。
【0005】
また、表示板を取り付けない場合には、表示板用の係合部が露呈してしまい美観上の観点から好ましいものでなく、そこで表示板が必要でない場合にプライスカード保持板そのものを取り外すことも考えられるが、今度は棚板前端面の係止孔等が外部に露見してしまうことから、プライスカード保持板を取り付けたままの状態にしておくことが多かった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、表示板のサイズを棚板の前端面の面積に左右されることなく大きいものにすることで、表示板の表示面積を確保すると共に、表示板を使用しない状態においても美観を損なうことのない商品陳列棚の表示板取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、少なくとも上下に対向する一対の棚板について、上位置の棚板の前端部には、下方が開口する溝条が形成され、下位置の棚板の前端部には、上方が開口する溝条を設けるとともに、該上下の溝条に表示板の上端縁および下端縁を嵌合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の上端縁および下端縁を上下の棚板の溝条に嵌合させ挟持させることができるので、表示板を商品陳列棚の棚板間の前面に安定して設けることができ、表示板の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板間に表示板を設けない場合にも、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【0008】
本発明の請求項2に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記上位置の棚板の前端面には、前記下方に開口する溝条が形成された支持部材を設け、前記下位置の棚板の前端面には、前記上方に開口する溝条が形成された支持部材を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、上位置および下位置の棚板の前端面にそれぞれ支持部材を設けることで、従来からの商品陳列棚に対し複雑な加工を施すことなく適用でき、しかも上下の支持部材の対向面には各々溝条が形成されていることから、表示板を商品陳列棚の棚板間の最前面に安定して設けることができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記上位置および下位置の棚板の前端面には上下に開口する溝条が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上下に形成された溝条を利用して表示板の上下あるいは、その両位置に他の新たな表示板を追加保持させることができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項2または3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上面と棚板の上面が面一になっているので、棚板に載置された商品の出し入れに支障をきたすことがないとともに、支持部材の下端を棚板の下面よりも下方に突出させることで、上下の溝条の間隔を広く確保できるので、容易に支持部材を棚板の前端面にダボ結合させることができ、ダボによる結合が外方に露出しないので正面からの美観も損なわれない。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、前記棚板の前端面には、下方が開口する溝条が形成された支持部材を設けるとともに、該溝条に表示板の上端縁を嵌合させ固定したことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の大きさを任意に選択して、表示板の上端縁を支持部材の溝条に嵌合させ固定できるので、上下の棚板間の高さ範囲内で表示板のサイズを種々に選択できるとともに、表示板の表示面積に応じて多様な利用を行うことができ、かつ表示板を使用しない状態においても、商品陳列棚の正面からの美観を損なうことがない。
【0012】
本発明の請求項6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記表示板の下端縁に嵌合する上方が開口する溝条と、下方が開口する溝条が形成された連結部材を、前記表示板の下端縁に保持させたことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の下端縁に連結部材を保持させたことで、連結部材の下方の溝条に新たな表示板を保持させることが可能となり、表示内容に広がりをもたせることができる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項5または6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上面と棚板の上面が面一になっているので、棚板に載置された商品の出し入れに支障をきたすことがないとともに、支持部材の下端を棚板の下面よりも下方に突出させることで、上下の溝条の間隔を広く確保できるので、容易に支持部材を棚板の前端面にダボ結合させることができ、かつ表示板を使用しない状態においても、商品陳列棚の正面からの美観を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図であり、図2(a)は、棚板に取り付けられる実施例1の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、図2(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。この商品陳列棚は、主にスーパーやコンビニエンス・ストアー等の商品売り場に設置されており、商品陳列棚に複数の商品を数多く載置して、消費者が直に商品の取り出しを行えるようになっている。
【0016】
実施例1を説明する前に、実施例1及び2が適用された本発明の商品陳列棚について、図1に基づき概略説明する。図1に示されるように、床面に木製の載置台9が設けられ、載置台9の後方に床面から上下方向に延びる金属スチール材で構成された支柱2が左右に一対にて所定間隔離間され設けられている。これら一対の両支柱2の間には、背面との空間の仕切りとして背面板8が設けられている。
【0017】
支柱2には係合穴2aが上下方向に複数形成されており、仕切パネル7の所定の高さ位置には、上下方向に木製の棚板5が複数段(本実施例では5段)設けられている。この棚板5の下端面の両側部には、金属スチール製のブラケット4が取り付けられ、このブラケット4を支柱2の係合穴2aに係止することで棚板5が固定され、棚板5上に複数の商品21が陳列されと共に、これら商品21の種類毎に商品説明等が記載された表示カード22が載置されている。
【0018】
商品陳列棚1の上部から一段目(天井棚)と二段目の棚板5の前端面には、後述の実施例1の説明における支持部材10が設けられ、上位置の支持部材10と下位置の支持部材10の間にアクリル樹脂からなるプラスチック製の表示板18が設けられている。三段目と四段目の棚板5の前端面には、後述の実施例2の説明における支持部材10’が設けられ、それぞれの支持部材10’の下端にアクリル樹脂からなるプラスチック製の表示板19が設けられ、この表示板19の下端に支持部材10’’が保持されている。
【0019】
各表示板18、19には商品のPRや値段、商品名、図等のデザインが多様に施され表示面積が有効に利用されている。以下、本実施例の棚板5の説明において、棚板5の正面側を前方とし、棚板5の背面側を後方とし、棚板5の両側方向を左右方向として説明する。
【0020】
次に、本発明の実施例1を図2に基づいて説明する。まず、表示板18の取り付けについて具体的に説明すると、図2(a)に示されるように、上位置および下位置の棚板5は、ブラケット4の後端に形成された係合片4aと支柱2の係合穴2aへの係合によって、しっかりと位置固定されており、上位置の前端面5aの左右方向に沿って支持部材10が設けられ、同様に下位置の前端面5aの左右方向に沿って支持部材10が設けられており、上下の支持部材10間に挟持されるように表示板18が取り付けられている。
【0021】
具体的には、図2(b)に示されるように、上位置および下位置の棚板5の前端面5aには、ダボ穴5bが後方に向けて形成されており、このダボ穴5bに木製のダボ6が挿し込まれ、前端面5aから前方に突設させて取り付けられている。支持部材10の上部には上方に向けて開口する溝条11が形成され、下部には下方に向けて開口する溝条12が形成されており、溝条12の溝の深さは溝条11よりも深く形成されている。溝条11と溝条12の間隔幅には後方に向けて開口するダボ穴13が形成されている。
【0022】
上位置および下位置の棚板5の前端面5aに設けられたダボ6に支持部材10のダボ穴13を嵌合させることで、確実に支持部材10が位置固定され取り付けられる。このように、支持部材10がダボ6に取り付けられた状態においては、支持部材10の上面が棚板5の上面と面一になっていて、棚板5に載置された商品21の出し入れが円滑に行われる。
【0023】
一方、支持部材10の下面が棚板5の下面よりも下方に突出した状態で取り付けられており、下の溝条12の溝を深く形成できると共に、ダボ穴13の形成スペースを確保している。
【0024】
次いで、表示板18の取り付けを行うには、まず支持板18の上端縁を上位置の支持部材10の溝条12内に嵌合させ挿し込んでいき、支持板18を持ち上げながら支持板18の下端縁を下位置の支持部材10の溝条11位置に合わせて、落とし込こむことで支持板18の下端が溝条11に嵌合され取り付けられる。
【0025】
表示板18を取り外す際には、表示板18を上方に持ち上げつつ、支持板18の下端を溝条11から外すことで取り外せるようになっており、表示板18の取り付けおよび取り外しにはケンドン方式(持ち上げて取り付ける、持ち上げてはずす)が採用されている。なお、表示板18を上下の棚板5間に取り付けない場合には、支持部材10の上下に溝条11、12が形成されているだけで取付手段(ネジや係合穴等)が露出していないので、商品陳列棚1の正面からの美観が損なわれることがない。
【0026】
以上の説明により実施例1では、上位置および下位置の棚板5の前端面5aにそれぞれ支持部材10を設けることで、従来からの商品陳列棚1に対し複雑な加工を施すことなく適用でき、しかも上下の支持部材10の対向面には各々溝条12、11が形成されていることから、表示板18を商品陳列棚1の棚板5間の最前面に容易に取付取り外しができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できる。
【0027】
また、支持部材10の上下部には溝条11、12が形成されているので、上下のどの棚板間に対応しても適用可能であり、この溝条11、12を利用して、表示板18の上または下あるいは、その両位置に他の新たな表示板を追加保持させることもできる。そして、表示板18によって正面から隠蔽された棚板上の空間部は、ストック用品等の置き場所として利用できる。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の実施例2を図3に基づいて説明する。図3(a)は、棚板に設けられる実施例2の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、図3(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【0029】
なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。図3(a)に示されるように、上位置の棚板5の前端面5aの左右方向に沿って、上記した支持部材10と略同一構造の支持部材10’が設けられ、支持部材10’の下部に表示板19の上端縁がネジ17で取り付けられ、表示板19の下端縁に沿って、支持部材10’’がネジ17で取り付けられている。支持部材10’’は棚板5に取り付けられた支持部材10’を上下反転させたものであるので詳しい説明は割愛する。
【0030】
表示板19および支持部材10’の取り付けについて具体的に説明すると、図3(b)に示されるように、支持部材10’には後方から前方に向けてネジ孔10a’が形成されている。先ず表示板19の上端縁を支持部材10’の溝条12に嵌合させ、ネジ17をネジ孔10a’に挿通させ螺合させることで、表示板19が位置固定され吊持される。そして、表示板19の下端縁に支持部材10’’の溝条11を嵌合させ、ネジ17をネジ孔10a’’に挿通させ螺合させることで表示板19に支持部材10’’を保持させ、表示板19の下端が直接露出しないように端部処理がなされる。
【0031】
以上の説明により実施例2では、上位置の棚板5の前端面5aに設けられた支持部材10’に表示板19を取り付けることにより、下位置の棚板5に商品21を載置させた状態で、表示板19の大きさを任意に選択して、上下の棚板5間の高さ範囲内で表示板19のサイズを種々に選択して、表示板19の表示面積に応じた多様な利用を行うことができる。
【0032】
次に、本発明の実施例2の変形例を図4に基づいて説明する。図4(a)は、図3に示された実施例2の表示板取付装置の変形例を示す斜視図であり、図4(b)は、その表示板取付装置の要部拡大側断面図である。なお、以下の実施例2の変形例において前述の実施例2と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0033】
上記実施例2の変形例として、図4(a)に示されるように、上位置および下位置の棚板5の前端面5aに設けられた支持部材10’間には、上下方向に複数(本実施例では3枚)の表示板19が設けられ、上下の表示板19の間には左右方向に沿って連結部材14が設けられている。
【0034】
表示板19および連結部材14の取り付けについて具体的に説明すると、図4(b)に示されるように、連結部材14には上方に開口する溝条15および下方に開口する溝条16が形成され、上下にネジ孔14a、14bが形成されている。
【0035】
そこで、上位置の棚板5の支持部材10’に取り付けられた表示板19の下端縁には、連結部材14の溝条15が嵌合され、ネジ17をネジ孔14aに挿通させ螺合させることで表示板19に連結部材14を保持させる。この連結部材14の溝条16に新たな表示板19の上端縁を挿し込み嵌合させ、ネジ17をネジ孔14bに挿通させ螺合させることで、新たな表示板19が位置固定され吊持される。同様にして、新たな表示板19の下端縁に新たな連結部材14を連結させる。新たな連結部材14と下位置の棚板5の支持部材10’間には、前記実施例1で説明したケンドン方式で表示板19が取り付けられている。
【0036】
以上の説明により実施例2の変形例では、表示板19の下端縁に連結部材14を保持させて、連結部材14の下方の溝条16に新たな表示板19を保持させることができるので、表示内容に広がりをもたせることができ、さらに新たな連結部材14を設けることで、複数段の表示板19を棚板5、5間に設けることができ、必要に応じて図4(a)に示すように、棚間全体を表示板19で覆うことも可能である。
【実施例3】
【0037】
次に、本発明の実施例3を図5に基づいて説明する。図5は、本発明の実施例3における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。なお、以下の実施例3において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0038】
図5に示されるように、商品陳列棚1’の複数段に設けられた棚板5間には、前記実施例1で説明した表示板9を持ち上げて取り付けるケンドン方式で、上方より表示板18、表示板20、表示板20が取り付けられている。表示板20は縦長に形成されており、上位置の棚板5と下位置の棚板5の左右を区画して、商品21毎に区画が行われ表示板20の表示面積も有効に利用されている。
【0039】
実施例3では、上位置の棚板5と下位置の棚板5間に縦長の表示板20を設けることで、商品陳列棚1’の多種多様な利用方法を提供することができ、例えば、表示板20そのものにデザインを施して、顧客に商品21を注目させるようにすることもできる。
【実施例4】
【0040】
次に、本発明の実施例4を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施例4における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の要部拡大断面図である。なお、以下の実施例4において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0041】
本実施例1〜3においては、棚板5の前端面5aに支持部材10、10’や連結部材14を設けて、これらの間に表示板18、19を取り付けることで、できる限り表示板18、19を商品陳列棚1、1’の最前面に設けるようにしていた事から好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示されるように、上位置の棚板5の前端部5cに下方に開口する溝条5dを形成させるとともに、下位置の棚板5の前端部5cに上方に開口する溝条5eを形成させて、表示板18を上下の溝条5dおよび溝条5e間に前記実施例1で説明した表示板9を持ち上げて取り付けるケンドン方式で嵌合させ取り付けるようにしても良い。
【0042】
これにより実施例4では、表示板18の上端縁および下端縁を上下の棚板5の溝条5d、5eに嵌合させ挟持させることができるので、表示板18を棚板5間の前面に安定して設けることができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板5間に表示板18を設けない場合においても、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、ダボ6を用いて支持部材10、10’を棚板5の前端面5aに取り付けることで、棚板5と支持部材10、10’との着脱を行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持部材10、10’を接着剤等で棚板5の前端面5aに固着して取り付けても良い。また、ネジ17を用いた支持部材10、10’と表示板19との取り付けについても、ネジを用いることなく接着剤等で支持部材10、10’に表示板19を固着させても良い。
【0044】
また、上記実施例において、表示板18、19が取り付けられた上位置の棚板5の下面に照明等を設けるようにしても良く、このようにすれば下位置の棚板5に載置された複数の商品21に照明を当てることができるとともに、表示板10を外部に透光させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。
【図2】(a)は、棚板に取り付けられる実施例1の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図3】(a)は、棚板に設けられる実施例2の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図4】(a)は、図3に示された実施例2の表示板取付装置の変形例を示す斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図5】本発明の実施例3における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。
【図6】本発明の実施例4における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1、1’ 商品陳列棚
2 支柱
2a 係合穴
3 側面板
4 ブラケット
4a 係合片
5 棚板
5a 前端面
5b ダボ穴
5c 前端部
5d、5e 溝条
6 ダボ
7 側面板
8 背面板
9 載置台
10、10’、10’’ 支持部材
10a’、10a’’ ネジ孔
11、12 溝条
13 ダボ穴
14 連結部材
14a、14b ネジ孔
15、16 溝条
17 ネジ
18 表示板
19 表示板
20 表示板
21 商品
22 表示カード
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、商品陳列棚の棚板に載置される商品の商品名・値段等が表示される表示板は、表示板を棚板の前端面にネジ固定された取付板の上下に形成される係止片間に係合させることで取り付けが行われている(例えば、特許文献1参照)。そして、取付板の固定手段としては、ネジを用いずに、取付板(プライスカード保持板)の背面に係止片を設け、予め棚板の前端面に形成された係止孔に係止片を係合させ、この取付板の前面に表示板を取り付けていた(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】実公平7−3971号公報(第2頁左欄、第2図)
【特許文献2】特許第2757254号公報(第2頁左欄、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来の表示装置は、使用される表示板のサイズが、棚板の前端面の面積や、表示板を挟持する支持部材の大きさによっておのずと制限されてしまうことから、表示内容も価格あるいは商品名等に限定されたものであり、多くのことを表示しようとすれば、字や図形の大きさを小さくしなければならなかった。
【0005】
また、表示板を取り付けない場合には、表示板用の係合部が露呈してしまい美観上の観点から好ましいものでなく、そこで表示板が必要でない場合にプライスカード保持板そのものを取り外すことも考えられるが、今度は棚板前端面の係止孔等が外部に露見してしまうことから、プライスカード保持板を取り付けたままの状態にしておくことが多かった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、表示板のサイズを棚板の前端面の面積に左右されることなく大きいものにすることで、表示板の表示面積を確保すると共に、表示板を使用しない状態においても美観を損なうことのない商品陳列棚の表示板取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、少なくとも上下に対向する一対の棚板について、上位置の棚板の前端部には、下方が開口する溝条が形成され、下位置の棚板の前端部には、上方が開口する溝条を設けるとともに、該上下の溝条に表示板の上端縁および下端縁を嵌合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の上端縁および下端縁を上下の棚板の溝条に嵌合させ挟持させることができるので、表示板を商品陳列棚の棚板間の前面に安定して設けることができ、表示板の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板間に表示板を設けない場合にも、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【0008】
本発明の請求項2に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記上位置の棚板の前端面には、前記下方に開口する溝条が形成された支持部材を設け、前記下位置の棚板の前端面には、前記上方に開口する溝条が形成された支持部材を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、上位置および下位置の棚板の前端面にそれぞれ支持部材を設けることで、従来からの商品陳列棚に対し複雑な加工を施すことなく適用でき、しかも上下の支持部材の対向面には各々溝条が形成されていることから、表示板を商品陳列棚の棚板間の最前面に安定して設けることができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記上位置および下位置の棚板の前端面には上下に開口する溝条が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上下に形成された溝条を利用して表示板の上下あるいは、その両位置に他の新たな表示板を追加保持させることができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項2または3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上面と棚板の上面が面一になっているので、棚板に載置された商品の出し入れに支障をきたすことがないとともに、支持部材の下端を棚板の下面よりも下方に突出させることで、上下の溝条の間隔を広く確保できるので、容易に支持部材を棚板の前端面にダボ結合させることができ、ダボによる結合が外方に露出しないので正面からの美観も損なわれない。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、前記棚板の前端面には、下方が開口する溝条が形成された支持部材を設けるとともに、該溝条に表示板の上端縁を嵌合させ固定したことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の大きさを任意に選択して、表示板の上端縁を支持部材の溝条に嵌合させ固定できるので、上下の棚板間の高さ範囲内で表示板のサイズを種々に選択できるとともに、表示板の表示面積に応じて多様な利用を行うことができ、かつ表示板を使用しない状態においても、商品陳列棚の正面からの美観を損なうことがない。
【0012】
本発明の請求項6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記表示板の下端縁に嵌合する上方が開口する溝条と、下方が開口する溝条が形成された連結部材を、前記表示板の下端縁に保持させたことを特徴としている。
この特徴によれば、表示板の下端縁に連結部材を保持させたことで、連結部材の下方の溝条に新たな表示板を保持させることが可能となり、表示内容に広がりをもたせることができる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の商品陳列棚の表示板取付装置は、請求項5または6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置であって、前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させたことを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材の上面と棚板の上面が面一になっているので、棚板に載置された商品の出し入れに支障をきたすことがないとともに、支持部材の下端を棚板の下面よりも下方に突出させることで、上下の溝条の間隔を広く確保できるので、容易に支持部材を棚板の前端面にダボ結合させることができ、かつ表示板を使用しない状態においても、商品陳列棚の正面からの美観を損なうことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明の表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図であり、図2(a)は、棚板に取り付けられる実施例1の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、図2(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。この商品陳列棚は、主にスーパーやコンビニエンス・ストアー等の商品売り場に設置されており、商品陳列棚に複数の商品を数多く載置して、消費者が直に商品の取り出しを行えるようになっている。
【0016】
実施例1を説明する前に、実施例1及び2が適用された本発明の商品陳列棚について、図1に基づき概略説明する。図1に示されるように、床面に木製の載置台9が設けられ、載置台9の後方に床面から上下方向に延びる金属スチール材で構成された支柱2が左右に一対にて所定間隔離間され設けられている。これら一対の両支柱2の間には、背面との空間の仕切りとして背面板8が設けられている。
【0017】
支柱2には係合穴2aが上下方向に複数形成されており、仕切パネル7の所定の高さ位置には、上下方向に木製の棚板5が複数段(本実施例では5段)設けられている。この棚板5の下端面の両側部には、金属スチール製のブラケット4が取り付けられ、このブラケット4を支柱2の係合穴2aに係止することで棚板5が固定され、棚板5上に複数の商品21が陳列されと共に、これら商品21の種類毎に商品説明等が記載された表示カード22が載置されている。
【0018】
商品陳列棚1の上部から一段目(天井棚)と二段目の棚板5の前端面には、後述の実施例1の説明における支持部材10が設けられ、上位置の支持部材10と下位置の支持部材10の間にアクリル樹脂からなるプラスチック製の表示板18が設けられている。三段目と四段目の棚板5の前端面には、後述の実施例2の説明における支持部材10’が設けられ、それぞれの支持部材10’の下端にアクリル樹脂からなるプラスチック製の表示板19が設けられ、この表示板19の下端に支持部材10’’が保持されている。
【0019】
各表示板18、19には商品のPRや値段、商品名、図等のデザインが多様に施され表示面積が有効に利用されている。以下、本実施例の棚板5の説明において、棚板5の正面側を前方とし、棚板5の背面側を後方とし、棚板5の両側方向を左右方向として説明する。
【0020】
次に、本発明の実施例1を図2に基づいて説明する。まず、表示板18の取り付けについて具体的に説明すると、図2(a)に示されるように、上位置および下位置の棚板5は、ブラケット4の後端に形成された係合片4aと支柱2の係合穴2aへの係合によって、しっかりと位置固定されており、上位置の前端面5aの左右方向に沿って支持部材10が設けられ、同様に下位置の前端面5aの左右方向に沿って支持部材10が設けられており、上下の支持部材10間に挟持されるように表示板18が取り付けられている。
【0021】
具体的には、図2(b)に示されるように、上位置および下位置の棚板5の前端面5aには、ダボ穴5bが後方に向けて形成されており、このダボ穴5bに木製のダボ6が挿し込まれ、前端面5aから前方に突設させて取り付けられている。支持部材10の上部には上方に向けて開口する溝条11が形成され、下部には下方に向けて開口する溝条12が形成されており、溝条12の溝の深さは溝条11よりも深く形成されている。溝条11と溝条12の間隔幅には後方に向けて開口するダボ穴13が形成されている。
【0022】
上位置および下位置の棚板5の前端面5aに設けられたダボ6に支持部材10のダボ穴13を嵌合させることで、確実に支持部材10が位置固定され取り付けられる。このように、支持部材10がダボ6に取り付けられた状態においては、支持部材10の上面が棚板5の上面と面一になっていて、棚板5に載置された商品21の出し入れが円滑に行われる。
【0023】
一方、支持部材10の下面が棚板5の下面よりも下方に突出した状態で取り付けられており、下の溝条12の溝を深く形成できると共に、ダボ穴13の形成スペースを確保している。
【0024】
次いで、表示板18の取り付けを行うには、まず支持板18の上端縁を上位置の支持部材10の溝条12内に嵌合させ挿し込んでいき、支持板18を持ち上げながら支持板18の下端縁を下位置の支持部材10の溝条11位置に合わせて、落とし込こむことで支持板18の下端が溝条11に嵌合され取り付けられる。
【0025】
表示板18を取り外す際には、表示板18を上方に持ち上げつつ、支持板18の下端を溝条11から外すことで取り外せるようになっており、表示板18の取り付けおよび取り外しにはケンドン方式(持ち上げて取り付ける、持ち上げてはずす)が採用されている。なお、表示板18を上下の棚板5間に取り付けない場合には、支持部材10の上下に溝条11、12が形成されているだけで取付手段(ネジや係合穴等)が露出していないので、商品陳列棚1の正面からの美観が損なわれることがない。
【0026】
以上の説明により実施例1では、上位置および下位置の棚板5の前端面5aにそれぞれ支持部材10を設けることで、従来からの商品陳列棚1に対し複雑な加工を施すことなく適用でき、しかも上下の支持部材10の対向面には各々溝条12、11が形成されていることから、表示板18を商品陳列棚1の棚板5間の最前面に容易に取付取り外しができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できる。
【0027】
また、支持部材10の上下部には溝条11、12が形成されているので、上下のどの棚板間に対応しても適用可能であり、この溝条11、12を利用して、表示板18の上または下あるいは、その両位置に他の新たな表示板を追加保持させることもできる。そして、表示板18によって正面から隠蔽された棚板上の空間部は、ストック用品等の置き場所として利用できる。
【実施例2】
【0028】
次に、本発明の実施例2を図3に基づいて説明する。図3(a)は、棚板に設けられる実施例2の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、図3(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【0029】
なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。図3(a)に示されるように、上位置の棚板5の前端面5aの左右方向に沿って、上記した支持部材10と略同一構造の支持部材10’が設けられ、支持部材10’の下部に表示板19の上端縁がネジ17で取り付けられ、表示板19の下端縁に沿って、支持部材10’’がネジ17で取り付けられている。支持部材10’’は棚板5に取り付けられた支持部材10’を上下反転させたものであるので詳しい説明は割愛する。
【0030】
表示板19および支持部材10’の取り付けについて具体的に説明すると、図3(b)に示されるように、支持部材10’には後方から前方に向けてネジ孔10a’が形成されている。先ず表示板19の上端縁を支持部材10’の溝条12に嵌合させ、ネジ17をネジ孔10a’に挿通させ螺合させることで、表示板19が位置固定され吊持される。そして、表示板19の下端縁に支持部材10’’の溝条11を嵌合させ、ネジ17をネジ孔10a’’に挿通させ螺合させることで表示板19に支持部材10’’を保持させ、表示板19の下端が直接露出しないように端部処理がなされる。
【0031】
以上の説明により実施例2では、上位置の棚板5の前端面5aに設けられた支持部材10’に表示板19を取り付けることにより、下位置の棚板5に商品21を載置させた状態で、表示板19の大きさを任意に選択して、上下の棚板5間の高さ範囲内で表示板19のサイズを種々に選択して、表示板19の表示面積に応じた多様な利用を行うことができる。
【0032】
次に、本発明の実施例2の変形例を図4に基づいて説明する。図4(a)は、図3に示された実施例2の表示板取付装置の変形例を示す斜視図であり、図4(b)は、その表示板取付装置の要部拡大側断面図である。なお、以下の実施例2の変形例において前述の実施例2と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0033】
上記実施例2の変形例として、図4(a)に示されるように、上位置および下位置の棚板5の前端面5aに設けられた支持部材10’間には、上下方向に複数(本実施例では3枚)の表示板19が設けられ、上下の表示板19の間には左右方向に沿って連結部材14が設けられている。
【0034】
表示板19および連結部材14の取り付けについて具体的に説明すると、図4(b)に示されるように、連結部材14には上方に開口する溝条15および下方に開口する溝条16が形成され、上下にネジ孔14a、14bが形成されている。
【0035】
そこで、上位置の棚板5の支持部材10’に取り付けられた表示板19の下端縁には、連結部材14の溝条15が嵌合され、ネジ17をネジ孔14aに挿通させ螺合させることで表示板19に連結部材14を保持させる。この連結部材14の溝条16に新たな表示板19の上端縁を挿し込み嵌合させ、ネジ17をネジ孔14bに挿通させ螺合させることで、新たな表示板19が位置固定され吊持される。同様にして、新たな表示板19の下端縁に新たな連結部材14を連結させる。新たな連結部材14と下位置の棚板5の支持部材10’間には、前記実施例1で説明したケンドン方式で表示板19が取り付けられている。
【0036】
以上の説明により実施例2の変形例では、表示板19の下端縁に連結部材14を保持させて、連結部材14の下方の溝条16に新たな表示板19を保持させることができるので、表示内容に広がりをもたせることができ、さらに新たな連結部材14を設けることで、複数段の表示板19を棚板5、5間に設けることができ、必要に応じて図4(a)に示すように、棚間全体を表示板19で覆うことも可能である。
【実施例3】
【0037】
次に、本発明の実施例3を図5に基づいて説明する。図5は、本発明の実施例3における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。なお、以下の実施例3において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0038】
図5に示されるように、商品陳列棚1’の複数段に設けられた棚板5間には、前記実施例1で説明した表示板9を持ち上げて取り付けるケンドン方式で、上方より表示板18、表示板20、表示板20が取り付けられている。表示板20は縦長に形成されており、上位置の棚板5と下位置の棚板5の左右を区画して、商品21毎に区画が行われ表示板20の表示面積も有効に利用されている。
【0039】
実施例3では、上位置の棚板5と下位置の棚板5間に縦長の表示板20を設けることで、商品陳列棚1’の多種多様な利用方法を提供することができ、例えば、表示板20そのものにデザインを施して、顧客に商品21を注目させるようにすることもできる。
【実施例4】
【0040】
次に、本発明の実施例4を図6に基づいて説明する。図6は、本発明の実施例4における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の要部拡大断面図である。なお、以下の実施例4において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0041】
本実施例1〜3においては、棚板5の前端面5aに支持部材10、10’や連結部材14を設けて、これらの間に表示板18、19を取り付けることで、できる限り表示板18、19を商品陳列棚1、1’の最前面に設けるようにしていた事から好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、図6に示されるように、上位置の棚板5の前端部5cに下方に開口する溝条5dを形成させるとともに、下位置の棚板5の前端部5cに上方に開口する溝条5eを形成させて、表示板18を上下の溝条5dおよび溝条5e間に前記実施例1で説明した表示板9を持ち上げて取り付けるケンドン方式で嵌合させ取り付けるようにしても良い。
【0042】
これにより実施例4では、表示板18の上端縁および下端縁を上下の棚板5の溝条5d、5eに嵌合させ挟持させることができるので、表示板18を棚板5間の前面に安定して設けることができ、表示板18の大きな表示面積を利用して多様な表示を実現できるとともに、上下の棚板5間に表示板18を設けない場合においても、商品陳列棚の正面からの美観が損なわれることがない。
【0043】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、ダボ6を用いて支持部材10、10’を棚板5の前端面5aに取り付けることで、棚板5と支持部材10、10’との着脱を行えることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、支持部材10、10’を接着剤等で棚板5の前端面5aに固着して取り付けても良い。また、ネジ17を用いた支持部材10、10’と表示板19との取り付けについても、ネジを用いることなく接着剤等で支持部材10、10’に表示板19を固着させても良い。
【0044】
また、上記実施例において、表示板18、19が取り付けられた上位置の棚板5の下面に照明等を設けるようにしても良く、このようにすれば下位置の棚板5に載置された複数の商品21に照明を当てることができるとともに、表示板10を外部に透光させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。
【図2】(a)は、棚板に取り付けられる実施例1の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図3】(a)は、棚板に設けられる実施例2の表示板取付装置の分解組立斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図4】(a)は、図3に示された実施例2の表示板取付装置の変形例を示す斜視図であり、(b)は、表示板取付装置の要部拡大側断面図である。
【図5】本発明の実施例3における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の斜視図である。
【図6】本発明の実施例4における表示板取付装置が適用された商品陳列棚の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1、1’ 商品陳列棚
2 支柱
2a 係合穴
3 側面板
4 ブラケット
4a 係合片
5 棚板
5a 前端面
5b ダボ穴
5c 前端部
5d、5e 溝条
6 ダボ
7 側面板
8 背面板
9 載置台
10、10’、10’’ 支持部材
10a’、10a’’ ネジ孔
11、12 溝条
13 ダボ穴
14 連結部材
14a、14b ネジ孔
15、16 溝条
17 ネジ
18 表示板
19 表示板
20 表示板
21 商品
22 表示カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、少なくとも上下に対向する一対の棚板について、上位置の棚板の前端部には、下方が開口する溝条が形成され、下位置の棚板の前端部には、上方が開口する溝条を設けるとともに、該上下の溝条に表示板の上端縁および下端縁を嵌合させたことを特徴とする商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項2】
前記上位置の棚板の前端面には、前記下方に開口する溝条が形成された支持部材を設け、前記下位置の棚板の前端面には、前記上方に開口する溝条が形成された支持部材を設けた請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項3】
前記上位置および下位置の棚板の前端面には上下に開口する溝条が形成される請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項4】
前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させた請求項2または3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項5】
互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、前記棚板の前端面には、下方が開口する溝条が形成された支持部材を設けるとともに、該溝条に表示板の上端縁を嵌合させ固定したことを特徴とする商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項6】
前記表示板の下端縁に嵌合する上方が開口する溝条と、下方が開口する溝条が形成された連結部材を、前記表示板の下端縁に保持させた請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項7】
前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させた請求項5または6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項1】
互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、少なくとも上下に対向する一対の棚板について、上位置の棚板の前端部には、下方が開口する溝条が形成され、下位置の棚板の前端部には、上方が開口する溝条を設けるとともに、該上下の溝条に表示板の上端縁および下端縁を嵌合させたことを特徴とする商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項2】
前記上位置の棚板の前端面には、前記下方に開口する溝条が形成された支持部材を設け、前記下位置の棚板の前端面には、前記上方に開口する溝条が形成された支持部材を設けた請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項3】
前記上位置および下位置の棚板の前端面には上下に開口する溝条が形成される請求項1に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項4】
前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させた請求項2または3に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項5】
互いに平行な複数の支柱に、上下複数段の棚板を支持させた商品陳列棚の表示板取付装置において、前記棚板の前端面には、下方が開口する溝条が形成された支持部材を設けるとともに、該溝条に表示板の上端縁を嵌合させ固定したことを特徴とする商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項6】
前記表示板の下端縁に嵌合する上方が開口する溝条と、下方が開口する溝条が形成された連結部材を、前記表示板の下端縁に保持させた請求項5に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【請求項7】
前記支持部材の上面を棚板の上面と面一に、前記支持部材の下面を棚板の下面よりも下方に突出させ、前記上下の溝条間と前記棚板の前端面をダボで結合させた請求項5または6に記載の商品陳列棚の表示板取付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2006−25955(P2006−25955A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206800(P2004−206800)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】
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