説明

商品陳列棚

【課題】 包装された平板状の商品を購入者が直接中身に触れて構造などの詳細を確認できるように陳列できる商品陳列棚を提供する。
【解決手段】 商品載置用の棚板2の前縁に、平板状の商品見本ロの基部を保持してこの商品見本ロを前記棚板2の前縁に起立させた展示状態と伏倒された非展示状態と切り替えできる蝶番11を設けた。なお、商品見本ロとしては棚板2に載置される平板状の商品イを所定の比率で縮尺したものが好ましく、また、蝶番11は棚板2の前縁に対して着脱自在な受具12を介して取り付けることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として包装された平板状の商品を棚板に並べて販売するうえにおいて便利な商品陳列棚に関するもので、特に、顧客が包装された商品に直接触れることなく内容物の構造などの詳細を確認したうえ購入できるように陳列する商品陳列棚に関するものである。
【背景技術】
【0002】
量販店などにおいては、平板状の商品は包装の手間を省くためにシュリンクフィルムにより包装された状態としてこれを商品陳列棚の棚板上に陳列して店頭販売されることが多いが、額縁のように大きさや構造が異なるために多品種を品揃えしておく必要のある商品の場合には、棚板に陳列されている包装された商品の中身を顧客が直接触れて構造などの詳細を確認できない不便がある。そこで、従来は包装を解いた1個の商品見本を用意してこれを棚板に紐で吊り下げるなどして購入者が商品自体の構造などの詳細を確認できるようにしているが、多品種の商品の全てについての見本を体裁よく吊り下げておくことができないものである。また、特許文献1に見られるように棚板を多段に設けた陳列用ケースの上方位置に商品見本展示台を設けたものもあるが、これは、棚板の商品と商品見本との対応を品番により行わなければならず、商品を見つけ出すのに手間取るものであった。
【特許文献1】特開2003−125906号公報(請求項2、図1及び図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとするところは、前記のような問題を解決して、包装された状態で陳列してある多品種の平板状の商品を購入者が直接中身に触れて構造などの詳細を確認できるようにした商品陳列棚を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記のような課題を解決した本発明の商品陳列棚は、商品載置用の棚板の前縁に、平板状の商品見本の基部を保持してこの商品見本を前記棚板の前縁に起立させた展示状態と伏倒された非展示状態と切り替えできる蝶番を設けたことを特徴とするものを基本構成とする。そして、前記した発明における商品見本を、棚板に載置される商品を所定の比率で縮尺したものとしたものを請求項2の発明とし、また、前記した各発明における蝶番を棚板の前縁に着脱自在な受具を介して取り付けるようにしたものを請求項3の発明とする。また、この請求項3の発明における受具として、棚板の前縁に嵌支されるコ字型受具を用いたものを請求項4の発明とし、特に、このコ字型受具をその両脚板部をもって棚板の前縁に設けた上下の受溝に挿し込むようにして棚板の前縁に対して着脱自在としたものを請求項5の発明とする。さらに、商品載置用の棚板が複数段ある商品陳列棚において、下段の棚板に載置される平板状の商品に対応する商品見本をこの下段の棚板より上段の棚板の前縁に設けた蝶番により吊り下げられて常時は上下の棚板間の前方に垂下された展示状態を保持するが、必要時には前記した商品見本を蝶番を介して上向きに枢動させて上下の棚板間の前方を開口させて商品見本が下段の棚板への商品の出し入れに支障のないようにしたものを請求項6の発明とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は前記したように、商品載置用の棚板の前縁に、平板状の商品見本の基部を保持してこの商品見本を前記棚板の前縁に起立させた展示状態と伏倒された非展示状態と切り替えできる蝶番を設けたので、この蝶番に棚板に載置される商品に対応する商品見本を取り付ければ、商品見本が常時は棚板の前方で起立させた展示状態とされるから、額縁などの包装された状態で棚板に載置された商品を顧客が取出さなくても、棚板の前方で展示された状態にある商品見本を手にして商品の構造などの詳細を確認することができる。そして、その商品の構造などを納得してこれを購入したいときのように棚板から商品を取り出したいときや、棚板に商品を補充したいときには、棚板の前縁に蝶番をもって取り付けられて展示状態にある商品見本を前記した蝶番を介して枢動させて棚板の前方空間を開けば、包装された状態で棚板に載置された商品を容易に取り出したり補充したりできる非展示状態に切り替えできるから、この状態で商品を取り出せばよく、商品の出し入れに商品見本が邪魔になることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の好ましい実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、1は商品載置用の棚板2が複数段ある陳列棚本体、11は棚板2の前縁の垂直面部3に設けられた蝶番である。この蝶番11は下段の棚板2に載置される商品イに対応する商品見本ロを、上下の棚板2、2の前方空間において展示される起立状態と、棚板2の前方空間が開かれて下段の棚板2上に載置された平板状の商品イを取り出せる状態とに切り替えられるよう起伏自在に保持するためのものであって、図示例では下段の棚板2に載置される商品イに対応する商品見本ロが上段の棚板2の前縁に設けた蝶番により吊り下げられて常時は上下の棚板2,2間の前方に垂下された展示状態を保持するが、必要時には前記した商品見本ロが蝶番を介して上向きに枢動されて上下の棚板2,2間の前方を開口させ、垂下された商品見本ロが下段の棚板2への商品の出し入れに支障のないようにしてある。なお、前記した蝶番11は棚板2の前縁より着脱できるようにするため、棚板2の前縁の垂直面部3に対して着脱自在な受具12に取り付けられて棚板2の前縁より着脱できるものとしてある。また、図示する受具12は、棚板2の垂直面部3の前面に設けた上下の受溝21,21に両脚板部13,13が挿し込まれて棚板2の前縁に対して着脱自在に嵌支されるようにしたコ字型受具であって、上下の受溝21,21の間隔よりわずかに大きい間隔で配置される両脚板部13,13を材質のもつ弾発力で強制的に狭めて強制介入させることによりねじ止めなどの固定手段を用いることなく棚板2の前縁の所定位置に着脱自在に設けることができるものとしてある。
【0007】
本発明は前記したように商品載置用の棚板2の前縁に、平板状の商品見本ロをその基部において保持してこの商品見本ロを前記棚板2の前縁に起立させた展示状態と、伏倒された非展示状態と切り替えできる蝶番11を設けたことを特徴とするが、本発明における商品見本ロとしては、棚板2に載置される商品イと同一のものでも、棚板2に載置される商品イを所定の比率で縮尺したものであってもよく、特に、後者のように縮尺したものを用いれば、それだけ場所どることがないので、棚板2、2間の前部空間が一部残されて体裁よく展示できるのでより好ましい。
【0008】
また、前記した各発明における蝶番11は棚板2の前縁に固定してあっても着脱自在であってもよいが、特に、着脱自在な受具12を介して棚板2の前縁に取り付けるようにしておけば、通常の商品陳列棚としても用いるときに蝶番11が目障りになることがないのでより好ましい。この場合の受具12としては、棚板2の前縁に嵌支されるコ字型受具が簡単な構造であるにもかかわらず安定性がよく、特に、このコ字型受具を金属板やプラスチックのように材質の特性によって脚部間隔を狭めることのできるものとして、その両脚板部13,13を棚板2の前縁に設けた上下の受溝21,21に挿し込むとその弾性復元力により旧状に復帰して受溝に保持されて棚板2の前縁に対して着脱自在なものとしておけば、別にコ字型受具の保持機構を設ける必要がないので一層好ましい。
【0009】
さらに、商品見本ロの展示状態は、棚板2に載置される平板状の商品イに対応する商品見本ロを棚板2の前縁に設けた蝶番11により上向きに起立する展示状態を保持するが、必要時には前記した商品見本ロを蝶番11を介して伏倒させた非展示状態と切り替えて商品見本ロが棚板2への商品の出し入れに支障のないようにしたものとしてもよいが、特に、商品載置用の棚板2が複数段よりなる商品陳列棚1においては、下段の棚板2に載置される平板状の商品イに対応する商品見本ロを上段の棚板2の前縁に設けた蝶番11により吊り下げられて常時は上下の棚板2,2間の前方に垂下された展示状態を保持するが、必要時には前記した商品見本ロを蝶番11を介して上向きに枢動させて上下の棚板2,2間の前方空間を開くようにしたものは、下段の棚板2への商品イの出し入れに商品見本ロが支障となることがないうえに、商品見本ロの裏側の構造を顧客が確認し易いので特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】商品見本を展示している状態で示す本発明の好ましい実施の形態の一部切欠斜視図である。
【図2】商品見本を非展示状態として示す本発明の好ましい実施の形態の一部切欠斜視図である。
【図3】本発明の好ましい実施の形態を示す一部切欠側面図である。
【図4】蝶番と受具とを取り付けた商品見本の1例を示す一部切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0011】
2 棚板
11 蝶番
12 受具
13 脚板部
21 受溝
イ 商品
ロ 商品見本

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品載置用の棚板の前縁に、平板状の商品見本の基部を保持してこの商品見本を前記棚板の前縁に起立させた展示状態と、伏倒された非展示状態と切り替えできる蝶番を設けたことを特徴とする商品陳列棚。
【請求項2】
商品見本が、棚板に載置される平板状の商品を所定の比率で縮尺したものである請求項1に記載の商品陳列棚。
【請求項3】
蝶番が棚板の前縁に対して着脱自在な受具を介して取り付けられている請求項1または2に記載の商品陳列棚。
【請求項4】
棚板の前縁に対して着脱自在な受具が、棚板の前縁に嵌支されるコ字型受具である請求項3に記載の商品陳列棚。
【請求項5】
コ字型受具がその両脚板部をもって棚板の前縁に設けた上下の受溝に挿し込まれて棚板の前縁に対して着脱自在とされている請求項4に記載の商品陳列棚。
【請求項6】
商品載置用の棚板が複数段あり、下段の棚板に載置される平板状の商品に対応する商品見本が上段の棚板の前縁に設けた蝶番により吊り下げられて常時は上下の棚板間の前方に垂下された展示状態を保持するが、必要時には前記した商品見本を蝶番を介して上向きに枢動させて上下の棚板間の前方を開口させて商品見本が下段の棚板への商品の出し入れに支障のないようにした請求項1〜5のいずれかに記載の商品陳列棚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−75261(P2006−75261A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260738(P2004−260738)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(390008453)株式会社大仙 (4)
【Fターム(参考)】