商品陳列用吊下げ具
【課題】 本発明は、スプレー缶などの商品を嵌め入れて吊り下げる商品陳列用吊下げ具において、吊下げ時に商品が抜け落ちることがないように改良することを課題とする。
【解決手段】 柔軟性のあるシート材からなり、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片2と、前記筒状シート片2の一部分に連設された吊下げ用シート片3と、を有し、前記筒状シート片2の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片3を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具1であって、前記筒状シート片2の内径のうち、筒状シート片2の下方部の内径L2が最も小さく形成されている。
【解決手段】 柔軟性のあるシート材からなり、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片2と、前記筒状シート片2の一部分に連設された吊下げ用シート片3と、を有し、前記筒状シート片2の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片3を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具1であって、前記筒状シート片2の内径のうち、筒状シート片2の下方部の内径L2が最も小さく形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー缶などの商品を嵌め入れて保持した状態で、陳列棚などに吊り下げられる商品陳列用吊下げ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の商品が、様々な形態で陳列販売されている。
このうち、販売店の陳列棚に設けられた吊下棒に、商品を吊り下げて販売する形態が知られている。このような形態の場合、商品を吊り下げるために、吊下げ具が用いられている。
かかる吊下げ具として、商品の外周を環状に取り巻き結束する薄い合成樹脂製のフィルム状バンドと、該フィルム状バンドに溶着された厚い合成樹脂層のシート状ヘッダーと、を備え、シート状ヘッダーに商品吊下桿に係合される吊下係合部が設けられた商品陳列用吊下げ具が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−30533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の商品陳列用吊下げ具は、上記フィルム状バンドに商品を嵌めて吊り下げた際に、商品の自重により、商品がバンドから抜け落ちることがある。特に、商品が、スプレー缶のような円筒状容器の場合には、抜け落ち易い傾向にある。
【0004】
本発明は、吊り下げた際に、商品が抜け落ちることを防止できる商品陳列用吊下げ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の商品陳列用吊下げ具は、柔軟性のあるシート材からなり、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片と、前記筒状シート片の一部分に連設された吊下げ用シート片と、を有し、前記筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具であって、前記筒状シート片の内径のうち、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されていることを特徴とする。
【0006】
上記本発明の商品陳列用吊下げ具は、筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れ、吊下げ用シート片を陳列棚の吊下棒などに吊り下げることにより使用される。
上記商品陳列用吊下げ具は、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されているので、吊下げた際に、商品が筒状シート片から抜け落ちることを防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る商品陳列用吊下げ具は、吊り下げた際、筒状シート片に嵌め入れた商品が抜け落ちることを防止することができる。
従って、本発明によれば、商品を良好に吊下げ陳列できる商品陳列用吊下げ具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、本発明に於いて、商品陳列用吊下げ具を吊り下げた状態を基準にして、「上」及び「下」という方向を示す用語を便宜上用いている。
【0009】
図1及び図2に於いて、1は、本発明の一実施形態に係る商品陳列用吊下げ具を示す。
商品陳列用吊下げ具1は、後述するように、柔軟性のあるシート材を組み立てて形成されている。
該商品陳列用吊下げ具1は、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片2と、筒状シート片2の一部分に連設され且つ上方に延出された吊下げ用シート片3と、を有する。商品陳列用吊下げ具1は、前記筒状シート片2の内側に商品の胴部を嵌め入れて商品を保持した状態で、吊下げ用シート片3を陳列棚の吊下棒などに吊り下げることにより使用される。
上記筒状シート片2の内径は、下方に向かうに従って小さくなっている。
また、筒状シート片2の上縁のうち、吊下げ用シート片3が連設された部分に対向する側における筒状シート片2の上縁2bは、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
【0010】
具体的には、筒状シート片2は、帯状のシート片を丸め、帯状のシート片の一側端部に形成された糊代用シート片7を該帯状のシート片の他側端部に重ね合わせて接着することによって、筒状に形成されている。
筒状シート片2の内径は、下方に向かうに従って小さくなるように形成されている。
従って、この筒状シート片2の上方部における内径L1は、筒状シート片2の下方部における内径L2よりも大きく形成され、筒状シート片2の下方部における内径L2が、筒状シート片2の最小径となっている。筒状シート片2の下方部における内径L2は、保持する商品の胴部の外径と略同等又は前記外径よりも僅かに大きく形成される。
筒状シート片2の上方部における内径L1と下方部に於ける内径L2の径差は、特に限定されないが、好ましくは、上方部に於ける内径L1が、下方部に於ける内径L2の1.005倍〜1.05倍程度であり、より好ましくは、下方部に於ける内径L2の1.01倍〜1.03倍程度である。
【0011】
筒状シート片2の下縁2aは、直線状に形成されている。
一方、筒状シート片の上縁のうち、吊下げ用シート片3が連設された部分に対向する側における筒状シート片2の上縁2bは、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
なお、この上縁2bは、略V字形状に限られず、略半円弧状、略台形状などでもよい。筒状シート片2の上縁の一部分が下方に抉れた形状(例えば、略V字形状など)に形成されていることにより、筒状シート片2の上方から商品を筒状シート片2の内側に嵌め入れ易くなる。このように筒状シート片2の上縁が抉れていると好ましいが、筒状シート片2の上縁を、下縁2aと同様に、直線状に形成してもよい。
【0012】
吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の上縁の一部分に連設されている。該吊下げ用シート片3は、略V字形状に形成された上縁2bに対向する側における筒状シート片2の上縁の一部分に連設されている。
【0013】
上記吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の上縁の一部分から上方に延出された矩形状のシート片からなり、吊下げ用シート片3の面内上方部には、吊下げ用の孔31が穿設されている。
【0014】
なお、使用前の商品陳列用吊下げ具1は、保管の便のため、扁平状に折り畳まれている。具体的には、筒状シート片2の内面が接するように、筒状シート片2が扁平状に畳まれている。該筒状シート片2を折り畳み易くするため、筒状シート片2の面内には、上下方向に延びる一対の折り罫線53が形成されている。該一対の折り罫線53は、筒状シート片2の軸線を中心にして対向する位置に形成されている。
【0015】
上記折り罫線53は、シート材を折り曲げ易く型付けできるように形成された線からなる。かかる機能を有していれば、折り罫線53の構成は特に限定されず、例えば、シート材を厚み方向に略V字状に切り込んだハーフカット線、シート材を貫通する短い孔が断続的に形成されたミシン目線などを用いることができる。
【0016】
上記商品陳列用吊下げ具1を構成するシート材は、柔軟性(可撓性ともいう)を有するシート材であれば特に限定されず、公知のシート材を用いることができる。
該シート材としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などの各種合成樹脂製シート、厚紙、合成紙などを用いることができる。また、シート材は、同種材料又は異種材料の積層シートでもよい。保持した商品を外部から視認できることから、透明(無色透明又は有色透明)なシート材を用いることが好ましい。中でも、適度な剛性と柔軟性を有することから、合成樹脂製シート又は合成樹脂シートが積層された積層シートを用いることが好ましい。前記合成樹脂製シートとしては、ポリプロピレン製シートを用いることがより好ましい。
シート材の厚みは、特に限定されないが、例えば、合成樹脂製シート又は合成樹脂製シートを含む積層シートの場合には、0.2mm〜1.0mm程度が例示される。
【0017】
次に、図3は、上記商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シート10を示す。図3に付した符号のうち、上記商品陳列用吊下げ具1の各構成要素に対応する部分については、同じ符号を付している。
【0018】
この展開シート10は、1枚のシート材を打ち抜いて形成されている。
この展開シート10は、商品陳列用吊下げ具1の筒状シート片2を構成する帯状のシート片と、吊下げ用シート片3を構成する矩形状のシート片と、が連なって形成されている。
筒状シート片2を構成する帯状のシート片の上縁の幅W1は、帯状のシート片の下縁の幅W2よりも長く形成されている。
また、筒状シート片2を構成する帯状のシート片の面内には、一対の折り罫線53,53が形成され、そのうちの一方の折り罫線53を挟んで、糊代用シート片7が延出されている。
また、上記帯状のシート片の約半分の領域(一対の折り罫線53,53で挟まれた領域)における上縁は、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
【0019】
上記展開シート10の帯状のシート片を丸め、糊代用シート片7を帯状シート片の側端部に接着することにより、上記商品陳列用吊下げ具1が形成される。
糊代用シート片7の接着方法は、特に限定されず、接着剤又は両面接着テープを介した接着、溶剤を塗布した溶着、熱で一部を溶かした融着などを例示できる。
【0020】
上記商品陳列用吊下げ具1は、図4に示すように、筒状シート片2の内側に商品9の胴部91を嵌め入れることにより、商品9を保持できる。
筒状シート片2の内側に商品9を嵌め入れた商品陳列用吊下げ具1は、吊下げ用シート片3の孔31を、陳列棚の吊下棒99に挿入することにより、陳列棚に吊下げられる。
本発明の商品陳列用吊下げ具1に保持する商品9は、筒状の胴部91を有していれば、特に限定されない。本発明の商品陳列用吊下げ具1は、円筒状の胴部91を有する商品9であっても、該商品9を筒状シート片2で良好に保持することができる。このような円筒状の胴部91を有する商品9の具体例としては、化粧品などを充填したスプレー缶、口紅などを詰めた筒状容器、飲料などを充填したボトル型容器などが挙げられる。
【0021】
上記商品陳列用吊下げ具1を用いれば、吊下げた際に、商品9が筒状シート片2から抜け落ちることを防止できる。この作用は、明確ではないが、本発明者らは、次のように推定する。すなわち、商品陳列用吊下げ具1の吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の一部分に連設されている。このため、図4に示すように、前記筒状シート片2に商品9を保持した状態で、吊下げ用シート片3を吊下棒99に吊り下げると、商品9の自重によって、筒状シート片2は、吊下げ用シート片3の連設部分に対向する側における上縁2b’が下方に下がり且つ吊下げ用シート片3の連設部分の下方側における下縁2a’が上方に上がるように傾く。筒状シート片2が傾く結果、商品9の重量が、筒状シート片2の下縁に集中的に加わる。本発明の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の下方部における内径が最も小さいので、筒状シート片2の下縁2aが、商品9の胴部91の外面に強く密着し、商品が抜け落ちることを防止できると考えられる。
【0022】
次に、本発明の商品陳列用吊下げ具1の変形例を示す。ただし、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
上記実施形態において、筒状シート片2と吊下げ用シート片3との境界部に、折り罫線を形成してもよい。この場合、前記境界部の折り罫線は、吊下げ用シート片3の延出方向と略直交する方向に延びる、直線状に形成されていることが好ましい。
【0023】
また、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1に比して、筒状シート片2の上下方向長さが短く形成されていてもよいし、或いは、長く形成されていてもよい。
図5は、上下方向長さが短い筒状シート片2を有する商品陳列用吊下げ具1の実施形態を示す。図6は、その商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シートを示す。
また、図7は、上下方向長さが長い筒状シート片2を有する商品陳列用吊下げ具1の実施形態を示す。図8は、その商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シートを示す。
いずれの商品陳列用吊下げ具1も、筒状シート片2の上方部における内径L1が、筒状シート片2の下方部における内径L2よりも大きく形成され、筒状シート片2の下方部における内径L2が、筒状シート片2の最小径となっている。
【0024】
さらに、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内径が下方に向かうに従って小さく形成されているが、本発明の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内径のうち、下方部における内径が最も小さく形成されていればよい。従って、例えば、筒状シート片2の上方部から中途部に於ける内径が等しく(つまり、筒状シート片2の上方部から中途部が、円筒状に形成されており)、筒状シート片2の中途部から下方部に向かうに従ってその内径が小さくなるように形成されていてもよい。また、筒状シート片2の中途部の内径が最も大きく、且つ筒状シート片2の下方部の内径が最も小さく形成されていてもよい。
【0025】
また、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1は、吊下げ用シート片3が筒状シート片2の上縁から上方に延出されているが、吊下げ用シート片3が筒状シート片2の下縁に延出されていてもよい。このような商品陳列用吊下げ具1は、例えば、図9及び図10に示すように、筒状シート片2の下縁に延出された吊下げ用シート片3を、筒状シート片2の内側へ折り返して、該吊下げ用シート片3を筒状シート片2の上方に延出させることによって構成できる。
【0026】
図11は、図9及び図10に示す商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シート10を示す。図11において、吊下げ用シート片3を構成する帯状のシート片と筒状シート片2を構成するシート片との境界部分には、折り罫線55が形成されている。該折り罫線55にて、吊下げ用シート片3が約180度折り返される。
【0027】
吊下げ用シート片3が筒状シート片2の下縁に延出された上記商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内側に商品9の胴部91を嵌め入れたときに、筒状シート片2と商品の間に、折り返した吊下げ用シート片3が介在する。このため、上記商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内面と商品の外面との間の隙間を埋めることができ、商品が抜け落ちることをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図2】同右側面図。
【図3】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図4】同商品陳列用吊下げ具の筒状シート片に商品を嵌め入れた状態を示す右側面図。
【図5】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図6】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図7】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図8】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図9】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図10】同右側面図。
【図11】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【符号の説明】
【0029】
1…商品陳列用吊下げ具、2…筒状シート片、3…吊下げ用シート片、53…折り罫線、9…商品、91…商品の胴部
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー缶などの商品を嵌め入れて保持した状態で、陳列棚などに吊り下げられる商品陳列用吊下げ具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の商品が、様々な形態で陳列販売されている。
このうち、販売店の陳列棚に設けられた吊下棒に、商品を吊り下げて販売する形態が知られている。このような形態の場合、商品を吊り下げるために、吊下げ具が用いられている。
かかる吊下げ具として、商品の外周を環状に取り巻き結束する薄い合成樹脂製のフィルム状バンドと、該フィルム状バンドに溶着された厚い合成樹脂層のシート状ヘッダーと、を備え、シート状ヘッダーに商品吊下桿に係合される吊下係合部が設けられた商品陳列用吊下げ具が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−30533号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の商品陳列用吊下げ具は、上記フィルム状バンドに商品を嵌めて吊り下げた際に、商品の自重により、商品がバンドから抜け落ちることがある。特に、商品が、スプレー缶のような円筒状容器の場合には、抜け落ち易い傾向にある。
【0004】
本発明は、吊り下げた際に、商品が抜け落ちることを防止できる商品陳列用吊下げ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の商品陳列用吊下げ具は、柔軟性のあるシート材からなり、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片と、前記筒状シート片の一部分に連設された吊下げ用シート片と、を有し、前記筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具であって、前記筒状シート片の内径のうち、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されていることを特徴とする。
【0006】
上記本発明の商品陳列用吊下げ具は、筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れ、吊下げ用シート片を陳列棚の吊下棒などに吊り下げることにより使用される。
上記商品陳列用吊下げ具は、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されているので、吊下げた際に、商品が筒状シート片から抜け落ちることを防止できる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る商品陳列用吊下げ具は、吊り下げた際、筒状シート片に嵌め入れた商品が抜け落ちることを防止することができる。
従って、本発明によれば、商品を良好に吊下げ陳列できる商品陳列用吊下げ具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ただし、本発明に於いて、商品陳列用吊下げ具を吊り下げた状態を基準にして、「上」及び「下」という方向を示す用語を便宜上用いている。
【0009】
図1及び図2に於いて、1は、本発明の一実施形態に係る商品陳列用吊下げ具を示す。
商品陳列用吊下げ具1は、後述するように、柔軟性のあるシート材を組み立てて形成されている。
該商品陳列用吊下げ具1は、シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片2と、筒状シート片2の一部分に連設され且つ上方に延出された吊下げ用シート片3と、を有する。商品陳列用吊下げ具1は、前記筒状シート片2の内側に商品の胴部を嵌め入れて商品を保持した状態で、吊下げ用シート片3を陳列棚の吊下棒などに吊り下げることにより使用される。
上記筒状シート片2の内径は、下方に向かうに従って小さくなっている。
また、筒状シート片2の上縁のうち、吊下げ用シート片3が連設された部分に対向する側における筒状シート片2の上縁2bは、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
【0010】
具体的には、筒状シート片2は、帯状のシート片を丸め、帯状のシート片の一側端部に形成された糊代用シート片7を該帯状のシート片の他側端部に重ね合わせて接着することによって、筒状に形成されている。
筒状シート片2の内径は、下方に向かうに従って小さくなるように形成されている。
従って、この筒状シート片2の上方部における内径L1は、筒状シート片2の下方部における内径L2よりも大きく形成され、筒状シート片2の下方部における内径L2が、筒状シート片2の最小径となっている。筒状シート片2の下方部における内径L2は、保持する商品の胴部の外径と略同等又は前記外径よりも僅かに大きく形成される。
筒状シート片2の上方部における内径L1と下方部に於ける内径L2の径差は、特に限定されないが、好ましくは、上方部に於ける内径L1が、下方部に於ける内径L2の1.005倍〜1.05倍程度であり、より好ましくは、下方部に於ける内径L2の1.01倍〜1.03倍程度である。
【0011】
筒状シート片2の下縁2aは、直線状に形成されている。
一方、筒状シート片の上縁のうち、吊下げ用シート片3が連設された部分に対向する側における筒状シート片2の上縁2bは、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
なお、この上縁2bは、略V字形状に限られず、略半円弧状、略台形状などでもよい。筒状シート片2の上縁の一部分が下方に抉れた形状(例えば、略V字形状など)に形成されていることにより、筒状シート片2の上方から商品を筒状シート片2の内側に嵌め入れ易くなる。このように筒状シート片2の上縁が抉れていると好ましいが、筒状シート片2の上縁を、下縁2aと同様に、直線状に形成してもよい。
【0012】
吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の上縁の一部分に連設されている。該吊下げ用シート片3は、略V字形状に形成された上縁2bに対向する側における筒状シート片2の上縁の一部分に連設されている。
【0013】
上記吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の上縁の一部分から上方に延出された矩形状のシート片からなり、吊下げ用シート片3の面内上方部には、吊下げ用の孔31が穿設されている。
【0014】
なお、使用前の商品陳列用吊下げ具1は、保管の便のため、扁平状に折り畳まれている。具体的には、筒状シート片2の内面が接するように、筒状シート片2が扁平状に畳まれている。該筒状シート片2を折り畳み易くするため、筒状シート片2の面内には、上下方向に延びる一対の折り罫線53が形成されている。該一対の折り罫線53は、筒状シート片2の軸線を中心にして対向する位置に形成されている。
【0015】
上記折り罫線53は、シート材を折り曲げ易く型付けできるように形成された線からなる。かかる機能を有していれば、折り罫線53の構成は特に限定されず、例えば、シート材を厚み方向に略V字状に切り込んだハーフカット線、シート材を貫通する短い孔が断続的に形成されたミシン目線などを用いることができる。
【0016】
上記商品陳列用吊下げ具1を構成するシート材は、柔軟性(可撓性ともいう)を有するシート材であれば特に限定されず、公知のシート材を用いることができる。
該シート材としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などの各種合成樹脂製シート、厚紙、合成紙などを用いることができる。また、シート材は、同種材料又は異種材料の積層シートでもよい。保持した商品を外部から視認できることから、透明(無色透明又は有色透明)なシート材を用いることが好ましい。中でも、適度な剛性と柔軟性を有することから、合成樹脂製シート又は合成樹脂シートが積層された積層シートを用いることが好ましい。前記合成樹脂製シートとしては、ポリプロピレン製シートを用いることがより好ましい。
シート材の厚みは、特に限定されないが、例えば、合成樹脂製シート又は合成樹脂製シートを含む積層シートの場合には、0.2mm〜1.0mm程度が例示される。
【0017】
次に、図3は、上記商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シート10を示す。図3に付した符号のうち、上記商品陳列用吊下げ具1の各構成要素に対応する部分については、同じ符号を付している。
【0018】
この展開シート10は、1枚のシート材を打ち抜いて形成されている。
この展開シート10は、商品陳列用吊下げ具1の筒状シート片2を構成する帯状のシート片と、吊下げ用シート片3を構成する矩形状のシート片と、が連なって形成されている。
筒状シート片2を構成する帯状のシート片の上縁の幅W1は、帯状のシート片の下縁の幅W2よりも長く形成されている。
また、筒状シート片2を構成する帯状のシート片の面内には、一対の折り罫線53,53が形成され、そのうちの一方の折り罫線53を挟んで、糊代用シート片7が延出されている。
また、上記帯状のシート片の約半分の領域(一対の折り罫線53,53で挟まれた領域)における上縁は、下方に抉れた略V字形状に形成されている。
【0019】
上記展開シート10の帯状のシート片を丸め、糊代用シート片7を帯状シート片の側端部に接着することにより、上記商品陳列用吊下げ具1が形成される。
糊代用シート片7の接着方法は、特に限定されず、接着剤又は両面接着テープを介した接着、溶剤を塗布した溶着、熱で一部を溶かした融着などを例示できる。
【0020】
上記商品陳列用吊下げ具1は、図4に示すように、筒状シート片2の内側に商品9の胴部91を嵌め入れることにより、商品9を保持できる。
筒状シート片2の内側に商品9を嵌め入れた商品陳列用吊下げ具1は、吊下げ用シート片3の孔31を、陳列棚の吊下棒99に挿入することにより、陳列棚に吊下げられる。
本発明の商品陳列用吊下げ具1に保持する商品9は、筒状の胴部91を有していれば、特に限定されない。本発明の商品陳列用吊下げ具1は、円筒状の胴部91を有する商品9であっても、該商品9を筒状シート片2で良好に保持することができる。このような円筒状の胴部91を有する商品9の具体例としては、化粧品などを充填したスプレー缶、口紅などを詰めた筒状容器、飲料などを充填したボトル型容器などが挙げられる。
【0021】
上記商品陳列用吊下げ具1を用いれば、吊下げた際に、商品9が筒状シート片2から抜け落ちることを防止できる。この作用は、明確ではないが、本発明者らは、次のように推定する。すなわち、商品陳列用吊下げ具1の吊下げ用シート片3は、筒状シート片2の一部分に連設されている。このため、図4に示すように、前記筒状シート片2に商品9を保持した状態で、吊下げ用シート片3を吊下棒99に吊り下げると、商品9の自重によって、筒状シート片2は、吊下げ用シート片3の連設部分に対向する側における上縁2b’が下方に下がり且つ吊下げ用シート片3の連設部分の下方側における下縁2a’が上方に上がるように傾く。筒状シート片2が傾く結果、商品9の重量が、筒状シート片2の下縁に集中的に加わる。本発明の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の下方部における内径が最も小さいので、筒状シート片2の下縁2aが、商品9の胴部91の外面に強く密着し、商品が抜け落ちることを防止できると考えられる。
【0022】
次に、本発明の商品陳列用吊下げ具1の変形例を示す。ただし、上記実施形態と同様の構成については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
上記実施形態において、筒状シート片2と吊下げ用シート片3との境界部に、折り罫線を形成してもよい。この場合、前記境界部の折り罫線は、吊下げ用シート片3の延出方向と略直交する方向に延びる、直線状に形成されていることが好ましい。
【0023】
また、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1に比して、筒状シート片2の上下方向長さが短く形成されていてもよいし、或いは、長く形成されていてもよい。
図5は、上下方向長さが短い筒状シート片2を有する商品陳列用吊下げ具1の実施形態を示す。図6は、その商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シートを示す。
また、図7は、上下方向長さが長い筒状シート片2を有する商品陳列用吊下げ具1の実施形態を示す。図8は、その商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シートを示す。
いずれの商品陳列用吊下げ具1も、筒状シート片2の上方部における内径L1が、筒状シート片2の下方部における内径L2よりも大きく形成され、筒状シート片2の下方部における内径L2が、筒状シート片2の最小径となっている。
【0024】
さらに、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内径が下方に向かうに従って小さく形成されているが、本発明の商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内径のうち、下方部における内径が最も小さく形成されていればよい。従って、例えば、筒状シート片2の上方部から中途部に於ける内径が等しく(つまり、筒状シート片2の上方部から中途部が、円筒状に形成されており)、筒状シート片2の中途部から下方部に向かうに従ってその内径が小さくなるように形成されていてもよい。また、筒状シート片2の中途部の内径が最も大きく、且つ筒状シート片2の下方部の内径が最も小さく形成されていてもよい。
【0025】
また、上記実施形態の商品陳列用吊下げ具1は、吊下げ用シート片3が筒状シート片2の上縁から上方に延出されているが、吊下げ用シート片3が筒状シート片2の下縁に延出されていてもよい。このような商品陳列用吊下げ具1は、例えば、図9及び図10に示すように、筒状シート片2の下縁に延出された吊下げ用シート片3を、筒状シート片2の内側へ折り返して、該吊下げ用シート片3を筒状シート片2の上方に延出させることによって構成できる。
【0026】
図11は、図9及び図10に示す商品陳列用吊下げ具1を構成する展開シート10を示す。図11において、吊下げ用シート片3を構成する帯状のシート片と筒状シート片2を構成するシート片との境界部分には、折り罫線55が形成されている。該折り罫線55にて、吊下げ用シート片3が約180度折り返される。
【0027】
吊下げ用シート片3が筒状シート片2の下縁に延出された上記商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内側に商品9の胴部91を嵌め入れたときに、筒状シート片2と商品の間に、折り返した吊下げ用シート片3が介在する。このため、上記商品陳列用吊下げ具1は、筒状シート片2の内面と商品の外面との間の隙間を埋めることができ、商品が抜け落ちることをより確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】一実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図2】同右側面図。
【図3】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図4】同商品陳列用吊下げ具の筒状シート片に商品を嵌め入れた状態を示す右側面図。
【図5】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図6】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図7】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図8】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【図9】他の実施形態の商品陳列用吊下げ具を示す正面図。
【図10】同右側面図。
【図11】同商品陳列用吊下げ具を構成する展開シートを示す平面図。
【符号の説明】
【0029】
1…商品陳列用吊下げ具、2…筒状シート片、3…吊下げ用シート片、53…折り罫線、9…商品、91…商品の胴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性のあるシート材からなり、
シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片と、前記筒状シート片の一部分に連設された吊下げ用シート片と、を有し、
前記筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具であって、
前記筒状シート片の内径のうち、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されていることを特徴とする商品陳列用吊下げ具。
【請求項1】
柔軟性のあるシート材からなり、
シート片を丸めて筒状に形成された筒状シート片と、前記筒状シート片の一部分に連設された吊下げ用シート片と、を有し、
前記筒状シート片の内側に商品の胴部を嵌め入れて前記商品を保持した状態で、前記吊下げ用シート片を介して吊り下げられる商品陳列用吊下げ具であって、
前記筒状シート片の内径のうち、筒状シート片の下方部の内径が最も小さく形成されていることを特徴とする商品陳列用吊下げ具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−137624(P2009−137624A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316550(P2007−316550)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000202154)相互印刷紙器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000202154)相互印刷紙器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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