説明

営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラム

【課題】営業担当者の行動に関する情報や、案件状況に関する情報の多角的な管理を実現することにより、セールス先への営業を支援する。
【解決手段】セールス先、セールス日時を特定して表示要求を受信した営業支援サーバ20の管理コンピュータ21は、訪問状況データ記憶部22及び出席者データ記憶部23において、セールス先、セールス日時が一致する訪問状況レコードや出席者レコードを検索する。次に、管理コンピュータ21は、要約表データ記憶部25において案件を検索する。そして、実績表示において、表示要求のあったセールス日時と、一致する案件状況レコードが記録されている場合、管理コンピュータ21は、この案件状況レコードを抽出する。一方、セールス日時が一致しない場合、セールス日時の直前の日付が付された案件レコードを案件状況データ記憶部24から抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セールス先に対する営業を支援するための営業支援システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスを展開する上で、営業担当者の営業日報や、作業の進捗状況等の各種情報を適切に管理することが大切である。この場合、LAN等のネットワークに接続したコンピュータ端末を利用して、営業日報等の報告書データの更新履歴を把握できるようにするための技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献記載の業務管理支援システムの管理用サーバは、業務報告等の情報データを入力するための所定様式を提供する。そして、管理用サーバは、この様式に従って入力された営業日報データを蓄積する。端末サーバでは、定期的又は報告すべき事案の発生毎に営業日報を更新する。これにより、営業情報を共有する。
【0003】
また、金融機関の営業活動における案件情報管理に関する技術も検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この文献記載の技術では、各顧客に対して営業活動の内容をまとめた案件データベースを用いる。そして、1つまたは複数の検索条件により、この検索条件を満たす全案件データを前記案件データベースから抽出して表示する。これにより、営業活動の進捗を容易に確認することができる。
【0004】
更に、効率的な営業活動を行なうためにSFA(sales force automation:営業支援システム)が注目されている。この営業支援システムにおいては、データベースに顧客情報のほか、コンタクト履歴や商談のプロセス、営業スケジュールを蓄積し、営業案件の進捗状況や案件成立の見込みを営業チーム内で共有する。これらの情報を共有化して、各営業担当者の個人的な資質に依存していた営業活動の無駄をなくし、営業部門全体で顧客に対して戦略的な活動を行なう。このようなSFAに用いる営業管理システムも検討されている(例えば、特許文献3を参照。)。この文献記載のSFAサーバは、顧客データベースを備える。この顧客データベースは、顧客情報や、この顧客との取引の活動内容を記憶する。さらに、進捗に応じて分類した活動内容及び実行予定日や実行日、目標達成判定項目、判定チェックフラグ、及び攻略シナリオ等を格納する。そして、営業スタッフ用端末は各データを入力して顧客データベースに格納し、活動内容を活動予定日順に一覧表示する。これらのデータは、マネージャ用端末から閲覧可能であり、マネージャは進捗を把握することができる。
【特許文献1】特開2000−242713号公報(第1頁、図2、図4)
【特許文献2】特開平11−167579号公報(第1頁)
【特許文献3】特開2002−109187号公報(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
営業活動においては、一つのセールス先に対して複数の案件を同時に進行させることが多い。この場合、営業活動のための訪問において、複数の案件を同時期に対応することがある。このためには、セールス先における営業活動を、全体的に把握しておくことが大切である。
【0006】
また、セールス先を訪問する場合、訪問記録を残しておくことが大切である。しかし、複数人で同時期に同じセールス先を訪問する場合、全員が個別に訪問記録を残していたのでは効率的でない。また、管理者にとっては、訪問状況や案件状況を一覧できると便利で
ある。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、営業担当者の行動に関する情報や、案件状況に関する情報の多角的な管理を実現することにより、セールス先への営業を支援するための営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した案件状況データ記憶部と、利用者端末に接続された管理コンピュータとを備えた営業支援システムであって、前記管理コンピュータが、前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録手段と、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の営業支援システムにおいて、前記管理コンピュータが、前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索手段と、前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索手段と、各レコード検索手段から供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の営業支援システムにおいて、前記案件状況レコード検索手段が、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3のいずれか一つに記載の営業支援システムにおいて、前記営業支援システムは、訪問時の出席者毎に、セールス先情報とセールス日時情報とを含む出席者レコードを記録した出席者データ記憶部を更に備え、前記管理コンピュータが、前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合には、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、出席者情報を抽出し、これらを含めた出席者レコードを、個別に前記出席者データ記憶部に記録する出席者レコード登録手段と、前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合には、前記出席者データ記憶部から、前記訪問記録表示要求のセールス先及びセールス日時に基づいて出席者レコードを抽出する出席者レコード検索手段とを更に備え、前記訪問記録表示手段は、前記抽出した出席者レコードを前記訪問記録画面データに追加することを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した
案件状況データ記憶部と、利用者端末に接続された管理コンピュータとを用いて営業支援を行なう方法であって、前記管理コンピュータが、前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録段階と、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録段階と、前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索段階と、前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索段階と、各レコード検索段階において供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示段階とを実行するとともに、前記案件状況レコード検索段階において、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを要旨とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した案件状況データ記憶部と、利用者端末に接続された管理コンピュータとを用いて営業支援を行なうプログラムであって、前記管理コンピュータを、前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録手段と、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録手段と、前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索手段と、前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索手段と、各レコード検索手段において供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示手段として機能させるとともに、前記案件状況レコード検索手段において、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを要旨とする。
【0014】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、セールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを訪問状況データ記憶部に記録する。更に、受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に案件状況データ記憶部に記録する。これにより、訪問状況レコードとは別に、個別に案件状況レコードが記録される。従って、訪問状況レコードと案件状況レコードとを、別個独立に取り扱うことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、訪問記録表示要求を受信した場合、訪問状況データ記憶部から、訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する。更に、案件状況データ記憶部から、訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する。そして、各レコード検索手段から供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、利用者端末に送信する。これにより、訪問状況レコードと案件状況レコードとが別個に管理されている場合も、一覧することができる。
【0016】
請求項3、5、6に記載の発明によれば、訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給する。一方、訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給する。これにより、セールス先に関連した案件を含めて状況を把握することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、訪問記録登録要求を受信した場合には、受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、出席者情報を抽出し、これらを含めた出席者レコードを、個別に出席者データ記憶部に記録する。そして、訪問記録表示要求を受信した場合には、出席者データ記憶部から、訪問記録表示要求のセールス先及びセールス日時に基づいて出席者レコードを抽出する。これにより、出席者についても、訪問状況とは別個に管理することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、営業担当者の行動に関する情報や、案件状況に関する情報の多角的な管理を実現することにより、セールス先への営業を支援することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図13に従って説明する。本実施形態では、営業担当者が、セールス先への営業を支援する場合に用いる営業支援システム、営業支援方法及び営業支援プログラムとして説明する。
【0020】
本実施形態では、図1に示すように、営業支援は、クライアント端末10と営業支援サーバ20とを用いて行なわれる。このクライアント端末10は、利用者が営業支援サーバ20にアクセスする場合に用いられる。クライアント端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有するコンピュータ端末である。このクライアント端末10は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。
【0021】
また、営業支援サーバ20は、クライアント端末10から受信した指示に基づいて営業担当者の顧客への訪問状況を管理する各種データ処理を行なうコンピュータシステムである。このために、営業支援サーバは、訪問状況データ記憶部22、出席者データ記憶部23、案件状況データ記憶部24、要約表データ記憶部25及びこれらを制御する管理コンピュータ21を備える。
【0022】
訪問状況データ記憶部22には、図2に示すように、セールス先への訪問状況を記録した訪問状況レコードが記録される。この訪問状況レコードは、訪問予定が入力されたときに登録される。訪問状況レコードは、セールス先、セールス日時及び特記事項に関するデータを含んで構成される。この訪問状況レコードにおいては、セールス先及びセールス日時が、各レコードを特定するためのユニークキーとなる。
【0023】
セールス先データ記憶領域には、担当者が、セールスを行なう顧客を特定するための識別子に関するデータが記録される。このセールス先は、ひとまとまりとしてセールスを行なう顧客の管理単位毎の識別子である。企業単位でセールスを行なう場合にはこの企業の識別子、部署単位の場合にはこの部署を特定する識別子、またセールス先担当者毎の識別子を用いる。
【0024】
セールス日時データ記憶領域には、このセールス先とコミュニケーションを行なった日付や時刻を特定するためのデータが記録される。なお、セールス先とのコミュニケーションの方法は、訪問のみならず、電話や電子メール等も含まれる。
特記事項データ記憶領域には、このセールス先とのコミュニケーションについて特記すべき内容に関するデータが記録される。
【0025】
出席者データ記憶部23には、図3に示すように、このセールス先への訪問等により、セールス先とのコミュニケーションを行なった担当者に関する出席者レコードが記録される。この出席者レコードは訪問状況が記録された場合に登録される。この出席者レコードは、セールス先、セールス日時、社員番号及び所属部署に関するデータを含んで構成される。この出席者レコードにおいては、セールス先、セールス日時及び社員番号が、各レコードを特定するためのユニークキーとなる。
【0026】
セールス先、セールス日時データ記憶領域には、それぞれセールスを行なったセールス先を特定する識別子及び日付に関するデータが記録される。
社員番号データ記憶領域には、セールス先への訪問等により、セールス先とのコミュニケーションを行なった担当者を特定するための識別子としての社員番号に関するデータが記録される。
所属部署データ記憶領域には、この担当者が所属する部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0027】
案件状況データ記憶部24には、図4に示すように、セールスを行なっている案件毎に、その案件の進捗に関する案件状況レコードが記録される。この案件状況レコードは、セールス開始からセールス収束まで、各案件についての進捗が登録された場合に進捗毎に記録される。この案件状況レコードは、提案番号、セールス日時、セールス先、担当部署、進捗状況およびコメントに関するデータを含む。この案件状況レコードにおいては、提案番号及びセールス日時が、各レコードを特定するためのユニークキーとなる。
【0028】
提案番号データ記憶領域は、セールス対象の案件を特定するための識別子に関するデータが記録される。この提案番号は、セールス先、商品毎に採番される。
セールス日時データ記憶領域には、この案件について進捗のあった日時に関するデータが記録される。なお、案件状況レコードの登録時には、このセールス日時データ記憶領域に最小値をデフォルト値として記録しておく。これにより、まだ進捗のない案件についても登録のみを行なうことができる。
【0029】
セールス先データ記憶領域には、この案件についてのセールス先に関するデータが記録される。
担当部署データ記憶領域には、この案件を担当している部署を特定するための識別子に関するデータが記録される。
【0030】
進捗状況データ記憶領域には、この案件についての進捗内容に関するデータが記録される。具体的には、このセールスに関するビジネスの成立に関する確度(セールス開始、受注確度、セールス収束等)を特定するためのデータが記録される。
コメントデータ記憶領域には、この進捗において特記すべきコメントに関するデータが記録される。
【0031】
要約表データ記憶部25には、図5に示すように、各案件の最新の状態を特定するためのデータが記録されており、所謂、サマリーデータベースとして機能する。この要約表データは、案件毎に、セールス開始と同時に登録される。そして、セールス日時が最大となる進捗、すなわち最新の進捗が登録された場合に、この案件状況レコードを特定するためのデータが更新記録される。この要約表データは、提案番号、セールス開始日、セールス収束日及び最新セールス日時に関するデータを含んで構成される。
【0032】
提案番号データ記憶領域には、各案件を特定するための識別子に関するデータが記録される。
セールス開始日、セールス収束日データ記憶領域には、それぞれセールスの開始日や収束日に関するデータが記録される。セールス開始日は最初に案件状況レコードが登録された日付を用いる。一方、セールス収束日には、セールスが収束した日付を用いる。
【0033】
最新セールス日時データ記憶領域には、この案件について最新の状況を示す案件状況レコードと同じ日時に関するデータが記録される。この最新セールス日時は、新たに案件状況レコードが登録された場合に更新される。
【0034】
更に、営業支援サーバ20は、セールス先マスタ、商品マスタ、社員マスタ、組織マスタのマスタデータ記憶部26を備える。セールス先マスタは、訪問記録入力や案件入力においてセールス先を設定する場合に用いる。商品マスタは、提案番号を割り振る場合に用いる。社員マスタは社員番号を設定する場合に用いる。組織マスタは、社員の所属部署や担当部署を設定する場合に用いる。
【0035】
次に、各データ記憶部を管理する管理コンピュータ21について説明する。この管理コンピュータ21は、クライアント端末10との間でのデータ送受信や、営業支援サービスの各種管理を実行するための各種データの管理処理等を行なう。この管理コンピュータ21は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有し、後述する処理(訪問状況レコード登録段階、案件状況レコード登録段階、訪問状況レコード検索段階、案件状況レコード検索段階、訪問記録表示段階等を含む処理)を行なう。そのための営業支援プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、図6に示すように、訪問状況レコード登録手段、案件状況レコード登録手段、訪問状況レコード検索手段、案件状況レコード検索手段、訪問記録表示手段や要約表管理手段等として機能する。
【0036】
具体的には、訪問状況レコード検索手段、出席者レコード検索手段、案件状況レコード検索手段は、それぞれ訪問状況データ記憶部22、出席者データ記憶部23、案件状況データ記憶部24において、所定のキーを用いて各レコードの検索処理を行なう。
【0037】
訪問状況レコード登録手段、出席者レコード登録手段、案件状況レコード登録手段は、それぞれ訪問状況データ記憶部22、出席者データ記憶部23、案件状況データ記憶部24において、各レコードの更新を行なう。
【0038】
更に、案件状況データ記憶部24において、案件のレコードが追加された場合には、要約表管理手段が、要約表データ記憶部25のデータを更新する。
また、訪問記録表示手段は、利用者からの要求に応じて訪問記録に関するデータを抽出し、クライアント端末10のディスプレイ上のブラウザに表示させる。このブラウザにおいて加工されたデータに基づいて、各データ記憶部に記録されたレコードが更新される。
【0039】
(訪問記録画面)
次に、本実施形態の営業支援を行なう場合の処理について説明する。この場合、まず、クライアント端末10のブラウザプログラムを起動し、営業支援サーバ20にアクセスする。この場合、営業支援サーバ20はクライアント端末10に訪問記録画面データを送信する。そして、クライアント端末10のディスプレイには、図11に示す訪問記録画面500が表示される。
【0040】
この訪問記録画面500には、登録ボタンが含まれる。登録ボタンを選択した場合には、クライアント端末10は、この画面において設定されたデータを含む登録指示を営業支援サーバに送信する。
【0041】
更に、訪問記録画面500には、予定入力チェックボックス501が含まれる。予定入力を行なう場合には、予定入力チェックボックス501をオンする。この場合、予定入力フラグがオンされた登録指示を、営業支援サーバ20に送信する。一方、予定入力ボタンが選択されていない場合には、予定入力フラグがオフされた登録指示を送信する。
【0042】
更に、訪問記録画面500には、訪問状況欄502、案件一覧表示欄503、特記事項欄504が含まれる。
訪問状況欄502は、セールス先やセールス日時、セールス先の出席者、セールスを行なう当社の出席者に関するデータを入力するための設定欄である。なお、既に訪問状況レコードが登録されている場合には、抽出されたレコードが初期値として表示される。
【0043】
案件一覧表示欄503は、このセールス先に関して進行中の案件についての一覧が表示される。この案件一覧表示欄503には、後述する処理により、このセールス先及びセールス日時において既に登録されている進捗状況が記録されている場合には、このレコードが表示される。また、同じセールス日時のレコードを抽出できない場合には、このセールス日時の直前のレコードが表示される。
【0044】
特記事項欄504は、この訪問に関して特記すべき事項が表示したり、このような事項を入力したりするための欄である。
この訪問記録画面500の訪問状況欄502、案件一覧表示欄503、特記事項欄504に入力されたデータは、登録ボタンを選択した場合に送信される登録指示に含めて送信される。
【0045】
(表示処理)
次に、この訪問記録画面500において、具体的な内容の表示を行なう場合の処理を、図7を用いて説明する。この場合、まず、営業支援サーバ20の管理コンピュータ21は、セールス先、セールス日時の入力処理を行なう(ステップS1−1)。具体的には、利用者は、クライアント端末10を用いて、訪問記録画面500の訪問状況欄502にセールス先、セールス日時を入力する。予定入力を行なう場合には、予定入力チェックボックス501をオンしておく。セールス先、セールス日時が入力されて、カーソルが他の欄に移動された場合、クライアント端末10は、ネットワークを介して表示要求を営業支援サーバ20に送信する。この表示要求には、訪問記録画面500において入力されたセールス先、セールス日時に関するデータを含む。
【0046】
表示要求を受信した営業支援サーバ20の管理コンピュータ21は、訪問状況データ記憶部22において、セールス先、セールス日時が一致する訪問状況レコードの検索処理を行なう(ステップS1−2)。
【0047】
訪問状況データ記憶部22において、セールス先、セールス日時が一致する訪問状況レ
コードを抽出できた場合(ステップS1−3において「YES」の場合)には、管理コンピュータ21は、訪問記録の表示処理を行なう(ステップS1−4)。具体的には、管理コンピュータ21は、抽出した訪問状況レコードに関するデータを、クライアント端末10に送信し、訪問記録画面500の訪問状況欄502に表示させる。
【0048】
次に、管理コンピュータ21は、出席者データ記憶部23において、セールス先、セールス日時が一致する出席者レコードの検索処理を行なう(ステップS1−5)。この場合、セールス先、セールス日時が一致するすべての出席者レコードを出席者データ記憶部23から抽出する。
【0049】
そして、管理コンピュータ21は、抽出した出席者レコードの表示を行なう(ステップS1−6)。具体的には、管理コンピュータ21は、抽出した出席者レコードに関するデータを、クライアント端末10に送信し、訪問記録画面500の訪問状況欄502の当社出席者欄に表示させる。
【0050】
なお、初めて予定を入力する場合には、訪問状況レコードは記録されていない。従って、この場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、ステップS1−4〜S1−6をスキップする。
【0051】
次に、管理コンピュータ21は、要約表データ記憶部25において案件の検索処理を行なう(ステップS1−7)。ここでは、管理コンピュータ21は、要約表データ記憶部25において、以下の条件を満たす案件の検索処理を行なう。
・ セールス先が同一
・ セールス日がセールス開始日以降
・ セールス日が収束日以前
・ 同一提案番号内でセールス日時が最大
これにより、セールス日においてアクティブな案件のみを抽出することができる。なお、要約表データ記憶部25には、各案件について「セールス日時が最大」のデータを記録しているため、要約表データ記憶部25を用いる場合には、「同一提案番号内でセールス日時が最大」という条件を考慮する必要はない。
【0052】
そして、管理コンピュータ21は、要約表データ記憶部25において、上述の条件を満たす案件を抽出した場合(ステップS1−8において「YES」の場合)には、図8に示す案件状況レコード表示処理を実行する(ステップS1−9)。
一方、案件状況レコードが記録されていない場合(ステップS1−8において「NO」の場合)、管理コンピュータ21は、図7に示す表示処理を終了する。
【0053】
(案件状況レコード表示処理)
ここで、ステップS1−9における案件状況レコード表示処理について、図8に従って説明する。この処理は、ステップS1−7において特定したすべての案件レコードについてレコード毎に繰り返して行なわれる。
【0054】
また、案件状況レコード表示処理は、この案件状況レコード表示処理は予定入力の場合と、実績入力の場合とでは処理が異なる。予定入力チェックボックス501がオンされることにより予定入力フラグがオンされている場合(ステップS2−1において「予定」の場合)、ステップS1−7において特定したすべての案件を抽出する(ステップS2−2)。この場合、要約表データ記憶部に記録された最新セールス日時の案件状況レコードを抽出する。
【0055】
一方、予定入力チェックボックス501がオフであるため、予定入力フラグがオフされ
ている場合(ステップS2−1において「実績」の場合)、管理コンピュータ21は、訪問記録画面500に入力された表示要求のセールス日時と一致する案件状況レコードが、案件状況データ記憶部24に記録されているかどうかを確認する(ステップS2−3)。
【0056】
表示要求対象のセールス日時と一致する案件状況レコードが記録されている場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、この案件状況レコードを抽出する(ステップS2−4)。
【0057】
一方、案件状況データ記憶部24に記録されている案件状況レコードのセールス日時が一致しない場合(ステップS2−3において「YES」の場合)、表示要求対象のセールス日時の直前の日付が付された案件レコードを案件状況データ記憶部24から抽出する(ステップS2−5)。
【0058】
そして、管理コンピュータ21は、ステップS2−2、S2−4、S2−5において抽出した案件レコードを、クライアント端末10のディスプレイに出力された訪問記録画面500の案件一覧表示欄503に表示させる(ステップS2−6)。以上のように、ステップS1−7において特定したすべての案件レコードについて、予定入力に関してはステップS2−2、S2−6の処理、実績入力に関してはステップS2−3〜S2−6の処理を繰り返す。そして、管理コンピュータ21は、クライアント端末10のディスプレイに出力させた訪問記録画面500に含まれる各レコードの内容を、このクライアント端末10とのセッションが終了するまで逐次保持しておく。
【0059】
(登録処理)
次に、登録処理について、図9を用いて説明する。ここでは、表示処理においてクライアント端末10のディスプレイに出力された訪問記録画面500を用いて登録処理を行なう。この登録処理には、既に登録した訪問予定のセールス日時を変更する場合、新たにセールス日時を設定する場合及び既に登録した訪問予定を変更する場合がある。
【0060】
<セールス日時変更処理>
まず、セールス日時を変更する場合の処理を説明する。予定を変更する場合には、予定入力チェックボックス501をオンする。そして、セールス日時を変更し、登録ボタンを選択する。この場合、クライアント端末10は登録要求を、営業支援サーバ20に送信する。この登録要求には、変更されたセールス日時に関するデータを含める。
【0061】
登録要求を受信した営業支援サーバ20の管理コンピュータ21は、登録要求においてセールス日時を特定し、クライアント端末10に表示させたセールス日時からの変更の有無を確認する(ステップS3−1)。セールス日時が変更されている場合(ステップS3−1において「YES」の場合」)、管理コンピュータ21は、予定入力フラグを確認する(ステップS3−2)。
【0062】
予定入力フラグがオフの場合(ステップS3−2において「実績」の場合)、管理コンピュータ21は、エラー表示を行ない(ステップS3−3)、処理を中断する。
一方、予定入力フラグがオンの場合(ステップS3−2において「予定」の場合)、まず、管理コンピュータ21は、変更前のセールス日時の訪問状況レコードを特定し、このレコードの削除を行なう(ステップS3−4)。
【0063】
更に、管理コンピュータ21は、変更前のセールス日時のすべての出席者レコードを特定し、このレコードの削除を行なう(ステップS3−5)。
次に、管理コンピュータ21は、変更後のセールス日時の訪問状況レコードを生成し、訪問状況データ記憶部22に登録する(ステップS3−6)。
【0064】
更に、管理コンピュータ21は、変更後のセールス日時の出席者レコードを生成し、出席者データ記憶部23に登録する(ステップS3−7)。この出席者レコードは、出席者毎に生成され、登録される。
以上により、セールス日時を変更する場合の処理を終了する。
【0065】
<新たなセールス日時設定処理>
次に、新たにセールス日時を設定する場合の処理を説明する。ここでも、登録要求を受信した営業支援サーバ20の管理コンピュータ21は、登録要求においてセールス日時を特定し、クライアント端末10に表示させたセールス日時からの変更の有無を確認する(ステップS3−1)。この場合、訪問状況レコードが訪問状況データ記憶部22に登録されていないため、セールス日時が変更されていないことになる(ステップS3−1において「NO」)。この場合には、管理コンピュータ21は、案件状況登録処理を実行する(ステップS3−8)。この案件状況登録処理を、図10を用いて説明する。
【0066】
案件状況登録処理は、訪問状況レコードの有無によって処理が異なる(ステップS4−1)。上述のように、新たにセールス日時を設定する場合には訪問状況レコードがない。この場合(ステップS4−1において「NO」の場合)、管理コンピュータ21は、訪問状況レコードを生成し、訪問状況データ記憶部22に記録する(ステップS4−2)。この訪問状況レコードには、登録指示に含まれるセールス先やセールス日時に関するデータを含める。
【0067】
更に、管理コンピュータ21は、訪問記録画面500に入力された出席者についての出席者レコードを生成し、出席者データ記憶部23に記録する(ステップS4−3)。この出席者レコードは、登録指示に含まれていた出席者毎に生成される。
これにより、新たに設定された訪問予定について、訪問状況レコード及び出席者レコードが登録される。
【0068】
<既登録訪問予定の変更処理>
次に、既に登録されていた訪問予定の内容を変更する場合の処理を説明する。訪問状況データ記憶部22において、既に訪問状況レコードが記録されている場合(ステップS4−1において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、登録指示に含まれるデータに基づいて訪問状況データ記憶部22に既に記録されていた訪問状況レコードを更新する(ステップS4−4)。
【0069】
次に、変化のあった全出席者について出席者レコードの更新を行なう。ここでは、まず、管理コンピュータ21は、訪問記録画面500において削除された出席者の出席者レコードを削除する(ステップS4−5)。具体的には、管理コンピュータ21は、クライアント端末10のディスプレイに表示させた出席者であって、登録指示に含まれていない出席者を特定する。そして、この出席者の出席者レコードを出席者データ記憶部23から削除する。
【0070】
次に、管理コンピュータ21は、訪問記録画面500において追加された出席者の出席者レコードの追加を行なう(ステップS4−6)。具体的には、管理コンピュータ21は、登録指示に含まれている出席者であって、クライアント端末10のディスプレイに表示されていなかった出席者を特定する。そして、この出席者の出席者レコードを生成し、出席者データ記憶部23に記録する。
【0071】
次に、管理コンピュータ21は、案件状況レコードの登録処理を行なう。この処理は、案件状況レコード毎に実行される。
まず、管理コンピュータ21は、案件状況レコードの有無を確認する(ステップS4−7)。
【0072】
セールス先、セールス日時、提案番号が同一の案件状況レコードが案件状況データ記憶部24に登録されている場合(ステップS4−7において「YES」の場合)、管理コンピュータ21は、登録指示に基づいて案件状況レコードの更新を行なう(ステップS4−8)。一方、セールス日時、提案番号が同一の案件状況レコードが登録されていない場合(ステップS4−7において「NO」の場合)、管理コンピュータ21は、登録指示に基づいて案件状況レコードを生成し、案件状況データ記憶部24に記録する(ステップS4−9)。
【0073】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
・ 上記実施形態では、営業支援サーバ20の管理コンピュータ21が、セールス先、セールス日時の入力を受け入れた場合(ステップS1−1)、訪問状況データ記憶部22において、セールス先、セールス日時が一致する訪問状況レコードを抽出し、表示処理を行なう(ステップS1−4)。更に、管理コンピュータ21は、出席者データ記憶部23において、セールス先、セールス日時が一致する出席者レコードの検索を行ない(ステップS1−5)、抽出した出席者レコードの表示を行なう(ステップS1−6)。これにより、訪問状況レコードや出席者レコードを、それぞれ独立して各データ記憶部に記録する場合においても、一覧することができる。
【0074】
更に、上記実施形態では、セールス先やセールス日時に基づいて、要約表データ記憶部25に記録された案件を抽出した場合、案件状況レコード表示処理を実行する(ステップS1−9)。ここでは、予定入力の場合、すべての案件について、案件状況データ記憶部24から案件状況レコードを抽出する(ステップS2−2)。この場合、要約表データ記憶部25に記録された最新セールス日時の案件状況レコードを抽出する。これにより、このセールス先における、進行中のセールス状況を把握することができる。すなわち、訪問状況レコードとは独立して、案件状況レコードが記録されているため、セールス先での活動の全体像を把握することができる。また、訪問状況レコードと案件状況レコードとは独立しているため、案件のない訪問状況レコードや、訪問のない案件状況レコード等も、フレキシブルに登録することができる。
【0075】
これにより、訪問記録のみの入力から、多角的な情報を表示することができる。例えば、訪問状況レコードを用いて訪問状況一覧を表示させることにより、担当者(部署)や企業単位の行動管理を行なうことができる。また、案件状況レコードを用いて提案状況一覧を表示させることにより、担当者(部署)や商品・企業単位の状況管理を行なうことができる。更に、案件状況レコードを時系列に表示させることにより、経緯照会が可能になり、個別案件単位の折衝履歴を把握することができる。
【0076】
・ 上記実施形態では、管理コンピュータ21は、訪問記録画面500に入力されて表示要求対象のセールス日時が一致する案件状況レコードが、案件状況データ記憶部24に記録されているかどうかを確認する(ステップS2−3)。表示要求のあったセールス日時と、一致する案件状況レコードが記録されている場合、管理コンピュータ21は、この案件状況レコードを抽出する(ステップS2−4)。一方、案件状況データ記憶部24に記録されている案件状況レコードのセールス日時が一致しない場合、訪問記録画面500に入力されたセールス日時の直前の日付が付された案件レコードを案件状況データ記憶部24から抽出する(ステップS2−5)。これにより、セールス先における案件状況を的確に把握することができる。
【0077】
特に、セールス先において、同時に進行している複数の案件が存在する場合がある。こ
の場合、一回の訪問において、セールス対象の案件もあれば、セールス対象にならない案件も存在する。これを、図12に示す各レコードを用いて説明する。図12において、セールス日時T5の案件状況レコードB−2の他に、このセールス先に関しては、案件状況Aや案件状況レコードCも存在する。この場合、案件状況レコードB−2は、ステップS2−4の処理により抽出される。さらに、ステップS2−5の処理により、セールス日時T4の案件状況レコードA−3や、セールス日時T3の案件状況レコードC−2が抽出される。これにより、セールス日時が一致しない場合も、進行中の案件に関する情報を取得することができる。
【0078】
例えば、図13に示すように、時刻t1において案件1の状況が入力されている場合、時刻t2において訪問予定を入力したときに、案件1の状況を把握することができる。しかし、時刻t3において入力された案件2の案件状況は把握できない。一方、時刻t4の訪問時には、既に案件1及び案件2が進行中である。従って、実績入力を行なう時刻t5においては、案件1だけでなく、案件2についても情報も取得することができる。
【0079】
また、上記実施形態では、案件毎の進捗が独立したレコードにより記録されている。従って、所定の期間を指定して案件状況レコードを抽出することにより、この期間の案件状況の履歴情報として利用することができる。
【0080】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
○ 上記実施形態では、出席者データ記憶部23には、このセールス先への訪問等により、セールス先とのコミュニケーションを行なった担当者に関する出席者レコードが記録される。これに代えて、出席者については、訪問状況レコードに加えて記録することも可能である。
【0081】
○ 上記実施形態では、訪問状況データ記憶部22には、セールス先への訪問状況を記録した訪問状況レコードが記録される。この訪問状況レコードは、セールス先、セールス日時及び特記事項に関するデータを含んで構成される。これに加えて、訪問状況データ記憶部22に予定フラグを更に記録してもよい。この予定フラグは予定入力が行なわれ、予定入力フラグがオンされた登録指示を受信した場合、管理コンピュータ21が記録する。そして、実績が入力され、予定入力フラグがオフされた登録指示を受信した場合、管理コンピュータ21は、この訪問状況レコードの予定フラグを削除する。これにより、訪問状況レコードにおいて予定と実績とを識別することができ、両者を分けて別個に出力・管理することができる。
【0082】
○ 上記実施形態では、要約表データ記憶部25には、各案件の最新の状態を特定するためのデータが記録される。この要約表データは、提案番号、セールス開始日、セールス収束日及び最新セールス日時に関するデータを含んで構成される。これに代えて、要約表データとして、案件毎に、セールス日時が最大となる案件状況レコードをコピーして記録してもよい。具体的には、最新の進捗が登録された場合、要約表データ記憶部25に、この進捗に関する案件状況レコードを更新記録する。この場合、ステップS2−2において、案件状況データ記憶部24から、最新セールス日時の案件状況レコードを抽出する必要はなく、要約表データ記憶部に記録された案件状況レコードのコピーをそのまま表示すればよい。
【0083】
○ 上記実施形態では、クライアント端末10としてコンピュータ端末を用いるが、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態のシステム概略図。
【図2】訪問状況データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図3】出席者データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図4】案件状況データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】要約表データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図6】本発明の実施形態の機能ブロックの説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】本実施形態の処理手順の説明図。
【図10】本実施形態の処理手順の説明図。
【図11】クライアント端末のディスプレイの表示画面の説明図。
【図12】各レコードの関係の説明図。
【図13】データ入力のタイミングの説明図。
【符号の説明】
【0085】
10…クライアント端末、20…営業支援システム、21…管理コンピュータ、22…訪問状況データ記憶部、23…出席者データ記憶部、24…案件状況データ記憶部、26…要約表データ記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、
案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した案件状況データ記憶部と、
利用者端末に接続された管理コンピュータとを備えた営業支援システムであって、
前記管理コンピュータが、
前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録手段と、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録手段と
を備えたことを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
前記管理コンピュータが、
前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、
前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索手段と、
前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索手段と、
各レコード検索手段から供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の営業支援システム。
【請求項3】
前記案件状況レコード検索手段が、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、
前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを特徴とする請求項2に記載の営業支援システム。
【請求項4】
前記営業支援システムは、訪問時の出席者毎に、セールス先情報とセールス日時情報とを含む出席者レコードを記録した出席者データ記憶部を更に備え、
前記管理コンピュータが、
前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合には、前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、出席者情報を抽出し、これらを含めた出席者レコードを、個別に前記出席者データ記憶部に記録する出席者レコード登録手段と、
前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合には、前記出席者データ記憶部から、前記訪問記録表示要求のセールス先及びセールス日時に基づいて出席者レコードを抽出する出席者レコード検索手段とを更に備え、
前記訪問記録表示手段は、前記抽出した出席者レコードを前記訪問記録画面データに追加することを特徴とする請求項2又は3のいずれか一つに記載の営業支援システム。
【請求項5】
セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、
案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した案件状況データ記憶部と、
利用者端末に接続された管理コンピュータとを用いて営業支援を行なう方法であって、
前記管理コンピュータが、
前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録段階と、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録段階と、
前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、
前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索段階と、
前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索段階と、
各レコード検索段階において供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示段階とを実行するとともに、
前記案件状況レコード検索段階において、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、
前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを特徴とする営業支援方法。
【請求項6】
セールス先への訪問毎にセールス先情報、セールス日時情報とを含む訪問状況レコードを記録した訪問状況データ記憶部と、
案件毎に、案件識別子、セールス日時情報、セールス先情報と進捗状況情報とを含む案件状況レコードを記録した案件状況データ記憶部と、
利用者端末に接続された管理コンピュータとを用いて営業支援を行なうプログラムであって、
前記管理コンピュータを、
前記利用者端末から訪問記録登録要求を受信した場合、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報を抽出し、これらを含めた訪問状況レコードを前記訪問状況データ記憶部に記録する訪問状況レコード登録手段と、
前記受信した訪問記録登録要求に含まれるセールス先情報、セールス日時情報、進捗状況情報を案件識別子毎に抽出し、これらを含めた案件状況レコードを、個別に前記案件状況データ記憶部に記録する案件状況レコード登録手段と、
前記利用者端末から訪問記録表示要求を受信した場合、
前記訪問状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に基づいて、訪問状況レコードを抽出する訪問状況レコード検索手段と、
前記案件状況データ記憶部から、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先に基づいて、案件状況レコードを抽出する案件状況レコード検索手段と、
各レコード検索手段において供給を受けたレコードを合成して訪問記録画面データを生成し、前記利用者端末に送信する訪問記録表示手段として機能させるとともに、
前記案件状況レコード検索手段において、前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコードを特定した場合には、この案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給し、
前記訪問記録表示要求に含まれるセールス先及びセールス日時に一致する案件状況レコ
ードを特定できない場合には、前記セールス先の案件の中で、セールス日時の直前の案件状況レコードを訪問記録表示手段に供給することを特徴とする営業支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−164365(P2007−164365A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358063(P2005−358063)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)