説明

営業支援システム

【課題】インターネットを介してサーバから携帯情報端末にダウンロードしたカタログを用いて、顧客との商談を進めることができる営業支援システムにおいて、商談を行いながら提案書を容易に作成できるようにする。
【解決手段】携帯情報端末4のモニタ上に逐次表示される各画面を、画面データD3として画面データフォルダ5cに保存する画面保存ステップS6、S12、S17、S22を必要に応じて実行できるように構成し、商談を終了、中断する時点で、画面データフォルダ5cに保存されている画面データD3をまとめて、提案書データD4を作成する提案書作成ステップS24を実行することで、提案書を容易に作成し、顧客に提示できるものとして構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを介して携帯情報端末にダウンロードしたカタログを用いて、顧客の要望に合った商品を抽出、選択、保存、提案等する商談を行いながら商品提案書を作成するための営業支援システムの技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、営業員が顧客に商品の提案をする際、従来の紙のカタログに代えて、パソコン等を用いて画面に表示される電子カタログを閲覧しながら、顧客と共に商品の選択をしていき、提案書を作成するということが行われている。しかし、単なる紙のカタログを電子化しただけのカタログでは、実際に完成した状態をイメージしにくいといった問題がある。
そこで、間取図を読み込んで、間取図と選択した商品の情報とを画面上で線で結びつけることができるようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
また、商品の画像データに、キーワード属性やグループ属性を定義しておき、これら属性を基に顧客が求める商品を選択できるようにしたものがある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−251544号公報
【特許文献2】特許第3299633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記特許文献1のものは、商談を始めるにあたり、間取図をコンピュータ内に取り込み、該取り込んだ間取図に商品の設置位置を決めてからでなければ商品を選定することができず、煩雑な作業を要するだけでなく、選択した複数の商品を一つの画面で見ることができるものの、間取図に紐付けているだけのものであり、前記特許文献2のものは、顧客の希望とキーワードやグループ分けがうまく合致せず、商品(デザイン)を適切に表示できなかったり、顧客の多様化するニーズにおいて、このようなグループ分けは必ずしも合理的ではないものであり、これら特許文献1、2のものは何れも、商談において、商品選定以外に煩雑な作業を要するといった問題があり、しかも、商談の結果を見ることは容易であるが、結果同様に重要な顧客との商談の流れを把握することができず、顧客の実際のニーズを的確に把握することができないといった問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、カタログデータを格納するカタログデータ格納庫と商品データを格納する商品データ格納庫とを備えたサーバと、前記サーバに格納されているカタログデータと商品データをインターネットを介してダウンロードし、該ダウンロードしたデータを保存するカタログデータフォルダと商品データフォルダ、画面データを保存する画面データフォルダ、提案書データを保存する提案書データフォルダの各フォルダ及び各画面を表示するモニタを備える携帯情報端末とで構成され、前記サーバは、携帯情報端末がインターネットに接続されると、カタログデータと商品データのうち、当該携帯情報端末による前回ダウンロード時以降にカタログデータ格納庫及び商品データ格納庫に格納されたカタログデータと商品データが存在するという更新情報を携帯情報端末に送信し、携帯情報端末は、該更新情報に基づいて、インターネットを介してサーバからカタログデータと商品データをダウンロードしてカタログデータフォルダと商品データフォルダに格納することで、カタログデータと商品データを最新状態とするものであって、営業マンと顧客とで商談を進めるにあたり、建物種別ごとに作成され、前記カタログデータフォルダに格納されているカタログが携帯情報端末のモニタに一覧として表示される初期画面において、該表示されているカタログから任意の一つを選択するカタログ種別選択ステップと、該カタログ種別選択ステップで選択されたカタログに含まれる商品から選択した一つの商品について、前記商品データに基づき商品詳細を前記モニタに表示する商品詳細表示ステップと、モニタに表示されている画面を画面データとして画面データフォルダに保存する画面保存ステップと、前記画面データフォルダに保存されている画面データを一つにまとめて提案書データとし、提案書データフォルダに保存する提案書作成ステップとを経ることにより、提案書データを作成するように構成したことを特徴とする営業支援システムである。
請求項2の発明は、前記カタログ種別選択ステップから前記商品詳細表示ステップへ至るにあたり、カタログ種別選択ステップを経た後、顧客種別を選択する顧客種別選択ステップと、該カタログ種別選択ステップで選択されたカタログの目次画面を、該顧客種別選択ステップで選択された顧客に応じて前記画面に表示する目次表示ステップと、該目次表示ステップで目次画面に表示された商品種別から一つの商品種別を選択する商品種別選択ステップと、該商品種別選択ステップで選択した商品種別に属する商品の一覧を商品一覧画面として前記画面に表示し、該商品一覧から一つの商品を選択する商品選択ステップとから成る各ステップのうち一つ以上のステップを経由するようにして、商品詳細表示ステップへ誘導するようにしたことを特徴とする請求項1記載の営業支援システムである。
請求項3の発明は、目次表示ステップは、前記顧客種別選択ステップで選択された顧客種別に基づき、一般顧客向けには俯瞰図を、専門家向けには法規一覧を目次画面として表示するように構成したことを特徴とする請求項2記載の営業支援システムである。
請求項4の発明は、前記商品詳細表示ステップから、選択した商品が有するデザインバリエーションをシミュレーションするシミュレーションステップへ進むようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一記載の営業支援システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1〜4の発明とすることにより、カタログデータ、商品データを常に最新状態に保つことができ、さらに、携帯情報端末に表示される商談途中の画面を適宜保存しておくことができるため、営業マンが商談の流れを容易に把握することができるだけでなく、膨大な量のカタログから、顧客が希望する商品を簡単に抽出でき、提案書としてまとめることができるため、営業マンのスキルによる商品提案レベルのバラツキが生じ難く、品質の良い提案書を容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】営業支援システムのシステム構成図である。
【図2】カタログデータのツリー構造を示す樹形図である。
【図3】営業支援システムを用いて商品を選択する流れを示すフローチャート図である。
【図4】携帯情報端末に表示される画面であって、(A)はカタログ(用途)選択画面、(B)は俯瞰図画面である。
【図5】携帯情報端末に表示される画面であって、(A)は商品一覧画面、(B)は商品詳細画面である。
【図6】携帯情報端末に表示される画面であって、(A)はシミュレート画面、(B)は保存画面一覧画面である。
【図7】携帯情報端末に表示される画面であって、(A)は完成予定図画面、(B)はお勧め画面である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が実施される営業支援システム1のシステム構成図であって、図1に基づいて営業支援システム1の概要について説明する。
2はサーバであって、CPU(中央処理装置)等の処理装置、メモリ、ハードディスク等の記憶装置等を備えて構成される公知のコンピュータであるので、構成についての説明は省略する。該サーバ2は後述するように、本社、支店側が作成するカタログデータD1、商品データD2を格納するカタログデータ格納庫3a、商品データ格納庫3bを備えたものとして構成されている。
一方、4は携帯情報端末であって、サーバ2に対しクライアントとして機能するものであるが、CPU(中央処理装置)等の処理装置、メモリ、ハードディスク等の記憶装置等を備えて構成される公知のコンピュータであるので、構成についての説明は省略する。該携帯情報端末4は後述するように、インターネットを経由してサーバ2からダウンロードした前記カタログデータD1を格納するカタログデータフォルダ5a、商品データD2を格納する商品データフォルダ5b、顧客との商談中に携帯情報端末4のモニタ上に表示された画面のうち、任意の段階で保存した画面を画面データD3として格納する画面データフォルダ5c、該画面データフォルダ5cに格納される保存画面(画面データD3)に基づいて作成した提案書データD4を格納する提案書データフォルダ5dを備えたものとして構成されている。
【0009】
まず、本社、各支店の担当者は、パソコン(PC)等のコンピュータ6を使用してカタログデータD1、商品データD2を作成、更新し、インターネットを経由してサーバ2のカタログデータ格納庫3a、商品データ格納庫3bへ格納する。
カタログデータD1は、後述するようにツリー構造を有しており、ルート階層D10にカタログ種別、第一階層D11に顧客種別、第二階層D12に目次、第三階層D13に建物種別、第四階層D14に商品種別、第五階層D15に商品詳細がそれぞれ配置されるように構成されている。
【0010】
ここで、カタログデータD1のツリー構造について、図2の樹形図を元に説明する。
まず、ルート階層D10はカタログ種別層であって、主に商談を進める建築物の用途ごとに、例えば「学校」、「医療福祉」、「集合住宅」のように分けられたカタログや、後述する「完成予定図」、「おすすめ」、「保存画面一覧」等のカタログとして機能するものが配置されていて、これ以降の階層をまとめて一つのフォルダとして形成するように構成されている。
さらに、前記ルート階層D10において、携帯情報端末4へのダウンロードを許可するか否かを、携帯情報端末4の機体固有番号に基づいてアクセス権限を設定することで、予め指定できるように構成されている。また、期間限定カタログやキャンペーンカタログなどのカタログについては、閲覧を許可する有効期限を予め設定しておくことができる。なお、アクセス権限を設定しなかった場合は、全ての営業マンがダウンロード可能であり、有効期限を設定しなかった場合は、当該カタログがサーバ2から削除されるまでのあいだは無期限でダウンロードが可能であるように構成することができる。
第一階層D11は顧客種別の層であって、例えば、一般顧客である「一般のお客様」、専門家である「建築・設計関係者」等の種別を選択できる層として構成されている。
第二階層D12は主に目次の層であって、ルート階層D10で選択したカタログと第一階層D11で選択した顧客種別に基づいた目次画面を表示すべく、俯瞰図や法規一覧が配置されている。
第三階層D13は主に建物種別の層であって、第二階層D12の目次(俯瞰図)に属する建物種別、例えば高層マンション、中層マンション、ガレージ等が配置されている。
第四階層D14は商品種別の層であって、第三階層D13の建物種別に属する商品の種別、例えば玄関ドア、シャッター、メールボックス等が配置されている。
第五階層D15は商品詳細の層であって、第四階層D14の商品種別に属する商品の詳細、例えば特徴、施工方法、シミュレーション、お手入れ、品質保証等が配置され、さらに、当該商品の商品データD2を紐付けたものとして構成されている。
【0011】
なお、カタログデータD1は、ルート階層D10から第五階層D15までの階層の全てを備える必要は無く、必須であるルート階層D10と、第一〜第五階層D11〜15のうちの何れか一つ以上の階層とを備え、商品詳細情報である商品データD2と結びつけて構成すればよい。
例えば、「集合住宅」用途のカタログはルート階層D10〜第五階層D15までの階層を全て備え、全営業マンが所有する携帯情報端末4にダウンロード及び閲覧できるように構成する一方、「おすすめ」カタログはルート階層D10及び第五階層D15のみを備え、特定の営業所に所属する営業マンが所有する携帯情報端末4にダウンロード及び閲覧できるように構成することができる。
【0012】
商品データD2は、商品詳細情報を網羅するように構成されていて、商品名と、サイズ、色、模様等のデザイン属性と、商品画像とを少なくとも有し、前記カタログデータD1の第五階層D15に紐付けられている。
【0013】
そして、このようにしてカタログデータD1、商品データD2は作成され、インターネットを介してサーバ2からカタログデータ格納庫3a、商品データ格納庫3bへ格納される。
【0014】
一方、営業マン側の携帯情報端末4がインターネットに繋がった状態であるオンライン状態になった場合、サーバ2はオンライン状態となった携帯情報端末4の機体固有番号を確認し、前回更新時以降から新たに作成、更新、削除されたカタログデータD1、商品データD2がある場合、これを携帯情報端末4に通知する。そして、営業マンは該通知に基づいてカタログデータD1、商品データD2の更新作業を行う。これにより、最新状態のカタログデータD1、商品データD2が自己の携帯情報端末4のカタログデータフォルダ5a、商品データフォルダ5bに格納され、携帯情報端末4がオンライン、オフラインの何れの状態であっても前記フォルダ5a、5bにアクセスすることで、カタログデータD1や商品データD2の情報を見ることができるように構成されている。
なお、このカタログデータD1、商品データD2の更新は、商談を始める前に予め作業しておくことが好ましい。
【0015】
次に、本システムを使った商談の流れについて図3のフローチャート図、図4〜6の画面イラスト図をもとに説明する。
まず、携帯情報端末4から本システムを起動すると、図4(A)に示すように、該携帯情報端末4のモニタに初期画面が表示されるが、この初期画面に表示されるものはカタログデータフォルダ5aに保存されているカタログデータD1のルート階層D10であって、各カタログは、建物や用途ごとに、例えば、「学校」、「医療福祉」、「工場倉庫」、「商業施設」、「集合住宅」、「戸建住宅」のようにカタログ種別に分けて作成されたものであり、モニタにはその表紙アイコンI1が表示されている。
ここで、モニタに表示されている各カタログの表紙アイコンI1から一つを選択するカタログ種別選択ステップ(S1)において、「集合住宅」の表紙アイコンI1を選択したとする。すると、第一階層D11の顧客種別、例えば「一般のお客様」、「建築・設計者」等を選択する顧客種別選択ステップ(S2)が実行されるが、デフォルトでは「一般のお客様」が選択され、続く目次表示ステップにおいて第二階層D12の俯瞰図が目次画面としてモニタに表示されるように構成されている(S3)。ここで、「一般のお客様」が選択された状態では、希望する商品へアクセスしやすいようにGUI(Graphical User Interface)を用いた用途選択画面(一般のお客様用のトップ画面)がモニタ上に表示され、「建築・設計者」が選択された状態では、専門家が必要な法令を満たす商品情報に直接アクセスできるように関係法規一覧が表示されるように構成されている。
なお、本システムにおいて、「選択する」とは、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を用いてクリック、入力、タップ等することを指す。
また、本システムで表示される各画面には、モニタに表示されている画面を印刷する「印刷」ボタン、モニタに表示されている画面を画面データD3として保存する「保存」ボタン、一つ前の画面へ戻る「戻る」ボタン、次の画面へ進む「進む」ボタン、一つ上のカテゴリ(階層)へ戻る「上へ」ボタン、第一階層であるカタログが表示されている画面へ戻る「ホーム」ボタンB1が表示されていて、必要に応じてこれらボタンを押下(選択)することができるように構成されている。
【0016】
ここでは顧客種別選択ステップで「一般のお客様」が選択され、図4(B)に示すように、目次表示ステップで俯瞰図が目次画面としてモニタに表示された場合について説明する。当該俯瞰図は、デフォルトとして第三階層D13に位置する建物種別のうち、最上位に保存されているものが表示されるが、例えば「高層マンション」、「中層マンション」、「ガレージ」のうち、最上位に保存されている「高層マンション」の俯瞰図が表示されているとする。そして、当該俯瞰図を確認し(S4)、他の建物種別を選択したい場合、つまり、NOの場合は、モニタ上に表示されている建物種別を選択することで、第三階層D13に位置する他の建物種別を選択できるように構成されている。
ここでは、「中層マンション」を選択し、中層マンションの俯瞰図が目次画面としてモニタに表示されているとする。
【0017】
そしてこのとき、建物種別(俯瞰図)がよい、つまり、YESの場合(S4)、画面上に表示されている保存ボタンB2を押下することで、当該俯瞰図を画面データD3として画面データフォルダ5cに格納(保存)する画面保存ステップを必要に応じて実行することができる(S5、S6)。
現在のステップでは、モニタに俯瞰図画面が表示されているため、画面上の「保存」ボタンB2を押下すると、当該俯瞰図が画面データD3として画面データフォルダ5cに格納される。
なお、詳細は後述するが、初期画面に表示される「保存画面一覧」のアイコンI2を選択することで、画面データフォルダ5cに格納されている画面データ、つまり、これまでに画面保存ステップで保存した画面データD3の画像を見ることができるように構成されている。従って、後述するように、画面データフォルダ5c内の画面データD3は提案書として顧客に提示する対象のデータとなるため、前記画面保存ステップは、例えば、商談の流れを記録したい場合に実行することも有効である。
【0018】
さらに、例えばこの段階で商談を中断したい場合は、提案書を作成するとして(S7)、後述する提案書作成ステップ(S24)へ進むことができる。本実施の形態では、各画面に設けられているホームボタンB1を押下することで、ルート階層D10の初期画面が表示されるように構成されている。ここで、後述するように「保存画面一覧」アイコンI2を選択して保存画面一覧画面を開き、保存画面一覧に画像が表示される場合、つまり、一つ以上の画面データD3が画面データフォルダ5cに保存されている場合には、提案書作成ボタンB3を押下することで、これら画面データD3が一つにまとめられた提案書データD4が作成され、提案書データフォルダ5dに保存される。そして、営業マンは該提案書データD4をモニタに表示するだけでなく、紙に印刷したり、メールで送信したり等することで顧客に直接提示することができるように構成されている。
【0019】
一方、引き続き商談を進める場合は、モニタ上に表示されている俯瞰図画面から、第四階層D14の商品種別を選択する商品種別選択ステップを経るが、例えば画面に表示されている「玄関ドア」、「シャッター」、「メールボックス」のアイコンから一つを選択する(S8)。
【0020】
ここでは「玄関ドア」のアイコンI3を選択したとすると、当該「玄関ドア」に属する第五階層D15の商品詳細から、図5(A)に示すように、モニタには商品一覧画面として商品のサムネイルが表示される(S9)。このとき、異なる商品種別を表示したい場合、つまり、商品種別はよいか(S10)に対してNOの場合、商品種別を選択する画面に戻ることができるように構成されている(S8)。
一方、商品種別がよい場合(S10)、俯瞰図のときと同様に、「保存」ボタンB2を押下することで、必要に応じて当該商品種別画面を画面保存する保存ステップを実行することができる(S11、S12)。
なお、この段階で商談を中断する等で提案書を作成したい場合は(S13)、前述したと同じようにして提案書作成ステップ(S24)を実行することで、提案書を作成することができる。
提案書を作成せずに商談を続ける場合は、画面に表示されている商品のサムネイルから、気になる商品のサムネイルI4を選択する商品選択ステップを経ると(S14)、当該カタログデータD1の商品詳細層D15に紐付く商品データD2を商品データフォルダ5bから抽出し、図5(B)に示すように、商品詳細画面をモニタに表示する商品詳細表示ステップが実行される(S15)。この商品詳細画面では、商品画像を静止画で表示したり、仕様等について詳細な説明を表示したりするだけでなく、動画を用いて設置方法や動作仕様を表示することができ、顧客に対してより具体的に商品をアピールすることができるように構成されている。そして、顧客が当該商品を気に入った場合、必要に応じて当該商品詳細画面を画面保存する画面保存ステップを実行することができる(S16、S17)。
【0021】
その後、当該商品が、色や模様等のデザインにバリエーションを有している場合、図6(A)に示すように、シミュレーション画面を用いてデザインバリエーションをシミュレーションするシミュレーションステップを経ることで、顧客が好みのものを選択できるように構成されている(S19、S20)。シミュレーション画面では、例えば、選択している「玄関ドア」を取り付ける壁面の色を選択してから、当該商品である扉が有する色や模様等のデザインを選択していくことができる。これによって、顧客はより具体的な完成イメージを持ちながら、商品を選択することができるように構成されている。
そうして、デザインまで含めて気に入った場合(S21)、保存ボタンB2を押下して画面保存する画面保存ステップを実行し、当該画面を画面データD3として画面データフォルダ5cに保存する(S22)。
その後、他の商品も選択したい場合は(S23)、商品一覧画面、目次画面に戻ることで、商品を同様の手順で続けて選択することができるように構成されている。
【0022】
また、初期画面に戻って保存画面一覧画面(図6(B))を開くことで、これまでに各画面保存ステップ(S6、S12、S17、S22)を実行して画面データフォルダ5cに画面データD3として保存した画面、つまり、顧客が選択した商品に係る画面がサムネイルとして一覧表示され、この中から一つの画面を選択することで当該選択された画面データD3がモニタに全画面表示されるように構成されている。つまり、当該保存画面一覧画面は、本システムを用いることで営業マンと顧客とで作成される、顧客の希望が盛り込まれた動的なカタログとして機能することになる。なお、この保存画面一覧画面で不必要となった画面データD3がある場合は、削除できるように構成することができる。
【0023】
このようにして、商品を選択し終わった場合、つまり、S23でNOの場合、または、商談の任意の段階(S7、S13、S18)において例えば商談を中断する等の場合、次のようにして提案書作成ステップS24を実行して提案書を作成する。
まず、ホームボタンB1を押下し初期画面に戻って、「保存画面一覧」アイコンI2を選択し、保存画面一覧画面を表示する。この状態で画面下部にある「提案書作成」ボタンB3を押下することで、画面データフォルダ5cに画面保存した一つ以上の画面(画面データ)を一つのファイルにまとめて提案書データD4として提案書データフォルダ5dに保存し、提案書を作成する提案書作成ステップを実行することができる(S24)。
【0024】
叙述の如く構成された本実施の形態において、携帯情報端末4がインターネットに接続されると、サーバ2は、前回更新時以降に新たに作成、更新、削除されたカタログデータ、商品データがある場合には、これを通知するため、営業マンは最新のカタログデータ、商品データを自己の携帯情報端末4に容易にダウンロードすることができ、営業マンがわざわざ新しいカタログ等があるか否かを確認しに行く必要がないものとすることができる。
さらに、商談の途中で適宜画面保存ステップを実行することで、モニタに表示されている画面を保存しておくことができるため、商談の経過を的確に把握することができて、営業マンが商談の内容を思い出すことが容易である。
さらにまた、保存画面一覧画面において、これまでに顧客が選択した商品を一つの画面でまとめて見ることができ、複数の商品の比較検討がしやすいものとすることができる。
そして、画面データフォルダ5cに保存されている画面データD3を提案書作成ステップS24を経るだけで一つの提案書データD4にまとめることができるため、顧客への提示をスムーズに行うことができる。
【0025】
なお、本実施の形態において、画面データフォルダ5cは携帯情報端末4に一つ存在するものとして構成されているが、画面データフォルダを二つ以上にすることも可能である。
この場合、例えば第一の画面データフォルダには、顧客が好んだ商品、選択した商品を、第二の画面データフォルダには顧客の選択から外れた商品を保存するように構成することで、顧客ニーズに合致した商品だけでなく、顧客のニーズに合わなかった画面(商品)についても適宜保存しておくことができ、これらの情報を営業マンが集約することで、顧客の潜在的なニーズを掘り起こすこともできる。
また、集合住宅等の場合においては、第一の画面データフォルダにはトランクルーム等の共用部に斯かる商品、第二の画面データフォルダには玄関ドア等の個別部に斯かる商品というように保存しても良い。
【0026】
さらに、図7(A)に示すように、完成予定図画面を用いて、実際の完成(取り付け)状態により近い状態をイメージすべく、実際の建物の写真に商品画像をはめ込むこともできる。
例えば既存のガレージシャッターを新しくしたい場合、ガレージシャッターを含んだ現在の建物外観を撮影した撮影画像Pを予め携帯情報端末4に取り込み、該撮影画像Pのうちガレージシャッター部分P1を指定しておく。そして、顧客に提案する対象の複数のガレージシャッターを選出し、撮影画像Pと当該ガレージシャッターの商品画像Q(商品画像Q1〜Q3)とで構成された予定図画面が作成されるが、当該完成予定図画面は、商品詳細層D15の画面として機能するように作成されることになり、その表紙をカタログ種別選択画面へ配置する。このようにすることで、完成予定図が表紙(ルート階層D10)と商品詳細層D15の二つの層を備えたカタログとしての役割を果たすことになる。
そして、顧客との商談において、初期画面において「完成予定図」のアイコンI3を選択すると(S1)、商品詳細層D15である完成予定図画面が直接表示される(S15)。この段階、つまりデフォルトでは、施工後画像は現在の状態である撮影画像Pがそのまま表示される。そして、例えばガレージシャッターの商品画像Q1を選択すると、撮影画像Pのうち、ガレージシャッター部分P1が商品画像Q1の商品に置き換わるように構成され、同様に、、商品画像Q2、Q3を選択すると、シャッター部分P1が商品画像Q2、Q3の商品に置き換わるように構成されている。つまり、実際の建物の写真を使って、シャッター部分P1について、シミュレーション(S20)ができるように構成されている。
このように構成することで、顧客は完成状態をより具体的にイメージすることができ、取り付け後にイメージ違いが生じにくくなって、多様化している顧客ニーズをより的確につかむことができる。
【0027】
さらにまた、本実施の形態のものは、図7(B)に示すように、例えば事業所Aの所在地域で人気のある商品を集め、「今注目!」のようにしたおすすめカタログを作成することができる。このおすすめカタログは、前述したようにカタログデータD1のルート階層においてアクセスコードにダウンロードを許可する事業所Aの識別番号を設定しておくことで、当該事業所Aに所属する営業マンのみがダウンロード可能なカタログデータD1Aとして作成し、サーバ2へ送信してカタログデータ格納庫へ格納する。
そして、事業所Aに所属する営業マンの携帯情報端末4がインターネットに接続された場合、サーバ2がカタログデータD1Aをダウンロード対象として通知し、これを携帯情報端末4に保存することができる。一方、事業所A以外の営業マンの携帯情報端末4がインターネットに接続されても、アクセスコードで許可されていないため、カタログデータD1Aはダウンロードされることはない。これによって、営業マンがより地域に根付いた営業活動をすることができるように構成されている。
【0028】
このおすすめカタログのカタログデータは、ルート階層D10と商品種別層D14と商品詳細層D15とで構成されており、初期画面のカタログ種別選択ステップで「おすすめ」アイコンI4を選択すると(S1)、おすすめカタログに登録されている商品のサムネイルが画面モニタに表示される(S8)。つまり、この画面は商品一覧画面としての機能を果たす(S9)。そして、そのうちの一つのサムネイルを選択することで、商品詳細画面が表示されるように構成されている(S15)。
なお、おすすめカタログのカタログデータを、ルート階層D10と商品詳細層D15のみで構成し、「おすすめ」アイコンI4を選択すると(S1)、直接、商品詳細画面が表示されるように構成してもよい(S15)。
そして、顧客が商品詳細画面に表示されている商品を気に入った場合は、前述したと同様に、保存ボタンB2を押下して画面保存する保存ステップを実行する(S17)。
その後、他の商品も選択したい場合は(S23)、初期画面であるカタログ種別選択画面や「おすすめ」に戻って、商品を選択することができるように構成されている。一方、商談を終了したい場合は、初期画面に戻って提案書作成ステップ(S24)を実行し、顧客へ提案書を提供することができるように構成されている。
【0029】
このようにして作成された提案書データD4は、社内LAN等のネットワークを通じて各営業マンの携帯情報端末4からコンピュータ6へ送られ、蓄積される。そして、該蓄積された提案書データD4を集計、検証することになるが、集計されたデータをもとに重点販売商品や注目商品を決め、「おすすめ」カタログとしてカタログデータD1を作成してサーバ2へ送信することができる。
また、集計されたデータを元に、商品の追加や改廃、色やデザインの変更等を行い、カタログデータD1、商品データD2を更新し、これをサーバ2に送信することができる。
そうして作成、更新されたカタログデータD1、商品データD2は、前述したように営業マンによって携帯情報端末4に即座にダウンロードされ、営業マンは最新データに基づいて商談をすることができるように構成されている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、携帯情報端末にインターネットを介してダウンロードしたカタログデータを用いてモニタに表示される画面を保存しながら商談を進め、提案書を作成して顧客に提示する営業支援システムの技術分野に利用できる。
【符号の説明】
【0031】
2 サーバ
4 携帯情報端末
D1 カタログデータ
D2 商品データ
D3 画面データ
D4 提案書データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カタログデータを格納するカタログデータ格納庫と商品データを格納する商品データ格納庫とを備えたサーバと、前記サーバに格納されているカタログデータと商品データをインターネットを介してダウンロードし、該ダウンロードしたデータを保存するカタログデータフォルダと商品データフォルダ、画面データを保存する画面データフォルダ、提案書データを保存する提案書データフォルダの各フォルダ及び各画面を表示するモニタを備える携帯情報端末とで構成され、前記サーバは、携帯情報端末がインターネットに接続されると、カタログデータと商品データのうち、当該携帯情報端末による前回ダウンロード時以降にカタログデータ格納庫及び商品データ格納庫に格納されたカタログデータと商品データが存在するという更新情報を携帯情報端末に送信し、携帯情報端末は、該更新情報に基づいて、インターネットを介してサーバからカタログデータと商品データをダウンロードしてカタログデータフォルダと商品データフォルダに格納することで、カタログデータと商品データを最新状態とするものであって、営業マンと顧客とで商談を進めるにあたり、建物種別ごとに作成され、前記カタログデータフォルダに格納されているカタログが携帯情報端末のモニタに一覧として表示される初期画面において、該表示されているカタログから任意の一つを選択するカタログ種別選択ステップと、該カタログ種別選択ステップで選択されたカタログに含まれる商品から選択した一つの商品について、前記商品データに基づき商品詳細を前記モニタに表示する商品詳細表示ステップと、モニタに表示されている画面を画面データとして画面データフォルダに保存する画面保存ステップと、前記画面データフォルダに保存されている画面データを一つにまとめて提案書データとし、提案書データフォルダに保存する提案書作成ステップとを経ることにより、提案書データを作成するように構成したことを特徴とする営業支援システム。
【請求項2】
前記カタログ種別選択ステップから前記商品詳細表示ステップへ至るにあたり、カタログ種別選択ステップを経た後、顧客種別を選択する顧客種別選択ステップと、該カタログ種別選択ステップで選択されたカタログの目次画面を、該顧客種別選択ステップで選択された顧客に応じて前記画面に表示する目次表示ステップと、該目次表示ステップで目次画面に表示された商品種別から一つの商品種別を選択する商品種別選択ステップと、該商品種別選択ステップで選択した商品種別に属する商品の一覧を商品一覧画面として前記画面に表示し、該商品一覧から一つの商品を選択する商品選択ステップとから成る各ステップのうち一つ以上のステップを経由するようにして、商品詳細表示ステップへ誘導するようにしたことを特徴とする請求項1記載の営業支援システム。
【請求項3】
目次表示ステップは、前記顧客種別選択ステップで選択された顧客種別に基づき、一般顧客向けには俯瞰図を、専門家向けには法規一覧を目次画面として表示するように構成したことを特徴とする請求項2記載の営業支援システム。
【請求項4】
前記商品詳細表示ステップから、選択した商品が有するデザインバリエーションをシミュレーションするシミュレーションステップへ進むようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一記載の営業支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−97482(P2013−97482A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238234(P2011−238234)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(307038540)三和シヤッター工業株式会社 (273)