説明

噴霧器

【課題】噴霧器デバイスの適正なクリーニングを可能にし、部分的に使い捨て可能であり、使用が簡単な噴霧器を提供すること。
【解決手段】噴霧器であって、メイン本体部(1)と、該噴霧器から小滴のスプレーとして液体を吐出すように該液体を霧化する霧化器(2)と、振動要素(22、23)とを備え、該霧化器は、基板(4)と、該基板によって支持された、該液体を含むメイン容器(16)であって、該メイン容器を区切るために、底部の外側表面、平坦な頂部の内側表面、および該頂部の表面から直立する外側壁部(16a)を有する、メイン容器(16)と、該メイン容器(16)上に配置された、吐出される該液体の所定の量を区切る計量投与リザーバ(18)であって、組み立てられるときに、上部表面(18t)、および該上部表面(18t)からメイン容器(16)に向かって下方に延在する壁部(18a)を有する、計量投与リザーバ(18)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、限定ではないが、主として、治療の目的に対して用いられる噴霧器(nebulizer)に関する。液体の形態における医薬などの液体は、噴霧器によって細かな小滴のスプレーへと霧状にされ、そして患者は、治療目的のためにこの小滴のスプレーを吸入する。他の用途は、空気清浄、アロマテラピーなどに関し得る。
【背景技術】
【0002】
公知の噴霧器は、特許文献1において記載される。このデバイスは、メイン本体部を有し、該メイン本体部は、振動要素と、電子回路網と、回路網および振動要素に給電する電池とを含んでいる。霧化器(atomiser)は、メイン本体部の頂部に提供され、電子回路網と振動要素とに適切に結合されることにより、液体の霧化を可能にする。概して、マウスピースが、さらに追加されることにより、患者がマウスピースを介して、小滴の霧化したスプレーを適正に受容することを可能にする。
【0003】
霧化器は、液体が噴出されるオリフィスプレート部を備える。振動要素に給電することによって、超音波の音波が液体に加えられ、この液体が、オリフィスプレート部に接触することにより、小滴のスプレーとして吐出される。
【0004】
霧化器は、メインリザーバを備え、小滴のスプレーとして吐出される液体物質が、使用の前に該メインリザーバへと注がれる。オリフィスプレート部を含むチャンバ蓋部が、メインリザーバの上に提供される。
【0005】
メイン本体部は、計量投与(dosing)リザーバをさらに含み、該計量投与リザーバは、霧化器の直下の、メイン本体部の頂部表面上に提供される。メインリザーバを液体で満たすことによって、従って、液体の特定の所定の計量投与量が、この計量投与リザーバに入り得る。この計量投与リザーバは、吐出される液体の量を一定にし、従って、所望の治療に依存する。
【0006】
チャンバ蓋部は、メインリザーバと計量投与リザーバとの両方を密封し、従って、これらのリザーバを互いに区切る。メインリザーバ内の残存液体は、さらなる計量投与のために用いられ得、従って、このメインリザーバは、緩衝領域を構成する。
【0007】
類似のデバイスは、いわゆる適応型エーロゾル送達デバイスとして、Respironics(登録商標)によって製造され、市販される。
【0008】
このデバイスにおいて、ここでまた、計量投与リザーバは、メイン本体部の頂部表面上で形成され、最初にメインリザーバを満たすことによって満たされ、その結果として、適正な量の液体が、次いで計量投与リザーバに入り得る。チャンバ蓋部が、一旦計量投与リザーバおよびメインリザーバに適合されると、適正な量の液体が計量投与リザーバ内に閉じ込められるように、一方を他方から区切る。メイン本体部内に含まれる振動要素を作動させることによって、霧化器は、計量投与リザーバ内に含まれる液体を霧化し、これは小滴のスプレーとして吐出される。
【0009】
従って、これらの従来技術のデバイスの両方は、メイン本体部の頂部表面上に計量投与リザーバを有する。そのようなものとして、計量投与リザーバの適正なサイズは、メイン本体部を製作するときに正確に規定され得る。
【0010】
しかしながら、この計量投与リザーバは、メイン本体部に組み込まれ、頂部表面の一部を形成する。そのようなものとして、頂部表面が平坦ではなく、その結果として、計量投与リザーバを適正にクリーニングすることが困難になる。
【0011】
このことは、治療薬が変更される場合には、計量投与リザーバおよび振動要素に固着する残留物によって、または異なる液体との混合物による液体の汚染を回避するために、当然もっとも重要なことである。
【0012】
さらに、例えば、上記のデバイスが、同様な構造を有するアロマテラピーのデバイスとして用いられる場合には、エッセンスの混合は、当然、回避されるべきであり、その結果、ここでも、所望されない混合または汚染を回避するために、適正に計量投与リザーバおよび振動要素をクリーニングすることが重要である。
【0013】
霧化器は、取り外され、例えば、タブ内でクリーニングされ得るけれども、電源および電子回路網を含むメイン本体部は、完全なクリーニングのための清浄液に容易に沈めることができない。
【0014】
従って、適正なクリーニングは、達成することが不可能ではないにしても、非常に困難である。
【0015】
さらに、特定の配置に起因して、噴霧器は、特定の角度で保持されるときにのみ動作し得、さもなければ、デバイスは作動しないことがあり得るか、または液体が漏れ出し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6,705,312号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、革新的な噴霧器を提供することであり、該噴霧器は、従来技術によって提示される不都合および限界を克服し、単純な方法で計量投与リザーバおよび振動要素、ならびにデバイスの残りの部分の適正なクリーニングを保証することを可能にする。
【0018】
本発明の別の目的は、安価で、部分的に使い捨て可能であり、かつ使用が簡単であるような噴霧器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
従って、本発明は、添付の特許請求の範囲において規定されるような噴霧器に関係する。
【0020】
本発明に従った噴霧器の特徴のために、計量投与リザーバおよびメインリザーバを確実にクリーニングすることが可能である。メインリザーバおよび振動要素はそれぞれ、平坦な底部表面を有し、計量投与リザーバは、使い捨てのタイプである。
【0021】
例えば、本発明は、以下を提供する。
(項目1)
噴霧器であって、
メイン本体部(1)と、
該噴霧器から小滴のスプレーとして液体を吐出すように該液体を霧化する霧化器(2)と、
振動要素(22、23)と
を備え、
該霧化器は、
基板(4)と、
該基板によって支持された、該液体を含むためのメイン容器(16)であって、該メイン容器を区切るために、底部の外側表面、平坦な頂部の内側表面、および該頂部の表面から直立する外側壁部(16a)を有する、メイン容器(16)と、
該メイン容器(16)上に配置された、吐出される該液体の所定の量を区切るための計量投与リザーバ(18)であって、そこに組み立てられるときに、上部表面(18t)、および該上部表面(18t)から該メイン容器(16)に向かって下方に延在する壁部(18a)を有する、計量投与リザーバ(18)と
を備え、
該計量投与リザーバ(18)は、
該所定の量の液体を規定する中空の区画(18c)と、
該上部表面(18t)から下方に延在する中実の区画(18d)と、
該上部表面(18t)を横断し、該中実の区画(18d)内に配置されたホールである中央の区画(18e)と、
該中央の区画(18e)の該ホールの底部に配置された、該ホールを密封するためのオリフィス膜プレート部(22)と、
該中実の区画(18d)の底部表面と、該メイン容器(16)の該平坦な頂部の内側表面との間に配置された、該中空の区画(18c)と該オリフィス膜プレート部(22)との間の毛管状の連絡を作り出すための流体チャネル(21)と
を備える、噴霧器。
(項目2)
上記計量投与リザーバは、上記流体チャネル(21)の上に配置された頂部の密封表面(18−1)を有し、それにより、該流体チャネル(21)は、該頂部表面(18−1)と上記振動要素の頂部表面との間に閉じ込められる、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の噴霧器。
(項目3)
上記計量投与リザーバ(18)は、使い捨ての部分として提供される、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の噴霧器。
(項目4)
上記メイン容器(16)は、使い捨ての部分として提供される、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の噴霧器。
(項目5)
上記メイン本体部(1)は、電子回路網と、上記振動要素(22、23)と、該振動要素に給電するための電源とを備えることにより、上記霧化器内の液体に作用し、それによって、該液体は、小滴のスプレーとして吐出される、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の噴霧器。
(項目6)
上記噴霧器(2)は、上記振動要素(22、23)を含み、上記メイン本体部(1)は、該振動要素に給電するための電源を含むことにより、上記霧化器内の液体に作用し、それによって、該液体は、小滴のスプレーとして吐出される、上記項目のうちのいずれか一項目に記載の噴霧器。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明に従った噴霧器の他の特徴および利点が、添付の図面を参照することによって、単に限定的でない例として与えられる、以下の説明を理解することによって明確になる。
【図1a】図1aおよび図1bは、本発明に従った、噴霧器の例を示す。
【図1b】図1aおよび図1bは、本発明に従った、噴霧器の例を示す。
【図2】図2は、本発明に従った、噴霧器のための霧化器の分解図を示す。
【図3】図3は、図2の組み立てられた霧化器の平面図と断面図とを示す。
【図4】図4は、オリフィスプレート部と共に計量投与リザーバを備える、図2の霧化器の使い捨て部分の底面図と断面図とを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好適な実施形態の例が、図を参照しながら、ここで記載される。
【0024】
例として、図1aおよび図1bは、本発明に従った、噴霧器の概略的な外観を示す。噴霧器は、本明細書の以上で論じられた従来のデバイスと同様な方法において、電子回路網と回路網に給電する電池とを含むメイン本体部1を有する。霧化器2は、メイン本体部の頂部に提供され、電子回路網(図示されない)に適切に結合されることにより、液体の霧化を可能にする。概して、マウスピース(図示されない)が、追加され得、患者がマウスピースを介して、小滴の霧化したスプレーを適正に受容することを可能にする。
【0025】
例として、噴霧器は、振動要素を備える。この振動要素は、霧化器2に含まれ得、該霧化器2は、液体が噴出されるオリフィスプレート部をさらに含む。しかしながら、振動要素はまた、噴霧器2内ではなくメイン本体部1内に配置され得る。振動要素に給電することによって、超音波の音波が液体に加えられ、この液体が、オリフィスプレート部に接触することにより、小滴のスプレーとして吐出される。この例において、振動要素は、圧電性エレメントなどの超音波トランスデューサ23を備え得、該超音波トランスデューサによって生成される超音波エネルギーを、液体に伝達するように配置された膜プレート部23と組み合わされる。そのような膜プレート部は、選択的である。
【0026】
この実施形態において、霧化器は、メイン容器を備え、小滴のスプレーとして吐出される液体物質が、使用の前に該メイン容器へと注がれ得る。蓋部は、メイン容器の上に提供される。以下でより詳細に説明されるように、本発明に従った、この蓋部は、オリフィスプレート部を含む計量投与リザーバという形態である。
【0027】
メイン本体部1は、メイン容器16と計量投与リザーバ18とを受容する平坦な基板4を受容するように配置される(図1b)。
【0028】
図2に示されるように、霧化器2は、底部の平坦な基板4と、メイン容器16と、計量投与リザーバ18とを備え、この例においては、平坦な基板4がメイン本体部1(図示されない)に取り付けられ、この基板4の下部の表面上に、電気的接続ピンが振動要素と電子回路との接続のために提供され得る。いくつかの他の部分は、振動要素22、23を維持するために、平坦な基板4の頂部表面上に提供される。
【0029】
次に、メイン容器16が提供され、霧化する液体を受容し得る。メイン容器16は、平坦な外側の底部表面を有する下部の表面と、メイン容器を区切るための壁部16aが直立する平坦な上部の内側表面とを有する。さらに、計量投与リザーバ18が、メイン容器上に提供され、以下でより詳細に説明されるような方法でメイン容器内に入り得る。いくつかのガスケット6が、メイン容器16と、計量投与リザーバ18と、基板4の頂部との間の密封を確実にするために用いられる。
【0030】
最後に、霧化器は、液体が噴出されるオリフィス膜プレート部22を備える。膜プレート部22は、さらに以下でより詳細に説明されるように、計量投与リザーバ18内に配置される。振動要素に給電することによって、超音波の音波が計量投与リザーバ内に含まれる液体に加えられ、この液体は、オリフィスプレート部に接触することにより、小滴のスプレーとして吐出される。
【0031】
この実施例に示されるように、計量投与リザーバ18は、平坦な頂部表面18tを有し、その頂部表面18tから延在し、かつ基板4上の側面の突出部に対応して整列された側面の突出部を有する。クリップ部20は、これらの側面の突出部の上に適合されて、計量投与リザーバ18の頂部表面18t上に固定されることにより、霧化器の液密性を保証するために、すべてのエレメントを共に密封し得る。そのようなクリップ部は、そのようなものとして公知であり、以上で論じられたRespironics(登録商標)デバイスにおいて用いられたクリップ部に類似し得る。当然、他の適切な従来の付着手段が代わりに用いられ得る。
【0032】
計量投与リザーバはさらに、壁部18aを有し、該壁部18aは、頂部表面18tから下方に延在し、メイン容器16に組み立てられるときには、メイン容器16に向かって延在する。図3に見られ得るように、頂部表面18tのエッジ部は、部分的にリム部を提供され得る。
【0033】
図3は、組み立てられた状態における霧化器を示す。クリップ部20は、計量投与リザーバ18を共に基板4に固定し、該計量投与リザーバ18は、同時にメイン容器16を封じ込める。見られ得るように、この例において、メイン容器16の壁部16aは、特定の周辺部の区画に沿って二重壁構造を有し、計量投与リザーバのリム部18bを受容する、二重壁構造内のみぞによって、これらの部分が互いに適合するときには、適正な密封を保証する。
【0034】
当然、メイン容器と計量投与リザーバとの適正な密封を可能にする他の適切な配置が考案され得、それによって、この実施形態の計量投与リザーバを用いるときには、所定の量の液体が取得される。
【0035】
計量投与リザーバ18は、リム部18bに関して内方に放射状に配置された外周壁部18aを有し、該外周壁部18aは、壁部16aによって区切られるようにメイン容器16の内部へと適合する。示されるように、計量投与リザーバの壁部18aは、壁部16aよりも直径が小さく、それによって、緩衝領域19がメイン容器16内に作り出される。一旦この2つの部分が互いに適合すると、過剰の計量投与量と呼ばれるメイン容器内のあらゆる残存液体が、計量投与リザーバ18に入り得ないことから、従って、さらなる計量投与に対して用いられ得る。
【0036】
そのようなものとして、液体の所定の計量投与量は、計量投与リザーバ18内に閉じ込められる。従って、この実施形態において、メイン容器を液体で満たすことによって、液体の特定の所定の計量投与量が、この計量投与リザーバに入り得る。この計量投与リザーバは、吐出される液体の量を一定にし、従って、そのサイズは、所望の治療に依存する。
【0037】
計量投与リザーバ18はここで、図3および図4を参照してより詳細に記載される。
【0038】
示され得るように、下方から見られるときに、計量投与リザーバ18は、従って、頂部表面18tと、中空の区画18cと、中央の区画18eと、中実の区画18dとを有する。中空の区画18cは、従って、吐出される液体の実際の計量投与量を規定する。なぜならば、一旦計量投与リザーバがメイン容器16上に適合されると、この中空の区画18cがメイン容器16内に含まれる液体で満たされるからである。中央の区画18eは、頂部表面18tを横断するホールであり、計量投与リザーバ18を構成する材料を計量投与リザーバ18の中央部分において除去することによって、中実の区画18d内に配置される。オリフィス膜プレート部22は、中央の区画18eのこのホールの底部に配置され、従って、このホールを密封する。中実の区画18dは、外周壁部18aに類似して、計量投与リザーバの頂部表面から下方に延在する。しかしながら、中実の区画18dは、壁部18aまで延在しないけれども、壁部18aより短く停止する。一旦組み立てられると、この配置は、中実の区画18dの表面とメイン容器16の平坦な表面との間に流体チャネル21を作り出す。この流体チャネル21は、中空の区画18cと計量投与リザーバ18の中央部分との間の毛管状の連絡を可能にし、それによって、液体が、中空の区画から中央部分に、従って計量投与リザーバ18のオリフィス膜プレート部に流れ得る。
【0039】
オリフィス膜プレート部22は、振動要素に給電することによって、超音波の音波が液体に加えられ、この液体が、オリフィスプレート部に接触して、小滴のスプレーとして吐出されるように、配置される。
【0040】
以上から理解され得るように、メイン容器16の内側表面が平坦であることから、そのようなものを適正にクリーニングすることは簡単である。
【0041】
さらに、このメイン容器16は、より完全なクリーニングを可能にするために、メイン本体部から容易に取り外され得る。メイン本体部1は、それ自体があらゆる液体と接触しないことから、通常のメンテナンスを除いて、そのようなものをクリーニングする必要はない。
【0042】
さらなる好適な配置において、計量投与リザーバ18は、その内に一体化された膜プレート部22と共に、使い捨ての部分として構成され得る。このことは、さらに汚染のあらゆるリスクを回避する。なぜならば、計量投与リザーバおよび膜プレート部の全体が、使用後に簡単に置換され得るからである。例えば、毎日、患者は、次の計量投与に対して、一体化された膜プレート部を有する新しい計量投与リザーバをメイン容器の上に単に取り付けるだけである。
【0043】
そのようなものとして、吐出される液体の修正された量の計量投与を可能にすることもまた容易である。計量投与リザーバの組が提供され得、それぞれの計量投与リザーバが異なるサイズの中空の区画18cを有し、それにより、異なる所定の計量投与量が異なる治療に対して提供され得る。
【0044】
有利なことに、メイン容器16はまた、汚染の任意のリスクをさらに回避するために、使い捨てであり得る。
【0045】
上記の配置はさらに、デバイスの動作の間の増大された使いやすさを可能にする。実際に、計量投与膜において配置されたオリフィスプレート部を有し、かつその下の毛管状の流体チャネルを有する構造に起因して、圧力チャンバが、オリフィスプレート部の下に作り出される。一旦振動要素が給電されると、この圧力チャンバに入っているあらゆる液体が、小滴のスプレーとして吐出される。
【0046】
この圧力チャンバは、計量投与リザーバ内に含まれる液体が、傾けられたときに霧化器から流出せず、膜プレート部22内のオリフィスのサイズを適切に選択することによるのと同じような、追加の利点を有する。
【0047】
これはまた、噴霧器が傾けられるときでさえも、霧化器が適正に動作することを意味している。そのようなものとして、以上で論じられた従来技術のデバイスに比べて、噴霧器の位置決めにおいてほとんど限定されないことから、患者は、増大された使いやすさを有する霧化器を使用し得る。
【0048】
本発明の好適な実施形態がここで記載され、その概念を組み込む他の実施形態が用いられ得ることが当業者に明らかとなる。従って、本発明は、開示された実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ制限されるべきである。
【符号の説明】
【0049】
1 メイン本体部
2 霧化器
4 基板
6 ガスケット
16 メイン容器
18 計量投与リザーバ
20 クリップ部
21 流体チャネル
22 オリフィス膜プレート部
23 超音波トランスデューサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧器であって、
メイン本体部(1)と、
該噴霧器から小滴のスプレーとして液体を吐出すように該液体を霧化する霧化器(2)と、
振動要素(22、23)と
を備え、
該霧化器は、
基板(4)と、
該基板によって支持された、該液体を含むためのメイン容器(16)であって、該メイン容器を区切るために、底部の外側表面、平坦な頂部の内側表面、および該頂部の表面から直立する外側壁部(16a)を有する、メイン容器(16)と、
該メイン容器(16)上に配置された、吐出される該液体の所定の量を区切るための計量投与リザーバ(18)であって、そこに組み立てられるときに、上部表面(18t)、および該上部表面(18t)から該メイン容器(16)に向かって下方に延在する壁部(18a)を有する、計量投与リザーバ(18)と
を備え、
該計量投与リザーバ(18)は、
該所定の量の液体を規定する中空の区画(18c)と、
該上部表面(18t)から下方に延在する中実の区画(18d)と、
該上部表面(18t)を横断し、該中実の区画(18d)内に配置されたホールである中央の区画(18e)と、
該中央の区画(18e)の該ホールの底部に配置された、該ホールを密封するためのオリフィス膜プレート部(22)と、
該中実の区画(18d)の底部表面と、該メイン容器(16)の該平坦な頂部の内側表面との間に配置された、該中空の区画(18c)と該オリフィス膜プレート部(22)との間の毛管状の連絡を作り出すための流体チャネル(21)と
を備える、噴霧器。
【請求項2】
前記計量投与リザーバは、前記流体チャネル(21)の上に配置された頂部の密封表面(18−1)を有し、それにより、該流体チャネル(21)は、該頂部表面(18−1)と前記振動要素の頂部表面との間に閉じ込められる、請求項1に記載の噴霧器。
【請求項3】
前記計量投与リザーバ(18)は、使い捨ての部分として提供される、請求項1または請求項2に記載の噴霧器。
【請求項4】
前記メイン容器(16)は、使い捨ての部分として提供される、請求項1または請求項2に記載の噴霧器。
【請求項5】
前記メイン本体部(1)は、電子回路網と、前記振動要素(22、23)と、該振動要素に給電するための電源とを備えることにより、前記霧化器内の液体に作用し、それによって、該液体は、小滴のスプレーとして吐出される、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の噴霧器。
【請求項6】
前記噴霧器(2)は、前記振動要素(22、23)を含み、前記メイン本体部(1)は、該振動要素に給電するための電源を含むことにより、前記霧化器内の液体に作用し、それによって、該液体は、小滴のスプレーとして吐出される、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載の噴霧器。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図1a】
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【図1b】
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【公開番号】特開2010−119845(P2010−119845A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261243(P2009−261243)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(509072364)エーペー システムズ エスアー, マイクロフロー ディビジョン (3)