説明

回収霧滴利用による砂漠緑化システム

【課題】回収霧滴利用による砂漠緑化システムを提供する。
【解決手段】ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に水分保持能力が大きい土壌等を埋める構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回収霧滴利用による砂漠緑化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットを使用して霧滴を集めて生活用水に利用することは南アメリカのアンデス山脈の一部の地域で行われているが、植物育てるために必要な水分の大部分を霧滴を集めた水に依存している例はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一部の砂漠、例えばアフリカのナミブ砂漠では、移流霧がかなりの頻度で発生しているが、これらの霧は気温の上昇とともに消えてしまい、降水量には寄与していない。この霧から水を集めて、集約して利用すれば植物を育てることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明(請求項1)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムは、ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に水分保持能力が大きい土壌等を埋める構成とした。
【0005】
本発明(請求項2)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムは、ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に不透水性シートを埋める構成とした。
【0006】
本発明(請求項3)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムは、ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に不透水性シートを埋め、その上に水分保持能力が大きい土壌等を埋める構成とした。
【発明の効果】
【0007】
ネットを高くすることにより単位ネット長当たりの回収霧滴量を増やすことができるし、ネットのたるみの程度を調整することにより、回収霧滴を集中的に利用する範囲を調整することができる。
【0008】
ナミブ砂漠では、3日に1回程度の頻度で移流霧が発生しており、ネットの高さと回収霧滴利用範囲を適切に設定すれば、植物を育てることが可能である。条件にあった植物を成長させることができれば、その植物がその植物体の表面で霧滴を回収することができ、その場所で利用できる水分量が増加していく。この循環が成立すれば一帯を緑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 本発明(請求項1)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 本発明(請求項2)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【図4】 本発明(請求項3)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施の形態を実施例により説明する。
【実施例】
【0011】
図1は、本発明(請求項1)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【0012】
移流霧がネットに直角の方向から流れてくると、霧滴の一部がネットに付着する。霧滴が次々に付着すると水滴になり、やがてその重さのためネットの下方に伝わっていく。この際、ネットにたるみがあるため、水滴は、ネットの支柱の中間付近により多く集まってくる。
【0013】
ネットの下方に伝わった水滴は、砂に吸収され、さらに地中に埋めた水分保持能力が大きい土壌等に吸収される。
【0014】
地中に水分保持能力が大きい土壌等を埋めた部分は植物が生育するために必要な水分があるため、飛来した植物の種子のあるものは成長することが可能であるし、人為的に適切な植物の種子をまくか、苗を植えることによって、育てることも可能である。
【0015】
環境にあった植物が成長すると、その植物がその植物体の表面で霧滴を回収することができ、その付近で利用できる水の量が増えていく。それに伴い、一帯の植物の量が増え緑化することが可能である。
【0016】
図3は、本発明(請求項2)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【0017】
水分保持能力が大きい土壌等の代わりに不透水性シートで水分を保持しようとするもので、砂漠緑化の仕組みは、請求項1の砂漠緑化システムと同じである。
【0018】
図4は、本発明(請求項3)の回収霧滴利用による砂漠緑化システムの実施例を示す側面断面図である。
【0019】
水分保持能力を高めるため、水分保持能力が大きい土壌等と不透水性シートを使用するもので、砂漠緑化の仕組みは、請求項1の砂漠緑化システムと同じである。
【符号の説明】
【0020】
1 支柱
2 ネット
3 水分保持能力が大きい土壌等
4 不透水性シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に水分保持能力が大きい土壌等を埋める構成とした回収霧滴利用による砂漠緑化システム。
【請求項2】
ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に不透水性シートを埋める構成とした回収霧滴利用による砂漠緑化システム。
【請求項3】
ゴルフ用の防球ネットをたるみを持たせて、霧の移動方向と直角になるように張り、ネットの下端の一部はネットが風で動揺しないように埋め、さらに、ネットが垂れ下がった部分を中心に、土中に不透水性シートを埋め、その上に水分保持能力が大きい土壌等を埋める構成とした回収霧滴利用による砂漠緑化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−67188(P2011−67188A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−242848(P2009−242848)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(509033697)