説明

回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタおよび、その使用方法

回転かん流培養チャンバと、上記回転かん流培養チャンバへ作動可能に接続された時間的に変化する電磁気力源とを有する回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ。使用において、内部に含まれる細胞を拡張するために回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタは、回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタの回転かん流培養チャンバへ時間的に変化する電磁気力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ、および、その使用方法に関し、より具体的には回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ内で細胞を拡張しつつ、同時に、それらを時間的に変化する電磁気力に曝す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境ストレスに耐性を有する、または、頑丈な細胞壁で覆われた、単一の細胞バクテリア、イースト、および菌の成長のために、細胞培養プロセスが開発されてきた。しかしながら、哺乳類の細胞はより繊細であり、生存度および細胞の成長を維持するためのより複雑な栄養素およびその他の環境要求事項を有するため、哺乳類の細胞培養は遥かに複雑である。バクテリア型細胞の大規模培養は高度に開発され、そのような培養プロセスはそれほどシビアではなく、哺乳類の細胞ほどは、培養が困難ではない。バクテリア細胞は、大量の流体媒体中で成長させることができ、いかなる重大な損傷もなく、強制的に攪拌することができる。一方哺乳類の細胞は、細胞への損傷なく、過度の乱流作用に耐えることができず、通常は、成長を助ける複雑な栄養素媒体を供給される。
【0003】
加えて、哺乳類の細胞には、他の特別な要求事項がある:特に、ほとんどの動物細胞は、生存度を維持するため、および、複製するために、通常はなんらかの基板表面へ自分自身を付着させることを好む。小規模の場合は、細胞を表面固定するための微細な壁を有する容器内で、哺乳類の細胞は育てられてきた。しかしながら、そのような微細な壁の容器内での哺乳類細胞のための細胞培養プロセスは、多くの市販または研究用途の基盤となるような十分に大規模な哺乳類の細胞を成長させるための、十分な表面積は通常提供できない。より大きな表面積を提供するために、培養される細胞が付着できる、増加された表面積を提供するために、マイクロキャリアビーズが開発された。培養された細胞が付着したマイクロキャリアビーズは、従来のバイオリアクタチャンバにおいては、細胞の懸濁、新鮮な栄養素の配給および代謝廃棄物の除去のために攪拌を必要とする。攪拌するために、そのようなバイオリアクタチャンバは、チャンバ内の可動部品がマイクロキャリアビーズおよび付着した細胞の懸濁のための、流体媒体における攪拌をもたらす、モータ駆動の内部プロペラまたは機械的な可動攪拌手段を用いてきた。しかしながら流体媒体の攪拌は、その中の哺乳類の細胞も攪拌し、細胞に損傷を与え得る強い流体せん断応力にそれらを曝し、細胞由来のエネルギーによる、これらの細胞の順序つけられたアセンブリを制限し得る。これらの流体せん断応力は、例えば、流体媒体がチャンバ壁、内部プロペラまたは機械的な可動攪拌手段、または他のチャンバ構成物に対して著しく相対運動する場合に生じる。細胞または細胞が付着したビーズが互いに衝突するか、またはチャンバの壁に衝突した場合、内部可動部品を有するバイオリアクタチャンバ内でも、細胞は損傷を受け得る。
【0004】
細胞損傷の欠点に加え、バイオリアクタおよび哺乳類の細胞を培養するための他の方法も、無傷な生物における実際の組織の空間的な三次元形状を擬態する組織へ細胞を組立てることを可能とし、同時に、7日以内に少なくとも7倍の速度で細胞が増殖することを可能とする環境を提供する能力はとても限られたものである。同様の理由により、従来の組織培養プロセスは、培養された組織が例えば機能的に高く特殊化、または、哺乳類の細胞の分化にとって重大と考えられている、機能的に高く特殊化または分化された状態、および研究および薬学上関心のある特殊化された、生物学的に活性名分子の分泌を発現ためにキャパシティを制限する。微生物とは違い、哺乳類などの高等生物の細胞は、高等な多細胞組織を形成する。この自己組織化の精密な機構は分かっていないが、これまで研究されてきたことについて言えば、細胞の組織への成長は、互いの細胞配向性(細胞の種類が同じでも異なっていても)または他の固定基板(anchorage substrate)および/またはホルモンなどの特定の物質(因子)の有無に依存していることが分かっている。概して、何れの従来の培養プロセスも、十分に低い流体せん断応力、十分な三次元空間的自由度、および、生体内での(in vivo)細胞および組織組成の優れたモデリングを可能にする(相互の、または基板との)クリティカルな細胞相互作用のための十分に長い期間を同時に達成し、それと同時に、細胞または組織の三次元形状および細胞間形状および支持を維持しながら促進された拡張、組織のサイズおよび/または組織構成物の成長および/または細胞の数の増加を提供しない。
【0005】
例えば、ウォルフ等(Wolf et al.)による特許文献1は、組織および/または細胞を破壊的な量のせん断に曝すことなく、先の問題を克服する、かん流バイオリアクタを用いた、組織、組織構成物および細胞を培養する方法を提供する。しかしながらウォルフ等の開示は、生産速度が極めて遅い。実際、ウォルフ等の装置およびそれの使用方法は、実質的な商業的価値がない程に、不十分に遅い生産速度を提供する。
【0006】
それ故、回転かん流培養チャンバと、上記回転かん流培養チャンバへ動作可能に接続された時間的に変化する電磁気力(「TVEMF」)源とを有する、回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタを得ることが強く望まれている。また、十分に低い流体せん断応力、十分な三次元空間的自由度、および、(相互の、または基板との)クリティカルな細胞相互作用のための十分に長い期間を同時に達成するだけではなく、同時に、細胞または組織の三次元形状、および細胞間形状および支持を維持しながらの促進された拡張を提供する、回転かん流TVEMFバイオリアクタを用いた、細胞を拡張する方法を得ることも強く望まれている。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,155,035号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回転かん流培養チャンバと、上記回転かん流培養チャンバに動作可能に接続されたTVEMF源とを有する回転かん流TVEMFバイオリアクタに関する。
【0009】
また、本発明は、培地を回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバに充填する工程と、細胞を回転かん流培養チャンバ内に配置し、三次元のTVEMF培養を開始する工程と、上記回転かん流培養チャンバを、軸の周りを一定の回転速度で回転させる工程と、三次元のTVEMF培養を維持するために回転速度を調整することによって上記回転かん流培養チャンバの回転を制御する工程と、細胞をTVEMFに曝す工程と、を有する、回転かん流TVEMFバイオリアクタ内で細胞を拡張する方法に関する。上記TVEMFは、好ましくはデルタ波、より好ましくは分化方形波、最も好ましくは方形波(フーリエ曲線に沿った)の形である。好ましくは、本発明の方法は上記培地と、上記細胞との配置をする特性を有し、上記培地の、回転かん流培養チャンバとの相対運動は実質的に有さず、前記細胞の三次元空間的配向性の自由を有すると同時に、生体内(in vivo)に見られる細胞のものと実施的に同じ三次元形状、および、細胞間支持および形状を維持する。
【0010】
本発明の他の態様、特徴および利点は、開示目的である、本発明の好ましい実施態様についての下記の記載から明らかである。本発明は、以下に記載されている好ましい態様によってより完全に記載されるが、これに限定されることを意図したものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図の詳細な説明
簡単に言うと、回転かん流TVEMFバイオリアクタは、回転かん流培養チャンバと、上記回転かん流培養チャンバへ動作可能に接続された時間的に変化する電磁気力源(「TVEMF源」)とを含有する。好ましい回転かん流TVEMFバイオリアクタがここで述べられる。図2および3は、隣接するTVEMF源(図示せず)を有する回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様を示す。図4は、一体となっているTVEMF源を有する、本発明の好ましい形式において用いるための、回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の断面図である。図5は、一体化されたTVEMF源を有する回転かん流TVEMFバイオリアクタ10を示す。図9〜11は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの隣接するTVEMF源を示す。
【0012】
使用に際し本発明は、培地の回転かん流培養チャンバの中を通るかん流による、三次元TVEMF培養への呼吸ガス交換の支持、栄養素の供給、およびそこからの代謝廃棄物の除去を供給する。「かん流」およびその類似の用語は、培地が回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバ内の細胞上に注がれ、拡散され、または浸透することを意味する。上記かん流は、図1に示されているような培地フローループ内を通ることが好ましく、直接注入によることがより好ましく、拡散膜を超える交換によることが最も好ましい。図においては、図1を参照すると、回転かん流培養チャンバ19と、酸素供給器21と、好ましくはメインポンプ15の使用による、培地の指向性のある流れを促進する機器と、これらには限定されないが、栄養素6、バッファ5、フレッシュな培地7、サイトカイン9、成長因子11、およびホルモン13などの培地必需品の選択的な投入のための供給マニホールド17とを有する、哺乳類の細胞を育てるための、全体的なバイオリアクタ培養システムにおける、を有する回転かん流TVEMFバイオリアクタの培地フローループ1の好ましい態様を説明する。この好ましい態様においては、メインポンプ15が、培地に酸素が送り込まれ、回転かん流培養チャンバ19へと通過される所である酸素供給器21へと、上記供給マニホールド17からフレッシュな培地を提供する。回転かん流培養チャンバ19からの使用済みの培地における廃棄物は除去され、好ましくはメインポンプ15によって廃棄物18へと送られ、廃棄物18へと除去されなかった残りの細胞培地は、酸素供給器21を通って回転かん流培養チャンバ19へとポンプ15によってリサイクルされる前に、好ましくは培地必需品のフレッシュな装入物を受け取る所であるマニホールド17へと戻される。
【0013】
作動に際し上記培地は、回転かん流培養チャンバ19の三次元TVEMF培養内を、好ましくは図1に示されるような場位置フローロープ1を回って循環される。この培地フローループ1の好ましい態様においては、回転かん流培養チャンバ19内における状態を一定に維持するケミカルセンサー(図示せず)に応えて調整される。二酸化炭素の圧力の制御および酸または塩基の導入はpHを是正する。細胞の呼吸を支援するために、酸素、窒素、および二酸化炭素がガス交換システム(図示せず)に溶解されている。培地フローループ1は、循環しているガスキャパシタンスに酸素を添加し、そこから二酸化炭素を除去する。図1は本発明において用いることができる、培地フローループの好ましい一態様であるが、本発明はこのように限定されるものではない。これらには限定されないが、酸素、栄養素、バッファ、フレッシュな培地、サイトカイン、成長因子、およびホルモンなどの培地必需品の回転かん流TVEMFバイオリアクタへの投入は、廃棄物および二酸化炭素の制御および除去できるものであれば、手動で行なっても、自動で行なっても、またはその他の制御された手段によって行なってもよい。
【0014】
図2は、インプット端12およびアウトプット端14を有する、隣接するTVEMF源(図示せず)に動作可能に接続された回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様の断面側面図である。図2においては、外側管状ハウジング20は、水平中央軸21と、上記中央軸21(破線以外では図示せず)と一直線上にあるインプットシャフト23およびアウトプットシャフト25の周りの回転のために回転可能に支持されている。上記外側管状ハウジング20は、好ましくは円筒形であり、好ましくは細長い、回転かん流培養チャンバ30の大まかな輪郭を示す、好ましくは円筒形の内側壁27、アウトプット横端壁28、およびインプット横端壁29を有する。上記外側管状ハウジング20の一端には平歯車32が取り付けられており、上記ハウジング20をその水平中央軸21の周りを回転するように、モータ33によって駆動される。
【0015】
上記中央軸21の同軸上には、好ましくは管状であり、上記インプットシャフト23に回転可能に据え付けられており、(破線36で示されるように)上記アウトプットシャフト25に連結されている内側フィルタアセンブリ35が配置されている。順に、アウトプットシャフト25は、アウトプット固定ハウジング40内に回転可能に支持されており、上記アウトプットシャフト25は、上記アウトプットシャフト25および内側フィルタアセンブリ35を上記外側ハウジング20から独立して回転させるための第一独立駆動モータ42に連結されている、外部に位置するアウトプット平歯車41を有する。上記内側フィルタアセンブリ35と、上記外側管状ハウジング20の内側壁27との間の環状空間は、水平軸21の周りに位置する回転かん流培養チャンバ30の輪郭を示す。内側フィルタアセンブリ35の外側壁43と外側ハウジング20の内側壁27との中間には、好ましくは2つの長手方向に広がるブレード部材50aおよび50bを含み、好ましくは上記中央軸21の周りに互いに等角に間隔をあけた、中間ブレード部材システム50がある。各ブレード部材50aおよび50bは、第一長手方向端51においてはアウトプットシャフト25上に回転可能に支持されている第二半径方向アーム52を有し、第二長手方向端54においてはインプットシャフト23(破線56によって図示)に接続されている第二半径方向アーム55を有する。順に、インプットシャフト23はインプット固定ハウジング60内に回転可能に据え付けられ、インプットシャフト23は、外側ハウジング20の回転から独立したブレード部材システム50の回転のための第二独立駆動モータ62によって駆動されるインプット平歯車61を有する。
【0016】
図3に示すように、三つの部分組立品20、35および50、すなわち内側フィルタアセンブリまたは部材35、外側ハウジング20、および中間ブレード部材システム50の角回転は、同じ角速度、および、水平回転軸のまわりの同じ方向であることが好ましく、三つの部分組立品間では実質的に相対的な動きがないように、水平軸の周りの実質的に同じ方向であることが好ましい。作動におけるこの状況は、乱流なく、回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の回転かん流培養チャンバ30内における流体媒体中の、マイクロキャリアビーズの植物回転器(clinostat)サスペンションをもたらす。
【0017】
上記フィルタ35の回転は、好ましくは、例えば、フィルタ35の表面に乱流をもたらし、上記表面を清潔に保つ、培地を添加するために作動され、停止されることができる。上記ブレード部材50aおよび50bは細胞が、回転する培地内で空間的な位置を維持するために成長するのを助ける。これは、高密度細胞、組織、および、例えば骨の細胞などの組織状構造にとっては特に助けになる。上記流体および外側ハウジング20を回転させることにより、壁境界層における速度勾配は、ほとんど解消される。
【0018】
図2の回転かん流TVEMFバイオリアクタ10は作動において、好ましくは新鮮な栄養素およびガス類を含有し、インプット固定ハウジング60内にあり、密閉されたインプット回転可能カップリング70のおかげでインプットシャフト23内のインプット長手方向通路67に接続するインプット通路66へ供給される、培地を提供する。インプットシャフト23内のインプット通路67は、密閉されたインプット回転可能カップリング75のおかげで外側ハウジング20の端部キャップ内の半径方向供給通路72に接続される。順に、半径方向供給通路72は、空間的に離れ、半径方向である、外側ハウジング20のインプット端のインプット通路78およびアウトプット端のインプット通路79につながり、上記インプット端のインプット通路78およびアウトプット端のインプット通路79は、回転かん流培養チャンバ30の両端に位置する。矢印で示すように、媒体が回転かん流培養チャンバ30の両端に供給されると、上記媒体は外側ハウジング20の内側壁27に向って半径方向外側移動し、その後概して垂直な破線80によって示される中間面に向って長手方向に水平方向に移動し、内側フィルタアセンブリ35の外側壁43に向って半径方向内側へ移動する。このように、チャンバ30内の上記媒体は、外側ハウジング20の中間面80のどちらかの側の半径方向面における環状の動きを概して有する。内側フィルタアセンブリ35は、その長さに沿って、培地が回転かん流培養チャンバ30からインテリアへ出るための開口82を有する。図2には図示されていないが、上記チャンバ30内のマイクロキャリアビーズ部材が上記開口82を介して外へ出ることを防止するために、上記開口82を横切って位置する、長さ方向に伸張するフィルタ布があることが好ましい。回転かん流培養チャンバ30において使用された培地は、このように内側フィルタアセンブリ35のインテリア85を通り、アウトプットシャフト25のアウトプット長手方向通路86を介して、アウトプット固定ハウジング40内のアウトプット回転可能カップリングアウトプット88へ、および、アウトプット通路89へと出て、好ましくは再充填のために(図示せず)培地フローループへと戻る。
【0019】
次に、回転かん流培養チャンバ230と、上記回転かん流培養チャンバ230へ作動可能に接続されたTVEMF源とを有し、上記TVEMF源が環状ワイヤヒータ296である、回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様を説明する。上記環状ワイヤヒータ296は、回転かん流培養チャンバ230と一体化されている。回転かん流培養チャンバ230は透明であり、好ましくは円筒形管状であり、好ましくは透明であり、より好ましくはガラスである内側部材293、および、好ましくは透明であり、好ましくはガラスである外側管状部材294を受け入れるように配置された、対向する第一228および第二229横接面を有する、好ましくは円筒形である第一290および第二291横端部キャップ部材を含む、外側ハウジング220をさらに含有する。適切な圧力シールが本技術分野において公知であり、好ましく提供されている。内側293および外側294管状部材の間には、好ましくはTVEMF拡張のための適切な培養温度を得るために用いることができる環状ワイヤヒータ296がある。このましくは、上記ワイヤヒータ296は、使用の際に回転かん流培養チャンバ230へTVEMFを供給するためのTVEMF源としても用いることもできる。第一横端部キャップ部材290および第二横端部キャップ部材291は、上記培養チャンバ230内における混合物のより円滑な流れを促進するための上記横面228、229に隣接する内側曲面を有する。上記第一横端部キャップ部材290および第二横端部キャップ部材291はそれぞれ、入力シャフト223および出力シャフト225にそれぞれ回転可能に受け入れられる、第一中央流体移送ジャーナル部材292および第二中央流体移送ジャーナル部材295を有する。各移送ジャーナル部材294、295は、横端部キャップ部材290、291の凹部を有するカウンター穴に座するように、フランジを有し、シャフト223、225に対する長手方向の動きに対し、第一ロックワッシャおよびリング297と、第二ロックワッシャおよびリング298とによって取り付けられている。各ジャーナル部材294、295は、長手方向に伸張する、円周方向に配置された通路に接続された中間環状凹部を有する。ジャーナル部材292、295の各環状凹部はそれぞれ、横端部キャップ部材290および291の第一半径方向に配置された通路278および第二半径方向に配置された通路279によって、第一インプットカップリング203および第二インプットカップリング204へ連結されている。作動に際し、半径方向の通路278または279内の培地は、ジャーナル部材292または295の第一環状凹部および長手方向通路を通って流れてジャーナル部材292、295を通った媒体のアクセスを許容し、好ましくはアクセスがシャフト223、225の回りの円周方向である、ジャーナル部材292、295の各端部へと流れる。
【0020】
横端部キャップ部材290および291には、インプット223およびアウトプット225シャフト上に外側ハウジング220をそれぞれ支持するボールベアリングを含む、第一管状ベアリングハウジング205、および第二管状ベアリングハウジング206が取り付けられている。上記第一ベアリングハウジング205には、インプット223およびアウトプット225シャフトおよび長手方向の軸221の周りの回転方向における、回転可能な駆動を外側ハウジング220に提供するための、第一スプロケットギア210が取り付けられている。上記第一ベアリングハウジング205および第二ベアリングハウジング206も、好ましくは環状ワイヤヒータ296および好ましくはたとえば細胞の位置の変化を検出するセンサ、好ましくはおよび/または三次元TVEMF培養のpHおよび/または温度の変化を検出するセンサなどの、任意の他のセンサの電気的取り出しのための設備を有する。
【0021】
内側フィルタアセンブリ235は、その長さに沿った打ち抜き穴および/または開口を有する内側215および外側216管状部材を含み、打ち抜き穴を有する第一217および第二218内側フィルタアセンブリ端部キャップ部材を有する。上記内側管状部材215は、好ましくは中央に配置されたインターロッキングカップリング部を有する二つの部品から構成され、各部品は端部キャップ217または218に取り付けられている。上記外側管状部材216は、好ましくは第一217および第二内側フィルタアセンブリ端部キャップの間に据え付けられている。
【0022】
上記端部キャップ部材217、218はそれぞれ、インプットシャフト223およびアウトプットシャフト225上に回転可能に支持されている。上記内側部材215は、好ましくはピンおよびインターフィッティング溝219によって、アウトプットシャフト225へ、回転可能に取り付けられている。好ましくはナイロンであり、好ましくは10ミクロン織を有する布224は、外側部材216の外側面の上に配置され、各端部に好ましくはおいてOリングに取り付けられている。上記内側部材215が好ましくはカップリングピンによってアウトプット駆動シャフト225のスロットへ取り付けられているため、上記アウトプット駆動シャフト225は、内側部材215を回転させることができる。上記内側部材215は、外側部材216を支持する第一217および第二218端部キャップによって連結されている。上記アウトプットシャフト225は、第一固定ハウジング240内のベアリングを貫いて伸張し、第一スプロケットギア241へ連結されている。図に示されているように、アウトプットシャフト225は、培地の流れが上記固定ハウジング240を通って上記内側部材215からでられるように、シールの間に配置された第一固定ハウジング240内の第一通路289から、上記内側部材215まで伸張する管状穴222を有する。
【0023】
上記内側部材235用の第一217および第二218端部キャップと、外側ハウジング220のジャーナル292、295との間には、ブレード部材50aおよび50b用の第一227および第二226ハブがある。インプットシャフト223上の第二ハブ226は、第二ハブ226が好ましくはインプットシャフト223と一緒に回転するように、ピン231によってインプットシャフト223へ連結される。各ハブ227、226は、ハブを通った培地の移送用の、軸方向に伸張する通路を有する。
【0024】
インプットシャフト223は、上記インプットシャフト223の回転可能な支持のために、第二固定ハウジング260内のベアリングを貫いて伸張する。第二長手方向の通路267は、フェースプレートおよびハウジング260の間の第二環状凹部232内に配置されたリテイニングワッシャおよびリングの中間の位置まで、インプットシャフト223を貫いて伸張する。第二端部キャップ部材291内の第三半径方向通路272は、上記凹部内の培地が第二端部キャップ部材291から出ることを許容する。図示していないが、第三通路272は、好ましくはパイプおよびYジョイントを貫いて、各通路278および279を連結する。
【0025】
図4に、第一軸に沿って伸張し、上記チャンバ230の角233と交差して、狭い開口234を形成する第一穴237である、サンプルポートが示されている。好ましくは上記穴237は、カウンター穴、および、円筒形バルブ部材236を好ましくはねじ込むことにより受け入れるためのネジリングを一端に有する。上記バルブ部材236は、上記チャンバ230のインテリアへわずかに突き出し、上記バルブ部材236は開口234にかみ合うための補足的に形成された先端を有する。好ましくは上記バルブ部材236上のOリング243は、シールを提供する。第二軸に沿った第二穴244は、Oリング243および開口234の間の位置において、第一穴237と交差する。好ましくはエラストマーまたはプラスチックストッパー245は、第二穴244を塞ぎ、サンプルを取り出すために、皮下注射器と共に入れることができる。サンプルを取り出すために、上記バルブ部材236は、上記開口234および穴244に近づくために引っ込められる。注射器はその後、サンプルを抽出するために用いることができ、上記開口234は再び閉じられてもよい。そのため、TVEMFバイオリアクタ10のインテリアには、外部の汚染物は到達しない。
【0026】
作動において培地は、第二ポートまたは通路226へ、シャフト通路へ投入され、そこから第三半径方向通路272を介して、第一半径方向に配置された278および第二半径方向に配置された通路279に投入される。作動に際し、ジャーナル292、294の長手方向通路を介してチャンバ230に培地が入ると、培地はハブ227、226の端部面228、229にぶつかり、通路を通り、ハブ227、226内を軸方向と共に半径方向に分散する。ハブ227,226を通過する培地は端部キャップ部材217、218にぶつかり、半径方向に分散する。流入する培地は、このように長手方向軸221から半径方向外側に離れ、各端部からドーナツ形に流れ、ポリエステル布224およびフィルタアセンブリ235の開口を介して外へ出て、通路266および289を介して外へ出る。外側ハウジング220、チャンバ230および内側フィルタアセンブリ235の回転の回転速度および方向を制御することにより、任意の所望のタイプの培地の動きを得ることができる。好ましくはフレッシュな培地の連続的な供給とともに、実質的な植物回転器作動を得ることができる。
【0027】
図5は、回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様の高められた側面の断面図である。図5に例示されている回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様は、TVEMF源であり、回転かん流TVEMFバイオリアクタ10と一体化されているが、環状ワイヤヒータ296からは分離しており、その両方がTVEMF源として用いることができる、ワイヤコイル144を示す。図5に示された回転かん流TVEMFバイオリアクタ10の好ましい態様は、図4は好ましくはTVEMF源として用いることができる環状ワイヤヒータ296のみを開示しているため、図4に示された回転かん流TVEMFバイオリアクタの好ましい態様とは異なる。
【0028】
例えば図4の環状ワイヤヒータ296のような一体化されたTVEMF源、または例えば図5のワイヤコイル144のような一体化されたTVEMF源を用いてTVEMFが供給されない場合は、他の好ましいTVEMF源によって供給することができる。例えば、図9〜11はTVEMF源の他の好ましい態様、例えば図2に示す回転かん流TVEMFバイオリアクタのように一体化されたTVEMF源を有してはい、回転かん流TVEMFバイオリアクタにおける三次元TVEMFバイオリアクタ用へTVEMFを好ましくは供給することができるTVEMF装置140を説明する。具体的には、図9は、回転かん流培養チャンバに作動可能に接続されることができるTVEMF装置140の好ましい態様である。図9は、支持ベース145、支持146の回りに巻かれたワイヤコイル147を有するベース145上に配置されたコイル支持146を含有するTVEMF装置140の高められた側面斜視図である。図10は、図9に示されたTVEMF装置140の高められた前面斜視図である。図11は、図2のそれのように、図11の回転かん流TVEMFバイオリアクタ148が隣接したTVEMF源を有するように、作動可能に回転かん流TVEMFバイオリアクタ148に接続されたTVEMF装置を示す。使用に際し、回転かん流TVEMFバイオリアクタ148は支持ベース145上に配置され、ワイヤコイル147によって巻きつけられているコイル支持146内へ装入されていることが好ましい。TVEMF装置140は回転かん流TVEMFバイオリアクタ148に隣接しているため、TVEMF装置140はTVEMF源としてリユースできる。さらに、TVEMF装置140は回転かん流TVEMFバイオリアクタ148に隣接しているため、TVEMF装置140は、好ましくは回転可能に、全てのタイプのTVEMFバイオリアクタにおいてTVEMFを発生するために用いることができる。
【0029】
本発明の範囲を逸脱することなく、本発明において意図された時間的に変化する電磁気力に曝される回転かん流TVEMFバイオリアクタにおける様々な改良することができ、ここに含まれる全ての事項は説明することを意図したものであり、限定するものではない。
【0030】
本発明の好ましい態様の詳細な説明
以下の定義は、記載および本発明の文脈において定義された用語の理解において助けることを意図したものである。上記定義は、本願を通じて記載されていることよりも狭い意味に、これらの用語を限定することを意図したものではない。さらに、TVEMFに関しては、数々の定義が含まれる−この点に関する全ての定義は、互いを補足するものと考えられるべきであり、互いに反するものとして解釈されてはならない。
【0031】
本願を通じて用いられている用語「TVEMF」とは、「時間的に変化する電磁気力(Time Varying Electromagnetic Force)」である。上述したように、本発明のTVEMFは、デルタ波、より好ましくは分化(differential)方形波であり、最も好ましくは(フーリエ曲線に従った)方形波である。好ましくは、上記方形波は、約2〜25サイクル/秒、より好ましくは約5〜約20サイクル/秒、例えば約10サイクル/秒の周波数を有し、TVEMF源は好ましくは約0.1mA〜約1000mA、より好ましくは約1mA〜約10mA、例えば6mAのRMS値を有する。回転かん流TVEMFバイオリアクタに付与されるTVEMFは、好ましくは約0.05〜約6.0ガウス、より好ましくは約0.05〜約0.5ガウスの範囲内、最も好ましくは約0.5ガウスである。しかしながら、これらのパラメータは、本発明の他の態様に基づいて異なるものであり、本発明のTVEMFを限定することを意図したものではない。TVEMFは、例えばEN131細胞センサガウスメータなどの標準的な装置によって測定することができる。
【0032】
本願を通じて用いられている用語「回転かん流TVEMFバイオリアクタ」は、回転かん流培養チャンバに作動可能に接続されたTVEMF源を有することを意味する。使用に際し、回転かん流TVEMFバイオリアクタは、TVEMFが付与され、回転されることができ、例えば上述した図の説明のような、かん流によって三次元TVEMFバイオリアクタ用を維持するための方法を提供するバイオリアクタを指す。作動に際しTVEMFは、適切なガウスレベルにおいて、回転かん流培養チャンバのインテリア部分へ供給される。回転かん流培養チャンバの体積は好ましくは約100mlから約3リットルである。本発明の回転かん流TVEMFバイオリアクタの例としては、例えばここの図2、3、4および5(これらに限定はされない)を参照のこと。好ましくは回転かん流TVEMFバイオリアクタは、三次元TVEMF培養の成長媒体(添加物を含有するものが好ましい)および酸素の交換を可能とする。学説に拘束されることなく、回転かん流TVEMFバイオリアクタは数日またはそれ以上の間の細胞のTVEMF拡張を提供する。
【0033】
本願を通じて用いられている用語「三次元TVEMF培養」および類似の用語は、細胞の拡張、回転かん流培養チャンバにおける細胞のTVEMF拡張を可能とする、細胞と培地の混合物を指す。培地および細胞、組織または組織状構造の組合せは、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバに配置されたとき、および/またはそこにTVEMFが供給された後、三次元TVEMF培養と呼ばれる。上記三次元TVEMF培養は、好ましくは、細胞がそれらの三次元形状、および細胞間支持および形状を維持する場所である、回転かん流TVEMFバイオリアクタ内でTVEMF拡張によって支持される。三次元組織および/または組織状構造も、細胞から成長し、維持され、さらに三次元TVEMF培養において拡張されることができる。
【0034】
本願を通じて用いられている用語「作動可能に接続される」および類似の用語は、TVEMF源が回転かん流培養チャンバに、作動中はTVEMF源が回転かん流培養チャンバおよびそこに含有される細胞、組織または組織状構造へTVEMFを付与することができるように接続されることができることを意図する。TVEMF源は、それが回転かん流培養チャンバと一体である場合に作動可能に接続されることができ、また、それが回転かん流培養チャンバに隣接して配置されている場合でも作動可能に接続されることができる。TVEMF源は、それが回転かん流培養チャンバの内部へTVEMFを付与することができる場合は、作動可能に接続されている。
【0035】
本願を通じて用いられている用語「曝す」および類似の用語は、回転かん流培養チャンバに含有される細胞にTVEMFを供給するプロセスを指す。作動に際し本発明は、好ましくはワイヤコイル、より好ましくは環状ワイヤヒータ、最も好ましくはTVEMF装置である、TVEMF源を介してそれらが供給されるように、TVEMF源が作動され、適切なガウス範囲にセットされ、適切な波形が提供される。TVEMFはその後、TVEMF源を通って、回転かん流培養チャンバ内の細胞へ供給され、細胞がTVEMFに曝される。
【0036】
本願を通じて用いられている用語「細胞」とは、任意の形状の細胞、例えば個々の細胞、組織、細胞凝集、マイクロキャリアビーズなどの細胞付着基板に接着する前の細胞、組織状構造または無傷組織切除を指す。これらに限定はされないが、細胞は以下の源からのものであってもよい:哺乳類、爬虫類、鳥類、魚から、酵母から、およびバクテリア。
【0037】
本願を通じて用いられている用語「培地」および類似の用語は、これらに限定はされないが、長期にわたり細胞の滋養のための培地および栄養素を含む液体を指す。上記培地は、これらには限定されないが、以下の任意のものによって栄養成分を強化されてもよい:培地、バッファ、成長因子、ホルモン、およびサイトカイン。上記培地は、そこでのサスペンションおよびTVEMF拡張を支持するために細胞へ供給される。培地は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバへ細胞が添加される前に細胞と混合されることが好ましく、また、回転かん流培養チャンバへ細胞が添加される前に培地を添加することにより、回転かん流培養チャンバ内で培地および細胞を混合することが好ましい。上記培地および細胞の組合せは、回転かん流TVEMFバイオリアクタに配置された時、および/またはそこにTVEMFが供給された後に、三次元TVEMF培養と呼ばれる。必要に応じて、上記培地はTVEMF拡張中に栄養成分が強化され、および/またはリフレッシュされることが好ましい。上記培地それ自身と共に、培地に含まれる廃棄物は、必要に応じて三次元TVEMF培養から除去されてもよい。これらには限定されないが、使用された培地に含まれる廃棄物は、代謝廃棄物、死んだ細胞、およびその他の有毒な残骸でありうる。上記培地は、酸素によって強化されることが好ましく、好ましくは酸素、二酸化炭素および窒素を運搬する能力を有する。
【0038】
本願を通じて用いられている用語「配置する」および類似の用語は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバに細胞および培地の組合せを添加する前に、培地中に細胞を浮遊させるプロセスを指す。また、用語「配置する」は、回転かん流培養チャンバ内に既に存在する培地へ細胞を添加することも指す。細胞は、例えばPBSおよび/またはプラズマを含む好ましい追加的な液体中に浮遊されてもよい。上記培地および細胞の組合せは、回転かん流TVEMFバイオリアクタに配置された時、そこにTVEMFが供給されている間およびされた後に、三次元TVEMF培養と呼ばれる。細胞は、細胞付着基板と共に回転かん流培養チャンバへハイチされてもよい。
【0039】
本願を通じて用いられている用語「TVEMF拡張」および類似の用語は、回転かん流TVEMFバイオリアクタ内で約0.05から約6.0ガウスのTVEMFに細胞を曝すことにより、細胞の数を増加するプロセスである。ましくは、細胞は、元の数の7倍を越える数までTVEMF拡張される。本発明に従った回転かん流TVEMFバイオリアクタ内での細胞の拡張は、細胞が、TVEMF拡張の前の細胞と同じまたは本質的に同じ三次元形状および細胞間支持および細胞間形状を維持するまたは有することをもたらす。TVEMF拡張の他の態様もまた、本発明の細胞の優秀な特性をもたらす。学説に拘束されることなく、TVEMF拡張は、その三次元形状および細胞間支持を維持する細胞の高濃度をもたらすだけではなく、三次元組織および組織状構造の成長を支持および維持する。
【0040】
本願を通じて用いられている用語「細胞間形状」とは、他の細胞に関する細胞の空間、間の距離、および物理的な関係を含む、細胞の形状である。例えば、それらの組織、細胞凝集、および組織状構造を含む本発明のTVEMF拡張された細胞は、塊(body)として互いの関係を維持する。例えばそのような空間が長期にわたりおよびTVEMF拡張において維持されない二次元拡張容器と異なり、拡張された細胞は、細胞間の自然な空間に拘束されている。
【0041】
本願を通じて用いられている用語「細胞間支持」とは、一つの細胞が、隣接する細胞に提供する支持である。例えば、組織、細胞凝集、組織状構造および細胞は、化学的、ホルモン性、(適用すべき/適切な)神経性などの相互作用を、体内の他の細胞と維持する。本発明においては、これらの相互作用は正常に機能するパラメータ内に維持され、このことは例えば、それらが(このようなことが自然の細胞および組織環境においてなされない限り)有毒または損害を与える信号を他の細胞に送信し始めないことを意味する。
【0042】
本願を通じて用いられている用語「三次元形状」とは、三次元状態(それらの自然の状態と同じまたは極めて近い)における細胞の形状であり、例えば細胞が平らおよび/または引き伸ばされるものである、シャーレで成長した細胞に見られる二次元形状に対するものである。学説に拘束されることなく、細胞の三次元形状は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの三次元TVEMF培養において、細胞が三次元細胞凝集、組織、および/または組織状構造へと成長できるように、維持、支持および保存される。さらに、組織を回転かん流TVEMFバイオリアクタ内で培養すると同時に、三次元形状、および細胞間支持および形状を維持することができる。
【0043】
上記三つの、本発明の細胞の「細胞間支持」および「細胞間形状」および「三次元形状」の維持に関する各定義については、用語「本質的に同じ」とは、TVEMF拡張において通常の形状および支持が提供され、例えば正常に機能しない、他の細胞に対して有毒または有害となるように細胞が変化されないことを意味する。
【0044】
作動に際し、細胞は回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバ内へ配置される。上記回転かん流培養チャンバは、TVEMF源によって回転かん流培養チャンバ内でTVEMFが生じている期間にわたって回転される。「期間にわたって」とは、TVEMFの供給の開始が、回転かん流培養チャンバの回転の開始の前、同時、または後であってもよいことを意図する。上記期間の完了に際し、TVEMF拡張された細胞は回転かん流培養チャンバから除去される。より複雑な回転かん流TVEMFバイオリアクタにおいては、これらには限定されないが、細胞の静養成分を提供する細胞培地、バッファ、栄養素、ホルモン類、サイトカイン類、および成長因子を好ましくは含有する、培地必需品によって強化された培地が、定期的にリフレッシュおよび除去されてもよい。
【0045】
使用に際し本発明は、同時に流体せん断応力を最低限にし、細胞および基板空間配置の三次元自由度を提供し、培養継続期間中に特定の空間領域において細胞の局在性を増加させることによって、細胞が導入され、浮遊され、成長し、デリケートな三次元構造的完全性の保持か向上された状態で維持されることができる、安定した培養環境を提供する。使用に際し本発明は、これらの三つの基準(以下、「上記三つの基準」とする)を提供と同時に、TVEMF源によって供給される、好ましくは方形波、より好ましくは分化方形波、最も好ましくはデルタ波であるTVEMFに細胞を曝し、細胞のTVEMF拡張を促進するTVEMF源を有する。本発明において特に興味深いのは、回転かん流培養チャンバの次元、細胞の堆積速度、回転速度、外部重力場およびTVEMFである。
【0046】
本発明の作動において言及される安定した培養環境は、細胞の導入に際し細胞の均一に近い浮遊を支持することで、細胞の添加に際する三次元TVEMF培養を発生させる、培地における状況、特に細胞の導入の前の流体の速度勾配である。好ましい態様において上記培地は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの同様に回転しているチャンバ壁の境界内の軸の周りの、固形物に近い水平回転へと当初安定化される。上記チャンバ壁は、上記培地およびチャンバ内の成分と相対的に動かされ、当初は実質的に流体せん断場をそこに導入しない。細胞は安定化された培養環境における培地に導入され、その中を移動し、TVEMFがそこに供給され、これにより三次元TVEMF培養が生じる。上記細胞は重力、遠心力、およびコリオリの力の影響下で動き、三次元TVEMF培養の培地内での細胞の存在は、培地への二次的な作用を含む。回転かん流培養チャンバ壁と相対的な培地の顕著な動き、顕著な流体せん断応力、および他の流体の動きは、上記培地内でのこれらの細胞の存在によるものである。
【0047】
ほとんどの場合は、安定した培養環境が用意された細胞は、好ましくは毎秒0.1センチメートルより小さな、ゆっくりな速度で堆積する。そのため、三次元TVEMF培養のこの初期の段階においては、幅広い範囲の回転速度(好ましくは約5〜約120RPM)およびチャンバ径(好ましくは約0.5〜約36インチ)から選択することができる。装置の摩耗、および、その他の三次元TVEMF培養の扱いに関連する論理計算を最小にすることができるため、最も遅い回転速度が有利である。
【0048】
学説に拘束されることなく、ある角速度における外部重力ベクトルと相対する、実質的に水平な軸の周りの回転は、三次元TVEMF培養内に浮遊する細胞の軌道経路を最適化する。作動に際し細胞は、三次元TVEMF培養が進行するにしたがってサイズが増加する、細胞凝集、三次元組織、および/または組織上構造の集団を形成するように拡張する。三次元TVEMF培養の進行は、三次元TVEMF培養における三次元組織の集団の直径の増加の、視覚、手動、または自動測定によって評価されることが好ましい。三次元TVEMF培養における細胞凝集、組織、または組織状構造のサイズの増加は、特定の経路を最適化するための回転速度の適切な調整を必要とするかもしれない。回転かん流培養チャンバの回転は、他の細胞との間の、細胞のn衝突頻度、衝突強度、および局在性を最適に制御し、また、回転かん流培養チャンバの境界を制限する。細胞が下方側で過剰に内側へ、上方側で過剰に外側へ変形することが観察された場合は、RPMを増加することが好ましい。細胞が外側壁へ過剰に遠心分離することが観察された場合は、RPMを低減することが好ましい。学説に拘束されることなく、高細胞堆積速度または高重力強度の点において作動限界に達したら、作動者は両方のこれらの条件を満たすことはできず、上記三つの基準に対する測定の性能の低下を受入れざるおえない。
【0049】
細胞堆積速度および外部重力場は、本発明の作動範囲内においても、重力によって引き起こされる三次元TVEMF培養の培地を通る細胞の漂流により、得られる流体せん断応力の下限を設置する。計算および測定はこの最小流体せん断応力を、外部重力場強度のための(培地を通る)細胞の最終堆積速度から起因するそれに極めて近く設定する。遠心力およびコリオリの力によって引き起こされた、細胞および培地の相互作用に起因する二次的な作用に沿った動き[古典角運動学は、対象物の質量(m)、その回転するフレームにおける速度(v)および参照の回転フレームの角速度(□)に対するコリオリの力に関する以下の式を提供する:FCoriolis=−2m(wxv)]は、組織、細胞凝集、組織、および組織状構造のサイズが増加するにつれて流体せん断応力レベルをさらに低下するように作用する。
【0050】
学説に拘束されることなく、外部重力場がより高密度に、および大きく低減されるにつれて、三次元構造を得ることができる。最小の流体せん断応力を得るためには、チャンバ壁および内部の成分が、培地と実質的に同じ速度で回転されることが好ましい。学説に拘束されることなくこれは、三次元TVEMF培養に際し誘発された流体の速度勾配を最小化する。好ましくは流体せん断応力の選択されたレベルは、チャンバ成分の差動回転によって三次元TVEMF培養に導入されてもよい。細胞のサイズ(および関連する堆積速度)を、上記プロセスが上記三つの基準を満足できる範囲内に維持するために、組織形成の速度およびサイズを制御することが有利である。しかしながら、好ましくは速度勾配およびそれに起因する流体せん断応力は、三次元組織におけるせん断応力の作用を研究するなどの、特定の研究目的のために意図的に導入され、制御されてもよい。加えて、他の理由と共に、当初システムの用意の間の運搬目的、サンプル取得、システム整備、および培養終結のための安定化された培養環境の一時的な途絶は許容され、耐えられる。
【0051】
重力に実質的に垂直な軸の周りの細胞の回転は、種々の堆積速度を生じさせることができ、本発明にかかる全ては、数秒(堆積特性が大きな場合)から数時間(堆積差が小さい場合)までにわたる時間の延長された期間の間、明確な領域において空間的に局在したままとなる。学説に拘束されることなくこれは、これらの細胞、細胞凝集、組織および組織状構造に、多細胞構造を形成するために必要に応じて相互作用する、および、三次元TVEMF培養において互いに関係するために十分な時間を与える。好ましくは、細胞は少なくとも4日間、より好ましくは約7日から約14日間、最も好ましくは約7日から約10日間、さらに好ましくは約7日間TVEMF拡張される。好ましくはTVEMF拡張は、本発明の回転かん流TVEMFバイオリアクタにおいて、160日まで、または好ましくは元の細胞の濃度の約1000倍である拡張の速度で続けることができる。
【0052】
回転かん流培養チャンバの次元も、本発明の三次元TVEMF培養における細胞の経路に影響を与える。回転かん流培養チャンバの直径は、意図した三次元TVEMF培養のために、細胞の十分な播種密度を許容するもの、好ましくは適切な体積を有するもの、好ましくは約100mlから約3リットルのものが選ばれる。学説に拘束されることなく、遠心力に起因する細胞の外側へのドリフトは、高い回転かん流培養チャンバの半径および速い細胞堆積において誇張される。従って、組織の堆積特性の作用としての回転かん流培養チャンバの最大半径の制限は、最終的な三次元TVEMF培養段階(大きな組織の、高速な堆積が形成されたとき)において見込まれる。
【0053】
三次元TVEMF培養における細胞の経路は、重力、遠心力、およびコリオリの力から生じる細胞の動きを盛り込んで、分析的に計算された。これらの支配方程式のコンピュータシミュレーションは、作業者がプロセスのモデリングをし、特定の計画された三次元TVEMF培養のための許容される(最適な)パラメータを選択することを許容する。図6は、外部(回転していない)参照フレームから観察した、細胞軌道の一般的な形を示す。図7は、RPM(毎秒0.5cmの最終速度における一般的な細胞堆積)の作用としてプロットされた、理想的な円形流線からの細胞の半径方向偏差のグラフである。好ましくはグラフ(図7)は、重力堆積によって誘発された正弦的に変化した半径方向の細胞偏差の減少した振幅を示す。また図7は、RPMの増加に伴う遠心分離に起因する、増加する半径方向細胞偏差(回転毎の)を示す。これらの対立する制約は、好ましくはチャンバ壁との細胞衝撃またはチャンバ壁における堆積を最小にするために注意深く選択される最適なRPMに影響する。実行可能なRPM選択という観点において、外部重力場強度が増加または細胞堆積速度が増加するにつれて制限性が増加する、一群の曲線が生じる。この一群の曲線、または好ましくはこれらの支配軌道方程式を解くコンピュータモデルは、最適なRPM、および、所定の外部重力場強度における、所定の堆積速度の細胞のTVEMF拡張のためのチャンバ次元を選択するために利用されることが好ましい。学説に拘束されることなく、一般的な三次元TVEMF培養がTVEMF拡張されるに従って、組織、細胞凝集、組織状構造のサイズおよび堆積速度は増加し、そのため、それらを最適化するために回転速度が好ましく調整されてもよい。
【0054】
三次元TVEMF培養においては、培地の回転する参照フレームからの細胞軌道(図6)は、回転する重力ベクトル(図8)の影響下で略円形経路において移動することが見られる。学説に拘束されることなく、コリオリおよび遠心力の二つの擬似的な力は、回転(加速)参照フレームに起因し、そうでなければ略円形の経路の歪曲をもたらす。より高い重力レベルおよびより高い細胞堆積速度は、回転していない参照フレームにおいて見られるような理想的な円形軌道からの軌跡のより大きな偏差に関係する、より大きな半径方向円形経路を生じさせる。回転参照フレームにおいては、学説に拘束されることなく、異なる堆積速度の細胞が、重力ベクトルが回転されない場合よりも大きく低減されたネット累積分離と共に、長い時間互いに近く、空間的に局在された状態にとどまるとかんがえられる;細胞は堆積する、しかしながら小さい円に(回転する参照フレームにおいて観察されるような)。そのため作動において本発明は、異なる堆積特性の細胞に、機械的に、および
溶解性の化学シグナルを通じての相互作用をするのに十分な時間を提供する。作動において本発明は、好ましくは約0cm/分から10cm/分までの堆積速度を提供する。
【0055】
さらに本発明は作動においては、好ましくは代謝ガス交換、栄養素供給および代謝廃棄物除去を支持するのに十分な速度において、新鮮な、またはリサイクルされたバイオリアクタ培地が、回転かん流培養チャンバ内を移動してもよい。これは、そうでなければ静止の三次元TVEMF培養をわずかに劣化させる。好ましい態様においては、毎秒約0.5cm、および500mlの回転かん流培養チャンバを通る毎分約5mlの培地かん流、毎秒約0.001cmの平均フロー速度の細胞が生じることが期待される。都合が良いことに、これは十六または遠心力の何れに起因する細胞の動きよりも遥かに遅い。かん流速度は細胞の代謝要求が増加するにつれて増加することが好ましく、かん流から大きな流体せん断応力がもたらされる前に、大きな余裕が得られる。そのため、これらには限定されないが、呼吸ガス交換、栄養素供給、成長因子供給を含む好ましい成分の支持のためのメカニズムを、また、複数時間から複数月の期間に顕著な代謝負荷を支持することが可能な長期間の三次元TVEMF培養を提供するための代謝廃棄物除去のメカニズムを、三次元TVEMF培養の培養へ導入することが好ましい。
【0056】
作動に際し本発明は、三次元形状および細胞間支持を維持する細胞の高濃度を提供するのみではなく、加えて、TVEMF拡張中に細胞の一部の特性に影響しうる、三次元TVEMF培養における細胞にTVEMFを供給する。学説に拘束されることなく、例えば遺伝子促進成長の上方調整、遺伝子抑制成長の下方調整である。使用に際し本発明は、三次元TVEMF培養における細胞を、TVEMF拡張中の好ましくは約0.05ガウスから約6ガウス、より好ましくは約0.05ガウスから約0.5ガウス、最も好ましくは約0.5ガウスのTVEMFに曝すことを提供する。電磁場は、TVEMF源によって生じさせる。作動に際し、回転かん流TVEMFバイオリアクタのTVEMF源は、回転かん流培養チャンバと共に回転することが好ましく、回転かん流培養チャンバと同じ軸の周りを、好ましくは同じ方向に回ることを意味する。一方、回転かん流培養チャンバTVEMF源と反対の方向に回転されることが好ましい。また、TVEMF源は回転において、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバに固定されることが好ましい。TVEMF源は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバと一体化され、すなわち貼り付けられていていてもよく、また、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバに隣接、好ましくは近接、より好ましくは取り外し可能に接触していてもよい。
【0057】
時間的に変化する電磁気力場は、好ましくはデルタ波の形状、より好ましくは分化方形波、最も好ましくは方形波(フーリエ曲線に従う)であり、好ましくは毎秒約10サイクルの周波数を有する、変動電位によって生じる。好ましくは約0.1mAから約1000mA、より好ましくは約10mAの電流が、伝導性のある物質から少なくとも数センチ伸張するTVEMFを生じさせる。一般的に、周波数および振動電磁場強度の範囲は、特定の細胞の所望の刺激を達成するため、および遺伝子の上方/下方調整の適切な量を提供するために、結局は細胞のTVEMF拡張を促進するために選択されてもよいパラメータである。
【0058】
本発明の作動によって生じる定性的に特有な細胞に加えて、学説に拘束されることなく、実質的に均一な、均質な浮遊の達成に起因し、細胞および組織のための全回転かん流培養チャンバ体積の利用と関連し、増加された効率が得られる。そのため、有利なことに、本発明は作動において、より少ない人材で、同じ回転かん流TVEMFバイオリアクタにおいてより多くの数の細胞または全組織または組織状構造を提供する。これらには限定されないが、爬虫類、魚、酵母、およびバクテリアを含む多くの細胞タイプをこのプロセスにおいて用いることができる。上述したように、および本願を通じて述べたように、本発明のTVEMF拡張された細胞および組織は、自然に存在する、TVEMF拡張されていない細胞および組織と実質的に同じ三次元形状および細胞間支持および細胞間形状を有するため、体内細胞の挙動の対外モデルにおいて正確であることを要求する、基本的な細胞および組織生物学研究と共に臨床用途が、本発明およびその利用方法が増進を提供する用途である。
【0059】
本発明の方法は、従来得られずなかった方法において上記三つの基準を提供し、三次元TVEMF培養を最適化し、同時に十分な量の時間において十分な速度の拡張(体積当たりの数、組織を参照した直径、または濃度における増加)が検出されるよう名TVEMF拡張を提供する。本発明は、ここに述べられたと共にそれに固有の目的を達成し、結果および利点を得ることに適する。本発明の範囲を外れることなく、ここに含まれる事柄の全ては説明的に解釈され、限定するものではないことを意図する。
【0060】
作動方法
作動に際し、好ましくは100mlから3リットルの回転かん流培養チャンバを有する回転かん流TVEMFバイオリアクタは、最初にガス交換膜、ポンプ、およびポートを有する培地フローフープに接続されることが好ましく、その後、消毒、好ましくはエチレンオキサイドガスで消毒し、消毒リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、水をかけられ、曝気される。上記回転かん流培養チャンバは、培地、細胞、および/または意図される三次元TVEMF培養の培地の好ましい成分の、任意の意図された付加的な体積のみの空間を有するように、細胞を培養するための適切な培地で完全に満たされる。制御された環境の培養器が完全にn回転かん流TVEMFバイオリアクタを取り囲むことが好ましく、約5%COおよび約21%酸素にセットされることが好ましく、温度は約26℃から約41℃が好ましく、より好ましくは約37℃±2℃である。
【0061】
好ましい態様において培地フローループは、溶解ガスと、外部制御された培養器環境との適時の平衡を許容するのに適した速度にセットされる。初期では、培地において安定化された培養環境が作られる。上記回転は、重力に起因する沈降または回転に起因する遠心分離のいずれによっても、チャンバ壁にビーズが目に見えて堆積しない、マイクロキャリアビーズの軌道が生じる最も遅い速度である、毎分約10回転(RPM)で開始するのが好ましい。回転かん流TVEMFバイオリアクタにおける全ての調整可能な回転部品も、三次元TVEMF培養のチャンバ内部表面との相対的な動きを実質的に提供しないように、同じ回転(好ましくは10RPM)にセットされる。この方法により、回転かん流TVEMFバイオリアクタは、三次元TVEMF培養における最小の流体速度勾配および流体せん断応力を生じる。
【0062】
細胞付着基板は、好ましくは培地1ml当り5mgの細胞付着基板である、適切な密度を与えるように、回転かん流培養チャンバに細胞または組織が導入されるのと同時に、または順次導入され、アンカレッジ依存細胞のための細胞付着基板は好ましくはマイクロキャリアビーズである。上記細胞は好ましくは安定化された培養環境へ好ましくは短い時間の間、好ましくは2分間注入され、供給システムを通過する間の細胞の損傷を最小にする。細胞は好ましくは注射器で回転かん流培養チャンバへ注入され、好ましくは例えば図4および5に示された注入ポートへ注入される。培地はその後水平軸の周りを回転される。
【0063】
細胞の注入が完了した後に、チャンバ外側壁は即座に、好ましくは一分未満に、好ましくは残りのシステムの角回転速度に合うように、より好ましくは10RPMである初期の回転に戻され、細胞にとって得られる最小のレベルに、せん断応力を戻す。初期の装填および付着段階中は、好ましくは2時間から4時間、より好ましくは一時的な流れを弱らせるのに十分な時間である、短い時間細胞は釣り合わせられる。
【0064】
好ましい態様においては、細胞または組織の装填および初期の付着(好ましくはマイクロキャリアビーズである付着基板に細胞が付着)の間培地のかん流速度はゼロにセットされ、細胞の激しい損傷が起こりうる場所であるフィルタおよび培地フローループへ引き込まないように、回転かん流培養チャンバ内の細胞は保持される。この期間のかん流に起因する混合、栄養素および培地のその他の好ましい成分の供給、廃棄物除去、呼吸ガス交換の不存在は、初期の細胞代謝の全体量の小ささおよびこの状況の短さのため、許容される。三次元TVEMF培養の途絶は、浮力のあるガスが近くの固形物の三次元TVEMF培養と干渉することから起こりうる。そのため、全ての自由気泡は、三次元TVEMF培養の途絶を最小にすることを促進するために、好ましくはポートを介して取り除かれることが好ましい。
【0065】
好ましくは初期の装填及び付着段階の後(好ましくは2から4時間)に、培地フローループは、初期の三次元アセンブリプロセスを干渉しない低いフロー速度(好ましくは毎分4.5ml)にセットされる。三次元TVEMF培養のTVEMF拡張が進行するに従って、上記アセンブリ組織のサイズ及び堆積が増加し、現在増加された直径の組織片の、重力によって引き起こされる(理想的な円形流線からの)軌道の歪みを低減するために、システムの回転速度が増加(約1から2RPMから約10から30RPM以上の増加量で増加させることが好ましい)されてもよい。
【0066】
TVEMF拡張中は、回転かん流培養チャンバにおける三次元TVEMF培養の回転速度は、細胞混合物が実質的に水平軸に、または水平軸の周りに留まるように評価及び調整されてもよい。回転速度の増加は、デリケートな構造のさらなる三次元成長に弊害をもたらす壁への衝突を防止することを保証する。例えば、三次元TVEMF培養における細胞、組織、または組織状構造が、回転サイクルの下方側において過剰に内側及び下方へ、および回転サイクルの上方側において過剰に外側および不十分に上方へ下降する場合は、回転の増加が好ましい。理想的には、最小の壁への衝突頻度および強度を助成し、それにより細胞、組織、または組織状構造の三次元形状および細胞間支持および細胞間形状を維持するような回転速度を適切に選択するように使用者に助言する。本発明の好ましい速度は、約5から約120RPM、より好ましくは約10から約30RPMである。
【0067】
上記三次元TVEMF培養は、好ましくは透明な回転かん流培養チャンバを介して視覚的に評価され、手動で調整されることが好ましい。上記細胞混合物の評価および調整は、TVEMFバイオリアクタ内における細胞幹細胞の位置をモニターするセンサ(例えばレーザー)によって自動化されてもよい。過剰な細胞の動きを示すセンサの読みは、メカニズムに自動的にそれ相応の回転速度に調整させる。
【0068】
さらに、好ましくは初期の装填及び付着段階の後(好ましくは2から4時間)に、TVEMF源が作動され、回転かん流培養チャンバ内での三次元TVEMF培養において、TVEMFの出力が所望の電磁場を生じるように、好ましくは0.05ガウスから6ガウス、より好ましくは約0.05ガウスから約0.5ガウスの範囲内、最も好ましくは0.5ガウスに調整される。TVEMFは、初期の装填および付着の段階中にも、三次元TVEMF培養へ供給されてもよい。培養が終結するまで、培養時間の長さTVEMFが三次元TVEMF培養に供給されることが好ましい。学説に拘束されることなくTVEMF拡張は、三次元形状および細胞間支持を維持する細胞の高濃度を提供するのみではなく、TVEMFはTVEMF拡張中に、例えば遺伝し促進成長の上方制御、または遺伝子阻害抑制成長の下方制御などの一部の特性に影響を与えうる。
【0069】
TVEMF源の、好ましくは環状ヒータであるワイヤコイルのサイズ、およびそれが巻かれる回数は、好ましくは方形波であり、好ましくは約0.1mAから約1000mA、より好ましくは約1mAから約10mA、例えば10mAであるTVEMFがワイヤコイルに供給された際に、好ましくは0.05ガウスから約6ガウス、より好ましくは約0.05ガウスから約0.5ガウス、最も好ましくは0.5ガウスのTVEMFが回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバ内での三次元TVEMF培養において生じるようにされる。好ましくは、方形波は約2から約25サイクル/秒、より好ましくは約5から約20サイクル/秒、例えば約10サイクル/秒の周波数を有する。しかしながら、これらのパラメータは、本発明の他の態様に基づいて異なるものであり、本発明のTVEMFを限定することを意図したものではない。TVEMFは、例えばEN131細胞センサガウスメータなどの標準的な装置によって測定することができる。
【0070】
急速な細胞および組織の拡張、および全代謝要求の増加は、これらには限定されないが、栄養素、フレッシュな培地、成長因子、ホルモン類およびサイトカイン類を含む、三次元TVEMF培養における培地を強化する好ましい成分の、さらなる間欠的な添加を必要とする。この添加は、グルコースおよび他の栄養レベルを維持するために、好ましくは必要に応じて増加される。急速な細胞および組織の拡張中、廃棄物を含有する使用済みの培地は除去されることが好ましい。三次元TVEMF培養は、低いせん断の三次元TVEMF培養という観点から幾分性能が劣る点であり、重力が導入された制約を有する時である、優れた細胞軌道を選択することができる点を超えて進行を許容されてもよい。
【0071】
本発明の好ましい態様においては、好ましくは全培養期間中の15分毎に、内側フィルタアセンブリが停止され、少なくとも内側フィルタアセンブリの表面から細胞を取り除くために、15秒、好ましくは1分間隔で開始される。これは、フィルタ上の基板、細胞、および破片の堆積を抑制する。加えて、三次元TVEMF培養における細胞のサンプル所望により回収することができる。注射器によってサンプルが回収される場合、実際の処理を許容するために、チャンバの外側壁は、一時的に停止されてもよい。
【実施例】
【0072】
実施例I−三次元のネズミ骨細胞
調製
推奨された消毒剤の濃度において、洗浄剤および殺菌力がある消毒剤溶液(Roccal II)で洗浄し、その後、高品質脱イオン水での多量のすすぎおよび浸漬でクリーニングすることにより、図4に示された好ましい態様の、100mlの回転かん流TVEMFバイオリアクタを調製した。オートクレーブで処理し、培地で一度リンスすることにより、回転かん流TVEMFバイオリアクタを消毒した。
【0073】
植菌(Inoculation)
アール塩、成長補足剤類、抗生物質および10%のウシ胎仔血清と共に、最小限の必須媒体(MEM)から成る培地で、上記回転かん流TVEMFバイオリアクタを満たした。37℃の5%CO環境のCO培養器内で一時間の平衡の後、コラーゲンでコーティングされたデキスチアン(dextian)ポリマー、サイトデックス(Cytodex)3マイクロキャリアビーズ(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ウプサラ、スウェーデン)から成る基板を、少ない体積の培地中に浮遊し、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバへ装填された。サンプルポートの一つに付着された空の注射器は、培養中に、移される媒体を受容するコンプライアント体積リザーバとして機能した。最終的なビーズの濃度は、チャンバの体積の5mg/mlであった。
【0074】
ある体積の培地は、上記チャンバを完全に満たすために注入された。全ての気泡は、チャンバのサンプルポートへ付着された注射器を用いて除去された。浮遊するビーズを含有する回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバは、約30分間平衡に保たれた。
【0075】
単一分散の初期のネズミ骨芽細胞骨細胞は、既に回転かん流培養チャンバにある、少ない体積の同じ培地中に、5×10細胞/mlの濃度で浮遊された。濃度5×10細胞/mlの50mlを、サンプルポートを介した注入によって、回転かん流培養チャンバへその後植菌された。細胞播種密度は、約10細胞/ビーズであった。2番目の注射器が他のポートへ付着され、チャンバ用のコンプライアント体積リザーバとして機能した。モータが作動され、回転かん流TVEMFバイオリアクタは、約16RPMの速度で回転された。TVEMF源も、0.05ガウスのガウスレベルへ、(フーリエ曲線に従う)方形波形状において作動された。
【0076】
細胞付着および三次元成長
24時間で、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転は停止され、注射器を介してサンプルが採取され、約16RPMである、採取前に付与されていた速度へ、回転速度は再び増加された。上記サンプルは、顕微鏡(400Xマグニフィケーション)の元で分析された。顕微鏡による観察は、細胞がよく付着しており、ビーズの表面上に平坦化されていることを示した。この時点では、ビーズおよび細胞は高次元構造へ結び付けられてはいなかった。極めて少ない軌道経路または遠心分離の歪曲が観測された。上記媒体は、注射器で媒体を除去すると同時に、同じ体積の他の培地を添加することによって、成長できない浮遊する細胞を除去するために交換された。3日目に、細胞への栄養素の供給を確保するために上記と同様に培地は再び交換された。4日目に、細胞は良い状態であった。細胞によって分泌される成長因子をさらに保持する栄養素を補充するために、上記媒体の4分の3が除去され、上記と同様に、2つの注射器を同時に使うことにより、同じ体積のフレッシュな媒体が添加された。5日目にも同じ手順が繰り返された。
【0077】
5日目に、三次元TVEMF培養のサンプルが再び採取され、サンプルの顕微鏡観察は、前の日に見られたものよりも大きな、丸みを帯びたビーズの集合体を示した。また、細胞が、ビーズ間の空間に渡っていることが分かった。急速に成長する培養へより多くの酸素を提供するために、上記装置内への空気の流れを強くした。この時点で、上記集合体が「下」側では半径方向内側へ、および「上側」では外側へ降下することが観測された。
【0078】
6日目に上記培養は、図5に示す、より大きな250mlの体積の回転かん流TVEMFバイオリアクタへ移された。8日目に、規則化(ordered)されたビーズの集合体は、とても大きく(1〜2mm)、集合体内には8〜15個のビーズを有し、より多くの三次元構造が観測された。上記培地は、このとき交換された。この時点で、外側チャンバ壁において組織集合体の同じ堆積が生じていた。この遠心分離効果はとても穏やかであった。
【0079】
9、10および12日目の追加的な培養交換、および11、15および16日目のグルコースの添加と共に、上記細胞は17日間三次元構造に維持された。結果は、裸眼と、顕微鏡(400Xマグニフィケーション)との両方で視覚的に評価された。機械的な損傷の証拠はなく、細胞/ビーズ集合体のサイズは、細胞を浮遊させる装置の能力を超えなかった。上記集合体は1から2mmのサイズであり、分化(differentiation)の開始の兆候でありうる、混合された形態の細胞から成る。上記連続稼動は、調査員の選択によって終結された。TVEMF拡張の前に、上記サンプルは5×10細胞/mlを有した。TVEMF拡張後は、上記サンプルは4.2×10細胞/mlを有した。
【0080】
実施例2−浮遊中における人工組織の形成
調製
500mlの細胞回転かん流培養チャンバと、中空ファイバ酸素供給器と、プロトタイプ・ダイヤフラム・ポンプと、インラインpHセンサと、サンプルポートと、新鮮な媒体のための蠕動ポンプとからなる、500mlの回転かん流TVEMFバイオリアクタが組立てられ、エチレンオキサイド(ETO)で消毒され、2日間暴気された。残留ETOをリンスし、除去するために、上記チャンバはその後リン酸緩衝生理食塩水(PBS)でロードされた。この工程中に、酸素供給器における漏れが発見され、ユニットは消毒手法を用いて交換された。上記システムにはその後、アール塩、成長補足剤類、抗生物質および10%のウシ胎仔血清と共に、最小限の必須媒体(MEM)から成る培地が装填され、37℃の5%CO環境のCO培養器内に配置された。少なくとも2日間消毒された状態で維持された後、上述したように、細胞および基板が回転かん流培養チャンバに装填された。
【0081】
植菌(Inoculation)
サイトデックス(Cytodex)3マイクロキャリアビーズ(ファーマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals)、ウプサラ、スウェーデン)を、標準臨床手順手従って再構成し、20%ウシ胎仔血清、1ml当たりに100単位のペニシリン、および1ml当たりに100μgのストレプトマイシンを含有するマイクロキャリア媒体(MM)中に浮遊させ、50mlの注射器へ装填し、チャンバへ注入した。チャンバにおけるビーズ密度は、チャンバの体積の5mg/mlであった。
【0082】
56経路において、赤ちゃんハムスターの腎臓(Baby Hamster Kidney (BHK 21))細胞をシステムに装填した。これを達成するために、冷凍保存BHK21細胞のアンプルを解凍した。上記細胞は、0.75×10細胞/mlの濃度において、50mlのマイクロキャリア(MM)中に浮遊され、50mlの全てが20ml注射器(2.5注入)を介して回転かん流培養チャンバへ注入された。最終的な播種密度は約6細胞/ビーズであった。細胞は、チャンバへ午前9:30に装填された。
【0083】
システムパラメータは以下の通りである。一定容積ダイヤフラムポンプは、培地を4.5ml/分で循環するように調節された。反応チャンバへの酸素供給を増加するために、上記ポンプの速度は、細胞およびビーズの添加の4日後に20ml/分まで増加された。上記ポンプシステムは、2秒毎に0.7ml供給した。上記チャンバおよびブレード部材の回転速度は、15から20RPMにセットされ、試験の間そこに維持された。フィルタアセンブリの回転速度は25から30RPMであった。これは、それらの細胞の導入に際し、細胞/ビーズ浮遊における極めて低い乱流環境をもたらす。TVEMF源も、方形波形状(フーリエ曲線に従う)の0.05ガウスのガウスレベルまで作動される。
【0084】
細胞付着および三次元成長
基板への細胞の付着の速度を評価するため、細胞の数を数えるため、および顕微鏡観察のために、細胞をチャンバへ最初に装填してから2、4および6時間後に細胞−ビーズ集合体を含有する三次元TVEMF培養のサンプルを、注射器を介して除去した。多くの細胞が2時間以内にビーズへ付着し、ビーズの表面上で平坦化した。これは細胞の成長の初期に必須の状態である。この実験の初期に顕微鏡観察は、一部の単一分散細胞が、10から30細胞の塊の凝集したことを示す。4時間後に、これらの細胞の塊はビーズに付着し、その表面で平坦化した。軌道の湾曲または遠心分離への影響は、こと時点においては観測されていない。
【0085】
24時間後、一部のビーズが細胞によって覆われたが、浮遊している細胞もたくさんあった。この時点では、ポートまたは経路を介し、新鮮な媒体がチャンバ内へかん流された。4時間後、サンプルが採取され、視覚的な顕微鏡観察では、ほとんど全ての細胞がビーズへ付着し、以前に見られたような細胞−細胞凝集の証拠はなかった。24時間時点における外観不良は、セットアップ中に漏れが生じた元のものの代わりの、新しい酸素供給器からの毒性に起因すると思われる。
【0086】
48時間後、回転かん流培養チャンバを通じ、細胞は視覚的に評価され、細胞成長速度が急速に増加したと判断された。細胞代謝および栄養素の枯渇を補うために、4日目にグルコース、グルタミン(栄養素)およびpH制御用の水酸化ナトリウムが添加された。
【0087】
5日目に、細胞およびビーズの凝集は目視で確認され、媒体は細胞の代謝および成長を遅くするために、アール塩、成長補足剤類、抗生物質および2%のウシ胎仔血清を有する最小限の必須媒体(MEM)から成る培地へ交換された。しかしながら細胞は成長し続け、7日目に最大密度である148細胞/ビーズに達した。約1から2mmの、とても大きく、均一な集合体が形成され、残りの試験中にはバラバラにならなかった。細長い線維芽細胞様形態の、滑らかな膜状の配置に細胞が成長した、三次元配列の上に、8から10個のビーズの、規則化され、均一な集合体が形成された。これらの細胞の多層は、表面およびビーズ間空間の両方の顕微鏡観察によって明らかである。細胞膜が互いに近接した、規則的な層に、上記細胞は配置された。試験は10日目に終結された。ビーズ上の細胞の組織状凝集のほとんどのサイズは、回転かん流TVEMFバイオリアクタの回転かん流培養チャンバが、静止三次元TVEMF培養において凝集を自由に浮遊させるための制限を越えず、内部の境界によって制限されなかった。3から8mmである、いくらかのとても大きな集合体が観察された。これらの急速に堆積した組織の観測は、著しく湾曲した軌道経路および外側チャンバ壁への遠心分離を示す。高いエネルギーの衝撃および勢いのある回転の影響が観測された。これらは、静止、低いせん断、三次元TVEMF培養を保持するプロセス能力を超えたものと考えられる。TVEMF拡張前には、サンプルは0.75×10細胞/mlを有した。TVEMF拡張の後には、サンプルは5.4×10細胞/mlを有した。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、培地フローループの好ましい態様の概略を説明する。
【図2】図2は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの好ましい態様の垂直断面図である。
【図3】図3は、図2の線3−3に沿った断面図である。
【図4】図4は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの好ましい態様の垂直断面図である。
【図5】図5は、回転かん流TVEMFバイオリアクタの垂直断面図である。
【図6】図6は、非回転基準座標系における、標準的な細胞の軌道経路である。
【図7】図7は、一回転当たりの、細胞の偏差の大きさのグラフである。
【図8】図8は、培地の回転基準座標系において観察された代表的な細胞経路である。
【図9】図9は、TVEMF装置の側面図である。
【図10】図10は、図9に示されたTVEMF装置の高められた前面図である。
【図11】図11は、そこに隣接して配置された回転かん流TVEMFバイオリアクタをさらに示す、図9お呼び10にも示されたTVEMF装置の高められた正面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転かん流培養チャンバと;
前記回転かん流培養チャンバへ作動可能に接続された時間的に変化する電磁気力源とを有することを特徴とする、回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ。
【請求項2】
前記時間的に変化する電磁気力源が、前記回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタと一体となっていることを特徴とする請求項1に記載の回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ。
【請求項3】
時間的に変化する電磁気力源が、前記回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタと隣接していることを特徴とする請求項1に記載の回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ。
【請求項4】
回転かん流培養チャンバと、時間的に変化する電磁気力源とを有する回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタ内で、時間的に変化する電磁気力拡張された細胞を製造する方法であって、
a.培地を前記回転かん流培養チャンバに充填する工程と;
b.細胞を前記回転かん流培養チャンバ内に配置し、三次元の時間的に変化する電磁気力培養を開始する工程と;
c.前記回転かん流培養チャンバを、軸の周りを一定の回転速度で回転させる工程と;
d.前記三次元の時間的に変化する電磁気力培養を維持しながら、回転速度を調整することによって前記回転かん流培養チャンバの回転を制御する工程と;
e.前記細胞を拡張するために、前記細胞を時間的に変化する電磁気力に曝す工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項5】
前記時間的に変化する電磁気力が、方形波の形であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記時間的に変化する電磁気力が、約0.05ガウス〜約6ガウスであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記時間的に変化する電磁気力が、約0.05ガウス〜約0.5ガウスであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記方形波が、約2〜約25サイクル/秒の周波数を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記方形波が、約5〜約20サイクル/秒の周波数を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記方形波が、10サイクル/秒の周波数を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記三次元の時間的に変化する電磁気力培養が、前記培地と、前記細胞との配置をする特性を有し、前記培地の、回転かん流培養チャンバとの相対運動は実質的に有さず、前記細胞の三次元空間的配向性の自由を有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記三次元の時間的に変化する電磁気力培養が、かん流によって維持されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記培地が、供給マニホールドと、ポンプと、酸素供給器と、回転かん流培養チャンバと、廃棄物とを含む、培地フローループによって富化されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項14】
工程cに先立って、前記培地フローループが作動されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項15】
前記培地フローループが、成長因子類、サイトカイン類、ホルモン類、酸素、栄養素類、酸類、塩基類、バッファ類、および、前記回転かん流培養チャンバに入る前の新鮮な培地から成る群から選択される少なくとも一つで前記培地が富化されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタが、単位重力に位置する(located in unit gravity)ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項17】
前記回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタが、微小重力に位置する(located in microgravity)ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項18】
前記回転かん流時間的に変化する電磁気力バイオリアクタが、単位重力未満に位置する(located in less than gravity)ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項19】
前記培地が、少なくとも一つの細胞付着基板をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項20】
前記回転速度が、約5〜約120RPMであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項21】
前記回転速度が、10RPMであることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項22】
前記細胞が、生体内(in vivo)に見られる細胞のものと実施的に同じ三次元形状、および、細胞間支持および形状を維持することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項23】
前記時間的に変化する電磁気力が、分化方形波の形であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項24】
前記時間的に変化する電磁気力が、デルタ波の形であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項25】
前記細胞が、元の数の7倍を越えて拡張されることを特徴とする請求項4に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2009−500015(P2009−500015A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519457(P2008−519457)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/024806
【国際公開番号】WO2007/005370
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(507288659)リジェネテック,インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】REGENETECH, INC.
【住所又は居所原語表記】1323 Creekford Circle, Sugar Land, Texas 77478, United States of America
【出願人】(507422286)
【氏名又は名称原語表記】NASA
【住所又は居所原語表記】Office of Patent Counsel, 2101 Nasa Parkway, Mail Code Al, Houston, Texas 77058, United States of America
【Fターム(参考)】