説明

回転可能ディスク、当該回転可能ディスクの配向を調整するための方法、及び当該回転可能ディスクの適用

回転可能ディスク(1)は、第1の領域(6)を有しており、この第1の領域(6)内には、複数の特徴部(7,8,9,10)、例えば、光学フィルタがディスク(1)の回転軸(2)に関して相互に均一な角度に配置されており、第2の環状領域(12)を有しており、この第2の環状領域は、第1のタイプの隣接マーク(13−16)と、第2のタイプの隣接マーク(17−20)のセット(13+17,14+18,15+19,16+20)を有している。各セットは、同じ全周囲長を有しているが、所定タイプのマークは、少なくとも2つの異なった全周囲長を、マークセット内に有するか、又は、相互に異なったタイプの相対マーク位置によって区別可能である。第1及び第2のタイプの隣接マーク(112,113)は、特徴部を識別するために使うことができるコードパターンを形成する。セクタの幅の検出に基づいて、ディスクの回転配向を調整するための方法が記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の第1の特徴部が配置され、第2の環状領域が第1及び第2のタイプの、区別することができる複数のマークを有している第1の環状領域を有している回転可能ディスクに関する。第1及び第2の環状領域は、本質的に相互に同心状に配置されている。そのような回転可能ディスクは、第1の環状領域の各特徴部が、技術効果を達成するために、択一的に所定の位置に配置する必要がある多くの技術装置で有用である。以下の説明では、光学フィルタしか、前述の各特徴部の例として説明しないが、本発明は、これに制限されないことは、当業者には明らかである。
【0002】
日本国公開特許第63269139号には、各特徴部が、テレビジョンカメラ用のフィルタである、上述のような回転可能ディスクの例が記載されている。これらのフィルタを回転可能ディスクの上に取り付けることによって、ディスクを単に回転すれば、フィルタを迅速に交換することができる。しかし、ディスクの種々異なる各フィルタのうち正しいフィルタをカメラの光路内に配置し、且つ、そのフィルタを正確に配置し、その結果、光路がフィルタマウントによって部分的に遮られないように注意する必要がある。
【0003】
このような作用に対処するために、従来技術のディスクは、4つのセクタを備えていて、4つのセクタが夫々第2の環状領域内に配置され、夫々のセクタが1つのフィルタに相応するように配置されている。各セクタの夫々にパターンが形成されており、そのパターンにより、現在、光路内に配置されているフィルタを識別することができる。このパターンは、異なった半径で、2つのラインのアレイ内に配置された6個のフィールドを有している。各ラインは、3つのフィールドを以ており、各フィールドは、第1又は第2のタイプのどちらかである。両ラインの中央フィールドは、共働して現在作動しているフィルタを識別するのに役立ち、他方、両ラインの2つの隣接フィールドは、共働して、作動しているフィルタのどちら側かのフィルタを識別するのに役立つ。これらのパターンは、フィルタを識別するのには適しているが、少なくとも2つのフィールドを、ディスクの異なった半径のところに配置して、1つのフィルタを識別するので、これら各フィールドのタイプを決定するのに、2つのセンサが必要である。しかも、これら2つのセンサの各信号から、パターンの中心列を観測しているのか、又は、並列した列を観測しているのか断定することができず、その結果、フィルタを光路内に正確に配置するためには、ディスクの回転配向を検出するために、付加的な手段が必要である。
【0004】
本発明の課題は、簡単な手段によって、ディスクの、均一に配置された種々の特徴部のどの特徴部が作動位置にあるのか識別し、ディスクの配向を正確に決定することができる、回転可能ディスクを提供することにある。
【0005】
別の課題は、上述のようなディスクと、配向を調整するための手段を備えたディスクアセンブリを提供することにある。
【0006】
本発明の別の課題は、上述のようなディスクがフィルタディスクとして使われるビデオカメラを提供することにある。
【0007】
本発明の更に別の課題は、上述のようなディスクの配向を調整するための方法を提供することにある。
【0008】
本発明の第1の課題は、複数の特徴部がフィルタ半径に沿ってセンタリングして配置されている第1の環状領域を有する回転可能ディスクによって達成される。 各特徴部は、有利には、ディスクの回転軸に対して相互に均一角度で配置されている。ディスクは、更に、第1及び第2のタイプの区別可能なマークセットを有する第2の環状領域を有している。マークは、第2の半径に沿ってセンタリングされた単一のライン内に配置されている。マークの夫々のセットは、有利には、同じ全円周長を有している。第1及び第2のタイプのマークは、当該第1及び第2のタイプのマークがコードを形成して、マークの夫々のセットを明確に識別することができるように、マークセット内に配置される。
【0009】
識別用のコードは、識別可能な第1及び第2のマークのシーケンスを有するようにしてもよい。
【0010】
ディスクの位置を識別するために、コードは、マークの1つのセット内で、夫々第1及び第2のタイプのマーク全ての、異なった加算全長を有するようにしてもよい。マークセットは、更に、マークセットの始点及び終点を指示する識別部を有するとよく、又は、もっと一般的には、マークの隣接している2つのセット間の境界を有するとよい。マークの隣接する2つのセット間の境界を識別することは、第1及び第2のマークの所定のシーケンスによって達成することができる。
【0011】
マークセット内での第1及び第2のマークは、マークセットの中心に対して対称的に配置するとよく、そうすることによって、ディスクをどちらかの方向に回転させている間に識別することができるようになる。
【0012】
マークセット内のマークは、マークセットの中心を明確に識別することができるように配置されている。このような目的のためにマークを配列する際、第1及び第2のタイプのマークが特別なシーケンスとなるようにするとよく、有利には、対称的なシーケンスにするとよい。マークセットの中心の検出は、有利には、第1の環状領域内に設けられている各特徴部の1つの所望の位置を決定するために使われる。
有利な実施例では、第1及び第2のタイプのマークセットは、ディスクの回転軸に関して相互に均一な角度のところの第2の環状領域内に配置されている。第1及び第2のタイプのマークの夫々は、有利には、同じ円周長を有している。マークセット内に、第1及び第2のタイプのマークが、相互に等間隔で配置されている。両タイプのマークは、個別の長さを有しているか、又は、異なった長さを有している。
【0013】
本発明の実施例では、回転可能ディスクは、複数の特徴部がディスクの回転軸に関して相互に均一の角度で配置されている第1の領域を有している。ディスクは、更に第1のタイプ及び第2のタイプのマークを備えた第2の環状領域を有している。マークは、各対が同じ全円周長を有しているような、隣接マークによって形成してもよい。隣接マーク対は、以下、セクタとして言及する。有利には、対内の所定タイプのセクタは、少なくとも2つの異なった円周長を有している。ディスクを回転すると同時に所定タイプの種々異なるセクタの円周長を測定することにより、異なった円周長のものを決定することができ、配向を、これらの長さに基づいて大雑把に決定することができる。それから、配向の微調整が、異なったタイプの各セクタ間の境界を検出することによって可能であり、この点について、以下詳細に説明する。
【0014】
所定タイプのセクタが異なった2つの円周長しか有していない場合、所定タイプの種々のセクタを識別することができるようにする前に、ディスクを完全に裏返すことによってディスクを回転させる必要がある。所定タイプの2つのセクタが同じ円周長を有していない場合、大雑把に配向を判定するために、単一セクタの長さを測定すれば十分である。
【0015】
セクタの2つのタイプは、有利には、第1のタイプのセクタが、スキャン信号に対して透過性であるか、又は反射性であり、他方、第2のタイプのセクタはスキャン信号に対して透過性でも反射性でもないという点で区別される。更に、有利には、第1のタイプのセクタの円周長は、第2のタイプのセクタの円周長よりも長く、その結果、ディスクが任意の配向にある場合、スキャン信号が伝送されて、観測される確率は、観測されない確率よりも高い。
【0016】
第1のタイプのセクタがスキャン信号に対して透過性である場合、第1のタイプのセクタをカットアウトとして形成すると簡単で便利である。逆に、第1のタイプのセクタがスキャン信号に対して反射性である場合、第2のタイプのセクタをカットアウトとして形成するとよい。
【0017】
本発明の別の実施例では、第1及び第2のタイプのマークは、夫々、第2の環状領域内にホールがあるかないかによって形成されている。各マークは、第2の環状領域内に配置され、その際、ステップモータの1つのステップが、回転可能ディスクを回転させて、次のマークが、センサ装置構成の信号路内にくる、即ち、個別マークが等間隔に配置されるように配置されている。この場合、センサは、ディスクの対向側に配置された、信号エミッタ及び相応のレシーバのU字形構成である。
【0018】
本発明の有利な実施例によると、第1の領域の特徴部は、光学フィルタであるが、上述のように、他のタイプの特徴部にしてもよい。別の有利な実施例では、第1の環状領域の特徴部は、ニュートラルデンシティの光学フィルタ、又は、NDF、又は光学効果フィルタである。
【0019】
本発明の第2の課題は、上述のようなディスク、ディスクが回転可能に取り付けられたフレーム、及び、第1及び第2のタイプの各マーク間を区別するために、前記第2の環状領域に隣接するフレームによって保持されたセンサ装置構成を有するディスクアセンブリによって達成される。
【0020】
有利には、センサ装置構成は、光スキャン信号、有利には、赤外線光を検出する。これは、例えば、電気コンタクトを検出するセンサ装置構成よりも一層都合がよい。と言うのは、光学センサは、摩耗せず、ディスクの回転に作用しないからである。スキャン信号発振器及びレシーバは、ディスクの対向し合った側に配置されており、有利には、適切なやり方で、ディスクの外側縁に重畳するU字形の装置構成にするとよい。この場合、第1又は第2のマークにより、スキャン信号がディスクを通過するようになり、又は、スキャン信号がディスクを通過しない、又は、阻止するようにすることができる。スキャン信号を反射するか、又は、スキャン信号を反射しないマークを使用することも可能である。この場合、エミッタとレシーバが、ディスクの同じ側に配置される。ディスクを回転する手段として、ステップモータが有利に使用される。その理由は、ステップモータは、モータのステップの数を単にカウントしさえすれば、角位置を正確に制御することができるからである。更に、そのようなモータは、モータを短絡することによって、モータの正確な角位置にロックすることができるようにすると好都合であり、その結果、モータがオフである場合でも、穏やかな振動も、ディスクの位置に作用しない。ロックされた位置でのステップモータの保持トルクは、たいていのアプリケーションで十分に高い。そうでない場合には、付加的なロック手段を設けるとよい。
【0021】
1実施例では、ディスクには、駆動歯車と係合している歯車の外側縁が設けられている。駆動歯車は、ステップモータによって駆動される。ディスクの開始位置又は配向が決定又は分かると、ディスクの第1の環状領域内に設けられている特徴部の所望の配置又は位置付けが、既に上述したように、ステップモータのステップを単にカウントすることによって達成することができる。配置又は位置付けが、既に上述したように、ステップモータのステップを単にカウントすることによって達成することができる。
【0022】
単一のディスク上に非常に多数の特徴部を使う必要がある場合、そのようなディスクの半径は、特徴部の数に比例して増大し、その結果、そのようなディスクを有するディスクアセンブリは、とても大きくなってしまい、実用的でなくなる。非常に多数の特徴部が利用可能であるにも拘わらず、ディスクアセンブリをコンパクトに保持するために、前述の第1のディスクと同じ軸上に取り付けられた第2のディスクを設けると有利であり、2つのディスクは、相互に無関係に回転可能である。
【0023】
2つのディスクを有するディスクアセンブリでは、第2のセンサ装置構成が、第1及び第2のタイプの、前述の第2のディスクの各マーク間で区別するために設けられている。しかし、両ディスクの各マークの第1及び第2のタイプ間を区別するために単一のセンサを使ってもよく、このようにして、センサ装置構成を1つしか使わずに、両ディスクを位置付けることができるようになる。
【0024】
2つの回転可能ディスクの位置を決定するために、単一の光学センサが設けられている場合、センサは、センサ信号を送出し、このセンサ信号は、ディスク装置構成を通過するか、又は、ディスク装置構成によって遮られる。このために、信号エミッタが、ディスク装置構成の一方の側に配置され、他方、相応の信号エミッタが、ディスク装置構成の反対側に配置されている。センサ装置構成の例、及び、当該センサ装置構成の配置は、図5に示されているU字形光遮断スイッチ100である。この場合、ディスクの第2の環状領域は、ほぼ同じ半径を有している。
【0025】
有利には、センサは、スキャン信号ソース、例えば、赤外線放射ダイオード及びスキャン信号レシーバ、例えば、赤外線感応トランジスタ又は前述の1つのディスク又は複数のディスクの反対側に配置されたレシーバダイオードを有している。
【0026】
装置構成内には、2つの回転可能ディスクがあるので、センサ装置構成用の光路が、回転可能ディスクの位置に依存して遮られることがある。回転可能ディスクの第1の環状領域内に設けられた各特徴は、センサ信号を遮ることがある。つまり、第1又は第2のタイプのマークの一方は、遮るタイプのマークがセンサ信号路内に位置付けられてしまった場合、センサ信号を遮ることがある。未知の初期状態から開始する位置を決定するために、センサ信号路が遮られないか、又は、所謂オープンスポットである両回転可能ディスク用の位置を見つける必要がある。
【0027】
オープンスポットを見つけるための方法は、両回転可能ディスクを同時に、同じ方向か又は反対方向に回転させて、センサ信号がディスク装置構成を通過して検出されるようにするステップを有している。センサ信号が検出されると、一方の回転可能ディスクが停止される。他方のディスクは回転し続け、そのディスクのマークパターンが決定され、このようにして、ディスクの位置が決定される。ディスクの位置が決定されると、そのディスクは、センサ信号が遮られない所望の位置にされる。有利には、第1の環状領域内に設けられた夫々の特徴部の正しい位置にあるマークは、センサ信号を遮らない。位置決めのために使われるステップモータにより、モータがスイッチオフされた場合にディスクの位置を保持するのに十分な保持トルクが提供される。他方のディスクが回転されて、そのディスクのマークパターンを識別することができるようになる。両ディスクのマークパターンが識別されて、各位置が分かると、第1の環状領域の各特徴部は、各可能な位置が予め分かっているステップ数だけ、又は、ディスクが完全に1回転するのに必要なステップの既知の数と、第1の環状領域内に設けられている特徴部の既知の数を使って計算することができるステップ数だけ各ディスクを相応に回転させることによって位置づけることができる。
【0028】
回転可能ディスクの例は、マークが検出される152個の位置を有している。ディスクは、位置決めされるべき第1の環状領域に設けられた4つの特徴部を有している。その結果、特徴毎に38個のマークとなり、図7に示されているように、第1の環状領域内に設けられた特徴部によって9個のマークが遮られる。4個のマークは、センサ信号を遮り、論理「0」を示し、センサ信号を遮らない他のマークは、論理「1」を示す。論理値の割り当ては、本発明の範囲を逸脱しない限りで、逆にしてもよい。遮られる位置の全カウントは、13である。回転可能ディスクを同時にステップ毎に回転することによって、遮られる可能性のあるマーク位置の最大数は、2x13=26である。必ずしも全て遮られるとは限らないマーク位置が連続的に配置されることが分かると、実際に必要なステップ回転数は小さくなる。
【0029】
ディスクの位置決めが既知の位置で開始すると、ディスクの位置決めは、ステップモータのステップパルスをカウントしさえすれば十分である。しかし、ディスクの回転中、マークを検出し続けると有用である。1実施例では、マークパターンが検出され、開始位置から外れた場合にだけチェックされる。このチェックにより、正しい開始位置が分かると、ディスクは、更に検出及びチェックせずに、所要ステップ数だけ回転される。高度な実施例では、所望の位置に接近した場合、マークパターンの検出及びチェックが再度行われる。この場合、第1の環状領域内に設けられた特徴部の正しい位置が、専用のマークパターンによって指示される。このようにして、ステップモータのステップがアクシデントにより多すぎたり少なすぎたりした場合でも、特徴部を正しく配置することができるようになる。
【0030】
所望の正しい位置を識別するための適切なパターン、有利には、マークセットの中心位置は、第1及び第2のタイプの各マーク間の唯一の変化を有しており、それにより、パターンの一部分しか検出されない場合でも、位置を識別することができるようになる。これは、中心位置に対して対称的なパターンを使うことによって達成される。即ち、各回転方向で、第1のタイプのマークから第2のタイプのマークに変化する際に、たった1回しか変化しかないか、又は、その逆であるようにして達成され、特徴を識別するのに使われるパターンの残りの部分は、そのような単一の変化を有していない。ディスクを回転するために使われるステップモータの各ステップが、1つのマークだけディスクを進める場合、又は、回転時の変位が時間的に安定している場合、この方法により、新たな特徴部の位置決めが開始する際、及び/又は、新たな特徴部の所望の位置に達した場合に中心位置を識別することができるようになる。
【0031】
上述のように、第1の環状領域内に設けられた夫々の特徴部の正しい位置にあるマークは、センサ信号を遮らない。特徴部が正しく配置された場合の、信号路内に配置されているマークの両側の隣接マークが、センサ信号を遮るために選択される。こうすることにより、ディスクの均一な回転を識別することができるようになり、その結果、正しい位置が、上述の方法を用いて再調整される。
【0032】
正しい位置及び所望の特徴部にするのに必要な回転の方向は、現時点の開始位置に依存している。ディスク上の各特徴部の開始位置及び位置は予め分かっているので、適切な回転方向を選択することによって、新たな特徴部を所望の位置に持って行くために、最も低い可能性のステップ数を用いるとよい。
【0033】
本発明の第3の課題は、上述のように、特徴部が光学フィルタである、ディスクアセンブリを有するビデオカメラによって達成される。
【0034】
本発明の第4の課題は、上述のようなディスクの配向を調整するための方法において:
前述の第2の環状領域に隣接してセンサを設けるステップ、
ディスクを回転し、第1及び第2のタイプのマークの2つのセット間の推移が前記センサによって観測される角度を記録するステップ、
このようにして観測された第1又は第2のタイプのセクタの長さを計算するステップ、
このようにして計算された長さが予め定められた長さに適合する場合、予め定められた長さのセクタの境界に相応する、記録された角度の1つにディスクを配置するステップを有することによって解決される。
【0035】
上述のような2つのディスク、及び、スキャン信号ソースと前記ディスクの反対側に配置されたスキャン信号レシーバを有するスキャンセンサを有するディスクアセンブリ内で第1のディスクの配向を調整するために使われる方法で、以下の各ステップ:
a) アセンブリの開始時点での構成でのセンサによって観測される信号レベルを、重畳している2つのディスクの第1のタイプの2つのマークに相応するか、又は、ソースとレシーバとの間でスキャン信号を阻止するいずれかのディスクの第2のタイプの少なくとも1つのマークに相応するか決定するステップ、
b) 第2のタイプのセクタがレシーバを阻止することが分かった場合、2つのディスクを回転させて、第1のタイプのセクタがソースとレシーバとの間で重畳するように観測されるようにするステップを有している。第1のセクタが、上述のように、第2のタイプのセクタよりも長い場合、両ディスクの第1のタイプのセクタが重畳している第2の環状領域内の領域にする必要があり、2つのディスクを同じ速度で回転することによって、ソースとセンサのレシーバ間の、この領域にすることができる。この領域にされた場合、第1のディスクの配向が、更に以下ステップにより更に調整され、つまり、
c) 第1のディスクを回転し、第1及び第2のタイプのセクタ間の推移が前記センサによって観測される角度を記録するステップ、
d) このようにして観測された第1又は第2のタイプのセクタの長さを計算するステップ、及び
e) このようにして計算された長さが予め定められた長さに適合する場合、第1のディスクを、予め定められた長さのセクタの境界に相応する、記録された角度の1つに配置するステップにより調整される。
つまり、ステップb)で、2つの第1のタイプのセクタが重畳するように観測される迄、2つのディスクを異なった速度で回転させることができる。これは、第1のタイプのセクタの長さが、第2のタイプのセクタの長さよりも長くない場合、又は、同じ軸上に設けられた2つのディスクよりも長い場合に必要となる。
【0036】
本発明の、その他の特徴及び/又は利点について、以下、図示の実施例を用いて説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施例の、単一の回転可能ディスクを有するディスクアセンブリの斜視略図、
図2は、2つの回転可能ディスクを有するディスクアセンブリの斜視図、
図3は、図1の回転可能ディスクを調整するための方法のフローチャート、
図4は、図2の回転可能ディスクを調整するための方法のフローチャート、
図5は、2つのディスクの位置を測定するための単一センサの装置構成の側面図、
図6は、図5の単一センサの装置構成を上から見た図、
図7は、第1の環状領域内の4つの機構を有するディスクの例を示す図、
図8は、4つの機構のディスク用のマークパターンの例を示す図である。
【0038】
図1は、固定軸2上に回転可能に取り付けられたディスク1を示す。固定軸2は、フレーム(図示していない)に固定されている。つまり、ステップモータ3及び発光ダイオード4とフォトトランジスタ5から構成されたセンサは、フレームに固定されている。ディスク1の周囲に形成されたはめ歯は、ステップモータ3によって駆動されるピニオンと噛み合っている。
【0039】
ディスク1は、4つの円形フィルタホール7〜10が相互に90°の角度で形成されている第1の中央領域6を有している。各フィルタホール内に、異なったタイプのフィルタが取り付けられている。
【0040】
図1のホイールアセンブリは、ビデオカメラの部品であり、ビデオカメラの光軸は、図に破線11で示されている。図示の構成では、光軸は、フィルタホール7の中心を通っている。
【0041】
ディスク1は、第1の領域6を囲む第2の環状領域12を有している。第2の環状領域12は、フィルタホール毎に一対の、4つの対のセクタから形成されていて、各対の一方のセクタは、カットアウト13〜16によって形成されていて、他方のセクタ17〜20は、発光ダイオード4の放射に対して不透過な固体材料によって形成されていると見なすことができる。
【0042】
発光ダイオード4とフォトトランジスタ5は、ディスク1の第2の領域12の相互に反対側に位置しており、その結果、ディスクの配向に従って、発光ダイオード4からの放射は、カットアウト13〜16の1つを通ってフォトトランジスタ5に達するか、又は、固体セクタ17〜20の1つによって阻止される。
【0043】
セクタの各対13プラス17、14プラス18、15プラス19又は16プラス20の円周長は同じであり、その結果、カットアウトセクタ全ては、一方の端21を有しており、これらの端は、図1の斜視図で見て時計回り方向に、隣接するカットアウトセクタの相応の端21から90°だけ離隔している。図示の視点から見た、用語「時計回り方向」及び「反時計回り方向」は、以下、分かりやすくするために用いる。ディスクの2つの回転方向しか用いていないが、もっと一般的に、第1及び第2の回転方向を用いてもよい。カットアウトセクタの長さは、各セクタ13〜16毎に異なっており、固体セクタ17〜20の長さよりも長い。
【0044】
フィルタホール7が光軸11にセンタリングされている図1の配向で、図1に破線22によって示された、フィルタダイオード4から放射される赤外線ビームの中心は、正確に、カットアウトセクタ13の時計回り方向の端21を通り、その結果、発光ダイオード4から放射された赤外線電力の約半分だけがフォトトランジスタ5によって受け取られる。
【0045】
フォトトランジスタ5とステップモータ3は、図1にブロック23によって略示された制御回路に接続されており、この制御回路によって、フォトトランジスタ5の出力側に接続されているステップモータ3の動きが制御される。
【0046】
制御回路23の作動方法について、以下、図3のフローチャートを用いて説明する。第1のステップS1では、制御回路23は、光軸11上に所定のフィルタを配置するために外側からコマンドを受け取る。このコマンドは、単純にフィルタホール7〜10のうちの1つを特定し、その際、制御回路23は、特定されたフィルタホールに相応する固体セクタ17,18,19又は20の幅を見つけるために、内部ストレージを参照する。択一的に、外部コマンドによって、直接、この幅を特定してもよい。
【0047】
その際、制御回路23は、フォトトランジスタ5によって受信された赤外線の強度が最初に観測されるまで、反時計方向(S2)にステップモータ3を駆動する。フォトトランジスタ5によって受信された赤外線の強度が最初に観測されると(S3)、カットアウトセクション13〜16の1つの反時計方向の端24がビーム22のところに達している。それから、制御回路23は、カウンタをリセットし(S4)、ディスク1を反時計方向に回転し続け、フォトトランジスタ5の出力が低減するのが観測される迄(S5)、カウンタを用いてステップモータ3の各ステップをカウントし続ける。フォトトランジスタ5の出力が低減するのが観測されると、カットアウトセクタの反時計方向の端21は、ビーム22のところに達している。それから、カウンタが読み出され(S6)、ビーム22によって丁度スキャンされたカットアウトセクタの長さを示すカウンタの値が、ステップS1のコマンドで特定されたフィルタホールに相応するカットアウトセクタの拡張された幅と比較される。
【0048】
2つの幅が相互に相応し合うと、正しいフィルタホールが見つかり、そして、ビーム22は、相応のカットアウトセクタの反時計方向の端21のところであるので、特定されたフィルタホールは、既に光軸11上にセンタリングされており、その結果、調整過程が終了される。
【0049】
低減された幅と、予期された幅がステップS6で一致しない場合、過程はステップS2に戻って続けられ、最終的に、特定された幅を有するセクタが見つけられる迄続けられる。
【0050】
上述の過程は、各フィルタホールが、固体セクタ又は同じタイプの他のセクタ全ての幅とは異なる特定の幅のカットアウトセクタに対応付けられた場合に限って作動可能である。しかし、カットアウト又は固体セクタの1つだけが、他のカットアウト又は固体セクタの幅とは異なる幅を有しているディスク1の角度位置を調整するようにすることもできる。所定のフィルタホールを光軸11上に配置するためのコマンドが受け取られた場合、制御回路23は、ディスクを反時計方向に回転し、幅が他のカットアウトセクタの幅とは異なるカットアウトセクタの幅を識別することができる迄、ディスクのカットアウトセクタの幅を測定して記録し続ける。このセクタが識別されると、制御回路23は、コマンドで特定されたような幾つかのカットアウトセクタがビーム22によってスキャンされる迄ディスクを回転し続け、特定されたカットアウトセクタの時計方向の端で回転を停止する。
【0051】
改善された調整方法によると、制御回路23が図3のステップS1〜S6を一度実行すれば、1つのカットアウトの幅が検出される。その際、検出された幅が4つのカットアウトの記憶された幅と比較され、4つのカットアウトのうちのどれが観測されたのか決定され、即ち、回転可能ディスクの現時点での配向がどの方向であるのか決定される。それから、ステップS1のコマンド内で特定された配向が、時計方向又は反時計方向に回転することによってもっと迅速に達成することができるかどうか決定され、従って、モータ3の回転の方向が決定される。方向が、反時計方向であり続ける場合、コマンドS1で特定されたフィルタに相応するカットアウトセクタが完全にスキャンされて、フォトトランジスタ5によって観測される赤外線強度の低減により、カットアウトの時計方向の端に達したことが分かると、制御ユニットは、モータ3の回転を停止する。回転方向が時計方向に設定されている場合、制御ユニットは、所望のカットアウトに達したことを示す、赤外線強度の上昇が観測されると瞬時にモータの回転を停止する。
【0052】
その他の実施例によると、制御ユニットは書込可能な永久記憶装置(不揮発性メモリ)を有しており、例えば、EEPROMを有しており、この中に、光軸11上に現時点で配置されているフィルタの識別が記憶される。この記憶に基づいて、制御回路23は、パワーオンになると直ぐにフィルタディスクの現時点の配向を評価することができ、その結果、所定のフィルタを光軸上に配置するためのコマンドが受け取られると、制御回路は、記憶された配向に基づいて、時計方向又は反時計方向に回転することによってもっと迅速に新たな配向が達成されるかどうか判定する。回転の方向を選択した後、ここで、また、記憶された配向が本当に正しいかどうか判定するために、カットアウトセクタの幅が、ステップS3〜S6に関して上述したようなプロシージャーによって決定される。記憶された配向が本当に正しい場合、制御ユニットは、所望の配向が達成される迄、選択された方向にディスクを回転し続け、記憶された配向が正しくない場合、回転の方向が新たに選択される。
【0053】
これら上述の説明と同様に制御プロシージャは、カットアウトセクタの代わりに、固体セクタの幅の測定に基づいて実行することができる。この場合、回転方向は、有利には時計方向である。
【0054】
図2は、本発明のディスクアセンブリの第2の実施例の斜視図である。このアセンブリは、回転可能に同じ軸2に取り付けられている2つのディスク1、1’を有している。2つのディスク1,1’は、図1のディスク1と同一であり、フィルタをフィルタホール内にインストールする点を除いて相互に同一であり、従って、新たに説明しない。分かりやすくするために、必ずしも図1の参照番号全てを図2にも記載しているわけではない。プライム符号(’)を有する参照番号は、第2のディスク1’の要素又は当該要素に関連して言及しており、同じ参照番号を有する第1のディスクの相応の要素又は第1のディスクに対応付けられた相応の要素であるということである。
【0055】
フレームは、2つのステップモータ3,3’を有しており、夫々、ディスク1,1’、2つのダイオード4,4’及び当該2つのダイオードに取り付けられている2つのフォトトランジスタ5,5’の一方を回転するために設けられている。ダイオード4,4’及びフォトトランジスタ5,5’は、相互に90°の角度で取り付けられており、その結果、各ディスクが調整された場合、両フォトトランジスタは、同時にディスク1又は1’のどちらかのカットアウトセクタの時計方向の端21を観測する。ここでは、制御回路23は、ステップモータ3,3’のどちらかを相互に独立して駆動するように適合化されている。
【0056】
2つのディスク1,1’の配向を調整するための方法について、図4のフローチャートを用いて説明する。ステップS1で、フィルタホールを両ディスク1,1’用の光軸11上に配置することを指定するコマンドが受け取られる。制御回路23は、ステップS12で、各フォトトランジスタ5,5’のどれが、相応のダイオード4,4’から光を受光するか決定する。少なくとも1つのフォトトランジスタが光を受光すると、過程は真っ直ぐステップS15に進み、光を受光しないと、両ディスク1,1’とも、同時に且つ同じ速度で回転する。どちらかのディスクの固体セクタ17と20、17’と20’の全長は、第2の領域12,12’の円周長の1/2よりも短いので、2つのディスクの各カットアウトセクタ間で絶対に重畳しないような、ディスク1,1’の配向はない。従って、同様に2つのディスクを回転することによって、やがて、2つのフォトトランジスタ5,5’の1つは、ステップS14で、光を観測することができるようになる。
【0057】
ステップS15で、両フォトトランジスタ5,5’が光を観測する場合、制御回路は、最初に調整すべきディスク1又は1’のどれを任意に選択してもよい。一方のフォトトランジスタしか光を観測しない場合、制御回路は、このフォトトランジスタ5又は5’に対応付けられたディスク1又は1’を選択する。その際、選択されたディスクに対して実行される(S16)プロシージャは、図3を用いて上述したステップS2〜S7でのプロシージャと同じである。最初に選択されたディスク1又は1’の調整がうまくいった場合、同じステップS2〜S7が、他のディスク1又は1’のために繰り返される(S18)。
【0058】
全てのカットアウト13〜16、13’〜16’の時計方向の端21、21’は、90°離れているので、しかも、第1のディスクが調整された場合、ダイオード4、4’及びフォトトランジスタ5、5’も90°離れているので、他のディスクに対応付けられたダイオードからのビームは、第1のディスクのカットアウトセクタの時計方向の端に沿って通過し、その結果、前記の他方のディスクのカットアウトセクタが両者の間にある場合でも、対応付けられたフォトトランジスタによって観測される強度が低下することがある。従って、第1のディスクを調整した後、及び、第2のディスクを調整開始する前、第2のディスクを調整している間、第1のディスクが、第2のディスクのダイオードからの光を阻止しないようにするために、第1のディスクのステップモータの1つ以上のステップだけ、第1のディスクを時計方向に回転させる(S17)と有用である。第2のディスクがうまく調整された場合、第1のディスクは、S19でステップの同じ数だけ回転して戻され、その結果、両ディスクは完全に調整される。
【0059】
図2には、2つのダイオード4,4’及び2つのフォトトランジスタ5,5’が示されており、図4のプロシージャの上述の説明では、ディスク1,1’は、1つのダイオードと、当該ダイオードに対応付けられたフォトトランジスタを有しているものとされた。しかし、ダイオード及びフォトトランジスタを1つだけ有していて、ステップS16及びステップS18の両方の調整プロシージャを実行するために、同じフォトトランジスタの出力側を用いることも全く考えられる。
【0060】
2つのディスクアセンブリの他の実施例によると、ディスク1’(ディスク1と同じ形状であるが)が、裏返し方向に、即ち、相互に向き合った2つのディスクの裏面に設置される。このようにして、カットアウトセクタの反時計方向の各端24’は、いつも、相互に90°離れており、他方、時計方向の各端21’間の距離は、カットアウトセクタの長さに従って変わる。
ここでも、各ディスク1,1’は、赤外線放射ダイオード4、4’から形成されたセンサと、該赤外線放射ダイオードと夫々対応付けられたフォトトランジスタ5,5’を有している。2つのセンサ間の角距離は、カットアウトセクタ13〜16の最短部の幅より小さな45°である。従って、1つのディスクが調整された場合、このディスクのカットアウトセクタは、他のディスクのダイオードとフォトトランジスタとの間に位置するようになり、その結果、ステップS17及びステップS19は必要ない。
【0061】
この実施例の2つのディスク1、1’の調整用のプロシージャは、上述のように、ステップS11〜S15〜S15で開始される。ステップS16で調整されるべきディスクがディスク1である場合、調整プロシージャは、図3のステップS2〜S7と同じであり、その結果、赤外線強度の低減がステップS5で観測される場合、これは、時計方向の端21がビームに入るためである。ディスク1’がステップS16で調整されるべく選択された場合、ステップS2での回転方向は、反時計方向の代わりに時計方向であり、その結果、S5で赤外線強度の低減が観測された場合、それは、反時計方向の端がビームに入ったためである。
【0062】
特にここで説明しないけれども、各センサの各フォトトランジスタと各発光ダイオードが、対応付けられたディスクの同じ側に配置されていて、どのディスクでも、カットアウト13〜16又は13’〜16’が反射セクタによって代えられ、固体セクタ17〜20,17’〜20’が非反射セクタ、例えば、カットアウトによって代えられている場合、上述の調整プロシージャと同様の調整プロシージャを実行することができるということは、当業者には直ぐに分かる。2つのディスクアセンブリでは、2つのディスク用のプロシージャは、相互に独立となり、図3の方法に従って実行することができるので、こうすることにより、調整プロシージャを簡単にすることさえできる。ここでは、2つのディスクを同時に調整することすらできる。
【0063】
図5には、本発明の2つのディスクの装置構成及び単一のセンサを側面略図が示されている。2つのディスク103、104は、1つの軸(図示していない)上に配置されている。信号エミッタ101と信号レシーバ102を有するU字形センサ構成100は、エミッタとレシーバとの間の信号の直接ラインが、2つのディスク103、104を通るように配置される。
【0064】
図6は、図5の2つのディスクの装置構成を上から見た図である。センサの装置構成100の、ディスク103,104の表面に関する相対位置を明らかに見ることができる。はめ歯車付きのモータ110が、駆動用ディスクの外側リムに配置されている。簡単にするために、モータ110とディスク103を1つしか図示していない。ディスク103は、更に4つの機構106、107、108、109を有しており、これらは、光学フィルタにするとよい。
【0065】
図7は、本発明のディスクの実施例を一層詳細に図示した図である。ディスク103は、第1の環状領域内の第1の半径(図示していない)に沿ってセンタリングされた機構106,107,108,109を有している。第1のタイプのマーク111及び第2のタイプのマーク112のセットは、第2の半径に沿ってセンタリングされた第2の環状領域内に配置されている。第1のタイプのマークは、ホールによって示されている。第2のタイプのマークは、ホールがないことによって示されている。所望の正しい位置を示すマークセットの中心113は、その両側の第2のタイプのマーク112と共に、第1のタイプの単一のマーク111を有するセンタパターンによって示されている。第1のタイプの単一のマークは、有利には、センサ信号のパスを阻止せず、その際、ディスクの予期し得ない回転ずれを容易に検出することができるようになる。図7の実施例のディスクでは、個別の特徴部は、第2のタイプの次のマークが検出される迄、中心パターンに隣接する第1のタイプの幾つかのマークをカウントすることによって識別することができる。マークの1つのセット内の第1のタイプのマークと第2のタイプのマークの総和は、各特徴部全てである。図では、各特徴部は、第2の環状領域内に重畳しており、それにより、マークの2つのセット間の境界が形成される。各特徴部が第2の環状領域内に重畳していない場合、マークの2つのセット間の境界は、第1のタイプの各マート及び第2のタイプのマークの個数全体を、中心位置から始めてカウントすることによって識別される。ディスクの外側縁には、更に、駆動用に使われる、はめ歯歯車(図示していない)と係合したはめ歯116が示されている。
【0066】
図8には、ディスク上のマークセットによって形成される異なった実施例のパターンが示されている。このパターンは、1つの円内に配置される代わりに並列構成で示されている。第1のタイプのマーク111は、白色の矩形によって示されており、第2のタイプのマーク112は、黒色の矩形によって示されている。マークセットの中心位置113は、破線内の第1のタイプのマークと第2のタイプのマークのシーケンスによって示されている。パターンが対称的であるので、回転方向とは無関係に各特徴部を識別することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施例の、単一の回転可能ディスクを有するディスクアセンブリの斜視略図
【図2】2つの回転可能ディスクを有するディスクアセンブリの斜視図
【図3】図1の回転可能ディスクを調整するための方法のフローチャート
【図4】図2の回転可能ディスクを調整するための方法のフローチャート
【図5】2つのディスクの位置を測定するための単一センサの装置構成の側面図
【図6】図5の単一センサの装置構成を上から見た図
【図7】第1の環状領域内の4つの機構を有するディスクの例を示す図
【図8】4つの機構のディスク用のマークパターンの例を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の環状領域(6)を有する回転可能ディスク(1)において、第1の環状領域(6)内に、複数の特徴部(7,8,9,10)が、第1の半径に沿ってセンタリングされて、有利には、ディスク(1)の回転軸(2)に関して相互に均一な角度のところに配置されており、第2の環状領域(12)は、第1のタイプ及び第2のタイプの区別可能なマークセットを、第2の半径に沿ってセンタリングされた単一の線内に有しており、前記マークの前記セットは、同じ全円周長を有しており、前記第1及び第2のタイプのマークは、前記マークの夫々のセットを識別することができるコードを形成するようにマークセット内に配置されていることを特徴とする回転可能ディスク。
【請求項2】
第1及び第2のタイプのマークは、各隣接セクタを形成し、前記第1及び第2のタイプのマークの加算された全円周長は、夫々、前記マークの1つのセット内で、前記マークの夫々のセットを識別するために使用することができる請求項1記載のディスク。
【請求項3】
第1及び第2のタイプの各マークの相対位置は、前記各マークのセット内で、前記各マークの夫々のセットを識別するために使用するために使用することができる請求項1記載のディスク。
【請求項4】
第1及び第2のタイプのマークは、対称的に、前記マークセットの全円周長内に配置されている請求項1記載のディスク。
【請求項5】
第1及び第2のタイプのマークの始端、中心及び/又は終端は、前記第1及び第2のマークの予め決められたシーケンスによって識別可能である請求項1記載のディスク。
【請求項6】
第1のタイプのマークは、スキャン信号に対して透過性又は反射性であり、第2のタイプのマークは、前記スキャン信号に対して透過性又は反射性ではない請求項1から5迄の何れか1記載のディスク。
【請求項7】
第1又は第2のタイプのマークは、カットアウト又はホールである請求項1から6迄の何れか1記載のディスク。
【請求項8】
第1の領域(6)の特徴部(7〜10)は、光学フィルタである請求項1から7迄の何れか1記載のディスク。
【請求項9】
請求項1から8迄の何れか1記載のディスク(1)、前記ディスク(1)が回転可能に取り付けられているフレーム、及び、センサ装置構成(4,5)、有利には、光学センサ装置構成を有するディスクアセンブリにおいて、センサ装置構成(4,5)は、前記第2の環状領域(12)に隣接する前記フレームによって保持されており、前記センサ装置構成は、第1のタイプのマーク(13〜16)及び第2のタイプのマーク(17〜20)間を区別するのに適しているように形成されていることを特徴とするディスクアセンブリ。
【請求項10】
更に、ディスク(1)を回転するためのステップモータ(3)を有しており、前記ステップモータの1ステップは、有利には、第1のタイプの1つのマーク(111)又は第2のタイプの1つのマーク(112)だけ前記ディスクを回転する請求項9記載のディスクアセンブリ。
【請求項11】
第2のディスク(1’)は、前記第一のディスク(1)と同じ軸(2)上に取り付けられており、前記2つのディスク(1,1’)は、相互に無関係に回転可能である請求項9又は10記載のディスクアセンブリ。
【請求項12】
第2のセンサ装置構成(4’,5’)は、前記第2のディスク(1’)の第1及び第2のタイプのマーク間を区別するために設けられている請求項11記載のディスクアセンブリ。
【請求項13】
前記同じセンサ装置構成(4,5)は、前記第2のディスクのマークの第1及び第2のタイプ間を区別するために設けられている請求項11記載のディスクアセンブリ。
【請求項14】
2つのディスクの一方(1)、第1のタイプのマーク(13〜16)の各端(21)は、第1の回転方向で見て等間隔に配置されており、第1のタイプのマーク(13’〜16’)の各端(24’)は、第2の回転方向で見て等間隔に配置されている請求項11から13迄の何れか1記載のディスクアセンブリ。
【請求項15】
円周方向で、2つのセンサ装置構成(4,5;4’,5’)間の距離は、第1のタイプのマーク(13〜16;13’〜16’)の最短マークの円周長よりも短い請求項13又は14記載のディスクアセンブリ。
【請求項16】
センサ装置構成(4, 5; 4', 5'))は、前記1つのディスク(1)又は複数のディスク(1,1’)の対向し合う側に配置されたスキャン信号ソース(4,4’)及びスキャン信号レシーバ(5,5’)を有している請求項9から15迄の何れか1記載のディスクアセンブリ。
【請求項17】
請求項1から8迄の何れか1記載のディスク、又は、請求項9から16迄の何れか1記載のディスクアセンブリを有するビデオカメラ。
【請求項18】
請求項1から8迄の何れか1記載のディスク(1)の配向を調整するための方法において、
a) 前記第2の環状領域(12)に隣接してセンサ(4,5)を設けるステップ、
b) ディスクを回転し(S2)、第1及び第2のタイプのマークの2つのセット間の境界が前記センサによって観測される位置を見つけ(S3)、
c) 前述のようにして観測された第1又は第2のタイプのマークのいずれかの全加算円周長を決定し(S6)、
d) 前述のようにして決定された円周長が所定の長さに適合する場合(S7)、
ディスク(1)を、前記所定の円周長を有する前記マークセットの境界に相応する各位置の1つに配置することを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、
ステップb)を、ディスク(103)を回転し、中心位置(113)を指示する第1(111)及び第2の(112)タイプのマークによって形成される所定のパターンを見つけるステップに置き換え、
ステップc)を、前記中心位置(113)で開始して、前記マークの1つのマーク内で、前記第1(111)及び第2の(112)タイプのマークによって形成されるパターンを決定するステップに置き換え、
ステップd)を、所望の特徴部(106,107,108,109)に対応付けられた中心位置(113)に前記ディスク(103)を位置付けるステップに置き換える方法。
【請求項20】
前記センサ装置構成(4,5;4’,5’)は、スキャン信号ソース((4.4’)と、前記ディスク(1,1’)の反対側に配置されたスキャン信号レシーバ(5,5’)を有する請求項12から16迄の何れか1記載のディスクアセンブリ内で、第1のディスクの配向を調整するための方法において、
e) アセンブリの開始時点での構成でのセンサによって観測される信号レベルを、本質的に重畳している2つのディスクの第1のタイプの2つのマークに相応するか、又は、ソースとレシーバとの間でスキャン信号を阻止するいずれかのディスクの第2のタイプの少なくとも1つのマークに相応するか決定するステップ(S12)、
f) 第2のタイプのマークがスキャン信号を阻止することが決定された場合、第1のタイプの2つのマークが観測される迄(S14)、2つのディスクを前記ソースと前記レシーバとの間で実質的に重畳するように回転するステップ(S13)、
g) 第1のディスクを回転させて、前記第1及び第2のタイプのマークの2つのセット間の境界が前記センサによって観測される位置を見つけるステップ、
h) マークの1つのセット内で、前記第1又は第2のタイプの、前述のようにして観測されたマークの加算された全長を決定するステップ、
i) 前述のようにして決定された各長さが所定の各長さに適合する場合、第1のディスクを、所定の円周長を有するマークセットの境界に相応する各位置の1つに配置するステップ、
j) 前記第1のディスクを動かないようにして、前記第2のディスクに対して前記ステップg)〜i)を繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、
ステップg)を、第1のディスク(103)を回転し、中心位置(113)を指示する第1(111)及び第2の(112)タイプのマークによって形成される所定のパターンを見つけるステップに置き換え、
ステップh)を、前記中心位置(113)で開始して、前記マークの1つのマーク内で、前記第1のタイプのマーク(111)及び第2のタイプのマーク(112)によって形成されるパターンを決定するステップに置き換え、ステップi)を、所望の特徴部(106,107,108,109)に対応付けられた中心位置(113)に前記ディスク(103)を位置付けるステップに置き換える方法。
【請求項22】
駆動パルスによって駆動されるステップモータによって回転する請求項18から21迄の何れか1記載の方法において、
更に、
ディスクが新たな位置になった時に前記駆動パルスをカウントするステップj)
第1及び第2のタイプのマークを連続的に検出し、該検出時に、特徴部と中心位置パターン(113)を識別するパターンを検出するステップk)
所定数の駆動パルス後、前記ディスクの回転を停止するステップl)
前記所定数のパルスがカウントされる前に、所望の特徴部(106,107,108,109)の中心位置パターン(113)が検出された場合、その後の駆動パルスを禁止するステップm1)
前記所定数の駆動パルス後、所望の特徴部(106,107,108,109)の中心位置パターン(113)が検出されない場合、前記所望の特徴部(106,107,108,109)の前記中心位置パターン(113)が検出される迄、前記駆動パルスを継続するステップm2)を有する方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法において、
ステップk)を、所定数の駆動パルス後に、所望の特徴部(106,107,108,109)マイナス所定の小さな数がカウントされた場合に実行し、前記所定の小さな数を、少なくとも、中心位置(113)を識別するのに必要なマークの数と同じ大きさにする方法。
【請求項24】
請求項22又は23記載の方法において、
ステップk)を、中心パターン(113)を決定するための所定数の駆動パルス用の当該駆動パルスの開始時点で実行し、前記所定数を、少なくとも、中心位置(113)を識別するのに必要なマークの数と同じ大きさにし、それにより、正しい開始位置が再確認される方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−536849(P2007−536849A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512193(P2007−512193)
【出願日】平成17年5月4日(2005.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052040
【国際公開番号】WO2005/109858
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】