説明

回転工具及びビット振れ抑制部材

【課題】ビットの先端が振れるのが抑制することで、回転工具による作業効率が向上すると共に、回転工具の使用者が腱鞘炎になるのを防止する。
【解決手段】エアドライバ1は、ビット5の基端側に形成された周溝5bを鋼球11で係止することでビット5を保持し且つビット5と共に回転可能なアンビル10と、アンビル10を回転駆動する回転駆動機構20と、回転駆動機構20を収容するフレーム2に取り付けられたソケット30とを有している。アンビル10により保持されたビット5が回転を開始した直後において、ビット5の先端と周溝5bとの間の一部分がソケット30の先端近傍の内周面と接触することで、ビット5の先端の振れが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビットを回転駆動する回転工具及びその回転工具と共に用いられるビット振れ抑制部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアドライバでは、エアを動力源とする駆動部により回転するスピンドルに対して、その先端が締付工具となるビット(ドライバビット)が取り付けられ、そのビットを回転駆動することによってネジ締め作業が行われる。ここで、ビットは工具本体に対して取り替え可能になっており、ビットが工具本体に取り付けられた状態でも、ビットはある程度工具本体に対して揺動可能である。そして、工具本体(ビット装着孔)に対するビットのガタツキを防止するために、ゴムリングを工具本体の内周側に配置した振れ止め構造が採用されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−89071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ビットを回転駆動したときには、ビットの先端が大きく振れることが多い。そして、ビットの先端が大きく振れた場合には、作業効率が低下すると共にエアドライバの使用者が腱鞘炎になってしまうという問題が発生する。
【0004】
そこで、本発明の主な目的は、ビットの先端が振れるのを抑制することができる回転工具及びそれと共に用いられるビット振れ抑制部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る回転工具は、ビットの基端側に配置された保持部において前記ビットを保持し且つ前記ビットと共に回転可能な保持機構と、前記保持機構を回転駆動する回転駆動機構と、前記保持機構により保持された前記ビットが回転を開始した直後に前記ビットの先端と前記保持部との間の一部分が接触する位置に配置されており、前記ビットと共に回転しないように固定された振れ抑制部とを備えていることを特徴としている。
【0006】
この回転工具では、ビットが回転を開始した直後に、ビットの一部分が振れ抑制部に接触することで、その後、ビットの先端が振れるのが抑制される。従って、回転工具による作業効率が向上すると共に、回転工具の使用者が腱鞘炎になるのを防止することができる。
【0007】
第2の発明に係る回転工具は、第1の発明に係る回転工具であって、前記振れ抑制部は、前記ビットの前記一部分の全周にわたって設けられていることを特徴としている。
【0008】
この回転工具では、ビットが回転を開始した直後に、ビットの一部分が接触するような位置に振れ抑制部を容易に配置することができる。
【0009】
第3の発明に係る回転工具は、第2の発明に係る回転工具であって、前記ビットの前記一部分の外周面と前記振れ抑制部の内周面との間の少なくとも一部には、微細な隙間が形成されることを特徴としている。
【0010】
第4の発明に係る回転工具は、第1〜3の発明のいずれかに係る回転工具であって、前記ビットには前記保持部として周溝が形成されていると共に、前記保持機構は前記周溝に係合可能な係止部材を有していることを特徴としている。
【0011】
この回転工具では、保持機構においてビットを保持するための構成を簡略化できる。
【0012】
第5の発明に係る回転工具は、第1〜4の発明のいずれかに係る回転工具であって、前記回転駆動機構を収容する筐体と、前記筐体に取り付け可能であり且つ前記振れ抑制部を有するビット振れ抑制部材とを備えていることを特徴としている。
【0013】
この回転工具では、振れ抑制部を有するビット振れ抑制部材が必要な場合にだけ、ビット振れ抑制部材を筐体に取り付けることができる。また、ビット振れ抑制部材を交換することで、ビット振れ抑制部材の長さや内径などを変更することができる。
【0014】
第6の発明に係る回転工具は、第1〜4の発明のいずれかに係る回転工具であって、前記回転駆動機構を収容する筐体を備え、前記筐体は、その一部として前記振れ抑制部を有していることを特徴としている。
【0015】
この回転工具では、振れ抑制部を有するビット振れ抑制部材が筐体と一体となっているため、ビット振れ抑制部材の筐体への取り付けが不要になる。
【0016】
第7の発明に係るビット振れ抑制部材は、ビットの基端側に配置された保持部において前記ビットを保持し且つ前記ビットと共に回転可能な保持機構と、前記保持機構を回転駆動する回転駆動機構と、前記回転駆動機構を収容する筐体とを備えた回転工具と共に用いられ、前記筐体に取り付け可能であると共に、前記筐体に取り付けた状態において、前記保持機構により保持された前記ビットが回転を開始した直後に前記ビットの先端と前記保持部との間の一部分が接触する位置に配置され且つ前記ビットと共に回転しないように固定された振れ抑制部を有していることを特徴としている。
【0017】
このビット振れ抑制部材では、回転工具に取り付けることで、ビットが回転を開始した直後に、ビットの一部分が振れ抑制部に接触することで、その後、ビットの先端が振れるのが抑制される。従って、回転工具による作業効率が向上すると共に、回転工具の使用者が腱鞘炎になるのを防止することができる。
【0018】
第8の発明に係るビット振れ抑制部材は、第7の発明に係るビット振れ抑制部材であって、前記筐体に取り付けた状態において、前記振れ抑制部は前記ビットの前記一部分の全周にわたって設けられていることを特徴としている。
【0019】
このビット振れ抑制部材では、ビットが回転を開始した直後に、ビットの一部分が接触するような位置に振れ抑制部を容易に配置することができる。
【0020】
第9の発明に係るビット振れ抑制部材は、第8の発明に係るビット振れ抑制部材であって、前記筐体に取り付けた状態において、前記ビットの前記一部分の外周面と前記振れ抑制部の内周面との間の少なくとも一部には、微細な隙間が形成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0022】
第1〜9の発明では、ビットが回転を開始した直後に、ビットの一部分が振れ抑制部に接触することで、その後、ビットの先端が振れるのが抑制される。従って、回転工具による作業効率が向上すると共に、回転工具の使用者が腱鞘炎になるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明に係るエアドライバの実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るエアドライバの斜視図である。図2(a)は、ビット及びソケットをエアドライバに取り付けた状態を示す部分拡大断面図である。図2(b)は、ビットの外周面とソケットの内周面との間の隙間を説明する図である。図3は、ビットの構成を示す図である。図4は、ソケットの構成を示す図である。
【0024】
エアドライバ1は、図1及び図2に示すように、工具本体となるフレーム2と、ビットの回転または停止の操作を行うレバー3とを有している。そして、フレーム2の先端2aからは、ビットの取り付け部となるアンビル10が突出している。また、後述するように、フレーム2の先端2aには、ビットの振れを抑制するためのソケット30が取り付け可能になっている。ここで、ソケット30がフレーム2に取り付けられると、ソケット30はビットと共に回転しない状態で固定される。
【0025】
エアドライバ1は、ビット5の取り付け部となるアンビル10と、アンビル10を回転駆動する回転駆動機構20とを有している。アンビル10は、ビット5の基端を保持し、そのビット5と共に回転可能な保持機構である。回転駆動機構20は、図示しないエアを動力源とする駆動源で回転駆動されるスピンドル21を有しており、その回転をアンビル10に伝達可能に構成されている。
【0026】
アンビル10の先端近傍には、ビット5を取り付けるための取り付け孔10aが形成されている。ここで、ビット5は六角形の断面形状を有しているため、取り付け孔10aはビット5の外形に対応した六角形状に形成されている。また、取り付け孔10aは、アンビル10の回転軸上に形成されている。また、アンビル10は、保持孔10b内にそれぞれ配置された2つの鋼球11を有していると共に、その先端近傍の外周には操作スリーブ12が配置されている。2つの鋼球11は、互いに対向するように配置されており、それぞれ、アンビル10の保持孔10b内を移動可能になっている。
【0027】
操作スリーブ12は、アンビル10の外周に回転可能に取り付けられ、軸方向には止め輪16及びワッシャ17により抜け止めされている。また、操作スリーブ12とワッシャ17との間には圧縮バネ18が配置されているため、操作スリーブ12は圧縮バネ18によって軸方向に付勢されている。また、操作スリーブ12の内周面には、鋼球11に対応した位置において内側に突出する突起部12aが形成されている。従って、鋼球11は、操作スリーブ12の突起部12aによって押圧されることで、取り付け孔10bに対して出入り可能になっている。ここで、アンビル10の保持孔10bは、鋼球11が取り付け孔10aに抜け出るのを防止する構成になっている。
【0028】
また、ビット5は、図3に示すように、その先端がドライバ部5aとなったドライバビットである。そして、ビット5の基部近傍には、アンビル10に設けられた鋼球11が嵌り込むための溝部5bが全周にわたって形成されている。ビット5は、互いに長さの異なる複数種類のものがあり、例えば110mm、150mm、200mmの長さを有する3種類のビット5A、5B、5Cがある。ここで、各ビットにおいて、全長Xa、基端部から溝部までの長さXb、先端から溝部までの長さXcは、表1のようになっている。
【表1】

【0029】
上述したように、操作スリーブ12が圧縮バネ18によって付勢されていることから、鋼球11は突起部12aに押圧されることで取り付け孔10a内に突出した位置に配置される。そのため、この状態において、ビット5が取り付け孔10aに挿入されていれば、鋼球11がビット5の溝部5aを係止することでビット5が抜け止めされる。一方、操作スリーブ12を圧縮バネ18の付勢力と反対方向に操作すると、突起部12aが鋼球11を押圧しなくなり、鋼球11は取り付け孔10a内に突出しない位置に配置可能になる。このため、この状態では、ビット5を取り付け孔10aに対して挿入または抜き取りが可能になる。
【0030】
ソケット30は、図4に示すように、筒状の部材であり、それらの外径が次第に小さくなった大径部31、中径部32及び小径部33を有している。また、図4で破線で示すように、それらの内径も次第に小さくなっている。大径部31は、フレーム2の先端2aに対して固定するための部分であり、径方向に延在する複数のネジ穴31aが形成されている。そして、大径部31がフレーム2の先端2aにセットされた状態で、ネジ穴31a内に配置された固定用ボルト31bを締め付けることで、ソケット30がフレーム2に固定される。
【0031】
中径部32は、ソケット30がフレーム2に固定された状態において、アンビル10が接触しないで回転できるだけの空間を有している。また、中径部32には、ソケット30の軽量化のための円形の開口32aが形成されている。小径部33は、アンビル10に取り付けられたビット5が嵌挿される部分であり、ビット5の外周面との間に僅かな隙間が形成されるような内周面を有している。また、ソケット30の軽量化のための長孔形状の開口33aが形成されている。
【0032】
ソケット30は、互いに長さの異なる複数種類のものがあり、例えば100mm、60mmの長さを有する2種類のソケット30A、30Bがある。そして、各ソケットにおいて、全長Ya、フレーム2に固定された状態におけるソケットの先端からビットの溝部までの長さYbは、表2のようになっている。ここで、ソケットがフレーム2に固定された状態では、ビット5の溝部5bは開口32aの中心位置に対応した位置に配置される。
【表2】

【0033】
ところで、ビット5の外周面とソケット30の内周面との間には、図2(b)に示すように、所定の大きさの隙間が形成される。ここで、ソケット30の内径をZamm、ビット5の最大外径をZbmm、ビット5の外周面とソケット30の内周面との間の最小隙間をZcとすると、次式の関係がある。
Zc=(Za−Zb)/2
従って、例えばソケット30の内径Zaが8.00mmで、ビット5の最大外径Zbが7.05mmである場合は、最小隙間Zcは0.475mmとなる。
【0034】
次に、ビットの先端の振れに関する評価試験の結果について説明する。評価試験としては、まず、ソケットをフレーム2に取り付けないで、ビット5B(150mm)をアンビル10に取り付けた状態で、ビット5Bを回転駆動し、そのときのビット5Bの先端における振れを測定した。次に、ソケット30A(100mm)をフレーム2に固定した状態で、ビット5Bを回転駆動し、そのときのビット5Bの先端における振れを測定した。ここで、ソケット30Aの内径を7.5mm、7.7mm、8.0mmの3つの値に変化させた。その後、フレーム2に固定するソケットを、ソケット30Bに変更し、ビット5Bを回転駆動し、そのときのビット5Bの先端における振れを測定した。ここで、ソケット30Bの内径を7.5mm、7.7mm、8.0mmの3つの値に変化させた。また、アンビル10に取り付けるビットをビット5C(200mm)に変更し、ソケット30A(100mm)をフレーム2に固定した状態で、ビット5Cを回転駆動し、そのときのビット5Cの先端における振れを測定した。ここで、ソケット30Aの内径を7.5mm、7.7mm、8.0mmの3つの値に変化させた。
【0035】
上記の評価試験の結果を表3及び図5に示す。図5は、図1のエアドライバにおける評価試験の結果を示す図である。
【表3】

【0036】
ここで、評価試験では、最大外径が7.05mmであるビット5を用いたので、各ソケットの内径が変化した場合のビット5の外周面とソケット30の内周面との間の最小隙間は、表3に示すようになっている。
【0037】
図5では、ソケットなしにおける結果が太線で図示されており、各条件における結果が○、△、□で図示されている。図5から分かるように、上記の評価試験を行った各条件でにおける振幅測定値は、ソケットなしの条件における振幅測定値(0.570mm)と比較し、著しく小さくなる。つまり、ビット5の回転が開始した直後に、ビット5の先端がその溝部5bを支点として軸方向からずれることにより、ビット5の一部分の外周面がソケット30の内周面に接触することで、その後、ビット5の先端が振れるのが抑制される。ここで、ビット5の回転が開始した直後において、ソケット30の先端近傍の内周面がビット5の外周面と接触すると考えられることから、ソケット30の先端近傍の内周面が振れ抑制部の役割を有している。従って、本実施形態では、振れ抑制部は、ビット5の一部分の全周にわたって設けられていることになる。
【0038】
また、上記の評価試験を行った各条件では、表3から分かるように、ビットの外周面とソケットの内周面との間の最小隙間は、0.0225〜0.0475mmとなっている。そして、図5を考察すると、ソケットの内径がさらに大きくなり、内径が8.3mmである場合でも、振幅測定値は、ソケットなしの条件における振幅測定値と比較し、著しく小さくなると考えられる。ここで、ソケットの内径が8.3mmであるときは、ビットの外周面とソケットの内周面との間の最小隙間は0.625mmになる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態のエアドライバ1では、ビット5の外周面との間に僅かな隙間が形成される内周面を有するソケット30をフレーム2に固定すると、ビット5が回転を開始した直後に、ビット5の一部分がソケットの内周面に接触することで、その後、ビット5の先端が振れるのが抑制される。従って、エアドライバ1による作業効率が向上すると共に、エアドライバ1の使用者が腱鞘炎になるのを防止することができる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0041】
上述の実施の形態では、振れ抑制部の役割を有するソケット30の先端近傍の内周面はビット5の一部分の全周にわたって設けられているが、振れ抑制部の役割を有する部材がビットの一部分の全周にわたって設けられずに、全周のうちの一部だけに設けられてもよい。つまり、振れ抑制部の役割を有する部材は、ビット5が回転を開始した直後に、ビット5の先端と周溝5bとの間の一部分が接触する位置に配置されており、ビット5と共に回転しないように固定されていればよい。また、振れ抑制部の役割を有するソケット30の先端近傍の内周面以外の部分に関しては、ソケットの形状は変更してもよい。従って、ソケットは、大径部、中径部及び小径部を有しないで、その全体にわたって同一の外径に形成されていてもよい。
【0042】
上述の実施の形態では、エアドライバ1のフレーム2に対してソケット30が取り付け可能となっているが、ソケットと同様の部材がフレームと一体に構成されてもよい。この場合は、フレームは、その一部として振れ抑制部を有していることになる。
【0043】
上述の実施の形態では、エアを動力源とする駆動源を有する回転駆動機構20を備えたエアドライバ1について説明しているが、例えばモータを動力源とする駆動源を有する回転駆動機構を備えた電動工具(電動ドライバ)においても同様の効果が得られる。つまり、本発明の回転工具は、エアドライバ1に限定されず、ビットを回転駆動する回転工具であればよい。
【0044】
なお、エアドライバ等の回転工具を長時間にわたって使用すると、新品の回転工具と比較して、ビットの先端の振れが大きくなることが多い。これは、繰り返し回転による摩耗によりアンビル外径との隙間が大きくなりアンビルに対するビットのガタツキが大きくなることや、ビットの抜き差しでの摩耗や使用回転時の負荷によってアンビルの取り付け孔の形状が変形(破損)することなどが原因と考えられる。ここで、本発明の効果は、新品の回転工具において得られるだけでなく、長時間にわたって使用された回転工具においても同様に得られると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明を利用すれば、回転工具による作業効率が向上すると共に、回転工具の使用者が腱鞘炎になるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係るエアドライバの斜視図である。
【図2】図2(a)は、ビット及びソケットをエアドライバに取り付けた状態を示す部分拡大断面図である。 図2(b)は、ビットの外周面とソケットの内周面との間の隙間を説明する図である。
【図3】ビットの構成を示す図である。
【図4】ソケットの構成を示す図である。
【図5】図1のエアドライバにおける評価試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 エアドライバ
2 フレーム
5 ビット
5b 周溝
10 アンビル
11 鋼球
20 回転駆動機構
30 ソケット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビットの基端側に配置された保持部において前記ビットを保持し且つ前記ビットと共に回転可能な保持機構と、
前記保持機構を回転駆動する回転駆動機構と、
前記保持機構により保持された前記ビットが回転を開始した直後に前記ビットの先端と前記保持部との間の一部分が接触する位置に配置されており、前記ビットと共に回転しないように固定された振れ抑制部とを備えていることを特徴とする回転工具。
【請求項2】
前記振れ抑制部は、前記ビットの前記一部分の全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回転工具。
【請求項3】
前記ビットの前記一部分の外周面と前記振れ抑制部の内周面との間の少なくとも一部には、微細な隙間が形成されることを特徴とする請求項2に記載の回転工具。
【請求項4】
前記ビットには前記保持部として周溝が形成されていると共に、
前記保持機構は前記周溝に係合可能な係止部材を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転工具。
【請求項5】
前記回転駆動機構を収容する筐体と、
前記筐体に取り付け可能であり且つ前記振れ抑制部を有するビット振れ抑制部材とを備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転工具。
【請求項6】
前記回転駆動機構を収容する筐体を備え、
前記筐体は、その一部として前記振れ抑制部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転工具。
【請求項7】
ビットの基端側に配置された保持部において前記ビットを保持し且つ前記ビットと共に回転可能な保持機構と、前記保持機構を回転駆動する回転駆動機構と、前記回転駆動機構を収容する筐体とを備えた回転工具と共に用いられ、
前記筐体に取り付け可能であると共に、
前記筐体に取り付けた状態において、前記保持機構により保持された前記ビットが回転を開始した直後に前記ビットの先端と前記保持部との間の一部分が接触する位置に配置され且つ前記ビットと共に回転しないように固定された振れ抑制部を有していることを特徴とする回転工具用のビット振れ抑制部材。
【請求項8】
前記筐体に取り付けた状態において、
前記振れ抑制部は前記ビットの前記一部分の全周にわたって設けられていることを特徴とする請求項7に記載の回転工具用のビット振れ抑制部材。
【請求項9】
前記筐体に取り付けた状態において、
前記ビットの前記一部分の外周面と前記振れ抑制部の内周面との間の少なくとも一部には、微細な隙間が形成されることを特徴とする請求項8に記載の回転工具用のビット振れ抑制部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−39834(P2009−39834A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−208922(P2007−208922)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】