説明

回転式アクチュエータ

【課題】回転制御が確実かつ容易な回転式アクチュエータを提供すること。
【解決手段】同心的に配置され独立して回転可能な回転ドラム20及び歯車ブロック30を設け、第2の形状記憶合金50への通電に伴う収縮により回転ドラム20の固定爪25と歯車ブロック30の可動爪35(35A,35C)を噛合させ(A→B)、噛合させた状態で第1の形状記憶合金40への通電に伴う収縮によって回転ブロック20を初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる工程を実行し(B→C)、次に、第1の形状記憶合金40及び第2の形状記憶合金50の非通電に伴う伸長により第1の付勢手段26の付勢力により回転ブロック20を初期位置に復帰させる工程を実行し(C→D)、これらの工程をこの順で繰り返し実行する。これにより、歯車ブロック30を間欠的且つ連続的に回転可能で、回転式アクチュエータの回転制御が確実かつ容易に行えることになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式アクチュエータに関するもので、詳しくは、形状記憶合金を使用した回転式アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
形状記憶合金を使用して歯車等を回転させるアクチュエータとしては、特許文献1に開示されたものがある。このアクチュエータは、フライホイールの偏心位置にハンドルを立設し、そのハンドルとフライホイールを囲繞して設置した筐体の等角度3箇所との間に形状記憶合金コイルをそれぞれ介装させ、それらのコイルに断続的に電圧を印加して形状記憶合金コイルを伸縮させることによって、フライホイールを回転させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−207409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このアクチュエータによれば、第1のコイルを収縮させ、第2,第3のコイルを伸長させた初期状態から、第1のコイルを伸長させ、第2のコイルを収縮させることによってフライホイールを120度回転させ、次に、第2のコイルを伸長させ、第3のコイルを収縮させることによってフライホイールをさらに120度回転させ、次に、第1のコイルを収縮させ、第3のコイルを伸長させることによってさらに120度回転させてフライホイールを1回転させている。
しかしながら、上記アクチュエータでは、少なくとも3つの形状記憶合金コイルへの電圧の印加タイミングを制御する必要があることから、制御が煩雑になるばかりでなく、個々のコイルの弾性特性が異なると、滑らかな回転を得ることが難しい。
【0005】
本発明は、回転制御が確実かつ容易である回転式アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に固定爪及び可動爪のうちの一方が形成された回転ブロックと、
前記回転ブロックと同心的に配置され、当該回転ブロックとは独立して前記所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に前記固定爪及び可動爪のうちの他方が形成された出力ブロックと、
前記回転ブロックを初期位置に向けて付勢する第1の付勢手段と、
前記可動爪を前記固定爪に噛合しない方向に付勢する第2の付勢手段と、
通電制御手段と、
前記回転ブロックにおける前記所定の軸から離れた部分と当該回転ブロック及び前記歯車ブロック以外の固定部とに係合され、前記通電制御手段による通電によって前記第1の付勢手段の付勢力に抗して前記回転ブロックを前記所定の軸を中心に初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる第1の形状記憶合金と、
前記通電制御手段による通電によって前記第2の付勢手段の付勢力に抗して前記可動爪を前記固定爪に噛合する方向に移動させる第2の形状記憶合金とを備え、
前記第2の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記固定爪と前記可動爪とを噛合させ、その噛合させた状態で前記第1の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記回転ブロックを初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる工程を実行し、次に、前記第1の形状記憶合金及び前記第2の形状記憶合金の非通電に伴う伸長によって前記第1の付勢手段の付勢力により前記回転ブロックを初期位置に復帰させる工程を実行し、これらの工程をこの順に繰り返し実行することを特徴とする回転式アクチュエータである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、出力ブロックを回転させるにあたり、第1の形状記憶合金と第2の形状記憶合金とを通電制御すれば足りるので、出力ブロックの回転制御が確実かつ容易に行えることになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る回転式アクチュエータの一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の回転式アクチュエータの断面図である。
【図3】図1の回転式アクチュエータの分解斜視図である。
【図4】図1の回転式アクチュエータの配線図である。
【図5】図1の回転式アクチュエータにおける形状記憶合金への電圧印加タイミングを示したタイミングチャートである。
【図6】(A)〜(D)は、図1の回転式アクチュエータの作動状態を示した動作図である。
【図7】図1の回転式アクチュエータにおける歯車ブロック(出力ブロック)の可動爪の動作と、その可動爪と回転ドラム(回転ブロック)の固定爪との係合関係を示した模式図で、(A)は爪の噛合状態を示し、(B)は爪の非噛合状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る回転式アクチュエータの一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
この回転式アクチュエータ1は、図1および図2に示すように、固定ブロック10と、この固定ブロック10の中心位置に回転自在に支持される円盤状の回転ドラム20と、この回転ドラム20の外周を囲繞するように配設された環状の歯車ブロック30と、上記回転ドラム20を回転させるための第1の形状記憶合金40と、上記回転ドラム20に歯車ブロック30を連動させて回転させるための第2の形状記憶合金50とを備えている。
【0011】
上記固定ブロック10は底板10a及び天井板10bを備えている。
このうち底板10aの長手方向両端には、円柱部12,12が所定の間隔を保って立設されている。この円柱部12,12は、底板10aと天井板10bとの間に所定の空間を形成するためのものであり、この空間には、回転ドラム20、歯車ブロック30、第1の形状記憶合金40及び第2の形状記憶合金50が設置されている。
また、各円柱部12の上面には、当該円柱部12よりも小径の円柱状の形状記憶合金受け部12aが立設されている。各形状記憶合金受け部12aは、第1の形状記憶合金40の端部を受けるためのものである。
また、底板10aの長手方向中央には、回転ドラム20の軸23の下端部を支持するための軸受け穴13が形成されている。
一方、天井板10bの長手方向両端には、形状記憶合金受け部12a,12aが1つずつ嵌合される嵌合穴14,14が形成されている。
また、天井板10bの長手方向中央には、回転ドラム20の軸23の上端部を支持するための軸受け穴15が形成されている。
【0012】
上記回転ドラム20は回転ブロックを構成している。この回転ドラム20は、上部に位置する円柱部21と、下部に位置し円柱部21から張り出すフランジ22とを備えている。このフランジ22は円柱部21に例えばボルト等によって取り付けられている。この回転ドラム20の中央には軸23が固定して設けられている。
また、円柱部21の上面には、軸23を挟む対称位置2箇所に、大径部及び小径部を有する柱状の形状記憶合金受け部24が1つずつ立設されている。
さらに、円柱部21の外周面には180度の間隔をもって2箇所に固定爪25が形成されている。この固定爪25の形成位置は、形状記憶合金受け部24の直ぐ外方位置である。
なお、回転ドラム20と上記固定ブロック10との間には、例えば、軸23に巻装されたトーションバネ26が設けられている。このトーションバネ26は、回転ドラム20を初期位置に復帰させる働きをする。このトーションバネ26は第1の付勢手段を構成するが、第1の付勢手段はトーションバネ26に限定されるものではなく、コイルバネ等であってもよい。
【0013】
上記歯車ブロック30は出力ブロックを構成している。この歯車ブロック30は、上部に位置する円筒部31と、下部に位置し円筒部31の張り出す歯車部33とを備えている。
このうち円筒部31の内部には、90度間隔で4箇所に可動爪35が設けられている。図7に示すように、この可動爪35の基端部35aは、円筒部31に形成された孔32に挿入されている。そして、可動爪35は、円筒部31の半径方向に往復移動可能となっている。加えて、可動爪35と円筒部31の内面との間には、板バネ36が設けられている。そして、可動爪35は、板バネ36によって、円筒部31の半径方向外方に向けて付勢されている。なお、この板バネ36は第2の付勢手段を構成するが、第2の付勢手段は板バネ36に限定されるものではなく、ゴムやコイルバネ等であってもよい。
また、円筒部31の深さ方向途中には環状の内向フランジ31aが形成され、この内向フランジ31aによって、回転ドラム20の円柱部21が挿入される挿入穴31bが形成されている。そして、図2に示すように、挿入穴31bに回転ドラム20の円柱部21を挿入した状態では、内向フランジ31aの下面に回転ドラム20のフランジ22の上面が当接し、可動爪35は、回転ドラム20の固定爪25と同じ高さ位置となる。
一方、歯車部33は平歯車を構成している。
なお、ここでは、出力ブロックを歯車ブロック30として構成しているが、出力ブロックをプーリやスプロケット等が形成されたブロックとして構成してもよい。必要なことは、出力ブロックから動力が取り出せることである。
また、ここでは、歯車ブロック30は回転ブロック20の外側に設けられているが、内側に設けてもよい。さらに、歯車ブロック30に可動爪35を設けているが、歯車ブロック30に固定爪を設けて、回転ブロック20に可動爪を設けてもよい。
【0014】
上記第1の形状記憶合金40は、2つのコイル状部41aをライン状部41bの途中に介在させたものである。この第1の形状記憶合金40の一端は1つの形状記憶合金受け部12aに結合され、他端は他の1つの形状記憶合金受け部12aに結合されている。そして、この第1の形状記憶合金40の途中部分は、2つの形状記憶合金受け部24,24に巻き掛けられると共に、その中間位置で軸23内に挿通されている。
この第1の形状記憶合金40の両端部は、図4に示すように、固定ブロック10内に配されたリード線44a,44bによって、通電制御部43に接続されている。
そして、この第1の形状記憶合金40は、通電制御部43の通電制御によって、収縮状態と伸長状態とを取り得るようになっている。この第1の形状記憶合金40は、非通電時には上記トーションバネ26の付勢力との共働によって、回転ドラム20に初期位置を取らせる。一方、この第1の形状記憶合金40は、通電時には上記トーションバネ26の付勢力に抗して、回転ドラム20に初期位置からπ/2だけ時計方向に回転した位置を取らせる。
【0015】
上記第2の形状記憶合金50は、歯車ブロック30の円筒部31の外側に配置されている。
この第2の形状記憶合金50は帯状に編まれ、メッシュ形状を呈している。この第2の形状記憶合金50は、平面視で有端リング状に形成されていて、上記歯車ブロック30の円筒部31を取り囲んでいる。この第2の形状記憶合金50は、歯車ブロック30と連動して回転しないように固定ブロック10に位置固定されている。
この第2の形状記憶合金50の両端部は、図4に示すように、リード線45a,45bによって、通電制御部43に接続されている。
そして、この第2の形状記憶合金50は、通電制御部43の制御によって、収縮状態と伸長状態とを取り得るようになっている。この第2の形状記憶合金50は、非通電時には上記板バネ36の付勢力との共働によって、可動爪35に歯車ブロック30の半径方向外方位置を取らせる(図7(A))。一方、この第1の形状記憶合金40は、通電時には上記板バネ36の付勢力に抗して、可動爪35に歯車ブロック30の半径方向内方位置を取らせる(図7(B))。
【0016】
上記通電制御部43は、図5のタイミングチャートに従って、第1の形状記憶合金40及び第2の形状記憶合金50の通電を制御する。
【0017】
次に、上述のように構成された回転式アクチュエータ1の動作を図5のタイミングチャート、図6の動作図及び図7の模式図に基づいて説明する。なお、この図6及びその説明においては、4つの可動爪35を区別するために4つの可動爪の符号として35の代わりに、35A,35B,35C,35Dを使用する。
【0018】
回転ドラム20が初期位置にあり、且つ、第1の形状記憶合金40及び第2の形状記憶合金50が共に非通電状態にあるときには、図6(A)に示すように、回転ブロック20の固定爪25,25は歯車ブロック30の可動爪35A,35Cの近傍にあるが、可動爪35A,35Cは歯車ブロック30の半径方向外方位置にあり、固定爪25,25とは噛み合っていない(図7(B)参照)。
【0019】
この状態から、通電制御部43の通電制御によって第2の形状記憶合金50を通電状態にして、その第2の形状記憶合金50を収縮させる。すると、この第2の形状記憶合金50の収縮によって突起35が押され、可動爪35A〜35Dが歯車ブロック30の半径方向内方に移動する。そして、図6(B)及び図7(A)に示すように、回転ブロック20の固定爪25,25と、歯車ブロック30の可動爪35A,35Cとが噛み合う。
【0020】
次に、可動爪35を歯車ブロック30の半径方向内方に移動させるのに必要な時間T1の経過後に、通電制御部43の通電制御によって第1の形状記憶合金40を通電状態にする。すると、第1の形状記憶合金40が収縮する。これによって、図6(C)に示すように、トーションバネ26の付勢力に抗して、回転ブロック20が初期位置から時計方向にπ/2だけ回転する。その際、回転ブロック20の固定爪25,25と、歯車ブロック30の可動爪35A,35Cとが噛み合っているので、歯車ブロック30も連動して時計方向にπ/2だけ回転する。
【0021】
次に、回転ドラム20及び歯車ブロック30がπ/2だけ回転するのに必要な時間T2の経過後に、通電制御部43の通電制御によって第1の形状記憶合金40を非通電状態にする。すると、第1の形状記憶合金40が伸長し、トーションバネ26の付勢力によって、回転ブロック20が反時計方向に回転し始める。その後、この回転ブロック20の反時計方向の回転と可動爪35の動作を同期させるための時間T3の経過後に、通電制御部43の通電制御によって第2の形状記憶合金50を非通電状態にする。この時間T3は必須のものではない。必要なのは、歯車ブロック30がπ/2の回転位置で停止し、回転ドラム20が反時計方向に回転することを可動爪35が阻害しないことである。
【0022】
その後、回転ドラム20が反時計方向に回転して初期位置まで戻るまで可動爪35が阻害しない時間T4の経過後に、通電制御部43の通電制御によって第2の形状記憶合金50を通電状態にして次のサイクルに移行する。この状態が図6(D)に示されている。
【0023】
以上のようにしてサイクルを繰り返せば、歯車ブロック30を間欠的且つ連続的に回転させることができる。
【0024】
このように構成された回転式アクチュエータ1によれば、2つの形状記憶合金40,50を制御することによって回転動力を得ることができるので、制御が容易になる。
【0025】
なお、上記実施形態では、可動爪35を板バネ36の付勢力で固定爪25に噛み合わない退避状態に維持させ、第2の形状記憶合金50によって可動爪35を強制的に突出させて固定爪25に噛み合う位置に移行させているが、退避状態でも僅かばかり可動爪35を噛み合うようにしておき、反時計方向に回転ドラム20を回転させた際に、固定爪25の摺接によって可動爪35を板バネ36の付勢力に抗して半径方向外方にさらに移動させるようにしてもよい。このようにすれば、いわゆる機械的なラチェット機構が構成される。この場合には、回転ドラム20が初期位置に戻る際に、固定爪25が可動爪35に突き当たると、可動爪35が板バネ36の付勢力に抗して退避方向に押し戻され、可動爪35が固定爪25の箇所を簡単に通過することが可能となる。
【0026】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0027】
〔付記〕
<請求項1>
所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に固定爪及び可動爪のうちの一方が形成された回転ブロックと、
前記回転ブロックと同心的に配置され、当該回転ブロックとは独立して前記所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に前記固定爪及び可動爪のうちの他方が形成された出力ブロックと、
前記回転ブロックを初期位置に向けて付勢する第1の付勢手段と、
前記可動爪を前記固定爪に噛合しない方向に付勢する第2の付勢手段と、
通電制御手段と、
前記回転ブロックにおける前記所定の軸から離れた部分と当該回転ブロック及び前記歯車ブロック以外の固定部とに係合され、前記通電制御手段による通電によって前記第1の付勢手段の付勢力に抗して前記回転ブロックを前記所定の軸を中心に初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる第1の形状記憶合金と、
前記通電制御手段による通電によって前記第2の付勢手段の付勢力に抗して前記可動爪を前記固定爪に噛合する方向に移動させる第2の形状記憶合金とを備え、
前記第2の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記固定爪と前記可動爪とを噛合させ、その噛合させた状態で前記第1の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記回転ブロックを初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる工程を実行し、次に、前記第1の形状記憶合金及び前記第2の形状記憶合金の非通電に伴う伸長によって前記第1の付勢手段の付勢力により前記回転ブロックを初期位置に復帰させる工程を実行し、これらの工程をこの順に繰り返し実行することを特徴とする回転式アクチュエータ。
<請求項2>
前記回転ブロックに固定爪が形成され、前記出力ブロックに可動爪が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式アクチュエータ。
<請求項3>
前記出力ブロックは歯車ブロックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式アクチュエータ。
【符号の説明】
【0028】
1 回転式アクチュエータ
10 固定ブロック
20 回転ドラム
23 軸
25 固定爪
26 トーションバネ(第1の付勢手段)
30 出力ブロック
33 歯車部
35 可動爪
36 板バネ(第2の付勢手段)
43 通電制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に固定爪及び可動爪のうちの一方が形成された回転ブロックと、
前記回転ブロックと同心的に配置され、当該回転ブロックとは独立して前記所定の軸を中心に回転可能に構成され、周面に前記固定爪及び可動爪のうちの他方が形成された出力ブロックと、
前記回転ブロックを初期位置に向けて付勢する第1の付勢手段と、
前記可動爪を前記固定爪に噛合しない方向に付勢する第2の付勢手段と、
通電制御手段と、
前記回転ブロックにおける前記所定の軸から離れた部分と当該回転ブロック及び前記歯車ブロック以外の固定部とに係合され、前記通電制御手段による通電によって前記第1の付勢手段の付勢力に抗して前記回転ブロックを前記所定の軸を中心に初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる第1の形状記憶合金と、
前記通電制御手段による通電によって前記第2の付勢手段の付勢力に抗して前記可動爪を前記固定爪に噛合する方向に移動させる第2の形状記憶合金とを備え、
前記第2の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記固定爪と前記可動爪とを噛合させ、その噛合させた状態で前記第1の形状記憶合金への通電に伴う収縮によって前記回転ブロックを初期位置から所定角度だけ強制的に一方向に回転させる工程を実行し、次に、前記第1の形状記憶合金及び前記第2の形状記憶合金の非通電に伴う伸長によって前記第1の付勢手段の付勢力により前記回転ブロックを初期位置に復帰させる工程を実行し、これらの工程をこの順に繰り返し実行することを特徴とする回転式アクチュエータ。
【請求項2】
前記回転ブロックに固定爪が形成され、前記出力ブロックに可動爪が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式アクチュエータ。
【請求項3】
前記出力ブロックは歯車ブロックであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−235550(P2012−235550A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100566(P2011−100566)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)