説明

回転式流し灯篭

【課題】 本発明は、ローソクなど単一のエネルギーで明かりと動力を得ることにより、自ら穏やかな回転をし、水面に浮く水蒸気駆動回転式流し灯篭を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも一本の金属パイプから成る略一巻きのコイル部を水面に浮く浮き台の中央の上部に載置し、ローソクなどの加熱手段をこのコイル部の下部になるようこの浮き台に載置して前記コイル部及びこのコイル部のカバーを下部より加熱し、この金属パイプの両端が同じ円周接線方向を向いた互いに180度に位置する排出口を前記浮き台の下面に形成する水蒸気駆動回転式流し灯篭を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水蒸気の動力により回転する流し灯篭に関すものである。
【背景技術】
【0002】
上面にローソクを立てて水面 に浮かせることができる紙製の底板と、その底板の上にローソクの外周部を囲って覆うように載置する同じく紙製の筒状体とから成る流し灯篭 において、その底板の上面中央部に紙製の燭台を設置するとともに、同じく底板の上面において上記燭台の周囲の複数箇所に上記筒状体の下端部をロックする紙製の鉤片を設けたことを特徴とするものであった。
【0003】
水面に浮かばない支持脚などによる固定式では、電球などの熱による上昇空気を利用してランプシェードを回転させる物があった。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3082007号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記流し灯篭においては、水流のままに流れ、これ自体が動くことが無く、また、固定式の場合の回転する構造では、電気を供給する手段が困難であり、また回転が不安定であり、故障も起き易い。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本考案は、従来例の以上の欠点を解消しようとするもので、機構が簡単で安価であり、水面に浮き、しかも動力源を熱源などにしているため明かりと動力源を1種類のエネルギーで行える水蒸気駆動による回転式流し灯篭を提供しようとするものである。浮き台の水側に設けた水蒸気を放出して推力と成す両端の排出口を持ち、更に加熱手段によりローソクなどで加熱されるコイル部を有する金属パイプからなる水蒸気エンジンを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本考案は、以下の作用効果が期待できる。
(イ)浮き台、金属パイプ、ローソクなどの加熱手段を基本構成とするため、構造が簡単であり、故障が無く、安価である。
(ロ)明かりと加熱で単一なエネルギーを一緒に使用するため、取扱いが容易である。
(ハ)画一的で機械的な動きで無く、生き物のような自然なリズム的な動きをするため、幻想的な雰囲気を醸し出す。
(ニ)水槽を用いれば、室内用に使用出来、幻想的な趣を演出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本考案は、一本の金属パイプから成る略一巻き以上のコイル部を水面に浮く浮き台の中央の上部に形成し、ローソクなどの加熱手段をこの浮き台の中央部上に載置して前記コイル部及びこのコイル部を覆っている多数の微細な穴を有するカバーを下部より加熱し、この金属パイプの両端が同じ円周接線方向を向いた互いに180度に位置する排出口を前記浮き台の下面に有する水蒸気駆動回転式流し灯篭を提供する。
【実施例1】
【0009】
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。図1、図2において、(1)は、中央部付近に重心を有し、この重心から等距離でしかも反対方向に位置する一対の穴を有する浮き台、(2)は、前記浮き台(1)の中央部に載置されるローソク、(3)は、前記ローソク(2)を囲って覆う前記浮き台(1)に載置されるランプシェード、(4)は、両端が前記浮き台(1)の一対の穴を介して貫通し同一円周上の接線の同じ方向に向いた一対の口(4a、4b)を有し、前記浮き台(1)の中央上部にコイル部を形成する金属パイプ、(5)は、このコイル部を覆うカバー、から成ることを特徴とする水蒸気駆動回転式流し灯篭。
次に使用法を説明する。
図1、図4において、水注入器(7)を片方の口(4a,又は4b)に差込み、金属パイプ(4)に水を注入し充満する。ローソク(2)に火を点け、金属パイプ(4)のコイル部及びカバー(5)を加熱する。前記コイル部の水が沸騰するほど加熱されると、金属パイプの両端の口(4a,4b)から水蒸気が噴出し、噴出し終わると次の瞬間一時的に負圧になるため水を吸込む、これを間歇的に繰返し、水蒸気の噴出の方が水の吸込みよりも運動量が多いので全体には両方の口から推力を発生し、偶力となり、浮き台(1)が回転する。
【実施例2】
【0010】
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。図1に示す1本の金属パイプを2本にした変形実施例を示す図5において、(4a)、(4b)は、前記浮き台(1)の中央上部にコイル部を形成する1本の金属パイプ(4)の両端が前記浮き台(1)の一対の穴を介して貫通し同一円周上の接線の同じ方向に向いた一対の排出口、(4a’)、(4b’)は、前記浮き台(1)の中央上部にコイル部を形成する他の1本の金属パイプ(4’)の両端が前記浮き台(1)の一対の穴を介して貫通し同一円周上の接線の同じ方向に向いた一対の排出口、これら4個の排出口は同一円周上の接線の同じ方向に向いている前記金属パイプの組合せを示す。
【実施例3】
【0011】
変形実施例を説明する。図6において、(1)は、中央部付近に重心を有し、この重心から等距離でしかも反対方向に位置する一対の穴を有する浮き台、(2)は、前記浮き台(1)の中央部に載置されるローソク、(3)は、前記ローソク(2)を囲って覆う前記浮き台(1)に載置されるランプシェード、(4)は、両端が前記浮き台(1)の一対の穴を介して貫通し水側に一対の排出口(4a、4b)を有し、前記浮き台(1)の中央上部にコイル部を形成する金属パイプ、(5)は、このコイル部を覆うカバー、(6a)は、前記排出口(4a)の前方に所定の傾斜を有して前記浮き台(1)に取り付けられている偏向板、同様に(6b)は、前記排出口(4b)の前方に所定の傾斜を有して前記浮き台(1)に取り付けられている偏向板、から成ることを特徴とする水蒸気駆動回転式流し灯篭。
【産業上の利用可能性】
【0012】
単に風の吹くまま、水の流れるままではなく、これ自体が生き物のように自ら回転することにより幻想的な明かりを提供する、深い演出効果を期待出来る流し灯篭である。また、ホテルなどのロビーで池に水を張ってこれらを必要数浮かべることにより今までに無い演出効果が期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】水蒸気駆動回転式流し灯篭の実施方法を示した正面図である。(実施例1)
【図2】図1を上方から見た図である。(実施例1)
【図3】多数の微小な穴を有するカバー(5)を示す図である。
【図4】注入器(7)を用いた金属パイプ(4)に水を注入する図である。
【図5】2対の金属パイプからなる変形実施例の図である。
【図6】偏向板(6)を有する変形実施例である。
【符号の説明】
【0014】
1 浮き台
2 ローソク
3 ランプシェード
4 金属パイプ
5 多数の微小な穴を有するカバー
6 偏向板
7 注入器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮き台(1)と、この浮き台(1)に載置され燃焼により加熱手段も有する明かり発生手段(2)と、この明かり発生手段(2)を囲って覆い前記浮き台(1)に載置されるランプシェード(3)から成る流し灯篭において、両端が前記浮き台(1)の水側に貫通して排出口を形成し、更にこの両排出口の方向軸が前記浮き台(1)の重心から外れ且つこの重心を中心とする円周上に対する方向軸の接線が同じ方向になるように取付けられている略一巻き以上のコイル部を形成してなる一本以上の金属パイプ(4)と、前記コイル部を加熱する明かり発生手段(2)と、からなる水蒸気駆動回転式流し灯篭
【請求項2】
浮き台(1)と、この浮き台(1)に載置され燃焼により加熱手段も有する明かり発生手段(2)と、この明かり発生手段(2)を囲って覆い前記浮き台(1)に載置されるランプシェード(3)から成る流し灯篭において、両端が前記浮き台(1)の水側に貫通して排出口を形成し、略一巻き以上のコイル部を形成してなる一本以上の金属パイプ(4)と、前記コイル部を加熱する明かり発生手段(2)と、この両排出口の方向軸上の前に位置してこの方向軸に対してある角度を有する前記浮き台(1)に取付けられた偏向板(6)からなる水蒸気駆動回転式流し灯篭
【請求項3】
請求項1、請求項2において、前記金属パイプ(4)のコイル部を覆うカバー(5)を有する水蒸気駆動回転式流し灯篭
【請求項4】
請求項3において、多数の微小な穴を有するカバー(5)からなる水蒸気駆動回転式流し灯篭

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−40795(P2006−40795A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−221696(P2004−221696)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(503031363)
【復代理人】
【識別番号】302064810
【氏名又は名称】原田 信太郎
【Fターム(参考)】