説明

回転式液圧装置および制御器

【課題】費用をかけず、セパレートチャージポンプを設けることなく、斜板を制御するアクチュエータに流体を供給し、効率向上及び応答性を向上させる。
【解決手段】可変容量液圧装置は、ケーシング内に配置された回転群と、横切って延びるケーシングに固定され、ケーシングの開口を密封する制御ハウジングとを有する。制御ハウジングは制御回路、および回転群に関するパラメータの変化を感知する1対のセンサを収容する。センサのうちの1つが、回転速度を感知するために回転群にバレルに隣接して配置され、その他が斜板の変位を感知する。制御ハウジングが、制御バルブ200、および制御バルブに流体を供給するアキュムレータ220を収容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液圧(hydraulic)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械的エネルギーを流体エネルギーに変換し、またその逆に変換するのに使用できる、多くの異なるタイプの液圧装置がある。そのような装置は、機械的なエネルギーが流体の流れに変換されるポンプ、または流体の流れに含まれるエネルギーが機械的なエネルギーに変換されるモータとして使用できる。いくつかのより高度な液圧装置は、可変容量装置、特に回転をピストンの軸方向の変位に変換し、またはその反対を行うために傾斜板を利用するものである。
【0003】
そのような装置は一般に、斜板ポンプまたは斜板モータと呼ばれ、それらは比較的高い圧力の下で、およびかなり流れの広い範囲にわたって流体を扱うことができる性質を有する。そのような機械の独自の利点は、それに課せられた、異なる条件に対して補償するための機械の容量を調整する能力を持つことである。
【0004】
しかし、斜板装置は、大きな流体的、および機械的な力に耐えるように製造する必要のある、回転および往復運動要素を備え、機械的に比較的複雑なものである。これらの制約は、機械的な流体的な損失による効率の低下を招き、機械的な非効率および要求される構成要素の寸法および質量による制御分解能の低下を招き、また製造が複雑なことにより装置を比較的高価にする。
【0005】
可変容量装置として使用する場合、斜板は、位置、移動量、または加えられる力のいずれかの、装置の構成要素の所望の動作を達成するように調節される。
【0006】
斜板の移動は通常、斜板上の圧縮ばねによって作動するアクチュエータに流体を供給するバルブによって制御される。バルブに対する制御信号は、セット制御装置および一般に、感知されたパラメータによって提供されるフィードバックから生成される。その最も単純な形式では、フィードバックはオペレータによって提供され、そのオペレータは単にバルブを開閉して、構成要素の所望の移動または位置決めを遂行する。しかし、より高度な制御では、予め選定されたパラメータを感知し、バルブ・制御装置にフィードバック信号を提供する。バルブ制御装置は、機械式、液圧式であることができるが、より一般的には、行われる制御機能においてより多くの機能性をもたらす電子式であることができる。
【0007】
斜板の制御は、感知されたパラメータの変化に対するシステムの応答によって広範囲に決定される。効果的な応答を得るために、バルブは常時、斜板を制御するアクチュエータに、圧力下にある流体を供給することができる必要がある。しかし同時に、装置に、または装置によって送出される流体の圧力は変化し、したがって最適の状態の圧力の供給源が得られない可能性がある。加圧流体を提供する一般的な技術は、セパレートチャージポンプの使用であるがこれは費用がかかり効率的でない。
【0008】
装置の応答は、その動作中に機械に存在する機械的な、および流体的な損失にも依存する。機械的に効率的でない装置は、装置の負荷が変化し、動的および静的な動作特性が大きく異なる可能性があり、その結果、応答が予測しにくくなるので、一貫した応答にならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は上記の欠点を取り除き、または軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの態様によれば、ハウジングと、ハウジング内に配置された回転群(rotating group)を有する回転液圧装置が提供される。回転群は、それぞれのシリンダ内で摺動可能なピストンの間に形成される複数の可変容量チャンバを備える。ピストンは、チャンバの容積を変えるためにバレルの回転時にシリンダに対して変位可能であり、それによって、回転群が回転すると入口ポートから出口ポートにチャンバを通る流体の流れを起こす。調整アセンブリは、シリンダ内のピストン行程を調整するために回転群上で動作可能なアクチュエータを備え、それによって、装置の容量を調整する。流体の供給がアクチュエータにもたらされ、制御バルブが流体供給部とアクチュエータの間に差し込まれて、アクチュエータへの流れを制御する。流体の供給は加圧流体の供給源、および供給源からの加圧流体を蓄積するための液圧アキュムレータを備える。アキュムレータと供給源の間にチェックバルブが配置されて、前記供給源で圧力が前記アキュムレータの圧力より下に低下したとき、アキュムレータから供給源への流れを防止する。
【0011】
好ましくは、制御バルブは閉心バルブであり、アクチュエータに、およびアクチュエータから流れるのが防止される中央位置から、アクチュエータにアキュムレータから流れることができるようにする第1の位置、およびアクチュエータからドレンに流れることができるようにする第2の位置に動作可能である。
【0012】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】液圧装置の側面図である。
【図2】図1の液圧装置の上面図である。
【図3】図2の線III-IIIでの図である。
【図4】図1の線IV-IVでの図である。
【図5】図3および図4に示された装置の回転構成要素の斜視図である。
【図6】図5に示された構成要素の分解斜視図である。
【図7】図3に示されたアセンブリの部分的に断面になった正面斜視図である。
【図8】図3の矢印VIII-VIIIの方向の装置の一部分の斜視図である。
【図9】図4で円A内に示された装置の部分の拡大図である。
【図10】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図10a】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図10b】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図10c】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図10d】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図10e】図4および図5の機械に使用される1組の構成要素のアセンブリの概略図である。
【図11】図1の線XI-XIでの図である。
【図12】図1の線XII-XIIでの上面図である。
【図13】図4および図5に示される装置の構成要素の別の位置を示す、図12と同様の図である。
【図14】図1の線XIV-XIVでの図である。
【図15】図3の線XV-XVでの断面図である。
【図16】図15の線XVI-XVIでの図である。
【図17】図1から図16に示される構成要素の動作を示す概略の流体回路図である。
【図18】図10に概略で示される構成要素を組み立てるのに使用される工具を貫通した断面図である。
【図19】図18に示される工具の一部分の詳細図である。
【図20】図10に示される構成要素を組み立てるのに使用される別の工具の平面図である。
【図21】装置の別の実施形態の図4と同様の図である。
【図22】図4の実施形態に使用されるポートプレートの正面図である。
【図23】図22のポートプレートの側面図である。
【図24】図23のポートプレートの背面図である。
【図25】図22の線XXV-XXVでの断面図である。
【図26A】図22のポートプレートを横切るシリンダの順次の移動を示す図である。
【図26B】図22のポートプレートを横切るシリンダの順次の移動を示す図である。
【図26C】図22のポートプレートを横切るシリンダの順次の移動を示す図である。
【図26D】図22のポートプレートを横切るシリンダの順次の移動を示す図である。
【図27】ポートプレートの別の実施形態の分解斜視図である。
【図28】図27のポートプレートの背部斜視図である。
【図29】図27のポートプレートの正面図である。
【図30】図29の線XXX-XXXでの断面図である。
【図31】図29の線XXXI-XXXIでの断面図である。
【図32】図29の線XXXII-XXXIIでの断面図である。
【図33】斜板の別の実施形態の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1から図4を参照すると、液圧装置10は、ケーシング14から形成されたハウジング12、端部プレート16、および制御ハウジング18を備える。ケーシング14はその上側に開口15と、開口15の周りの平面の密封表面17を備える。制御ハウジング18は、開口15を横切って延び、ケーシング14に固定された下側表面19を有する。制御ハウジング18、端部プレート16、およびケーシング14は、内部キャビティ20を形成し、その中に装置10の回転群22が配置される。
【0015】
図3、図4、図5および図6で理解されるように、回転群22は、転がり軸受アセンブリ26上のケーシング14に回転式に支持され、シールアセンブリ28によって密封された駆動シャフト24を備える。駆動シャフト24の一端は、ケーシングから突出し、駆動または被駆動構成要素(図示されない)、たとえば、エンジン、電気モータ、またはホイールアセンブリに連結するためのキー30の形の駆動カプリングを備える。駆動シャフト24の反対側の端部32は、端部プレート16のボア36内に配置された転がり軸受34内に支持されている。したがってシャフト24は、ハウジング12の長手方向の軸A−Aに沿って自由に回転できる。
【0016】
バレル40は、シャフト24に形成されたキーウェイ44に配置されたキー42によってシャフト24に固定されている。バレル40は同様に、バレル40がシャフト24を軸方向に摺動し、駆動シャフト24に形成された肩部48に当接できるようにするキーウェイ46を有する。バレル40は、シャフト24の軸の周りに均一の間隔で配置され、対向した端面52,54の間に延びる1組の軸方向のボア50を備えている。図9でより詳細に理解できるように、各ボア50は下記により詳細に説明されるピストンアセンブリ58用の滑り軸受を提供するために銅製のスリーブ56によってライニングされている。
【0017】
歯付きリング60が端面52に隣接してバレル40の外面に固定されている。歯付きリング60は、それぞれが四角の区画を備え、バレル40に締まり嵌めする均一の間隔で配置された1組の歯62を有する。バレル40はアルミニウムから形成され、歯付きリング60は磁性体から形成される。バレル40は、歯62がバレル40の周囲の表面から径方向に突出するように、リング60に隣接して縮小した直径を有する。
【0018】
ポートプレート64が端面54に隣接して配置され、バレル40のボア50に対応する位置に一連のポート66を有する。ポートプレート64はバレル40と端部プレート16の間に配置され、コイルばね68および円錐ワッシャ70によって付勢されて端部プレート16と係合する。コイルばね68は、プレート64の径方向外側部分を付勢して、端部プレート16と係合させるために、バレル40の径方向外側の位置で、隣接するボア50の間に配置される。図9でより明白に理解されるように、円錐ワッシャ70は、バレル40の径方向内側部分に配置され、その径方向外側端部は、ポートプレート64に形成された凹部72に受けられて、内側部分を端部プレート16に押し付ける。したがって、ポートプレート64は、バレル40に対して軸方向に自由に浮動することができる。
【0019】
ボア50とポート66の間に流体の移送をもたらすために、環状のスリーブ74が各ボア50の内側に配置され、Oリング76によって密封される。スリーブ74の両側の端部は、図9で最も良く分かるように、ポート66の円形の凹部67に受けられ、スリーブ74に設けられた肩部68によって軸方向に配置される。したがって、液密の密封がバレル40とポートプレート64の間に設けられる。ポート66は、端部プレート16に形成された導管78,79と協働するために、ボア50に面する円形の断面から弓形のスロットに円滑に変形する。
【0020】
図8で最も容易に理解されるように、端部プレート16はボア36の周りに配置された一対のキドニポート80,82を有する。キドニポート80,82は、それぞれボア50に入りそこから出て行く流体に圧力およびサクション導管78,79を連結する。端部プレート16は、端部プレート16から直立し、シャフト24の軸の周りの同心円状のバンドに形成された1組の径方向の溝86を有する円形の軸受面84を有する。溝86は、ポートプレート64と面84の間に相対的な回転を円滑化しながら密封を維持するために、ポートプレート64と軸受面84の間に動的流体軸受を提供する。
【0021】
再び図4から図9を参照すると、各ピストンアセンブリ58は、それぞれのスリーブ56内で軸方向に摺動可能であり、玉継手94によって相互連結された管状のピストン90およびスリッパ92とを備える。ピストン90は加熱処理されたチューブから形成され、スリーブ56内に円滑に滑り嵌めされるような直径に研磨される。図10でより詳細に理解されるようにピストン90の一端96の外面は、98で示されるように肉薄にされ、部分的に球面のキャビティ100が端部96の内壁に形成される。キャビティ100は、貫通ボア104を備える球102を受けるような寸法にされている。キャビティ100は、内壁が球102の均分円を超えて広がるように、球102の半径よりも大きな軸方向深さを有する。球102のボア104は、その内側端部で増加された直径をもたらすために106で示されるように段差を付けられる。
【0022】
109で示される、ピストンアセンブリ58の形成の第1のステップ中に、球102は、ボア104がほぼピストン90の軸と一直線上になってキャビティ100に挿入される。球102をキャビティ100に保持するために、端部96でピストン90の肉薄にされた区画98は、図10(b)に示された球100の周りで加圧変形される。
【0023】
心棒110および基部112を有するスリッパ92がボア104に挿入される(ステップ(c))。通路114が、ピストン90の内部と基部112に形成された凹部116との間を連通するために、心棒110を貫通して形成される。スリッパ92はステップ(d)に示されるように、心棒110の端部を加圧変形させることによって球102に固定され、そうしてステップ106によって固定される。
【0024】
スリッパを球に固定した後に、図10eに矢印Fによって示されるように、球102とキャビティ100の間に小さな隙間を与えるように均分円上の材料を変位させる効果を有する径方向の力が球の均分円に加えられる。この隙間は、ピストンの内部から効果的な密封を維持しながら、玉継手94をキャビティ100内で円滑に回転できるようにする。
【0025】
図10に示される過程は、図18、図19および図20に示される工具セットを使用して便利に行われることが可能である。工具セット120は、固定ダイ122および可動ダイ124を有する。固定ダイ122は、基部プレート126に固定され、ピストン90が配置された中央ピン128を有する。支持スリーブ130は、薄肉部98に隣接するピストン90の上端部を支持する。ピン128は同時に、球102のボア104内に延出することによって球102も整列させる。
【0026】
可動ダイ124は、端部96を係合するような寸法にされた部分的に球面の凹部132を備えて形成され、それを球102の周りに形成する。可動ダイは、工具セット120が装着されたプレスの動作によって送られて、球102と係合することができる。
【0027】
形成後に、ピストンアセンブリ58は図20に示される3ディスクダイ134に挿入される。3ディスクダイは、外面98と点接触を形成するためにピストンアセンブリ58の端部96の周面の周りに配置された1対の駆動ローラ135およびアイドラローラ136を有する。アイドラローラ136は、ローラ136に一定の力を加える液圧シリンダ137によって径方向通路に沿って移動可能である。ローラの進みは、球102の均分円を囲む材料がキャビティ内で球の自由な動きをもたらすように十分に変位されるまで流量制御バルブ138によって制御される。
【0028】
図4、図5および図6を再び参照すると、スリッパ92の基部112は、ハウジング14内に支持された斜板アセンブリ140に係合する。斜板アセンブリ140は、ほぼ平面の前面144と弓形の背面146を有する半円筒形の斜板142を備える。平面の前面144は、スリッパ92がそれに受け止められる重ねプレート150を受けるための凹部148を有する。スリッパ92は、ピストンアセンブリ58がそこを貫通して突出する穴154を有する保持器152によってプレート150に対して保持される。穴154は、スリッパ92の基部112の外周を係合するような寸法にされ、平面150に対する軸方向移動を防止する。保持器152は、斜板142の前面144に固定された1対のC形状のクランプ156によって軸方向に配置されている。したがって基部112は、バレルが駆動シャフト24によって回転されるとプレート150の重ね面に受け止められる。
【0029】
斜板142の背面146は、端部プレート16に対向するケーシング14の相補形に湾曲した表面158に支持される。背面146は、面146と表面158の間の摩擦を低減するためにポリマーによって被覆されている。適切なポリマー被覆は、商標名CORVELとしてRohm & Haasから入手可能なものなどのタイプ11のポリアミド樹脂から形成されるナイロン被覆である。A70000シリーズが適切であることが分かったが、その他の等級が動作環境に応じて利用できる。面146に堆積させた後、被覆は約0.040インチの均一な厚さに研磨される。あるいは、面146を硬化させ、TEFLON(登録商標)被覆を行うことで十分であることが分かっている。
【0030】
図7で分かるように、1対の溝160,162がそれぞれ背面146に形成され、1対の閉じたキャビティを提供するために面146の直線状縁部の前に終端する。溝160,162は、ほぼ端部プレート16に形成されるキドニポート80,82と位置合わせされ、圧力導管と位置合わせされた溝160の幅は、サクション導管と位置合わせされた溝162の幅より大きいことに留意されたい。流体が、それぞれケーシング14に形成された内側の通路164,166を通って溝160,162に供給される。通路を通る流れは、一定の流体の流れを溝160,162に供給する1対の圧力補償流量制御バルブ168によって制御される。したがって、表面158に対して背面146に関する流体軸受を提供し、溝160,162は斜板142の回転動作を円滑化する。
【0031】
斜板142のその回転軸の周りでの調整は、ケーシング14にそれぞれ配置された1対のアクチュエータ170,172によって制御される。図5および図11に最も明白に示されるように、各アクチュエータ170,172は、ピストン176がその中で摺動するシリンダ174を備える。各シリンダ174は、ケーシング14に形成されるボア178内に受けられ、端部プレート16から延出してキャビティ20に入る。シリンダ174は、シリンダをケーシング14に固定するためにボア178の雌ねじと係合する雄ねじ180を有する。端部プレート16(図8)は、ピストン176の端部に重なって嵌合する1対の凹部192を有する。ケーシング14に配置された自立型アクチュエータ170,172は、ハウジング12を欠陥なく維持するために、アクチュエータ170によって生成された軸方向の負荷が、端部プレート16とケーシング14の間の接合部にわたってではなくケーシング14にかけられるようにする。組み立て中のシリンダ174の歪みを回避するために、シリンダ174を2つの構成要素として、すなわち肩部によってボア178内に配置される本体174aと、ねじ180を担持するエンドキャップ174bとして形成することが好ましいことが分かった。キャップ174bは、ボア178内に本体174aを保持するために本体の端部に受け止められる。
【0032】
シリンダ174は、ハウジング14の内部通路183(図12)を通って供給される流体が、シリンダ174の内部に、または内部から流れることができるようにするクロスドリリング(cross drilling)182を設けている。ばね184は、シリンダ174とピストン176の間で作用し、それを外側に付勢して斜板アセンブリ140と係合する。好ましくは、アクチュエータ170,172に流体がない場合に斜板が最大の突き当たり位置に付勢されるように、ばね184の1つは、その他のものより大きな軸方向の力を有する。
【0033】
アクチュエータ170,172は、バレル140を覆って外側に突出する斜板142の馬蹄鉄型拡張部分186に受け止められる。拡張部分186は、その中に円筒形のピン190が配置される対向する端部に1対の部分的に円筒形のキャビティ188を有する。キャビティ188は、ピン190の外面が斜板の回転軸を通過する線に対して接線方向にあるように配置されている。ピストン176の端面は、斜板の位置を制御するために、ピン190の外面に係合する。
【0034】
図13に示すように、アクチュエータ170,172のうちの1方のピストン176の延出部分は、ケーシング14の斜板アセンブリ140の回転を誘発し、対応するアクチュエータ170,172の他方の後退を生じる。アセンブリ140は湾曲した表面158の上を摺動し、アセンブリ140が回転すると、ピン190は、ピストン170の端面と接触を維持する。斜板アセンブリの共通の直径上のピン190の位置は、調整中に摩擦を低減するために、摺動ではなくローリング動作がピストン176の端面間にもたらされるようにする。図13で理解できるように、アクチュエータ170,172は、ニュートラル、すなわち、この動作範囲では、ローリング接触を伴う突き当たりが全くない位置の両側で回転の全範囲をもたらすように配置される。
【0035】
アクチュエータ170,172への流れは、制御ハウジング18内に配置された図14の制御バルブ200によって制御される。制御バルブ200は、バルブに流れが全く通ることができない中央位置を有する、ソレノイド操作されるスプールバルブである。スプールは、アクチュエータの一方に圧力を加え、他方のアクチュエータにドレンを連結するために中央位置のどちらの側にも移動できる。制御ハウジング18は、図3、図15、図16により詳細に示され、基部192から延出する外周のスカート部191を有する。1対のボア193,194は、それぞれ制御バルブ200およびアキュムレータ220を受けるために基部192を貫通して延びる。流体が内部供給ギャラリ195によってボア193,194に供給され、ドレンギャラリ196がボア193とケーシング12のキャビティ20との間に連結される。内部ギャラリ197,198は、ボア193と、アクチュエータ170,172に連結された内部通路183との間も連通する。以下に説明するように、バルブ200は内部供給ギャラリ196からアクチュエータおよびドレンへの流れを制御する。
【0036】
制御バルブ200によって制御される流体の流れは、圧力導管78から得られ、制御バルブ200に隣接する制御ハウジング18のボア194内に配置されたアキュムレータ220を通って供給される。図14に示されるアキュムレータは、シリンダ224内で摺動可能なピストン222を備え、ばね226によって最小の容積に偏らされる。ピストン222はシール223を有し、シリンダ224内でピストン222の変位を制限する制止部228を担持する。ピストン222は、シール223の挿入を円滑化するために2つの片に形成できる。ばね226と組み合わされた制止部228は、アキュムレータ220用に最大限に蓄積された圧力を効果的に確立する。供給ギャラリ195は、枝導管227を通ってシリンダ224の内部に延び、ハウジング14の内部ボア232内に配置されたチェックバルブ230を通って圧力導管78と連結されている。チェックバルブ230は、アキュムレータ220の圧力流体が保持され、導管78に供給された圧力が変動すると、制御流体がバルブ200に利用可能になるようにする。供給ギャラリ195は、軸受160,162に一定の流体が流れるようにするために、圧力補償流量制御バルブ168にも連結される。
【0037】
バルブ200に制御信号を提供するために、ブロック202が馬蹄鉄型拡張部分186内で斜板142に固定され、平面の表面204を表す。位置センサ206が、斜板アセンブリ140の配置を示す信号を提供するために、斜板アセンブリ140の回転軸に対して偏心して平面の表面204に係合する。位置センサ206は、制御ハウジング18から下方に延びる感知ブロック210内で摺動可能なピン208を備える。ピン208は、非磁性であるようにステンレス鋼から形成され、その内側端部に挿入される磁石212を有する。感知ブロック210は垂直ボア215にホール効果センサ214を収容し、ボアは、オイルがキャビティ20から制御ハウジング18に移動するのを防止するように密封される。センサ214は、ピン208がブロック210内で軸方向に移動すると変化する信号を提供する。したがってホール効果センサは、斜板がアクチュエータ170,172によって回転されると変化する位置信号を提供する。
【0038】
感知ブロック210は、ブロック210を通って歯付きリング60に隣接して配置されるノーズ219に延びるボア217内に配置される、別のホール効果センサ216も担持する。センサ216はボア217に封入され、信号の周波数がバレル22の回転速度の表示であるように、歯62がそれを通過すると変動信号を提供する。ホール効果センサ214および216から得られた制御信号は、制御ハウジング18内に配置された制御回路基板218に供給される。手動制御からの設定信号、装置内の流体の温度を示す温度信号、および圧力導管78の流体の圧力を示す圧力信号などの別の入力信号は、導管78,80に配置され、または隣接したトランスデューサから得られる。入力信号は制御回路基板218にも供給され、その基板は、それに供給される1つまたは複数の設定、圧力、温度、および流れ信号を使用する制御アルゴリズムを実施する。制御回路基板216からの出力は制御バルブ200に提供され、その制御バルブは受け取られた制御信号に応答してアクチュエータ171,172に、またはそこからの流れを制御するように動作可能である。
【0039】
次に、装置10の動作を説明する。この説明では、装置は電気モータまたは内燃機関などの原動機によって駆動されるシャフト24と共にポンプとして機能することが想定されている。まず、ばねの付勢は、斜板140を最大行程の位置に移動させ、アキュムレータ220の流体は流量制御バルブ168を通って吐出される。シャフト24およびバレル40の回転は、流体を圧力ポート78内に吐出させるために、スリッパ92が重ねプレート150の間を移動すると、ピストン58の全行程で往復運動させる。流体は、制御バルブ200に流体を送りアキュムレータ220を充填するために、チェックバルブ230を通して供給ギャラリ195に送出される。
【0040】
その初期の状態では、制御は、斜板アセンブリ140を中立または全く流れない位置に移動するように設定される。したがって、流体が制御バルブ200に供給されると、流体がアクチュエータ170に送られて、斜板140を中立位置に移動させる。斜板が中立位置に向かって移動すると、ピストンセンサ206のピン208が移動に追従し、基板218に送られる位置信号を調整する。中立位置に到達すると同時に、アクチュエータ170への流れはバルブ200によって止められる。この位置では、バレル22は回転しているが、ピストンアセンブリ58はバレル内で往復運動していない。アキュムレータ220はギャラリ195を通って流量制御バルブ168に、および制御バルブ200に供給するのを維持するために充填される。
【0041】
初期化後に、回路基板218は、流体が圧力ポート78に供給される位置に斜板アセンブリ140が移動したことを示す信号を受け取る。信号は、手動オペレータなどの設定信号から、または圧力感知信号から生成可能であり、バルブ200に供給される制御信号になることができる。バルブ200は、それがアクチュエータ170に流体を供給する位置に移動され、アクチュエータ172からの流体がサンプに流れることができるようにする。流体をアクチュエータ170に供給すると、ピストン176が延出し、ピン190に受け止められる。ピストン176に加えられた内部圧力が、斜板アセンブリ140を回転させ、それに伴って表面146が表面158を横切って摺動させる。圧力が圧力ポート78に送出される時まで、加圧流体は回転を誘発するために、アキュムレータ220から制御バルブを通ってアクチュエータ170の内部に供給される。斜板アセンブリがその軸の周りで回転されると、スリッパ92が重ねプレート150に保持され、ピストン90の行程が増加する。したがって、ピストンがバレルから外側に移動すると、流体が引かれて、サクションポート69を通って、キドニポート82を通過して、ピストンに入る。連続した回転がピストンを移動して圧力ポート78と整列させ、ピストン90がバレル内に移動するとシリンダから流体を排出する。ポート78に供給された圧力は、アキュムレータ220を再補充するために内部供給ギャラリ195にも送出される。
【0042】
斜板が回転すると、ピン208が平面の表面204の移動に追従し、バレルアセンブリ22の容量を示すフィードバック信号を提供する。歯付きリング60からの信号は、回転を示すフィードバック信号も提供し、そうすることでピン208からの信号とリング60からの信号との組み合わせがポンプからの流量を計算するのに使用することができるようになる。設定信号が流れ制御信号である場合、必要とされる流れが達成された後に、速度と位置の組み合わせが設定信号を相殺し、バルブ200を中立位置に戻すのに使用される。同様に、設定信号が圧力信号を示す場合、ポート78の圧力が監視され、設定圧力が得られると同時にバルブが中立に戻される。
【0043】
斜板142が調整されると、斜板の背面146の溝160,162に入る流体の流れは、斜板のための一定の支持が維持されるように制御バルブ168の流れによって制御される。同様に、ポートプレート64がばね68,70の作用によって端面に保持されて、バレルアセンブリ40に入り、そこから出る流体の通路に対して液密の密封を維持する。
【0044】
加圧流体がポート78に送出される位置への斜板の移動は、アキュムレータ220を再充填し、それと同時にアクチュエータ170および172、ならびに溝160,162に流れを供給する。斜板アセンブリ140が中立位置に戻されると、アキュムレータ220内の加圧流体は、制御機能をもたらし、斜板142の均衡を維持するのに十分である。
【0045】
斜板142の調整中に、ピストン176の端面を横切るピン190の回転動作はさらに、斜板140に加えられる摩擦力を最小限に抑え、それによって、加えられる必要のある制御力を低下させる。
【0046】
玉継手94をスリッパの一部として提供することによってスリッパにかけられる力が最小限に抑えられ、使用可能な調整の角度が増加して、使用可能なフォローレート(follow rates)の範囲を向上させることも理解される。
【0047】
斜板140の全ての移動がピン208によって追従され、回転速度の変化がピックアップ216によって感知されて、制御基板218が制御パラメータの調整を提供することができるようにする。制御機能がハウジング18に回転構成要素とは別に配置され、それによって制御基板218とそれに関連する電気回路がその動作に悪影響を与える可能性のある液圧流体に曝されないようにすることも留意されたい。
【0048】
シャフト24にキー42を備えることは、シャフトとバレルの間の相対的な回転を防止し、したがって、そうでない場合、一般的なスプライン連結によって起こる発振およびフレッティングを軽減する。バレルとポートプレート64との間の位置合わせ不良は、シャフトへのキー付きの連結が可能なように、ばね68,70によってポートプレート64に加えられるばね付勢により調整される。
【0049】
吐出システムの圧力がアキュムレータの設定値より低下した場合、制御信号の変化への応答を向上させるために、アキュムレータが制御バルブ200に加圧流体の供給を行う。
【0050】
装置10がモータとして利用される場合、ピン208が斜板の移動に中立状態のどちらの側にも追従するように動作可能であり、したがって、負荷を駆動するのに使用される出力シャフト24の可逆性を提供することが理解される。そのような動作の間に、ライン78は低圧になるが、アキュムレータ220が斜板の制御を維持するために制御バルブ200に流体を供給する。
【0051】
上記の実施形態では、ポートプレートが端部プレートに対して付勢され、バレル40に対して浮動する。別の実施形態が図21から図26に示され、そこでは同様の構成要素が、明確にするために加えられた添え字「a」を伴って同様の参照番号によって表されている。
【0052】
図21から図26に示された装置では、ポートプレート64aが、端部プレート16aに対して浮動するように、また、バレル40aとポートプレート64aの間で相対回転が起こるように配置される。ポートプレート64aは付勢されて、カウンタボア68a内に受けられるばね68aによってバレル40aと密封係合する。このようにして、バレルと端部プレートの間の軽度の位置合わせ不良が調整される。カウンタボア68aは、軸方向の移動を受け入れ、Oリング76aを使用して密封を維持するスリーブ74aによって端部プレート16aに密封されている。
【0053】
図22から理解できるように、ポートプレート64aは、1対のキドニ形のポート300,302を有する。ポート300はプレート64aの正面306から窪んだ中央のウェブ304を伴ってプレート64aを通って延びる。図24に示されるような背面308は、プレート64aと端部壁16aの間の隙間を提供するように310で示されるようにアンダカットされる。
【0054】
ポート302はプレート64aを部分的に通って延出し、背面308から延出する3つの圧力ポート312によって横断される。各ポート312はスリーブ74aを受けるように構成され、そのスリーブは、プレート64aと端面16aの間の密封された連通を提供するために端面16aの相補形凹部に係合する。
【0055】
限定されたオリフィス314が貫通して前面306に延びるように、カウンタボア68aの内側端部に形成される。オリフィスは、カウンタボア68a内でスリーブ74aによって形成されたチャンバへの制限されたアクセスをもたらし、キドニポート300,302の間に配置される。V字型ノッチ316が前面306に形成され、キドニポート302の前縁に向かって幅と深さを次第に増加させる。
【0056】
動作の際には、プレート64aの前面306は、バレル40aの端面に押し付けられる。ボア50aは、キドニポート300,302と同じ半径で配置され、したがってバレル40が回転するとポートプレートの上を連続的に通過する。ボア50aがポート300を横切ると、流体がシリンダに誘導される。同様に、ボア50aがポート302を移動すると、流体がシリンダから排出され、スリーブ74aを通って圧力導管78aに送られる。この回転の間、面306は、ばね68aによってバレル40aに保持されて、効果的な密封を維持する。
【0057】
ポート300,302の隣接する端部は、ボア50aの直径よりも大きな距離で離隔されていることに留意されたい。これは図26aに示され、そこではバレル40aの特定の位置にあるボアの配置が示される。鎖線で示されたボア50aは、下死点すなわちシリンダの最大容積のところをちょうど通過し、流体を排出するために軸方向に移動し始めているピストンと関連付けられている。しかし、ピストンの移動の比率は誘起された移動の正弦曲線の性質により比較的小さい。図26Aに示された位置では、シリンダは入口ポート300の終端部をちょうど通過したところであるが、ボア端部とポート302の終縁部との間に形成された小さなランド部は、ピストンから低圧ポート300内に少し漏れがあるようになっている。オリフィス314は、シリンダ内に配置されていることが図26Aからも分かる。
【0058】
図26Bに示されるようにバレルが回転し続けると、ボアがオリフィス314上の中央の位置に合わされ、ピストンの制限された移動が、流体および構成要素の圧縮によりチャンバ68a内に受け入れられる。また、動作の正弦曲線的な性質により、回転のこの部分の間に軸方向変位が最小限に抑えられる。バレル40aのさらなる回転は、ボア50aを図26cに示される位置にもって行き、その位置では、ボアはノッチ316に部分的に重なり、したがってシリンダ内の流体は高圧のキドニポート302内に排出される。先細にされたノッチ316の寸法は、オイルが次第にポート302に入ることができるようにして、急激な移行を回避し、したがって雑音の可能性を低減する。このときシリンダは、ボア68aとなお連通し、そのボア内の高圧流体は、オリフィス314を通って圧力ポート302内に排出できる。
【0059】
図26Dに示されるような連続した回転は、キドニポート302に部分的に重なり始め、圧力導管78aへの制限されないアクセスを有するようにボア50aを移動させる。
【0060】
同様に、ボア50aは、入口ポート300から圧力ポート302に移動すると、図26Aに50a’で示された円周方向に間隔を置いて配置されたボアは、高圧キドニポート302からサクションポートに移動する。図26Aから理解できるように、ピストンが上死点に近づくにつれ、それが図26Cに示される位置に移動してオリフィス314と連通するまで、高圧ポートとの連通は次第に低減される。また、ピストンは、上死点を通過すると軸方向移動の最小比率になり、流体の連続する変位がチャンバ68a内に受け入れられることができる。図26Dに示される位置では、ピストンは上死点を過ぎ、下死点に向かって移動している。しかしこの位置では、低圧のキドニポート300と連通せず、キャビテーションを回避するため、チャンバ68a内の残留圧がシリンダ内の流体を再補充する。バレルが回転し続けると、シリンダは低圧ポートと連通され、流体はシリンダ内に引き込まれる。
【0061】
したがって、バレル40aが回転するとピストンは交互に圧力および区画ポート302,300に連結され、ポートの間隔は、高圧と低圧のチャンバの間の漏れを防止するようになっていることが理解される。バランシングチャンバ68aを伴った、限定されたオリフィス314を備えることは、ピストンが下死点または上死点を過ぎると容積の小さな変化を受け入れ、それと同時にポートプレートをバレル40aの端部に維持するバランス力を提供する。アンダカット310は、装置の効率を向上させ、キャビテーションを防止するため、比較的制限されないシリンダ内への流体の進入をもたらす。
【0062】
図21から図26に示されるものと同様なポートプレートの別の実施形態が図27から図32に示され、その図では同様の参照番号が、明確にするために加えられた添え字bを伴って同様の構成要素を識別するために利用される。
【0063】
図27から図32の装置では、ポートプレート64bが端部プレート16bに対して浮動し、また図21から図26に対して上記に説明したように、相対的な回転がバレル40bとポートプレート64bの間で起こるように配置される。ポートプレート64bは、1対のキドニ形のポート300b,302bを有する。ポート300bは、中央のウェブ304bがプレート64bの前面306bから窪んだ状態でプレート64bを貫通して延びる。流体動力軸受320が、バレル40bの端面とかみ合うために前面306bの外周に形成される。ポート302bは、前面306bからプレート64bを部分的に貫通して延び、図28で最も良く理解できる背面308bから延出する圧力ポート312bによって横断されている。
【0064】
背面308bは、それぞれポート300b,302bの表面の周りに延出する1対の直立壁322,324を有する。溝326,328は、それぞれの密封リング330,332を受けるために、それぞれの壁322,324に設けられている。径方向の肩部334が背面308bに形成され、端部プレート16bの前面に設けられたボア336内に滑り嵌めされる。サークリップ338がボア336内に形成される溝と協働して、ボア336内にポートプレート64aを保持する。
【0065】
キドニ形の入口および出口ダクト340,342がそれぞれボア336の基部に設けられ、壁がダクト340,342内に配置できるように壁322,324に対して相補形になっている。ダクト340,342は、従来のように流体を回転群に供給し、流体を回転群から給送するために、入口導管および出口導管(図示されない)と連通する。密封リング330,332は、制限された軸方向移動を受け入れながら、壁322,324とそのそれぞれのダクト340,342との間の液密の嵌合を確かなものとする。
【0066】
ポートプレート64bは、ばね68bによって端部プレート16bから離れるように付勢されている。ばね68bは、ダクト340,342内に収容され、バレル内で流体の圧力によって生成された力に対して必要な付勢を行うように端面308に対して作用する。バランシングチャンバは、スリーブ74bによってプレート64b上の直径上で対向する位置で形成される。図31で最も良く理解されるように、スリーブ74bはプレート64bのカウンタボア344内に収容される。限定されたオリフィス314bは、カウンタボア344を前面306bと連結する。スリーブ74bは、カウンタボア344内で軸方向に移動可能であり、スリーブ74bの周辺でOリングによって密封されている。バランシングチャンバは移行を受け入れるために、圧力ポートとサクションポートの間のクロスオーバー部に配置されている。
【0067】
動作は図21から図26に対して上述したものと同様である。ポートプレート64bとバレルの間の効果的な密封を維持するために、凹部342の面積は、一般には2から5%大きい範囲内で、3%の場合が好ましく、ポート302bよりも僅かに大きな有効面積を有するように選択される。したがって、加圧流体からの正の付勢がばね68bの作用を補うように与えられ、ポートプレートとバレルの間の密封を維持する。装置が全く回転せずに圧力の下に維持された場合、圧力流体がポートプレートとバレルの間でクリープを起こし密封表面を分離させる傾向があることが分かった。ポートに対して拡大された面積を備えることは、天井効果を維持するためにポートプレートに対してバレルの回転なしでも正の付勢を与える。バレルとポートプレートの面の間に完全な密封が想定される場合、25%の面積の差が好ましいことが分かった。実際には、このような面積の差は、ポートの縁での不可避の圧力勾配と結びついた場合、効果的な密封を維持するために3%程度の効果的な差を生み出す。
【0068】
斜板の別の実施形態が図33に示され、その中では、同様の構成要素が同様の参照番号によって表され、明確にするために添え字「a」が加えられている。上述した図7の実施形態では、ピストンを高圧で負荷するために増加された負荷容量をもたらすように、溝160,162がキドニポート80,82と位置合わせされる。
【0069】
図33の実施形態では、溝160a,162aは、キドニポート80,82をブリッジするような方向に延び、かけられた負荷を受け入れるように変化する面積を有する。図27で分かるように、各溝160a,162aは全体的に、拡大されたヘッド350と細長いテール352を有する逆L字型である。溝160a,162aへの流れは、それぞれの流量制御バルブ168aによって制御されている。ランド部352は、付着領域を調整するためにヘッド350に提供されている。
【0070】
テール352が力を均衡させるための支承領域をもたらす一方で、ヘッド350は、拡大された支承領域をもたらすために、アクチュエータ170,172の作用線とほぼ一直線上に配置されている。このようにして、溝160a,162aは、より大きい力が2つの溝の間に分布される流体軸受をもたらすように配置され、溝の形状は、異なる負荷に対して補償するために使用される。テール352は、高圧の負荷に対応するための増加された領域と共に、低圧の負荷に対応するための縮小された領域をもたらすために変化する幅のものであることに留意されたい。溝160a,162aは、特定の装置の負荷特性に適合し、斜板に対して均一の支持をもたらすような輪郭にすることが可能であることが理解される。
【符号の説明】
【0071】
10 液圧装置
12 ハウジング
14 ケーシング
15 開口
16,16a,16b 端部プレート
17 平面の密封表面
18 制御ハウジング
19 下側表面
20 内部キャビティ
22 回転群
24 駆動シャフト
26 転がり軸受アセンブリ
28 シールアセンブリ
30 キー
32 端部
34 転がり軸受
36 ボア
40,40a,40b バレル
42 キー
44,46 キーウェイ
48 肩部
50 軸方向のボア
50a ボア
52,54 端面
56 銅製のスリーブ
58 ピストンアセンブリ
60 歯付きリング
62 歯
64,64a,64b ポートプレート
66 一連のポート
67 凹部
68 コイルばね
68 肩部
68a カウンタボア
68a,68b ばね
69 サクションポート
70 円錐ワッシャ
72 凹部
74 環状のスリーブ
74a,74b スリーブ
76,76a Oリング
78 導管
78 圧力ポート
78a 圧力導管
79 導管
80,82 キドニポート
84 軸受面
86 径方向の溝
90 ピストン
92 スリッパ
94 玉継手
96 一端
96 端部
98 肉薄部
98 外面
100 キャビティ
102 球
104 貫通ボア
106 段差
109 形成の第1のステップ
110 心棒
112 基部
114 通路
116 凹部
120 工具セット
122 固定ダイ
124 可動ダイ
126 基部プレート
128 中央ピン
130 支持スリーブ
132 凹部
134 3ディスクダイ
135 駆動ローラ
136 アイドラローラ
137 液圧シリンダ
138 流量制御バルブ
140 斜板アセンブリ
142 半円筒形の斜板
144 平面の前面
146 弓形の背面
148 凹部
150 プレート
152 保持器
154 穴
156 クランプ
158 表面
160,160a,162,162a 溝
164,166 通路
168,168a 流量制御バルブ
170,172 アクチュエータ
174 シリンダ
174a 本体
174b エンドキャップ
176 ピストン
178 ボア
180 雄ねじ
182 クロスドリリング
183 内部通路
184 ばね
186 拡張部分
188 キャビティ
190 円筒形のピン
191 スカート部
192 凹部
192 基部
193,194 ボア
195 供給ギャラリ
196 ドレンギャラリ
197,198 内部ギャラリ
200 バルブ
202 ブロック
204 平面の表面
206 位置センサ
208 ピン
210 感知ブロック
212 磁石
214 ホール効果センサ
215 垂直ボア
216 センサ
217 ボア
218 制御回路基板
219 ノーズ
220 アキュムレータ
222 ピストン
223 シール
224 シリンダ
226 ばね
228 制止部
227 枝導管
230 チェックバルブ
232 内部ボア
300,300b,302,302b ポート
304,304b ウェブ
306,306b 前面
308,308b 背面
310 アンダカット
312,312b 圧力ポート
314,314b オリフィス
316 ノッチ
320 流体動力軸受
322,324 直立壁
326,328 溝
330,332 密封リング
334 肩部
336 ボア
338 サークリップ
340,342 出口ダクト
342 凹部
344 カウンタボア
350 ヘッド
352 細長いテール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、それぞれのシリンダ内で摺動可能なピストンの間に形成された複数の可変容量チャンバを含む回転群であって、前記ピストンが、前記チャンバの容量を変化させるために前記バレルの回転時に前記シリンダに対して変位可能であり、それによって、回転群が回転すると入口ポートから出口ポートに前記チャンバを通る流体の流れを誘導する回転群と、前記シリンダ内の前記ピストンのストロークを調整し、それによって前記機械の容量を調整するために前記回転群に作用可能なアクチュエータ、前記アクチュエータ用の流体供給部、および前記アクチュエータへの流れを制御するために前記流体供給源と前記アクチュエータの間に置かれた制御バルブを備える調整アセンブリと、を有し、前記流体供給部が、前記ポートの一つから導かれる加圧流体の供給源と、前記供給源からの加圧流体を蓄積しかつ前記制御バルブに蓄積された流体を作用させるための液圧アキュムレータと、前記アキュムレータと前記供給源の間にあり、前記制御バルブへの蓄積された流体の作用状態を維持しながら、前記供給源での圧力が前記アキュムレータの圧力よりも低下したときに前記アキュムレータから前記供給源への流れを防止するためのチェックバルブと、を備え、
前記アキュムレータが、ばね付勢に対して流体圧を加えることによってシリンダ内で変位可能なピストンを備え、
制止部が前記ピストンの変位を制限するために設けられ、したがって前記ばねによって加えられる力を制限する回転式液圧装置。
【請求項2】
前記ばねが前記シリンダ内に配置された機械式ばねである請求項1に記載の回転式液圧装置。
【請求項3】
前記ばねがコイルばねであり、前記制止部が前記シリンダ内に配置され、前記コイルばねを貫通して延びる請求項2に記載の回転式液圧装置。
【請求項4】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、それぞれのシリンダ内で摺動可能なピストンの間に形成された複数の可変容量チャンバを含む回転群であって、前記ピストンが、前記チャンバの容量を変化させるために前記バレルの回転時に前記シリンダに対して変位可能であり、それによって、回転群が回転すると入口ポートから出口ポートに前記チャンバを通る流体の流れを誘導する回転群と、前記シリンダ内の前記ピストンのストロークを調整し、それによって前記機械の容量を調整するために前記回転群に作用可能なアクチュエータ、前記アクチュエータ用の流体供給部、および前記アクチュエータへの流れを制御するために前記流体供給源と前記アクチュエータの間に置かれた制御バルブを備える調整アセンブリと、を有し、前記流体供給部が、前記ポートの一つから導かれる加圧流体の供給源と、前記供給源からの加圧流体を蓄積しかつ前記制御バルブに蓄積された流体を作用させるための液圧アキュムレータと、前記アキュムレータと前記供給源の間にあり、前記制御バルブへの蓄積された流体の作用状態を維持しながら、前記供給源での圧力が前記アキュムレータの圧力よりも低下したときに前記アキュムレータから前記供給源への流れを防止するためのチェックバルブと、を備え、
前記バルブおよび前記アキュムレータがそれぞれ、前記ハウジングのそれぞれのボア内に配置され、内部ギャラリによって相互連通された回転式液圧装置。
【請求項5】
前記ポートのうちの前記1つが内部ボアによって前記アキュムレータに連結され、前記チェックバルブが前記内側のボア内に配置された請求項4に記載の回転式液圧装置。
【請求項6】
前記内部ボアが前記アキュムレータおよび前記バルブの両方に流体を送るために前記内部ギャラリに連結された請求項5に記載の回転式液圧装置。
【請求項7】
前記バルブが、前記ピストンの前記行程を調整するための制御信号がないときに前記バルブを通る流体の流れを防止する閉心バルブである請求項6に記載の回転式液圧装置。
【請求項8】
前記調整アセンブリが1対のアクチュエータを備え、前記バルブが前記供給源から前記アクチュエータの一方に流体を供給し、前記アクチュエータの他方をドレンに連結するように動作する請求項7に記載の回転式液圧装置。
【請求項9】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、それぞれのシリンダ内で摺動可能なピストンの間に形成された複数の可変容量チャンバを含む回転群であって、前記ピストンが、前記チャンバの容量を変化させるために前記バレルの回転時に前記シリンダに対して変位可能であり、それによって、回転群が回転すると入口ポートから出口ポートに前記チャンバを通る流体の流れを誘導する回転群と、前記シリンダ内の前記ピストンのストロークを調整し、それによって前記機械の容量を調整するために前記回転群に作用可能な一対のアクチュエータ、前記アクチュエータ用の流体供給部、および前記アクチュエータへの流れを制御するために前記流体供給源と前記アクチュエータの間に置かれた制御バルブを備える調整アセンブリと、を有し、前記流体供給部が、加圧流体の供給源と、前記供給源からの加圧流体を蓄積しかつ前記制御バルブに蓄積された流体を作用させるための液圧アキュムレータと、前記制御バルブへの蓄積された流体の作用状態を維持しながら、前記供給源での圧力が前記アキュムレータの圧力よりも低下したときに前記アキュムレータから前記供給源への流れを防止するためのチェックバルブと、を備え、前記アクチュエータのそれぞれは単動式であり、かつ最大容量まで前記アクチュエータに対してそれぞれのものを付勢するスプリングを有し、前記スプリングの一方は、前記制御バルブに加圧流体が存在しない場合には最大容量ポジションまで前記調整アセンブリを動かすために他方よりも大きな付勢力を有することを特徴とする回転式液圧装置。
【請求項10】
前記加圧流体の供給源が前記ポートのうちの1つから導かれる請求項9に記載の回転式液圧装置。
【請求項11】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に配置され、それぞれのシリンダ内で摺動可能なピストンの間に形成された複数の可変容量チャンバを含む回転群であって、前記ピストンが、前記チャンバの容量を変化させるために前記バレルの回転時に前記シリンダに対して変位可能であり、それによって、回転群が回転すると入口ポートから出口ポートに前記チャンバを通る流体の流れを誘導する回転群と、前記シリンダ内の前記ピストンのストロークを調整し、それによって前記機械の容量を調整するために前記回転群に作用可能なアクチュエータ、前記アクチュエータ用の流体供給部、および前記アクチュエータへの流れを制御するために前記流体供給源と前記アクチュエータの間に置かれた制御バルブを備える調整アセンブリと、を有し、前記流体供給部が、加圧流体の供給源と、前記供給源からの加圧流体を蓄積するための液圧アキュムレータと、前記アキュムレータと前記供給源の間にあり、前記供給源での圧力が前記アキュムレータの圧力よりも低下したときに前記アキュムレータから前記供給源への流れを防止するためのチェックバルブと、を備え、前記バルブおよび前記アキュムレータはそれぞれ前記ハウジング内の個々のボア内に配置され、かつ内部ギャラリによって相互連通されていることを特徴とする回転式液圧装置。
【請求項12】
前記制御バルブが閉心バルブであり、前記アクチュエータに、および前記アクチュエータから流れるのが防止される中央位置から、前記アクチュエータに前記アキュムレータから流れることができるようにする第1の位置、および前記アクチュエータから前記ハウジング内のドレンに流れることができるようにする第2の位置へ動作可能である請求項11に記載の回転式液圧装置。
【請求項13】
1対のアクチュエータが前記調整アセンブリで利用され、前記バルブが前記第1の位置にあるとき前記アクチュエータのうちの一方が前記バルブを介して前記アキュムレータに連結され、前記アクチュエータの他方がドレンに連結され、前記バルブが前記第2の位置にあるとき、前記アクチュエータの前記一方がドレンに連結され、前記アクチュエータの前記他方が前記バルブを介して前記アキュムレータに連結される請求項12に記載の回転式液圧装置。
【請求項14】
前記加圧流体の供給源が前記ポートから導かれる請求項13に記載の回転式液圧装置。
【請求項15】
前記ポートのうちの前記1つが内部ボアによって前記アキュムレータに連結され、前記チェックバルブが前記内側のボア内に配置された請求項14に記載の回転式液圧装置。
【請求項16】
前記内部ボアが前記アキュムレータおよび前記バルブの両方に流体を送るために前記内部ギャラリに連結された請求項15に記載の回転式液圧装置。
【請求項17】
前記バルブが、前記ピストンの前記行程を調整するための制御信号がないときに前記バルブを通る流体の流れを防止する閉心バルブである請求項16に記載の回転式液圧装置。
【請求項18】
前記調整アセンブリが1対のアクチュエータを備え、前記バルブが前記供給源から前記アクチュエータの一方に流体を供給し、前記アクチュエータの他方をドレンに連結するように動作する請求項17に記載の回転式液圧装置。
【請求項19】
前記アクチュエータは前記ハウジング内の個々のボア内に配置されており、かつ内部ギャラリが前記アクチュエータと前記バルブとを接続している請求項18に記載の回転式液圧装置。
【請求項20】
液圧装置であって、ハウジングと、前記ハウジング内に回転可能に配置され、バレルおよびこのバレル内のシリンダ内で軸方向に摺動可能な複数のピストンアセンブリを含む回転群と、前記ピストンと係合しかつ前記バレルが前記ハウジング内で回転するときその往復運動を誘発する斜板アセンブリと、前記バレルと前記ハウジングの間に置かれ、前記シリンダのうちのそれぞれの1つを入口ポートおよび出口ポートと交互に連結するのに効果的なポートプレートとを具備し、前記ピストンアセンブリのそれぞれは、ピストンと、その間で荷重を伝達するために前記斜板と前記ピストンとの間で機能するスリッパアセンブリとを具備し、前記スリッパアセンブリは前記斜板と係合可能な平面の支承表面および前記ピストンの部分的球面凹部と係合可能な、反対に向いた側の球面軸受を有する基部を備え、前記基部は前記反対に向いた側から突出するスピゴットを含み、かつ前記球面軸受が前記スピゴットを受けるための貫通ボアを有し、前記貫通ボアは、前記スピゴットに前記球面軸受を保持するために前記スピゴットが拡張できるようにするため前記基部から離れたその端部に前記貫通ボアよりも大きな直径を持つカウンタボアを有する液圧装置。
【請求項21】
回転液圧装置のピストンアセンブリ用のスリッパアセンブリであって、このスリッパアセンブリは、斜板との係合のための一方の側に配置された平面の支承表面、および前記ピストンの部分的球面凹部との係合のための反対に向いた側に配置された球面軸受を有する基部を備え、かつ前記基部は前記反対に向いた側から突出するスピゴットを含み、かつ前記球面軸受が前記スピゴットを受けるための貫通ボアを有し、前記貫通ボアは、前記スピゴットに前記球面軸受を保持するために前記スピゴットが拡張できるようにするため前記基部から離れたその端部に前記貫通ボアよりも大きな直径を持つカウンタボアを有するスリッパアセンブリ。
【請求項22】
回転液圧装置用のピストンアセンブリであって、その一方の端部に球面の凹部と、一方の側に平面の支承表面、およびその反対に向いた側に球面軸受を有する基部を備えるスリッパアセンブリとを有するピストンを備え、前記球面軸受が、前記ピストンとスリッパアセンブリとの間で制限された枢動を行うために前記球面の凹部内に配置されており、かつ前記基部は前記反対に向いた側から突出するスピゴットを含み、かつ前記球面軸受が前記スピゴットを受けるための貫通ボアを有し、前記貫通ボアは、前記スピゴットに前記球面軸受を保持するために前記スピゴットが拡張できるようにするため前記基部から離れたその端部に前記貫通ボアよりも大きな直径を持つカウンタボアを有するピストンアセンブリ。
【請求項23】
回転式液圧装置用のピストンアセンブリを形成する方法であって、前記キャビティの直径よりも大きな軸方向深さに部分的に球面のキャビティをピストンの一方の端部に形成するステップと、その中にスリッパアセンブリの相補的な球面軸受を挿入するステップと、前記球面軸受の表面に合致するように前記キャビティの壁を変形させるステップと、を含み、前記壁を変形させる前記ステップが、前記キャビティと前記球面軸受との間にクリアランスを提供しかつ両者間の相対的回転運動を容易にするために、前記壁が前記表面に合致した後に、前記球面軸受の均分円の周りに径方向の負荷を加えるステップを含む方法。
【請求項24】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、バレルおよび前記バレル内に形成されたシリンダ内で摺動可能な複数のピストンを含む前記ハウジング内の回転群と、前記バレルが長手方向軸線を中心として回転すると入口ポートと出口ポートの間に流体を移送するための前記シリンダのうちのそれぞれの1つにその往復運動を誘発するために前記ピストンに作用可能な斜板と、回転軸線を中心としてそれを回転させ、前記ハウジングに対する斜板の配置を調整するために前記斜板に作用可能であり、それによって、前記シリンダ内の前記ピストンの行程を変化させるアクチュエータと、を備え、前記斜板が、前記ハウジングの相補形の表面と係合可能な支承表面と前記表面間に置かれた流体軸受とを有し、前記軸受には、前記ポートにおける圧力が変化するとき所定の流体流量を維持するために圧力補償流量制御バルブによって流体が供給されるようになっている回転式液圧装置。
【請求項25】
ケーシング、前記ケーシング内に配置され、前記ハウジング内で回転可能なバレルを備え、前記バレルのシリンダ内で軸方向に摺動可能な複数のピストンを有する回転群、前記ピストンに係合し、1対のポートの間に流体を移送するために前記バレルが回転すると、その往復運動を誘発するための斜板アセンブリを備えるハウジングと、前記バレルに対する斜板の配置を調整するために前記斜板上で作動し、それによって、前記バレル内の前記ピストンの行程を調整するアクチュエータと、前記回転群のパラメータを示す、そこへの少なくとも1つの感知された入力を有する制御回路から得られた制御信号に応答して前記アクチュエータへの流れを制御するバルブとを有し、前記制御回路が、前記ケーシングに固定され、前記ケーシング内のアパーチャを密封するために前記アパーチャの間にわたって延出する内側に向けられた表面、および前記表面に配置され、前記パラメータを感知するために前記回転群と機能的に組み合わされているセンサアセンブリを有する制御ハウジング内に配置された回転式液圧装置。
【請求項26】
液圧装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に設けられた回転群であって、バレルを含み、複数のピストンが前記バレルのシリンダ内で軸方向に摺動可能である回転群と、
前記ピストンと係合しかつ前記バレルが前記ハウジング内で回転するときその往復運動を誘発する斜板アセンブリと、
前記バレルと前記ハウジングの間に置かれ、前記シリンダのうちのそれぞれの1つを入口ポートおよび出口ポートと交互に連結するのに効果的なポートプレートであって、このポートプレートは、付勢されて前記バレルおよび前記ハウジングの一方の密封面と係合する面を有し、前記ポートプレートと前記バレルおよび前記ハウジングの前記他方との間に延出し、それらと密封係合する環状のスリーブによって前記バレルおよび前記ハウジングの他方に流体的に連結されたポートプレートと、を具備し、
それによって、前記ハウジングに対して前記バレルが回転すると、前記面が前記付勢によって密封した接触に維持され、かつ前記環状スリーブによって前記ポートの一つと前記シリンダとの間で流体が移送され、前記環状スリーブによって前記ポートプレートと前記バレルおよび前記ハウジングの前記他方との間の位置合わせ不良が調整される液圧装置。
【請求項27】
回転式液圧装置であって、ハウジングと、バレルおよび前記バレル内に形成されたシリンダ内で摺動可能な複数のピストンを備える前記ハウジング内の回転群と、前記バレルがその回転軸線を中心として回転すると入口ポートと出口ポートの間に流体を移送するための前記シリンダのうちのそれぞれの1つにその往復運動を誘発するために前記ピストンに作用可能な斜板と、前記ハウジングに対する斜板の配置を調整するために前記斜板に作用可能であり、それによって、前記シリンダ内の前記ピストンの行程を変化させるアクチュエータとを備え、前記斜板が、前記ハウジングの相補形の表面と係合可能な支承表面と前記表面間に置かれた流体軸受とを有し、前記流体軸受は前記表面間に形成された一対の凹部を含み、かつそれぞれが前記凹部に流体を供給するために前記ポートと流体供給源とを接続するための方向に延在している回転式液圧装置。
【請求項28】
回転式液圧装置であって、個々のシリンダ内で摺動するピストンによって画定される複数の可変容量チャンバを含む回転群であって、前記チャンバの容積を変えるために前記群の回転時に前記シリンダに対して前記ピストンが変位可能であり、これによって入口ポートから出口ポートへと前記チャンバを経て流体の流れを誘発するようになっている回転群と、前記ピストンの行程を調整し、これによって前記装置の容量を変化させるために前記回転群に作用可能なアクチュエータを含む調整アセンブリと、前記アクチュエータのための流体供給源と、前記アクチュエータへの流体を制御するために前記流体供給源と前記アクチュエータとの間に置かれた制御バルブと、を備え、前記バルブはこのバルブを通過する流れを妨げる第1の位置を有すると共に前記装置の容量を変えるためにこの第1の位置から移動可能であり、前記バルブは、前記バルブを調整するための出力部を有しかつ少なくとも一つのトランスデューサからの入力信号を受けるコントローラーによって制御され、前記一つのトランスデューサは前記出口ポートに提供される圧力を示す信号を送ると共に、前記コントローラーは所定の値で前記出口における圧力を維持するために前記アクチュエータに作用するようになっている回転式液圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図26D】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−174469(P2011−174469A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93251(P2011−93251)
【出願日】平成23年4月19日(2011.4.19)
【分割の表示】特願2006−553336(P2006−553336)の分割
【原出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【出願人】(506274589)ハルデックス・ハイドローリクス・コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】