説明

回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車

【課題】コンテナのターミナル前方から後方までの運輸作業を行うと同時に、方向不一致の船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの90°回転作業を可能にするプラットフォーム台車を提供する。
【解決手段】車台と、車台の両側に設置される車輪グループと、各車輪グループに設置され、車輪グループの運行を駆動する車輪駆動装置と、回転支持装置により車台の上部に取付けられる回転プラットフォームと、回転支持装置と接続される回転機構と、回転機構の運転を駆動する回転駆動装置を備える回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車により、コンテナのターミナル前方から後方までの運輸作業を行うと同時に、方向不一致の船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの90°回転作業も行うため、コンテナターミナルの岸辺クレーンとヤードクレーンとの間の水平運輸速度を大幅に高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテナ専用の積卸設備に関し、特にコンテナ搬運プラットフォーム台車に関する。
【背景技術】
【0002】
世界中でコンテナ運輸の旺盛な要求とコンテナターミナル処理量が絶えずに成長している現在で、従来の内燃機関で駆動される水平運輸車(コンテナトラックかAGVかストラドルキャリヤ)の形式はもう現状に合わないから、コンテナ運輸の規模化、高速化と自動化によりターミナルの積卸生産性に対する要求を満たすために、コンテナ積卸用の技術や設備、及び積卸技術のプロセスに対して、効率のより高いコンテナ積卸設備が必要となる。
【0003】
90年代以来、世界の経済と貿易の成長によるコンテナ運輸量が急激に増大することにより、膨大な運輸需要及び良好な技術的経済利益が、コンテナクレーン機械に関する先端技術、特に自動制御技術の全面的な発展を促進した。この自動制御技術の発展によりレール上を移動するような電動台車の作業自動化の実現が簡易になり、それで岸辺クレーンとヤードクレーンとの間の迅速引渡問題が解決できる。
【0004】
現在、国内外のコンテナの自動化ターミナルか半自動化ターミナルは、主にコンテナトラックかAGVかストラドルキャリヤでターミナル内の水平運輸作業を行う。この三種類の水平運輸方式はいずれも内燃機関を動力源にするので、ターミナル環境に大きな悪影響を与える。また、船上のコンテナとヤードのコンテナの方向が不一致で90°回転を行う場合、コンテナトラックかAGVかストラドルキャリヤはその場での回転ができなく、大きな回転半径の保てる地面道路が必要であるため、ヤードの使用面積を多量占有してしまい、また作業の時間も長いので、高効率と低コストへの更なる改善が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンテナターミナルの岸辺クレーンとヤードクレーンとの間のコンテナ引渡に使う高効率・省エネルギーの水平運輸設備である回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題を解決するために、本発明は、車台と、前記車台の両側に設置される車輪グループと、前記各車輪グループに設置され、車輪グループの運行を駆動する車輪駆動装置と、回転支持装置により前記車台の上部に取付けられる回転プラットフォームと、前記回転支持装置と接続される回転機構と、前記回転機構の運転を駆動する回転駆動装置を備えることを特徴とする回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車を提供する。
【0007】
前記構造のある本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車により、荷卸の場合は、ターミナル前方の設備によりコンテナをプラットフォーム台車の回転プラットフォームに吊り、回転プラットフォームを90°回転させるように回転駆動装置により回転支持装置を駆動し、そして台車がレールに沿いターミナル後方のコンテナ蔵置エリアまで移動することにより、コンテナのターミナル前方から後方までの運輸作業を行うと同時に、方向不一致の船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの90°回転作業も行う。船積の場合はその反対である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車の最大のメリットとしては、ターミナル前方と後方との間のコンテナの高効率水平運輸問題及び、船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの方向の90°回転問題が解決できる同時に、プラットフォーム台車の駆動が従来の内燃機関から電動に変わることによる省エネルギー・無汚染の目的も実現できることである。
【0009】
本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車は新たなコンテナターミナルの水平搬運設備及び技術であり、特に電力駆動の利用で省エネルギー・無汚染の特徴を持つため、コンテナターミナルの水平搬運の半自動化か全自動化が実現でき、コンテナターミナルの自動化建設の手数とコストも大幅に減少できるので、明るい将来性と幅広い応用市場が見られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の前記目的、構造特徴及び効果を更に説明するために、以下は図面を参照し本発明について詳しく記述する。
【0011】
図1のように、本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車はレール上を移動することができ、構造としては、車台4が設置され、車台4の両側にレール上を滑れる車輪グループ3が設置され、車輪グループ3に車輪グループ3の運行を駆動する車輪駆動装置2が設置され、回転プラットフォーム1が回転支持装置5により車台4の上に取付けられ、回転駆動装置6が回転機構7を駆動でき、回転機構7が回転支持装置5と接続され回転支持装置5を回転させることにより回転プラットフォーム1を車台4上で回転させるのである。
【0012】
回転プラットフォーム1の上にはコンテナ8を置くが、1列の20フィートコンテナ、ダブル20フィートコンテナ、40フィートコンテナ、45フィートコンテナを置いても良いし、並行で2列の20フィートコンテナ、ダブル20フィートコンテナ、40フィートコンテナ、45フィートコンテナを置いても良い。回転プラットフォーム1は回転支持装置5により車台4の上に取付けられ、回転駆動装置6により車台4の上で水平の回転動作をさせられ、コンテナ8を載せた状態と載せない状態とも回転できる。
【0013】
本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車は、当該プラットフォーム台車をレール上で移動させ、水平運輸の作業を行うことにより、コンテナターミナルの前方と後方のヤード間のコンテナ水平運輸作業に利用できる。プラットフォーム台車は、レールに沿い往復式水平移動をし、コンテナを一箇所から他箇所に運輸できるほかに、プラットフォーム台車の上部に設置される回転プラットフォーム1が前方の船上コンテナとターミナル後方のヤードコンテナの方向を90°回すように、コンテナを載せた状態か載せない状態で時計方向か反時計方向に水平回転することもできる。その具体的な積卸方式は以下の通りである。
【0014】
1)コンテナターミナル前方の積卸設備の積卸箇所とターミナル後方のヤードの積卸設備の積卸箇所との間に、本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車を設置し、プラットフォーム台車の往復式運輸作業により二つの積卸箇所の間のコンテナ搬運作業を行う。
【0015】
2)プラットフォームの車台4の上に、回転支持装置5により回転プラットフォーム1を取付けるが、この回転プラットフォーム1が回転駆動装置6により、二つの積卸箇所のコンテナの方向を90°回すように、コンテナを載せた状態か載せない状態で時計方向か反時計方向に水平回転することができる。
【0016】
3)荷卸の場合は、ターミナル前方の設備がコンテナをプラットフォーム台車の回転プラットフォーム1に吊り、回転プラットフォーム1が90°回転し、そして台車がレールに沿いターミナル後方のコンテナ蔵置エリアまで移動することにより、コンテナのターミナル前方から後方までの運輸作業を行う同時に、方向不一致の船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの90°回転作業も行う。船積の場合はその反対である。
【0017】
前記のように、本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車は、ターミナル前方と後方との間のコンテナの高効率水平運輸問題及び、船上のコンテナと蔵置エリアのコンテナの方向の90°回転問題を解決できる同時に、プラットフォーム台車の駆動が従来の内燃機関から電動に変わることによる省エネルギー・無汚染の目的も実現できる。また、本発明がコンテナターミナルの岸辺クレーンとヤードクレーンとの間の水平運輸速度を大幅に高め、90°回転の問題を解決することができるので、その独特な積卸方式は非自動化のターミナルにも適用し、特に自動化のターミナルにも適用する。その高効率的な積卸メリットは、コンテナの積卸ターミナルの利益及び技術レベルの全面向上に新たな作業のパターンを切り開く。
【0018】
前記のような具体的な実施例を参照することにより本発明を説明したが、本領域の一般技術員が分かるように、以上の実施例はただ本発明を説明するために使うものであり、本発明の主旨を逸脱することなく様々な相当する変更か置換を行うことが可能であるので、本発明実際主旨の範囲内での変更、変形は全て本発明の特許請求の範囲に当たる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0020】
1…回転プラットフォーム、2…車輪駆動装置、3…車輪グループ、4…車台、5…回転支持装置、6…回転駆動装置、7…回転機構、8…コンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台と、
前記車台の両側に設置される車輪グループと、
前記各車輪グループに設置され、車輪グループの運行を駆動する車輪駆動装置と、
回転支持装置により前記車台の上部に取付けられる回転プラットフォームと、
前記回転支持装置と接続される回転機構と、
前記回転機構の運転を駆動する回転駆動装置を備えることを特徴とする回転式電動コンテナ搬運プラットフォーム台車。

【図1】
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【公開番号】特開2008−19096(P2008−19096A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47995(P2007−47995)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(506388738)シャンハイ・ツェンフア・ポート・マシンリー・カンパニー・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】