説明

回転歯ブラシ

【課題】 歯磨きを上下方向又は左右方向に自在にすることができるだけでなく、特に下側前歯の下部まで歯ブラシの毛が届く構造でなる回転歯ブラシを提供すること。
【解決手段】 本発明は、回転歯ブラシに関するものであって、使用者が把持するためのつまみ部と歯ブラシの毛が形成され、前記つまみ部と連結されたヘッド部と、前記ヘッド部に設けられ前記ヘッド部を上方に所定角度ティルティング可能にするティルティング部と、前記つまみ部及び前記ヘッド部に設けられ、前記ヘッド部が前記つまみ部に対し回転されT字をなすようにする回転部と、前記ヘッド部の回転及びティルティングが同時に行われるよう前記ヘッド部を作動するための駆動部とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転歯ブラシに係わり、より詳しくは、歯磨きを上下方向又は左右方向に自在にすることができるだけでなく、特に、下側前歯の下部まで歯ブラシの毛が届くことのできる回転歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に使われる歯ブラシは、つまみ部と歯ブラシの毛が形成されたヘッド部が一字形に構成されている。ところが、一字形歯ブラシで歯を磨く時には左右方向に歯磨きをすることになり、歯牙の間に挟まった異物が完全に除去されないだけでなく、琺瑯質(enamel)が損傷され易く、歯牙疾患の主な原因となる。これを防止するため、歯を磨くとき歯ぐきから歯牙端へくしけずるように使うよう推奨されているが、一字形歯ブラシの場合、構造的に上下方向に動きにくいため、習慣的に左右方向に歯磨きをすることになり、琺瑯質の損傷を基本的に防止することができないとの問題点がある。
【0003】
一方、一字形歯ブラシで上下方向に歯磨きをするとしても、手首関節の動きが多いので手首関節が損傷され易いとの問題点がある。ここに、歯磨きを上下方向に容易にできるよう、特許文献1(韓国実用新案登録第0266621号)にはT字形の歯ブラシが開示されている。ところが、従来のT字形歯ブラシの場合は、上下方向への歯磨き(前歯及び犬歯などを磨く時)は容易であるが、左右方向への歯磨き(奥歯などを磨く時)が困難であるとの問題点がある。
【0004】
さらに、一般に、下側前歯は下から上に行くほど前に突出した構造でなるところ、従来のT字形歯ブラシの場合は、図1に示すように、歯ブラシの毛121aが歯牙と並んだ角度でなるため、下側前歯(T')の下部まで歯ブラシの毛121aが届かなくなる。このとき、下側前歯(T')の下部を磨くため、つまみ部110をあごのある方向に引き寄せる場合もまたつまみ部110があごにかかるので、結局、下側前歯(T')の下部は歯ブラシの毛121aが届かなくなる。ここに、下側前歯(T')の下部に特に歯石が多く発生することになり、デンタルフロスを使わなければならない回数が多くなり、歯磨きの時間が多く必要となるとの問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国実用新案登録第0266621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、歯磨きを上下方向又は左右方向に自在にすることができるだけでなく、特に、下側前歯の下部まで歯ブラシの毛が届く構造でなる回転歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、本発明の第1実施例に係る回転歯ブラシに従い、使用者が把持するためのつまみ部と、歯ブラシの毛が形成され、前記つまみ部と連結されたヘッド部と、前記ヘッド部に設けられ前記ヘッド部を上方に所定角度ティルティング可能にするティルティング部と、前記つまみ部及び前記ヘッド部に設けられ、前記ヘッド部が前記つまみ部に対し回転しT字をなすようにする回転部と、前記ヘッド部の回転及びティルティングが同時に行われるよう前記ヘッド部を作動するための駆動部とにより達成される。
【0008】
ここで、前記ヘッド部は、歯ブラシの毛が植毛されたベースと、前記ベースの上部面に一体に設けられ、前記つまみ部に挿入支持される支持台とで構成されることが好ましい。前記ティルティング部は、前記支持台の上部面に球状に設けられ、前記つまみ部に形成されたティルティング支持面を中心に動くのがよい。前記駆動部は、前記つまみ部の外側に軸を中心に前後方向に押圧可能に設けられたノブと、前記つまみ部の内部に設けられ、前記ノブの作動により前後方向に移動されるよう、前方段差傾斜面と後方段差傾斜面が形成されたロッドとを含むのが好ましい。前記回転部は、前記ティルティング部に突出形成され前記ロッドに回転可能に結合された回転具と、前記支持台の外周面に形成された第1ギアと、前記つまみ部に形成された回転支持面の内側面に形成され前記第1ギアと噛み合う第2ギアとを含んでなるのがよい。前記つまみ部の先端には、前記ヘッド部が前記ティルティング部により所定角度を超過してティルティングされることを阻止するためのストッパが形成されるのが好ましい。
【0009】
さらに、前記目的は、本発明の第2実施例に係る回転歯ブラシに従い、使用者が把持するためのつまみ部と、歯ブラシの毛が形成され、前記つまみ部と連結されたヘッド部と、前記ヘッド部に設けられ前記ヘッド部を上方に所定角度ティルティング可能にするティルティング部と、前記つまみ部及び前記ヘッド部に設けられ、前記ヘッド部が前記つまみ部に対し回転されT字をなすようにする回転部と、前記ヘッド部の回転及びティルティングが同時に行われるよう前記ヘッド部を作動するための駆動部とにより達成される。
【0010】
ここで、前記ヘッド部は、歯ブラシの毛が植毛されたベースと、前記ベースの上部面に一体に設けられ、前記つまみ部に挿入支持される支持台とで構成されるのが好ましい。前記ティルティング部は、前記つまみ部の横方向に前記ベースに形成されたティルティング軸と、前記支持台に形成され前記ティルティング軸を支持する軸支持部で構成され、前記ベースが前記ティルティング軸を中心に前記支持台に対しティルティングされるのがよい。
【0011】
なお、前記つまみ部は、使用者が把持するためのつまみ本体と、前記つまみ本体の先端に後方に傾いた形状に形成され、前記支持台が挿入される挿入本体とで構成されるのが好ましい。この時、前記挿入本体の内側面には、前記支持台が90度回転したあと逆回転することを防止するための逆回転防止突起が形成された区切板が形成され、前記支持台の上部面には、前記逆回転防止突起が挿入される逆回転防止溝が形成されるのがよい。前記回転部は、前記挿入本体の内側面に円周方向に沿って突出形成された回転突起と、前記支持台の外側面に陷沒形成され、前記支持台が回転するとき前記回転突起を案内する回転溝とで構成されるのが好ましい。
【0012】
前記駆動部は、前記つまみ本体の外側に前後方向に摺動可能に設けられ、前進後前記つまみ本体に形成された固定溝に係止される固定突起が形成されたノブと、前記つまみ本体の内部に前記ノブと一体に連結され前記支持台を回転させるためのロッドと、前記つまみ本体の内部に設けられ、前記固定突起が前記固定溝から解除されるとき前記ロッドを復元させる復元部材とを含んでなるのがよい。前記ロッドの先端後方には、横方向に加圧突起が突出形成されており、前記支持台の円周面には、前記ロッドが進むとき前記ロッドの先端が支持される先端溝と、前記先端溝から時計方向に沿って離隔された位置に前記加圧突起が支持される加圧突起溝が形成されているので、前記ノブを前進させると、前記ロッドの先端が前記先端溝に支持されたまま前記支持台を所定角度回転させ、そのあと前記加圧突起溝で支持される前記加圧突起が前記支持台をさらに回転させ、前記支持台が90度回転されるのが好ましい。
【0013】
前記挿入本体を覆うキャップをさらに備え、前記駆動部は、前記キャップの先端に下向き突出形成された案内突起と、中央から両側に行くほど窪みが深くなるよう前記ベースに陷沒形成され、前記案内突起が案内される案内溝とをさらに含み、前記ベースは、前記回転部を中心に回転するとき、前記案内突起が前記案内溝に沿って移動しながら前記ティルティング部を中心にティルティングされるのがよい。前記キャップには、前記ヘッド部を分離させるためのボタンが押圧可能に設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上で説明したように、本発明に従えば、ヘッド部とつまみ部がT字をなした状態であるとき、ヘッド部が上方に所定角度ティルティングされる構造となるので、歯ブラシの毛が下側前歯の下部まで届くことができるので、歯石が発生することを最大限防止することのできる回転歯ブラシが提供される。さらに、ヘッド部とつまみ部の回転状態を自在に作動することができる構造(即ち、ヘッド部とつまみ部が一字をなすように、又はT字をなすようにする構造)であるので、奥歯を磨く時は一字になるようにし、前歯や犬歯を磨く時はT字になるように回転させることができるので、使用上便利であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来のT字形歯ブラシの問題点を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る回転歯ブラシを示した断面図である。
【図3】図2の主要構成を示した分離斜視図である。
【図4】図3の結合斜視図である。
【図5】図2に示した状態でノブの後方を押圧したとき、ヘッド部が大凡20度程度上方にティルティングされながら大凡90度回転し、つまみ部とT字をなした状態を表す断面図である。
【図6】ヘッド部がつまみ部と一字をなした状態で回転し、T字をなすとき、ヘッド部がつまみ部に対しティルティングされた程度を概略的に表す斜視図である。
【図7】ヘッド部がつまみ部と一字状態の場合を表す平面図である。
【図8】ノブの加圧によりロッドが僅かに後進する場合、ヘッド部が上方にティルティングされながら大凡45度程度回転した状態を表す平面図である。
【図9】図8に示したロッドがさらに後進する場合、ヘッド部が図8に比べ大凡20度までティルティングされながら大凡90度まで回転し、つまみ部とT字をなした状態を表す平面図である。
【図10】図5の状態で歯磨きする場合、歯ブラシの毛が下側前歯の下部に触れる形状を概略的に示す側面図である。
【図11】本発明の第2実施例に係る回転歯ブラシを示す断面図である。
【図12】図11の主要構成を示す分離斜視図である。
【図13】図12の結合斜視図である。
【図14】図11の状態でノブをQ'方向に摺動させたとき、ヘッド部が大凡20度程度上方にティルティングされながら大凡90度回転され、つまみ部とT字をなした状態を表す断面図である。
【図15】図11に示したノブを前方に摺動させたとき、ロッドの先端が先端溝に支持された状態を示す断面図である。
【図16】図15の状態でノブを前方にさらに押したとき、支持台がティルティングされながら大凡60度程度回転された状態を示す断面図である。
【図17】図16の状態でノブを前方に最大限に押したとき、支持台が20度までティルティングされながら大凡90度まで回転され、ヘッド部とつまみ部がT字をなした状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、図を参照して、本発明について詳しく説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の第1実施例に係る回転歯ブラシ1は、図2乃至図4に示したように、大きくつまみ部10と、歯ブラシの毛21aが形成されたヘッド部20と、ヘッド部20をつまみ部10に対し所定角度ティルティング可能にするティルティング部30と、ヘッド部20がつまみ部10に対しT字をなすように回転させる回転部40と、ヘッド部20が回転及びティルティングされるようにヘッド部20を作動するための駆動部50とで構成される。
【0018】
つまみ部10は使用者が把持するためのものであって、第1つまみ部11と第2つまみ部12に分離製作され、該第1つまみ部11及び第2つまみ部12はねじ方式で一体に結合される。このとき、第1つまみ部11及び第2つまみ部12の結合構造はこれに限定されず、公知の範囲内の結合構造の何れでもよい。第1つまみ部11は、左側本体13と右側本体14に分離製作されたあと、一体に結合される。このとき、左側本体13と右側本体14の結合構造は凹凸構造でなされ得るが、これに限定されず、公知の範囲内の結合構造の何れでもよい。第1つまみ部11の内部は、後述のロッド52が前後方向に摺動可能に構成される。なお、第1つまみ部11の先端には、ヘッド部20がティルティング部30により上方にティルティングされるとき、所定角度(θ、図6を参照)を超過してティルティングされないようヘッド部20を沮止するストッパ17が下方に延長形成されている。ここで、ヘッド部20がティルティングされる角度(θ)は大凡5〜40度であるが、より好ましくは20度であり、このためストッパ17は、ヘッド部20が大凡20度を超過してティルティングされない程度まで第1つまみ部11の先端から延長形成されなければならない。
【0019】
ヘッド部20は、下部面に歯ブラシの毛21aが植毛されたベース21と、ベース21の上部面に一体に形成され第1つまみ部11に挿入支持される支持台22とで構成される。このとき、支持台22の外周面には、回転部40を構成する第1ギア41が形成されている。ティルティング部30は、支持台22の上部面に球状でなり、第1つまみ部11に形成されたティルティング支持面15を中心に動くようになる。このとき、ティルティング部30には後述の回転具35が突出形成されており、該回転具35は後述のロッド52に形成された回転具結合溝53に回転可能にロッド52と一体に結合される。ティルティング支持面15は、互いに分離製作された左側本体13及び右側本体14に対称をなすように形成される。
【0020】
回転部40は、普段つまみ部10と一字状に配置されたヘッド部20を大凡90度程度回転させ、つまみ部10とT字をなすようにするためのものであって、ティルティング部30に突出形成されロッド52に形成された回転具結合溝53に回転可能に結合された回転具35と、支持台22の外周面に形成された第1ギア41と、第1つまみ部11に形成された回転支持面16の内側面に形成され第1ギア41と噛み合う第2ギア42とで構成される。回転支持面16は、ティルティング支持面15と連通するようティルティング支持面15の下側に形成されており、互いに分離製作された左側本体13及び右側本体14に対称をなすように形成される。
【0021】
駆動部50は、ヘッド部20が回転及びティルティングが同時に行われるようにするためのものであって、第1つまみ部11の外側に設けられるノブ51と、ノブ51と連動して前後方向に移動されティルティング部30及び回転部40を作動させるロッド52とで構成される。ノブ51は、第1つまみ部11の外側に軸51aを中心に前後方向に押圧可能に設けられる。ロッド52は、ノブ51の押圧方向に沿って第1つまみ部11の内部で前後方向に摺動可能に設けられるところ、このとき、使用者が軸51aを中心にノブ51の後方(図5のPを参照)を押せばロッド52は後進(図5のQを参照)することになり、ノブ51の前方を押せばロッド52は前進することになる。このため、ロッド52には前方段差傾斜面54と後方段差傾斜面55が形成されているので、ノブ51の後方がP方向に押圧されると、後方段差傾斜面55が加圧されながらロッド52がQ方向に後進可能であり(図5を参照)、ノブ51の前方が押圧されると、前方段差傾斜面54が加圧されながらロッド52が前進し元の位置に復元される(図2を参照)。一方、ロッド52の先端には、回転具35が回転可能に結合されるための回転具結合溝53が陷沒形成されている。
【0022】
このような構成により、本発明の第1実施例に係る回転歯ブラシ1がティルティング及び回転される原理を、図7乃至図9を参照して簡単に説明する。先ず、ヘッド部20とつまみ部10が一字をなす初期状態は、図7の通りである。その後、使用者がノブ51の裏側をP方向(図5を参照)へ僅かに押圧すると、後方段差傾斜面55がノブ51により加圧され、ロッド52が図8に示したようにQ方向に僅かに後進することになる。ここに、ティルティング部30は後に動きながら回転具35とともにR方向に回転するため、ティルティング部30と連結されたヘッド部20は、上方にティルティングされるとともに大凡45度程度回転され得る。このとき、ティルティング部30が回転するとき、支持台22の第1ギア41は第2ギア42と噛合い移動されることによりヘッド部20が回転されるものである。
【0023】
次に、図8の状態でノブ51の後方をP方向へ完全に加圧すると、ロッド52は図9に示したようにQ方向へ完全に後進することになる。ここに、ティルティング部30は後へ完全に動きながら回転具35とともにR方向に回転するため、ティルティング部30と連結されたヘッド部20は、上方に完全にティルティングされるとともに45度程度さらに回転され得る。このとき、ティルティング部30が回転するとき、支持台22の第1ギア41は第2ギア42と噛み合わされさらに移動することによりヘッド部20が完全に回転されるものである。結局、前記図7乃至図9の過程により、ヘッド部20がつまみ部10とT字をなした状態は図6の通りである。即ち、初期にはヘッド部20がつまみ部10と一字をなしているが、ノブ51を押圧すると、ヘッド部20が所定角度(θ)ティルティングされるとともに大凡90度回転し、つまみ部10とT字をなすことになる。
【0024】
前記構成に係る第1実施例の回転歯ブラシ1によれば、ヘッド部20とつまみ部10がT字をなした状態であるとき、ヘッド部20が上方に所定角度(θ)ティルティングされる構造になるので、歯ブラシの毛21aが図10に示したように下側前歯(T)の下部まで届くことができるので、歯石の発生を最大限防止することができ、歯磨きの時間が短縮され得るとの利点がある。さらに、ヘッド部20とつまみ部10の回転状態を自在に作動することができる構造(即ち、ヘッド部20とつまみ部10が一字をなすように、又はT字をなすようにする構造)であるので、奥歯を磨く時は一字になるようにし、前歯や犬歯を磨く時はT字になるように回転させることができるので、使用上便利な利点がある。
【実施例2】
【0025】
本発明の第2実施例に係る回転歯ブラシ201は、ヘッド部220が回転されつまみ部210とT字をなすとともに上方に所定角度ティルティング可能な構造でなっているとの点で、第1実施例の回転歯ブラシ1と技術的思想が同一である。これを具現するための構造に対し、図11乃至図14を参照して説明する。本発明の第2実施例に係る回転歯ブラシ201は、大きくつまみ部210と、歯ブラシの毛221aが形成されたヘッド部220と、ヘッド部220をつまみ部210に対し所定角度ティルティング可能にするティルティング部230と、ヘッド部220がつまみ部210に対しT字をなすように回転させる回転部240と、ヘッド部220が回転及びティルティングされるようにヘッド部220を作動するための駆動部250とで構成される。
【0026】
つまみ部210は、使用者が把持するためのつまみ本体211と、つまみ本体211の先端に後方へ傾いた形状に形成され、後述のベース221の支持台222が挿入される挿入本体212とで構成される。挿入本体212の内側面には区切板213が形成されており、該区切板213の底面には後述の支持台222に形成された逆回転防止溝223に嵌め込まれる逆回転防止突起214が下向き突出形成されており、板面には後述のボタン270の押圧脚272が通過するための通過孔213aが形成されている。ヘッド部220は、歯ブラシの毛221aが植毛されたベース221と、ベース221の上部面に一体に結合され挿入本体212に挿入支持される支持台222とで構成される。このとき、ベース221と支持台222はティルティング部230により連結されることにより、ベース221が支持台222に対し上下方向にティルティング可能である。
【0027】
支持台222の円周面には、後述のロッド252の先端252a(図15を参照)が支持される先端溝222aと、時計方向に沿って先端溝222aから離隔された位置に後述の加圧突起253が支持される加圧突起溝222bが形成されている。このとき、先端溝222aと加圧突起溝222bが一対をなして支持台222が90度回転可能であるが、本実施例では、先端溝222aと加圧突起溝222bが四対でなり支持台222が360度回転可能に構成される。さらに、支持台222の上部面には、逆回転防止突起214が挿入される逆回転防止溝223が90度間隔で陷沒形成されることにより、支持台222が0度から90度回転される度に逆回転防止突起214が逆回転防止溝223に嵌め込まれることになり支持台222がその位置で固定され得る。
【0028】
ティルティング部230は、つまみ部210の横方向にベース221に形成されたティルティング軸231と、支持台222に形成されティルティング軸231を支持する軸支持部232とで構成される。回転部240は、ヘッド部220がつまみ部210に対し360度回転可能にするものであって、挿入本体212の内側面に円周方向に沿って突出形成された回転突起241と、支持台222の外側面に陷沒形成され支持台222が回転可能に回転突起241を案内する回転溝242とで構成される。ここで、回転溝242に回転突起241が組立可能にするため、支持台222の上部面には放射方向に複数の切欠線224を形成するのが好ましい。一般に、支持台222は所定の弾性を有するプラスチック材質で製作されるが、このとき、上部面に切欠線224を形成し上部面に弾性がさらに与えられるようにすることにより、支持台222を挿入本体212に挿入させるとき、上部面が多少弾性変形されることにより、回転突起241が回転溝242に嵌め込まれ得るようになる。
【0029】
駆動部250は、つまみ本体211の外側に前後方向に摺動可能に設けられたノブ251と、つまみ本体211の内部にノブ251と一体に連結され支持台222を回転させるためのロッド252と、つまみ本体211の内部に設けられロッド252を復元させるための復元部材254とで構成される。ノブ251の先端には、つまみ本体211の外側に形成された固定溝211aに係止される固定突起251aが形成されている。ロッド252は、ノブ251と一体に形成されノブ251が前後方向に摺動するとき共に動く。ここに、ノブ251が前方に移動すれば、ロッド252もまた前方に直線移動し支持台222を加圧して回転させ、ノブ251が後方に移動すると、ロッド252もまた後方に直線移動し元の所に戻ってくることになる。このとき、ロッド252の先端252aの一側には横方向に加圧突起253が突出形成されている。加圧突起253は、支持台222に形成された加圧突起溝222bに係止され、支持台222を90度まで完全に回転させる役割を果たす。即ち、ロッド252の先端252aが先端溝222aに係止され支持台222を一定角度回転させると、ロッド252の先端252aの後方に位置した加圧突起253は、加圧突起溝222bに係止されたまま支持台222をさらに回転させ、支持台222が90度まで完全に回転されるようにするのである。
【0030】
復元部材254は、一端がつまみ本体211に結合され、他端がロッド252に結合され、普段には図11に示したように圧縮された状態にありながら、ノブ251が前進してからは図14に示したように引き伸ばされる。このとき、ノブ251が図14に示したように前進したあと、固定突起251aが固定溝211aに嵌め込まれると、ヘッド部220がつまみ部210に対し90度回転された状態が維持され、固定突起251aを固定溝211aで解除すれば、復元部材254の復元力によりノブ251は自動に復元され、図11のような状態となる。一方、駆動部250は、ロッド252により支持台222が回転するときベース221が支持台222に対しティルティング可能にするところ、このため、挿入本体212を覆うキャップ260の先端には案内突起255を形成し、ベース221には案内突起255が案内される案内溝256を形成した。案内突起255はキャップ260の先端に下向き突出形成されており、案内溝256はベース221の板面に中央から両側に行くほど窪みが深くなるよう陷沒形成されている。このとき、案内溝256はベース221の前方及び後方にそれぞれ形成されているところ、これはヘッド部220が0度〜360度回転するとき案内突起255が案内可能であるようにするためである。
【0031】
一方、キャップ260には、挿入本体212に結合されたヘッド部220を分離させるためのボタン270が押圧可能に結合されている。ここに、使用者は歯ブラシの毛221aが触れた場合、ボタン270を押してヘッド部220をつまみ部210から分離させたあと、他のヘッド部に取り替えることができるようになる。このため、キャップ260の上部面にはボタン270が押圧可能にボタン作動部260aが形成されている。ボタン270は、使用者が押すための操作本体271と、操作本体271の底面に延長形成され区切板213に形成された通過孔213aを通過し、支持台222の上部面と接触する押圧脚272とで構成される。ここに、使用者がヘッド部220を取り替えるためボタン270を下に押せば、その加圧力により支持台222の上部面に接触されていた押圧脚272が支持台222を下に押すことになり、回転突起241と回転溝242との間の係止が解除され、ヘッド部220がつまみ部210から分離され得る。
【0032】
このような構成により、本発明の第2実施例に係る回転歯ブラシ201がティルティング及び回転される原理を、図15乃至図17を参照して簡単に説明する。先ず、ヘッド部220とつまみ部210が一字をなす初期状態は図11の通りである。このとき、使用者がノブ251をQ'方向に押せば、ロッド252の先端252aは、図15に示したように支持台222の先端溝222aに支持された状態となる。その後、使用者がノブ251をQ'方向にさらに押せば、図16に示したように、ロッド252の先端252aが先端溝222aに支持された状態でさらに前進しながら支持台222がR'方向に大凡60度まで回転することになり、このとき、加圧突起253は支持台222の加圧突起溝222bに着くことになる。一方、支持台222が大凡60度回転する間、ベース221はティルティング軸231を中心に上方にティルティングされる。
【0033】
次に、使用者がノブ251をQ'方向にさらに押せば、ロッド252の先端252aは先端溝222aから離脱した状態となり、このとき、加圧突起253が加圧突起溝222bに支持された状態で前進すれば、図17に示したように、支持台222がR'方向にさらに回転し、ヘッド部220とつまみ部210が図14に示したように大凡90度(T字状)をなすことになる。一方、支持台222が大凡60度から90度まで回転する間、ベース221はティルティング軸231を中心に完全に上方にティルティングされる。ここで、支持台222が大凡0度から90度まで回転する間、ベース221がティルティング軸231を中心にティルティングされる角度は大凡5〜40度であるが、より好ましくは20度がよい。
【0034】
前記構成に係る第2実施例の回転歯ブラシ201によれば、第1実施例で説明したように、ヘッド部220とつまみ部210がT字をなした状態であるとき、ヘッド部220が上方に所定角度(θ)ティルティングされる構造となるので、歯ブラシの毛221aが下側前歯の下部まで届くことができるので、歯石の発生を最大限に防止することができ、歯磨きの時間が短縮され得るとの利点がある。さらに、ヘッド部220とつまみ部210の回転状態を自由自在に作動することができる構造(即ち、ヘッド部220とつまみ部210が一字をなすように、又はT字をなすようにする構造)であるので、奥歯を磨く時は一字となるようにし、前歯や犬歯を磨く時はT字となるように回転させることができるので、使用上便利であるとの利点がある。本発明は、前記実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を外れない限り多様に変形可能であるのは当業者に自明であると言えるので、そのような変形例は本発明の請求範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る回転歯ブラシによれば、ヘッド部とつまみ部がT字をなした状態であるとき、ヘッド部が上方に所定角度ティルティングされる構造になるので、歯ブラシの毛が下側前歯(T)の下部まで届くことができるので、歯石の発生を最大限防止することができ、歯磨きの時間が短縮され得るとの利点がある。
さらに、ヘッド部とつまみ部の回転状態を自在に作動することができる構造であるので、奥歯を磨く時は一字になるようにし、前歯や犬歯を磨く時はT字になるように回転させることができるので、使用上便利な利点がある。
【符号の説明】
【0036】
1、201 回転歯ブラシ
10、110、210 つまみ部
11 第1つまみ部
12 第2つまみ部
13 左側本体
14 右側本体
15 ティルティング支持面
16 回転支持面
17 ストッパ
20、220 ヘッド部
21、221 ベース
22、222 支持台
21a、121a、221a 歯ブラシの毛
30、230 ティルティング部
35 回転具
40、240 回転部
41 第1ギア
42 第2ギア
50、250 駆動部
51、251 ノブ
51a 軸
52、252 ロッド
53 回転具結合溝
54 前方段差傾斜面
55 後方段差傾斜面
211 つまみ本体
211a 固定溝
212 挿入本体
213 区切板
213a 通過孔
214 逆回転防止突起
222a 先端溝
222b 加圧突起溝
223 逆回転防止溝
224 切欠線
231 ティルティング軸
232 軸支持部
241 回転突起
242 回転溝
251a 固定突起
252a ロッドの先端
253 加圧突起
254 復元部材
255 案内突起
256 案内溝
260 キャップ
260a ボタン作動部
270 ボタン
271 操作本体
272 押圧脚
T、T' 下側前歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が把持するためのつまみ部と、
歯ブラシの毛が形成され、前記つまみ部と連結されたヘッド部と、
前記ヘッド部に設けられ前記ヘッド部を上方に所定角度ティルティング可能にするティルティング部と、
前記つまみ部及び前記ヘッド部に設けられ、前記ヘッド部が前記つまみ部に対し回転しT字をなすようにする回転部と、
前記ヘッド部の回転及びティルティングが同時に行われるよう前記ヘッド部を作動するための駆動部と、を含むことを特徴とする回転歯ブラシ。
【請求項2】
前記ヘッド部は、歯ブラシの毛が植毛されたベースと、前記ベースの上部面に一体に設けられ、前記つまみ部に挿入支持される支持台とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の回転歯ブラシ。
【請求項3】
前記ティルティング部は、前記支持台の上部面に球状に設けられ、前記つまみ部に形成されたティルティング支持面を中心に動くことを特徴とする請求項2に記載の回転歯ブラシ。
【請求項4】
前記駆動部は、前記つまみ部の外側に軸を中心に前後方向に押圧可能に設けられたノブと、
前記つまみ部の内部に設けられ、前記ノブの作動により前後方向に移動されるよう、前方段差傾斜面と後方段差傾斜面が形成されたロッドと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の回転歯ブラシ。
【請求項5】
前記回転部は、
前記ティルティング部に突出形成され前記ロッドに回転可能に結合された回転具と、
前記支持台の外周面に形成された第1ギアと、
前記つまみ部に形成された回転支持面の内側面に形成され、前記第1ギアと噛み合う第2ギアとを含んでなることを特徴とする請求項4に記載の回転歯ブラシ。
【請求項6】
前記つまみ部の先端には、前記ヘッド部が前記ティルティング部により所定角度を超過してティルティングされることを阻止するためのストッパが形成されることを特徴とする請求項1に記載の回転歯ブラシ。
【請求項7】
前記ティルティング部は、前記つまみ部の横方向に前記ベースに形成されたティルティング軸と、前記支持台に形成され前記ティルティング軸を支持する軸支持部で構成され、前記ベースが前記ティルティング軸を中心に前記支持台に対しティルティングされることを特徴とする請求項2に記載の回転歯ブラシ。
【請求項8】
前記つまみ部は、使用者が把持するためのつまみ本体と、前記つまみ本体の先端に後方に傾いた形状に形成され、前記支持台が挿入される挿入本体とで構成されることを特徴とする請求項7に記載の回転歯ブラシ。
【請求項9】
前記回転部は、前記挿入本体の内側面に円周方向に沿って突出形成された回転突起と、前記支持台の外側面に陷沒形成され、前記支持台が回転するとき前記回転突起を案内する回転溝とで構成されることを特徴とする請求項8に記載の回転歯ブラシ。
【請求項10】
前記駆動部は、
前記つまみ本体の外側に前後方向に摺動可能に設けられ、前進後前記つまみ本体に形成された固定溝に係止される固定突起が形成されたノブと、
前記つまみ本体の内部に前記ノブと一体に連結され前記支持台を回転させるためのロッドと、
前記つまみ本体の内部に設けられ、前記固定突起が前記固定溝から解除されるとき前記ロッドを復元させる復元部材と、を含んでなることを特徴とする請求項9に記載の回転歯ブラシ。
【請求項11】
前記ロッドの先端後方には、横方向に加圧突起が突出形成されており、
前記支持台の円周面には、前記ロッドが進むとき前記ロッドの先端が支持される先端溝と、前記先端溝から時計方向に沿って離隔された位置に前記加圧突起が支持される加圧突起溝が形成されており、
前記ノブを前進させると、前記ロッドの先端が前記先端溝に支持されたまま前記支持台を所定角度回転させ、そのあと前記加圧突起溝で支持される前記加圧突起が前記支持台をさらに回転させ、前記支持台が90度回転されることを特徴とする請求項10に記載の回転歯ブラシ。
【請求項12】
前記挿入本体を覆うキャップをさらに備え、
前記駆動部は、前記キャップの先端に下向き突出形成された案内突起と、中央から両側に行くほど窪みが深くなるよう前記ベースに陷沒形成され、前記案内突起が案内される案内溝とをさらに含み、
前記ベースは、前記回転部を中心に回転するとき、前記案内突起が前記案内溝に沿って移動しながら前記ティルティング部を中心にティルティングされることを特徴とする請求項11に記載の回転歯ブラシ。
【請求項13】
前記キャップには、前記ヘッド部を分離させるためのボタンが押圧可能に設けられることを特徴とする請求項12に記載の回転歯ブラシ。
【請求項14】
前記挿入本体の内側面には、前記支持台が90度回転したあと逆回転することを防止するための逆回転防止突起が形成された区切板が形成され、
前記支持台の上部面には、前記逆回転防止突起が挿入される逆回転防止溝が形成されることを特徴とする請求項8に記載の回転歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−528664(P2012−528664A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513861(P2012−513861)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003177
【国際公開番号】WO2010/140784
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511293722)
【出願人】(511293733)
【出願人】(511293744)
【出願人】(511293766)
【Fターム(参考)】