説明

回転清掃体、吸込口体

【課題】回転清掃体の軸受部へ髪の毛などが進入するのを防止するとともに、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる回転清掃体を提供する。また、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる吸込口体を提供する。
【解決手段】本回転清掃体は、回転駆動される回転清掃部材と、この回転清掃部材を連結シャフトにより軸支する軸受と、回転清掃部材の端部に設けられたエンドキャップと、このエンドキャップと軸受間に、エンドキャップと分離可能に設けられた円板体と、連結シャフトに外嵌され、かつ円板体とエンドキャップ間に設けられ、円板体およびエンドキャップの直径よりも小さな外径を有する回転部材とを備え、エンドキャップと軸受間に分離可能な毛溜部が形成され、円板体とエンドキャップが分割された状態で、回転部材の少なくとも一端部が開放される。また、本回転清掃体を用いた吸込口体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転清掃体、吸込口体に係り、特に回転清掃体の軸受部に巻き付いた髪の毛などを容易に取り除ける回転清掃体およびこれを備えた吸込口体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に電気掃除機は、掃除機本体に集塵室と、この集塵室に吸込負圧を作用させる電動送風機とを設け、集塵室に集塵ホースを連結し、さらに、この集塵ホースの先端に回転清掃体を備えた吸込口体を設けている。
【0003】
そして、回転清掃体に設けた回転清掃部材を回転させながら、吸込口体を被清掃面に当接して移動させ、吸込口体から含塵空気を集塵ホースを介して集塵室に吸込み、除塵している。
【0004】
従来、回転清掃部材に複数取り付けられた清掃部材の外周に巻き付いた糸ごみ,綿ごみ等の塵埃は、清掃部材に巻き付いた後、ガイドリブに当たると糸ごみ,綿ごみ等の塵埃に分力が働きガイドリブの傾斜に沿いながら複数個のガイドリブを移動し、吸気口まで移動した後、この吸気口から集塵室に捕集される。
【0005】
しかし、清掃部材を毛からなるブラシで構成した場合、糸や髪の毛といった塵埃を吸い込むと、糸や髪の毛がブラシの毛の間に入り込んでブラシの毛の根元まで達し、糸や髪の毛が回転清掃部材に絡み付く。
【0006】
また、従来は、回転清掃部材の芯体の外周に帯状の清掃部材を設け、この清掃部材の根元部を帯状の塩化ビニルで構成し、先端部を帯状のフェルトで構成した場合、清掃部材を帯状の塩化ビニル及び帯状のフェルトで構成することにより、髪の毛や糸くずが清掃部材に入り込むのを防止し、回転清掃部材への巻き付きを防止している。
【0007】
しかし、回転清掃部材の清掃部材として刷毛を用いた場合、絨毯等の掃除面から掻き出された糸屑や髪の毛が、回転清掃部材の刷毛の毛と毛の間に入り込んでしまい、回転清掃部材に巻き付いてしまうといった欠点があった。
【0008】
そのため、回転清掃部材に巻き付いた糸屑や髪の毛を取り除くためには、使用者がカッターやハサミを使って取り除く必要があり、煩わしいものであった。
【0009】
このため、吸込口体内に、回転清掃部材の回転方向に対して前方側が吸込口側に向かって傾斜したリブを設け、このリブは回転清掃部材の回転時、この回転清掃部材の外周に設けた清掃部材と接する吸込口体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の吸込口体は、軸受部への髪の毛などの進入は防止されるが、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる構造にはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
回転清掃体の軸受部へ髪の毛などが進入するのを防止するとともに、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる回転清掃体およびこの回転清掃体を備えた吸込口体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するため、本発明に係る回転清掃体は、回転駆動される回転清掃部材と、この回転清掃部材を連結シャフトにより軸支する軸受と、前記回転清掃部材の端部に設けられたエンドキャップと、このエンドキャップと前記軸受間に、前記エンドキャップと分離可能に設けられた円板体と、前記連結シャフトに外嵌され、かつ前記円板体と前記エンドキャップ間に設けられ、前記円板体および前記エンドキャップの直径よりも小さな外径を有する回転部材とを備え、前記エンドキャップと前記軸受間に分離可能な毛溜部が形成され、前記円板体と前記エンドキャップが分割された状態で、前記回転部材の少なくとも一端部が開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、回転清掃体の軸受部へ髪の毛などが進入するのを防止するとともに、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる回転清掃体を提供することができる。
【0015】
また、本発明によれば、回転清掃体の軸受部へ髪の毛などが進入するのを防止するとともに、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる回転清掃体を備えた吸込口体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転清掃体および吸込口体を用いた電気掃除機の概念図。
【図2】本発明の一実施形態に係る吸込口体を分解して示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る吸込口体から本発明の第1実施形態に係る回転清掃体を取り外した状態を示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態に用いる回転清掃部材を分解して示す斜視図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の正面図。
【図6】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の縦断面図。
【図7】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体を分解して示す斜視図。
【図8】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の駆動側軸部近傍を示す正面図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の駆動側軸部の分離状態を示す正面図。
【図10】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の駆動側軸部と軸受の分離状態を示す斜視図。
【図11】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部近傍を示す正面図。
【図12】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部の分離状態を示す正面図。
【図13】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部と軸受の分離状態を示す斜視図。
【図14】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の吸込口体を裏面から見た非駆動側軸部近傍の斜視図。
【図15】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の吸込口体を裏面から見た駆動側軸部近傍の斜視図。
【図16】本発明の第1実施形態に係る回転清掃体の軸部に絡み付いた髪の毛などの状態を示す概念図。
【図17】本発明の第2実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部近傍を示す断面図。
【図18】本発明の第2実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部の分離状態を示す正面図。
【図19】本発明の第2実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部近傍を示す断面図。
【図20】本発明の第2実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部の分離状態を示す正面図。
【図21】本発明の第3実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部近傍を示す断面図。
【図22】本発明の第3実施形態に係る回転清掃体の非駆動側軸部の分離状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1実施形態に係る回転清掃体およびこれを用いた吸込口体の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1に示すように、本第1実施形態の吸込口体50は、電気掃除機100に用いられる。
【0019】
そして、電気掃除機100は、掃除機本体101と、この掃除機本体101の前部に形成されたホース接続口101aに一端が着脱可能に接続された集塵ホース102と、この集塵ホース102の他端に接続され、設定ボタン103aおよび把手部103bを備えた手元操作パイプ103と、この手元操作パイプ103に着脱自在に接続された延長管104と、この延長管104の先端に着脱自在に接続された床ブラシである本吸込口体50とを備える。
【0020】
掃除機本体101の内部には、集塵ホース102に連通し、いずれも図示しない、高速で流れる空気中に含まれる塵埃を重力差で分離する方式を採用した第1の塵埃除去手段と、プリーツフィルタからなる第2の塵埃除去手段とから構成される集塵ユニットを備えた集塵室105と、両塵埃除去手段で集塵された塵埃を一時的に溜める集塵容器(図示せず)、集塵室105に吸込負圧を作用させる電動送風機106とが設けられる。
【0021】
図2および図3に示すように、本吸込口体50は、吸込口体本体としての横長のケース体51と、このケース体51の後部に設けられた接続管52とを備える。
【0022】
本第1実施形態の回転清掃体1が、ケース体51に脱着自在に収容され、このケース体51は、上側が開放されケース体51の下部をなす下ケース53と、この下ケース53の上部の後側を覆い、下ケース53との間で回転管54を回転自在に挟持する上ケース55と、この上ケース55の前部に取り付けられた蓋部としての前カバー56とを備える。
【0023】
下ケース53には、吸込口57が設けられ、この吸込口57は主吸込口57Aと前側吸込口57Bからなり、主吸込口57Aは下ケース53の前端部に、回転清掃体1の主部をなす回転清掃部材(回転ブラシ)2を収容するように形成された横長四角形状空間の底面に形成され、さらに、下ケース53の前側すなわち横長四角形状空間の前面に形成される。
【0024】
従って、回転清掃部材2が主吸込口57Aおよび前側吸込口57Bに対向して収容される。両吸込口57A、57Bは連通路58、回転管54によって、接続管52に連通される。
【0025】
さらに、ケース体51には、回転清掃体1に取り付けた回転清掃体ギア18、駆動ベルト59を介して、回転清掃部材2を回転駆動する駆動手段としてのモータ60、回転清掃部材2の安全スイッチとなる安全装置61と、回路基板62がそれぞれ設けられる。
【0026】
図4〜図7に示すように、本回転清掃体1は、モータ60(図3)により回転駆動される回転清掃部材2と、この回転清掃部材2に動力を伝達する駆動側の軸部3d、非駆動側の軸部3uを介して支持する駆動側の軸受4d、非駆動側の軸受4uと、軸部3d、3uに各々設けた駆動側の毛溜部(毛溜溝)5d、非駆動側の毛溜部5uを備える。
【0027】
ここで、軸部3dおよび軸部3uは、本実施形態における回転部材をなし、この回転部材に毛溜部5d、毛溜部5uが設けられる。
【0028】
回転清掃部材2の一側(図中右側)には、駆動側のエンドキャップ6dが取り付けられる。
【0029】
このエンドキャップ6dには軸孔7dが設けられ、さらに、駆動側の軸部3dより大きな直径を有する円板形状をなし、その一側(内側)で、毛ブラシ群8を保持し毛ブラシ台9の一端に取り付けられ、他側(外側)には、凹凸結合するように、分割面に歯車状に形成された駆動側の係合部10dが設けられる。
【0030】
毛ブラシ台9は略円筒状をなし、外表面に毛ブラシ11の基端側を保持する溝部12が周方向に略均等に螺旋状に形成され、中心軸上に連結孔13が貫通して設けられる。
【0031】
毛ブラシ11は基端側が毛ブラシ台9の溝部12にそれぞれ保持されることにより、回転清掃部材2の外周面に対して、この回転清掃部材2の軸方向に沿う螺旋壁状で、かつ、回転清掃部材2の径方向に先端側が突出している。
【0032】
回転清掃部材2の一側と同様に、回転清掃部材2の他側(図中左側)には、非駆動側のエンドキャップ6uが取り付けられる。
【0033】
このエンドキャップ6uには軸孔7uが設けられ、さらに、非駆動側の軸部3uより大きな直径を有する円板形状をなし、その一側(内側)で、毛ブラシ台9に取り付けられ、他側(外側)の分割面には、係合部10dに着脱自在に係合する歯車状の係合部10uが設けられる。
【0034】
さらに、図8〜図10に示すように、駆動側のエンドキャップ6dには、連結シャフト17dおよびこの連結シャフト17dが外嵌する軸部3dを介して、円板体20dの外周に取り付けられた回転清掃体ギア18および角取りした略正方形の軸受4dが着脱自在に取り付けられる。
【0035】
軸部3dは、円板体20dと一体に形成され、この円板体20dの外周に一体的に金属製の回転清掃体ギア18が強固に設けられる。
【0036】
回転清掃体ギア18を設けた円板体20dおよび軸部3dは連結シャフト17dと共廻りするように連結シャフト17dに強固に嵌合され、軸受4dは連結シャフト17dを回転自在に軸支する。
【0037】
また、軸部3dの一端側に軸部側の歯車状の係合部21dが設けられ、この係合部21dが駆動側の係合部10dと係脱し、さらに、連結シャフト17dが軸孔7d(図6)、連結孔13に嵌挿されることで、軸部3d、回転清掃体ギア18を設けた円板体20d、および軸受4dがエンドキャップ6dに着脱自在に取り付けられる。
【0038】
円板体20dは軸部3dの直径よりも大きく形成されており、すなわち、軸部3dの直径は、円板体20dおよびエンドキャップ6dの直径よりも小さく、軸部3d上のエンドキャップ6dと円板体20d間には、中空リング状の駆動側の分離可能な毛溜部(毛溜溝)5dが形成される。
【0039】
さらに、軸部3dは図7に示すように、2分割され、この分割された軸部3dの少なくとも一端部3d1は、エンドキャップ6dおよび円板体20dの直径よりも小さくなっている。
【0040】
駆動側のエンドキャップ6dと同様に、図11〜図13に示すように、非駆動側のエンドキャップ6uには、軸部3uが外嵌される連結シャフト17uを介して、軸部3uと一体に設けられた円板体20uおよび軸受4uが着脱自在に取り付けられる。
【0041】
回転清掃部材2の一側(内側)に着脱自在に接続される軸部3uは、この軸部3uの一端側に軸部側の係合部21uが設けられ、この係合部21uが非駆動側の係合部10uと係脱し、さらに、連結シャフト17uが連結孔13(図4)に嵌挿されることで、円板体20uおよび軸受4uがエンドキャップ6uに着脱自在に取り付けられる。
【0042】
円板体20uおよび軸部3uは、連結シャフト17uと共廻りするように連結シャフト17uに強固に嵌合され、軸受4uは連結シャフト17uを回転自在に軸支する。
【0043】
軸部3uの直径は、円板体20uおよびエンドキャップ6uの直径よりも小さく、軸部3u上の円板体20uとエンドキャップ6u間には、中空リング状の非駆動側の分離可能な毛溜部(毛溜溝)5uが形成される。
【0044】
軸部3uは2分割され、この分割された軸部3uの少なくとも一端部3u1は、エンドキャップ6uおよび円板体20uの直径よりも小さくなっている。
【0045】
図14および図15は、吸込口体を裏面から見て、回転清掃体を取り外した状態における毛溜部近傍の構造を示す。
【0046】
図14に示すように、駆動側の回転清掃体ギア18は、下ケース53に設けたギア収納溝63dに収納され、軸受4dは軸受保持溝64dに収納、支持され、さらに、回転清掃体ギア18および軸受4dは、ネジ(図示せず)によって、下ケース53に着脱自在に螺着されるカバーによって所定の位置に保持される。
【0047】
図15に示すように、非駆動側の円板体20dは、下ケース53に設けた円板体収納溝63uに収納され、軸受4uは軸受保持溝64uに収納、支持され、さらに、円板体20dおよび軸受4uは、ネジ(図示せず)によって、下ケース53に着脱自在に螺着されるカバーによって所定の位置に保持される。
【0048】
なお、本第1実施形態では、回転清掃体を回転駆動する駆動手段としてのモータを用いる例で説明したが、駆動手段として電動送風機によって生じる負圧を利用するようにしてもよい。また、本第1実施形態では、回転清掃体の両端に軸部を細径にした毛溜部を設けているが、回転清掃体ギアおよび駆動ベルトを回転清掃部材に隣接して設ける場合には、駆動側に毛溜部を設けず、非駆動側の1箇所に毛溜部を設ければよい。
【0049】
次に、本第1実施形態に係る回転清掃体および吸込口体の作用について説明する。
【0050】
掃除の際、作業者は、まず、掃除機本体101のホース接続口101aに、集塵ホース102、手元操作パイプ103、延長管104および吸込口体50を順次連通接続する。
【0051】
さらに、作業者が、掃除機本体101から電源コードを引き出して図示しないコンセントに接続した後、設定ボタン103aを操作すると、この設定ボタン103aにより設定された動作モードに応じて電動送風機57が駆動される。
【0052】
そして、作業者は、把手部103bを把持して床面上で吸込口体50を走行させる。
【0053】
吸込負圧と回転清掃部材2の作用により、吸込口体50の走行に伴って、吸込口57から被清掃面に溜まった塵埃を連続的に空気とともに延長管104、手元操作パイプ103および集塵ホース102を介して、掃除機本体101に吸い込む。
【0054】
掃除機本体101に吸い込まれた含塵空気は、第1および第2の塵埃除去手段で除塵され、掃除機本体101外に排出される。
【0055】
一方、両塵埃除去手段により除塵された塵埃は、集塵容器に一時的に溜められる。
【0056】
このような掃除を継続すると、被清掃面に溜まった塵埃に髪の毛などが含まれる場合、回転清掃部材2および駆動側の軸部3dおよび非駆動側の軸部3uに絡み付き、毛溜部5dおよび毛溜部5uに溜まる。図16に示すように、軸部3uには、髪の毛などはリング状に密集する。
【0057】
なお、この絡み付き現象は、非駆動側の軸部3uと同様に駆動側の軸部3dにも発生するので、非駆動側の軸部3u側を例にとり説明する。
【0058】
そこで、図11に示すように、エンドキャップ6u側の係合部10uと円板体20u側の係合部21uの係合を外し、軸部3uを分割して、軸部3uの一端部3u1および連結シャフト17uの一端部を開放する。分割された軸部3uの一端部3u1がエンドキャップ6uおよび円板体20uの直径よりも小さく形成されているので、軸部3uにリング状に密集して絡み付いた髪の毛などを軸部3uの一端部3u1から容易に取り除くことができる。
【0059】
また、図12に示すように、軸部3uに設けた係合部10u、21uが歯車状に形成
された凹凸結合であり、分離面が平面状でないので、分割面に髪の毛などが侵入することがなく、軸部3uから除去し易い。
【0060】
また、図11に示すように、軸部3uはその端部に円板体20dを設けているので、軸受4uあるいは軸受保持溝64u(図15)に髪の毛などが達することがなく、軸受4uあるいは軸受保持溝64uへの髪の毛などの絡み付を防止することができる。
【0061】
次に第2実施形態の回転清掃体について説明する。
【0062】
本第2実施形態は、第1実施形態が回転部材(軸部)の分割面に歯車状の係合部が設けられるのに対して、回転部材の分割面が平板状である。
【0063】
例えば、非駆動側の回転部材について説明すると、図17および図18に示すように、第2実施形態の回転清掃体1Aは、非駆動側の回転部材3Auがエンドキャップ6uと円板体20u間に設けられ、エンドキャップ6uおよび円板体20uの直径よりも小さな外径を有する毛溜部5uが設けられ、回転部材3uは中間部で平面状に分割される。回転部材が平面状に分割されると、動力伝達が行われないので、連結シャフト7Auの断面形状を非円形例えば正方形にする。
【0064】
これにより、回転部材3uにリング状に密集して絡み付いた髪の毛などを回転部材3Auの一端部から容易に取り除くことができる。また、回転部材の分割面は平面状であり、製造が容易になる。
【0065】
なお、他の構成は図11、図12に示す回転清掃体と異ならないので、同一符号を付して説明は省略する。
【0066】
また、第3実施形態の回転清掃体について説明する。
【0067】
本第3実施形態は、第2実施形態の分割面が軸部の中間に設けられるのに対して、軸部の端部でエンドキャップ内に設けられる。
【0068】
例えば、非駆動側の軸部について説明すると、図19および図20に示すように、第3実施形態の回転清掃体1Bは、平面状の分割面dが軸部3Buの端部でエンドキャップ6Bu内に設けられる。
【0069】
これにより、軸部3Buにリング状に密集して絡み付いた髪の毛などを軸部3Buの一端部から容易に取り除くことができる。また、分離面がエンドキャップ6Bu内に設けられるので、分割面に髪の毛などが侵入することがなく、軸部3Buから除去し易い。さらに、分割面は平面状であり、製造が容易になる。
【0070】
また、第4実施形態の回転清掃体について説明する。
【0071】
本第4実施形態は、第1実施形態の分割面に歯車状の係合部に、スラスト抜け止め手段を設ける。
【0072】
例えば、図21および図22に示すように、第4実施形態の回転清掃体1Cは、スラスト抜け止め手段として、係合部10Cuに係合凸部10Cu1を設け、係合部21Cuに係合凹部21Cu1を設け、係合凸部10Cu1を係合凹部20Cu1に係合させる。
【0073】
この係合強度は、絡み付いた髪の毛などよりエンドキャップ6uが外方に押されても、係合が外れず、作業者が強い力でエンドキャップ6uを引っ張ると外れる程度にする。
【0074】
これにより、軸部3uにリング状に絡み付いた髪の毛などにより、円板体20uが外方に押され、係合部10Cuと係合部21Cuの係合が外れるのが防止される。
【0075】
上記各実施形態に係る回転清掃体を備えた吸込口体によれば、回転清掃体の軸受部へ髪の毛などが進入するのを防止するとともに、ハサミなどを用いずに、軸部に絡んだ毛を容易に除去できる吸込口体が実現される。
【0076】
なお、各実施形態では、本回転清掃体および本吸込口体をキャニスタ型電気掃除機に用いる例で説明したが、アップライト型電気掃除機にも適用できる。
【符号の説明】
【0077】
1 回転清掃体
2 回転清掃部材(回転ブラシ)
3d 回転部材をなす軸部
3d1 一端部
3d2 一端部
3u 回転部材をなす軸部
4d,4u 軸受
5d 毛溜部(毛溜溝)
5u 毛溜部
6d エンドキャップ
6u エンドキャップ
7d,7u 軸孔
8 毛ブラシ群
9 毛ブラシ台
10d 係合部
10u 係合部
11 毛ブラシ
12 溝部
13 連結孔
17d,17u 連結シャフト
18 回転清掃体ギア
20d 円板体
20u 円板体
21d,21u 係合部
50 吸込口体
51 ケース体
52 接続管
53 下ケース
54 回転管
55 上ケース
56 前カバー
57 吸込口
57A 主吸込口
57B 前側吸込口
58 連通路
59 駆動ベルト
60 モータ
61 安全装置
62 回路基板
63d ギア収納溝
63u 円板体収納溝
64d,64u 軸受保持溝
100 電気掃除機
101 掃除機本体
101a ホース接続口
102 集塵ホース
103 手元操作パイプ
103a 設定ボタン
103b 把手部
104 延長管
105 集塵室
106 電動送風機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される回転清掃部材と、
この回転清掃部材を連結シャフトにより軸支する軸受と、
前記回転清掃部材の端部に設けられたエンドキャップと、
このエンドキャップと前記軸受間に、前記エンドキャップと分離可能に設けられた円板体と、
前記連結シャフトに外嵌され、かつ前記円板体と前記エンドキャップ間に設けられ、前記円板体および前記エンドキャップの直径よりも小さな外径を有する回転部材とを備え、
前記エンドキャップと前記軸受間に分離可能な毛溜部が形成され、
前記円板体と前記エンドキャップが分割された状態で、前記回転部材の少なくとも一端部が開放される
ことを特徴とする回転清掃体。
【請求項2】
前記毛溜部は、前記エンドキャップ内に挿入される前記毛溜部の端部と、前記エンドキャップ間で分割されることを特徴とする請求項1に記載の回転清掃体。
【請求項3】
前記毛溜部は、前記毛溜部の一側と他側が分離可能な凹凸結合により結合されることを特徴とする請求項1に記載の回転清掃体。
【請求項4】
ケース体と、このケース体に開口形成された吸込口と、この吸込口に設けられた請求項1ないし3のいずれか1項に記載の回転清掃体を備えた吸込口体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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