説明

回転繊維化器

溶融鉱物材料から繊維を成形する方法が提供される。前記方法は、オリフィスの最上列を有するオリフィス付周壁を有するスピナーを回転させるステップと、溶融鉱物材料をスピナーに導入して1次ガラス繊維のファンを生じさせるステップと、加熱ガスの環状燃焼流を生じさせ且つ加熱ガスの環状燃焼流を実質的に1次繊維に差し向けるステップと、環状送風機で繊細化空気の環状流を生じさせるステップと、を含み、繊細化空気の環状流は、1次繊維を2次繊維に繊細化するのに十分であり、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの最上列のレベルで半径方向に間隔をあけられるように、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流を差し向けるステップと、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの最上列より下の位置で一緒にされるように、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流を差し向けさせるステップと、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、溶融ガラスからガラス繊維を成形するような溶融鉱物材料から繊維を成形することに関する。特に、本発明は、溶融鉱物材料から繊維を製造するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス繊維及び他の熱可塑性材料の繊維は、吸音材料及び断熱材料を含む種々の用途に有用である。断熱製品に使用されるガラス繊維を製造する一般的な方法は、回転工程からガラス繊維を製造することを含む。回転工程では、ガラス組成物を溶解して、遠心スピナーとして一般的に知られている遠心機の外周壁のオリフィスから押して繊維を製造する。1つの一般的に使用されるスピナーは、一般的にカップ形状であり、中心穴を有する底壁、上部開口及び底壁から上方に湾曲して上部開口を形成する外周側壁を有する。他の一般的に使用されるスピナーは、ガラス組成物を繊維化のために側壁に進ませるスリンガーカップを使用する。駆動シャフトが、スピナーを回転させるために使用され、典型的にはクイルを有するスピナーに固定されている。もしスピナーがより効率的に繊維を製造できるならば、有利になる。
【発明の概要】
【0003】
本発明によれば、溶融鉱物材料から繊維を成形する方法が提供され、本発明方法は、オリフィスの最上列を有するオリフィス付周壁を有するスピナーを回転させるステップと、溶融鉱物材料をスピナーに導入して1次ガラス繊維のファンを作るステップと、加熱ガスの環状燃焼流を生じさせ且つ加熱ガスの環状燃焼流を実質的に1次繊維に差し向けるステップと、1次繊維を2次繊維に繊細化するのに十分である繊細化空気の環状流を環状送風機で生じさせるステップと、繊細化空気の環状流は、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの最上列のレベルで半径方向に間隔をあけるように、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流を差し向けさせるステップと、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの最上列より下の位置で一緒にされるように、加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流を差し向けさせるステップと、を含むことを特徴とする。
【0004】
本発明によれば、また、溶融鉱物材料から繊維を成形する装置が提供される。前記装置は、環状バーナーと、関連した燃焼チャンバとを含む。燃焼チャンバは環状チャンバ出口を有する。環状バーナーは環状チャンバ出口の中を流れる加熱ガスの燃焼流を生じさせるように構成される。フレームリングが、環状チャンバ出口から下方に延びる。フレームリングは下方に延びるフレームリングリップを有する。スピナーは、回転のために取付けられる。スピナーはオリフィス付周壁を有する。オリフィス付周壁はオリフィスの最上列を有する。スピナーは1次繊維のファンを生じさせるように構成される。環状送風機が、1次繊維を2次繊維に繊細化するのに十分な繊細化空気流を生じさせるように構成される。フレームリングリップは、加熱ガスの燃焼流と繊細化空気流が、オリフィスの最上列のレベルで半径方向に間隔をあけられ、オリフィスの最上列より下の位置で一緒にされるように、加熱ガスの燃焼流と繊細化空気流を差し向けさせるように位置決めされる。
【0005】
本発明によれば、また、溶融鉱物材料から繊維を成形する装置が提供される。前記装置は、環状バーナーと、関連した燃焼チャンバと、を含む。燃焼チャンバは環状チャンバ出口を有する。スピナーは、回転のために取付けられる。スピナーはオリフィス付周壁を有する。オリフィス付周壁はオリフィスの最上列を有する。スピナーは1次繊維のファンを生じさせるように構成される。環状送風機は、1次繊維を2次繊維に繊細化するように構成される。環状チャンバ出口は、1.4インチ(35.6mm)から1.6インチ(40.6mm)の範囲の距離だけオリフィスの最上列のレベルより下である。
【0006】
本発明によれば、また、溶融鉱物材料から繊維を成形する装置が提供される。前記装置は、環状バーナーと、関連した燃焼チャンバとを含む。燃焼チャンバは環状チャンバ出口を有する。フレームリングは、環状チャンバ出口に対して垂直下方に延びる。フレームリングはフレームリング底面を有する。スピナーは回転のために取付けられる。スピナーはオリフィス付周壁を有する。オリフィス付周壁はオリフィスの最上列を有する。スピナーは1次繊維のファンを生じさせるように構成される。環状送風機が、1次繊維を2次繊維に繊細化するように構成される。オリフィスの最上列は、0.08インチ(2.0mm)から0.10インチ(2.5mm)の範囲の距離だけフレームリングの底面より下のレベルにある。
【0007】
さまざまな目的及び利益が、添付図面に照らして読むとき、本発明の以下の詳細な説明から当業者に明らかになろう。しかしながら、図面は、例示の目的のためであり、本発明の限定を定めるものと解釈されるべきではないことを明白に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来技術の回転繊維化システムの断面図である。
【図2】図1の従来技術の回転繊維化システムの一部分の断面図である。
【図3】回転繊維化システムを示す本発明の断面図である。
【図3A】図3の繊維化システムの一部分の拡大断面図である。
【図4】図1の従来技術の繊維化システムによって製造されたガラス繊維の繊維直径を図3の繊維化システムからのガラス繊維と比較するグラフである。
【図5】図1の従来技術の繊維化システムによって製造された繊維のドレープ長さを図3の繊維化システムからの繊維と比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、鉱物材料から繊維を製造するのに使用される、全体的に参照番号10で示された周知の繊維化システムの一例を図1に示す。繊維化システム10は、回転可能シャフトすなわちスピンドル14の下端に取付けられたスピナ12を含む。スピナ12は、いかなる適当な方法でスピンドル14に取付けることができる。作動中、回転するスピンドル14は、スピナ12を回転させる。スピナ12は、スピンドル14から周壁19まで延びるスピナベース18を含む。複数のオリフィス20が、周壁19に位置決めされる。典型的には、スピナはおおよそ20,000〜40,000のオリフィス20を有する。変形例として、スピナは、40,000以上のオリフィス又は20,000以下のオリフィスを有することがある。オリフィス20は、溶融鉱物材料にスピナ12の周壁19から外へ遠心力を作用されるとき、1次繊維22を形成するように構成される。
【0010】
スピナ12には溶融鉱物材料の流れ78が供給される。溶融鉱物材料の一例は、溶融ガラスである。溶融鉱物材料の他の例は、溶融岩、スラグ及び玄武岩を含む。
【0011】
送出機構82は、溶融ガラスの流れ78を供給するために用いられる。送出機構82は、炉から溶融ガラスの流れ78を供給するために適当な、例えば前炉又はチャンネルのようないかなる機構、装置又は構造であってもよい。流れ78の溶融ガラスは、スピナ12のチャンバ42に降下する。作動中、回転するスピナによって生じた遠心力は、チャンバ42内の溶融ガラスをスピナ12の周壁19に押しつける。溶融ガラスは、スピナ12の周壁19に隣接して溶融ガラスのヘッド90を形成する。スピナが回転し続けるとき、溶融ガラスは複数のオリフィス20に押い通され、1次繊維22のファン21を成形する。ここで使用される用語”ファン”は、周壁19から出る1次繊維の量を意味するものと定義されている。
【0012】
図1を再び参照すると、1次繊維22は、環状バーナー24の熱によって柔らかい繊細化可能な状態に維持される。以下でより詳細に説明されるように、環状バーナー24は、1次繊維22のファン21に差し向けられた加熱ガスの燃焼流25を提供するように構成される。環状バーナー24は、1次繊維22のファン21に差し向けられる加熱ガスの燃焼流25を提供するのに十分な例えばガスバーナーのようないかなる構造又は機構であってもよい。
【0013】
図1に示すように、環状送風機28は、複数の送風機孔52を通って繊細化空気流31を提供するように構成される。孔52を通って流れる繊細化空気流31は、1次繊維22に接し、それによって、1次繊維22を繊細化し2次繊維32を成形する。例示した実施形態では、2次繊維32は、ウール断熱材料のような製品に使用するのに適している。次いで、2次繊維32は、ガラスウールパックのような製品への形成のために、コンベヤ(図示せず)又は他の適当な装置上に集められる。変形例として、2次繊維32を、下流の作業(図示せず)でさらに加工されてもよい。
【0014】
図1を再び参照すると、任意のクイルパン46が、スピナ12の底をほぼ覆うために用いられる。クイルパン46は、スピナ12の底を覆うのに十分ないかなる形状を有してもよい。スピナ12及びクイルパン46は、ハブ54に取付けられる。ハブ54は、スピンドル14の下端で回転するために取り付けられる。ハブ54は、スピンドル14の下端で回転するのに適当ないかなる形態を有してもよい。
【0015】
図2を参照すると、環状バーナー24は、燃焼チャンバ26と関連する。燃焼チャンバ26は、環状チャンバ出口27を含む。環状バーナー24は、燃焼チャンバ26内の燃焼が、加熱ガスの燃焼流25を環状チャンバ出口27を通ってDJ方向に生じさせるように燃焼チャンバ26内に構成される。図2に示す環状バーナー24は、燃焼チャンバ26の頂部に位置決めされるが、環状バーナー24は、燃焼流25を環状チャンバ出口27を通ってDJ方向に生じさせるのに十分な、燃焼チャンバ26に対していかなる位置に設置されてもよいことが理解されるべきである。
【0016】
図2に示すように、燃焼流25は、ボトムセンターケーシング34及びフレームリング36に沿ってDJ方向に流れる。ボトムセンターケーシング34は高さHBCCを有する。例示した実施形態では、高さHBCCはおおよそ1.5インチ(38.1mm)である。ボトムセンターケーシングは、スピナー12と環状バーナー24の間に配置された構造骨組みである。
【0017】
フレームリング36は、燃焼チャンバ26を出る燃焼流25を差し向けるように構成されている。フレームリング36は、下方に延びるフレームリングリップ38を含む。フレームリングリップ38は、底面39を有する。フレームリングリップ38は、いくつかの目的のためにチャンバ出口27に対して下方に延びる。第一に、フレームリングリップ38は、フレームリング36と送風機28の間の通路30にピンチ領域50を生じさせる。ピンチ領域50は、通路30を通って流れる誘導空気流を絞るために構成されている。第二に、フレームリングリップ38は、燃焼チャンバ26から流れる燃焼流25と通路30から流れる誘導空気流を分離するために下方に延びる。第三に、フレームリングリップ38は、燃焼チャンバ26から流れる燃焼流25を1次繊維22のファン21に交差する方向に差し向ける。
【0018】
図2に示すように、送風機28は、複数の孔52を含む。送風機28は、孔52を通ってDB方向に繊細化空気流31を提供するように構成されている。孔52を通って流れる繊細化空気流31は、1次繊維22に接し、1次繊維22を繊細化して2次繊維32を成形する。
【0019】
図2を再び参照すると、オリフィス20は、スピナー12の遠心力が、溶融ガラスをオリフィス20に押し通すときに1次繊維22のファン21を成形するように構成されている。オリフィス20には、列に最上列60が形成されることがある。第一距離D1は、オリフィスの最上列60とフレームリング38の底面39との間の距離を成す。例示した実施形態では、第一距離D1は、おおよそ0.406インチ(10.3mm)である。
【0020】
図2に示すように、第二距離D2は、オリフィスの最上列60とチャンバ出口27との間の距離を成す。例示した実施形態では、第二距離D2は、おおよそ1.856インチ(47.1mm)である。
【0021】
図2を再び参照すると、第三距離D3は、オリフィスの最上列60と送風機28の孔52との間の距離を成す。例示した実施形態では、距離D3は、おおよそ0.097インチ(2.5mm)である。
【0022】
図2に示すように、燃焼流25と繊細化空気流31は、最初フレームリングリップ38によって半径方向に間隔を隔てられている。例示した実施形態では、燃焼流25及び繊細化空気流31は、オリフィスの最上列60の上に垂直に位置決めされた点Aで一緒にされる。
【0023】
図3を参照すると、繊維化システム10は、チャンバ出口27に対して垂直に上方に移動されたスピナー12及び送風機28を含む。スピナー12及び送風機28をチャンバ出口27に対して垂直に上方に移動させることにより、オリフィスの最上列60及び1次繊維22の生じたファン21を、フレームリング38により近く位置決めさせる。オリフィス60及び1次繊維22をチャンバ出口27に垂直により近く位置決めした結果、繊維化工程の効率の著しい且つ予期しない改善がなされる。繊維化工程の効率の改善の1つのありうる理由は、燃焼チャンバ26から流れる燃焼流25が、送風機からの繊細化空気流31と混合する前に1次繊維22のファン21の中を実質的に流れることである。燃焼流25は繊細化空気流31と混合する前に1次繊維22のファン21の中を実質的に移動するので、大きな熱量が1次繊維22に伝達される。
【0024】
繊維化工程の効率の改善は、いくつかのやり方でこれを明らかに示すことが可能である。第1に、同じ繊維直径を有する1次繊維を、環状バーナーでより小さいエネルギーを用いて製造することができる。環状バーナーでより小さいエネルギーを用いる結果、コスト節約になる。第2に、生じた2次繊維32の直径を、所定レベルの環状バーナーエネルギーに関して減少させることができる。試験結果は、一定のガス流で1.2HT(10万分の1インチ"hundred thousanths of an inch")(0.3ミクロン".3 microns")の繊維直径の減少、代わりに一定の繊維直径で20%までのガス流減少を示した。最後に、環状バーナーでより小さいエネルギーを用いること及び繊維直径の減少の組合せを、実現することができる。
【0025】
図3に示すように、第一距離D1’が、オリフィスの最上列60の新しい位置とフレームリング38の底面39との間の距離をなす。例示した実施形態では、第一距離D1’は、おおよそ0.0935インチ(2.4mm)である。他の実施形態では、第一距離D1’は、0.08インチ(2.0mm)から0.10インチ(2.5mm)の範囲であるのがよい。
【0026】
図3に示すように、第二距離D2’は、開口の最上列60の新しい位置とチャンバ出口27との間の距離をなす。例示した実施形態では、第二距離D2’は、おおよそ1.544インチ(39.2mm)である。他の実施形態では、第二距離D2’は、1.4インチ(35.6mm)から1.6インチ(40.6mm)の範囲であるのがよい。
【0027】
図3を再び参照すると、第三距離D3’は、開口の最上列60の新しい位置と送風機28の開口52との間の距離をなす。例示した実施形態では、距離D3’は、おおよそ0.160インチ(4.1mm)である。
【0028】
図3を再び参照すると、チャンバ出口27に対してスピナー12の垂直上方への移動は、ボトムセンターケーシング34の高さHBCCの減少によって達成される。例示した実施形態では、ボトムセンターケーシング34の高さHBCCを、おおよそ0.3125インチ(7.9mm)だけ減少させて、おおよそ1.200インチ(30.5mm)の修正高さHBCC’にした。他の実施形態では、ボトムセンターケーシング34の高さHBCCを、0.3125インチ(7.9mm)よりも多い又は少ないだけ減少させてもよい。他の実施形態では、スピナー12の垂直上方への移動を、他の方法で達成させてもよい。
【0029】
図3Aを参照すると、燃焼流25と誘導空気流33は、フレームリングリップ38によって点Aで半径方向に間隔を隔てられている。燃焼流25と誘導空気流33は、燃焼流25と誘導空気流33が、オリフィスの最上列60のレベルの垂直に下のレベルに位置決めされる点Bで一緒にされるまで、半径方向に間隔を隔てられたままである。
【0030】
図2を再び参照すると、送風機28は、通路30を画成するのに役立つ上部内側コーナー56を有する。送風機28の上部内側コーナー56は、半径R1を有する。図3に示すように、送風機28の上部内側コーナー56は、半径R2を有するように修正されている。例示した実施形態では、ピンチ領域50を望ましい絞りレベルに維持することができるように、半径R2は、半径R1よりも大きい。他の実施形態では、送風機28の垂直移動を、他の方法で達成することができる。
【0031】
上記のように、試験結果が、一定のガス流で1.2HT(10万分の1インチ"hundred thousanths of an inch")(0.3ミクロン".3 microns")の繊維直径の減少を示す。図4に示すように、おおよそ18.6HT(4.6ミクロン)(曲線92によって示すように)の平均繊維直径は、スピナー12及び送風機28の移動前に実現された。スピナー12及び送風機28の移動後、おおよそ17.4HT(4.4ミクロン)(曲線93によって示すように)の平均繊維直径が実現された。
【0032】
断熱バット(insulation batt)のR値は、式1を用いて繊維断熱材の厚さ(T)及び熱伝導率(k)によって決定することができる。
R=T/k (1)
【0033】
R値は、断熱材の熱伝導率kを減少させることによって増大する。減少させたk値は、典型的に、断熱材の密度を増大させることによって又は断熱材の繊維直径を減少させることによって得られる。
【0034】
繊維直径の減少は一定のガス流量で起こり、k値は減少すると期待されるが、k値は、その全体を援用する米国特許出願公報第2007-0000286に見られる図4のk曲線に示される期待されるk値以下の熱伝導率(k)の減少によって示されるように、期待される減少よりもさらに減少されることが図4に示すデータから明らかである。熱伝導率は、k点(k-point)が全体のk値の小数第三位の変化であるk点で測定される。式1(上式)に示すように、k値の改善(すなわち、減少)は、全体断熱すなわちR値の改善を生じさせる。断熱ガラス繊維の大規模製造者は、一年に何億又は何十億ポンドの断熱材を製造するので、k値の小さい改善でも材料コストの劇的な節約をもたらす。
【0035】
繊維化システム10の追加の予期しない利益は、図5のデータに示される。図5に示すように、スピナー12と送風機28の垂直移動前に繊維化システムから生じた繊維のドレープ長さ(曲線95によって示すように)は、ガス流量の様々なレベルで、スピナー12と送風機28の垂直移動後に繊維化システムから生じた繊維のドレープ長さ(曲線96によって示すように)よりも長かった。
【0036】
本発明の作動の原理及びモードは、発明の好ましい実施形態に記述されている。しかしながら、回転繊維化器は、その範囲から外れることなく具体的に図示され且つ記述された以外で実施してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融鉱物材料から繊維を成形する方法であって、
オリフィス(20)の最上列を有するオリフィス付周壁(19)を有するスピナー(12)を回転させるステップと、
溶融鉱物材料(78)を前記スピナーに導入して1次ガラス繊維(22)のファン(21)を生じさせるステップと、
加熱ガスの環状燃焼流(25)を生じさせ且つ前記加熱ガスの環状燃焼流を実質的に前記1次繊維に差し向けるステップと、
前記1次繊維を2次繊維(32)に繊細化するのに十分な繊細化空気の環状流(31)を環状送風機(28)で生じさせるステップと、
前記加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの前記最上列のレベルで半径方向に間隔をあけられるように、前記加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流を差し向けさせるステップと、
前記加熱ガスの環状燃焼流と繊細化空気の環状流が、オリフィスの前記最上列より下の位置で一緒にされるように、前記加熱ガスの環状燃焼流と前記繊細化空気の環状流を差し向けさせるステップとを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記加熱ガスの環状燃焼流と前記繊細化空気の環状流が、最初にフレームリング(36)のレベルで半径方向に間隔をあけられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレームリングは、底面(39)を有するフレームリングリップ(38)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレームリングの前記底面は、0.08インチ(2.0mm)から0.10インチ(2.5mm)の範囲の距離だけオリフィスの前記最上列より上である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ボトムセンターケーシング(34)は、前記スピナーと燃焼チャンバ出口(27)の間に位置決めされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ボトムセンターケーシングは、1.200インチ(30.5mm)の厚さを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
溶融鉱物材料から繊維を成形する装置であって、
環状バーナー(24)及び関連した燃焼チャンバ(26)を含み、前記燃焼チャンバは環状チャンバ出口(27)を有し、前記環状バーナーは前記環状チャンバ出口の中を流れる加熱ガスの燃焼流(25)を生じさせるように構成され、
前記環状チャンバ出口から下方に延び、且つ下方に延びるフレームリングリップ(38)を有するフレームリング(36)と、
回転のために取付けられ、オリフィス(20)の最上列を有するオリフィス付周壁(19)を有するスピナー(12)と、を含み、前記スピナーは1次繊維(22)のファン(21)を生じさせるように構成され、
前記1次繊維を2次繊維(32)に繊細化するのに十分な繊細化空気流を生じさせるように構成される環状送風機を含み、
前記フレームリングリップは、前記加熱ガスの燃焼流と前記繊細化空気流が、オリフィスの前記最上列のレベルで半径方向に間隔をあけられ、オリフィスの前記最上列より下の位置で一緒にされるように、前記加熱ガスの燃焼流と前記繊細化空気流(31)を差し向けさせるように位置決めされる、ことを特徴とする前記装置。
【請求項8】
溶融鉱物材料から繊維を成形する装置であって、
環状バーナー(24)及び関連した燃焼チャンバ(26)を含み、前記燃焼チャンバは環状チャンバ出口(27)を有し、
回転のために取付けられ、オリフィス(20)の最上列を有するオリフィス付周壁(19)を有するスピナー(12)を含み、前記スピナーは1次繊維(22)のファン(21)を生じさせるように構成され、
前記1次繊維を2次繊維(32)に繊細化するように構成された環状送風機を含み、
前記環状チャンバ出口は、1.4インチ(35.6mm)から1.6インチ(40.6mm)の範囲の距離だけオリフィスの前記最上列のレベルより下にある、ことを特徴とする前記装置。
【請求項9】
溶融鉱物材料から繊維を成形する装置であって、
環状バーナー(24)及び関連した燃焼チャンバ(26)を含み、前記燃焼チャンバは環状チャンバ出口(27)を有し、
前記環状チャンバ出口(27)に対して垂直下方に延びるフレームリング(36)を含み、前記フレームリングはフレームリング底面(39)を有し、
回転のために取付けられ、オリフィスの最上列を有するオリフィス付周壁(19)を有するスピナー(12)を含み、前記スピナーは1次繊維(22)のファン(21)を生じさせるように構成され、
前記1次繊維を2次繊維(32)に繊細化するように構成された環状送風機を含み、
オリフィス(20)の前記最上列は、0.08インチ(2.0mm)から0.10インチ(2.5mm)の範囲の距離だけ前記フレームリングの底面より下のレベルである、ことを特徴とする前記装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−522132(P2010−522132A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554777(P2009−554777)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2008/057872
【国際公開番号】WO2008/116176
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(507220187)オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー (14)
【Fターム(参考)】