説明

回転翼飛行体

【課題】機体の水平維持及び滑空等を同時に実現できる回転翼飛行体を提供する。
【解決手段】機体102と、飛行時の進行方向に対して翼軸が横向きに配置され、飛行時に翼軸を中心に回転する回転翼104とを備え、回転翼104は飛行に伴った空気抵抗によって回転する回転翼飛行体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転翼飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに実用化されている翼を有する飛行体は、主翼が機体に対して固定され機体が前進することによって揚力を発生させ飛行する固定翼飛行体と、1個以上の回転する翼によって揚力を発生させ飛行する回転翼飛行体とに分類される。回転翼飛行体としては、鉛直方向の軸に対して翼を公転させて揚力を得るヘリコプターやオートジャイロ等が広く利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
固定翼飛行体は、主翼が機体に固定されているため、上昇又は下降の際に主翼が受ける空気の流れを変えるためには機体も進行方向に対して傾いてしまう。
【0004】
一方、ヘリコプターやオートジャイロのように鉛直方向の軸に対して翼を公転させて揚力を得る回転翼飛行体では、上昇又は下降の際に機体自体を水平に維持することが可能である。しかしながら、ヘリコプターやオートジャイロのように鉛直方向の軸に対して翼を公転させて揚力を得る回転翼飛行体は、緊急時等において回転動力が停止した際に動力なしで滑空することができず安全上の問題が発生する場合がある。
【0005】
例えば、推進力がなくなった場合には舵等で方向が制御することができ、舵がとれなくなった場合であっても、機体を自然に水平に保ったまま滑空し、着陸できる飛行体であれば従来より安全な飛行が可能となる。
【0006】
本発明は、従来の固定翼飛行体や回転翼飛行体では得られなかった機体の水平維持及び滑空等を同時に実現できる回転翼飛行体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、回転翼飛行体であって、機体と、飛行時の進行方向に対して翼軸が横向きに配置され、飛行時に前記翼軸を中心に回転する回転翼と、を備え、前記回転翼は、飛行に伴った空気抵抗によって回転することを特徴とする。
【0008】
ここで、前記回転翼は、飛行姿勢において、空気抵抗によって、上部が進行方向の逆方向かつ下部が進行方向に向けて回転する構造を有することが好適である。
【0009】
また、前記回転翼は、回転中に上部が進行方向の逆方向に凸となり、下部が進行方向に凸となるS字形状を有することが好適である。
【0010】
また、前記回転翼は、機体の進行方向に略平行に配置されたリング部を備えることが好適である。
【0011】
また、前記回転翼は、機体の進行方向に略平行に配置された円盤状又は楕円盤状の部材を備えることが好適である。
【0012】
また、前記回転翼は、その形状を変形可能であることが好適である。
【0013】
また、飛行時において、前記回転翼が生み出す揚力の中心位置より、前記機体の重心の中心位置が低い位置に維持されることが好適である。
【0014】
また、飛行時において、前記回転翼に対する前記機体の重心位置が自動的に調整されることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の固定翼飛行体や回転翼飛行体では得られなかった機体の水平維持及び滑空等を同時に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における回転翼飛行体の構成を示す正面全体図である。
【図2】本発明の実施の形態における回転翼飛行体の構成を示す側面全体図である。
【図3】本発明の実施の形態における機体の構成を示す拡大正面図である。
【図4】本発明の実施の形態における機体の構成を示す拡大側面図である。
【図5】本発明の実施の形態における回転翼の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態における回転翼飛行体の別例の構成を示す側面全体図である。
【図7】本発明の実施の形態における回転翼の別例の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態における変形可能な回転翼の構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における回転翼の別例の構成を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態における回転翼の別例の構成を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態における回転翼の別例の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態における回転翼の別例の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態における伸縮式の回転翼の構成を示す断面図である。
【図14】発明の実施の形態における伸縮式の回転翼の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態における回転翼飛行体100は、図1の正面全体図及び図2の側面全体図に示すように、機体102及び回転翼104を含んで構成される。また、図3及び図4に、機体102の拡大正面図及び拡大側面図を示す。また、図4に、回転翼104の拡大図を示す。なお、図2では、機体102の構成を明確に示すために回転翼104を破線で示している。
【0018】
本実施の形態における回転翼飛行体100は、図1に示すように、機体102の進行方向Aに対して横方向に広がる回転翼104を機体102の両側に備える。回転翼104は、機体102に対して翼軸40を中心に自転可能に取り付けられており、回転翼飛行体100の飛行に伴って図2の回転方向Bに自転することによって揚力を生み出す。
【0019】
これまでの固定翼飛行体や回転翼飛行体では、翼面の空気抵抗をなるべく少なくして気圧差を発生させることによって揚力を生み出すが、本実施の形態における回転翼飛行体100は、風力抵抗を利用して揚力を生み出すものである。すなわち、空気抵抗により回転翼104が回転し、進行方向に対して上向き又は下向きの力を発生させる。このような、回転翼飛行体100は、他の飛行形態の飛行体よりも浮遊感のある飛行を可能とする。これを応用して、車両等のためにダウンフォースを生み出すことも可能である。
【0020】
機体102は、回転翼飛行体100の重心バランスを取ると共に、推進力を発生させる。機体102は、プロペラ10a,10b、制御部12、駆動モータ14a,14b、歯車16a,16b,18a,18b、回転軸20a,20b、ベアリング22、機体フレーム24、支持フレーム26及び翼フレーム28を含んで構成される。
【0021】
機体102の構造部材となるプロペラ10a,10b、回転軸20a,20b、ベアリング22、機体フレーム24、支持フレーム26及び翼フレーム28は、軽量かつ構造的強度に優れた材料とすることが好適である。例えば、木材、紙、カーボンファイバ、グラスファイバ等の繊維素材、チタン、アルミ等の軽量金属材料を用いることが好適である。
【0022】
機体102の各構成部は機体フレーム24に搭載される。機体フレーム24は、板状の部材であり、機体102の底部に配置される。回転軸20aは円筒形状を有しており、回転軸20a内に回転軸20bがその先端を露出するように同軸に挿入される。回転軸20a,20bは機体102の進行方向Aに沿って前後方向に延設される。プロペラ10aは、回転軸20aの一端の周に取り付けられる。本実施の形態では、プロペラ10aは、機体102の回転翼飛行体100の進行方向の後方側に等角度で3枚設けられる。回転軸20aの他端の周には歯車16aが取り付けられる。歯車16aは、駆動モータ14aの回転軸に取り付けられた歯車18aに係合し、回転軸20aを介して駆動モータ14aの回転をプロペラ10aに伝達する。プロペラ10bは、回転軸20bの一端の周に取り付けられる。本実施の形態では、プロペラ10bは、機体102の回転翼飛行体100の進行方向の後方に等角度で3枚設けられる。回転軸20bの他端の周には歯車16bが取り付けられる。歯車16bは、駆動モータ14bの回転軸に取り付けられた歯車18bに係合し、回転軸20bを介して駆動モータ14bの回転をプロペラ10bに伝達する。
【0023】
プロペラ10bの回転方向はプロペラ10aとは逆方向とすることによって、プロペラ10a,10bによって機体102に掛る回転力を打ち消し合わせることができ、回転翼飛行体100の飛行姿勢を安定に保つことができる。また、回転軸20aを回転させる駆動手段(モータ等)を搭載し、プロペラの回転を別々に制御し、機体102に意図的に回転力を伝えることで、機体102の姿勢(傾き)を変えることができる。これにより、舵を必要とせずに方向転換をすることが可能となる。
【0024】
なお、本実施の形態では、プロペラ10a,10bはそれぞれ3枚ずつ設けたが、これに限定されるものではなく、回転翼飛行体100に必要な推進力等に応じて変更してもよい。また、プロペラ10a,10bは回転翼飛行体100の後方に位置させたが、これに限定されるものではなく、回転翼飛行体100に必要な推進力が得られ、重心のバランスがとれる位置であればよい。また、回転軸20a,20bを同軸に配置する構成としたが、これに限定されるものではなく、2軸構造としてもよい。例えば、機体102の前方に配置してもよいし、機体102に左右に並べて配置してもよい。
【0025】
制御部12は、回転翼飛行体100の飛行を制御する。制御部12は、機体フレーム24に搭載される。例えば、制御部12は、無線受信システムを備え、ユーザが無線コントローラ(図示しない)を用いて発する制御信号を受けて、駆動モータ14a,14bの回転速度を制御する制御信号を生成して出力する。また、駆動モータ14a,14bを駆動するためのバッテリーを備えてもよい。
【0026】
さらに、機体102には、回転翼104及び回転翼104のベアリング22を支持するための翼フレーム28が設けられる。翼フレーム28は、回転翼飛行体100の進行方向に対して横向きに、機体102に対する回転翼104の取り付け角度に応じた角度で延設される。具体的には、水平方向に対して回転翼104の両翼端部に向かって僅かに上向きとなるように翼フレーム28を設けることが好適である。翼フレーム28は、機体フレーム24から延設される支持フレーム26によって機体フレーム24に固定される。翼フレーム28には、ベアリング22が固定される。ベアリング22には、後述する回転翼104の翼軸40が取り付けられる。ベアリング22は、回転翼104が翼軸40を中心に機体102に対して回転可能に支持する。
【0027】
ここで、左右の回転翼104は、それぞれ独立に回転可能に支持することが好適である。これによって、一方の回転翼104が何らかの影響で止まってしまった場合であっても、他方の回転翼104によって揚力をある程度得ることができ、急激な落下等を防ぐことができる。勿論、左右の回転翼104の一体に回転するように支持してもよい。
【0028】
回転翼104は、図5の部分斜視図に示すように、翼軸40、構造フレーム42、外枠44、翼面46、リング部48及び円盤部材50を含んで構成される。
【0029】
翼軸40、構造フレーム42、外枠44及びリング部48は、軽量かつ構造的強度に優れた材料とすることが好適である。例えば、木材、紙、カーボンファイバ、グラスファイバ等の繊維素材、チタン、アルミ等の軽量金属材料を用いることが好適である。また、翼面46及び円盤部材50は、軽量なフィルム素材で構成することが好適である。ただし、フィルム素材でなくともよく、板材等であってもよい。
【0030】
翼軸40は、回転翼104を機械的に支持する構造体である。翼軸40は、機体102の翼フレーム28に設けられたベアリング22に取り付けられ、機体102に対して翼軸40を中心に回転翼104を回転可能とする。材料及び形状を調整して、回転翼104から得られる揚力に対して回転翼飛行体100の重心位置が自動的に調整されるようにしておくことが好適である。例えば、翼軸40に弾性を持たせておくことによって、回転翼104から得られる揚力に対して回転翼飛行体100の重心位置が自動的に調整されるようにしておくことが好適である。
【0031】
翼軸40には、構造フレーム42及び外枠44が設けられる。構造フレーム42は、翼軸40から放射状に延設される。構造フレーム42は、回転翼104の翼面46の形状を画定する。外枠44は、構造フレーム42の端部を接続するように設けられ、構造フレーム42と共に回転翼104の外形を画定する。
【0032】
構造フレーム42及び外枠44の形状に沿って翼面46が形成される。翼面46は、回転翼飛行体100の飛行に伴った空気抵抗によって回転翼104が翼軸40を中心に回転するように構成される。
【0033】
例えば、図1、図2及び図5に示すように、S字状に形成した構造フレーム42を翼軸40に並べて取り付け、構造フレーム42の曲面に沿った翼面46を形成する。このような回転翼104を、図2に示すように、機体102の上部において進行方向の逆方向に凸となり、下部が進行方向に凸となるように取り付ける。これにより、回転翼飛行体100が図1の進行方向Aに向けて飛行すると、進行方向Aに対して逆向きに凸となる上部の空気抵抗は進行方向Aに対して凸となる下部の空気抵抗よりも大きくなり、図2の回転方向Bで示すように、上部が進行方向の逆方向かつ下部が進行方向に向けて回転する。
【0034】
また、例えば、図6の全体側面図及び図7の拡大図に示すように、直線上に形成した構造フレーム42を翼軸40に並べて取り付け、構造フレーム42に沿った平板状の翼面46を形成し、その翼面46の端部の外枠44を折曲げた構造としてもよい。このような回転翼104を、図6に示すように、構造フレーム42の重心が翼軸40に位置し、機体102の上部において進行方向に外枠44が折曲げられ、下部において進行方向の逆向きに外枠44が折曲げられた構造となるように取り付ける。これにより、回転翼飛行体100が進行方向に向けて飛行すると、進行方向に対して折曲げられた外枠44を有する上部の空気抵抗は進行方向に対して逆向きに折曲げられた下部の空気抵抗よりも大きくなり、上部が進行方向の逆方向かつ下部が進行方向に向けて回転する。
【0035】
また、回転翼104の構造フレーム42は、その形状を変形可能としてもよい。例えば、図8に示すように、構造フレーム42を弾性のある部材で構成し、ガイドリング42aを通して構造フレーム42の端部42bに接続されたワイヤ42cを設ける。機体102にワイヤ42cの張力を調整するためのモータ等を搭載し、ワイヤ42cを引く張力を調整することを可能とすることによって構造フレーム42の曲がり具合を調節することができる。構造フレーム42の形状は回転翼104の外形を画定するので、これによって回転翼104の形状を変化させることができる。また、翼軸40を伸縮可能とする機構を設けてもよい。例えば、図13の断面図及び図14の斜視図に示すように、翼軸40を径の異なる複数の円筒部材40a〜40cとし、それらを入れ子状に組み合わせることによって翼軸40の長さを調整可能とすることができる。翼軸40の長さの調整は、機械的に行ってもよいし、手動で行ってもよい。このように回転翼104の翼軸40を伸縮可能とすることによって、回転翼飛行体100の収納性を高めることができる等の利点がある。
【0036】
このように、構造フレーム42の形状を変更可能とすることによって、回転翼104で得られる揚力の大きさや回転翼飛行体100の重心バランス等を調整することができる。これによって、回転翼飛行体100の飛行速度や飛行状況に応じて、回転翼飛行体100の飛行特性を必要に応じて適宜調整することが可能となる。通常の翼形状や、平らに近い形状にして収納性を高めることができる。
【0037】
また、図12に示すように、回転翼104は翼軸40の周りの分岐数をさらに増やしてもよい。図12(a)では、翼軸40の周りに回転翼104が3方向に広がるように配置した例を示し、図12(b)では、翼軸40の周りに回転翼104が4方向に広がるように配置した例を示している。このような構成であっても、同様に揚力を得ることができる。
【0038】
さらに、回転翼104には、図1,図5,図6及び図7に示すように、リング部48を設けることも好適である。リング部48は、回転翼104の端部又は途中に機体102の進行方向に略平行に配置されたリング形状の部材である。このように、回転翼104の回転軸となる翼軸40の周囲にリング部48を設けることによって、回転翼104が翼軸40を中心に回転した際にジャイロ効果によって回転翼104の軸ぶれを抑制することができる。これによって、回転翼104の回転効率が向上し、同じ空気抵抗を受けた際の回転数も増加して、回転翼104による揚力の発生効率を向上させることができる。
【0039】
なお、リング部48は、図10に示すように、リング形状以外の部材としてもよい。例えば、図10(a)のように錘48aを設けたり、図10(b)のように、リング部の一部を欠いた断続形状部48bとしたり、図10(c)のように回転翼104の端部48c自体を重くしたりすることによっても回転翼104の軸ぶれを抑制することができる。
【0040】
例えば、図11(a)に示すように、回転翼104の一部に羽根48dを形成したり、ジャイロ効果を強めるようにしても同様に安定性を増すことができる。また、翼軸40や回転翼104に十分な強度があれば、必ずしもスタビライザは必要ではない。
【0041】
また、図1,図5,図6及び図7に示すように、回転翼104の端部又は途中に機体102の進行方向に略平行に配置された円盤部材50を設けることも好適である。円盤部材50は、リング部48にフィルム素材を張った構造としてもよい。このように、円盤部材50を設けることによって、回転翼104の端部又は途中に生ずるトレーリングボルテックス等の空気抵抗を抑制することができる。これによって、機体102を後ろへ引く力を軽減し、同じ推力でも効果的に前進できる。また、回転翼104の回転効率が向上し、同じ向かい風を受けた際の回転数も増加して、回転翼104による揚力の発生効率を向上させることができる。なお、本実施の形態では円盤部材50は円盤状としたが、楕円盤状等であってもよい。
【0042】
同様の効果を得るために、図9に示すように、回転翼104の端部の幅を徐々に狭めた構造としてもよい。このような構造としても、回転翼104の端部に生ずるトレーリングボルテックスを抑制することができる。
【0043】
回転翼飛行体100の飛行時には、図1に示すように、回転翼104に対する空気抵抗の中心位置Cより、機体102に対する空気抵抗の中心位置Dが低い位置に維持される。例えば、左右の回転翼104の長さLをそれぞれ500mmとした場合、回転翼飛行体100の飛行時において回転翼104の端部と機体102の空気抵抗の中心位置Dとの鉛直方向の距離Hは150mm〜200mm程度に調整することが好適である。
【0044】
ただし、回転翼104の長さLはこれに限定されるものではない。例えば、長さLは10mm〜1200mmとしても問題なく揚力を発生させることができる。このように、小型な回転翼飛行体100であれば、比較的安価に作成することができる。例えば、軽さ、安定性、速度の遅さ、操作容易性を兼ね備えた安全な飛行玩具等として応用することができる。
【0045】
このように構成することによって、飛行時に回転翼104が回転した際も機体102と回転翼104とが安定した飛行姿勢を維持することが可能となる。
【0046】
なお、回転翼飛行体100の回転翼104の回転を止める構造を設けてもよい。例えば、翼フレーム28に設けるベアリング22の回転を止める構造を設け、制御部12によってベアリング22を回転又は固定に切り換えることを可能とする。これによって、回転翼104を回転させる通常の飛行と、回転翼104を通常翼に変形し、固定させた飛行とを切り換えて行うことができる。また、回転軸20に発電機構等を備えておけば、飛行中、滑空中、停止中の風のある時等に、発電や充電を行うことができる。
【0047】
本実施の形態における回転翼飛行体100は、上記の飛行玩具の他に、低速飛行性、安定性、操縦の容易性、可変翼、軽量性、水平を保持したままの上昇、巡航、下降、推進力を失った際の安全性、災害時の観測用飛行体、大気のある天体での宇宙開発用飛行体、遊覧用飛行体、飛行船等からの脱出用飛行体、低公害な飛行体、昆虫サイズの微小飛行体として利用することができる可能性がある。
【符号の説明】
【0048】
10(10a,10b) プロペラ、12 制御部、14(14a,14b) 駆動モータ、16,18(16a,16b,18a,18b) 歯車、20(20a,20b) 回転軸、22 ベアリング、24 機体フレーム、26 支持フレーム、28 翼フレーム、40 翼軸、42 構造フレーム、42a ガイドリング、42b 端部、42c ワイヤ、44 外枠、46 翼面、48 リング部、50 円盤部材、100 回転翼飛行体、102 機体、104 回転翼。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転翼飛行体であって、
機体と、
飛行時の進行方向に対して翼軸が横向きに配置され、飛行時に前記翼軸を中心に回転する回転翼と、を備え、
前記回転翼は、飛行に伴った空気抵抗によって回転することを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項2】
請求項1に記載の回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、飛行姿勢において、空気抵抗によって、上部が進行方向の逆方向かつ下部が進行方向に向けて回転する構造を有することを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、回転中に上部が進行方向の逆方向に凸となり、下部が進行方向に凸となるS字形状を有することを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、機体の進行方向に略平行に配置されたリング部を備えることを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、機体の進行方向に略平行に配置された円盤状又は楕円盤状の部材を備えることを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載に回転翼飛行体であって、
前記回転翼は、その形状を変形可能であることを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の回転翼飛行体であって、
飛行時において、前記回転翼に対する空気抵抗の中心位置より、前記機体に対する空気抵抗の中心位置が低い位置に維持されることを特徴とする回転翼飛行体。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の回転翼飛行体であって、
飛行時において、前記回転翼に対する前記機体の重心位置が自動的に調整されることを特徴とする回転翼飛行体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−46218(P2011−46218A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194117(P2009−194117)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者:多摩美術大学美術学部生産プロダクト研究室 刊行物名:『Tama Art University Department of Product Design Graduation Works 2009(多摩美術大学美術学部生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 卒業制作2009)』該当頁:117頁〜120頁 発行日:平成21年3月6日
【出願人】(509239509)