説明

固体内容物を有する液体調製物の製造方法

本発明は、固体内容物を有する液体調製物の製造方法であって、既存の製造系を使用した場合の審美的性質および製品利用者の価値に関して製品を向上させる方法に関する。当該方法は、組み入れられる並外れた感受性の固体内容物を、該固体内容物を損傷させることなく、液体調製物中に組み入れるのを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体の少なくとも一部の添加を、液体調製物の注入の直前またはその間に行うことを含む、固体内容物を有する液体調製物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活に使用される生成物の多くは、液体調製物である。洗剤および洗浄組成物の分野において、これらは、例えば液体洗剤または布柔軟剤であり、食料品分野において、これらは、例えば既製のサラダ用ドレッシングまたは液体トマト生成物(例えばケチャップ)であり、医薬品の分野において、これらは、例えばローションまたはチンキ剤であり、化粧品分野において、これらは、例えば毛髪シャンプーまたはひげそりローションであり、およびさらなる技術分野において、これらは、例えば液体接着剤およびワニスまたは塗料である。このリストは、無限に続けることができるであろう。
【0003】
これらの液体調製物は、しばしば特定の固体内容物を必要とする。この理由は、多種多様であり、および生成物の意図された使用に依存する。その理由は、消費者に対する視覚的魅力を増強して購買決定を促進するために、生成物の主要な視覚特性を単に強調するためだけでさえあり得る。
【0004】
したがって、少量の着色粒子が、例えば液体洗剤中に組み込まれ得る。該粒子は、該液体洗剤中に懸濁され、沈まず、その結果、沈澱を形成せず、および該粒子は、浮かばず、またはクリーム状にならない。また、これらの粒子は、生成物をより効果的にする特定の活性成分を含有し得る。このような場合、該粒子は、「新規および改善された処方物」のようなメッセージを消費者に伝える。消費者は、根拠として粒子を直接認識でき、およびそれらに関連する添加された価値を確認することができる。さらに、例えば感受性物質を、粒子を介して液体マトリックス中に組み入れることができる。したがって、これらの感受性物質は、保護され、および成分間の不適合性を避けることができる。
【0005】
同じ考察が他の技術分野にも適用される。例えば、毛髪を洗う場合に毛髪中に残留し、および毛髪の乾燥の間に生じる温度上昇の結果としてのみ、それらの内容物、例えばコンディショニングオイルを毛髪に放出するマイクロカプセルを、毛髪シャンプー中に組み入れることができる。このようにユーザーフレンドリーな毛髪ケアを達成することができる。同様に、調理の間または咀嚼過程においてのみ放出されるマイクロカプセル化形態の香味料なども、例えば液体食料品中に導入することができる。したがって、固体内容物を有する液体調製物は、増強された視覚的魅力を有する「より気の利いた」生成物を可能にし、および新規処方物の可能性を作り出す。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、液体調製物中への固体のさらなる組み入れは、さらなるプロセス工学を必要とする。とりわけ、高価すぎるため、根本的に新しい製造施設を建築する必要がないように、これまで専ら液体調製物の製造に特に適合されている既存の大規模製造施設を使用し続けることができることが望ましい。また、これは、専ら液体生成物の製造を既存の大規模製造施設で続けなければならない場合、特にそうである。
【0007】
したがって、固体含有液体調製物の製造のために既存の大規模製造施設を使用することも望まれる場合、2つの主な問題に直面しなければならない。
【0008】
第一に、汚染の危険性、すなわち、製造施設が固体で汚染され、および製造施設におけるその後の生成物が、デッドゾーンとして既知のゾーンにおいて固体により汚染されるという危険性がある。ここで、微量の固体でさえも、非常に大量のその後の生成物を売り物でなくするのに十分である。以下のシナリオは、この例である:最初に、食器手洗い用洗剤が、一つの同じ製造ライン上を、自由懸濁粒子を組み込みながら流れる。その後、液体床洗浄組成物が同じ製造ライン上を流れる。該施設中に存在する自由懸濁粒子の残留物が、不純物として該液体床洗浄組成物のドラムに入る。これらの汚染された組成物は、消費者はそれらを当然汚染されたものとみなすため、市場に提供することができないであろう。結果として、個々の製造運転後に製造施設全体の非常に徹底した洗浄が必要とされるであろう。これは困難である。なぜなら、固体は、特に近づき難い地点、例えば、それらが繰り返しのフラッシング操作後にのみ除去され得るパイプライン中に容易に付着して残留し得るからである。時折、パイプライン系全体を分解して、それらを手動的にまたは機械的に洗浄し、およびそれらを組み立て直すことが必要でさえあり得る。また、特定の構成部分、例えばバルブを除去すること、および場合によりそれらを新しくすること、が必要であり得る。なぜなら、それらは詰まるように、あるいは漏れるようになり得るからである。
【0009】
第二に、添加される固体が製造ラインにおいて損傷を免れないという、さらなる危険性がある。これは、固体中に含有される活性成分の放出がその後の適用において、例えば刺激(例えばわずかな温度上昇または少しの機械的効果)を通じて、確実におよび容易に起こるようにするために、固体がしばしば並外れて脆く設計されるという事実に起因する。しかしながら、また、該固体は、既存の製造ラインにおいて、そのようなわずかな刺激に明らかに曝される。その結果として、かなりの割合の固体の完全性が、製造段階において予め損なわれる。これは、多くの点で非常に残念なことである。一方では、ちょうど処方物の残りと不適合性である活性成分が、好ましくは固体に添加される。不適合性活性成分を、余りに早く(すなわち、製造段階において)処方物の残りと接触させる場合、よくても活性成分のみが破壊され、最悪の場合には、処方物全体が影響を受け、そうでなければ、使用不可能にされる。固体を介して添加される活性成分は、通常、高品質であり、したがって非常に高価であることから、それらの破壊は二重に不利である。
【0010】
固体は製造の間にいわば「細断される」ので、例えば、形態および形状が損傷している場合、さらに視覚的欠陥が追加される。非常に不揃いの形の、裂けたまたは擦り切れた固体は、例えば、生成物の視覚的魅力を増強する代わりに、全く反対のことを達成し、およびより低い品質の生成物と直面した感覚を消費者に与え得る。これは、消費者に重大な不確かさを導く。
【0011】
これらの問題の結果として、液体調製物中に固体を組み入れることにより実際に追求されている利益は、再び平らになり、または完全に排除さえもされ、あるいは、最悪の場合、例えば生成物が完全に使用不可能になる場合、覆される。
したがって、本発明の目的は、このような問題を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本目的は、本発明の主題、すなわち、固体内容物を有する液体調製物の製造方法であって、固体の少なくとも一部の添加を、(a)液体調製物を包装単位中に注入する前の該方法の最終段階において、または(b)包装単位中に注入する間にのみ行うことを含む方法によって達成される。該液体調製物は、有利には、固体の添加前に、その他の点では予め使用準備ができているとみなされなければならない。
【0013】
導入部分に記載した問題を解消することに加えて、本発明の方法のさらなる利点は、特に固体と液体調製物との混合を、注入直前、すなわち、液体調製物を包装単位中に注入する前の該方法の最終段階まで行わない場合、固体が非常に均質に分布した液体調製物を導くことである。従来の標準方法において、該混合は、実際、これよりずっと前に行う。これらの場合、分離現象がしばしば配管系中に生じる結果になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
用語「液体調製物」は、最も広い意味で液体調製物、すなわち、顕著に弱い液体コンシステンシーを有する液体から、顕著にパン生地のように柔らかい、粘性のまたはかゆのように柔らかいコンシステンシーを有する液体(例えば、2〜3の特定の例に過ぎないが、蜂蜜、ケチャップ、マスタードまたはマヨネーズ)までの液体を意味する。また、本発明の液体調製物は、スラリー、すなわち、好ましくは固体の水性懸濁物である。
【0015】
また、本発明の液体調製物としては、ゲル、クリーム、ペースト、スラッジおよびスライムなどが挙げられる。また、最も広い意味において、それ自体室温で流動しないが広げることができるそれらの調製物(例えばバター、靴磨きおよびクリームチーズ)も、本発明の液体調製物である。
【0016】
本発明の固体は、好ましくは実質的に規定された体積および好ましくは実質的に規定された形態の両方を有し、および好ましくはそれらの体積および/またはそれらの形態の変化(変形、縮小など)に対して耐性を示す物質である。この耐性は、より柔らかい固体の場合にはより小さく、また、より硬い固体の場合にはより大きくなり得る。形状の変化が外力下で起こる場合、固体は、可能であれば、再びそれらの元の状態に戻るように努める。また、本発明の固体は、好ましくは液体中にまたは湿潤材料として存在し得る分散体または沈澱である。典型的な本発明の固体は、例えば、カプセルまたはスペックルとして既知のものである。カプセルおよびスペックルは、以下に詳細に議論する。
【0017】
固体の少なくとも一部の添加を、液体調製物を包装単位中に注入する前の方法の最終段階においてのみ行うということは、この方法段階の完了後、実質的にさらなる方法段階を続いて行わず、次いで、液体調製物を包装単位中に注入することを意味する。好ましい実施態様によれば、「実質的に」さらなる方法段階を続いて行わないということは、余り好ましい実施態様ではないが、さらなる成分、例えば香料、酵素、可燃性物質、引火しやすい物質、水および溶媒を、固体含有調製物にさらに添加することができることを意味する。さらなる成分を固体含有調製物に添加しないことがより好ましい。また、好ましい実施態様によれば、「実質的に」さらなる方法段階を続いて行わないということは、固体含有調製物を、余り好ましい実施態様ではないが、さらに希釈または濃縮できることを意味する。固体含有調製物をさらに希釈または濃縮しないことがより好ましい。最も狭いおよび最も好ましい意味において、「実質的に」さらなる方法段階を続いて行わないということは、包装単位中への該調製物の注入以外のさらなる方法段階を実際に続いて行わないことを意味する。これが最も好ましい実施態様である。
【0018】
他の物質、例えば、特に溶媒、水、香料、酵素、可燃性物質および引火しやすい物質を、固体の添加の間に液体調製物に明らかにさらに添加することができる。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0019】
「包装単位中への注入の間」の固体の添加は、包装単位の充填工程の間に固体を液体調製物に添加するということを意味する。好ましい実施態様によれば、これは、固体を(少なくとも部分的に)包装単位中に置き、および液体調製物を添加することを意味し得る。好ましい実施態様によれば、これは、包装単位に液体調製物を充填し、および固体を最終的に添加することを意味し得る。(次いで、包装単位を振盪させ、旋回させ、回転させ、チッピングさせまたは振動させることにより、液体調製物中の固体の良好な分布が得られ得る。)好ましい実施態様によれば、これは、包装単位に部分的に液体調製物を充填し、次いで、固体を添加し、その後、該単位にさらなる液体調製物を継ぎ足すことを意味し得る。好ましい実施態様によれば、これは、固体および液体調製物を、例えば2つの流れで、すなわち、液体調製物の1つの流れ、および固体の1つの流れで、包装単位中に一緒に充填することを意味し得る。しかしながら、好ましい実施態様によれば、固体および液体調製物を、例えば、1つの流れで添加することもできる。すなわち、液体調製物および固体を、包装単位への注入口の直前に混合し、および1つの流れで包装単位中に入れる。これは、例えば、液体ジェット(液体調製物のジェット)中にノズルを介して固体を吹き込むことにより行うことができる。これにより、固体および液体調製物は、互いに混合される。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0020】
用語「その他の点では使用準備ができた液体調製物」は、特に好ましい実施態様において、固体を受け入れる液体調製物は、好ましくは、それを、包装体、例えば瓶または管中に直接注ぐことができ、および可能であれば、その後、消費者によって意図されたその使用に用いることができ、したがって、如何なるさらなる混和または混合工程を受ける必要がないことを意味する。また、好ましい実施態様によれば、用語「その他の点では使用準備ができた液体調製物」は、基本的に活性である活性成分のこの液体調製物への添加は、固体の添加によってのみ行う場合のシナリオを包含する。これの簡単な例は、例えば、それ自体活性成分を含有せず、および活性成分が固体の添加によってのみ添加される部分的に濃縮した水性調製物である。また、本発明の好ましい実施態様によれば、固体の添加前にそれ自体活性成分を含有しない、このタイプの部分的に濃縮した水性調製物も「その他の点では使用準備ができた液体調製物」に相当する。
【0021】
「固体の少なくとも一部」を注入工程の直前またはその間に添加しなければならないということは、液体調製物中に含有される固体の全量を注入工程の直前またはその間に添加することが必要不可欠とは限らないことを意味する。好ましい実施態様によれば、例えば、特定の種類の固体を予め事前に液体調製物に添加することができる。また、好ましい実施態様によれば、例えば、ただ一種類の固体を部分的に添加することもできるが、この場合、少なくとも一部を注入工程の直前に添加することが必要不可欠である。しかしながら、固体の全量を注入工程の直前またはその間に添加する場合が特に好ましい。これは、好ましい本発明の実施態様に相当する。
【0022】
該調製物の「注入」は、好ましくは包装単位、特に個々の包装単位(例えば、瓶、キャニスター、ポーチなど)に、液体調製物を充填することを意味する。後者は、消費者によって直接使用され得る。また、包装単位は、容器、ドラム、鍋、タンクまたは制御放出手段(これは、余り好ましくないが同様に好ましい)であり得る。該調製物の「注入」は、好ましくは重量および/または体積基準で行う。また、該調製物の「注入」は、充填レベルの視覚的監視を介して行うこともできる。充填レベルの視覚的監視は、人間によって、例えば技術労働者が、包装単位(例えば、タンク)を充填し、およびタンクがほぼ満ちたときにすぐにタンク中への液体調製物の供給を遮断することによって行うことができる。しかしながら、充填レベルの視覚的監視は、半自動的にまたは全自動的に、例えば光学センサー、電子的な充填レベルの測定などを用いて、行うこともできる。
【0023】
さらに好ましい本発明の実施態様によれば、上記方法において、固体の少なくとも一部の添加を、組成物の他の成分が混合工程を予め受けている場合にのみ行う。特には、それらは、固体との混合の実質的に最終段階を除いて、混和または混合工程に必要とされる全ての段階を予め受けている。
【0024】
その他の点では使用準備ができた液体調製物と添加される固体との混合は、有利には穏和な条件下で行う。
穏和な条件は、特に、有利には熱への重大な暴露が付随しない、および/または、好ましくは重大な機械的ストレスが付随しない、条件である。好ましくは、混合は、70℃未満、有利には60℃未満、より有利には50℃未満、さらにより有利には40℃未満、とりわけ有利には30℃未満の温度、特に室温にて行う。好ましくは混合に使用される装置の特定の出力は、5kW/m未満、好ましくは4kW/m未満、有利には3kW/m未満、より有利には2kW/m未満、ことさらに有利には1kW/m未満、さらにより有利には0.8kW/m未満、非常に有利には0.6kW/m未満、ことのほか有利には0.4kW/m未満、特に0.2kW/m未満である。
【0025】
添加される固体は、有利には、連続的にまたは不連続的に添加することができる。例えば、添加される固体を、担体液体の助力によって、好ましくは懸濁形態で液体調製物に添加することができる。これは、好ましい本発明の実施態様に相当する。
【0026】
固体を、好ましくは滴下またはチッピングによって、液体調製物中に直接添加することもできる。同様に、これは、好ましい本発明の実施態様に相当する。明らかに、固体の部分を、担体液体を用いて添加し、および固体の別の部分を直接添加すること、すなわち、例えば滴下またはチッピングすることもできる。
【0027】
その他の点では使用準備ができた水性調製物と、添加される固体との混合は、有利には連続攪拌タンク反応器(CST反応器)中で行うことができる。これは、好ましい実施態様に相当する。このタイプの連続攪拌タンク反応器は、有利には操作および良好な(好ましくはほぼ完了した)混合の連続様式を特徴とする。好ましくは、その内容物が好ましくは実質的に均質に混合されていると述べることができるように、濃度プロフィールおよび温度プロフィールが反応器中でほとんど生じるべきではない。したがって、その他の点では使用準備ができた調製物と添加される固体との混合を、連続攪拌タンク反応器中で行う場合、これは好ましい実施態様である。
【0028】
しかしながら、他の方法も混合または混和に明らかに使用することができ、特に静的混合ゾーンも使用することができ、および、これは好ましい実施態様に相当する。
【0029】
混合に特に適当な撹拌機は、例えば、InterMig攪拌機(Ekato製)である。特に適当なものは、翼撹拌機、アンカー攪拌機、クロスアームパドル混合機、スクリュー混合機またはMIG撹拌機タイプの撹拌機である。連続攪拌タンク中で液体の回転を避けて良好な均質化を達成するために、フロースポイラー(補強材)を、好ましくはタンク中に設置することができる。
【0030】
好ましい本発明の実施態様によれば、混合時間(固体と液体調製物の混合のための時間)は、60分未満、有利には50分未満、より有利には40分未満、さらにより有利には30分未満、より有利には20分未満、非常に有利には10分未満、最も有利には5分未満、好ましくは4分未満、特に3分未満である。
【0031】
例えば乳化または懸濁作用に特に適当であり、したがって液体中に局所的に高い剪断の入力を導く撹拌機タイプは、避けるべきである。これらとしては、例えば、粘性媒体(>500mPa・s)中1m/秒を超える撹拌速度を有するプロペラ撹拌機、インペラ撹拌機およびディスク撹拌機が挙げられる。これらは、本発明の目的に不利である。
【0032】
特に以下のポンプは、固体内容物を有する液体調製物の輸送に特に適当である:Maso−Sinusポンプ、Rotanギアポンプ(ワンギア)、少なくともDN30を有するホースポンプ。
【0033】
特に以下のポンプは、余り適当でなく、固体内容物を有する液体調製物の輸送には特に不適当である。なぜなら、それらは、不利なことに、固体の破壊の一因となり得るからである:ギアポンプ(ツインギア)、遠心ポンプ。
【0034】
本発明の方法は、液体調製物の性質に関する限り如何なる制限も受けない。好ましい液体調製物は、洗剤および洗浄組成物、食料品、塗料、着色料またはワニス調製物、接着剤調製物、医薬品および/または化粧品である。上記のこれらの調製物は、本発明の好ましい実施態様である。最も特に好ましいものは、洗剤および洗浄組成物および液体化粧品である。本発明によれば、該液体洗剤としては、特に布柔軟剤、並びに、全ての種類の繊維製品処理組成物が挙げられる。
【0035】
また、液体調製物の固体内容物は、結局、とりわけ、該調製物、および特にそれに含有される固体が役立つ目的に依存する。したがって、非常に大量の固体を、液体調製物中に組み入れることが有利であり得る。同様に、中程度の量の固体または非常に少ない量の固体のみを組み入れることも有利であり得る。非常に少ない量の固体は、例えば、固体と共に組み入れられる活性成分が、例えば、非常に高価または非常に効果的である場合、好都合である。
【0036】
固体の特定の最大量を液体調製物中で超えない場合、本発明にとって有利であり得る。このような最大量を超えない場合、これは好ましい実施態様である。
【0037】
特に好ましい実施態様において、該組成物は、有利には最大で80重量%の固体、非常に有利には最大で70重量%の固体、より有利には最大で60重量%の固体、ことさらに有利には最大で50重量%の固体、とりわけ有利には最大で40重量%の固体、非常に有利には最大で30重量%の固体、特に有利には最大で25重量%の固体、最も特に有利には最大で20重量%の固体、実質的に有利には最大で15重量%の固体、非常に実質的に有利には最大で10重量%の固体、極めて有利には最大で8重量%の固体、最も非常に有利には最大で5重量%の固体、ことのほか有利には最大で4重量%の固体、並外れて有利には最大で3重量%の固体、格別に有利には最大で2重量%の固体、特別に有利には最大で1重量%の固体、特に最大で0.07重量%の固体、最も有利には最大で0.05重量%の固体を含有する。
【0038】
また、液体調製物中の固体内容物が特定の最小量未満ではない場合、本発明にとって有利であり得る。内容物がこの最大量未満ではない場合、さらに好ましい実施態様に包含される。
【0039】
特に好ましい実施態様において、該組成物は、有利には少なくとも0.005重量%の固体、非常に有利には少なくとも0.01重量%の固体、より有利には少なくとも0.03重量%の固体、ことさらに有利には少なくとも0.05重量%の固体、とりわけ有利には少なくとも1重量%の固体、非常に有利には少なくとも1.5重量%の固体、特に有利には少なくとも2重量%の固体、最も特に有利には少なくとも2.5重量%の固体、実質的に有利には少なくとも3重量%の固体、非常に実質的に有利には少なくとも4重量%の固体、極めて有利には少なくとも5重量%の固体、最も非常に有利には少なくとも8重量%の固体、ことのほか有利には少なくとも10重量%の固体、並外れて有利には少なくとも15重量%の固体、格別に有利には少なくとも20重量%の固体、特別に有利には少なくとも25重量%の固体、特に少なくとも30重量%の固体、最も有利には少なくとも35重量%の固体を含有する。
【0040】
しかしながら、同様に好ましい別の実施態様によれば、固体が特定の量の範囲で液体調製物中に含有される場合も有利であり得る。該組成物が固体を有利には0.01〜80重量%の量で、実質的に有利には0.02〜70重量%の量で、より有利には0.05〜60重量%の量で、ことさらに有利には0.1〜50重量%の量で、さらにより有利には0.5〜40重量%の量で、非常に有利には1〜30重量%の量で、特に有利には1.5〜20重量%の量で、最も特に有利には2〜10重量%の量で、特に3〜7重量%の量で含有する場合、これは好ましい本発明の実施態様である。
【0041】
また、液体調製物中への固体の組み入れに関連した利益には、視覚的局面が含まれる。これは、生成物が改善された審美的外観を取得することを助け、したがって、生成物の全体的な魅力に有利である。
【0042】
特に正の関連性は、本発明にしたがって製造される、固体が液体調製物中で均一の空間分布と共に安定な空間配置を示す、特にはその中に懸濁している、すなわち、沈降も上昇もしない、それらの調製物によって作られる。「均一の空間分布」は、固体が、該調製物の特定の体積部中に非常に大量に含有されず、および他の体積部中に非常に少量で含有されず、およそ等量の固体が全ての体積部中に含有されるということを意味する。これは、好ましい実施態様に相当する。しかしながら、これに関する利点は、視覚的性質ばかりでなく、適用段階にて、すなわち、投与の間に消費者に利益を与える。なぜなら、固体は、有利には活性成分を含有するからである。したがって、例えば、安定な空間配置を示さない固体中に活性成分を含有する液体洗剤は、液体洗剤中の活性成分の良好な分布を達成するために、使用前(すなわち、投与前)に消費者によって振られなければならないであろう。そうでなければ、消費者は、固体中に含有される活性成分が、余りに少なく、または余りに多く添加される危険にさらされるであろう。他方、例えば液体洗剤中で、固体が均一の空間分布と共に安定な空間配置を示す場合、消費者は、他の対策を取ることなく、すぐに液体洗剤を添加することができる。
【0043】
添加される固体の性質は、基本的に、如何なる本質的制限も受けることはない。それは、基本的に、液体調製物中に導入されるもの、およびその形態、ならびに適用段階にて、固体が相互作用する方法によって支配される。
【0044】
したがって、例えば、組み込まれた固体が例えば研磨成分である研磨クリームと、例えばマイクロカプセル化香味料を含有するサラダドレッシングなどは、異なる条件が付随することが明らかである。
【0045】
1つの場合において、研磨成分は、比較的高い機械的ストレスに抵抗しなければならず、および他の場合において、マイクロカプセル化香味料は、例えば、咀嚼工程の間に放出されなければならない。
【0046】
しかしながら、好ましい実施態様によれば、組み込まれた固体が高い安定性(好ましくは機械的安定性)を示す場合に有利であり、および別の有利な実施態様によれば、それらが低い安定性(好ましくは機械的安定性)、あるいはこれらの極限の間にある安定性(好ましくは機械的安定性)を示す場合、同様に好ましい。
【0047】
上記安定性は、全ての物理学的および/または化学的および/または生物学的ストレスに関し得る。物理的ストレスは、例えば、機械的刺激、例えば圧力または摩擦、あるいは温度変化などである。化学的ストレスは、例えば、pH値変化、イオン強度変化、周囲の媒体の親油性または親水性特性の変化などである。生物学的ストレスは、例えば、微生物への暴露から、すなわち、微生物が固体などに作用する場合に生じる。他の任意の生物学的因子に対しても同様に適用される。
【0048】
しかしながら、機械的ストレスに対して感受性であるそれらの固体、特に剪断感受性固体は、本発明に関して特に有利である。本発明の方法におけるそれらの使用は、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0049】
したがって、機械的ストレスに感受性である固体は、多くの液体調製物に極めて適当である。なぜなら、このように、適用段階にて、固体がそれらの完全性を実質的に定量的に失うことが確保され、その際、好ましくは組み込まれた活性成分が放出され、したがって、それらの目的を満足するからである。
【0050】
この点、本発明の方法は、著しい改善に貢献する。これまでの間、従来の製造施設を比較的損傷なく通過することに耐えるために、少なくとも機械的に十分に安定である固体中に組み入れることのみが可能であった。しかしながら、これは、適用段階で大きな問題をもたらした。したがって、例えば、多くの場合、固体が実際の適用段階でさえも「溶解しない」ことが観察された。洗濯物の機械的洗濯は、具体例である。例えば、幾つかの場合、固体が、「溶解する」代わりに、繊維製品上に無傷で堆積することが観察された。これは、2つの点で不利であった。第一に、好ましくは固体中に含有される価値ある活性成分は、洗濯工程の間に放出せず、したがって、それらの効果を果たすことができなかった。第二に、固体は、繊維製品上の不純物として当然認められた。洗濯機は、汚染さえされ得る。
【0051】
本発明は、逆に、特にストレス(特に機械的ストレス)に対して感受性である、とりわけ剪断感受性である固体を使用することさえも可能にする。有利には、これらの特に感受性の固体は、新規方法を用いて、困難なく、および好ましくは無傷で、液体調製物中に組み入れることができる。これにより、いずれにしても関係する固体は、実際の適用段階で「溶解する」ことができ、またはそれらの完全性を失い得ることが確保される。
【0052】
したがって、添加される固体が外部刺激に対して特に感受性である、好ましくは機械的ストレスに対して感受性である、特に剪断感受性である、このような本発明の方法は、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0053】
添加される固体が液体調製物中に損傷なく組み入れられ得ることを確保するために、該調製物中への固体の添加およびそれと共に混合を、低剪断を伴う条件下で行う場合、有利である。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0054】
同様に、固体を添加した後、該調製物を、低剪断を伴う条件下、注入段階に供給する場合、有利である。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0055】
固体の添加後、液体調製物の流動挙動が、その後に通過する配管系中で、10000まで、好ましくは2300未満、有利には2000未満、特に1500未満のレイノルズ数を実質的に伴う場合、本発明の方法に有利である。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0056】
該レイノルズ数(Re)は、好ましくは完全に充填された空洞(パイプ)における流動工程の過程を特徴付ける数値である:それは、流動液体における慣性力と摩擦力との比を規定する:
【0057】
【数1】

【0058】
固体の添加後、液体調製物の流動挙動が、その後に通過する配管系中で、0.03まで、好ましくは0.03〜0.1の範囲の摩擦係数を伴う場合、ことさらに有利である。
【0059】
該摩擦係数は、以下のダルシー圧力損失方程式に従う:
λ=(ΔP・d・2)/(l・ρ・u
方程式中、λ=摩擦係数、ΔP=パイプ中の圧力損失、d=パイプの直径、l=パイプの長さ、ρ=液体の密度、u=速度。
【0060】
また、λを決定するために、例えば、種々の実証的アプローチが存在する。層流範囲において、λ=64/Reを好ましくは適用する。2320〜10000の範囲のレイノルズ数に関して、λ=0.3164/(Re0.25)を適用する。レイノルズ数<100000、λ=0.0054+0.396/Re0.3をブラシウスにしたがって適用する。層流に関して、λは、通常、Reに反比例であり、一方、乱流において、わずかな依存関係のみが存在する。
【0061】
しかしながら、配管系中の圧力損失は、パイプ中ばかりでなく、他の成分(例えばエルボー、エル字、フランジ、バルブ、コック、フラップ、ダイアフラムなど)中にも生じる。パイプと対照的に、これらのさらなる圧力損失は、長さ全体に渡って分布しない。したがって、それらは、「局所圧力損失」として既知である。局所圧力損失は、圧力損失を決定するための係数ζによって示される:
Δρ=ζ・0.5・ρ・u
方程式中、ζ=個々の抵抗の係数、ΔP=成分における圧力損失、u=速度、ρ=液体の密度。
【0062】
種々の成分についての個々の抵抗の係数は、例えば文献から、例えばK.F.Pawlow、P.C.Romankow、A.A.Noskow:Beispele und Uebungsaufgaben zur chemischen Verfahrenstechnik、VEB Deutscher Verlag fuer Grundstoffindustrie、1979年から採用することができる。個々の抵抗の係数は、通常、成分に応じて0(例えばパイプエンラージメント)と20(例えばバルブ)の間である。
【0063】
本発明に関して、固体の添加後、配管系の成分の個々の抵抗の係数が、個々の抵抗当たり0〜20の範囲にある場合に有利であり、要約値は、好ましくは10、有利には7、より有利には5、ことさらに有利には4、さらにより有利には3、特に2を超えない。
【0064】
本発明の方法によって製造可能な液体調製物は、基本的に、それに含有される液体の性質に関して如何なる制限も受けない。したがって、それは、全ての種類の液体または溶媒などからなり得る。
【0065】
これに関して特に好ましい液体は、水である。水は、透明で、味または臭いがなく、無色で、安価で大量に入手可能であり、容易に取扱い可能でおよび口に合い、並びに生態学的に健全であるという利点を与える。
【0066】
したがって、好ましい液体調製物は、水性組成物である。これは、好ましい実施態様に相当する。本発明において、水性組成物は、少なくとも0.01重量%の水を含有する場合、好ましい。
【0067】
特に好ましい実施態様において、該組成物は、有利には少なくとも1重量%の水、非常に有利には少なくとも5重量%の水、より有利には少なくとも10重量%の水、ことさらに有利には少なくとも15重量%の水、さらにより有利には少なくとも20重量%の水、非常に有利には少なくとも25重量%の水、特に有利には少なくとも30重量%の水、最も特に有利には少なくとも35重量%の水、実質的に有利には少なくとも40重量%の水、非常に実質的に有利には少なくとも45重量%の水、極めて有利には少なくとも50重量%の水、最も非常に有利には少なくとも55重量%の水、ことのほか有利には少なくとも60重量%の水、並外れて有利には少なくとも65重量%の水、格別に有利には少なくとも70重量%の水、特別に有利には少なくとも75重量%の水、特に少なくとも80重量%の水、最も有利には少なくとも85重量%の水を含有する。
【0068】
しかしながら、また、同様に好ましい別の実施態様によれば、水の特定の上限を超えないことが有利であり得る。該組成物は、最大で95重量%の水、非常に有利には最大で90重量%の水、より有利には最大で85重量%の水、ことさらに有利には最大で80重量%の水、さらにより有利には最大で75重量%の水、非常に有利には最大で70重量%の水、特に有利には最大で65重量%の水、最も特に有利には最大で60重量%の水、実質的に有利には最大で55重量%の水、非常に実質的に有利には最大で50重量%の水、極めて有利には最大で45重量%の水、最も非常に有利には最大で40重量%の水、ことのほか有利には最大で35重量%の水、並外れて有利には最大で30重量%の水、格別に有利には最大で25重量%の水、特別に有利には最大で20重量%の水、特に最大で15重量%の水、最も有利には最大で10重量%の水を含有する。
【0069】
さらなる好ましい実施態様によれば、組成物は、無水、すなわち、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より有利には3重量%未満、ことさらに有利には1重量%未満の水を含有し、特には完全に無水である。
【0070】
しかしながら、また、同様に好ましい別の実施態様によれば、水が特定の量の範囲で含有される場合、有利であり得る。組成物が水を、有利には5〜95重量%の量で、非常に有利には10〜90重量%の量で、より有利には15〜85重量%の量で、ことさらに有利には20〜80重量%の量で、さらにより有利には25〜75重量%の量で、非常に有利には30〜70重量%の量で、特に有利には35〜65重量%の量で、最も特に有利には40〜60重量%の量で、特に45〜55重量%の量で含有する場合、これは好ましい実施態様である。
【0071】
液体調製物に添加される固体の大きさに関して、ここで考えられる特定の用途において道理にかなう実質的に全ての考えられる大きさが可能である。その結果として、固体は、好ましくは0.01〜20000μmのその最大伸長に沿った直径を示し得る。これは、好ましい実施態様に相当する。
【0072】
しかしながら、さらなる好ましい実施態様によれば、固体は20000μmより小さい。固体が、最大で10000μm、非常に有利には最大で9000μm、より有利には最大で8000μm、ことさらに有利には最大で7000μm、さらにより有利には最大で6000μm、非常に有利には最大で5000μm、特に有利には最大で4000μm、最も特に有利には最大で3000μm、実質的に有利には最大で2000μm、実質的に最も有利には最大で1000μm、極めて有利には最大で500μm、最も非常に有利には最大で400μm、ことのほか有利には最大で300μm、並外れて有利には最大で200μm、格別に有利には最大で100μm、特別に有利には最大で50μm、特に最大で10μm、最も有利には最大で1μmのその最大伸長に沿った直径を示す場合、これは好ましい実施態様である。
【0073】
しかしながら、また、固体が特定の最小の大きさを示す場合、有利には特定の用途に望ましくあり得る。したがって、固体が、少なくとも0.1μm、非常に有利には少なくとも1μm、より有利には少なくとも10μm、ことさらに有利には少なくとも100μm、さらにより有利には少なくとも200μm、非常に有利には少なくとも400μm、特に有利には少なくとも600μm、最も特に有利には少なくとも800μm、実質的に有利には少なくとも1000μm、実質的に最も有利には少なくとも2000μm、極めて有利には少なくとも3000μm、最も非常に有利には少なくとも4000μm、ことのほか有利には少なくとも5000μm、並外れて有利には少なくとも6000μm、格別に有利には少なくとも7000μm、特別に有利には少なくとも8000μm、特に少なくとも9000μm、最も有利には少なくとも10000μmのその最大伸長に沿った直径を示す場合、これは再び好ましい実施態様である。
【0074】
しかしながら、また、同様に好ましい別の実施態様によれば、固体が特定の長さ範囲に含有されるその最大伸長に沿った直径を示す場合、有利であり得る。組成物が有利には1〜10000μm、非常に有利には10〜9000μm、より有利には100〜8000μm、ことさらに有利には200〜7000μm、さらにより有利には300〜6000μm、非常に有利には400〜5000μm、特に有利には500〜4000μm、最も特に有利には600〜3000μm、特に700〜2000μmのその最大伸長に沿った直径を有する固体を含有する場合、これは好ましい本発明の実施態様である。
【0075】
さらなる好ましい実施態様によれば、液体調製物中に含有される固体が実質的に球形または球の形状を有する場合、有利である。
【0076】
液体調製物中の固体の安定な構成に関して、洗剤中のカプセルのその後の浮上および/または沈降を特に信頼性よく避けるために、例えば中空ミクロスフェア(以下参照)を介する、好ましくは固体の正確な密度調節が有利である。
【0077】
さらなる好ましい実施態様によれば、液体調製物中に含有される固体が狭い粒度スペクトルを示す場合、同様に有利である。固体の粒度分布が、固体のd50とd90との比率が実質的に少なくとも0.5、好ましくは少なくとも0.6、有利には少なくとも0.75、より有利には少なくとも0.8および特に少なくとも0.9になるようなものである場合、特にそうである。ここでd50は中央値を示す。中央値は、50%の量の粒子がそれぞれ、その値未満およびその値超に存在する粒度として定義される。したがって、d90に関して、90%の量の粒子が、その値未満に存在する、すなわち、10%がその値を超える。比率d50/d90は、非常に狭い粒度分布に関して1の値に近似し、および広い分布に関して実質的に0.5未満に存在する。
【0078】
さらなる好ましい実施態様によれば、固体は実質的に少なくとも0.77、好ましくは少なくとも0.79、有利には少なくとも0.83、特に少なくとも0.87の平均形状係数を示す。本明細書中で「実質的に」は、特に、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%およびより有利には少なくとも95%の固体が上記形状係数を示すことを意味する。
【0079】
本発明による形状係数は、デジタル画像処理を用いる現在の粒子測定技術によって正確に決定可能である。例えば、Retsch TechnologyのCamsizer(登録商標)系を用いて、またはKemiraのKeSizer(登録商標)系を用いて行うことができる典型的な粒子形状分析は、粒子または固体を、光源を用いて照射し、および粒子は、コンピューターによって表面突起物として検出され、デジタル化され、および処理されることに基づく。表面曲率は、光学測定系を使用して決定される。ここで試験される部分による「シャドウキャスト」が決定され、および対応する形状係数に変換される。形状係数を決定するための基本原理は、例えば、「A visual method of estimating two−dimensional sphericity」、Journal of Sedimentary Petrology、第13巻第2号第79〜81頁中にGordon Rittenhouseによって記載されている。また、d50およびd90についての数値も、上記測定方法により得ることができる。
【0080】
固体がカプセル、マイクロカプセルまたはスペックルである場合、これは好ましい実施態様である。しかしながら、また、固体は、凝集体または顆粒であり得る。また、固体は、例えば砂粒または米粒のような、粒であり得る。また、固体は、スクラップであり得、またはフィルム構造を有し得る。
【0081】
カプセルは、最も広い意味で、固体、半固体または液体物質が被包層によって取り囲まれている全ての構造体である。被包層は、任意の可能な物質、例えばゼラチン、ワックス、(コ)ポリマーまたはウエハー材料からなり得る。カプセルの製造は、当業者に既知であり、または当業者は、関連文献からそれを導くことができる。カプセルは、複数の被包層を含み得る。
【0082】
有利には、マイクロカプセル化は、好ましくは、例えば乳化およびコアセルベーションまたは界面重合後に被包される材料上に堆積するフィルム形成(コ)ポリマーで被覆することによる、細分散した液体または固体相のカプセル化についての用語である。微視的に小さいカプセル(シノニム:ナノカプセル)は、粉末のように乾燥することができる。このように、例えば、ガソリン、水、アルコール、医薬品、溶媒、ビタミン、酵素、液晶、食品香味料、香料および多くの他の物質を、乾燥することができない、および内容物が、必要に応じて、熱的、機械的、化学的または酵素的作用を通じて、再度遊離(液体)になる固体に変換することができる。
【0083】
したがって、用語「マイクロカプセル」は、好ましくは、少なくとも一つの好ましくは連続シェル、特にポリマーのシェルによって封じ込められた少なくとも固体、半固体または液体の核を含有する凝集体を意味する。従来、これらは、フィルム形成ポリマーで被覆された細分散した液体または固体相であり、その製造のために、該ポリマーは、乳化およびコアセルベーションまたは界面重合後に被覆される材料上に堆積される。微視的に小さいカプセルは粉末のように乾燥され得る。単核マイクロカプセルに加えて、多核凝集体(ミクロスフェアとも呼ばれる)も既知であり、これは、連続シェル材料中に分布した二以上の核を含有する。また、単核または多核マイクロカプセルは、さらなる第二、第三などのシェルによって封じ込められ得る。連続シェルを有する単核マイクロカプセルが好ましい。該シェルは、天然、半合成または合成材料からなり得る。天然シェル材料としては、例えばアラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸およびその塩、例えばアルギン酸ナトリウムまたはカルシウム、脂肪および脂肪酸、ヘキサデカン−1−オール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、多糖類、例えばデンプンまたはデキストラン、蔗糖およびワックスが挙げられる。半合成シェル材料は、とりわけ化学的変性セルロース、特にセルロースエステルおよびエーテル、例えば酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、並びにデンプン誘導体、特にデンプンエーテルおよびエステルである。合成シェル材料は、例えば、ポリマー、例えばポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンである。
【0084】
感受性の、化学的または物理学的不適合性の、並びに揮発性の成分(=活性成分)も、貯蔵および輸送に安定性となるように、好ましくは固体、特にカプセル、マイクロカプセルまたはスペックルの内部に含有され得る。固体は、特に洗剤および洗浄組成物において関連する個々の特定の例を挙げると、例えば、蛍光増白剤、界面活性剤、錯化剤、漂白剤、漂白活性剤、着色料および香料、抗酸化剤、ビルダー、酵素、酵素安定剤、抗菌剤、陽イオン性界面活性剤、ビタミン、タンパク質、防腐剤、洗浄促進剤または真珠光沢付与剤、グレーイング阻害剤、再沈着防止剤、pH調整剤、電解質、抑泡剤および紫外線吸収剤を含有し得る。固体の中身は、好ましくは溶液またはエマルジョンまたは懸濁物の形態の固体または液体であり得る。
【0085】
マイクロカプセルは、先行技術において既知の方法によって得られ得る。最も重要なことは、コアセルベーションおよび界面重合に付随する。適当なマイクロカプセルとしては、任意の市販の界面活性剤−安定なマイクロカプセル、例えば市販品(シェル材料をいずれの場合も括弧内に示す)Hallcrest Microcapsules(ゼラチン、アラビアゴム)、Coletica Thalaspheres(マリタイムコラーゲン)、Lipotec Millicapseln(アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピル−メチルセルロース);Unicerin C30(ラクトース、微結晶性セルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース);Kobo Glycospheres(変性デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres(変性寒天)およびKuhs Probiol Nanospheres(リン脂質)が挙げられる。
【0086】
あるいは、コア−シェル構造を示さないが、活性成分がマトリックス構築材料のマトリックス中に分布された粒子も使用することができる。このような粒子も「スペックル」として記載される。
【0087】
好ましいマトリックス構築材料はアルギン酸塩である。アルギン酸塩ベースのスペックルを製造するために、水性アルギン酸塩溶液(これは、好ましくは含まれる活性成分も含有する)を、小滴に変換し、およびCa2+イオンまたはAl3+イオン含有沈澱浴中で硬化する。特定の本発明の実施態様において、沈澱浴は、少なくとも0.15mol/lのCa2+濃度を有する。
【0088】
液体調製物の成分との所望されない相互作用を受け得る遊離Ca2+イオンまたは遊離Al3+イオンを洗い流すために、アルギン酸塩ベースのスペックルを、水で洗浄し、次いで、錯化剤を有する水溶液で洗浄することが有利であり得る。次いで、アルギン酸塩ベースのスペックルを、余分な錯化剤を除去するために、再度水で洗い流す。
【0089】
あるいは、他のマトリックス形成材料を、アルギン酸塩の代わりに使用することができる。マトリックス形成材料の例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリリシン、ポロキサマー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド、ポリエトキシオキサゾリン、アルブミン、ゼラチン、アカシア、キトサン、セルロース、デキストラン、Ficoll(登録商標)、デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、脱アセチル化キトサン、硫酸デキストランおよびこれらの材料の誘導体が挙げられる。マトリックス形成は、これらの材料を用いて、例えばゲル化、ポリアニオン−ポリカチオン相互作用または多価電解質金属イオン相互作用を介して行う。これは、同様に、これらのマトリックス形成材料を用いる粒子の製造法として、先行技術において既知である。
【0090】
固体は、好ましくは液体調製物中に安定的に分散し得る。安定的とは、少なくとも4週間および好ましくは少なくとも6週間の期間にわたって、該組成物がクリーム状になることなく、または沈澱することなく、室温にておよび40℃にて該組成物が安定であることを意味する。これに関して、特別に安定な調製物が本発明の方法によって製造され得ることは本発明の重大な利点である。該調製物は、本発明による組み入れによって固体が実質的に完全に無傷で該調製物中に組み込まれ得ることから、特にそのように安定である。このような実質的に無傷の固体は、明らかに、該調製物の製造段階にて形状および完全性が予め損害を受けているものよりもはるかに安定である。これからすると、調製物全体は、特に貯蔵および輸送に関して、ことさらに安定になる。
【0091】
固体からの活性成分の放出は、それらを含有する組成物の適用の間、好ましくは機械的、熱的、化学的または酵素的作用の結果としてのシェルまたはマトリックスの破壊によって、従来のように行う。
【0092】
好ましい実施態様において、固体は、さらに、少なくとも一つの中空ミクロスフェアを含有する。
【0093】
中空ミクロスフェアは、好ましくは2〜500μm、特に5〜20μmの直径、および好ましくは1g/cm未満の特定の比重を有する。各々の固体中への一以上の中空ミクロスフェアの組み入れによって、固体の密度は、周囲調製物の密度に調整され、したがって、所望されないカプセルの沈降および浮上(クリーミング)が回避され得る。
【0094】
好ましくは、中空ミクロスフェアは球形で滑らかである。中空ミクロスフェアは、無機材料(例えば、水ガラス、ケイ酸アルミニウム、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラスまたはセラミック)から、または有機ポリマー(例えば、スチレン、アクリロニトリルおよび塩化ビニリデンのホモまたはコポリマーなど)から、製造され得る。適当な中空ミクロスフェアは、例えば、商品名Fillite(登録商標)(例えばTrelleborg Fillite)、Expancel(登録商標)(例えばAkzo Nobel)、Scotchlite(登録商標)(例えば3M)、Dualite(登録商標)(例えばSovereign Speciality Chemicals)、Sphericel(登録商標)(例えばPotters Industries)、Zeeospheres(例えば3M)、Q−Cel(登録商標)(例えばPQ Corporation)またはExtendospheres(登録商標)(例えばPQ Corporation)のもと、市販されている。さらなる適当な中空ミクロスフェアは、OMEGA MINERALSにより、商品名E−Spheresのもと提供される。E−Spheresは、白色、セラミック中空ミクロスフェアであり、これは、異なる粒度、粒度分布、かさ密度およびかさ容積で提供される。上記中空ミクロスフェアの多くは、化学的に不活性であり、およびカプセルの破壊後、洗濯液中に分散し、次いで、それと共に廃棄される。
【0095】
特に考えられる各々の用途に関して、該調製物の粘度が特定の値未満になる場合、有利であり得る。液体調製物の粘度は、従来の標準方法(例えば、ブルックフィールド粘度計LVT−II、20rpmおよび20℃にて、スピンドル3)によって測定することができる。
【0096】
該調製物の粘度が最大で20000mPas、非常に有利には最大で15000mPas、より有利には最大で10000mPas、ことさらに有利には最大で9000mPas、さらにより有利には最大で8000mPas、非常に有利には最大で7000mPas、特に有利には最大で6000mPas、最も特に有利には最大で5000mPas、実質的に有利には最大で4000mPas、実質的に最も有利には最大で3000mPas、極めて有利には最大で2000mPas、特に最大で1000mPasの値を有する場合、これは好ましい実施態様である。
【0097】
一方、その後の適用を目的として、該調製物の粘度が特定の値を超える場合、まさに有利であり得る。したがって、該粘度が少なくとも0.1mPas、非常に有利には少なくとも1mPas、より有利には少なくとも10mPas、ことさらに有利には少なくとも100mPas、さらにより有利には少なくとも200mPas、非常に有利には少なくとも300mPas、特に有利には少なくとも400mPas、最も特に有利には少なくとも500mPas、実質的に有利には少なくとも600mPas、実質的に最も有利には少なくとも700mPas、極めて有利には少なくとも800mPas、最も非常に有利には少なくとも900mPas、ことのほか有利には少なくとも1000mPas、並外れて有利には少なくとも1200mPas、格別に有利には少なくとも1400mPas、特別に有利には少なくとも1500mPas、特に少なくとも1700mPas、最も有利には少なくとも2000mPasの値である場合、これも同様に好ましい本発明の実施態様である。
【0098】
しかしながら、また、同様に好ましい別の実施態様によれば、該調製物が特定の範囲にある粘度を示す場合、有利であり得る。該調製物が有利には10〜10000mPas、非常に有利には200〜9000mPasの量の、より有利には300〜8000mPasの量の、ことさらに有利には400〜7000mPasの量の、さらにより有利には500〜6000mPasの量の、非常に有利には1000〜5000mPasの量の、特に有利には1500〜4500mPasの量の、最も特に有利には1800〜4200mPasの量の、特に2000〜4000mPasの量の粘度を有する場合、これは好ましい本発明の実施態様である。
【0099】
有利には、本発明の調製物は、増粘剤も含有する。増粘剤は、好ましくは液体(通常、水)を吸収し、有利には同時に膨らみ(膨張)および最終的に(無機増粘剤を除いて)好ましくは粘性の本来のまたはコロイド状溶液になる、好ましくは有機高分子材料である。増粘剤は、好ましくは液体の粘度を増大させるために、またはゲルのチキソトロピック性を改善するために使用される。したがって、増粘剤は、多くの工業的、化粧品、医薬品または栄養調製物および食料品(本発明において考えられる全てのもの)、例えばクリーム、洗浄組成物、ドレッシング、印刷用インク、塗料分散体、接着剤、プディング、やせ薬(該有機増粘剤は、好ましくは食べられるが、しばしば栄養価を有しない)の製造の一部の役割を果たす。
【0100】
したがって、好ましい実施態様によれば、本発明にしたがって製造される調製物は、増粘剤、特に以下の群の少なくとも一つから選択される増粘剤を含有する:
a)有機天然増粘剤(特に寒天、カラギーナン、トラガカント、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、ポリオース、グアーミール、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼインなどの物質)、
b)有機変性天然物質(特にカルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなど、第一級小麦粉エーテルなどの物質)、
c)有機完全合成増粘剤(好ましくはポリアクリル酸およびポリメタクリル酸化合物、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、スチレン−無水マレイン酸コポリマーおよびそれらの塩、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミドなど、および特にアクリル酸およびメタクリル酸のコおよびターポリマー)、
d)無機増粘剤(特に、ポリケイ酸、粘土鉱物、例えばモンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、シリカなど)、
e)低分子有機生成物(特に、金属石鹸、硬化ヒマシ油、変性脂肪誘導体、ポリアミドなど)、
e)会合性増粘剤。
【0101】
会合性増粘剤は、それらが、好ましくは、分子中に、水可溶化親水性基に加えて、有利には疎水性末端または側基も含有する点で、例えば上記の変性天然物質および有機完全合成増粘剤とは異なる。したがって、会合性増粘剤は、有利には、界面活性剤特性を有し、および好ましくはミセルを形成し得る。特に好ましい会合性増粘剤は、a)好ましくはアニオン活性アクリレート増粘剤分子中に共重合によって組み込まれた非イオン性親水性および疎水性基を含有する疎水的変性ポリアクリレート;b)好ましくはエーテル化の間の、またはその後に長鎖アルキルエポキシドまたはハライドとの、ヒドロキシエチルセルロースの反応によって製造された、疎水的変性セルロースエーテル;c)好ましくはアクリルアミドと、アルキル変性アクリルアミドおよび必要に応じてアクリル酸との共重合によって製造された、疎水的変性ポリアクリルアミド;d)疎水的変性ポリエーテル;e)好ましくは、ウレタン基によって結合した親水性の比較的高分子量のポリエーテルセグメントからなり、有利には少なくとも2つの末端疎水性分子基でマスクされた、会合性ポリウレタン増粘剤である。
【0102】
したがって、増粘剤は、例えば、ポリアクリレート増粘剤、キサンタンガム、ジェランガム、グアー粉、アルギン酸塩、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ベントナイト、ウェランガム、イナゴマメ粉、寒天、トラガント、アラビアゴム、ペクチン、ポリオース、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼインを含み得る。
【0103】
ポリアクリレート増粘剤およびポリメタクリレート増粘剤は、例えば、ポリアルケニルポリエーテル、特にスクロース、ペンタエリスリトールまたはプロピレンのアリルエーテルと架橋し、カルボキシビニルポリマーとも称される、アクリル酸の高分子量ホモポリマー(「The Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association (CTFA)」の「International Dictionary of Cosmetic Ingredients」に従ったINCI名:カルボマー)を含む。このようなポリアクリル酸は、とりわけ、3V Sigma CompanyからPolygel(登録商標)、例えばPolygel DAの商品名で、B.F。Goodrich CompanyからCarbopol(登録商標)、例えばCarbopol 940(分子量約4,000,000)、Carbopol 941(分子量約1,250,000)またはCarbopol 934(分子量約3,000,000)の商品名で入手できる。また、以下のアクリル酸コポリマーが上記増粘剤に含まれる:(i)アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの単純エステル(好ましくはC1〜4−アルコールと形成される)からなる群から選ばれる2つ以上のモノマーからなるコポリマー(INCI名:Acrylates Copolymer)。例えば、メタクリル酸、アクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(Chemical Abstracts Serviceに従ったCAS番号:25035−69−2)、或いはアクリル酸ブチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー(CAS番号:25852−37−3)が属し、例えば、Rohm & HaasからAculyn(登録商標)およびAcusol(登録商標)の商品名で、Degussa(Goldschmidt)からTego(登録商標)ポリマー、例えばアニオン性非会合性ポリマーであるAculyn 22、Aculyn 28、Aculyn 33(架橋)、Acusol 810、Acusol 820、Acusol 823およびAcusol 830(CAS番号:25852−37−3)の商品名で入手可能である。;(ii)架橋高分子量アクリル酸コポリマー。例えば、アクリル酸、メタクリル酸およびこれらの単純エステル(好ましくはC1〜4−アルカノールと形成される)からなる群から選ばれる1つ以上のモノマーとC10〜30−アルキルアクリレートとのコポリマー(INCI名:Acrylates/C10−30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)が属し、前記コポリマーは、スクロースのアリルエーテルまたはペンタエリスリトールのアリルエーテルと架橋し、例えば、B.F.Goodrich CompanyからCarbopol(登録商標)、例えば疎水化Carbopol ETD 2623およびCarbopol 1382(INCI名:Acrylates/C10−30 Alkyl Acrylate Crosspolymer)並びにCarbopol Aqua 30(以前はCarbopol EX 473)の商品名で入手可能である。
【0104】
好ましく使用される更なるポリマー増粘剤は、キサンタンガム、Xanthomonas campestrisおよび幾つかの他の種により好気性条件下で生産され、2,000,000〜15,000,000ダルトンのモル質量を有する微生物性アニオン性ヘテロ多糖類である。キサンタンは、側鎖を有するβ−1,4−結合グルコース(セルロース)含有鎖で形成されている。下位基の構造は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテートおよびピルビン酸塩からなり、ピルビン酸塩単位の数が、キサンタンガムの粘度を決定する。
【0105】
したがって、本発明にしたがって製造される調製物は、それらが役立つ目的に応じて、当業者によく知られた、または関連する専門文献から利用可能である、適切な成分を含有する。液体食料品は、例えば食用成分を含有する。
【0106】
特に好ましい本発明の調製物は、最も広い意味での布柔軟剤および繊維製品処理剤も含む、洗剤および洗浄組成物の分野からのものである。
【0107】
固体に加えて、本発明にしたがって製造される液体洗剤および洗浄組成物は、界面活性剤を含有する。陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および/または両性界面活性剤を使用することができる。用途の観点から好ましいものは、陰イオン性および非イオン性界面活性剤の混合物である。好ましい液体洗剤および洗浄組成物の界面活性剤の総含量は、液体洗剤および洗浄組成物全体に基づいて、好ましくは40重量%未満および特に好ましくは35重量%未満である。
【0108】
好ましく使用される非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化、有利にはエトキシル化された、好ましくは8〜18個の炭素原子およびアルコール1molあたり平均で1〜12molのエチレンオキシド(EO)を有する特に1級アルコールであり、該アルコール基は、直鎖または好ましくは2位のメチル分枝であり得、またはオキソアルコール基に通常存在する混合物の状態で、直鎖およびメチル分枝基を含み得る。しかしながら、12〜18個の炭素原子を有する天然起源アルコール、例えば、ココアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールの直鎖基およびアルコール1molあたり平均2〜8EOを有するアルコールエトキシレートが特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EO、4EOまたは7EOを有するC12〜14−アルコール、7EOを有するC9〜11−アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EOを有するC13〜15−アルコール、3EO、5EOまたは7EOを有するC12〜18−アルコール、並びにこれらの混合物、例えば3EOを有するC12〜14−アルコールと7EOを有するC12〜18−アルコールとの混合物を含む。上記のエトキシル化度は、特定の生成物において整数または分数であってよい統計的平均値である。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個を超えるEOを含む脂肪アルコールもまた使用できる。このような脂肪アルコールの例は、14EO、25EO、30EOまたは40EOを含む獣脂脂肪アルコールである。分子内にEOおよびPO基を一緒に含む非イオン性界面活性剤も、本発明に従って使用され得る。本発明では、EO−POブロック単位またはPO−EOブロック単位を有するブロックコポリマーを使用できるが、EO−PO−EOコポリマーまたはPO−EO−POコポリマーも使用できる。混合アルコキシル化され、EOおよびPO単位がブロック様ではなくランダムに分布された非イオン性界面活性剤も、もちろん使用することができる。このような生成物は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを脂肪アルコールに同時に作用させることによって得られる。
【0109】
更に、一般式RO(G)x[式中、Rは、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する直鎖またはメチル分枝、特に2−メチル分枝の1級脂肪族基であり、Gは、5または6個の炭素原子を有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表す。]に相当するアルキルグリコシドも、更なる非イオン性界面活性剤として使用できる。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を示すオリゴマー化度xは、1〜10の間の所望の数、好ましくは1.2〜1.4の間の数である。
【0110】
単一の非イオン性界面活性剤として、または他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される好ましい非イオン性界面活性剤のその他の種類は、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有するアルコキシル化、好ましくはエトキシル化、またはエトキシル化およびプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルであり、特に、例えば日本特許出願公開JP 58/217598に記載されているかまたは国際公開WO 90/13533に記載の方法によって好ましくは製造される脂肪酸メチルエステルである。
【0111】
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、並びに脂肪酸アルカノールアミド型の非イオン性界面活性剤も適当であり得る。これらの非イオン性界面活性剤の使用量は、好ましくはエトキシル化脂肪アルコールの使用量を超えず、特にエトキシル化脂肪アルコールの使用量の半分を超えない。
【0112】
他の適当な界面活性剤は、式(1):
【0113】
【化1】

【0114】
[式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基を表し、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、[Z]は、3〜10個の炭素原子および3〜10個のヒドロキシル基を有する直鎖または分枝ポリヒドロキシアルキル基を表す。]
に相当するポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知の物質であり、一般に、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元アミノ化し、続いて、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸塩化物でアシル化することによって得られる。
【0115】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、式(2):
【0116】
【化2】

【0117】
[式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル基またはアルケニル基であり、Rは、2〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状のアルキル基またはアリール基であり、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝または環状のアルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基であり、C1〜4アルキル基またはフェニル基が好ましく、[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個のヒドロキシル基によって置換されている直鎖ポリヒドロキシアルキル基、またはその基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化またはプロポキシル化誘導体である。]
に相当する化合物も含む。
【0118】
[Z]は、好ましくは、糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元アミノ化によって得られる。そして、N−アルコキシ−またはN−アリールオキシ−置換化合物を、例えば国際公開WO−A−95/07331の教示に従って、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルと反応させることによって所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0119】
好ましい液体洗剤および洗浄組成物中の非イオン性界面活性剤の含量は、いずれの場合も組成物全体に基づいて、好ましくは5〜30重量%、好ましくは7〜20重量%および特に9〜15重量%である。
【0120】
適当なアニオン性界面活性剤は、例えば、スルホネート型およびスルフェート型の界面活性剤である。スルホネート型の適当な界面活性剤は、有利には、C9〜13−アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、即ち、アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネートの混合物、並びにジスルホネートであり、これらは、例えば、末端または内部二重結合を有するC12〜18−モノオレフィンを、三酸化硫黄ガスでスルホン化し、続いてスルホン化生成物をアルカリまたは酸加水分解することによって得られる。C12〜18−アルカンを、例えば、スルホ塩素化またはスルホ酸化し、続いて加水分解または中和することによって得られるアルカンスルホネートも適している。α−スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココ酸、パーム酸または獣脂酸のα−スルホン化メチルエステルも同様に適している。
【0121】
更に適当なアニオン性界面活性剤は、グリセリンの硫酸化脂肪酸エステルである。グリセリンの硫酸化脂肪酸エステルは、モノグリセリンを1〜3molの脂肪酸でエステル化するか、またはトリグリセリドを0.3〜2molのグリセリンでエステル交換することによって得られる、モノ−、ジ−およびトリエステル並びにこれらの混合物を包含する。本発明において好ましいグリセリンの硫酸化脂肪酸エステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸の硫酸化生成物である。
【0122】
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12〜C18−脂肪アルコール、例えば、ココナッツバターアルコール、獣脂アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール、或いはC10〜C20−オキソアルコールの硫酸半エステル、並びにこれらの鎖長の2級アルコールの硫酸半エステルの、アルカリ塩、特にナトリウム塩である。また、石油化学に基づいて生成される合成直鎖アルキル基を含有し、脂肪化学原料に基づく適当な化合物に類似した分解挙動を示す、上記鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートも好ましい。洗浄特性から、C12〜C16−アルキルスルフェート、C12〜C15−アルキルスルフェートおよびC14〜C15−アルキルスルフェートが好ましい。米国特許US 3,234,258またはUS 5,075,041に従って製造され、商品名DAN(登録商標)でShell Oil Companyから得られる2,3−アルキルスルフェートも、適当なアニオン性界面活性剤である。
【0123】
1〜6molのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖または分枝C7〜21−アルコール、例えば、平均3.5molのエチレンオキシド(EO)を有する2−メチル分枝C9〜11−アルコール、または1〜4EOを有するC12〜18−脂肪アルコールの、硫酸モノエステルも適している。それらの良好な発泡挙動により、それらは、洗浄組成物中に比較的少量、例えば1〜5重量%の量でのみ使用される。
【0124】
他の適当なアニオン性界面活性剤は、スルホスクシネートまたはスルホコハク酸エステルとも称される、アルキルスルホコハク酸塩、およびスルホコハク酸とアルコール(好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコール)とのモノエステルおよび/またはジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C8〜18−脂肪アルコール基またはその混合物を含有する。特に好ましいスルホスクシネートは、非イオン性界面活性剤と見なされるエトキシル化脂肪アルコールから誘導される脂肪アルコール基を有する(以下の記載を参照)。特に好ましいスルホスクシネートは、その脂肪アルコール基が、狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシネートである。アルキル(アルケニル)鎖に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
【0125】
特に好ましいアニオン性界面活性剤は、石鹸である。飽和および不飽和脂肪酸石鹸が適しており、その例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、(水素化)エルカ酸およびベヘン酸の塩、並びに、特に天然脂肪酸、例えばココナッツ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、または獣脂脂肪酸から誘導される石鹸混合物である。
【0126】
石鹸を含むアニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の状態で、或いは有機塩基、例えば、モノ−、ジ−またはトリエタノールアミンの可溶性塩として、存在することができる。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩またはカリウム塩、特にナトリウム塩の状態で存在する。
【0127】
好ましい液体洗剤および洗浄組成物中の陰イオン性界面活性剤の含量は、いずれの場合も組成物全体に基づいて、2〜30重量%、好ましくは4〜25重量%および特に5〜22重量%である。
【0128】
固体に加えて、好ましい液体洗剤および洗浄組成物は、液体洗剤および洗浄組成物の適用上の特性および/または審美的特性を更に向上させる更なる成分を含んでよい。本発明において、好ましい組成物は、ビルダー、漂白剤、漂白活性剤、酵素、電解質、非水溶媒、pH調整剤、香料、香料担体、蛍光剤、着色料、ヒドロトロープ、抑泡剤、シリコーン油、再沈着防止剤、蛍光増白剤、グレーイング阻害剤、収縮阻害剤、防シワ剤、色移り阻害剤、抗菌剤、殺菌剤、殺真菌剤、酸化防止剤、腐食防止剤、静電防止剤、アイロン助剤、撥水剤および含浸剤、膨潤防止剤および滑り防止剤並びに紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1つ以上の物質を含む。
【0129】
液体洗剤および洗浄組成物中に存在し得るビルダーとしては、特にケイ酸塩、ケイ酸アルミニウム(特にゼオライト)、炭酸塩、有機ジ−およびポリカルボン酸の塩、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0130】
適当な結晶性層状ケイ酸ナトリウムは、一般式NaMSi2x+1・yHO[式中、Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜4の数であり、yは0〜20の数であり、好ましいxの値は2、3または4である。]に相当する。このような結晶性層状ケイ酸塩は、例えば、欧州特許公開EP−A−0 164 514に記載されている。与えられた式の好ましい結晶性層状ケイ酸塩は、Mがナトリウムであり、xが2または3の値をとるケイ酸塩である。とりわけ、β−およびδ−二ケイ酸ナトリウムNaSi・yHOの両方が好ましく、β−二ケイ酸ナトリウムは、例えば、国際公開WO−A−91/08171に記載の方法から得ることができる。
【0131】
遅延溶解し、多様な洗濯サイクル特性を示す、1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、より好ましくは1:2〜1:2.6の組成比(NaO:SiO比)を有する非晶質ケイ酸ナトリウムも使用することができる。通常の非晶質ケイ酸ナトリウムと比べて遅い溶解は、種々の方法、例えば、表面処理、コンパウンド化、圧縮/成形または過乾燥によって得ることができる。本発明では、用語「非晶質」は「X線非晶質」として理解される。つまり、ケイ酸塩は、結晶性物質に典型的な鋭いX線反射を生じず、数度の回折角の幅を有する散乱X線のせいぜい1つ以上の極大を生じる。しかしながら、電子回折試験において、ケイ酸塩粒子が不明確なまたは鋭い回折極大を生じる場合に、特に良好なビルダー特性が実現されることもある。これは、生成物が、10〜数百nmの大きさの微晶質領域を有することを意味すると解釈され得、その値は、最大50nmまで、特に最大20nmまでが好ましい。通常の水ガラスと比較して遅い溶解性を同様に有するこのタイプのX線非晶質ケイ酸塩は、例えば、独国特許公開DE−A−44 00 024に記載されている。成形/圧縮非晶質ケイ酸塩、コンパウンド化非晶質ケイ酸塩、および過乾燥X線非晶質ケイ酸塩が、特に好ましい。
【0132】
使用される微細結晶質の結合水含有合成ゼオライトでは、ゼオライトAおよび/またはPが好ましい。特に好ましいゼオライトPは、ゼオライトMAP(登録商標)(Crosfieldの市販品)である。しかしながら、ゼオライトX、並びにゼオライトA、X、Yおよび/またはPの混合物も適当である。商業的に入手でき、本発明において好ましいものは、例えば、ゼオライトXとゼオライトAの共結晶(ゼオライトXが約80重量%)であり、これは、SASOLによってVEGOBOND AX(登録商標)の商品名で市販されており、式:
nNaO・(1−n)KO・Al・(2〜2.5)SiO・(3.4〜5.5)H
[式中、nは0.90〜1.0である。]
によって表すことができる。
【0133】
ゼオライトは、噴霧乾燥粉末として、または未乾燥の、その製造方法からまだ湿っている、安定な懸濁液として使用することができる。ゼオライトが懸濁液として使用される場合、ゼオライトは、安定剤として、少量の非イオン性界面活性剤、例えばゼオライトに基づいて1〜3重量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシル化C12〜C18−脂肪アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC12〜C14−脂肪アルコール、またはエトキシル化イソトリデカノールを含むことができる。適当なゼオライトは、10μm未満の平均粒度(コールターカウンター法により測定した体積分布)を有し、好ましくは18〜22重量%、より好ましくは20〜22重量%の結合水を含む。
【0134】
生態学的理由から使用を避ける必要がなければ、一般に知られているリン酸塩を、当然、ビルダーとして使用することもできる。オルトリン酸、ピロリン酸および特にトリポリリン酸のナトリウム塩が、特に適当である。
【0135】
漂白剤として作用し、水にHを遊離させる化合物の中で、過ホウ酸ナトリウム四水和物および過ホウ酸ナトリウム一水和物が特に重要である。使用できる他の漂白剤の例は、過炭酸ナトリウム、ペルオキシピロホスフェート、シトレートペルヒドレート、およびH−遊離過酸塩または過酸、例えば、過安息香酸塩、ペルオキソフタル酸塩、ジペルオキシアゼライン酸、フタロイミノ過酸またはジペルオキシドデカン二酸である。
【0136】
洗剤および洗浄剤は、60℃以下の温度で洗浄する場合に改善された漂白作用を実現するために、漂白活性剤を含むことができる。使用できる漂白活性剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、および/または任意に置換されていてよい過安息香酸を生じる化合物である。上記の数の炭素原子を含むO−アシル基および/またはN−アシル基、および/または任意に置換されていてよいベンゾイル基を有する物質が適している。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−NOBSまたはイソ−NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランが好ましい。
【0137】
従来の漂白活性剤に加えてまたは代えて、いわゆる漂白触媒も、液状洗剤および洗浄剤に配合してよい。これらの物質は、漂白促進遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、Mn、Fe、Co、RuまたはMoのサレン錯体またはカルボニル錯体である。窒素含有三脚型配位子によるMn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCuの錯体、並びにCo、Fe、CuおよびRuのアミン錯体も、漂白触媒として使用してよい。
【0138】
本発明にしたがって製造される液体洗剤および洗浄組成物は、好ましくは少なくとも一つの増粘剤を含有する。
【0139】
好ましい液体洗剤および洗浄組成物は、該洗剤および洗浄組成物中に直接酵素を含むか、および/またはカプセル化酵素を含むことができる。適当な酵素は、特に、ヒドロラーゼ、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼまたは脂肪分解酵素、アミラーゼ、セルラーゼまたは他のグリコシルヒドロラーゼおよびこれらの混合物から選ばれる酵素である。洗濯中、これらヒドロラーゼの全ては、タンパク質、脂肪またはデンプン汚れのような汚れの除去、および対グレーイングに寄与する。更に、セルラーゼおよび他のグリコシルヒドロラーゼは、布地の柔軟性の増加、並びにピリングおよびマイクロフィブリルの除去による保色性に寄与できる。漂白または色移り軽減のために、オキシリアクターゼを使用してもよい。Bacillus subtilis、Bacillus licheniformis、Streptomyceus griseusおよびHumicola insolensのような細菌源または真菌から得られる酵素活性物質が、特に適当である。サブチリシン型プロテアーゼ、特にBacillus lentusから得られるプロテアーゼが好ましく使用される。
【0140】
下記例のような酵素の混合物は特に重要である:プロテアーゼとアミラーゼの混合物、プロテアーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとセルラーゼの混合物、セルラーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとアミラーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素の混合物、プロテアーゼとリパーゼまたは脂肪分解酵素とセルラーゼの混合物、しかしながら、特に、プロテアーゼおよび/またはリパーゼ含有混合物、或いは脂肪分解酵素との混合物。このような脂肪分解酵素の例は、既知のクチナーゼである。ある場合には、ペルオキシダーゼまたはオキシダーゼが適当であることもわかった。適当なアミラーゼは、特に、α−アミラーゼ、イソアミラーゼ、プルラナーゼおよびペクチナーゼを含む。好ましいセルラーゼは、セロビオヒドロラーゼ、エンドグルカナーゼ、およびセロビアーゼとしても知られているβ−グルコシダーゼ、またはこれらの混合物である。種々のセルラーゼ種は、それらのCMCアーゼ活性およびアビセラーゼ活性が異なるので、セルラーゼの管理された混合によって所望の活性を調整することができる。
【0141】
酵素を早期分解から保護するために、酵素を担体に吸着させることができる。洗剤および洗浄組成物中に直接含まれる、酵素、酵素混合物または酵素顆粒の量は、例えば、約0.1〜5重量%であってよく、好ましくは0.12〜約2.5重量%であり得る。
【0142】
無機塩の群から選ばれる多数の様々な塩を、電解質として使用することができる。好ましいカチオンは、アルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンであり、好ましいアニオンは、ハロゲン化物イオンおよび硫酸イオンである。NaClまたはMgClの組成物への添加が、工業生産の観点から好ましい。組成物中の電解質の含有量は、通常、0.5〜5重量%の範囲である。
【0143】
本発明にしたがって製造される液体調製物、特に洗剤および洗浄組成物中で使用することができる非水溶媒は、それが所定の濃度で水混和性である限り、例えば、一価アルコールまたは多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルからなる群に由来する。好ましくは、溶媒は下記群から選択される:エタノール、n−プロパノールまたはイソプロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオールまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルジグリコールまたはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテルまたはプロピレングリコールプロピルエーテル、ブトキシプロポキシプロパノール(BPP)、ジプロピレングリコールメチルエーテルまたはジプロピレングリコールエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールメチルエーテルまたはジイソプロピレングリコールエチルエーテル、メトキシトリグリコール、エトキシトリグリコールまたはブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、およびこれら溶媒の混合物。非水溶媒は、好ましくは0.5〜15重量%、しかしながら好適には12重量%未満、特に9重量%未満の量で液体調製物に添加することができる。しかしながら、別の好ましい実施態様によれば、15重量%を超える、好適には20重量%を超える、特に25重量%を超える非水溶媒が含まれる。
【0144】
液体調製物、特に液体洗剤および洗浄組成物のpHを所望の範囲にするために、pH調整剤の使用が適当であり得る。本発明では、その使用が技術的理由または生態学的理由或いは消費者保護に関する理由によって禁止されていないならば、全ての既知の酸またはアルカリを使用することができる。通常、これらの調整剤の量は、処方物全体の7重量%を超えない。
【0145】
液体調製物、特に液体洗剤および洗浄組成物の審美的効果を向上させるために、それらは適当な着色料によって着色され得る。好ましい着色料は、当業者にとってその選択は全く困難ではないが、長期保存寿命を有し、組成物の他成分または光に対して鈍感であり、処理される布地を着色しないよう布地に対して明白な直接性を有さない。
【0146】
液体調製物、特に液体洗剤および洗浄組成物において使用することができる抑泡剤としては、例えば、石鹸、パラフィンまたはシリコーン油が挙げられ、これらは任意に担体物質に担持され得る。「防汚剤」とも称される再沈着防止剤の適当な例を以下に示す:各々の場合の非イオン性セルロースエーテルに基づいて15〜30重量%のメトキシ基および1〜15重量%のヒドロキシプロピル基を有するメチルセルロースおよびメチルヒドロキシプロピルセルロースのような非イオン性セルロースエーテル、並びにフタル酸および/またはテレフタル酸のポリマーまたはそれらの従来技術で既知の誘導体、特に、エチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートのポリマー、或いはそれらのアニオン性変性および/または非イオン性変性誘導体。これらのうち、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が特に好ましい。
【0147】
処理された布地のグレーイングおよび黄ばみを除去するために、蛍光増白剤(「光学的増白剤」として既知)を液体洗剤および洗浄組成物に添加することができる。これらの物質は繊維上に吸着し、非可視紫外線を可視光に転化することによって、増白および擬似漂白効果をもたらす。このとき、太陽光から吸収される紫外線は、弱青色蛍光として光り、グレーイングが生じたまたは黄ばんだ洗濯物の黄色い色調を純白にする。適当な化合物は、例えば、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン酸(フラボン酸)、4,4’−ジスチリルビフェニレン、メチルウンベリフェロン、クマロン、ジヒドロキノリノン、1,3−ジアリールピラゾリン、ナフトエ酸イミド、ベンゾオキサゾール系、ベンゾイソオキサゾール系およびベンゾイミダゾール系、並びに複素環式置換ピレン誘導体の種類の物質に由来する。蛍光増白剤は、通常、最終組成物に基づいて0.03〜0.3重量%の量で添加される。
【0148】
グレーイング阻害剤は、繊維から除去された汚れを洗濯液中に懸濁したままにする機能を有し、それによって、汚れの再付着を防ぐ。この目的のためには、水溶性コロイド、一般には有機性のものが適当であり、その例は、糊、ゼラチン、或いはデンプンまたはセルロースのエーテルスルホン酸塩、或いはセルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステル塩である。水溶性酸性基含有ポリアミドも、この目的のために適当である。更に、上記したデンプン生成物として可溶性デンプン調剤なども使用でき、その例は、分解デンプン、アルデヒドデンプンなどである。ポリビニルピロリドンも使用できる。しかしながら、カルボキシメチルセルロース(Na塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースのようなセルロースエーテル類、およびメチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースのような混合エーテル類、並びにこれらの混合物が、組成物に基づいて例えば0.1〜5重量%の量で好ましく使用される。
【0149】
各々の繊維が、繊維方向に垂直の、屈曲、曲げ、圧縮および絞りに敏感なので、布地、特に、レーヨン、スパンレーヨン、綿およびこれらの混合物はシワになりやすいため、組成物は、合成防シワ剤を含み得る。合成防シワ剤は、例えば、主にエチレンオキシドで処理された、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アルキロールエステル、脂肪酸アルキロールアミドまたは脂肪アルコールに基づく合成生成物、或いはレシチンまたは変性リン酸エステルに基づく生成物を含む。
【0150】
液体洗剤および洗浄組成物は、微生物を抑制するために抗菌剤を含むことができる。抗菌スペクトルおよび作用機序によって、抗菌剤は、静菌剤および殺菌剤、静真菌剤および殺真菌剤などに分類される。これらの中で重要な例は、例えば、塩化ベンザルコニウム、アルキルアリールスルホネート、ハロフェノールおよび酢酸フェノール第二水銀であり、特に、本発明の組成物において、これらの化合物は全く含まれなくてもよい。
【0151】
本発明の製剤は、液体洗剤および洗浄組成物および/または処理された布地の、酸素および他の酸化作用によって生ずる望ましくない変化を防ぐために、更に酸化防止剤を含むことができる。この種の化合物は、例えば、置換フェノール、ヒドロキノン、ピロカテコールおよび芳香族アミン、並びに有機硫化物、多硫化物、ジチオカルバメート、ホスフィートおよびホスホネートを含む。
【0152】
組成物に更に含まれ得る帯電防止剤の更なる使用により、肌触りを向上させることができる。帯電防止剤は表面伝導率を増加させ、それによって、蓄積した電荷の放電を増進する。一般に、外部帯電防止剤は、少なくとも1つの親水性分子配位子を有する物質であり、表面に幾分吸湿性の膜を与える。これらの主に界面活性な帯電防止剤は、窒素含有帯電防止剤(アミン、アミド、第四アンモニウム化合物)、リン含有帯電防止剤(リン酸エステル)、およびイオウ含有帯電防止剤(アルキルスルホネート、アルキルスルフェート)に細分される。外部帯電防止剤は、例えば、仏国特許FR 1,156,513、英国特許GB 873 214および英国特許GB 839 407に記載されている。同特許出願で開示されているラウリル(またはステアリル)ジメチルベンジルアンモニウムクロリドは、布地のためまたは洗剤への添加剤として適当な帯電防止剤であり、更なる仕上げ効果を生ずる。
【0153】
水吸収能、処理された布地の湿潤性を向上させるため、および処理された布地のアイロンがけを容易にするために、例えば、シリコーン誘導体を液体洗剤および洗浄組成物に添加することができる。加えて、シリコーン誘導体は、その抑泡性によって製剤の最終濯ぎ挙動を改善する。好ましいシリコーン誘導体の例は、ポリジアルキルシロキサンまたはアルキルアリールシロキサンであり、このアルキル基は1〜5個の炭素原子を有し、全体的または部分的にフッ素化されている。好ましいシリコーンは、任意に誘導されて、アミノ官能性であるかまたは四級化されているか或いはSi−OH、Si−Hおよび/またはSi−Cl結合を有してよい、ポリジメチルシロキサンである。好ましいシリコーンの25℃での粘度は、100〜100,000mPasの範囲であり、シリコーンは、組成物全体に基づいて0.2〜5重量%の量で使用することができる。
【0154】
最後に、液体洗剤および洗浄組成物は、処理された布地に吸着し、繊維の耐光性を向上させる、紫外線吸収剤を含むこともできる。このような所望の特性を有する化合物は、例えば、効果的な無放射失活性の、2位および/または4位に置換基を有するベンゾフェノンの化合物および誘導体である。また、置換ベンゾトリアゾール、2位にシアノ基を任意に有してよい3−フェニル置換アクリレート(桂皮酸誘導体)、サリチレート、有機ニッケル錯体、および天然物質、例えばウンベリフェロンおよび内生ウロカニン酸が適当である。
【0155】
重金属の触媒作用によるある種の洗剤成分の分解を妨げるため、重金属を錯化する物質を使用できる。適当な重金属イオン封鎖剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)アルカリ塩またはニトリロ三酢酸(NTA)アルカリ塩、並びに、ポリアクリレート、ポリマレエートおよびポリスルホネートのようなアニオン性高分子電解質のアルカリ金属塩である。
【0156】
錯化剤の好ましい種類は、好ましい液体洗剤および洗浄組成物中に、0.01〜2.5重量%、好ましくは0.02〜2重量%、特に0.03〜1.5重量%の量で含まれるホスホネートである。これらの好ましい化合物は、特に、有機ホスホネート、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)(ATMP)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMPまたはDETPMP)および2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBS−AM)を含み、一般に、それらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩として主に添加される。
【0157】
得られた水性液体調製物、特に液体洗剤および洗浄組成物は好適には澄明である。即ち、沈澱物がなく、好ましくは透明または少なくとも半透明である。
【0158】
本発明にしたがって製造される洗剤および洗浄組成物は、布地を洗浄するために使用され得る。
【0159】
好ましい実施態様によれば、本発明にしたがって製造される液体組成物は、繊維製品処理剤、アイロン助剤、洗剤、洗浄組成物(特には硬質表面および/または軟質表面用)、家庭用洗浄剤、トイレ用調製物、洗い助剤、布地コンディショナー、室内芳香剤、エアフレッシャー、品質改良剤、着色剤、布柔軟剤、医薬品組成物、植物保護剤、研磨剤、食料品、化粧品組成物、肥料、建築材料、接着剤、漂白剤、脱灰剤、自動車ケア生成物、床洗浄剤、ストーブ洗浄剤、革製品コンディショナー、家具コンディショナー、磨き剤、消毒、香気剤、離型剤および/または上記の剤の中間体である。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0160】
本発明の範囲内で非常に好ましい特定の組成物を、以下に列挙する。本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、液体(好ましくはゲル)として供給される、トイレ用洗浄剤またはWC洗浄剤、すなわち、WCボウルおよび男性用小便器の洗浄用生成物が挙げられる。他の従来の成分(例えば界面活性剤)に加えて、それらは、好ましくは石灰堆積物または尿石として既知のものを除去するための有機酸(例えばクエン酸および/または乳酸)または硫酸水素ナトリウム、アミド硫酸またはリン酸を含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0161】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、パイプ洗浄組成物または流出物洗浄剤が挙げられる。これらは、好ましくは強アルカリ性調製物である。これらは、通常、有機材料(例えば毛髪、脂肪、食物残渣、石鹸堆積物など)のパイプ閉塞物を除去するために使用される。AlまたはZn粉末の添加は、好ましくは泡立ち効果を有するHガスの形成のために使用することができる。可能性のある成分としては、好ましくはアルカリ、アルカリ塩、酸化剤および中性塩が挙げられる。次亜塩素酸塩が特に挙げられ得る。さらに、酵素ベースの流出物洗浄剤も存在する。酸調製物も好ましい。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0162】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、普遍的または万能洗浄剤または汎用洗浄剤が挙げられる。これらは、家庭および工業における全ての硬質面に普遍的に使用可能な、濡れたまたは湿潤状態で拭き取り可能である洗浄剤である。それらは、通常、中性または弱アルカリ性または弱酸性生成物である。万能洗浄剤または汎用洗浄剤は、好ましくは界面活性剤、ビルダー、溶媒およびヒドロトロープ、着色料、防腐剤などを含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0163】
特殊消毒万能洗浄剤も存在する。好ましくは、これらの洗浄剤は、抗菌剤(例えばアルデヒド、アルコール、第4級アンモニウム化合物、両性界面活性剤、トリクロサン)をさらに含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0164】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、衛生器具洗浄剤が挙げられる。これらは、浴室およびトイレを洗浄するための液体生成物である。アルカリ性衛生器具洗浄剤は、主に、油汚れを除去するために使用されるが、酸衛生器具洗浄剤は、とりわけ、石灰堆積物を除去するために使用される。また、衛生器具洗浄剤、特に強アルカリ性塩素含有衛生器具洗浄剤は、有利にはかなりの消毒作用を有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0165】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、オーブン洗浄剤またはグリル洗浄剤が挙げられ、これらは、好ましくはゲルの形態で供給される。これらの洗浄剤は、通常、焦げ付いたまたは炭化食物残渣を除去するために使用される。好ましくは、オーブン洗浄剤は、例えば水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、2−アミノエタノールを用いて、強アルカリに調整される。さらに、それらは、好ましくは陰イオン性および/または非イオン性界面活性剤、水溶性溶媒、および幾つかの場合、増粘剤(例えばポリカルボキシレートおよびカルボキシメチルセルロース)を含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0166】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、とりわけ、金属洗浄剤が挙げられる。これらは、特定のタイプの金属(例えばステンレス鋼または銀)のための液体洗浄剤である。ステンレス鋼洗浄剤は、好ましくは、酸(好ましくは3重量%まで、例えば、クエン酸、乳酸)に加えて、界面活性剤(特に5重量%まで、好ましくは非イオン性および/または陰イオン性界面活性剤)、水、また脂肪含有汚れを除去するための溶媒(好ましくは15重量%まで)、並びに他の物質(例えば増粘剤および防腐剤など)を含有する。非常に細かい研磨物質も、主に光輝ステンレス鋼表面のための生成物に含有される。一方で、銀洗浄剤は、好ましくは酸調整される。それらは、好ましくは特に硫化銀の黒色堆積物を除去するための錯化剤(例えばチオ尿素、チオ硫酸ナトリウム)を含有する。典型的な供給形態は、洗浄クロス、浸漬浴、ペースト、液体である。暗い染み(酸化物層)を除去するため、銅および非鉄金属洗浄剤(例えば真鍮および青銅)が使用される。これらの洗浄剤は、通常、(好ましくはアンモニアによって)弱アルカリ性に調整され、および、通常、研磨剤、並びに、好ましくはアンモニウム石鹸および/または錯化剤も含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0167】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、ガラス洗浄剤および窓洗浄剤が挙げられる。これらの液体調製物は、主に、ガラス表面から特に脂肪含有汚れを除去するために使用される。それらは、好ましくは物質、例えば陰イオン性および/または非イオン性界面活性剤(特に5重量%まで)、アンモニアおよび/またはエタノールアミン(特に1重量%まで)、エタノールおよび/または2−プロパノール、グリコールエーテル(特に10〜30重量%)、水、好ましくは防腐剤、着色料、変色保護剤などを含有する。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0168】
また、本発明にしたがって製造される好ましい液体洗浄組成物としては、全ての特殊洗浄組成物、例えば、ガラスセラミック調理表面用洗浄組成物、並びにカーペット洗浄剤および染み抜き剤が挙げられる。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0169】
本発明にしたがって製造される好ましい液体自動車ケア組成物としては、とりわけ、塗料防腐剤、塗料研磨剤、塗料洗浄剤、洗浄防腐剤、洗車用シャンプー、洗車およびワックス掛け生成物、装飾金属用研磨剤、装飾金属用保護フィルム、プラスチック洗浄剤、タール除去剤、フロントガラス洗浄剤、エンジン洗浄剤などが挙げられる。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとしての、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0170】
好ましい本発明にしたがって製造される液体化粧品組成物は、好ましくは(a)皮膚ケア用化粧品液体組成物、特にバス調製物、皮膚洗いおよび洗浄組成物、皮膚ケア組成物、目の化粧品、唇ケア組成物、爪ケア組成物、個人的ケア組成物、足ケア組成物、(b)特定の効果を有する化粧品液体組成物、特に光保護組成物、皮膚日焼け組成物、脱色組成物、防臭剤、制汗剤、脱毛組成物、ひげそり調製物、香料、(c)歯ケア用化粧品液体組成物、特に歯および口腔ケア組成物、義歯ケア組成物、義歯洗浄組成物、義歯固定助剤、(d)毛髪ケア用化粧品液体組成物、特に洗髪組成物、毛髪ケア組成物、毛髪固定組成物、ヘアシャンプー組成物、染毛組成物である。本発明にしたがって製造されるこれらの組成物は、特にゲルとして、または他の従来の化粧品投与形態(例えばローション、クリーム、ミルク、エマルジョンなど)として、好ましい本発明の実施態様を示す。
【0171】
また、特に好ましくは、液体エアフレッシャーおよび室内芳香剤である。このような生成物は、主に揮発性の、およびたいてい心地よい香りのする物質を含有し、これらは、有利には、非常に少量でさえも不愉快な臭いを覆い隠すことができる。生活圏用エアフレッシャーは、特に天然および/または合成エッセンシャルオイル、例えば松葉油、シトラス油、ユーカリ油、ラベンダー油などを、例えば50重量%までの量で含有する。エアロゾルとして、それらは、このようなエッセンシャルオイルを、より少量で、例えば、5重量%未満または2重量%未満で含有し、およびその代わりに、好ましくはアセトアルデヒドのような物質(特に<0.5重量%)、好ましくはイソプロピルアルコール(特に<5重量%)、鉱油(特に<5重量%)および推進剤ガスを含有する。エッセンシャルオイルからのゲル濃縮物を、好ましくは使用することができる。
【実施例】
【0172】
〔実施例1〕
(液体洗剤の製造)
所定の粘度および流量限界を有する液体洗剤(粘度4200mPas;流量限界1.2Pa)を、水および界面活性剤(陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、石鹸)、少量成分(消泡剤、香料)および増粘剤(例えばポリアクリレート)を混合することによって製造した。製造は、1.5時間/バッチの混合時間のバッチ式で行った。
【0173】
スペックルを、液体洗剤の製造の間に添加した。スペックルが短時間後に分裂したことが観察された。さらに、該製造方法の最後にスペックルを添加した場合でさえも、かなりの割合(スペックルの約25重量%)が混合の間に分裂し、および大きな割合(スペックルの約60重量%)が排出の間、および注入段階までの施設の種々の部分(パイプ、バルブ、ポンプ、中間タンク)を通じての輸送の間に分裂した。
得られた生成物は、視覚的品質が低下した商売外の印象を作り出した。
【0174】
〔実施例2〕
(スペックル分散体のバッチ式組み入れ)
20lの攪拌ガラス容器(容器直径:300mm/容器高さ:400mm、Intermig撹拌機、撹拌機直径(3AFS):210mmおよび4個のフロースポイラー)に、50体積%まで事前に製造した従来の液体洗剤(粘度4300mPas、流量限界1.3Pa)を充填した。次いで、250gのスペックル分散体(800gの水中の200gのスペックル)を、55rpmの撹拌機速度にて添加した。3分後、全てのスペックルは、既に液体洗剤中に均質に組み入れられ、および直接注入することができた。スペックルの分裂は観察されなかった。
【0175】
〔実施例3〕
(スペックル分散体の連続組み入れ)
実施例2からの混合物を出発材料として使用した。117kg/時間の従来の液体洗剤および3kg/時間のスペックル分散体を、200kg/時間の混合物を底部出口バルブから連続的に除去しながら、この出発材料中に連続的に添加した。連続運転の25分後、全てのスペックルは、再度、液体洗剤中に均質に組み込まれ、および直接注ぐことができた。生成物におけるばらつきは生じなかった。スペックルの分裂は観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体内容物を有する液体調製物の製造方法であって、固体の少なくとも一部の添加を、
(a)液体調製物を包装単位中に注入する前の該方法の最終段階において、または
(b)包装単位中に注入する間に
のみ行うことを含む、方法。
【請求項2】
液体調製物は、液体洗剤および洗浄組成物、食料品、塗料、着色料またはワニス調製物、接着剤調製物、医薬品および/または化粧品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
固体内容物は、調製物全体に対する重量%として0.01〜80重量%の範囲にある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
固体を、好ましくは懸濁形態で、担体液体の助力によって液体調製物に添加する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
固体を、液体調製物中に、好ましくは滴下または注入によって、直接導入する、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
固体は、液体調製物中に、特にその中に懸濁されて、均一な空間分布を有する安定な空間配置を示す、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
添加される固体は剪断感受性である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
調製物への固体の添加およびそれと共に混合を、低剪断を伴う条件下で行う、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
固体を添加した後の調製物を、低剪断を伴う条件下、注入段階に供給する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
固体の添加後、その後に通過する配管系中の液体調製物の流動挙動は、10000までのレイノルズ数を伴う、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
固体の添加後、その後に通過する配管系中の液体調製物の流動挙動は、0.03までの摩擦係数を伴う、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
固体の添加後、配管系中の全成分の個々の抵抗の係数は、個々の抵抗当たり0〜20の範囲にある、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
調製物は水性組成物である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
固体は、0.01〜20,000μmのその最大伸長に沿った直径を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
固体は、カプセル、マイクロカプセルまたはスペックルである、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
固体は中空ミクロスフェアを含有する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
固体の少なくとも一部の添加を、組成物の残りの成分が既に混合工程を受けている場合にのみ行う、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
その他の点では使用準備ができた調製物と、添加される固体との混合を、CST反応器中で行う、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
調製物は1〜10000mPa・sの範囲の粘度を有する、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
固体は、少なくとも0.77の平均形状係数を実質的に有する、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれかに記載の方法により得ることができる液体調製物であって、少なくとも界面活性剤を含有する、調製物。

【公表番号】特表2008−538788(P2008−538788A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506941(P2008−506941)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002216
【国際公開番号】WO2006/111223
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】