説明

固体表面の接触角測定方法及びその装置

【構成】被測定物表面上に体積一定の液滴を載せ、前記液滴の前記被測定物表面への接触面の接触面積を測定し、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出する固体表面の接触角測定方法及びその装置である。
【効果】液滴形状がいかなる形状であっても、液滴の体積と前記接触面積を測定するのみで当該液滴の接触角を測定することができる。垂直上方から被測定物表面上の液滴の付着形状(平面視状態)を記録しその接触面積を測定することにより、接触角が80°以下の親水性の強い領域でも接触角の測定を簡易且つ信頼性の高い方法で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は固体表面の接触角測定方法及びその装置に関し、0°〜90°の範囲の接触角を測定し、例えば、固体表面の親水性を評価する場合に使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
雨水や湿気等による腐食、機能の劣化、汚れを防止するため、多くの物品はその表面を塗膜等で保護している。自動車、建物の外壁、窓ガラス等は絶えず外気・風雨等厳しい環境下におかれるものは特にこの対策が重要である。近年ではこの様な用途に用いられる塗膜には水、液体をはじく撥水性、あるいはこれとは全く逆の親水性が求められるようになった。従来これら性質を評価する方法は液体と被測定物(固体)間の接触角によってあらわす方法が一般的である。
【0003】
従来の接触角測定装置の多くは固体表面上の液滴を真横方向から液滴断面像を光学的映像として捕らえ、この横断面画像より接触角を直接測定する。また、最近では液滴を鉛直上方から撮像し、コンピュータ画像解析により液滴像の直径を算出した後、この値と液滴体積の値とから試料表面における液滴の接触角を算出する方法(特開平5−232009)、あるいは試料上の液滴の高さをレーザ顕微鏡など非接触式距離測定手段で測定し、別手法による液滴径の測定値から接触角を求める方法(特開平8−5008)、体積一定の液滴を試料上に滴下し試料の鉛直上方よりカメラで液滴の射影直径を計測し、接触角を求める方法(特開平1‐126523)などがある。
【0004】
また、近年、レイリータイプの表面弾性波を利用して、表面弾性波の励起によって液滴を励振させ、励起を停止後の液滴の自由振動の振動数と減衰率を測定することによって、液体の粘性、表面張力及び接触角を測定する研究報告もある。
【0005】
更に、最近、本発明者らは液滴の被測定物上での自由振動数より、接触角を測定する方法を発明し、特許出願している(特開2009−36634)。この手法は従来法の液滴断面像より接触角を求める手法に比し、撥水性を示す接触角80°以上の測定値は非常に安定し、人為的誤差を含まず高精度で測定できる。また、接触面が真円でなくとも、また曲面、従来測定が不可能とされた凹面内の測定も可能である等、非常に優れた測定法である。
【0006】
【特許文献1】特開平5−232009号公報
【特許文献2】特開平8−5008号公報
【特許文献3】特開平1‐126523号公報
【特許文献4】特開2009−36634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来における前記した最初の3方法にあっては、いずれも、測定装置には撮像装置、被測定物位置調整装置、画像表示装置等が必要となり、一般的に高価なであり、被測定物のサイズ、測定位置等に制限がある。また、測定において固液界面の状態を正確に識別することは非常に難しい。特に親水性が強く(接触角が小さく)なるほど、被測定物上の液滴形状は必ずしも真球の一部ではなく、楕円球の一部等、歪んだ形状を呈するようになる。従来の測定法はいずれも液滴が真球の一部であると仮定することによって成り立つ測定法であるため、測定値の精度、信頼性は必ずしも満足できるものではないという不都合を有した。
【0008】
また、従来における前記レイリータイプの表面弾性波を利用する方法にあっては、表面弾性波を励起可能な圧電基板上における液体の物性を測定するものであり、個体としては表面弾性波を励起可能な固体に限られ、且つ、光学的構造から測定可能な形状、大きさ等に制限があり、装置は大掛かりとなり、簡便な手法ではないという不都合を有した。
【0009】
更に、従来における本出願人の前記方法にあっては、接触角が80°以下の親水領域においては、振動振幅が小さくなると共に接触角変化に対する自由振動数変化が微小になるため、測定が困難であるという不都合を有した。
【0010】
この発明の課題はこれらの不都合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解消するために、発明者等は鋭意研究した。そして、液滴と被測定物表面の付着形状と付着面積に着目し、液滴の固体界面に接する面積と接触角の関係を明らかにし、高い信頼性と非常に簡便な手段によって液滴と固体材料間の接触角を測定可能な固体表面の接触角測定方法及びその装置を案出したものである。
【0012】
この発明(請求項1)に係る固体表面の接触角測定方法においては、被測定物表面上に体積一定の液滴を載せ、前記液滴の前記被測定物表面への接触面の接触面積を測定し、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出するようにしたものである。
【0013】
この場合、前記接触面積を、その面積に等しい円の面積に換算することにより求めるようにすることができる(請求項2)。
【0014】
また、この場合、前記平均的接触角を、前記接触面の形状に内接する最大直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角と、前記接触面の形状に外接する最小直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角とに挟まれたものとして表すこともできる(請求項3)。
【0015】
更に、これらの場合、前記液滴を着色することもできる(請求項4)。
【0016】
また、この発明(請求項5)に係る固体表面の接触角測定装置においては、被測定物表面への液滴載置手段と、前記被測定物表面への前記液滴の接触面積測定手段と、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出する接触角算出手段とを備えているものである。
【0017】
この場合、液滴の被測定物上での自由振動数により接触角を測定する接触角測定手段(特開2009−36634の発明)を備えるようにすることができる(請求項6)。
【発明の効果】
【0018】
この発明(請求項1)に係る固体表面の接触角測定方法は上記のように構成されているため、即ち、被測定物表面上に体積一定の液滴を載せ、前記液滴の前記被測定物表面への接触面の接触面積を測定し、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出するようにしたため、液滴形状がいかなる形状であっても、液滴の体積と前記接触面積を測定するのみで当該液滴の接触角を測定することができるものである。
【0019】
よって、この測定方法を使用すれば、垂直上方から被測定物表面上の液滴の付着形状(平面視状態)を記録しその接触面積を測定することにより、接触角が80°以下の親水性の強い領域でも接触角の測定を簡易且つ信頼性の高い方法で行うことができる。
【0020】
この場合、請求項2に示すように、前記接触面積を、その面積に等しい円の面積に換算するようにすれば、接触面積の測定が容易になり、より一層、簡易に測定することができる。
【0021】
また、請求項3に示すように、前記平均的接触角を、前記接触面の形状に内接する最大直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角と、前記接触面の形状に外接する最小直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角とに挟まれたものとして表すようにすれば、従来、測定が困難であった接触面形状が真円でないものの接触角を表す有効な手段を提供する効果を奏することができる。
【0022】
更に、これらの場合、請求項4に示すように、前記液滴を着色すれば、液滴の接触面積を測定する場合、デジタル顕微鏡の画像において被測定物と液滴とを明確に識別することができ、測定しやすいものである。
【0023】
また、この発明(請求項5)に係る固体表面の接触角測定装置は上記のように構成されているため、即ち、被測定物表面への液滴載置手段と、前記被測定物表面への前記液滴の接触面積測定手段と、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出する接触角算出手段とを備えているため、上記接触角測定方法を簡易に実施することができる。
【0024】
この場合、請求項6に示すように、液滴の被測定物上での自由振動数により接触角を測定する接触角測定手段を備えるようにすれば、一の装置で、上記方法(請求項1〜4)では測定しにくい90°以上の接触角の測定も可能となり、その使用価値は拡大する。
【0025】
更に、図7及び図8に基づいて本発明の効果を詳述する。
【0026】
これらの図は、いずれも被測定物表面に垂直上方より観測した固体表面の液滴付着形状の一例を示したもので、図7は液量が約6μlの水滴を用いたプラスチック表面の観測画像であり、接触角が90°近傍にある。一見すると接触面は真円のように見えるが、形状測定をすると真円ではないことが分かる。また、図8は液量が約6μlの水滴を用いた圧延、研磨加工された金属材料表面の観測画像であり、接触角は60度前後と観測された。
【0027】
この様に固体表面における液滴の形状は必ずしも真球の一部ではなく、固体表面状態に大きく依存し、接触角が小さくなるに従い、楕円球状、瓜状を呈することが多くなる。従って、従来の液滴を横方向から観測して接触角を測定する方法(特開平5−0232009)にはこの様な形状を呈するものの接触角測定には多くの誤差が含まれることになる。また、一定体積の液滴を固体表面に垂直上方より観測したときの液滴像の直径の値とから計算により接触角を求める方法(特開平5-232009)においても同様に、液滴を真球の一部として扱うため、真球からずれた液滴の接触角には誤差が大きく含まれる、あるいは測定不能となる。
【0028】
この様に従来の測定方法では被測定面上において液滴が真球の一部と見なせなくなったとき、測定が困難になるが、本発明においてはこの様な液滴形状が真球からずれたとしても、この液滴の接触形状を記録し、この接触形状の接触面積から平均円を仮定することにより平均的接触角を表すこと、或は請求項3記載の方法を用い、撮影された液滴の付着形状を表す実画像に内接円と外接円の面積より算出される2つの接触角で挟む形で、接触角を表わせば、これまで測定・表現が不可能と思われた領域における被測定物の所要液に対する表面性状を評価することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明に係る固体表面の接触角測定方法及びその装置は実施するにあたって下記の構成に最も主要な特徴を有する。
【0030】
被測定物表面上に体積一定の液滴を載せる場合、マイクロシリンジ、マイクロピペット、あるいは液滴落下装置によって行う(液滴載置手段)。この場合、液滴の体積は約1〜7μl、着色する場合は被測定物表面色の補色が適しているが、被測定表面と液滴とのコントラストが得られるものであればよい。
【0031】
前記液滴の前記被測定物表面への接触面の接触面積を測定する場合は、垂直上方からデジタル顕微鏡を用いて被測定物表面上の液滴の付着形状(平面視状態)を観測・記録し、その平面図から接触面積を測定する(接触面積測定手段)。この接触面積の測定はパソコン上で行われるが、具体的には、デジタル顕微鏡の倍率を一定にして、この全視野面積の占める画素数に対する液滴接触面積の占める画素数の比から算出するように行う。なお、この接触面積の値をその面積に等しい円の面積に換算することもできる。
【0032】
前記液滴の平均的接触角を測定する場合は、前記液滴の体積とこの接触面積からパソコン上で算出する(接触角算出手段)。
【0033】
接触角算出手段によって、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出する理論の根拠を説明する。
【0034】
この発明の発明者は、液滴の体積が既知であるならば、固体表面に接する液滴の接触角は液滴形状を球の一部と仮定し、固体との接触表面積算出できることを明らかにした。また、特に接触角が小さい領域では液滴が真球の一部とならないことが容易に予想されるが、この様な時、液滴の接触状態が明らかになれば、液滴とこれに接する物体間の接触角に対する有用なデータ、接触形状に基づく平均的接触角を供することができることを発見した。
【0035】
そして、固体表面の液滴付着面積と平均的接触角の関係については、図3に示すように付着液滴の接触角が90°以下(θ<90°)の真球面の一部であると仮定すれば、液滴体積と液滴の固体表面付着面積より、この条件における接触角Θが次の式によって与えられる。
【0036】
【数1】

【0037】
ここにSは液滴の固体表面付着面積、Vは液滴体積、θは接触角である。図4は式(1)を基にして、固体表面の液滴付着面積の3乗をその体積の2乗で基準化した値と平均的接触角の関係を表したものである。この図より接触角が小さくなるに従い指数関数的に接触面積が増大すること、すなわちθが小さいほど高感度な測定が可能である。尚、図3におけるρは液滴の接触面半径、hは液滴の高さ、θは接触角、rは液滴を真球と仮定したときの半径である。
【0038】
なお、この測定装置に、液滴の被測定物上での自由振動数により接触角を測定する接触角測定手段を備え、一の装置(パソコン共用)で、上記方法(請求項1〜5)では測定しにくい90°以上の接触角の測定も可能となる。
【実施例】
【0039】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0040】
図1は本発明に係る固体表面の接触角測定装置の実施例の模式図、図2は同他の実施例の模式図、図3は接触角θ<90°の場合の固体表面上の液滴を示す模式図、図4は固体表面の液滴付着面積をその体積で基準化した値と平均的接触角の関係を示すグラフ、図5は液滴の実画像よりこの平均的接触角を算出する方法を示す模式図、図6は液滴の実画像よりこの液滴の接触角の存在範囲を求める方法を示す模式図、図7は固体表面上の液滴付着形状画像の1例を示した写真、図8は同他の1例を示した写真である。
【0041】
以下、実施例等を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態について説明する。図1は請求項1から請求項5の発明の実施例であり、4は被測定物(例えば金属表面)、3はその表面上に滴下された一定量(約1〜7μl)の液滴である。被測定物1と液滴3を明確に識別するが困難な場合、この液滴3は被測定物面の補色、あるいは被測定物表面とコントラストの強くなる色によって着色され、マイクロシリンジ、マイクロピペット、あるいは液滴落下装置によって滴下される。1はデジタル顕微鏡(接触面積測定手段)であり、前記被測定物4の上方に配置されている。このデジタル顕微鏡1によって前記液滴3を垂直上方から所要の倍率(例えば50倍)で捉え、この画像をUSB接続5によってパーソナルコンピュータ(PC)(接触面積測定手段)2の画面上に表示・記録する。記録された液滴3の被測定物4表面の付着形状画像は予めPC(接触角算出手段)2に書き込まれたソフトによって、その面積が算出され、接触角θは図4に示す固体表面への液滴接触面積をその体積で基準化した値(縦軸)と平均的接触角(横軸)の関係より求める。なお、前記液滴3を着色する着色料は、デジタル顕微鏡2の画像において、被測定物1と液滴3を明確に識別するために供されるものであり、液滴3の物性値、特に表面張力値に影響を与えないものとする。
具体例(図8を参照のこと)を説明する。無着色、6μlの水滴3を液滴下装置によって表面処理されたプラスチック4の表面に滴下した。この液滴3をデジタル顕微鏡1によって垂直上方から所要の倍率(約50倍)で捉え、この画像をUSB接続5によってパーソナルコンピュータ(PC)(接触面積測定手段)2の画面上に表示・記録し、PC(接触角算出手段)2によって、全視野面積の占める画素数に対する液滴接触面積の占める画素数の比からその面積が6.9ミリmmであると算出された。この面積にもと付いて図4のグラフより、接触角は85°であると測定された。
【0042】
求められた平均的接触角はPC2画面上に付着形状画像と共に表示することで、固体表面の当該液滴に対する付着情況とその平均的接触角を示すことができる。
【0043】
前記デジタル顕微鏡1は必要な画像をスナップ撮影する機能、連続的に撮影するビデオ機能、一定の時間間隔で撮影するインターバル機能を備えており、その目的に応じてこの機能を使い分ける。例えば液体が被測定材料4に時間と共に吸収される場合にはビデオ機能、或はインターバル機能を使うことにより、液滴3の時系列変化を観測・測定することが出来るものである。
【0044】
図5は請求項2の発明を説明するための図である。8はデジタル顕微鏡1によって撮影された液滴3の付着形状を表す実画像、9はこれと面積の等しい円を表している。請求項1の発明において、図5に示すように、液滴3の平均的接触角を算出する方法が、液滴3の体積とデジタル顕微鏡1で撮影された個体表面に接触する液滴3の画像から、その面積に等しい円の面積に換算して求めた平均的接触角を液滴3の画像と共にPC2画面上に表示するようにしたものである。従来法では観測方向によって接触角が異なる値を呈していたが、本方法ではその平均的な接触角を表すようにしたものである。
なお、前記具体例の場合には、半径1.48mmの円に換算される。
【0045】
図6は請求項3の発明の実施例である。8はデジタル顕微鏡1によって撮影された液滴3の付着形状を表す実画像、10はこの実画像に内接する最大の内接円、11は実画像に外接する最小の外接円を表している。請求項1の発明において、接触角の表し方が、図6に示すように、撮影された液滴3の付着形状を表す実画像に内接円10と外接円11の面積より算出される2つの接触角で挟む形で、接触角を算出し、表すようにしたものである。
なお、前記具体例の場合には、内接円(半径1.47mm)の面積の接触角
85.9°と外接円(半径1.49mm)の面積の接触角84.7°とによって挟まれた状態(84.7°≦θ≦85.9°)として表される。
【0046】
図2は請求項6の発明の実施例である。1はデジタル顕微鏡、2はPC,3は液滴、4は被測定物、5はデジタル顕微鏡のUSB接続、6は液滴振動式接触角測定装置検出部、7は液滴振動式接触角測定装置検出部出力信号伝達媒体を表している。請求項5の発明において、これら発明と液滴振動式の接触角測定装置を組み合わせることで、請求項1〜5の発明の弱点である接触角が90°以上の接触角測定は液滴振動式の接触角測定装置(特開2009−36634の発明)を用い、本請求項5の発明は接触角90°以下の測定に限定することで、測定領域を拡大すると共にPC2を共用することで、簡素な構成の接触角測定装置にしたものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
この発明に係る固体表面の接触角測定方法及びその装置は、液滴形状がいかなる形状であっても、液滴の体積と前記接触面積を測定するのみで当該液滴の接触角を測定することができため、接触角が80°以下の親水性の強い領域でも接触角の測定を簡易且つ信頼性の高い方法で行うことができる。よって、固体表面の性状を接触角で評価する場合等、産業上の利用可能性は高いものである。

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は本発明に係る固体表面の接触角測定装置の実施例の模式図である
【図2】図2は同他の実施例の模式図である。
【図3】図3は接触角θ<90°の場合の固体表面上の液滴を示す模式図である。
【図4】図4は固体表面の液滴付着面積をその体積で基準化した値と平均的接触角の関係を示すグラフである。
【図5】図5は液滴の実画像よりこの平均的接触角を算出する方法を示す模式図である。
【図6】図6は液滴の実画像よりこの液滴の接触角の存在範囲を求める方法を示す模式図である。
【図7】図7は固体表面上の液滴付着形状画像の1例を示した写真である。
【図8】図8は固体表面上の液滴付着形状画像の他の1例を示した写真である。
【符号の説明】
【0049】
1 … デジタル顕微鏡(接触面積測定手段)
2 … パーソナルコンピュータ(接触面積測定手段)(接触角算出手段)
3 … 液滴
4 … 被測定物
5 … USB接続
6 … 液滴振動式接触角測定装置検出部
7 … 液滴振動式接触角測定装置検出部出力信号伝達媒体
8 … 液滴付着画像の模式図
9 … 液滴の付着面積に等しい円
10 … 液滴付着画像の内接円
11 … 液滴付着画像の外接円

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物表面上に体積一定の液滴を載せ、前記液滴の前記被測定物表面への接触面の接触面積を測定し、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出することを特徴とする固体表面の接触角測定方法。
【請求項2】
前記接触面積を、その面積に等しい円の面積に換算することにより求めることを特徴とする請求項1の固体表面の接触角測定方法。
【請求項3】
前記平均的接触角を、前記接触面の形状に内接する最大直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角と、前記接触面の形状に外接する最小直径の円の面積に換算して求められた接触面積に基づく接触角とに挟まれたものとして表すことを特徴とする請求項1の固体表面の接触角測定方法。
【請求項4】
前記液滴を着色したことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の固体表面の接触角測定方法。
【請求項5】
被測定物表面への液滴載置手段と、前記被測定物表面への前記液滴の接触面積測定手段と、前記液滴の体積とこの接触面積から液滴の平均的接触角を算出する接触角算出手段とを備えた固体表面の接触角測定装置。
【請求項6】
液滴の被測定物上での自由振動数により接触角を測定する接触角測定手段を備えたことを特徴とする請求項5の固体表面の接触角測定装置。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−208075(P2012−208075A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75461(P2011−75461)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(507259279)SAW&SPR−Tech有限会社 (2)