説明

国際発送支援システム、国際発送支援方法及び国際発送支援プログラム

【課題】海外に商品を配送する場合の手間を軽減するための国際配送支援システム、国際配送支援方法及び国際配送支援プログラムを提供する。
【解決手段】海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先情報とともに取得したJANコードに対応してHSコードが登録されている場合には、HSコードを取得し、登録されていない場合には、JANコードに基づいてHSコードの推定処理を実行する。HSコードの推定処理においては、制御部21は、JANコードの商品名に対応するHSコードがある場合には、このHSコードを特定し、対応するHSコードがない場合には、JANコードの中分類及び大分類の名称に含まれるキーワードに一致する商品名のHSコードを抽出する。制御部21は、取得又は推定したHSコードに対応する発送先国における関税率の取得し、関税率又は関税率の範囲を特定して、利用者端末10に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外国に商品を配送する場合に用いる国際発送支援システム、国際発送支援方法及び国際発送支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品を海外に発送する場合、国内の場合と異なり、商品の発送先、差出元及び商品名以外の情報が必要である。例えば、発送する商品の個数や重量、価格、商品分類等を配送ラベルに記載する必要がある。また、発送先国において輸入禁止規制対象品に該当しないか否かを確認する必要もある。そこで、規制対象品を判定するための輸入品の法令対応チェックシステムが検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。この文献記載の技術では、国際貿易商品の分類識別子としてのHSコードと品目とを対応付けした対照表を作成し、この対応表を用いて輸入品が規制対象品でないか否かをコンピュータによってチェックする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−98914号公報(第1頁、図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
規制対象品に該当しない場合であっても、商品を海外に発送するためには、税関への申告書を正確に作成する必要がある。税関への申告書が正しく作成されていない場合には、通関の検査に時間がかかり、商品が発送先に円滑に配送されない。しかしながら、税関への申告書の内容は、商品の原料や素材等によって異なるため、商品等を正確に把握して、適切な申告書を作成することは難しい。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、海外に商品を配送する場合の手間を軽減するための国際発送支援システム、国際発送支援方法及び国際発送支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変換データ記憶手段と、利用者端末とに接続される制御手段を備え、利用者の国際配送を支援する国際発送支援システムであって、前記制御手段は、利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する手段と、複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する手段と、前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の国際発送支援システムにおいて、前記制御
手段は、前記商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子が前記商品識別子変換データ記憶手段に記録されていない場合には、この商品識別子の商品種別を特定し、この商品種別に対応するキーワードを含む前記国際貿易商品の分類識別子を前記貿易分類データ記憶手段において検索する手段を更に備えたことを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の国際発送支援システムにおいて、前記制御手段は、商品識別子に対して、配送履歴情報に障害が発生した商品の注意情報を記録した発送注意履歴データ記憶手段に接続されており、前記制御手段は、前記商品識別子に特定される商品の注意情報を前記利用者端末に出力することを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の国際発送支援システムにおいて、前記制御手段は、発送先国別の標準的配送所要日数を記憶しており、前記発送注意履歴データ記憶手段には、商品識別子に対して、配送履歴情報に前記配送所要日数よりも遅延した場合の到着日数が記録されており、制御手段は、発送先情報の発送先国における標準的配送所要日数を特定して、利用者端末に出力する手段と、配送する商品の商品識別子の到着日数を前記発送注意履歴データ記憶手段において検索する手段と、到着日数を特定できた場合には、配送に時間がかかる可能性があることを前記利用者端末に出力することを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変換データ記憶手段と、利用者端末とに接続される制御手段を備えた国際発送支援システムを用いて、利用者の国際配送を支援するための方法であって、前記制御手段は、利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する段階と、複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する段階と、前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する段階とを実行することを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変換データ記憶手段と、利用者端末とに接続された制御手段を備えた国際発送支援システムを用いて、利用者の国際配送を支援するためのプログラムであって、前記制御手段を、利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する手段、複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する手段、及び前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する手段として機能することを要旨とする。
【0012】
(作用)
本発明によれば、制御手段は、利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識
別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する。制御手段は、複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する。制御手段は、前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する。このため、商品識別子から国際貿易商品の分類識別子を介して特定される関税率を出力するので、利用者は、より正確な関税率を簡単に把握することができる。
【0013】
本発明によれば、制御手段は、前記商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子が前記商品識別子変換データ記憶手段に記録されていない場合には、この商品識別子の商品種別を特定し、この商品種別に対応するキーワードを含む前記国際貿易商品の分類識別子を前記貿易分類データ記憶手段において検索する。このため、商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子が記録されていなくても、商品識別子によって特定される商品の商品種別に対応する分類識別子を特定し、この分類識別子から関税率を特定することができる。
【0014】
本発明によれば、制御手段は、前記商品識別子に特定される商品の注意情報を前記利用者端末に出力する。このため、利用者は、配送する商品と同じ商品の過去の履歴から、その商品についての注意情報を把握することができる。
【0015】
本発明によれば、制御手段は、発送先情報の発送先国における標準的配送所要日数を特定して、利用者端末に出力する。制御手段は、配送する商品の商品識別子の到着日数を前記発送注意履歴データ記憶手段において検索する。制御手段は、到着日数を特定できた場合には、配送に時間がかかる可能性があることを前記利用者端末に出力する。このため、利用者は、発送先国における標準的配送所要日数を把握することができるとともに、実績情報から配送に時間がかかるか否かを把握することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、海外に商品を配送する場合の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態の海外発送支援システムの構成を説明する概略構成図。
【図2】実施形態の各データ記憶部に記録されたデータ構成を説明する説明図であり、(a)はコード変換データ記憶部、(b)は発送注意品データ記憶部、(c)は商品関税率データ記憶部、(d)は配送実績データ記憶部を示す。
【図3】実施形態の各データ記憶部に記録されたデータ構成を説明する説明図であり、(a)はJANコード総合商品情報データ記憶部、(b)は関税率データ記憶部、(c)は配送状況データ記憶部を示す。
【図4】実施形態の発送依頼受付処理の処理手順を説明する説明図。
【図5】実施形態の法令改正対応処理の処理手順を説明する説明図。
【図6】実施形態の実績情報更新処理の処理手順を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態では、国際発送支援システムとして、日本から海外に商品を発送する処理を支援する場合を説明する。本実施形態の国際発送支援システムは、商品識別子としてのJANコード(Japan Article Number code)を用いて特定される情報を利用者に提供する。このJANコ
ードは、企業、商品アイテムを特定するコード及びチャックデジットから構成されている。この商品アイテムコードは、(例えば、「ココア」や「コーヒー」等の)普通名称を示
す6桁の識別番号から構成されている。この6桁の識別番号のうち、上位4桁がこの商品の中分類(例えば、「嗜好飲料」等の名称)を示しており、この4桁の上位2桁がこの商品の大分類(例えば、「飲料」等の名称)を示している。以下では、JANコードにおいて、この商品アイテムコードを取扱対象とする。
【0019】
図1に示すように、国際発送支援システムとしての海外発送支援サーバ20は、インターネットを介して利用者端末10に接続される。この利用者端末10は、商品を発送する利用者が使用するコンピュータ端末であり、ディスプレイ、キーボード及びマウスを備えている。ディスプレイには、海外発送支援サーバ20から取得した商品情報や発送するために必要な発送先情報が表示される。キーボードやマウスは、商品の発送先や差出元、商品を特定するJANコード等のデータを入力する場合に用いる。更に、この利用者端末10は、印刷装置(図示せず)に接続されている。この印刷装置は、配送ラベルやインボイスを印刷する場合に用いられる。
【0020】
海外発送支援サーバ20は、制御部21、コード変換データ記憶部23、発送注意品データ記憶部24、商品関税率データ記憶部25及び配送実績データ記憶部26を備える。コード変換データ記憶部23は商品識別子変換データ記憶手段として機能し、発送注意品データ記憶部24は発送注意履歴データ記憶手段として機能する。
【0021】
制御部21は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する依頼受付処理、商品情報特定処理、関税率特定処理、送達日数算出処理、法令改正更新処理、実績情報更新処理の各処理を行なう制御手段である。そして、このための国際発送支援プログラムを実行することにより、制御部21は、依頼受付手段211、商品情報特定手段212、関税率特定手段213、送達日数算出手段214、法令改正更新手段215及び実績情報更新手段216等として機能する。
【0022】
依頼受付手段211は、利用者端末10から発送先情報や発送商品情報を取得する。更に、依頼受付手段211は、発送可否データ、配送ラベルやインボイスを印刷するための印刷データを利用者端末10に送信する。
【0023】
商品情報特定手段212は、利用者端末10から取得した発送商品情報のJANコードに基づいて、発送商品に関する情報を取得する。この商品情報特定手段212は、JANコード表とHSコード表とを記憶しており、貿易分類データ記憶手段としても機能する。JANコード表は、JANコードと名称とを関連付けたデータである。HSコード表は、HSコードと商品名とを関連付けたデータである。ここで、HSコードとは、「商品の名称および分類についての統一システム」(Harmonized Commodity Description and Coding System)において、国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一する目的のために作られた通常6桁の識別番号である。この6桁の識別番号によって商品名(例えば「醤油」等の名称)を特定できる。このHSコードの上位4桁の識別番号は、この分類に対して大分類となる商品種別(例えば「混合調味料」等の名称)を示す。すなわち、HSコード表には、HSコードに関連付けられた商品種別が含まれている。
【0024】
関税率特定手段213は、発送先国(発送先の住所がある国)において商品に対する関税率を特定する。本実施形態では、HSコードに基づいて関税率を特定する。
送達日数算出手段214は、発送先に商品を配送するために要する日数を算出する。この送達日数算出手段214は、国識別子毎に送達日数(発送先に到着するまでに要する標準的な配送所要日数)を記録した送達日数表を記憶している。
【0025】
法令改正更新手段215は、発送注意品データ記憶部24に記憶されている規制対象品(危険物等の発送不可品や条件付発送可能品など)についての情報を、各国の法令の改正
に応じて更新する。
【0026】
実績情報更新手段216は、配送を終了した実績データを用いて、各データ記憶部(23〜26)に記憶されたデータを更新する。実績情報更新手段216は、配送遅延を許容できる許容日数を記憶している。
【0027】
コード変換データ記憶部23には、図2(a)に示すように、JANコードとHSコードとを対応付けたコード変換レコード230が記憶されている。コード変換レコード230は、JANコードに対応するHSコードを特定できた場合に記録される。コード変換レコード230には、JANコード、HSコード及び英語名に関するデータが含まれている。
【0028】
JANコードデータ領域には、商品を特定するためのJANコードが記録されている。
HSコードデータ領域には、このJANコードに対応するHSコードが記録される。一つのJANコードに対して複数の異なるHSコードが関連付けられている場合には、このHSコードデータ領域には、複数のHSコードが記録されている。
英語名データ領域には、このJANコードによって特定される商品名(英語表記)に関するデータが記録されている。
【0029】
発送注意品データ記憶部24には、図2(b)に示すように、規制品レコード241及び発送注意履歴レコード242が記憶されている。規制品レコード241には、法令等によって発送の禁止や条件が規制されている商品名に関するデータが記憶されている。この規制品レコード241は、規制対象品が新たに登録された場合に記録される。この規制品レコード241には、商品名、国識別子、発送可否フラグ、発送条件有無フラグ、包装要件及び規制事項に関するデータが含まれている。
【0030】
商品名データ領域には、各商品の商品名に関するデータが記録されている。
国識別子データ領域には、各国を特定するための識別子(国識別子)に関するデータが記録されている。
【0031】
発送可否フラグデータ領域には、この商品をこの国に発送することができるか否かを判定するためのフラグ(発送可能フラグ又は発送不可フラグ)が記録されている。
発送条件有無フラグデータ領域には、この商品を発送する場合について条件があるか否かを判定するためのフラグ(発送条件有りフラグ・発送条件無しフラグ)に関するデータが記録されている。
【0032】
包装要件データ領域には、発送条件有りの商品を、この国に発送するために、商品の包装に必要な条件に関するデータが記録されている。
規制事項データ領域には、この商品について、発送先国において発送不可の商品や発送条件付がある商品を定めた法令・条文及び改正日に関するデータが記録されている。
【0033】
発送注意履歴レコード242は、配送途中において障害が発生した配送の履歴データである。この発送注意履歴レコード242は、後述する配送ステータスが「保管」や「返送」の場合、又は配送ステータスが「配達済」であっても大幅な遅延(許容できない遅延)が生じた場合に記録される。この発送注意履歴レコード242には、JANコード、発送先国識別子、到着日数、配送履歴及び備考に関するデータが含まれている。配送履歴には、日時、ステータス及び拠点に関するデータが含まれる。
【0034】
JANコードデータ領域には、この商品を特定するためのJANコードに関するデータが記録されている。
発送先国識別子データ領域には、この商品の発送先国を特定するための国識別子に関するデータが記録されている。
【0035】
到着日数データ領域には、この商品の引受から発送先に到着するまでの所要日数(実際に要した日数)に関するデータが記録されている。
日時データ領域には、この商品のステータスが変更された年月日及び時刻に関するデータが記録されている。
【0036】
ステータスデータ領域には、この商品の配送状況を特定するためのステータス(識別子)データが記録されている。例えば、ステータス「引受」、「通関検査待ち」、「配達済」、「保管」、「返送」等の配送状況が記録される。ステータス「引受」は、配送物が集荷された状態を示す。ステータス「通関検査待ち」は、発送先国に到着し、通関検査を待っている状態を示す。ステータス「配達済」は、発送先に到着した状態を示す。ステータス「保管」は、何らかの理由で発送先に到着していない状態を示し、ステータス「返送」は、何らかの理由で国内に戻された状態を示す。
【0037】
拠点データ領域には、この商品のステータスを登録した取扱拠点を特定するための拠点識別子に関するデータが記録されている。
備考データ領域には、この商品の発送において生じた障害情報に関するデータが記録されている。
【0038】
商品関税率データ記憶部25には、図2(c)に示すように、国別に、JANコードによって特定される商品の関税率に関する商品関税率レコード250が記憶されている。商品関税率レコード250は、JANコードによって特定される商品が新たな発送先国に発送されて関税率を特定できた場合に記録される。この商品関税率レコード250には、JANコード、HSコード、国識別子及び関税率に関するデータが含まれる。
【0039】
JANコードデータ領域、HSコードデータ領域には、JANコード、HSコードに関するデータがそれぞれ記録される。
国識別子データ領域には、発送先国を特定するための国識別子に関するデータが記録される。
関税率データ領域には、このJANコードによって特定される商品の関税率に関するデータが記録される。
【0040】
配送実績データ記憶部26には、図2(d)に示すように、配送を終了した商品の配送履歴に関する配送実績レコード260が記憶されている。この配送実績レコード260は、後述する実績情報更新処理が行なった場合に記録される。配送実績レコード260は、JANコード、HSコード、発送商品名、発送先国識別子、総価格、個数、関税率、履歴及び到着日数に関するデータが記録される。履歴には、日時、ステータス及び拠点に関するデータが含まれる。
【0041】
JANコードデータ領域、HSコードデータ領域には、配送された商品を特定するためのJANコード、HSコードに関するデータがそれぞれ記録されている。
【0042】
発送商品名データ領域には、発送された商品の商品名に関するデータが記録されている。
発送先国識別子データ領域には、この商品の発送先国を特定するための国識別子に関するデータが記録されている。
【0043】
総価格データ領域、個数データ領域には、この配送によって配送された商品の総価格、
個数に関するデータがそれぞれ記録される。
関税率データ領域には、発送先国に対して発送された商品に対する関税率に関するデータが記録される。
【0044】
日時データ領域、ステータスデータ領域、拠点データ領域には、この商品の新たなステータスが登録された年月日及び時刻、登録されたステータス、このステータスを登録した取扱拠点の拠点識別子に関するデータがそれぞれ記録される。
到着日数データ領域には、この商品の引受から発送先に到着するまでの所要日数(実際に要した日数)に関するデータが記録されている。
【0045】
一方、図1に示す海外発送支援サーバ20は、JANコード管理サーバ30、法令公開サーバ40、関税率公開サーバ50、配送管理サーバ60に接続されている。
【0046】
JANコード管理サーバ30は、JANコードを管理している流通システム開発センタのコンピュータシステムであり、商品情報データ記憶手段としてのJANコード総合商品情報データ記憶部32を備えている。このJANコード総合商品情報データ記憶部32には、図3(a)に示すように、JANコード管理レコード320が記憶されている。このJANコード管理レコード320は、申請に応じてコードを付与した場合に記録される。このJANコード管理レコード320には、JANコード、サイズ、重量、商品名、価格、商品入り数、原産国及び有効期限に関するデータが含まれている。
【0047】
JANコードデータ領域には、各商品のJANコードに関するデータが記録されている。
サイズデータ領域には、このJANコードによって特定される商品の大きさ(縦、横、奥行き)に関するデータが記録されている。
【0048】
重量データ領域には、この商品の重量に関するデータが記録されている。
商品名データ領域には、この商品の普通名称に関するデータが記録されている。
価格データ領域には、この商品の価格に関するデータが記録されている。
商品入り数データ領域には、セット販売において、このセットに含まれる商品の個数に関するデータが記録されている。
【0049】
原産国データ領域には、この商品の原産国に関するデータが記録されている。
有効期限データ領域には、この商品の有効期限に関するデータが記録されている。商品が食品の場合には、賞味期限に関するデータが記録される。
【0050】
法令公開サーバ40は、各国の輸入に関する法令を公開しているサーバであり、法令データ記憶部42を備えている。この法令データ記憶部42には、各国の規制対象品の商品名に関するデータと、法令が改定された年月日に関するデータが記録されている。
【0051】
関税率公開サーバ50は、各国における関税率に関する法令を公開しているコンピュータシステムであり、関税率データ記憶手段としての関税率データ記憶部52を備えている。この関税率データ記憶部52には、図3(b)に示すように、関税率レコード520が記憶されている。この関税率レコード520には、輸入国、HSコード及び関税率に関するデータが含まれている。
【0052】
輸入国データ領域には、商品の発送先国(輸入国)を特定するための国識別子に関するデータが記録されている。
HSコードデータ領域には、この商品に付与されるHSコードに関するデータが記録される。
関税率データ領域には、この商品に対する関税率に関するデータが記録される。
【0053】
配送管理サーバ60は、配送状況を管理するためのコンピュータシステムであり、配送状況データ記憶部62を備えている。この配送状況データ記憶部62には、図3(c)に示すように、配送状況レコード620が記憶されている。配送状況レコード620には、追跡識別子、JANコード、HSコード、発送商品名、発送先、差出元、総価格、個数、関税率及び配送履歴に関するデータが含まれる。配送履歴には、日時、ステータス及び拠点に関するデータが含まれる。この配送履歴に関するデータは、配送管理サーバ60が、商品を取り扱った取扱拠点(配送物を差し出した引受拠点、通関拠点、発送先の住所の配達を管轄している配達拠点等)の拠点識別子、そのときの日時及びステータスを受信する度に追加更新される。
【0054】
追跡識別子データ領域には、この配送を特定するための管理識別子に関するデータが記録されている。
JANコードデータ領域、HSコードデータ領域には、各配送において配送された商品を特定するためのJANコード、HSコードに関するデータがそれぞれ記録されている。HSコードデータ領域には、配送依頼時のHSコードが記録されるが、配送途中で通関士によって訂正された場合には、修正されたデータが記録される。
【0055】
発送商品名データ領域には、発送された商品の商品名に関するデータが記録されている。
発送先データ領域には、この商品の発送先を特定するためのデータ(発送先の氏名、住所及び国名)が記録されている。
【0056】
差出元データ領域には、この商品の差出元を特定するためのデータ(差出元の氏名、住所、国名)が記録されている。
総価格データ領域、個数データ領域には、この配送によって配送された商品の総価格、個数に関するデータがそれぞれ記録される。
【0057】
関税率データ領域には、発送された商品に対してこの商品にかかる関税率に関するデータが記録される。
日時データ領域、ステータスデータ領域及び拠点データ領域には、この商品の新たなステータスが登録された年月日及び時刻、ステータスの内容、このステータスを登録した取扱拠点の拠点識別子に関するデータがそれぞれ記録される。
【0058】
次に、上述した海外発送支援システムを用いて行なう国際発送支援処理について図4〜図6を用いて説明する。ここでは、まず、海外発送支援サーバ20の制御部21が、海外に商品を発送する利用者からの発送依頼を受け付けた場合の発送依頼受付処理を、図4を用いて説明する。次に、海外発送支援サーバ20の制御部21が定期的に実行する法令改正対応処理及び実績情報更新処理を図5及び図6を用いて説明する。
【0059】
(発送依頼受付処理)
まず、発送依頼受付処理を、図4を用いて説明する。この発送依頼受付処理において、利用者は、利用者端末10のマウス及びキーボードを操作して、海外発送支援サーバ20から発送依頼受付画面を取得する。この発送依頼受付画面には、発送先情報、差出元情報や発送商品情報等の情報を入力する入力欄と、情報取得ボタンと、発送依頼ボタンとが含まれる。発送先情報には、発送先の氏名、住所及び住所がある国の名称等が含まれる。差出元情報には、差出人の氏名、住所及び住所がある国の国名等が含まれる。発送商品情報には、発送する商品のJANコード、英語による商品名(英語名)、内容量、価格及び原産国等が含まれる。
【0060】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先情報及びJANコードの取得処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、利用者は、発送依頼受付画面の各入力欄に発送先情報、差出元情報、JANコードを入力して、情報取得ボタンを選択する。利用者端末10は、入力された発送先情報及びJANコードを海外発送支援サーバ20に送信する。海外発送支援サーバ20の制御部21の依頼受付手段211は、発送先情報及びJANコードを取得する。
【0061】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、JANコードに基づく商品情報の検索処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部21の商品情報特定手段212は、このJANコードを含む商品情報要求をJANコード管理サーバ30に送信する。JANコード管理サーバ30は、情報要求に含まれるJANコードが記録されたJANコード管理レコード320を抽出する。そして、JANコード管理サーバ30は、JANコード管理レコード320に記録された情報を含めた商品情報応答を海外発送支援サーバ20に送信する。海外発送支援サーバ20の制御部21は、この商品情報応答により、JANコードに対応する商品情報(サイズ、重量、商品名、価格、商品入り数、原産国及び有効期限に関するデータ)を取得する。
【0062】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送に注意が必要か否かを判断する(ステップS1−3)。具体的には、制御部21の商品情報特定手段212は、発送先情報に含まれている発送先国識別子を特定する。商品情報特定手段212は、JANコードに対応付けられた商品名と、特定した国識別子とが記録された規制品レコード241を発送注意品データ記憶部24において検索する。商品情報特定手段212は、JANコードと、特定した国識別子とが記録された発送注意履歴レコード242を発送注意品データ記憶部24において検索する。
【0063】
ここで、該当する規制品レコード241又は発送注意履歴レコード242を抽出した場合には、商品情報特定手段212は、この商品が発送可能か否か及び発送条件が有るか否かを判断する。具体的には、抽出した規制品レコード241に発送不可フラグが記録されている場合には、商品情報特定手段212は、この規制品レコード241から規制事項データを取得し、メッセージ「発送不可」に関連付けてメモリに仮記憶する。
【0064】
また、商品情報特定手段212は、この規制品レコード241に発送条件有りフラグが記録されている場合には、このレコードに含まれる包装要件データを取得し、メッセージ「発送条件有り」に関連付けてメモリに仮記憶する。
【0065】
更に、発送注意履歴レコード242を抽出した場合には、商品情報特定手段212は、このレコードに含まれる備考データ及び到着日数を取得し、メッセージ「配送途中に障害発生」に関連付けてメモリに仮記憶する。
【0066】
ここで、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送に注意が必要と判断した場合(ステップS1−3において「YES」の場合)、アラーム出力処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部21の依頼受付手段211は、規制事項データ、包装要件データ、又は備考データと、それぞれに関連付けられたメッセージとを含む注意喚起画面データを生成して、利用者端末10に送信する。この場合、依頼受付手段211は、「発送不可」のメッセージを送信する場合には、発送依頼受付画面の発送依頼ボタンが選択できない画面制御コマンドを利用者端末10に送信する。更に、備考データを送信する場合には、到着日数も送信する。
【0067】
利用者端末10は、ディスプレイに注意喚起画面を表示する。この注意喚起画面には、
メモリに記憶されていた「発送不可」、「発送条件有り」、又は「配送途中に障害発生」のメッセージと、各メッセージに関連付けられた規制事項、包装要件、又は備考とが表示される。なお、「発送不可」のメッセージが表示された場合には、発送依頼受付画面において発送依頼ボタンは削除される。
【0068】
一方、発送に注意が不要と判断した場合(ステップS1−3において「NO」の場合)、又はアラーム出力処理(ステップS1−4)を終了した後、海外発送支援サーバ20の制御部21は、HSコードの登録があるか否かの判断する(ステップS1−5)。具体的には、制御部21の商品情報特定手段212は、このJANコードが記録されたコード変換レコード230がコード変換データ記憶部23に記録されているか否かを検索する。ここで、該当するコード変換レコード230を抽出できた場合には、HSコードが登録されていることになる。この場合(ステップS1−5において「YES」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、HSコードの取得処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部21の商品情報特定手段212は、抽出したコード変換レコード230に含まれているHSコードと英語名とを取得する。
【0069】
一方、HSコードが登録されていない場合(ステップS1−5において「NO」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、JANコードに基づいてHSコードの推定処理を実行する(ステップS1−7)。具体的には、制御部21の商品情報特定手段212は、ステップS1−2において取得した商品名に対応するHSコードを検索する。ここで、商品名が一致しているHSコードを抽出できた場合には、商品情報特定手段212は、抽出したHSコードを、この商品のHSコードと推定する。
【0070】
一方、商品名が一致するHSコードを抽出できない場合には、商品情報特定手段212は、JANコード表において、このJANコードの上位の桁数の識別番号に対応する中分類及び大分類の名称を特定する。そして、商品情報特定手段212は、中分類や大分類の名称に含まれるキーワードに一致する商品名のHSコードを、HSコード表において抽出する。商品情報特定手段212は、抽出したHSコードを、この商品のHSコードと推定する。ここで、複数のHSコードを抽出した場合には、商品情報特定手段212は、抽出したすべてのHSコードをこのJANコードに関連付けてメモリに記憶する。
【0071】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、取得したHSコード毎に発送先国における関税率の取得処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、まず、制御部21の関税率特定手段213は、このJANコードと発送先国識別子とが記録された商品関税率レコード250を検索する。ここで、該当する商品関税率レコード250を抽出した場合には、関税率特定手段213は、このレコードに含まれる関税率を、この商品の関税率と特定する。この場合、複数の商品関税率レコード250を抽出した場合には、すべての関税率を特定する。
【0072】
一方、該当する商品関税率レコード250を抽出しない場合には、関税率特定手段213は、関税率確認要求を関税率公開サーバ50に送信する。ここで、関税率特定手段213は、関税率確認要求に、取得したHSコード(ステップS1−6)又は推定したHSコード(ステップS1−7)と、発送先国識別子とを含める。この場合、取得又は推定したHSコードが複数ある場合には、これらすべてのHSコードを関税率確認要求に含める。
【0073】
関税率公開サーバ50は、関税率確認要求に含まれる各HSコード及び国識別子が記録された関税率レコード520を抽出する。そして、関税率公開サーバ50は、HSコード毎の関税率を含めた関税率確認結果を海外発送支援サーバ20に送信する。海外発送支援サーバ20の制御部21は、受信した関税率確認結果により、HSコード毎の関税率を取得する。
【0074】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、関税率の確定が可能か否かを判断する(ステップS1−9)。ここで、ステップS1−8において取得したHSコードに対応して単一の関税率だけ取得した場合、制御部21の関税率特定手段213は、関税率を確定可能と判断する。
【0075】
ここで、関税率の確定が可能な場合(ステップS1−9において「YES」の場合)には、海外発送支援サーバ20の制御部21は、関税率の確定処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部21の関税率特定手段213は、取得した関税率を、この商品の関税率としてメモリに仮記憶する。
【0076】
一方、異なる複数の関税率を取得することにより、単一の関税率を確定できない場合(ステップS1−9において「NO」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、関税率範囲の算出処理を実行する(ステップS1−11)。具体的には、制御部21の関税率特定手段213は、取得した複数の関税率のうち、最低の関税率と最高の関税率とを特定する。
【0077】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先に到着するまでの送達日数の算出処理を実行する(ステップS1−12)。具体的には、制御部21の送達日数算出手段214は、発送先国識別子に関連付けられた送達日数を、送達日数表から取得する。更に、送達日数算出手段214は、配送実績データ記憶部26において、このJANコードが記録されている配送実績レコード260を検索する。該当する配送実績レコード260を抽出した場合には、これに含まれる到着日数を取得する。
【0078】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、関税率及び送達日数の出力処理を実行する(ステップS1−13)。具体的には、制御部21の依頼受付手段211は、ステップS1−10において確定した関税率、又はステップS1−11で算出した最低及び最高の関税率と、ステップS1−12で取得した送達日数とを含めた出力情報を利用者端末10に送信する。依頼受付手段211は、ステップS1−12において到着日数を取得した場合には、この到着日数も、出力情報に含める。利用者端末10は、取得した出力情報を発送受付画面に表示する。これにより、利用者は、関税率及び送達日数を把握することができる。
【0079】
そして、配送受付画面において、発送依頼ボタンが利用者により選択された場合、利用者端末10は、この配送受付画面に表示された発送先情報、差出元情報、発送商品情報を海外発送支援サーバ20に送信する。
【0080】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、配送ラベル及びインボイスの発行処理を実行する(ステップS1−14)。具体的には、制御部21は、受信した発送先情報、差出元情報及び商品情報を含む発送依頼を配送管理サーバ60に送信する。配送管理サーバ60は、発送依頼に対して新たな追跡識別子を付与する。次に、配送管理サーバ60は、追跡識別子、発送先情報、差出元情報及び商品情報を記録した配送状況レコード620を生成して、配送状況データ記憶部62に登録する。配送管理サーバ60は、この追跡識別子を海外発送支援サーバ20に送信する。
【0081】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、配送ラベルを印刷するためのラベル印刷データ及びインボイスを印刷するためのインボイス印刷データを生成する。ここで、制御部21は、配送管理サーバ60から取得した追跡識別子、発送先情報、差出元情報及び商品情報、配送管理識別子において、配送ラベル、インボイスに必要な項目を抽出する。そして、これら抽出した項目を、ラベルテンプレート、インボイステンプレートの各項目に挿入
した印刷データとインボイス印刷データとを生成する。そして、制御部21は、生成したラベル印刷データ及びインボイス印刷データを利用者端末10に送信する。利用者端末10においては、受信したラベル印刷データ及びインボイス印刷データを用いてプレビュ画面をディスプレイに表示する。利用者端末10は、利用者に指示に応じて、これら印刷データを印刷装置に送信し、印刷装置において配送ラベル及びインボイスを印刷する。以上により、発送依頼受付処理が終了する。
【0082】
(法令改正対応処理)
次に、法令改正対応処理について、図5を用いて説明する。海外発送支援サーバ20の制御部21は、この法令改正対応処理を定期的に(例えば1ヶ月に1回)、国毎について実行する。
【0083】
まず、海外発送支援サーバ20の制御部21は、法令公開サーバの最新情報の検索処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部21の法令改正更新手段215は、現在日に適用されている法令を法令公開サーバ40の法令データ記憶部42において検索する。
【0084】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、最新情報が一致しているか否かを判断する(ステップS2−2)。具体的には、制御部21の法令改正更新手段215は、現在日に適用されている法令において発送不可又は発送条件が指定された商品名と、この対象国の国識別子が記録されている規制品レコード241において発送不可フラグ又は発送条件有りフラグが記録された商品名とを比較する。更に、法令改正更新手段215は、新たな法令において指定された包装要件と、発送条件有りフラグが記録されている規制品レコード241における同じ商品名の包装要件とを比較する。
【0085】
比較結果において、規制品レコード241における商品名と、現在日に適用されている法令において指定された発送不可商品や包装要件がすべて一致している場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は法令改正対応処理を終了する。
【0086】
一方、発送不可商品や包装要件において、現在日に適用されている法令における指定と規制品レコード241に記録された内容とが一致しない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、規制品レコードの更新処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、法令で規定されている商品名が、発送不可フラグ又は発送条件有りフラグが記録された規制品レコード241に含まれていない場合には、制御部21の法令改正更新手段215は、この商品名及び発送不可フラグ又は発送条件有りフラグを含む新たな規制品レコード241を生成して記録する。また、規制品レコード241の発送不可フラグ(発送条件有フラグ)が記録された商品名が、法令の発送不可や発送条件が指定された商品に含まれていない場合には、法令改正更新手段215は、この商品名を含む規制品レコード241を削除する。
【0087】
同じ商品名の包装要件が異なっている場合には、法令改正更新手段215は、新たな法令の包装要件を、規制品レコード241の包装要件データ領域に記録する。以上の処理を、すべての国について実行することにより、法令改正対応処理が終了する。
【0088】
(実績情報更新処理)
次に、実績情報更新処理について、図6を用いて説明する。海外発送支援サーバ20の制御部21は、この実績情報更新処理を定期的に(例えば1日に1回)実行する。
【0089】
まず、海外発送支援サーバ20の制御部21は、追跡識別子を用いて配送終了情報の検
索処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、最新の日時に前日が記録され、かつ最新日時のステータスが「配達済」、「返送」又は「保管」が記録されている配送状況レコード620を配送状況データ記憶部62において検索する。
【0090】
検索した結果、該当する配送終了情報がない場合(ステップS3−2において「NO」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、実績情報更新処理を終了する。
一方、該当する配送終了情報がある場合(ステップS3−2において「YES」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、抽出した配送終了情報を用いて、以下の処理を繰り返して実行する。
【0091】
まず、海外発送支援サーバ20の制御部21は、配送終了情報の記録処理を実行する(ステップS3−3)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、取得した配送管理情報の発送先国識別子を特定して、配送実績レコード260を生成して、配送実績データ記憶部26に記憶する。そして、実績情報更新手段216は、この配送実績レコード260に、JANコード、HSコード、発送商品名、総価格、個数、関税率及び配送履歴を記録する。
【0092】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、到着日数の算出処理を実行する(ステップS3−4)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、配送終了情報のステータスが配送済の場合には、「引受」ステータスの年月日から「配達済」ステータスの年月日までの所要日数から到着日数を算出して、配送実績レコード260に記録する。
【0093】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、コード変換データを新たに記録するか否かを判断する(ステップS3−5)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、この配送終了情報に含まれるJANコードとHSコードとが記録されたコード変換レコード230をコード変換データ記憶部において検索する。ここで、JANコードとHSコードとが対応付けられているコード変換レコード230を抽出した場合には、実績情報更新手段216は、コード変換データを新たに記録する必要はないと判断する(ステップS3−5において「NO」)。
【0094】
一方、JANコードとHSコードとが対応付けられているコード変換レコード230を抽出できず、コード変換データを新たに記録する必要がありと判断した場合(ステップS3−5において「YES」の場合)、海外発送支援サーバ20の制御部21は、新たなコード変換データの記録処理を実行する(ステップS3−6)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、このJANコードが記録されたコード変換レコード230をコード変換データ記憶部23において検索する。
【0095】
ここで、該当するコード変換レコード230を抽出した場合、実績情報更新手段216は、このコード変換レコード230のHSコードデータ領域に、この配送終了情報に含まれるHSコードを記録する。
【0096】
一方、該当するコード変換レコード230を抽出しない場合、実績情報更新手段216は、配送終了情報に含まれるJANコード及びHSコードを含むコード変換レコード230を生成して、コード変換データ記憶部23に記録する。更に、実績情報更新手段216は、このJANコードの商品名をJANコード管理サーバ30に問い合わせる。JANコード管理サーバ30は、このJANコードが含まれるJANコード管理レコード320を抽出し、この商品名を海外発送支援サーバ20に送信する。海外発送支援サーバ20は、取得した商品名を英語名に機械翻訳し、生成したコード変換レコード230に記録する。
【0097】
次に、実績情報更新手段216は、配送実績レコード260に記録したJANコード、HSコード及び発送先国識別子を含む商品関税率レコード250を商品関税率データ記憶部25において検索する。ここで、一致する商品関税率レコード250を抽出しない場合には、実績情報更新手段216は、商品関税率レコード250を新たに生成して、商品関税率データ記憶部25に記録する。更に、実績情報更新手段216は、この商品関税率レコード250に、配送終了情報のJANコード、HSコード、発送先国識別子及び関税率を記録する。
【0098】
次に、海外発送支援サーバ20の制御部21は、配送履歴において障害情報が記録されているか否かを判断する(ステップS3−7)。具体的には、記録した配送実績レコード260のステータスが「返送」又は「保管」の場合には、制御部21の実績情報更新手段216は、配送履歴において障害情報が記録されていると判断する。更に、配送実績レコード260の到着日数が、送達日数に対して予め定められた許容日数以上の遅れが生じている場合には、実績情報更新手段216は、配送履歴において障害情報が記録されていると判断する。
【0099】
ここで、配送において障害情報が記録されている場合(ステップS3−7において「YES」の場合)には、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送注意履歴レコードの更新処理を実行する(ステップS3−8)。具体的には、制御部21の実績情報更新手段216は、配送実績レコード260のJANコード、発送先国識別子及び履歴を含む発送注意履歴レコード242を新たに生成して、発送注意品データ記憶部24に記録する。更に、実績情報更新手段216は、発送注意履歴レコード242の履歴のステータスに「返送」(又は「保管」)が含まれている場合には、「返送」(又は「保管」)を発送注意履歴レコード242の備考データ領域に記録する。実績情報更新手段216は、新たに記録した発送注意履歴レコード242の履歴のステータスに「返送」及び「保管」が記録されていない場合には、発送注意履歴レコード242の備考データ領域に、「大幅遅延」を記録する。
そして、海外発送支援サーバ20の制御部21は、上述のステップS3−3〜S3−8を、抽出した配送終了情報のすべてについて行なうと、実績情報更新処理を終了する。
【0100】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先情報とともに取得したJANコードに対応してHSコードが登録されている場合には、HSコードを取得する(ステップS1−6)。制御部21は、取得したHSコードに対応する発送先国における関税率の取得し、1つの関税率に確定可能な場合には関税率を確定して、利用者端末に出力する(ステップS1−8〜S1−10,S1−13)。このため、JANコードからHSコードを介して特定される関税率を出力するので、利用者は、より正確な関税率を簡単に把握することができる。
【0101】
(2) 本実施形態では、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先情報とともに取得したJANコードに対応してHSコードが登録されていない場合には、JANコードに基づいてHSコードの推定処理を実行する(ステップS1−7)。このHSコードの推定処理においては、制御部21は、JANコードの商品名に対応するHSコードを検索し、一致するHSコードがある場合には、この商品のHSコードと推定する。一方、一致するHSコードがない場合には、制御部21は、JANコード表において、このJANコードの中分類及び大分類の名称を取得し、これに含まれるキーワードに一致する商品名のHSコードを、HSコード表において抽出する。制御部21は、取得したHSコード毎に発送先国における関税率を取得して、関税率の確定又は関税率範囲を算出して、利用者端末10に出力する。このため、JANコードに対応するHSコードが記録されていなくても、JANコードによって特定される商品の商品種別に対応するHSコードを特定し、こ
のHSコードから単一の関税率又は関税率の範囲を特定することができる。
【0102】
(3) 本実施形態では、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先国識別子の送達日数を、送達日数表から取得する。更に、制御部21は、このJANコードが記録されている配送実績レコード260の到着日数を抽出する。制御部21は、これら送達日数や到着日数を利用者端末10に送信する。このため、利用者は、この商品の送達日数を知ることができるとともに、大幅な遅延がある場合には、その到着日数を把握することができる。
【0103】
(4) 本実施形態では、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送先情報とともに取得したJANコードに対応する商品情報(商品のサイズ、重量、商品名、価格、商品入り数、原産国及び有効期限)に関するデータを、JANコード管理サーバ30から取得する(ステップS1−2)。制御部21は、このJANコードに対等付けられた商品名に基づいて、取扱に注意が必要な場合には、アラーム出力処理を実行する(ステップS1−4)。このため、利用者は、JANコード総合商品情報データ記憶部32から、JANコードに関連付けて予め記憶されている商品情報を取得するので、国際配送を行なうために必要な情報を簡単に取得することができる。
【0104】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、海外発送支援サーバ20は、発送依頼受付処理を実行したが、配送状況の問い合わせ受付処理を実行してもよい。この場合、海外発送支援サーバ20に、利用者端末10から配送状況についての確認要求があった場合には、同じJANコードの商品の配送状況を参考情報として利用者に提供してもよい。具体的には、海外発送支援サーバ20の制御部21は、利用者端末10から追跡識別子を含む配送状況確認要求を受信した場合、この追跡識別子を配送管理サーバ60に送信する。配送管理サーバ60は、この追跡識別子を含む配送状況レコード620を抽出して海外発送支援サーバ20に送信する。
【0105】
海外発送支援サーバ20の制御部21は、配送管理サーバ60から受信した発送先国の国識別子とJANコードとを含む配送実績レコード260を配送実績データ記憶部26において検索する。該当する配送実績レコード260を抽出した場合には、制御部21は、この配送実績レコード260の配送履歴や到着日数を取得する。そして、制御部21は、配送管理サーバ60から受信した配送履歴と、JANコードから取得した他の配送履歴や到着日数を利用者端末10に送信する。これにより、利用者は、配送した商品と同じ商品についての過去の配送状況情報を把握することができる。
【0106】
・ 上記実施形態においては、発送注意履歴レコード242は、JANコードに関連付けて記憶した。これに限らず、HSコードや商品名に関連付けて記憶してもよい。この場合には、制御部21は、取扱注意か否かを判断する前に、この商品のHSコードを取得又は推定する。そして、制御部21は、特定したHSコードや商品名を含む発送注意履歴レコード242を検索する。これにより、商品がその国に対して未発送であっても、HSコードや商品名から、配送途中で障害が生じるおそれがあることを利用者に通知することができる。
【0107】
・ 上記実施形態においては、海外発送支援サーバ20の制御部21は、1つの配送管理サーバ60から配送終了情報を取得した。これに限らず、海外発送支援サーバ20の制御部21は、複数の配送会社のそれぞれが管理する配送管理サーバ60から配送終了情報を取得してもよい。この場合、海外発送支援サーバ20の制御部21は、発送商品別に、配送会社毎に応じた特色(例えば、地域毎の到着日数やステータス登録の間隔等)を解析して、利用者に通知することができる。
【符号の説明】
【0108】
10…利用者端末、20…海外発送支援サーバ、21…制御部、23…コード変換データ記憶部、24…発送注意品データ記憶部、25…商品関税率データ記憶部、26…配送実績データ記憶部、30…JANコード管理サーバ、32…JANコード総合商品情報データ記憶部、40…法令公開サーバ、42…法令データ記憶部、50…関税率公開サーバ、52…関税率データ記憶部、60…配送管理サーバ、62…配送状況データ記憶部、211…依頼受付手段、212…商品情報特定手段、213…関税率特定手段、214…送達日数算出手段、215…法令改正更新手段、216…実績情報更新手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、
国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、
前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、
前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変換データ記憶手段と、
利用者端末とに接続される制御手段を備え、利用者の国際配送を支援する国際発送支援システムであって、
前記制御手段は、
利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する手段と、
複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する手段と、
前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する手段と
を備えたことを特徴とする国際発送支援システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子が前記商品識別子変換データ記憶手段に記録されていない場合には、この商品識別子の商品種別を特定し、この商品種別に対応するキーワードを含む前記国際貿易商品の分類識別子を前記貿易分類データ記憶手段において検索する手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の国際発送支援システム。
【請求項3】
前記制御手段は、商品識別子に対して、配送履歴情報に障害が発生した商品の注意情報を記録した発送注意履歴データ記憶手段に接続されており、
前記制御手段は、前記商品識別子に特定される商品の注意情報を前記利用者端末に出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の国際発送支援システム。
【請求項4】
前記制御手段は、発送先国別の標準的配送所要日数を記憶しており、
前記発送注意履歴データ記憶手段には、商品識別子に対して、配送履歴情報に前記配送所要日数よりも遅延した場合の到着日数が記録されており、
制御手段は、
発送先情報の発送先国における標準的配送所要日数を特定して、利用者端末に出力する手段と、
配送する商品の商品識別子の到着日数を前記発送注意履歴データ記憶手段において検索する手段と、
到着日数を特定できた場合には、配送に時間がかかる可能性があることを前記利用者端末に出力する請求項3に記載の国際発送支援システム。
【請求項5】
商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、
国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、
前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、
前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変
換データ記憶手段と、
利用者端末とに接続される制御手段を備えた国際発送支援システムを用いて、利用者の国際配送を支援するための方法であって、
前記制御手段は、
利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する段階と、
複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する段階と、
前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する段階と
を実行することを特徴とする国際発送支援方法。
【請求項6】
商品識別子に対して、この商品の商品名が関連付けられた商品情報データ記憶手段と、
国際貿易商品の分類識別子に対して、国際貿易商品の名称が関連付けられた貿易分類データ記憶手段と、
前記国際貿易商品の分類識別子及び発送先国に対応する関税率を記憶した関税率データ記憶手段と、
前記商品識別子と前記国際貿易商品の分類識別子とを関連付けて記憶した商品識別子変換データ記憶手段と、
利用者端末とに接続された制御手段を備えた国際発送支援システムを用いて、利用者の国際配送を支援するためのプログラムであって、
前記制御手段を、
利用者端末から、発送先情報及び配送する商品の商品識別子を取得した場合、前記商品識別子変換データ記憶手段において、この商品識別子に対応する国際貿易商品の分類識別子を検索する手段、
複数の分類識別子を抽出した場合には、前記関税率データ記憶手段から、発送先情報に含まれる発送先国の関税率を分類識別子毎に取得する手段、及び
前記取得した関税率において単一の関税率を確定できた場合には、この関税率を前記利用者端末に出力し、単一の関税率を確定できない場合には、抽出した関税率の範囲を利用者端末に出力する手段
として機能することを特徴とする国際発送支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−118749(P2012−118749A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267677(P2010−267677)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(307044390)郵便事業株式会社 (42)