説明

土留め止水パイル

【課題】
従来の田畑における圃場には、畦畔により漏水・溢水防止のため境界に土盛りを行い台形状に形成しながら区画を作成してきた。栽培管理の中で最も重要な漏水・溢水防止ではあるが、機械化出来なかった部分として人力に頼る本作業の軽労化又は省力化は栽培管理の重要な課題である。
【解決手段】
合成樹脂材質のパイルは、木槌やゴムハンマー等で田畑等の境界に沿って順次並べ、人力等により容易に打込むことが出来るため掘削の必要が全く無く、嵌合部を連結させたパイルにより土留め強化と止水の効果が出る。
建設機械や農業機械を使わず簡易に施工出来、永年に亘り止水や土留めが維持出来るため、農業及び土木分野において極端な効率化・軽労化が図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業及び土木分野における土留め・止水用の簡易型パイルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の水田における圃場には、畦畔により漏水・溢水防止を維持しながら隣地境界に土盛りを行い台形状に形成しながら区画を作成してきた。稲作管理の中で最も重要な漏水・溢水防止ではあるが、機械化出来なかった部分として人力に頼る本作業の軽労化又は省力化は稲作の重要な課題である。
【0003】
畦畔の形成や維持は、近年畦自体を覆い自然劣化を防ぐ方法や、その都度波板を埋設して止水する方法、更には機械化による畦畔の形成、現場打ちコンクリートブロックによる畦畔や一部プラスチック畦畔等が実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−46502公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、田畑の隣地境界を明確にし、漏水・溢水対策の作業は、建設機械や農業機械を使わず誰でも人力等で簡単に打込む施工方法で、効率化・軽労化を図り一度施工すれば永年に亘り止水や土留めが維持出来る必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、人力等で簡易に打込み施工でき永年に亘り土留めや止水を維持出来るパイルである。
【発明の効果】
【0007】
田畑の隣地境界を明確にし、土留めや止水用としてまた小規模なのり面の滑り止め用として形成出来る等、作業の省力化・水管理の簡易化等を永年に亘り省力化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は平面図(図2のA-A’断面図)である。
【図2】図2は図1の正面図である。
【図3】図3は図1の右側面図である。
【図4】図4は図1を連結した使用概要図である。
【図5】図5は図4を並べ使用する図である。
【図6】図6は形状の違う平面図である。
【図7】図7は形状の違う平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
食用品トレイ等の産業廃棄物の再利用である合成樹脂を使い、紫外線劣化に強く防水、防腐、防錆等の材質上、永年の使用に耐える構造となっている。なお図1〜図7の(a)は本体部、(b)は打込み部、(c)はガイド部、(d)は挿入部と呼ぶ。
【0010】
(c)部と(d)部を嵌合し連結させたパイルは、田畑における畦畔を風雨による自然劣化や、ネズミ・モグラ・ザリガニ等による侵入や被害も防ぎ、畦塗り作業が不要となる。
【0011】
(c)部と(d)部を嵌合し連結させたパイルの(b)部は、木槌やゴムハンマーを使い人力等により容易に打込みが出来る厚みと幅を持つ構造となっているため、掘削の必要はない。
【0012】
(c)部と(d)部を嵌合し連結させたパイルを、図5のように既存田畑の畦畔両側に沿って順次並べて打込む事により隣地境界を明確にし、永年に亘り使用出来る畦畔が出来る。
【0013】
図(c)部と(d)部を嵌合し連続的に連結させたパイル図4は止水効果が図れ、且つ連続するパイル相互の強度を上げ永年に亘り畦畔を維持出来る。他異なる嵌合部の形状を図6、図7とする。
【0014】
田畑作業等で万が一トラクター等により、本体が破損した場合は、当該パイルを抜き替え交換する事により簡易に且つ経済的に修復できる。
【0015】
田畑における畦畔の土留めや止水を対象にして説明をしたが、本発明は花壇や菜園の畝際への土留めや傾斜耕作地や山道等にも土留めとして使用出来る。
【0016】
本体材料は廃棄燃焼時にはダイオキシンなどの有害物質は発生しない等、ECOに配慮した製品である。
【実施例1】
【0017】
水田において既存畦畔の隣地境界に打込み、漏水や溢水を防止するために実現した。
【0018】
畑において隣地境界の土盛りや耕作物の畝づくりの土留めとして実現した。
【0019】
山道の際やのり面、階段の土留めや滑り止め防止として実現した。
【産業上の利用可能性】
【0020】
農業分野をはじめ土木分野等で活用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽くやや柔軟であるが強固で紫外線劣化防止、防水、防腐、その他自然劣化に強い合成樹脂材質からなる板状の図中本体(a)、打込み易い幅と厚めに構成、且つ本体(a)の一端は嵌合出来るガイド部(c)と他端挿入部(d)とした土留め止水パイル。
【請求項2】
請求項1記載の土留め止水パイルをガイド部(c)に挿入部(d)を嵌合し、簡易に土中に打込み、土留めや止水が出来る事を特徴とした土留め止水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−252348(P2011−252348A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128108(P2010−128108)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(710005278)