説明

圧縮成形型フェイスマスク

【目的】 加工中破れ難い材質で、水分を含ませて広げる際スムーズに広がり、水分を全体にムラなく含浸させ易く、目の部分を付けたままでも、切り離しても、使用可能にした圧縮成形型フェイスマスクを提供する。
【構成】 フェイスマスク素材をコンパクトに圧縮成形してなる圧縮成形型フェイスマスクにおいて、脱脂綿の断面方向に水をすばやく通過させ、繊維を交絡させてなる不織布を素材とし、該素材を打ち抜いたフェイスマスクを形成し、該フェイスマスクを相対向する縁面をずらして所定の幅まで折り畳んだ折り畳み片を形成し、該折り畳み片を圧縮成形用の金型の内径と同等の大きさにロール状に巻き締めた巻き締め片を形成し、該巻き締め片を上記金型内に入れて圧縮して形成した圧縮成形型フェイスマスク。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、美容用の圧縮成形型フェイスマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、美容用のフェイスマスクは、材質が、紙、パルプ、合成繊維等を原料とする不織布等であり、目の部分も取り除くように、顔の形に打ち抜き、縁面をきっちり揃えて2つ折りにし、その後適当に折り畳むかそのままぐしゃぐしゃに縮めて圧縮し、錠剤状のコンパクトな形状に形成してあった。
【0003】
この従来のフェイスマスクでは、材質が紙、パルプ、合成繊維等を原料とする不織布等のため、顔の形に打ち抜いたり、折り畳んだりするときや、圧縮加工工程中に破れたり、変形することが多かった。また、水や化粧水を含ませて広げる際、くっつき合って広げ難く、破れ易かった。また、ぐしゃぐしゃに縮めてあったため、水を全体に均等に含ませ難く、含み具合がムラになることが多かった。
さらに、2つ折りにしてあるのを広げようとするとき、縁面をきっちり揃えた状態に2つ折りしてあるため、広げようとしても掴み難く、広げるのに手間がかかった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は、上記欠点を除去するためなされたものであり、加工中破れ難い材質で、水分を含ませて広げる際スムーズに広がり、破れ難く、水分を全体にムラなく含浸させ易く、目の部分を切り取り可能にして残し、目の部分を付けたままでも、切り離しても、使用可能にした圧縮成形型フェイスマスクを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案の圧縮成形型フェイスマスクは、フェイスマスク素材をコンパクトに圧縮成形してなる圧縮成形型フェイスマスクにおいて、脱脂綿の断面方向に水をすばやく通過させ、繊維を交絡させてなる不織布〔以下、高交絡脱脂綿素材と呼ぶ〕を素材とし、該素材を打ち抜いたフェイスマスクを形成し、該フェイスマスクを相対向する縁面をずらして所定の幅まで折り畳んだ折り畳み片を形成し、該折り畳み片を圧縮成形用の金型の内径と同等の大きさにロール状に巻き締めた巻き締め片を形成し、該巻き締め片を上記金型内に入れて圧縮して形成した圧縮成形型フェイスマスクである。
【0006】
また、フェイスマスクの目の部分を、切り取り可能に複数箇所連結した圧縮成形型フェイスマスクである。
【0007】
【作用】
上記構成による圧縮成形型フェイスマスクにおいては、吸水性・保湿性に優れた綿繊維同士を強く絡ませ、表面を平滑に仕上げた不織布である高交絡脱脂綿素材でフェイスマスクを形成してあるため、加工工程中に、破れや変形を起こし難い上、使用時に、水や化粧水を含ませて顔の形に広げる際、互いにくっつき難く、広げ易い。ロール状に巻いて小さく圧縮してあることにもより、水分を全体に均等にムラなく含ませ易い。相対向する縁面を揃えることなく、ずらして折り畳んであることから、広げる際、掴み易く、たいへん広げ易い。目の部分を切り取り可能に複数箇所連結して残してあるため、手で簡単に切り取れ、付けたままでも、切り離しても、どちらでも使用できる。
【0008】
【実施例】
この考案の一実施例を図面を参照して説明する。不織布である高交絡脱脂綿素材を打ち抜いて形成したフェイスマスク(1)の平面図が図1である。目の部分(2)は複数の連結箇所(3)を形成して、切り取り可能に残してある。使用する時、残したままで使用することも、切り取って使用することもできるようになっている。この目の部分は切り取った場合、それを目尻等のポイントケアパック用としても使える。
【0009】
高交絡脱脂綿素材は、本出願人による特願平5−113716号の高交絡脱脂綿素材の製造方法にも示されているものであり、綿の単一素材でできており、全体に繊維が交絡して結合力があり、表面が滑らかで柔らかく肌に感触が良い、どこも硬くなく毛羽立ったり層状に剥離しない、吸水性。保湿性に優れたような素材である。
【0010】
このフェイスマスク(1)を折り畳み線(4)に従って折り畳んだ状態を示す平面図が図2である。さらに図2中の折り畳み線(5)に従って背面側に折り畳んだ状態を示す平面図が図3である。このようにフェイスマスク(1)の相対向する縁面を揃えることなく、ずらして複数回折り畳み、ずらした縁面を表にあらわれるようにし、所定の幅に整えた折り畳み片(6)を、図4に示す如く、圧縮成形用の金型と同等の大きさにロール状に巻いて締めつけて巻き締め片(7)を形成し、金型内に入れて、圧縮して成形してある。
【0011】
【考案の効果】
この考案によると、吸水性・保湿性に優れた綿繊維同士を強く絡ませ、表面を平滑に仕上げた不織布である高交絡脱脂綿素材を素材にしているため、加工工程中に破れや変形を起こし難い。使用する際、水や化粧水を含ませて顔の形に広げる時に、互いにくっつき合ったりせず広げ易い。ロール状に巻き締めて小さく圧縮するため、水分を含ませるとき、全体に均等にムラなく含ませ易い。相対向する縁面を揃えることなくずらして折り畳んであることから、広げるとき掴み易く、たいへん広げ易い。さらに、目の部分を切り取り可能に複数箇所連結して残してあるため、手で簡単に切り離すことができ、残したままでも、切り離した状態でも、どちらでも使用でき、切り離した目の部分は、目尻等のポイントケアパック用として使用もできる等極めて有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案のフェイスマスクの折り畳み前の状態を示す平面図である。
【図2】同じく、1回折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図3】同じく、2回折り畳んだ状態の折り畳み片を示す平面図である。
【図4】折り畳み片をロール状に巻く状態を示す説明側面図である。
【符号の説明】
1 フェイスマスク
2 目の部分
3 連結箇所
4 折り畳み線
5 折り畳み線
6 折り畳み片
7 巻き締め片

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 フェイスマスク素材をコンパクトに圧縮成形してなる圧縮成形型フェイスマスクにおいて、脱脂綿の断面方向に水をすばやく通過させ、繊維を交絡させてなる不織布を素材とし、該素材を打ち抜いたフェイスマスクを形成し、該フェイスマスクを相対向する縁面をずらして所定の幅まで折り畳んだ折り畳み片を形成し、該折り畳み片を圧縮成形用の金型の内径と同等の大きさにロール状に巻き締めた巻き締め片を形成し、該巻き締め片を上記金型内に入れて圧縮して形成したことを特徴とする圧縮成形型フェイスマスク。
【請求項2】 フェイスマスクの目の部分を、切り取り可能に複数箇所連結したことを特徴とする請求項1記載の圧縮成形型フェイスマスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】第3007228号
【登録日】平成6年(1994)11月16日
【発行日】平成7年(1995)2月14日
【考案の名称】圧縮成形型フェイスマスク
【国際特許分類】
【評価書の請求】有
【出願番号】実願平6−10294
【出願日】平成6年(1994)7月27日
【出願人】(593092426)株式会社サンヨーコーポレーション (1)