説明

圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素及び圧縮空気フィルタ

【課題】本発明は、圧縮空気流から異物を分離するための圧縮空気フィルタ(1)及びフィルタ要素(5)を提供する。
【解決手段】フィルタ要素(5)は、要素下部(6)と、第一の流路(9)を形成する首部(13)、及び少なくとも部分的に該首部(13)の周りに延出するように構成され、第二の流路(10)を形成するために首部(13)に接続されるカラー部(14)を有する要素上部(7)と、要素下部(6)及び要素上部(7)に密封接続されるフィルタ媒体(8)であって、該フィルタ媒体(8)を通って第一の流路(9)と第二の流路(10)との間の気体流路を形成するフィルタ媒体(8)とを備える。カラー部(14)は、少なくとも部分的に外周に提供されると共に、要素下部(6)の方向に先細になって、関連したシール要素(22)を受け止める隣接面(16)を有し、要素下部(6)の方向からシール要素(22)に略軸方向に作用する力が、隣接面(16)に沿ってシール要素(22)の放射状の拡張をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素及び圧縮空気フィルタに関する。
【0002】
本発明は、任意のフィルタシステムにおいて使用可能であるが、本発明及び該本発明によって取り上げられる課題は、圧縮空気フィルタに関連してより詳細に説明される。しかしながら、本発明の概念は、例えば、流体分離器等においても使用可能である。
【背景技術】
【0003】
一般的に、従来の圧縮空気フィルタは、ハウジング上部を有するツーピースハウジングと、一緒にネジ留めされるか、或いは、キャップナット又はバイオネット型閉鎖によって互いに接続されるハウジングキャップとを備える。一般的に、ハウジング上部は、正反対側に吸気路及び排気路を有する。吸気路は、密封されてハウジング上部内に導入されるかネジ留めされる、中空円筒形の交換式フィルタ要素中に主として開口するか、フィルタ要素とフィルタハウジングとの間の環状空間中に開口する。それに伴って、排気路は、フィルタ要素が外側方向又は内側方向の流れを受けるかどうかに依存して、環状空間から、或いは、フィルタ要素の内部から延出する。従って、一般的に、フィルタ内の流れの方向は、取り付け後に固定され、取付位置において変更されることができない。一般的に、また、フィルタの適用分野は、流れの方向と同時に固定される。粉塵がろ過される時、一般的に、フィルタ要素は、外側からの流れを受けるとともに、内側からの流れを受けて、合体ろ過中に圧縮空気凝縮物を分離する。
【0004】
一般的に、フィルタ要素は、汚染の発生に起因して所定時間後に交換されなければならないメンテナンス部材である。一般的に、フィルタ要素は、要素下部、要素上部、並びに、要素下部及び要素上部に密封接続される、通常は密接接合されるフィルタ媒体を備え、該フィルタ媒体を通過する所定の気体流を形成する。
【0005】
フィルタ要素の要素上部とフィルタハウジングのハウジング上部との間の密封接続に加えて、環境に対して圧密に組み立てた後、フィルタハウジングを閉鎖し、任意の圧縮空気が排出されることを許容しないように、ハウジング上部とフィルタハウジングのハウジングキャップとの間に、ハウジングシールが提供されなければならない。一般的に、このハウジングシールは、フィルタ要素から離れて提供され、従来技術に従って、通常、ハウジング上部又はフィルタハウジングのハウジングキャップのO‐リング凹部内で径方向に作用するO‐リングシールの形態で挿入される。
【0006】
特許文献1は、圧縮空気フィルタについて記載し、径方向O‐リングシールによって、ハウジング上部とフィルタハウジングのハウジングキャップとの間に、シールが形成されている。O‐リングシールは、ハウジングキャップの対応する径方向凹部内に挿入され、径方向のシールを確保するために、閉鎖位置において径方向に密封して、ハウジング上部の関連する円筒外面に隣接する。
【0007】
特許文献1に記載のそのような径方向シールが使用される場合、不都合なことに、実質的な摩擦力または実質的な摩擦モーメントは、径方向に提供されるO‐リングによって閉鎖動作の少なくとも最終段階において克服されなければならない。また、フィルタハウジング内の長期間の内圧によって変形され、表面粗度に押圧される、O‐リングの摩擦は、フィルタ要素を除去するための開口動作中に、径方向シールを有するそのような構成において克服されなければならないことは、不都合であり、それによって、とりわけ、ハウジングキャップの比較的大径の場合に、大きな作動力又はトルクが必要である。とりわけ、開口動作の初めに、組立力又は組立モーメントより十分に大きな実質的な分離力又は実質的な分離モーメントが適用されなければならない。その結果、一般的に、特定のハウジングサイズから、フィルタハウジングの内又は外におけるフィルタ要素の組立、及びとりわけ分解は、手動で実行されることができず、代わりに、不利な形で付加的なツールを用いることによってのみ、実行されることができる。
【0008】
特許文献2は、圧縮空気フィルタについて記載し、ハウジングキャップと、フィルタハウジングのハウジング上部との間の正面側に、複数のハウジングシールが配置されている。
【0009】
ハウジングキャップの内径が同じ径を維持している間にシールを収容するために、そのような構成は、圧力及びより大きな力を受けるより大きな面が径方向シールに対して生成されるように、シール領域においてより大きな径のハウジングキャップ及びハウジング上部を必要とする。組立を簡素化するか、組立作業中のシールへのダメージを防止するために、不都合にも閉鎖動作中にハウジング上部のシール面に対するハウジングキャップのシール面の回転運動を防止する必要がある。その結果、ハウジング上部とハウジングキャップとの間に簡易な閉鎖ねじを使用することができない。代わりに、より複雑な解決策が、例えば、キャップナットの形態で形成されなければならず、例えば、特許文献2又は3に記載のように、ハウジングキャップがハウジング上部に対して形成されている。
【0010】
そのような軸方向に配列されたシールの他の問題点は、要素上部に固定されているシールによって構成されている。軸方向に作用するO‐リングは、ポジティブ‐ロック状態で要素上部上に容易に保持されることができない。例えば、生成工程中に射出成形される弾性体シール等の実質的に係合するシールは、O‐リングシールとは対照的に、圧力差の結果としてシール間隙内に適用されないために、そのシールは、シール機能に関して、再び問題を提示することができる。従って、組立プレテンションは、クリープの発生やシーリング材の定着によって時間と共に減少し、シールが、最早確実に機能しないことは、間違いなく事実であるかもしれない。
【0011】
不都合にも、例えば、特許文献4に記載の、要素上部のカラー(環)の周りにU状に係合するシールの形態の特別なシールは、比較的大きな構成空間及び高レベルの構成的複雑性を要し、規定の組立プレテンションが維持されることができない場合や、シールが、圧力差の結果としてシール間隙内に適用されない場合、望ましくなく密接にならないかもしれない。
【0012】
汚染されたフィルタ要素が分解される時、多くの公知のフィルタ構成物の他の不都合な点は、フィルタ要素がハウジングキャップ内で軸方向に保持されず、ハウジング上部に依然として接続されたままであるか、或いは、ハウジングキャップが緩められた後、要素上部とハウジング上部との間のシールによって保持されることである。従って、そのような場合にフィルタ要素を分解するために、一般的に、ハウジングキャップがフィルタ要素の全長を越えて軸方向に引かれる必要があるか、或いは、ハウジングキャップが部分的に引かれた状態で、ハウジング上部とハウジングキャップとの間の間隙を通って、フィルタ要素が手動で緩められる必要がある。第一の場合、空間要求が不都合であり、第二の場合、汚染されたフィルタ要素との接触が不都合であり、ハウジングキャップを保持すると同時に、フィルタ要素を緩める必要があるため、ユーザにとっての取り扱いは、極めて複雑である。
【0013】
要素上部に嵌合するハウジングシールを有する幾つかの公知のフィルタ構成物における他の不都合な点は、フィルタ要素が、フィルタハウジングに対して軸方向においてハウジングシールによって支持されていることである。フィルタ要素を通って流れる媒体を変更することによって、変更する圧力差、及びその結果変更する軸力が、ハウジングシールに作用し、それによって、フィルタ要素が損傷を受けたり、また、その密封動作も正常に機能しなくなったりする可能性がある。長期間に亘って作用する圧力差又は軸力下におけるシールの定着に起因して、同様の効果が生じる可能性がある。
【0014】
従来技術において、例えば、特許文献4において、要素下部上のフィルタ要素に対する軸支持体が、その問題点を解決するために提供されている。しかしながら、このことは、フィルタ要素、ハウジング上部及びハウジングキャップの長手方向公差に起因して、ハウジングシールの作動にとって不都合である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】欧州特許第1 343 574 B1号明細書
【特許文献2】ドイツ特許第103 09 428 B4号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第35 41 370号明細書
【特許文献4】米国特許第4,721,563号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、上述の不都合な点を解消し、従来技術に対して改良されたフィルタ要素、及び従来技術に対して改良された圧縮空気フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本目的は、それぞれ、請求項1又は47の特徴を有するフィルタ要素、及び、請求項23又は54の特徴を有する圧縮空気フィルタによる発明に従って達成される。
【0018】
本発明の基準を形成する概念は、圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素であって、要素下部と、第一の流路を形成する首部、及び少なくとも部分的に首部の周りに延出するように構成され、第二の流路を形成するために首部に接続されるカラー部とを有する要素上部と、要素下部及び要素上部に密封接続されるフィルタ媒体であって、該フィルタ媒体を通って第一の流路と第二の流路との間の気体流路を形成するフィルタ媒体とを備えるフィルタ要素を提供することを含み、カラー部は、少なくとも部分的に外周に提供されると共に、要素下部の方向に先細になって、関連したシール要素を受け止める、隣接面を有し、要素下部の方向からシール要素に実質的に軸方向に作用する力が、隣接面に沿ってシール要素の放射状の拡張をもたらす。
【0019】
さらに、本発明は、この点において、圧縮空気流から異物を分離するための、本発明に係る上記フィルタ要素と、該フィルタ要素を密封して受けると共に、フィルタ要素のシール要素と関連して少なくとも部分的に内周に提供される第一シール面を有するハウジング上部を備えるフィルタハウジングと、フィルタ要素のシール要素と関連して少なくとも部分的に正面側に提供される第二シール面を有するハウジングキャップを有する圧縮空気フィルタを提供する概念に基づいており、ハウジングキャップは、密封閉鎖位置を形成するために、フィルタハウジングの閉鎖動作によってハウジング上部に接続可能であり、フィルタ要素は、フィルタハウジングの閉鎖動作が、フィルタ要素のカラー部とハウジングキャップとの間で互いに向かって実質的に軸方向に向けられた相対運動をもたらすように、ハウジング上部及びハウジングキャップに接続可能である。それによって、ハウジングキャップの第二シール面は、フィルタ要素のカラー部の隣接面に沿って、ハウジング上部の第一シール面とのシール隣接内に、シール要素を放射状に拡張させる。
【0020】
さらに、本発明の基準を形成する他の概念は、圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素であって、要素下部と、第一の流路を形成する首部、及び少なくとも部分的に首部の周りに延出するように構成され、第二の流路を形成するために首部に接続されるカラー部を有する要素上部と、要素下部及び要素上部に密封接続されるフィルタ媒体であって、該フィルタ媒体を通って第一の流路と第二の流路との間の気体流路を形成するフィルタ媒体とを備え、カラー部は、少なくとも部分的に外周に提供されるシール要素受け部と、2つの流路の一つとシール要素受け部との間の少なくとも一つの接続路と、該少なくとも一つの接続路によって供給され、シール要素に作用する過度の圧力が、シール要素受け部の領域内の外側に向かう方向にシール要素の拡張をもたらすように、関連したシール要素の周縁部分を確実に且つ密接に受けるために、シール要素受け部を軸方向に区切るシール要素固定部と、を有するフィルタ要素を提供することである。
【0021】
それに応じて、本発明の基準を形成するその他の概念は、圧縮空気流から異物を分離するための、且つ、上述のフィルタ要素と、該フィルタ要素を密封して受けると共に、フィルタ要素のシール要素と関連して少なくとも部分的に内周に提供される第一シール面を有するハウジング上部を備えるフィルタハウジングと、フィルタ要素のシール要素と関連して少なくとも部分的に正面側に提供される第二シール面を有するハウジングキャップと、を有する圧縮空気フィルタをさらに提供することであり、過度の圧力が、シール要素受け部の領域内の少なくとも一つの接続路を通って、ハウジング上部の第一シール面との密封隣接内及びハウジングキャップの第二シール部との密封隣接内に生じる際に、シール要素がフィルタハウジングの封鎖位置において拡張するように、フィルタ要素がハウジング上部及びハウジングキャップに接続されることが可能である。
【0022】
上述の発明的概念は、フィルタ要素のカラー部上のシール要素の特定の構成及び配置、並びに、ハウジング上部、ハウジングキャップ及びフィルタ要素を一緒に接続するための特定の方法に起因して、最終的な閉鎖位置が到達され、圧縮空気フィルタが圧縮空気を受けるまで、好都合にも、シール要素と対応するシール面との間に、関連する摩擦力が発生しないことを、共通に有している。
【0023】
その結果、本発明は、フィルタ要素が変更される前後でフィルタハウジングが開口又は閉鎖される時にほんの少しの組立力が必要である先行技術に応じた既知のアプローチに対して利点を有する。さらに、シール要素と、カラー部との隣接面との間、並びに、ハウジング上部及びハウジングキャップ上のシール面との間の実質的な摩擦力が、ハウジング閉鎖動作の終わりにしか克服される必要がないか、或いは、圧縮空気フィルタが圧縮空気を受ける時のみ、それに応じて関連したシール面に対するシール要素の隣接が生じ、それによって、実質的に摩擦力が克服される必要がないか、であるため、ハウジングキャップは、小さな組立力でフィルタ要素と一緒にハウジング上部内に挿入されることができる。
【0024】
さらに、好都合にも、フィルタ要素は、ハウジングキャップと一緒に組み立てられるか分解されることができ、取り扱いを実質的に促進する。好都合にも、フィルタ要素が変更される場合にハウジングキャップを下方に開閉するための空間要求は、それによってさらに低減される。
【0025】
加えて、ユーザによる汚染されたフィルタ要素との直接の手接触は、例えば、フィルタハウジングが開けられる際にフィルタ要素がハウジングキャップと一緒に取り除かれる時に、要素上部とハウジングキャップとの間のポジティブ‐ロック接続等の、容易に解除されることができる簡易なロック機構によって、有利に守られる。たったひとつの要素、すなわち、フィルタ要素が内部に固定されたハウジングキャップが、導入される必要があるため、取り扱いがさらに単純化される。その結果、このことは、極めて重いことがある相対的に大きなハウジングキャップの場合に、好都合にも、実質的により簡易な動作である両手で実行されることができる。
【0026】
さらに、また、ハウジングシールがフィルタ要素上に提供されるため、フィルタ要素が変更される毎に対応するハウジングシールが自動的に変更され、シールが擦り切れた結果としての漏れを有利に防止する。
【0027】
上記構成によれば、また、フィルタハウジングから生じた漏れに起因して、フィルタ要素の欠如を、容易に、とりわけ、聴覚的に及び/又は触覚的に検出することでき、危険ではなく、人目に付きやすい。
【0028】
さらに、密封が、シールの定着の発生によって損なわれることができないように、圧力差によってハウジング密封ギャップに対して確実に押圧されるシール要素を用いて、信頼性があり、且つ、簡易なハウジング密封がもたらされるといった利点を提供する。
【0029】
上述の発明的概念(思想)において、さらに、ハウジング上部とハウジングキャップとの間のシール用にひとつのシール要素のみを使用する必要があり、それによって、必要な要コンポーネントの数が有利に低減される。
【0030】
さらに、ハウジングキャップ上の要素上部の領域におけるフィルタ要素の軸方向支持は、先行技術に係る上記アプローチに応じて要素下部上のフィルタ要素の軸方向支持に関して適合するように、フィルタ要素の縦方向許容性に関する要求を低減させるフィルタキャップに、フィルタ要素を接続するための方法によって、確保される。取り付けにとって重要且つ重大な全ての寸法は、本発明に従って提案された工法における要素上部内のみである。
【0031】
請求項1に記載のフィルタ要素、並びに、請求項23に記載の圧縮空気フィルタの従属請求項における有利な構成及び発展について、以下に説明する。
【0032】
好ましい発展によれば、カラー部は、首部の周辺全体に亘って、及びフィルタ要素の中心軸に対して略回転対称に延出するように構成されている。また、カラー部の隣接面は、周辺全体に亘って延出するように提供され、フィルタ要素の中心軸に対して略回転対称に構成されていることが好ましい。簡易且つ費用対効果の高い射出成形法が、それによって有利に、要素上部を生成するために使用されることができる。
【0033】
他の有利な構成によれば、カラー部の隣接面は、該隣接面とフィルタ要素の中心軸との間のピッチ又は円錐角αが、25度と65度との間のであることが好ましい円錐面の形態である。しかしながら、隣接面の他の構成、例えば、可変ピッチ及び/又は上記領域と異なるピッチで先細となる構成もまた、可能であることは、当業者に明らかである。
【0034】
他の好ましい実施形態によれば、フィルタ要素のカラー部は、要素上部の方向で隣接面を区切ると共に、周辺全体に亘って、且つ、フィルタ要素の中心軸に対して略回転対称となるように構成されていることが好ましい区切りリブを有する。本構成もまた、射出成形法を用いる生成法において有利である。
【0035】
他の好ましい発展によれば、シール要素がシールリングの形態であり、僅かな径方向プレテンションで所定の保持位置におけるカラー部上に形成されることができる。それによって、フィルタ要素が分解状態であっても、シールリングが失われることを防止されることが保証される。
【0036】
他の好ましい発展によれば、シールリングは、この所定の保持位置において、シールリングが組み立て状態において、シール状態で隣接する、ハウジング上部内の内周面又は第一シール面の外径よりも小さいか、同等の外径を有する。閉鎖動作中に、ハウジング上部の関連するシール面とのシールリングの起こり得る隣接に起因する相対的に大きな摩擦力の発生が、それによって有利に防止される。それによって、必要な組み立て力が、ユーザに対して有利に適合するようになる。
【0037】
他の好ましい実施形態によれば、シールリングは、略円形断面を有するO‐リングの形態である。その結果、費用対効果の高い標準コンポーネント又は標準O‐リングが、シールリングとして使用されることができる。
【0038】
他の好ましい発展によれば、カラー部の隣接面は、シールリングの永久的な弾性的プレテンションを維持するために、弾性的に変形可能であるか、弾力的であるように構成されている。これを受けて、カラー部の円錐面又は隣接面は、例えば、個々の弾性セグメントに径方向に分割されることができる。それによって、シールリングの弾性的プレテンションが永久的に確保され、経年によるシールリングのプレテンション力の減少が補われることができる。
【0039】
他の好ましい発展によれば、フィルタ要素のカラー部は、複数のリブによって首部に確実に接続されており、該複数のリブは、技術的な流動条件で最適化されて構成されていることが好ましい。それらのリブは、フィルタ要素の首部に対してカラー部の確実な接続を確保し、首部とカラー部との間に延出すると共に、個々のリブが延出する第二流路を形成する。
【0040】
他の好ましい実施形態によれば、フィルタ要素の首部は、円形形状と異なる断面を有するように、及び/又は、フィルタ要素の中心軸に対して偏位を有するように構成されている。それに応じて、ハウジング上部は、首部の形状に適合される受け形状を有利に有し、閉鎖位置におけるハウジング上部に対してフィルタ要素のための回転防止手段を形成する。ハウジングキャップが、フィルタハウジングの閉鎖動作中ハウジング上部に対して回転させられる場合、それによってまた、ハウジングキャップとフィルタ要素との間に、相対回転運動がもたらされる。とりわけ、円形形状と異なるように構成されると共に、同時に中心となるように配置される首部の断面によって、望ましい回転防止手段を有することもできることは、当業者にとって明らかである。
【0041】
他の好ましい発展によれば、要素上部、ハウジングキャップ及び/又はハウジング上部は、少なくとも一つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的角度位置表示装置を有する。ハウジングキャップとフィルタ要素、又はハウジングキャップとハウジング上部との間の、それに応じて必要な相対位置が到達される回数は、それによってユーザに容易に表示される。例えば、カラー部は、触覚的角度位置表示装置として、少なくとも一つの視覚的標識及び/又は係合装置を有する。しかしながら、互いに関連した個々のコンポーネントの所定の角度位置、とりわけ、高度に知覚可能な所定の角度位置を、ユーザに表示する任意のタイプの表示装置が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0042】
ハウジングキャップは、ねじ込み式及び/又はバイオネット式(差し込み式)接続、例えば、ピッチのないバイオネット式(差し込み式)接続等によって、例えば、ハウジング上部に接続されることができる。それによって、閉鎖動作中にハウジングキャップとフィルタ要素との間に相対回転が生成され、それら二つのコンポーネントのねじ込み係合の提供によって、互いに向かって軸方向に、フィルタ要素のカラー部とハウジングキャップとの間の相対運動をもたらす。
【0043】
好ましい構成によれば、要素上部は、要素下部に面し、所定のピッチを有する外側ねじを有する円筒形ガイド部を備える。ハウジングキャップは、該ハウジングキャップ内にフィルタ要素を導入するか、ハウジングキャップからフィルタ要素を離すために、ねじ込み係合用に要素上部の外側ねじに対応する内側ねじを備える。
【0044】
別の実施形態によれば、要素上部は、要素下部に面し、その自由端が首部に面するように軸方向に、異なる軸レベルで配置されると共に、その径方向の延出及び構成によって、シール要素が所定の保持位置で支持されることを許容する複数の弾性的に変形可能な弾性突端を有する円筒形ガイド部を備える。この場合、ハウジングキャップは、要素上部の弾性的に変形可能な弾性突端に対応する内側ねじを有することが好ましい。ハウジングキャップの内側ねじは、鋸歯状プロファイルとして構成されることが好ましい。例えば、ハウジングキャップの内側ねじは、ハウジングキャップの第二シール面の方向に、軸方向に延出する。その結果、正面側のハウジングキャップの広いシール面に、ハウジングキャップ用の所定の壁厚を提供すると共に、ハウジングキャップからフィルタ要素を抜くことで、できるだけ少数の回転を要することを保証することが、有利に可能となる。
【0045】
その他の別の実施形態によれば、カラー部は、フィルタハウジングのハウジング上部の関連した停止面に対する軸方向停止用の軸方向停止部を有する。この場合、ハウジングキャップは、所定のピッチを有するバイオネット式(差し込み式)接続によってハウジング上部に接続されることができることが好ましい。本実施形態によれば、フィルタハウジングの閉鎖動作がフィルタ要素のカラー部の軸方向停止部に、互いに向かって略軸方向への、フィルタ要素のカラー部とハウジングキャップとの間の相対運動のためのハウジング上部の関連する停止面との隣接を促すように、フィルタ要素は、ハウジング上部及びハウジングキャップに接続されることができることが好ましい。
【0046】
他の好ましい構成によれば、フィルタ要素とハウジングキャップとの間に、好ましくは、フィルタ要素及び/又はハウジングキャップ上の対応する肩の形態で、該ハウジングキャップの方向への運動に対するフィルタ要素の軸方向支持用の対応する停止が、さらに提供される。そのようにして、シールリングは、一方では、軸方向にハウジングキャップ内に促されるフィルタ要素によって、次第にプレテンションされることができるが、シールリングは、ハウジングキャップとフィルタ要素との間の主要な力路内ではないため、シールリングは、有利に完全に変形されることができない。
【0047】
他の好ましい発展によれば、フィルタ要素のカラー部は、少なくとも一つの係合装置を有し、内壁上のハウジングキャップは、カラー部の少なくとも一つの係合装置と係合接続するための少なくとも一つの関連した対応する逆係合装置を有する。し、その結果、フィルタ要素が、ハウジング上部からのハウジング上部からの分解中に、係合接続によってハウジングキャップ内に有利に保持される。例えば、カラー部の少なくとも一つの係合装置は、要素下部の方向にカラー部の突起の形態であると共に、それぞれが、ハウジングキャップの関連した逆係合装置の係合受け部材用の受け領域を有する複数の周方向に分配された留め金を有し、突起は、径方向に弾性的である。ハウジングキャップの逆係合装置は、例えば、ハウジングキャップの内壁上に提供される複数の係合突起の形態であり、それらは、バイオネット式(差し込み式)接続が開放位置にある時に関連した留め金との係合に移動されることができる。フィルタ要素のカラー部の係合装置の留め金は、それぞれ、相対的に平坦な摺動斜面を提供するために、対応して面取りされた少なくとも一つの所定の外縁を有する。これに関連して、留め金の受け領域の少なくとも一つの外側縁は、留め金の外側縁の摺動斜面と比較して見た時に、相対的に急勾配の摺動斜面を提供するために、対応して面取りされている。留め金受け領域の側縁のより急勾配の面に比べて留め金の外側縁の相対的に平坦な面によって、留め金が係合突起との係合に移動する加力が、留め金が係合突起から再び分離される加力より小さくすることが可能である。それよって、係合位置においてハウジングキャップ内のフィルタ要素の高度に知覚可能な好ましい角度位置を有利に確保することが可能である。
【0048】
留め金は、関連した逆係合装置との係合接続の間、及び留め金が関連した係合装置との係合が解除されている安静位の間、径方向に変形しない状態を取るように構成されていることが好ましい。要素上部及び留め金は、極度の変形又はプレテンションの下で、結果的にクリープの発生を示すプラスチック材料の一体型射出成型物として有利に生成されている。その結果、フィルタハウジングの組み立て状態で、長い間プレテンションされるか、永久的に変形されるそのようなプラスチック製の留め金の柔軟弾性は、クリープの発生を有するプラスチック材料に起因して危険性があるだろう。上述の構成によって、そのような永久的なプレテンション又は変形が回避されることが、有利に保証される。
【0049】
請求項47に記載のフィルタ要素、並びに、請求項54に記載の圧縮空気フィルタの従属請求項における有利な構成及び発展について、以下に説明する。
【0050】
好ましい発展によれば、シール要素は、シールリング、及び、要素上部のカラー部内の対応する周辺凹部中に、僅かな径方向プレテンションで導入されることができる、とりわけ、周辺的な、環状の、特定形状のシールの形態である。そのために、カラー部は、僅かな径方向プレテンションでシールリングの周辺部分を確実に受けるために、それぞれが、カラー部の周辺に延出する受け手段の形態である二つのシールリング固定部を有することが好ましい。
【0051】
他の好ましい実施形態によれば、カラー部は、第二の流路とシールリング受け部との間の接続路として作用する複数の孔を有する。とりわけ、カラー部は、軸方向停止のために所定の方法でハウジングキャップの関連した隣接面と隣接されることができる停止部を有する。シールリングとカラー部との間のシールリング受け部の領域内に、複数の部分に分割されると共に、少なくとも一つの接続路と流体流動接触する周辺自由空間又は自由空間が提供されることが好ましい。好ましい発展によれば、自由空間は、ハウジング上部の第一シール面とシールリングの反対側のハウジングキャップの第二シール面との間にシールされるべき空間に関して略直径方向に(正反対に)提供される。
【0052】
他の好ましい構成によれば、シールリングは、ハウジング上部の第一シール面及びハウジングキャップの第二シール面の形状に適合される幾何学的寸法を有し、その結果、フィルタハウジングが閉鎖位置にある時に、シールリングは、ハウジング上部の第一シール面とハウジングキャップの第二シール面との間でシールされるべき空間内に適合されることができる。
【0053】
シールリングは、その周辺部分の領域において、それらの幾何学的寸法に関して構成される容易に変形可能なシールリップを有し、その結果、フィルタハウジングが閉鎖位置にある時に、シールリップが、ハウジング上部の関連した内周面及びハウジングキャップの関連した内周面と密封隣接されることができる。それによって、ハウジング内圧がカラー部に面する後ろ側で実質的に調整される一方で、ハウジング内圧と環境圧(外圧)との間にあり、ハウジング内の内圧より実質的に低い圧力は、外側の漏れ経路の結果として、シールリング、ハウジング上部、及びハウジングキャップの間のシールリップによって形成される空間内で調整される。この圧力差によって、シールリップ間のシール部分は、ハウジング上部及びハウジングキャップの関連したシール面に対する隣接に、有利に移動され、その結果、ハウジング内部は、環境に対して有利にシールされる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明の第一の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの断面図である。
【図2.1】図2.1は、本発明の第一の好ましい実施形態に係るフィルタ要素の要素上部の斜視図である。
【図2.2】図2.2は、図2.1のフィルタ上部の側面図である。
【図2.3】図2.3は、図2.1及び2.2に係るフィルタ上部の平面図である。
【図2.4】図2.4は、フィルタハウジングの閉鎖動作前の本発明の第一の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図2.5】図2.5は、図2.4の切り出しAの拡大図である。
【図2.6】図2.6は、フィルタハウジングの閉鎖動作後の本発明の第一の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図2.7】図2.7は、図2.6の切り出しAの拡大図である。
【図3.1】図3.1は、本発明の第二の好ましい実施形態に係るフィルタハウジングの要素上部の斜視図である。
【図3.2】図3.2は、図3.1のフィルタ上部の側面図である。
【図3.3】図3.3は、図3.1及び3.2に係るフィルタ上部の平面図である。
【図3.4】図3.4は、フィルタハウジングの閉鎖動作前、又はフィルタハウジングの閉鎖動作中の本発明の第二の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図3.5】図3.5は、図3.4の切り出しCの拡大図である。
【図3.6】図3.6は、図3.4の切り出しDの拡大図である。
【図3.7】図3.7は、フィルタハウジングの閉鎖動作後の本発明の第二の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図3.8】図3.8は、図3.7の切り出しEの拡大図である。
【図4.1】図4.1は、本発明の第三の好ましい実施形態に係るフィルタ要素の要素上部の斜視図である。
【図4.2】図4.2は、図4.1の要素上部の側面図である。
【図4.3】図4.3は、図4.1及び4.2に係る要素上部の平面図である。
【図4.4】図4.4は、フィルタハウジングの閉鎖動作前の本発明の第三の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図4.5】図4.5は、図4.4の切り出しFの拡大図である。
【図4.6】図4.6は、フィルタハウジングの閉鎖動作後の本発明の第三の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図4.7】図4.7は、図4.6の切り出しGの拡大図である。
【図5.1】図5.1は、本発明の第四の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタの部分断面図である。
【図5.2】図5.2は、シール要素が圧力を受ける前の図5.1の切り出しHの拡大図である。
【図5.3】図5.3は、シール要素が圧力を受けた後の図5.1の切り出しIの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明について、実施形態及び添付図面を参照しつつ、以下により詳細に説明する。図面中で同一の参照符号は、他に指定のない限り、同一の又は機能的に同一の要素を示す。
【0056】
図1は、本発明の第一の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタ1の概略断面図である。図1に示すように、圧縮空気フィルタ1は、ハウジング上部3を備える複数の部材からなるフィルタハウジング2と、該フィルタハウジング2に確実に接続されることができるハウジングキャップ4を有する。ハウジング上部3は、給排気路9、排給気路10及び清浄されることを目的とする又は清浄された圧縮空気用に対応する接続を有する。
【0057】
さらに、圧縮空気フィルタ1は、フィルタハウジング2内に導入されることができ、要素下部6、要素上部7及びフィルタ媒体8を含むフィルタ要素5を備え、本実施形態においては、首部13及びリブ15を除いて、その中心軸46に対して回転対称となるように構成されることが好ましい。図1に示すように、例えば、フィルタ媒体8は、中空シリンダの形態で巻回されるかプリーツされており、適切なシール方法で、例えば、確実に又は開放可能なように接着接合されたフィルタ要素5の要素上部7及び要素下部6に密封接続されている。或いは、フィルタ媒体8は、また、例えば、キャリア構造の活性炭、又は多孔性の中空体等の粒状のろ過剤の充填を含んでもよい。
【0058】
本実施形態において、さらに、フィルタ要素5は、図1に示すように、例えば、本実施形態に係るねじ込み接続11によってもたらされるような接続で、ハウジングキャップ4に確実に接続されることができる。
【0059】
さらに、ハウジングキャップ4は、回転接続12によって、閉鎖位置でハウジング上部3に密封接続されることができる。係合状態又は閉鎖位置で、フィルタハウジング2内のフィルタ要素5は、ろ過されるべき圧縮空気がフィルタ媒体8を流通する必要があるように排気側から給気側を分離する。これを受けて、要素上部7は、フィルタハウジング2内に密封導入され、中空シリンダ様に配置されたフィルタ媒体8の内側空間は給排気側9に接続されると共に、中空シリンダ様に配置されたフィルタ媒体8の外側空間は、ハウジング上部3の排給気側10に接続される。図1に示す実施形態において、圧縮空気は、圧縮空気フィルタ1の閉鎖位置において、要素上部7の給気路9及び首部13を通ってフィルタ媒体8の内側を流れ、圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ媒体8の円筒壁を通り、フィルタ媒体8の外壁とハウジングキャップ4の内壁との間に形成される流路、及びフィルタ要素5の要素上部7の首部13と関連したカラー部14との間に形成される流路を介して、ハウジング上部3の排気路10に流れる。ある状況下では、上記流路の反対をなすように圧縮空気流の流れ方向を提供することも有利である。
【0060】
図2.1,2.2及び2.3は、本発明の第一の好ましい実施形態に係るフィルタ要素5の要素上部7の種々の図であり、図2.4〜2.7は、フィルタハウジング2の閉鎖動作前後の本発明の第一の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタ1の部分断面図である。
【0061】
第一の実施形態において、要素上部7は、既に上述すると共に、円形形状と異なる断面形状、例えば、極めて丸い三角形状と同等の形状を有する首部13を有する。さらに、首部13は、フィルタ要素5の中心軸46に対して偏心して位置決めされている。首部13は、関連したハウジング上部3の方向に、前方に突出する要素上部7の部分を形成し、複数のリブ15によって首部13の周りに延出するカラー部14に接続される。リブ15は、略径方向且つ軸方向に延出し、圧力差を低減させるために、技術的な流動条件で最適化される構成を有することが好ましい。そのために、例えば、個々のリブ15は、特定の曲率を有するように構成されている。リブ15は、圧縮空気が要素上部7の首部13とカラー部14との間でフィルタ要素5の長手方向に流動することを許容する。第一の実施形態において、カラー部14は、フィルタ要素5の中心軸46に対して回転対称となると共に、配置された首部13の周辺全体に亘って延出するように構成されている。カラー部14は、ハウジングキャップ4の関連した正面側の外径に略対応する外径を有する。
【0062】
さらに、ハウジング上部3内の首部13及び/又は関連したその受け形状は、関連した溝45内で受けられると共に、ハウジング上部3内で、首部13と対応する給排気路9との間の流体密封接続として作用するシール44を備える。
【0063】
カラー部14は、首部13に面する領域における外側に向けられた隣接面16を備える。隣接面16は、関連したO‐リング22を受けるために役立ち、フィルタ要素5の中心軸46に対して略回転対称となると供に、その周りに延出するように構成されている。隣接面16の径は、要素下部6に向かう方向に、所定の方法で先細になっている。例えば、隣接面16は、その中心軸がフィルタ要素5の中心軸46と一致する円錐面の形態である。円錐の概念上の傾きは、要素下部6に向かう方向に指向され、1:2と2:1との間の範囲のピッチ、すなわち、隣接面16とフィルタ要素5の中心軸46との間のピッチ角α、好ましくは、約25度と65度との間のピッチ角αを備える。しかしながら、また、隣接面16は、一定に又は特定の部分において変化するピッチを有する。
【0064】
隣接面16は、また、周辺的であることが好ましく、フィルタ要素5の中心軸46に対して回転対称である区切りリブ17によって首部13の方向に区切られている。要素下部6の方向において、隣接面16は、フィルタ要素5の中心軸46に対して回転対称であると共に、要素下部6の方向に、カラー部14の略円筒形のガイド部19内に結合する周辺路18によって区切られており、カラー部14は、ハウジングキャップ4内で受けられ、中心決めされている。
【0065】
例えば、図2.2に示すように、さらに、カラー部14は、円筒形ガイド部19に、ハウジングキャップ4の対応する内側ねじ21とねじ込み係合可能なうち外側ねじ20を有する。フィルタ要素5は、ねじ込み接続11によってハウジングキャップ4内に確実にねじ込まれることができる。
【0066】
また、シールコードの略円形断面を有する従来のO‐リングとして構成されることが好ましいシールリング22が提供されている。該シールリング22は、所定の保持位置において、僅かに径方向プレテンションを有することが好ましい隣接面16上に形成されている。シールリング22の外径は、カラー部14又は隣接面16上のその保持位置で、ハウジング上部3において第一シール面23を形成すると共に、シールリング22が閉鎖位置の組み立て状態で密封隣接するハウジング上部3の内周面23の径よりも小さいか、同等である。第一シール面として作用するハウジング上部3の内周面23に加えて、ハウジングキャップ4の端面は、フィルタハウジング2の第二シール面24を形成し、それに対して、シールリング22は、フィルタハウジング2の閉鎖動作によって弾性的に隣接され、その結果、以下に詳述する動作原理に従って閉鎖位置となる。
【0067】
シールリング22の永久的な弾性的プレテンションを維持するために、カラー部14上の隣接面16は、弾性的に、例えば、個々に、径方向に分割され、柔軟弾性セグメントの形態となるように構成されてもよい。
【0068】
フィルタハウジング2のシール作用について、図2.4〜2.7を参照しつつ以下により詳細に説明する。図2.4及び2.5は、フィルタハウジング2の閉鎖動作前の状態を示し、図2.6及び2.7は、フィルタハウジング2の閉鎖動作後の状態を示す。
【0069】
要素上部7の首部13を受けるために、ハウジング上部3は、対応する受け形状25を有し、首部13は、ハウジング上部3に対してその縦軸についてフィルタ要素5のための回転防止手段を提供するために、受け形状25内に導入されることができる。とりわけ、円形形状と異なり、同時にその中心配置を有するように構成される首部13の断面によって、所望の回転防止手段がまた可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0070】
本第一の実施形態において、ハウジングキャップ4とハウジング上部3との間の回転接続12は、バイオネット式(差し込み式)接続の形態であり、ハウジング上部3上のハウジングキャップ4の組み立ては、ハウジング上部3に対してその縦軸についてのハウジングキャップ4の回転運動と関連している。しかしながら、また、回転接続12は、適切なねじ込み式接続等によって構成されることができる。
【0071】
第一の実施形態において、ハウジングキャップ4とハウジング上部3との間の閉鎖回転が、それら二つのコンポーネント間の相対的な軸方向運動なしに実行されるように、全くピッチのないバイオネット式(差し込み式)接続が使用されることが好ましい。
【0072】
フィルタハウジング2内にフィルタ要素5を導入するために、まず、シールリング22が第二シール面24又はハウジングキャップ4の対応する端面に緩く隣接するまで、フィルタ要素5が、ねじ込み式接続11、すなわち、内側ねじ21及び外側ねじ20によってハウジングキャップ4内にねじ込まれる。その状態で、シールリング22は、図2.5に示すように、僅かにプレテンションされているだけであり、隣接面16に沿ってまだ拡張されていない。ハウジングキャップ4に対する組み立てに必要なフィルタ要素5の角度位置を、ユーザに示すために、適切な視覚的標識26が、この場合、要素上部7上、及び/又はハウジングキャップ4上に提供されることが好ましい。或いは、又はさらに、相対的な角度位置は、また、例えば、カラー部14上の弾性的係合突出によって、及び、ハウジングキャップ4上の対応する逆形状によって、触覚的標識としてユーザに示されることができる。
【0073】
ハウジングキャップ4の内側ハウジング壁上の内側ねじ21及び要素上部7のカラー部14上の外側ねじ20、ハウジング上部3とハウジングキャップ4との間の特別に構成されて位置決めされた首部13及びバイオネット式(差し込み式)接続12の対応する相対配向に起因して、所定の角度位置のフィルタ要素5の首部13は、軸方向に回転して確実に、ハウジング上部3上の対応する受け形状25内に導入可能であり、その結果、ハウジングキャップ4は、フィルタ要素5がハウジングキャップ4にねじ止めされると共に、バイオネット式(差し込み式)接続12によってハウジング上部3に係合されて、ハウジング上部3内に導入可能であることが保証される。フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、すなわち、ハウジングキャップ4がハウジング上部3に対して回転させられる時、ハウジング上部3に対するフィルタ要素5の角度位置は、上述の回転防止手段によって維持されるが、それによって、フィルタ要素5とハウジングキャップ4との間に生成される相対回転に伴って、フィルタ要素5が、ハウジングキャップ4内にさらに移動される。ねじ込み式接続11のピッチ、すなわち、外側ねじ20及び内側ねじ21のピッチは、ハウジング上部3に対するハウジングキャップ4の回転の所定角度で、フィルタ要素5とハウジングキャップ4との間の相対運動の大きさを決定する。
【0074】
その結果、特に図2.5及び2.7に示すように、フィルタ要素5のカラー部14は、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、ハウジングキャップ4内にさらにねじ込まれる;すなわち、両者の間にさらなる相対運動が生じて互いの方に向かい、第二シール面24、すなわち、ハウジングキャップ4の正面側が、隣接面16に沿って上方にシールリング22を促し、傾斜するように対応して構成される隣接面16に対してシールリング22の拡張をもたらす。区切りリブ17は、シールリング22の拡張を区切る役割を果たし、その結果、シールリング22の確定された所定の拡張を確保する。
【0075】
シールリング22の径方向の拡張によって、また、シールリング22は、図2.7に示すように、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、第二シール面24の隣接に加えて、第一シール面23、すなわち、ハウジング上部3の内周面との密封隣接に移行される。その結果、シールリング22は、フィルタハウジング2の閉鎖動作の終わりにのみ第一シール面23と隣接し、摩擦技術の理由で有利である。
【0076】
この点で、また、隣接面16に沿ってガイドされるシールリング22の代わりに、対応して構成される隣接面16との対応する隣接に起因する圧縮動作によってのみ対応して圧縮され、その圧縮動作に起因する径方向の拡張を受けるシールリング22によって、該シールリング22が径方向に拡張されるという点で、シールリング22の拡張が同様にもたらされることに留意すべきである。この場合、例えば、隣接面16は、直角型や、L型の隣接面等の形態であってもよい。この場合、シールリング22上に径方向に力が作用する時、シールリング22が径方向の拡張を受けるようにシールリング22の圧縮を確保する任意のタイプの隣接面16を有することが可能である。
【0077】
最終的に、フィルタハウジング2内の圧力の増加に伴う二つのシール面23及び24に対する隣接は、シールリング22上の内圧の圧力によって増加され、フィルタハウジング2の所望の完全且つ信頼できるシールが保証される。
【0078】
第一の実施形態において、フィルタ要素5は、ねじ込み式接続11によってハウジングキャップ4上で軸方向に支持され、フィルタ要素5がハウジングキャップ4内に導入される組み立て状態において、シールリング22は、弾性的にプレテンションされるが、ハウジング上部3とハウジングキャップ4との間の軸方向の主力路内に位置されていない。シールリング22の耐用年数は、それによって有利に増加される。
【0079】
汚染されている可能性のあるフィルタ要素5を交換するための圧縮空気フィルタ1の分解は、上述の組立手順と同様であるが逆の順番で実行される。
【0080】
シールリングが、フィルタハウジングの閉鎖動作中に、シール面との密封隣接のために隣接面に沿って径方向に拡張される限り、個々のコンポーネント及び面、とりわけ、シール面、シールリング、隣接面及び区切りリブの幾何学的寸法及び形状が改変されることができることは、当業者にとって明らかである。この点で、本発明において、用語「先細の隣接面」は、シールリング22に軸方向に作用する力がシールリングの径方向の拡張をもたらすように、シールリング22を受けるための受け空間を画定する任意のタイプの隣接面16であると理解されることを意図されていることに留意すべきである。そうすることによって、例えば、L型隣接面、すなわち、隣接面の二つの部分間に鋭角を有する隣接面が、また、本発明に係る図面に示された隣接面16と同等であると理解されると共に、見なされることを意図されている。
【0081】
本発明の第二の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタ1及びフィルタ要素5について、図3.1〜3.8を参照しつつ以下により詳細に説明する。本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態とは対照的に、以下に詳細に評価するフィルタ要素5とハウジングキャップ4との間の改変されたねじ込み式接続11を有する。
【0082】
第二の好ましい実施形態において、カラー部14の円筒形ガイド部19は、外側ねじではなく、複数の弾性的に変形可能な弾性突端27を有する。柔軟性のある弾性突端27は、互いから一定の空間を有することが好ましく、且つ、とりわけ、図3.2に示すように、ハウジングキャップ4の関連した内側ねじ21との所定のねじ込み係合が確保されるような異なる軸レベルで、円筒形ガイド部19の周面に沿って配置される。
【0083】
例えば、弾性突端27は、円筒形ガイド部19から穿孔される折り込みの形態であり、その自由端は、首部13の方向に軸方向に配向されている。弾性突端27は、図3.5に示すように、フィルタ要素5が、シールコード断面の略中心までが好ましく、最大でも、シールリング22の略外径までハウジングキャップ4内に導入される前に、その自由端で径方向に延出する。それによって、弾性突端27は、フィルタ要素5が所定位置でハウジングキャップ4内に導入される前に、シールリング22を支持するためのベアリング装置を形成する。しかしながら、弾性突端27はそれぞれ、略径方向に延出し、シールリング22を支持する役割を果たすウェブを有することも考えられる。この場合、また、弾性突端27は、シールリング22の径方向の範囲を越えて径方向に延出することができる。例えば、ウェブは、弾性突端27の自由端上に形成され、弾性突端27がそれに応じて変形される場合、それらが穿孔性開口中に変位されることができるように構成されている。
【0084】
さらに、図3.6に示すように、弾性突端27は、外側に向かう方向にプレテンションされ、その弾性特性によってフィルタ要素5の中心軸46の方向に弾性的に調整されることができる。
【0085】
図3.5及び3.6に示すように、ハウジングキャップ4は、その内周面で、弾性突端27に対応する内側ねじ21として鋸歯状プロファイルを有するねじを備えることが好ましい。この場合、内側ねじ21のそれぞれのねじ部分は、異なるねじ深さを有してもよい。例えば、ねじ深さは、ハウジングキャップ4の第二シール面24の方向に軸方向に延出してもよい。それによって、関連したシールリング22に対する最適化された隣接が確保されるように、ハウジングキャップ4の所定の壁厚に対してできるだけ広い第二シール面24が提供される。対応して延出するねじ深さによって、さらに、フィルタ要素5が、できるだけ少数の回転で、ハウジングキャップ4から有利に取り外されることが可能である。
【0086】
第二の好ましい実施形態において、シールリング22が弾性突端27の自由端で所定の保持位置に保持される時、フィルタ要素5は、軸方向にハウジングキャップ4内に導入されることができる。この場合、弾性突端27は、その弾性的構成によって所定の挿入深さからハウジングキャップ4の鋸歯状内側ねじ21とのスナップ式係合に移行する。弾性突端27及び内側ねじ21の鋸歯状プロファイルが、ねじ込み係合のタイプを構成し、ねじ回転を許容するため、フィルタ要素5は、さらにハウジングキャップ4内にフィルタ要素5を導入するために、さらにねじ込まれることができる。フィルタ要素5の分解は、フィルタ要素5のねじを外し、その結果、ハウジングキャップ4の内側ねじ21から弾性突端27を反対方向に外すことによって、同様に実行される。
【0087】
第一の好ましい実施形態と同様に、図3.6に示すように、第二の実施形態に係るハウジングキャップ4内へのフィルタ要素5の導入又はねじ込みは、また、ハウジングキャップ4内へのフィルタ要素5のさらなる挿入を生成し、その結果、第二シール面24が隣接面16に沿ってシールリング22を径方向に拡張させ、ハウジング上部3の第一シール面との密封隣接を促す(図示せず)。
【0088】
第二の好ましい実施形態の上記記載に関連してより詳細に説明しなかった本発明の特徴及び動作に関して、それらの特徴及び動作が、不必要な重複を避けるためにその詳細な説明を省略することが可能なように、同様な形式であるため、第一の実施形態の上記記載を参照されたい。
【0089】
本発明の第三の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタ1及びフィルタ要素5について、それぞれ、図4.1〜4.7を参照しつつ以下により詳細に説明する。
【0090】
第三の好ましい実施形態において、上述の二つの実施形態と比較して、フィルタ要素5のカラー部14とハウジングキャップ4との間の相対運動は、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、異なる方法でもたらされる。第三の実施形態において、ハウジング上部3とハウジングキャップ4との間の回転接続12は、所定のピッチを有するバイオネット式(差し込み式)接続として構成され、ハウジング上部3及びハウジングキャップ4が、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、互いに向かう方向で相対的な軸運動を実行する。
【0091】
また、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、要素上部7、及び、その結果、ハウジングキャップ4に対してカラー部14の隣接面16を軸方向に移動させるために、要素上部7のカラー部14とハウジング上部3との間の軸方向停止を生じさせる停止装置28が提供される。該停止装置28は、例えば、図4.5及び4.7に示すように、ハウジング上部3に面するカラー部14の前端部の停止面、及びカラー部14に面するハウジング上部3のそれに応じて関連した停止部分を備えることが好ましい。従って、停止装置28は、フィルタハウジング2の閉鎖動作中に、フィルタ要素5のカラー部14の停止面とハウジング上部3のそれに応じて関連した停止部分との間の停止、及びハウジング上部3とハウジングキャップ4との間の関連した相対軸運動をもたらし、その結果、互いに向かう方向への相対軸運動が、フィルタ要素5とハウジングキャップ4との間にもたらされる。その相対運動はまた、すでに上述した実施形態と同様に、隣接面16に沿ってシールリング22を促すと共に、それに伴って、弾性的にプレテンションされた状態で、シールリング22を拡張させて関連した第一シール面23と密封隣接させる。
【0092】
しかしながら、前述の二つの実施形態と異なり、第三の好ましい実施形態において、フィルタ要素5とハウジングキャップ4との間の接続は、対応するねじ込み接続によってではなく、以下により詳細に説明する適切に構成された係合接続29によって形成される。
【0093】
とりわけ、図4.1及び4.2に示すように、要素上部7は、例えば、要素下部6の方向におけるカラー部14の突起の形態であることが好ましく、略180度周辺にオフセットされるように構成される留め金30の形態での二つの係合装置を有し、該突起は、径方向に弾性的である。例えば、留め金30のそれぞれは、関連したリブ15の要素下部6の方向に突起を形成する。さらに好ましくは、留め金30は、丸い外側縁を有する略長方形の構成を有する。さらに、各留め金30は、それに応じて関連した逆係合装置35を受けるための略中心の開口、すなわち、受け領域31を有する。より簡易な係合動作のために、さらに、各留め金30は、面取りされた外側縁32及び少なくとも一つの面取りされた外側下縁33を備える。さらに、それに応じて関連した逆係合装置35の横の解除動作を対応して支持する面取りされた部分が、少なくとも開口31の側縁34に提供されている。
【0094】
好ましくはそれに応じて、ハウジングキャップ4は、逆係合装置35として、内周面に配置されると共に、対応する係合及び解除運動中に、留め金30の面取りされた縁又は留め金30の受け領域31に対して摺動する対応する係合突起35を有し、その結果、留め金30との対応する係合接続で係合するか、係合接続から解除されることができる。係合突起35は、留め金30の関連した開口31との位置的に安定した係合のための補完的な方法で構成され、フィルタ要素5が、係合状態で位置的に安定した方法でハウジングキャップ4と係合される。
【0095】
留め金30の外側縁32は、開口31の側縁34の相対的に急勾配の面取りに対して相対的に平坦な面取りを有する。その結果、留め金30と係合突起35との間の係合を固定するため力の適用は、対応する解除動作のための力の適用よりも、ユーザにとって小さい。それによって、ハウジングキャップ4に対するフィルタ要素5の触覚的に好ましい角度位置を、ユーザに対して確保すること有利に可能である。好ましい角度位置は、それに応じて関連した受け外形25を有するフィルタ要素5の首部13が、ハウジング上部3における回転を防止するために内部に導入されることができ、ハウジングキャップ4とハウジング上部3との間のバイオネット式(差し込み式)接続12が、径方向に係合に移行されることができるように選択されることが好ましく、すなわち、留め金30とそれに応じて関連した逆係合突起35の位置決めが、係合状態の間、ハウジングキャップ4とハウジング上部3との間のバイオネット式(差し込み式)接続12が、互いからそれらのコンポーネントを分離するために開放位置にあるように選択されることが好ましい。その結果、ハウジングキャップ4が、留め金30と関連した逆係合突起35との間にもたらされる係合接続によって、ハウジング上部3から分離される時、フィルタ要素5がハウジングキャップ4内で軸方向に有利に保持される。
【0096】
新しいフィルタ要素5を導入するために、まず、フィルタ要素5が、すでに対応する係合位置で、或いは、解除位置で、軸方向にハウジングキャップ4内に導入され、この場合、その係合位置は、それに続くフィルタ要素5の手動回転によってもたらされる。この場合、係合動作は、ユーザに対する好ましい角度位置の触覚的表示として作用する。しかしながら、この目的のために、適切なさらなる、又は代わりの標識26を想定することも可能である。
【0097】
フィルタ要素5が係合されたハウジングキャップ4は、それに続いて、バイオネット式(差し込み式)接続12による閉鎖動作によって、シールの状態で適宜に且つ確実に接続されたハウジング上部3内に導入される。導入動作に対して、ユーザに好ましい角度位置を表示するために所定の標識を提供することも可能である。すでに詳細に上述したように、それによって、フィルタ要素5とハウジングキャップ4との間の相対運動が、軸方向停止装置28によって生成され、シールリング22が隣接面16に沿って放射状に拡張すると共に、第一シール面23と密封隣接される。
【0098】
例えば、汚染されたフィルタ要素5が、ハウジングキャップ4が解除されているバイオネット式(差し込み式)接続12によってハウジング上部3から取り外された後、依然としてハウジングキャップ4に係合接続されている場合、動作が逆の順番で実行される。ハウジングキャップ4内でフィルタ要素5を手動回転させることによって、係合接続が解除されることができ、フィルタ要素5がハウジングキャップ4から容易に取り外されることができる。
【0099】
留め金30は、それらが、それに応じて関連した逆係合突起35上の係合位置及び逆係合突起35から離れた解除位置の両方で、径方向に変形しない状態を取るように構成されていることがさらに好ましい。一般的に、要素上部7は、永続的に極度な変形又はプレテンション下のある状況においてクリープの発生を示す可能性のある適切なプラスチック材料から射出成型物として生成されているため、留め金30の径方向に変形しない状態は、そのより長い耐用年数、及び、それに伴うフィルタ要素5とハウジングキャップ4との間の係合接続のより長い耐用年数を保証する。しかしながら、また、上述の係合接続の運動学的反転は、適切な変更を加えて考慮されており、それに応じて、係合突起又は同様の逆係合装置が、例えば、フィルタ要素5上に対応して提供され、対応するように別に構成される関連した留め金30又は補完的係合装置が、ハウジングキャップ4の内周面上に対応して提供されることは、当業者にとって明らかである。
【0100】
この点で、また、留め金は、それぞれが対応して面取りされた縁を有する複数の開口、例えば、留め金毎に互いの傍に配置される二つの同一の開口を有してもよいことに留意すべきである。さらに、留め金は、それぞれ、摺動斜面が所定の側にのみ提供され、関連した逆係合装置が、各留め金の受け領域内に摺動斜面なしで導入されるか、反対側に引かれるように、開放の側腹領域を有してもよい。このことは、他のコンポーネントの構成及び閉鎖動作中の回転の方向に従って適合されて、提供されるように意図されている。留め金、或いは、対応する係合又は逆係合装置が提供される場合、上述の係合接続がその機能を受け継ぐことができるため、さらに、角度位置を表示するための付加的な装置を省略することが可能である。
【0101】
第三の好ましい実施形態の上記記載に関連してより詳細に説明しなかった本発明の特徴及び動作に関して、それらの特徴及び動作が、不必要な重複を避けるためにその詳細な説明を省略することが可能なように、同様な形式であるため、第一及び第二の実施形態の上記記載を参照されたい。この点で、さらに、上記初めの三つの実施形態の各特有の解決策は、当業者にとって技術的に有利であると思われる限り、本発明の全体的な発明的概念(思想)の範囲内で、互いに自由に組み合わされてもよいことに留意すべきである。
【0102】
本発明の第四の好ましい実施形態に係る圧縮空気フィルタ1及びフィルタ要素5について、図5.1〜5.3を参照しつつ以下により詳細に説明する。全体的な説明に関しては、重複を避けるために上記実施形態を参照されたい。
【0103】
第四の好ましい実施形態において、とりわけ、図5.2及び5.3に示すように、要素上部7のカラー部14は、例えば、フィルタ要素5の中心軸46に対して回転対称であると共に、二倍の角度であるS状形状を有する周辺構成を有する。
【0104】
カラー部14は、首部13に面し、受け路36の形態である第一固定部と、要素下部6に面し、受け路37の形態である第二固定部を備える。受け路36と受け路37との間で、カラー部14は、シールリング受け部38を有し、その外形は、フィルタハウジングの閉鎖位置におけるハウジングキャップ4及びハウジング上部3の関連したシール面の幾何学的寸法に適合されている。
【0105】
さらに、カラー部14は、シールリング受け部38から開口し、自由空間40と接続する複数の孔39を有し、シールリング受け部38の正面に位置決めされていると共に、とりわけ、フィルタ要素5のフィルタ媒体8の外壁とハウジングキャップ4の内壁との間の流動領域に、フィルタハウジング2の内圧を有する。自由空間40は、周辺自由空間又は複数の部分に分割される自由空間の形態であってもよい。
【0106】
さらに、カラー部14は、例えば、外側に向かって指向される周辺突起として受け路37の下方に提供される停止部47を備える。図5.2及び5.3に示すように、フィルタ要素5がハウジングキャップ4内に導入される時、軸方向の停止が、所定の軸方向閉鎖位置で確保されるように、停止部47は、例えば、周辺ステップの形態で、ハウジングキャップ4内部の関連した隣接面48に対応する。
【0107】
さらに、カラー部14は、その幾何学的寸法の観点で、カラー部14の隣接面16の構成に適合され、その軸方向の外側縁で受け路36,37内に確実に導入可能な特殊形状のシール41を備える。図5.2及び5.3に示すように、該特殊形状のシール41は、導入された状態で、隣接面16のシールリング受け部38と特殊形状のシール41の内面との間の自由空間40を区切る。自由空間40は、フィルタハウジング2が閉鎖位置にある時、特殊形状のシール41の反対側で、ハウジング上部3の第一シール面23とハウジングキャップ4の第二シール面24との間で密封されるべき空間内に位置決めされることが好ましい。
【0108】
さらに、特殊形状のシール41は、好ましくは各自が周辺領域にあり、フィルタ要素5がフィルタハウジング2内に組み立てられた後、第一シール面23、すなわち、ハウジング上部3の関連した内周面、及びハウジング上部4の関連した内周面とシール接触する、小さく且つ容易に変形可能なシールリップ42,43を有する。該シールリップ42,43は、それらが関連した面との完全な密封をもたらさすのではなく、代わりに、ハウジング上部3とハウジング上部4との間のハウジング内部から外側に延出する漏れ経路の断面が、シールリップ42,43と関連した隣接面との間の残りの漏れ経路に比べて単純に大きくなるように、構成されてもよい。それによって、圧縮空気フィルタ1が圧力を受けている時、自由空間40内のカラー部14に面する特殊形状のシール41の側で、ハウジング圧が、実質的に調整されることが可能である一方で、ハウジング内圧と環境圧(外圧)との間であると共に、フィルタハウジング2内の内圧より実質的に低い圧力は、外側の漏れ経路によって、特殊形状のシール41、ハウジング上部3とハウジング上部4との間でシールリップ42,43によって形成される空間内で調整される。この圧力差によって、シールリップ42,43間の特殊形状のシール41の部分は、ハウジング上部3又はハウジング上部4の第一及び第二シール面23,24とのシール隣接に移行され、ハウジング内部が周囲に対して要望通りにシールされる。
【0109】
特殊形状のシール41の断面プロファイルが広い範囲で自由に選択されてもよいことは、当業者にとって明らかである。しかしながら、ハウジング上部4の前側シール面、すなわち、第二シール面24と、ハウジング上部3の内周面、すなわち、第一シール面23との間に、自由空間40内に適合されることができる特殊形状のシール41の少なくとも部分を有する必要がある。さらに、また、提供される孔39は、自由空間40が所望の圧力差を提供するためにフィルタ媒体8の内側領域に接続されることを確保することができる。
【0110】
本発明について、好ましい実施形態を参照して上述したが、本発明はこれらに限定されず、様々な方法で変更可能である。とりわけ、上記実施形態は、少なくとも部分的に互いに組み合わせ可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 圧縮空気フィルタ
2 フィルタハウジング
3 ハウジング上部
4 ハウジングキャップ
5 フィルタ要素
6 要素下部
7 要素上部
8 フィルタ媒体
9 給気路
10 排気路
11 ねじ込み接続
12 回転接続
13 首部
14 カラー部
15 リブ
16 隣接面
17 区切りリブ
18 チャネル
19 ガイド部
20 外側ねじ
21 内側ねじ
22 シールリング
23 第一シール面
24 第二シール面
25 受け外形
26 標識
27 弾性突端
28 停止装置
29 係合接続
30 留め金
31 開口/受け領域
32 留め金の外側縁
33 留め金の下側縁
34 開口の側縁
35 係合突起
36 第一固定部
37 第二固定部
38 シールリング受け部
39 孔
40 自由空間
41 特殊形状のシール
42 シールリップ
43 シールリップ
44 シール
45 溝
46 フィルタ要素の中心軸
47 停止部
48 隣接面
α ピッチ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素(5)であって、
要素下部(6)と、
第一の流路(9)を形成する首部(13)、及び少なくとも部分的に該首部(13)の周りに延出するように構成され、第二の流路(10)を形成するために前記首部(13)に接続されるカラー部(14)を有する要素上部(7)と、
前記要素下部(6)及び要素上部(7)に密封接続されるフィルタ媒体(8)であって、該フィルタ媒体(8)を通って前記第一の流路(9)と前記第二の流路(10)との間の気体流路を形成するフィルタ媒体(8)とを備え、
前記カラー部(14)は、少なくとも部分的に外周に提供されると共に、前記要素下部(6)の方向に先細になって、関連したシール要素(22)を受け止める隣接面(16)を有し、前記要素下部(6)の方向から前記シール要素(22)に略軸方向に作用する力が、前記隣接面(16)に沿って前記シール要素(22)の放射状の拡張をもたらすことを特徴とするフィルタ要素(5)。
【請求項2】
前記カラー部(14)は、前記首部(13)の周辺全体に亘って延出すると共に、前記フィルタ要素(5)の中心軸(46)に対して略回転対称となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項3】
前記カラー部(14)の前記隣接面(16)は、前記周辺全体に亘って延出するように構成されると共に、前記フィルタ要素(5)の前記中心軸(46)に対して略回転対称となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項4】
前記カラー部(14)の前記隣接面(16)は、該隣接面(16)と前記フィルタ要素(5)の前記中心軸(46)との間のピッチ角(α)が25度と65度との間であることが好ましい円錐面の形態であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項5】
前記カラー部(14)は、前記要素上部(7)の方向に前記隣接面(16)を区切ると共に、周辺的に構成されることが好ましく、前記フィルタ要素(5)の前記中心軸(46)に対して略回転対称となるように構成される区切りリブ(17)を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項6】
前記シール要素は、シールリング(22)の形態であり、僅かな径方向プレテンションで所定の保持位置において前記カラー部(14)上に形成されることができることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項7】
前記シールリング(22)は、前記所定の保持位置において、前記隣接面(16)を区切る前記カラー部(14)の前記区切りリブ(17)の外径よりも、高々僅かに大きい外径を有することを特徴とする請求項6に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項8】
前記シールリング(22)は、略円形断面を有するO‐リングシールの形態であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項9】
前記カラー部(14)の前記隣接面(16)は、前記シール要素(22)の永久的な弾性的プレテンションを維持するために、弾性変形可能となるように構成されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項10】
前記カラー部(14)の前記隣接面(16)は、複数の放射状に配置され、弾性変形可能なセグメントを有することを特徴とする請求項9に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項11】
前記カラー部(14)は、複数のリブ(15)によって前記首部(13)に確実に接続されており、前記複数のリブ(15)は、技術的な流動条件で最適化されて構成されることが好ましいことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項12】
前記首部(13)は、円形形状と異なる断面を有るように、及び/又は、前記フィルタ要素(5)の前記中心軸(46)に対して偏位を有するように構成されることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項13】
前記要素上部(7)は、少なくとも一つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的角度位置表示装置を有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項14】
前記カラー部(14)は、触覚的角度位置表示装置として少なくとも一つの係合装置を有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項15】
前記要素上部(7)は、前記要素下部(6)に面すると共に、外側ねじ(20)を有する円筒形ガイド部(19)を有することを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項16】
前記要素上部(7)は、前記要素下部(6)に面すると共に、その自由端が前記首部(13)に面するように軸方向に、異なる軸レベルで配置されると共に、径方向の延出が、その支持用の保持位置における前記シールリング(22)の径方向の延出に略対応する複数の弾性変形可能な弾性突端(27)を有する円筒形ガイド部(19)を有することを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項17】
前記カラー部(14)は、軸方向停止部(28)を有することを特徴とする請求項1乃至14、又は16の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項18】
前記カラー部(14)は、フィルタハウジングの関連した逆係合装置との係合接続(29)のための少なくとも一つの係合装置(30)を有することを特徴とする請求項1乃至14、又は17の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項19】
前記少なくとも一つの係合装置(30)は、前記要素下部(6)の方向に前記カラー部(14)の突起の形態であると共に、それぞれが、前記関連した逆係合装置の係合受け部材用の少なくとも一つの受け領域(31)を有する複数の留め金30を有し、前記突起は、径方向に弾性的であることを特徴とする請求項18に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項20】
前記要素下部(6)に面する各留め金(30)の少なくとも幾つかの外側縁(32,33)は、相対的に平坦な摺動斜面を提供するために、対応して面取りされるように構成されることを特徴とする請求項19に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項21】
前記留め金(30)の前記少なくとも一つの受け領域(31)の少なくとも幾つかの側縁(34)は、相対的に急勾配の摺動斜面を提供するために、対応して面取りされるように構成されることを特徴とする請求項19又は20に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項22】
前記留め金(30)は、それぞれ、それらが関連した逆係合装置との係合接続(29)の間、及び前記留め金(30)が前記関連した逆係合装置との係合が解除されている安静位の間、径方向に変形しない状態を取るように構成されることを特徴とする請求項19乃至21の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項23】
圧縮空気流から異物を分離するための圧縮空気フィルタ(1)であって、
請求項1乃至22の何れか一項に従って構成されるフィルタ要素(5)と、
該フィルタ要素(5)を密封して受けると共に、前記フィルタ要素(5)のシール要素(22)と関連して少なくとも部分的に内周に提供される第一位シール面(23)を有するハウジング上部(3)を備えるフィルタハウジング(2)と、
前記フィルタ要素(5)の前記シール要素(22)と関連して少なくとも部分的に正面側に提供される第二シール面(24)を有するハウジングキャップ(4)とを備え、
該ハウジングキャップ(4)は、密封閉鎖位置を形成するために、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作によって前記ハウジング上部(3)に接続可能であり、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作が、前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)と前記ハウジングキャップ(4)との間で互いに向かって略軸方向に向けられた相対運動をもたらすように、前記フィルタ要素(5)は、前記ハウジング上部(3)及びハウジングキャップ(4)に接続可能であり、それによって、前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)は、前記フィルタ要素(5)のカラー部(14)の隣接面(16)に沿ったシール前進動作によって、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)とのシール隣接内に、前記シール要素(22)を放射状に拡張させることを特徴とする圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項24】
前記ハウジング上部(3)は、前記フィルタ要素(5)の前記首部(13)の形状に適合される受け形状(25)を有し、前記フィルタハウジング(2)の前記ハウジング上部(3)に対してフィルタ要素(5)のための回転防止手段を形成することを特徴とする請求項23に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項25】
前記シール要素(22)は、シールリング(22)の形態であり、その保持位置において、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)の外径よりも小さいか、同等の外径を有することを特徴とする請求項23又は24に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項26】
前記フィルタ要素(5)の前記ハウジングキャップ(4)、前記ハウジング上部(3)及び/又は要素上部(7)は、相互に関連して相対位置を表示するための少なくとも一つの視覚的、聴覚的及び/又は触覚的角度位置表示装置(26,30,31,35)を有することを特徴とする請求項23乃至25の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項27】
前記ハウジングキャップ(4)は、ねじ込み式及び/又はバイオネット式接続(12)によって、好ましくは、ピッチのないバイオネット式接続(12)、又は同様の回転接続によって、前記ハウジング上部(3)に接続されることができることを特徴とする請求項23乃至26の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項28】
前記要素上部(7)は、前記要素下部(6)に面し、外側ねじ(20)を有する円筒形ガイド部(19)を備えることを特徴とする請求項23乃至27の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項29】
前記ハウジングキャップ(4)は、ねじ込み係合(11)用に前記要素上部(7)の前記外側ねじ(20)に対応する内側ねじ(21)を有することを特徴とする請求項28に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項30】
前記要素上部(7)は、前記要素下部(6)に面し、その自由端が前記首部(13)に面するように軸方向に、異なる軸レベルで配置されると共に、その径方向の延出及び構成によって、前記シール要素(22)が所定の保持位置で支持されることを許容する複数の弾性的に変形可能な弾性突端(27)を有する円筒形ガイド部(19)を備えることを特徴とする請求項23乃至27の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項31】
前記ハウジングキャップ(4)は、前記要素上部(7)の前記弾性的に変形可能な弾性突端(27)に対応する内側ねじ(21)を有することを特徴とする請求項30に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項32】
前記ハウジングキャップ(4)の前記内側ねじ(21)は、鋸歯状プロファイルを有することを特徴とする請求項31に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項33】
前記ハウジングキャップ(4)の前記内側ねじ(21)は、前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)の方向に、軸方向に延出することを特徴とする請求項31又は32に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項34】
前記ハウジングキャップ(4)は、所定のピッチを有するバイオネット式接続(12)によって前記ハウジング上部(3)に接続されることができることを特徴とする請求項23乃至26の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項35】
前記カラー部(14)は、前記ハウジング上部(3)の関連した停止面、好ましくは、前記ハウジング上部(3)に面する前記カラー部(14)の正面側に対する軸方向停止用の軸方向停止装置(28)を有することを特徴とする請求項23乃至27、又は請求項30乃至34の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項36】
前記カラー部(14)は、前記ハウジングキャップ(4)の関連した逆係合装置(35)との係合接続(29)のための少なくとも一つの係合装置(30)を有することを特徴とする請求項23乃至26、34又は35の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項37】
前記少なくとも一つの係合装置(30)は、前記要素下部(6)の方向に前記カラー部(14)の突起の形態であると共に、それぞれが、前記ハウジングキャップ(4)の前記関連した逆係合装置(35)の係合受け部材用の少なくとも一つの受け領域(31)を有する複数の留め金30を有し、前記突起は、径方向に弾性的であることを特徴とする請求項36に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項38】
前記要素下部(6)に面する各留め金(30)の少なくとも幾つかの外側縁(32,33)は、相対的に平坦な摺動斜面を提供するために、対応して面取りされるように構成されることを特徴とする請求項37に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項39】
前記留め金(30)の前記少なくとも一つの受け領域(31)の少なくとも幾つかの側縁(34)は、相対的に急勾配の摺動斜面を提供するために、対応して面取りされるように構成されることを特徴とする請求項37又は38に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項40】
前記留め金(30)は、それぞれ、それらが関連した逆係合装置(35)との係合接続(29)の間、及び前記留め金(30)が前記関連した逆係合装置(35)との係合が解除されている安静位の間、径方向に変形しない状態を取るように構成されることを特徴とする請求項37乃至39の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項41】
前記フィルタ要素(5)は、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作が、前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)の軸方向停止装置(28)を、前記フィルタ要素(5)と前記ハウジングキャップ(4)との間で互いに向かって略軸方向に向けられた相対運動のために前記ハウジング上部(3)の関連した停止面との軸方向隣接に移行させるように、前記ハウジング上部(3)及びハウジングキャップ(4)に接続可能であることを特徴とする請求項35乃至40の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項42】
前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)と前記ハウジングキャップ(4)との間に、好ましくは、前記フィルタ要素(5)及び/又は前記ハウジングキャップ(4)上の対応する肩の形態で、該ハウジングキャップ(4)の方向への運動に対する前記フィルタ要素(5)の軸方向支持用の対応する停止が提供されることを特徴とする請求項23乃至26、又は34乃至41の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項43】
前記ハウジングキャップ(4)の内壁は、前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)の前記少なくとも一つの係合装置(30)との係合接続(29)用の少なくとも一つの逆係合装置(35)を有することを特徴とする請求項36乃至42の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項44】
前記少なくとも一つの逆係合装置(35)は、前記バイオネット式接続(12)が開放位置にある時、それらが、前記関連した留め金(30)とのロック係合に移行されることができるように、前記ハウジングキャップ(4)の前記内壁上に提供される複数の係合突起(35)を備えることを特徴とする請求項43に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項45】
前記フィルタ要素(5)の前記留め金(30)は、それぞれ、触覚的に好ましい角度位置を形成するために、相対的に平坦に面取りされる外側縁(32)と、それに関連して急勾配に面取りされる開口(31)の側縁(34)とを有し、前記逆係合装置(35)が前記関連した留め金(30)に係合されることを特徴とする請求項37乃至44の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項46】
前記好ましい角度位置において、前記フィルタ要素(5)の前記首部(13)は、前記ハウジング上部(3)内の前記受け形状(25)との係合に、軸方向に移行されることができると共に、前記バイオネット式接続(12)は、前記ハウジングキャップ(4)と前記ハウジング上部(3)との間の係合に、軸方向に移行されることができることを特徴とする請求項45に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項47】
圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素(5)であって、
要素下部(6)と、
第一の流路(9)を形成する首部(13)、及び少なくとも部分的に該首部(13)の周りに延出するように構成され、第二の流路(10)を形成するために前記首部(13)に接続されるカラー部(14)を有する要素上部(7)と、
前記要素下部(6)及び要素上部(7)に密封接続されるフィルタ媒体(8)であって、該フィルタ媒体(8)を通って前記第一の流路(9)と前記第二の流路(10)との間の気体流路を形成するフィルタ媒体(8)とを備え、
前記カラー部(14)は、少なくとも部分的に外周に提供されるシール要素受け部(38)と、2つの流路(9,10)の一つと前記シール要素受け部(38)との間の少なくとも一つの接続路(39)と、該少なくとも一つの接続路(39)によって供給され、シール要素(41)に作用する過度の圧力が、前記シール要素受け部(38)の領域内の外側に向かう方向にシール要素(22)の拡張をもたらすように、関連したシール要素(41)の周縁部分を確実に且つ密接に受けるために、前記シール要素受け部(38)を軸方向に区切るシール要素固定部(36,37)と、を有することを特徴とするフィルタ要素(5)。
【請求項48】
前記シール要素(41)は、周辺的な、環状の、特定形状のシール(41)の形態であることを特徴とする請求項47に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項49】
前記シール要素(41)は、その周辺部分の領域において、容易に変形可能なシールリップ(42,43)を有することを特徴とする請求項47又は48に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項50】
前記カラー部(14)は、前記シール要素(41)の僅かな径方向プレテンションで前記シール要素(41)の前記周辺部分を確実に受けるために、それぞれが、前記カラー部(14)の周辺に延出する受け手段の形態であることが好ましい二つのシール要素固定部(36,37)を有することを特徴とする請求項47乃至49の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項51】
前記カラー部(14)は、前記第二の流路(10)と前記シール要素受け部(38)との間の接続路として作用する複数の孔(39)を有することを特徴とする請求項47乃至50の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項52】
前記カラー部(14)は、停止部(47)を有することを特徴とする請求項47乃至51の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項53】
前記シール要素(41)と前記カラー部(14)との間の前記シール要素受け部(38)の領域内に、複数の部分に分割されると共に、前記少なくとも一つの接続路(39)と流体流動接触する周辺自由空間(40)又は自由空間(40)が提供されることを特徴とする請求項47乃至52の何れか一項に記載のフィルタ要素(5)。
【請求項54】
圧縮空気流から異物を分離するための圧縮空気フィルタ(1)であって、
請求項47乃至53の何れか一項に従って構成されるフィルタ要素(5)と、
該フィルタ要素(5)を密封して受けると共に、前記フィルタ要素(5)の前記シール要素(41)と関連して少なくとも部分的に前記内周に提供される第一シール面(23)を有するハウジング上部(3)を備えるフィルタハウジング(2)と、
前記フィルタ要素(5)の前記シール要素(41)と関連して少なくとも部分的に正面側に提供される第二シール面(24)を有するハウジングキャップ(4)とを備え、
該ハウジングキャップ(4)は、密封閉鎖位置を形成するために、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作によって前記ハウジング上部(3)に接続可能であり、過度の圧力が、前記シール要素受け部(38)の領域内の前記少なくとも一つの接続路(39)を通って、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)とのシール隣接内、及び前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)とのシール隣接内に生じる場合、前記シール要素(41)が前記フィルタハウジング(2)の閉鎖位置で拡張するように、ハウジング上部(3)前記及びハウジングキャップ(4)に接続可能であることを特徴とする圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項55】
前記シール要素(41)は、周辺的な、環状の、特定形状のシール(41)の形態であることを特徴とする請求項54に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項56】
前記シール要素(41)は、その周辺部分の領域において、容易に変形可能なシールリップ(42,43)を有することを特徴とする請求項54又は55に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項57】
前記フィルタ要素(5)のカラー部(14)は、前記シール要素(41)の僅かな径方向プレテンションで前記シール要素(41)の前記周辺部分を確実に受けるために、それぞれの場合において、前記カラー部(14)の周辺に延出する受け手段の形態であることが好ましい二つのシール要素固定部(36,37)を有することを特徴とする請求項54乃至56の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項58】
前記フィルタ要素(5)のカラー部(14)は、前記第二の流路(10)と前記シール要素受け部(38)との間の接続路として作用する複数の孔(39)を有することを特徴とする請求項54乃至57の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項59】
前記フィルタ要素(5)のカラー部(14)は、軸方向停止に対して所定の方法で、前記ハウジングキャップ(4)の関連した隣接面(48)との隣接に移行されることができる停止部(47)を有することを特徴とする請求項54乃至58の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項60】
前記シール要素(41)と前記カラー部(14)との間の前記シール要素受け部(38)の領域内に、複数の部分に分割されると共に、前記少なくとも一つの接続路(39)と流体流動接触する周辺自由空間(40)又は自由空間(40)が提供されることを特徴とする請求項54乃至59の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項61】
前記自由空間(40)は、前記シール要素(41)の反対側で、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)と前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)との間で密封されるべき空間に対して略正反対に提供されることを特徴とする請求項60に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項62】
前記シール要素(41)は、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)及び前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)の形状に適合されるその幾何学的寸法を有し、その結果、前記フィルタハウジング(2)が閉鎖位置にある時に、前記シール要素(41)は、前記第一シール面(23)と第二シール面(24)との間でシールされるべき空間内に適合されることができることを特徴とする請求項54乃至61の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項63】
前記シール要素(41)の前記シールリップ(42,43)は、前記フィルタハウジング(2)が閉鎖位置にある時に、一方のシールリップ(42)が、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)又は関連した内周面とのシール隣接に移行されることができると共に、他方のシールリップ(43)が、前記ハウジングキャップ(4)の関連した内周面とのシール隣接に移行されることができるような、幾何学的寸法を有するように構成されていることを特徴とする請求項56乃至62の何れか一項に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項64】
前記シール要素(41)は、前記シール要素(41)が前記第一シール面(23)に対して押圧されることができると共に、前記第二シール面(24)が強化されたシール隣接内に押圧されることができるように、過度の圧力を受けることができることを特徴とする請求項63に記載の圧縮空気フィルタ(1)。
【請求項65】
圧縮空気流から異物を分離するためのフィルタ要素(5)であって、
要素下部(6)と、
第一の流路(9)を形成する首部(13)、及び少なくとも部分的に該首部(13)の周りに延出するように構成され、第二の流路(10)を形成するために前記首部(13)に接続されるカラー部(14)を有する要素上部(7)と、
前記要素下部(6)及び要素上部(7)に密封接続されるフィルタ媒体(8)であって、該フィルタ媒体(8)を通って前記第一の流路(9)と前記第二の流路(10)との間の気体流路を形成するフィルタ媒体(8)とを備え、
前記カラー部(14)は、関連したシール要素(22)を受けるために、少なくとも部分的に外周に提供される隣接面(16)を有し、前記シール要素(22)は、付加的な力の作用を受けることなく所定の径方向の延出を有し、力が、前記要素下部(6)の方向から前記シール要素(22)に略軸方向に作用する場合、前記隣接面(16)上の前記シール要素(22)の隣接によって所定の放射状の拡張を受けることを特徴とするフィルタ要素(5)。
【請求項66】
圧縮空気流から異物を分離するための圧縮空気フィルタ(1)であって、
請求項65に従って構成されるフィルタ要素(5)と、
該フィルタ要素(5)を密封して受けると共に、前記フィルタ要素(5)の前記シール要素(22)と関連して少なくとも部分的に前記内周に提供される第一シール面(23)を有するハウジング上部(3)を備えるフィルタハウジング(2)と、
前記フィルタ要素(5)の前記シール要素(22)と関連して少なくとも部分的に正面側に提供される第二シール面(24)を有するハウジングキャップ(4)とを備え、
該ハウジングキャップ(4)は、密封閉鎖位置を形成するために、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作によって前記ハウジング上部(3)に接続可能であり、前記フィルタハウジング(2)の閉鎖動作が、前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)と前記ハウジングキャップ(4)との間で互いに向かって略軸方向に向けられた相対運動をもたらすように、前記フィルタ要素(5)は、前記ハウジング上部(3)及びハウジングキャップ(4)に接続可能であり、それによって、前記ハウジングキャップ(4)の前記第二シール面(24)は、該第二シール面(24)による略軸方向の力の作用、及び前記フィルタ要素(5)の前記カラー部(14)の前記隣接面(16)に対する前記シール要素(22)の隣接によって、前記ハウジング上部(3)の前記第一シール面(23)とのシール隣接内に、前記シール要素(22)を放射状に拡張させることを特徴とする圧縮空気フィルタ(1)。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図4−5】
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【図4−6】
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【図4−7】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【公表番号】特表2012−512736(P2012−512736A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541474(P2011−541474)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067529
【国際公開番号】WO2010/070102
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(596105013)ケーザー コムプレソーレン ゲゼルシャフト ミットベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】