説明

圧電点火装置を有するライター

ガスライターは、ノズル(35)に接続されるバルブ(34)と、前記バルブの開放を制御するレバー(10)と、前記ノズル及び第2電極に関して下流が分かつ側方に配置された第1電極(29)を備える圧電システム(2)と、バルブ(34)の開放と、作動されたときの電気アークの形成と、を駆動するように構成された制御部材(26)と、を備える。第2電極は、導電材料で形成されたレバー(10)と一体である突出部(50)によって形成されている。突出部の頂部(51)は、ノズル(35)の下流側に配置されており、電気アークを形成することを可能とする第1電極から所定距離を置くために、制御部材(26)の作動中にノズルの中心軸(Z)に関して第1電極(29)とはほぼ反対側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特にタバコ用ライタータイプのガスライターを目的として有しており、点火装置は、圧電システムを用いて得られる。より詳しくは、本発明は、ガスライターであって、
− 中心軸を規定するガス出口ノズルに接続されたバルブと、
− バルブを開放する制御レバーと、
− ガス出口ノズルに関して下流側にかつ側方に配置された第1電極に及び第2電極に接続された電圧源を備える圧電システムと、
− レバーを介したバルブの開放と作動されたときの第1及び第2電極間における電気アークの形成とを駆動するように構成された制御部材と、
を備える、ガスライターに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのライターは、従来の摩擦ホイール型ライターに関して容易とされた点火装置のおかげで、一定の商業的に成功して長年市販されている。実際には、ホイール型ライターを用いた炎の生成は、ユーザから2つの運動(ホイールの回転及びプランジャの押下)を必要とするが、圧電型ライターを用いると、プランジャを押下する運動のみが必要となる。
【0003】
それにもかかわらず、圧電点火装置型ライターの製造は、圧電発電機があるために及び空気/ガス混合体の点火を確実にするために特有の事前注意を要するという事実のために、複雑である。実際には、電気アークは、継続期間が非常に短く、エネルギーが限定される。したがって、このタイプの市販されているライターは、摩擦ホイール型ライターに対してガス出口ノズルにさらなる装置を採用する。このデバイスの機能は、一方では、1以上の第2ガス流動を形成することであり、他方では、点火に好都合な領域に配置された第2電極を構成することである。これら第2ガス流動は、所定の速度及び出力流動を有していなければならず、これらは、外気との混合物を取り計らうため及びガスが1%から8%の間であり点火を可能とする化学量論(stoichiometry)に近接する比率に達するために、主流動よりずっと小さい。広く認められていることは、圧電型ライターの点火に十分に拡張された化学量論領域を得るために、このような拡散デバイスを必要とすることである。
【0004】
大部分の場合において、このデバイスは、間隔をあけた直径非常に小さい螺旋を有する螺旋状バネによって形成され、ガス出口ノズルの開口部内への挿入を介して取り付けられている。この形態は、図4に示されており、例えば特許文献1及び特許文献2などのさまざまな特許文献で説明されている。バネによって実施される分配デバイスは、追加コストを示すが、とりわけ、直径が小さいこのバネをノズルへの挿入を介して取り付けることは、製造を著しく複雑にする。使用中に、防風カバーの後方に外部本体部を導入する事実に起因してバネが変形するまたはノズルを引っ張ることが発生することがある。
【0005】
これら欠点を制限するために、提案されることは、特許文献3で説明されるように、補助出口開口部を有するノズルに取り付けられたキャップを用いて拡散デバイスを実現することである。しかしながら、この解決法は、直径が小さい追加の部品と補助開口部を有するノズルとを必要とし、このノズルは、摩擦ホイール型ライターのために大量に製造される標準的なノズルを直接使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】仏国特許第2551535号明細書
【特許文献2】欧州特許第1435487号明細書
【特許文献3】米国特許第6672861号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、特にその製造を単純化することによって、圧電点火装置型ライターの製造コストを低減することである。もちろん、圧電点火装置の信頼性をほとんど低下させてはならない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明は、上記タイプのライターを目的としており、このライターは、第2電極が、導電材料からなるレバーの材料と一体である突出部によって形成されており、頂部まで延在し、上記頂部が、電気アークを形成するように構成された第1電極から所定距離を置くために、制御部材の作動中に、ノズルの下流側に、かつ上記ノズルの中心軸に関して第1電極のほぼ反対側に配置されることを特徴とする。
【0009】
注意することは、低減した速度で流動を送達する第2開口部がなくても、また、ノズルに挿入されたバネ拡散デバイスを備える従来のシステムと比較して電極間の距離が若干大きくても、ライターの完全に満足できる点火を得ることである。これは、この電極配置を用いて、電気アークが純粋ガスの流れを囲む領域を横断し、ガス/空気混合物が化学量論領域に十分に近接することと、それにもかかわらずライターの点火を得るためにこの領域が十分に延在されていることと、の事実によって説明される。
【0010】
また、第2電極を形成する突出部がレバーと共に単一部品からなるという事実は、導電性とひいては圧電発電機から第2電極へ進む回路内を弱い電流が通過することを改善することによって、この結果に寄与する。実際には、従来技術において、この電流は、レバー、ノズルそして分配デバイスを介して伝達され、これらは、特にレバーとノズルとの間の関節部(articulation)において損失を生成することがある。
【0011】
留意することは、このようにレバーが2つの機能を満たす単一部品を形成するので、ライターの製造を著しく単純化することである。ノズルに取り付けられる部品がもはやなく、ノズルは、完全に、摩擦ホイール型ライターのための標準的なノズルとなる。
【0012】
さらに、本発明の好ましい形態において、以下の配置のいつまたは他のものに頼ってもよい。
− 第2電極を形成する突出部が、基部がレバーと一体である三角形状のプレートの形態を全体的に有すること。この配置は、第2電極の堅固さと第2電極における電気アークの出発の精度との間の良好な歩み寄りをもたらす。
− レバーが、バルブに接続される外部断面を低減した係合部分を囲む2つの枝部を有し、第2電極を形成する突出部が、2つの枝部の少なくとも一方から延在すること。
− 第2電極を形成する突出部の頂部が、電気アークの形成中に、中心軸から1mmから5mmの間で、より好ましくは約2mmの径方向距離に位置すること。第2電極を形成する突出部の頂部が、電気アークの形成中に、ノズルから、中心軸にしたがって2mから8mmの間で、より好ましくは約4mmの長手方向位置に位置すること。
− 第1電極の端部までの及び第2電極を形成する突出部の頂部までのノズルから測定した中心軸にしたがった長手方向距離が、電気アークの形成中にそれらの間で最近で2mmと同一であること。ガスを送達する標準的なデバイスを有するタバコ用ライターを用いて、かつ現在使用されている電力より電力が大きい圧電発電機を頼ることなく点火を得るために、これら値の範囲は、好ましく思われ、突出部の頂部は、ノズルから開始して中心軸にしたがって測定された所定長手方向距離にあり、この所定長手方向距離は、電気アークの形成中に、第1電極の端部からの長手方向距離未満である。
− レバー及び第2電極を形成する突出部は、射出成形された導電性合成樹脂で形成されること。これは、突出部のために必要な材料量を除いて、過剰なコストを掛けることなく比較的複雑かつ精密な形態からなる第2電極を得ることが可能となり、レバー及び第2電極を形成する突出部は、金属プレートから形成される。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、図面を参照しながら、非限定的な例としてもたらされた以下の説明によってもたらされるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明における制御レバーを用いてガスを分配するデバイスを備えるライターの頭部を示す簡略化した横断面図であって、レバーが待機位置にある、横断面図である。
【図2】制御レバーが点火位置にある、図1に類似する図である。
【図3a】図1及び図2の制御レバーを示す斜視図である。
【図3b】別の実施形態における制御レバーを示す、図3aに類似する図である。
【図4】従来技術を示す図2に類似する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
さまざまな図において、同一の参照符号は、同一のまたは同様の構成部材を示す。
【0016】
図1には、本発明におけるガスライター1、より詳しくはタバコ用ライターが横断面で部分的に示されている。ライター1は、圧電点火デバイス2とガスを分配するデバイス3とを備えており、これらデバイスそれぞれは、井戸部4内に、及びプラスチック材料からなる容器の上壁部6に形成されたダクト5を通って、取り付けられている。容器は、構造部7によって上壁部6を越えて延在しており、この構造部は、金属製防風カバーのための支持部として特に使用される。
【0017】
圧電点火デバイス2は、公知の方法で、圧電素子21、プレート22、裏打プレート23及び管状本体部25に取り付けられたプレクサ(plexor)24を備える。作動ボタン26は、管状本体部25の上端部に固定されている。金属製楔部27は、管状本体部25に側方に取り付けられており、裏打プレート23に電気的に接続されている。これら素子は、容器の上側構造部7と井戸部4内に挿入されたスリーブとによって垂直にスライドして案内される。したがって、作動ボタン26は、図1に示す上側待機位置であって図示しないバネによって要請される上側待機位置と、ユーザが十分に高い圧力を掛けると達する点火位置と、の間で垂直に移動可能である。図2に示す点火位置に達すると、プレクサ24は、裏打プレート23に衝突し、圧電素子21は、(15000ボルトの強度の)高電圧を生成し、この電圧は、第1電極29に伝達される。第1電極29は、結合型螺旋がプラスチックの作動ボタン26に取り付けられたバネによって形成されており、後者の内側端部がプレート22と接触し、自由外側端部29aが防風カバー8によって保護される空間に位置するようになっている。
【0018】
第1電極29の自由端部29aは、高電圧が第2電極との間で電気アークを生成するように、以下で詳細に規定される第2電極50に関して配置されている。他方では、裏打プレート23に接続された楔素子27は、制御レバー10に接触し、制御レバーの回動を駆動する。
【0019】
ガスを分配するデバイス3は、完全に標準的である。これは、シリンダ状本体部31を有し、このシリンダ状本体部の下側端部には、多孔性薄膜がワッシャによって保持されている。多孔性薄膜は、そこに接触するガスが気相にあろうと液相にあろうと、容器から到来するガスの流量を調整することを可能とする。中空ロッド32は、シリンダ状本体部31にスライド式に取り付けられている。この中空ロッド32は、その下側端部においてバッファ34を支持し、このバッファは、ロッド32が下位置にあるときに低減した経路を封止するバルブを構成する。
中空ロッド32は、シリンダ状本体部31の外部において、外側断面が低減されかつ2つの径方向区切部によって区画される部分によって形成される係合部分33を有する。この係合部分33は、制御レバー10の回動がシリンダ状本体部31にある中空ロッド32を図1に示す降下位置であって分配デバイス3を封止する降下位置と、図2に示す上昇位置であって分配デバイスがノズル35を介してガスを送達する上昇位置と、の間で上昇及び降下するように係合している。
【0020】
ノズル35は、ここでは、中空ロッド32に形成されているが、他の構成は、可能である。ノズル35は、ノズルの頂部平面に位置する単一の開口部を有する。この開口部は、ここでは、シリンダ状ダクトの開口部によって形成されており、したがって、図1及び図2に示すように、円形の形態及び垂直に配置された中心軸Zを有する。
【0021】
制御レバー10は、容器の上側構造部7によって支持された軸部41に回動するように取り付けられている。図3aにおいて良好に示されるように、レバー10は、傾斜した態様でかつ図において軸部41の左側まで延在する第1腕部43を有する。この腕部43は、自由端部を有し、ボタン26を作動させると楔素子27を支持するようになる。レバー10は、レバーが全体的に開いたV字構造を有するように、ほぼ水平にかつ図において軸部41の右側まで延在する第2腕部44を備える。ここではV字状のブレードの形態をなして実行されるバネ45は、レバー10を図1に示すその待機位置に向けて要請するために、第1腕部43の下側で圧力を掛ける。
【0022】
第2腕部44は、2つの平行な枝部48によって区画される窓部47を有する。これら枝部48は、いくらかの遊びを有して中空ロッド32の係合部分33と協働するように、間隔があけられており、特に隆起部48aに一致する。
【0023】
レバー10の第2腕部44の端部は、この腕部に対してほぼ垂直な態様でかつこの図において上方に頂部51まで延在する突出部50を有する。
【0024】
したがって、頂部51は、レバー10が待機位置にあろうと点火位置にあろうと、ノズル35の開口部平面に関して下流側に位置しており、中心軸Zに関して若干ずらされている。
【0025】
突出部50は、圧電点火システムの第2電極の役割を果たす。しかしながら、留意しなければならないことは、本発明の目的を達成するために重要なことが、レバー10が点火位置にあるときの、すなわち圧電点火システム2が電気アークを生成する電圧を伝送するときの頂部51の位置であることである。頂部51のこの位置は、ノズル35の開口部の下流側に位置し、中心軸Zに関してずらされており、第1電極29とは反対側になければならない。頂部51の幾何形状の中心を中心軸Zに関して第1電極の自由端部29aとは正確に直接反対側にある態様で位置付ける必要はなく、ずらすことは可能である。それにもかかわらず、好ましいことは、これら点を接続する線が所定領域を横断し、この領域において、分配デバイス3のバルブ34を完全に開口すると、ノズル35によって送達されるガスの含有率が100%であることである。この純粋なガス領域の縁部は、図2において小区画Aで示される。しかしながら、この線は、十分な点火を得る場合に、考慮する点においてこの領域の直径の1倍より大きい距離で、領域Aに対して明確に分離した態様で通過してはならない。
【0026】
他方、当業者に明確であることは、レバー10が点火位置にある瞬間に十分なエネルギーの電気アークを形成することを可能とする範囲で、第1電極の自由端部29aと頂部51との間の距離が維持しなければならないことである。図3でより分かるように、突出部50は、全体的に、先端が頂部51を形成して基部52がレバー10と一体である三角形平面の形態を有する。図示された実施形態において延長された三角形の形態にあるこの三角形の形態は、寸法が比較的小さい頂部を形成し、この寸法は、電気アークの端部を正確に位置付ける一方で十分な堅固さを有する突出部50を形成し、いずれにしても、これは、単純なロッドの場合よりも大きい。
【0027】
突出部50は、レバー10の材料に由来する、すなわち、同一材料で構成されており、単一部品のみを形成するためにレバー10と完全な一体性を有する。この部品は、導電材料で形成されていなければならず、突出部50は、圧電点火デバイス2の第2電極というその機能を満たす。
【0028】
図1、図2及び図3Aに示す第1実施形態のレバー10において、これは、例えばある割合の良好な導電性粒子を組み込むことによって、合成樹脂の基部が導電性を有する部品を伴う。レバー10は、射出成形を経てこのプラスチック材料を用いて実施されており、これは、高い精度で部品を得ることが可能となる。突出部50は、型から容易に取り外されるその三角形の形態に起因して、成形方法を複雑にしない。
【0029】
留意することは、突出部50の基部52がバー54によって支持されていることであり、このバーは、図3Aに示されており、第2腕部の枝部48の2つの端部を接続する。これは、第2腕部の堅固さを補強し、合成樹脂の弾性性質は、わずかにスナップさせることで、ノズル35の窓部47を通した、特に係合部分33で隆起部48aとの係合を可能とする。
【0030】
同様に図3Aに示すように、突出部50の基部52は、左側の枝部48の端部においてバー54の一側面に位置する。しかし、より中央の位置や2つの腕部を対称に接続する突出部の基部を考慮してもよい。
【0031】
レバー10の別の実施形態を図3Bに示す。この代替例において、レバー10は、金属プレートで形成されており、したがって、完全に導電性を有し、これは、完全に従来の動作である切断、打抜及び折曲げを経て形成される。
【0032】
留意することは、電極50がこの代替例において、左側の枝部48の端部にのみ接続される基部52を有する。これは、実際には、この枝部の延長部であり、この延長部は、折曲げを経て約90度曲げられている。また、留意することは、三角形の形態にある突出部50は、この延長部にその基部52への堅固さ及び剛性をもたらしつつ、頂部51に低減した寸法をもたらし、これは、良好な精度で電気アークを位置付けることを可能とする。
【0033】
窓部47は、ここでは、ガスを分配するデバイスの係合部分33にある第2腕部44の側方に係合するために、開口しており、このデバイスは、デバイス3と完全に同一である。容器の上側構造部7のみは、この別の実施形態に関して、異なる構造の回動軸部41を支持するために、変更されている。ライターの点火動作は、別の実施形態におけるレバー10を保持することに関係なく、完全に同一である。これは、以下の態様で行われる。
【0034】
ユーザは、親指で制御ボタン26を押圧し、このため、図2の構成を達するときにプレクサ24の衝撃をトリガするまで、裏打プレート23の及び楔素子27の降下を引き起こす。ボタンの降下移動中に、楔素子27は、の回動を駆動するレバー10の第1腕部43に作用する。第2腕部44は、反時計回り方向で数度の円弧を実行し、これは、中空ロッド32の上方への移動を駆動する。中空ロッドのこの移動は、バルブを形成するバッファ34を上昇させ、出口ノズル35を介してガスを送達する。
【0035】
プレクサ24の衝撃時において、すなわち図2の構成において、圧電素子21は、一方ではプレート22を介して第1電極29へ、他方では突出部50によって形成される第2電極へ伝達される非常に高電圧を送達する。第2電極50への伝達は、裏打プレート23、裏打プレートに接続された楔素子27、楔素子27を支持するそこにあるレバー10の第1腕部43及び突出部50を担持する第2腕部44を介して実行される。注意することは、第1腕部43、第2腕部44及び突出部50が、単一の導電部品から形成されること、及び、したがって電気導電性が接触の影響によって不利益を受けないこと、である。この構成において、第1及び第2電極(29、50)は、送達される電圧及び存在する他の素子にしたがって、十分に閉じなければならず、電気アークは、電極間で形成される。より正確には、アークは、最も近接した領域間で、すなわち自由端部29aに向けて曲げられる頂部51の側面とこの自由端部29aの下側部分との間で、形成される。
【0036】
信頼性がありかつ繰り返される点火であってノズル35から延在しかつ空気と混合されるガスの点火を得ることができる。これは、ここまで考慮した分配デバイスがないにもかかわらず、圧電発電機を用いて点火を得るために必要である。図4に示すように、従来技術のライターは、圧電システムとガスを分配するデバイスとを備える全ての点で比較可能であり、螺旋が結合されていない螺旋状バネによって形成される分配デバイスCをさらに有する。直径が小さいバネCの螺旋間隔は、螺旋層の形態にある補助ガス流動Bを送達する機能を有する。小区画Bは、主流動である小区画Aに関して、比率が未だ100%である領域を示している。補助流動Bは、主流動Aよりも十分に小さい噴出速度及び流量を有し、空気との混合物は、分配バネCの中間付近の幅広い領域で及び作動ボタンに取り付けられたバネの自由端部を包囲する領域で得られるようになっている。したがって、第1電極を形成するバネの自由端部と分配バネCの上左側端部との間で形成される電気アークは、ほぼ全てが空気/ガス混合領域に含まれ、主純粋ガス流動Aを横断しない。
【0037】
本発明におけるデバイスを用いて信頼性のある点火を得ることは、もちろん、圧電システム2によって生成された電圧、電流及び放電のような複数のパラメータ、ノズル35によって送達されたガス流動Aの特性、カバーによって区画される空間の内側における空気の循環の特性、並びにこのガスの流動に関する第1及び第2電極(29、50)の本質的な配置に依存する。
【0038】
標準的なタバコ用ライター、すなわちノズル35と存在するガス流動の特性とが分配デバイスがないことに起因して摩擦ホイール型ライターのこれらノズル及びガス流動の特性と同一であり、圧電発電機が使用された圧電発電機と同一であるライターに関して、頂部51を位置付けるパラメータが好ましいように思われる。これは、頂部51を、ガスの流動に、より正確にはその中心軸Zに関して位置付けること、及び、第2電極のこの頂部51と第1電極の自由端部29aとの間の相対的な位置付けること、を伴う。
【0039】
以下の特性を満たすことが好ましい。
【0040】
第2電極を形成する突出部の頂部51は、1mmから5mmの間で中心軸Zから径方向距離R2に位置する。より短い距離R2は、存在するガス流動を阻害する危険性がある一方、より長い距離は、2つの電極を過剰に離間させる。図示の実施形態において、距離R2は、約2mmである。図1に示す径方向距離R2は、もちろん電気アークの形成時に対応する構成において測定されなければならず、頂部51を制御レバー10の移動に起因して他の構成においてさらに離間させることができる。
【0041】
第2電極を形成する突出部50の頂部51は、2mmから3mmの間にある長手方向位置L2に位置する。頂部のこの長手方向位置L2は、ノズル35の開口部の平面から測定した距離に対応しており、中心軸Zと平行な方向にしたがっている。より短い距離は、電気アークがノズル35に近接して位置付け、これは、電気アークの軌道をよりランダムにさせ、点火をより困難にさせることがある。より長い距離は可能であるが、スクリーン8の下方にある点火システムによって空間が占有される損害がある。実施形態において、距離L2は、電気アークの形成中に約4mmである。
【0042】
第1電極29の端部29aは、電気アークの形成時において、すなわちボタン26を押圧したときに、ノズル35の長手方向距離L1に位置する。第1及び第2電極(29、50)の長手方向距離(L1、L2)は、点火の良好な効果のための最適な内部電極距離を得るようにかつ第1及び第2電極間に電気アークが存在することを保証するために選択されている。より好ましくは、距離L1及びL2は、このようにガスの流動に対して比較的垂直である電気アークの形成時に2mmより大きく異ならない。
【0043】
距離L1及びL2間に差がある場合、好ましいことは、第2電極を形成する突出部50の先端部51がノズル35に近接し、突出部50のサイズを制限するために、L2がL1未満であることである。
【0044】
もちろん、タバコ用ライター型のライターに対して上述のように図示した実施形態は、限定的ではない。幾何形状の代替例及びさらに構造的な代替例は、以下の特許請求の範囲によって規定される範囲にあり続けた状態で、可能である。例として、ここではその中心軸41回りで傾くことを実行するレバー10は、大幅に異なる運動と並進運動とを有してもよい。ノズル35は、ここでは、バルブを形成するバッファ34と一体的に移動可能であるが、他のタイプのライターに関して、例えばバーベキュー用ライターに関してのように、可撓性ダクトを介してバルブにノズルを接続してもよい。第2電極を形成する突出部50は、三角形状のプレート以外の他の形態で実施されてもよく、さらに、ガスの流動を点火させることが可能な少なくとも1つの電気アークを得るように先端部を配置する限り、複数の先端部を有してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ガスライター,ライター、2 圧電システム,圧電点火システム,圧電点火デバイス、10 レバー,制御レバー、21 圧電素子(電圧源)、26 ボタン,作動ボタン,制御ボタン(制御部材)、29 第1電極、29a 自由外側端部,自由端部,端部、33 係合部分、34 バルブ,バッファ、35 ノズル,出口ノズル(ガス出口ノズル)、48 枝部、50 突出部,第2電極、51 頂部,先端部、52 基部、L1 長手方向位置,距離、L2 長手方向位置,距離、R2 径方向距離,距離、Z 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 中心軸(Z)を規定するガス出口ノズル(35)に接続されるバルブ(34)と、
− 前記バルブ(34)の開放を制御するレバー(10)と、
− 前記ガス出口ノズルに関して下流側かつ側方に配置された第1電極(29)に及び第2電極に接続される電圧源(21)に接続される圧電システム(2)と、
− 前記レバー(10)を介した前記バルブ(34)の開放と、作動されたときにおける前記第1及び第2電極間の電気アークの形成と、を駆動するように構成された制御部材(26)と、
を備え、
前記第2電極が、導電材料からなる前記レバー(10)の材料と一体に形成された突出部(50)によって形成され、頂部(51)まで延在し、
前記頂部(51)が、電気アークを形成するように構成された前記第1電極(29)から所定距離を置くために、前記制御部材(26)の作動中に、前記ガス出口ノズル(35)の下流側に、かつ前記ガス出口ノズル(35)の中心軸(Z)に関して前記第1電極(29)とはほぼ反対側にある態様で配置されることを特徴とするガスライター。
【請求項2】
前記第2電極を形成する前記突出部(50)が、基部(52)が前記レバー(10)と一体である三角形状のプレートの形態を全体的に有することを特徴とする請求項1に記載のガスライター。
【請求項3】
前記レバー(10)が、前記バルブ(34)に接続される外部断面を低減した係合部分(33)を囲む2つの枝部(48)を有し、
前記第2電極を形成する前記突出部(50)が、2つの前記枝部(48)の少なくとも一方から延在することを特徴とする請求項1または2に記載のガスライター。
【請求項4】
前記第2電極を形成する前記突出部(50)の前記頂部(51)が、電気アークの形成中に、前記中心軸(Z)から1mmから5mmの間で、より好ましくは約2mmの径方向距離(R2)に位置することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のガスライター。
【請求項5】
前記第2電極を形成する前記突出部(50)の前記頂部(51)が、電気アークの形成中に、前記ガス出口ノズル(35)から、前記中心軸(Z)にしたがって2mmから8mmの間で、より好ましくは約4mmの長手方向位置(L2)に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガスライター。
【請求項6】
前記第1電極の端部(29a)までの及び前記第2電極を形成する前記突出部の前記頂部(51)までの前記ガス出口ノズル(35)から測定した前記中心軸(Z)にしたがった長手方向距離(L1、L2)が、電気アークの形成中に、それらの間で最近で2mmと同一であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のガスライター。
【請求項7】
前記突出部(50)の前記頂部(51)が、前記ガス出口ノズル(35)からかつ前記中心軸(Z)にしたがって測定して長手方向距離(L2)にあり、前記長手方向距離(L2)が、電気アークの形成中に、前記第1電極(29)の端部(29a)からの長手方向距離(L1)よりも小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のガスライター。
【請求項8】
前記レバー(10)と前記第2電極を形成する前記突出部(50)とが、射出成形された導電性合成樹脂で実施されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のガスライター。
【請求項9】
前記レバー(10)と前記第2電極を形成する前記突出部(50)とが、金属プレートを用いて実施されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のガスライター。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−529615(P2012−529615A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514481(P2012−514481)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/058237
【国際公開番号】WO2010/142788
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)