説明

地図及びこの地図を含むメモ用紙並びにこのメモ用紙を収容した記録具

【課題】 個別のニーズに応じた地図を提供する。
【解決手段】 複写機の光学系から発射される光を吸収する金属を含むインキを用いて所定の表示、例えば道順を印刷した。コピーしたときに道順などのその他の表示と区別された態様で明瞭に再現される。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、特殊なインキを用いて印刷した地図、及びこの地図を含むメモ用紙、並びに上記地図をケースに収容した記録具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、都市区分地図のような地域地図が数多く提供されている。これらの地図の多くは汎用性が持たせてあり、あらゆる利用目的を考慮して編纂されている。また、そのために各種の色のインクで印刷されて、道路やそれによって分断された地域や用途などの色分けされている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の地図はこれを複写機で白黒コピーすると道路とそれによって分断された地域が明瞭に区別できず、利用価値が著しく低下するものであった。また、たとえ従来の地図を拡大コピーしても結果は同様で、例えば最寄りも駅から特定の建物に至るまでの道順をその拡大した地図から読み取るのも必ずしも容易ではなかった。このような問題は従来の地図が過度に汎用性を持たせていることから生じるもので、個々の具体的ニーズ、例えば最寄りの駅から自社までの道順を顧客に教えたり、目印となる場所(例えば有名な建物)から集合場所などを他人に教えるような場合には、そのままでは有効な手段になり得なかった。
【0004】
一方、販促商品としてティシュペーパなどが利用されているが、特定の会社用の販促商品として、目印となる場所(例えば駅、駅に複数の改札口や出口がある場合にはそれらの改札口や出口)からその会社までの道順を表示し、かつそれ拡大コピーしたときに道順が明瞭に表れるような地図を提供できれば、この会社は当該地図の拡大コピーをファクシミリなどの通信手段を利用して顧客へ送信して所在地を間違いなく教えることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような課題や利便性を考慮してなされたもので、複写機の光学系から発射される光を吸収する金属を含むインキを用いて所定の表示を印刷した地図を提供するものである。次に、本考案のメモ用紙は、上記地図を含むものである。続いて、本考案の記録具は、上記地図を折り畳んでケースに収容したものである。なお、上記金属としては、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、チタン、金、銀の中から選択された一種類以上のものを用いるのが適当である。また、上記所定の表示がその地図の中に表された特定の場所、及び/又はこの特定の場所への道路であるのがよい。さらに、上記地図やメモ用紙にはミシン目を入れておくと便利である。
【0006】
【考案の作用及び効果】
上記地図によれば、特定の表示、例えばある特定の場所から別の特定の場所までの道順が上記特殊インキで印刷されているので、これを拡大コピーしたときにその特殊インキで描かれた道順等がそれ以外のインキで描かれた道路や地形から明瞭に区別される。したがって、このコピーは特定の表示を必要とする人にとっては極めて有効な地図となる。また、拡大コピーをファクシミリで送信しても同様で、受信人にとってもその特定の表示は目的にかなった有効な手段となる。
【0007】
【考案の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本考案の具体的な実施の形態について説明する。図1は本考案の地図1、図2はこの地図1の裏面を示す。この地図1は、例えばA4サイズの用紙に印刷されており、格子状にミシン目2が縦横所定の間隔で設けてある。ミシン目2で区画された地域には、例えば図3、4に示すように、その地図で特に表示したい内容、すなわちある特定の場所3(具体的には店舗、ビル)と、別の特定の場所4(例えば駅)と、これらを結ぶ道順5が、その他の表示とは区別できる色の特殊インキで表示されている。
【0008】
この特殊インキは、地図を複写機でコピーしたときに他の表示から区別された態様で再現できるもので、複写機の光学系から発射される光を吸収する金属の粉末が混入されている。この金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、チタン、金、銀などの利用でき、一種類又は複数種類の金属を混合してもよい。その他に、インキとしは、熱や温度の違いによって色の変化するインキ、蛍光インキ、染料インキなどを混入してもよく、その場合には特定の表示をさらに明瞭に表示できる。主体の印刷インキに対する金属粉末混入率は、印刷インキに対して1〜10%とするのが好ましく、その範囲で目的に応じて調節することができる。
【0009】
この地図1はそのままでも利用できるし、ミシン目2に沿って必要な部分だけを切り取って利用することもできる。また、地図1、又は切り取った部分をコピーした場合には、特殊インキで表示された内容は、複写機の光学系から発射された光を金属の混入率に応じて吸収するので、その他の表示内容と明瞭に区別された状態でコピー画像上に現れる。すなわち、特殊インキで表示された内容だけが明瞭に浮き上がった状態で表示される。
【0010】
また、地図1は、図5に示すように、ミシン目2に沿って折り畳み、例えば透明プラスチックケース6に収容して商品とするのが好ましい。例えば、ある店舗や会社の所在地から最寄りの駅までの道順を特殊インキで表示したものを、当該店舗や会社の顧客に対する販促商品とすれば、その店舗や会社を利用する顧客にとって利用価値の高いものとなる。このケース6は、ティッシュペーパを収容したプラスチックフィルムの袋でもよい。また、図2に示すように、地図の裏面には罫線7を印刷しておけば、全体としてまたミシン目2に沿って破った各片をメモ書きとしても利用できる。
【0011】
なお、特殊インキで表示する内容は、建物や道路に限るものでなく、その地図の中に表された地名や片隅の住所などでもよく、個別のニーズに応じて変化するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の地図の平面図である。
【図2】 図1に示す地図の裏面図である。
【図3】 図1に示す地図の部分拡大図である。
【図4】 図1に示す地図の部分拡大図である。
【図5】 図1に示す地図とこれを収容するケースとを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…地図、2…ミシン目、6…ケース、7…罫線。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 複写機の光学系から発射される光を吸収する金属を含むインキを用いて所定の表示を印刷した地図。
【請求項2】 上記金属が、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、チタン、金、銀の中から選択された一種類以上である請求項1の地図。
【請求項3】 上記所定の表示がその地図の中に表された特定の場所、この特定の場所への道路の少なくともいずれか一つである請求項1の地図。
【請求項4】 ミシン目が格子状に設けてある請求項1の地図。
【請求項5】 複写機の光学系から発射される光を吸収する金属を含むインキを用いて所定の表示を印刷した地図を含むメモ用紙。
【請求項6】 上記金属が、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、チタン、金、銀の中から選択された一種類以上である請求項5のメモ用紙。
【請求項7】 上記所定の表示がその地図の中に表された特定の場所、この特定の場所への道路の少なくともいずれか一つである請求項5のメモ用紙。
【請求項8】 ミシン目が格子状に設けてある請求項5のメモ用紙。
【請求項9】 複写機の光学系から発射される光を吸収する金属を含むインキを用いて所定の表示を印刷した地図と、この地図を収容するケースとを備えた記録具。
【請求項10】 上記金属が、鉄、アルミニウム、銅、鉛、亜鉛、チタン、金、銀の中から選択された一種類以上である請求項9の記録具。
【請求項11】 上記所定の表示がその地図の中に表された特定の場所、この特定の場所への道路の少なくともいずれか一つである請求項9の記録具。
【請求項12】 上記地図にはミシン目が格子状に設けてある請求項9の記録具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】第3027305号
【登録日】平成8年(1996)5月22日
【発行日】平成8年(1996)8月9日
【考案の名称】地図及びこの地図を含むメモ用紙並びにこのメモ用紙を収容した記録具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−13813
【出願日】平成7年(1995)12月28日
【出願人】(390021175)株式会社クリエート (3)
【出願人】(592020954)東洋精版印刷株式会社 (2)