説明

地球環境改築方法

【目的】 地球環境を守り、さらには地球環境を人類にとって住み易いものに改築する方法を提供するものである。
【構成】 多量の水を地球E上から宇宙空間に発射することにより、地球Eを取り巻く環状体Rを形成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地球環境を守り、さらには地球環境を人類にとってより住み易いものに改築する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我々人類の住む地球上の環境は近時急速なスピードで破壊が進みつつある。例えば森林資源の枯渇から来る異常気象、二酸化炭素発生源の増大に伴なう温暖化および酸性雨、或いはフロンガスによるオゾン層破壊の問題等、地球規模でとりくまねばならない緊急の課題が多数ある。
【0003】しかしながら、これに対する対策は従来では産業活動全般にわたって省エネルギー化および省資源化を一層押し進める程度のことであり、他に有効な対策はないというのが現状であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述に鑑みてなされた地球環境改築方法で、多量の水を地球上から宇宙空間に発射することにより、地球を取り巻く環状体を形成することを特徴としたものである。
【0005】
【作用】太陽光線が環状体により反射されるので、地球上の気象は、昼夜,夏冬,熱帯,寒帯の温度差および日照時間差が平準化され、地球全体を人類によってより住み易い気象条件とすることができる。また、環状体は紫外線を遮断し得るなど地球環境の保護にもなる。
【0006】
【実施例1】次に本発明の実施例を図と共に説明する。先ず、地球上にある水を宇宙空間に発射する発射装置を説明する。この発射装置としては、既存の燃料ロケット,スペースシャトル等を使用することができるが、本発明者の発明に係る特許第552544号(特公昭44−3438号)にて開示されたロケット発射装置の原理を使用するのがコスト面で望ましい。このロケット発射装置は、高速回転する大径の円盤の遠心力を利用するもので、図1,図2に水を発射するのに適した装置を例示する。
【0007】図において、1は地上に樹立固定された基礎で、その中心に給水管2が垂直に設けられ、該給水管2はポンプ3を介して水(海水でもよい)を汲み上げ該基礎1の上端部に形成された貯水槽4に給水できるようにしている。
【0008】基礎1の外周にはリニヤモータ5,6が設けられ、該リニヤモータ5,6にて浮揚され回転自在なるように円盤7を支持する。該円盤7は半径数キロメートルの大径のもので、該円盤7の中心部には前記基礎1の上端面と共に前記貯水槽4が形成されるように円筒壁8が設けられている。なお9は貯水槽4の漏水を防ぐため円筒壁8内面と基礎1上端面間に設けられたスライドパッキンである。
【0009】10は円盤7に配設されたパイプで、該パイプ10の一端は前記円筒壁8を貫通して貯水槽4に開口11していると共に、他端は円盤7の外周縁に設けられた発射台12に連通している。該発射台12は該円盤7の回転方向に開口した枡状を呈していてパイプ10を通して送られて来た水が該発射台12中にいったん入り得る。
【0010】この大径の円盤7をリニヤモータ5,6の駆動により1分間に数拾回転させれば、外周縁に位置する発射台12の周速度は毎秒数キロメートルを超える高速(宇宙速度)が達成される。そこで、給水管2を通して貯水槽4に供給された水はパイプ10を通り発射台12に至り、該発射台12から大空に発射され地球のまわりを公転する人工衛星となる。こうして多量の水を宇宙空間に一定速度で発射することにより地球を取り巻く水の環状体が形成される。なお、発射するに当り水を氷塊状にしたり或いは適当な容器に充填して発射してもよい。
【0011】上記のようにして例えば図3に示したように、地球Eを取り巻く水の環状体Rを形成させた場合、該環状体Rには地球上にふりそそいでいた太陽光線の一部が吸収されこれを四散させるので、昼間の太陽光線量を減少させると共に夜間は該環境体Rに反射された太陽光線が地上にとどき、人間の活動時間に合うよう日照時間を長くすることができると共に、昼夜の温度差を減少させすごし易い気候が達成される。
【0012】またこのように環状体Rを設けることによって太陽光線が太陽が位置する方向からだけでなく多方向から地上にふりそそぐこととなるので、寒冷地域の温暖化および熱帯域の冷涼化が達成され、地球全体を人類にとって住み易く、また有益な植物の成育に適した温度環境に改善することができる。
【0013】さらには夏と冬との温度差をも緩和させ冷暖房を必要としない理想的な環境をもたらす。このため地球上のエネルギー消費は減少し、食料等有用な植物の生産性は増すなど人類にとって素晴らしい環境が達成される。
【0014】さらに環状体Rはその質量によって地球上に引力を及ぼし地球上の現状の重力加速度を減少させるために地球上の物品の重量を一様に軽減させ重量物の運搬を容易ならしめる。また環状体Rにはオゾン層を破壊するとして問題となっているフロンガスを引力により吸着する作用があると共に、該環状体Rを構成する水には紫外線を吸収する作用もあるので地球上に達する紫外線の増大を効果的にくい止めることができる。
【0015】なお、永久凍土や氷山の融解にともなう海水面の上昇は宇宙空間に発射することにより失なわれる地球上の海水とバランスさせられるので問題とはならない。また環状体Rは図示したように地球全体を取り巻くものでなくても部分的に形成させてもよいと共に、さらに多重に環状体Rを形状することによりその作用が増大することは言うまでもない。
【0016】
【発明の効果】このように本発明の地球環境改築方法によれば地球環境を保護すると共に、地球環境を人類にとってさらに住み易いものに改善し得る有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発射装置の縦断面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】地球と環状体の斜視図。
【符号の説明】
E 地球
R 環状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】 多量の水を地球上から宇宙空間に発射することにより、地球を取り巻く環状体を形成することを特徴とした地球環境改築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開平6−70650
【公開日】平成6年(1994)3月15日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−253920
【出願日】平成4年(1992)8月27日
【出願人】(592201715)