説明

堤防の漏水抑止装置及び方法

【解決手段】 底部9に取水口10と上部11に開閉可能の開口部12とを有する柔軟な水密性の扁平な袋体8と、前記底部9における取水口10の周囲上面に設けられた環状のパッキン14と、当該パッキン14及び前記袋体8の取水口10とを貫通して地面7に打ち込まれたパイプ20とを有し、前記パッキン14を押圧手段により前記袋体8の底部9に圧接せしめる。
【効果】 前記パイプ20を漏水個所6を取り巻いて地面7に打ち込むので、地面7に浸食溝があってもその浸食溝をパイプ20が遮断し、漏水個所6から漏出した水を確実に袋体8内に誘導することができる。また袋体8内に貯留された水の圧力により、パイピングをほゞ完全に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豪雨などによる河川の増水時に、パイピングによる堤防からの漏水を抑止するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
河川1は通常図1に示すように、堤防2により人の居住区域3と区分され、堤防2は通常河川1が増水しても越流することがないだけの高さを有している。そして河川1の水は堤外を流れて堤内に溢出することがないようになっている。
【0003】
しかしながら堤防2は、長期間のうちに老朽化し、ひび割れ、小動物による穿孔、植物の根の侵入などにより空隙が形成され、増水時にはかかる空隙に水が浸入し、さらに水頭圧によって通水性を有する砂層4を通じて堤内に漏出する水みち5が形成され、かかる水みち5を通じて河川の水が堤内に漏水することがある。
【0004】
かかる現象はパイピングと呼ばれ、これを放置していると、水みち5内を流れる水によって穿掘が生じて水みち5が拡大し、さらに漏出量が増加することにより穿掘が加速して水みち5が急速に拡がり、最悪の場合には破堤に至る可能性もある。従ってパイピングが生じたときには、その初期に防止策を講じる必要がある。
【0005】
パイピングを防止する方法として最も一般的に行われているのは、釜段工あるいは月の輪工と呼ばれる工法である。この工法についてはhttp://www.cgr.mlit.go.jp/ctc/tech_dev/topics/suibou/s_syurui09.htm及びリンクに詳細に説明されている。
【0006】
すなわち漏水個所6の周囲を土嚢で囲み、その土嚢で囲まれた内部に漏出した水を貯留することにより、貯留した水の水頭圧によって漏水の加速を抑止する工法であって、主として平らな地面に漏水する場合に、その周囲を土嚢で環状に囲む工法を釜段工と呼び、堤防の裏法面から漏水する場合に、その漏水個所6を法面に対して土嚢で半月状に囲む工法を月の輪工と呼んでいる。
【0007】
これらの工法は漏水を完全に阻止するものではなく、単に水みち5内の水の流速を抑制するのみであるが、時間が経過して河川1の増水が解消すれば水みち5内に水の流通は減少し、水に含まれていた土砂が水みち5内に沈澱して漏水は減少し、最終的には水みち5が解消して自然に漏水が止まるのであって、河川1の増水時に一時的に漏水を抑制するだけでも十分に効果がある。
【0008】
しかしながらこれらの工法においては、これを実施するためには多くの人員を必要とし、また多数の土嚢を用意しなければならないのであって、豪雨などで洪水の危険が迫っているときに、個々の漏水個所にこのように多くの人員と資材を投入することは、極めて困難である。
【0009】
またこれらの工法を実施するためには、土嚢を積み上げる地面がある程度平らであることが必要である。土嚢は変形可能であるからある程度までは凹凸があっても追従できるが、地面に土嚢が追従し得ないような激しい凹凸や段差があると、土嚢と地面との間の隙間から水が漏出し、パイピングを防止するに十分な水位が得られない。またこれらの凹凸を均すためにはさらに多くの人員や資材を必要とする。
【0010】
また地面から湧出する水を蓄えるための装置として、特開2008−115634号公報に記載されたものがある。この装置は底面に開口を有する容器を湧水個所に置き、容器底面と地面との間を水膨潤体でシールし、湧出した水を容器内に蓄えるものであって、取水装置としての他、前記釜段工の代替として使用することもできる。
【0011】
この装置は漏水個所に簡単に設置することができ、多くの人員や資材を必要とすることはないが、この装置においても、地面が容器底面との間を水膨潤体でシールすることができる程度に平らでなければならない。
【0012】
特にパイピングにより地面に水が湧出して地面を流れると、その流水によって短時間のうちに地面が浸食されて浸食溝を形成する。そのため先に述べた釜段工や月の輪工においても、また前記取水装置においても、その浸食溝を流れる水を止めることはできず、パイピングを確実に防止するのは極めて困難である。
【0013】
また一般にパイピングを防止するためには、漏水個所にかかる水頭圧は50cmあれば十分であるとされている。しかしながらこれらの工法は本来、漏水を完全に遮断し得るものではなく、水みち5を流れる水の流速を抑えることにより穿掘を防止するものであって、河川1が増水して水位が増した場合には穿掘を十分に阻止することができず、貯留した水の水位をさらに高めることが好ましい場合もある。
【0014】
しかしながら釜段工などにおいて水位を高めるためにはさらに土嚢を積み増さねばならず、土嚢を積み増して水位が高くなればそれに応じて内部の水圧も高くなるため、釜段の幅方向にも土嚢を追加する必要があり、さらに人員と資材を必要とする。また前記公報に記載された容器では、必要に応じて容器の高さを増すことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2008−115634号工法
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】http://www.cgr.mlit.go.jp/ctc/tech_dev/topics/suibou/s_syurui09.htm
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、多量の人員や資材を必要とせず、少人数で短時間のうちに、確実にパイピングを防止することができ、且つ漏水個所に大きな圧力を作用させて、ほゞ完全に近くパイピングを防止することのできる装置及び方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
而して本発明の漏水抑止装置は、底部に取水口と上部に開閉可能の開口部とを有する柔軟な水密性の扁平な袋体と、前記底部における取水口の周囲上面に設けられた環状のパッキンと、当該パッキン及び前記袋体の取水口とを貫通して地面に打ち込まれたパイプとを有し、前記パッキンを押圧手段により前記袋体の底部に圧接せしめたことを特徴とするものである。
【0019】
本発明においては、前記パッキンとして、透水性を有する環状の袋内に水膨潤性樹脂粉末を封入してなる水膨潤体を使用するのが好ましい。また前記パイプの先端には、カッター刃を形成することが好ましい。
【0020】
また本発明における前記押圧手段としては、パッキンの上に載置された土嚢を使用することができる。またこの場合には、前記パッキン上に環状の押え板を載置し、当該押え板の上に前記土嚢を載置することもできる。またパッキン上に比重の大きい材料よりなる環状の押え板を載置して押圧手段とすることもできる。
【0021】
また本発明における押圧手段として、パッキンの上に載置された押え板と、前記パイプの上端に形成されたフランジとよりなり、パイプを地面に打ち込むことにより前記フランジが押え板を押圧して、当該押え板と前記貯水槽の底面との間にパッキンを挟圧したものとすることも可能である。
【0022】
また本発明の装置においては、前記袋体が、0.005MPaを超える内圧を排出する排出手段を有するものとするのが好ましい。
【0023】
次に本発明の漏水抑止方法は、漏水を生じている地面上に、上記に記載した堤防の漏水抑止装置における袋体を載置し、当該袋体の開口部を開いて底部の取水口を漏水個所に一致せしめ、前記取水口の周囲上面に環状のパッキンを載置し、当該パッキンを袋体の底部に圧接せしめ、当該パッキンと袋体の取水口とを貫通してパイプを地面に打ち込み、この状態で袋体の開口部を閉じ、前記漏水個所から漏出する水を袋体内に貯留することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、前記パイプを漏水個所を取り巻いて地面に打ち込むので、地面が平滑である必要は少なく、前述のような浸食溝があってもその浸食溝をパイプが遮断し、漏水個所から漏出した水が浸食溝を通じて漏れ出すことがなく、確実に袋体内に誘導することができる。
【0025】
またパッキンが袋体の底部の取水口周囲に圧接してシールし、またパイプとの間もシールするので、袋体内の水が取水口から逆流することもなく、確実に袋体内に蓄えられ、当該袋体内に貯留された水の圧力により、パイピングによる漏水を確実に抑止することができるのである。
【0026】
また本発明によれば、漏出した水は水密性の袋体内に貯留されて外部に漏出することがないので、漏出した水によって袋体内が満たされたならば、さらに漏出した水によって袋体内の圧力が高まり、当該圧力が漏水個所に作用して漏水を抑制するので、ほゞ完全にパイピングを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】堤防にパイピングが生じる状態を模式的に示す断面図。
【図2】本発明を実施する状態の一形態を示す断面図。
【図3】本発明における押圧手段として土嚢を使用した例を示す主要部の断面図。
【図4】本発明における押圧手段として押え板を使用した例を示す主要部の断面図。
【図5】本発明における押圧手段として、パイプにフランジを形成した例を示す主要部の断面図。
【図6】本発明において使用する水膨潤体を示すものであって、(a)は斜視図、(b)は中央縦断面図、(c)は膨潤した状態の中央縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下本発明を図面に基づいて説明する。図2は本発明によりパイピングを防止する状態を示すものであって、7は地面であり、地下の水みち5を通じて漏水個所6に水が漏れ出している。
【0029】
8は柔軟で水密性の布帛などにより作られた袋体であって、全体として上下に薄い扁平な形状をなしており、その底部9に取水口10が形成されており、当該取水口10が前記漏水個所6に一致するように地面7上に載置されている。また袋体8の上部11には開口部12が形成され、水密ファスナー13により開閉可能となっている。
【0030】
なおこの袋体8は、漏水個所6から漏出した水を貯留することができるだけの水密性が必要であるが、過度に高い水密性を要するものではなく、貯留した水の圧力が高まれば適宜漏出することがあっても差し支えない。
【0031】
前述のようにパイピングを防止するためには、漏水個所6に50cm程度の水頭圧が作用すれば十分であるとされており、袋体8に当該水頭圧に相当する0.005MPaを超える内圧がかかった時には、その圧力を適宜逃す排出手段を設けるのが好ましい。その排出手段はバルブなどでもよいが、袋体8の縫製部などから漏出して適当に圧力を逃がすように設計するのが好ましい。
【0032】
而して袋体8の底部9における取水口10の周縁部上に、環状のパッキン14が載置されている。パッキン14は通常の柔軟な弾性体製のものであっても良いが、図6に示すような水膨潤体15を使用するのが好ましい。
【0033】
水膨潤体15は図6の(a)及び(b)に示すように、透水性の紙又は布で作られた環状の袋16の中に水膨潤性樹脂粉末17を封入したものであって、これが水に触れることにより前記水膨潤性樹脂粉末17が膨潤してゲル化し、図6(c)に示すように急速に体積を増すものである。
【0034】
そしてそのパッキン14上に押圧手段として押え板18が載置され、その押え板18上に土嚢19が載置されており、当該土嚢19の重量により、押え板18を介して前記パッキン14を取水口10の周囲の底部9の上面に圧接して密着させている。
【0035】
またパッキン14として前記水膨潤体15を使用することにより、当該水膨潤体15が体積を増して袋体8の底部9を地面7に押しつけるので、地面7に多少の凹凸があっても底部9はその凹凸に沿って地面7に密着し、底部9と地面7の間から水が漏出するのを有効に防止することができる。
【0036】
而して本発明においては、前記押え板18、パッキン14及び袋体8の取水口10を貫通して、パイプ20が地面に打ち込まれている。当該パイプ20の先端には、図面に示すようにカッター刃21を形成するのが好ましい。
【0037】
前記漏水個所6を取り巻いた地面7にパイプ20を打ち込むことにより、地面に激しい凹凸があったり前述のような浸食溝が形成されたような場合で、袋体8の底部9の下面が地面に沿いにくいような場合においても、パイプ20がその浸食溝などの凹凸を遮断するため、漏水個所6から漏出した水はシート9の下に流れ込むことはなく、確実にシート9上に貯留されるのである。
【0038】
また上述のようにパイプ20の先端にカッター刃21を形成することにより、地面の草や地中の草や木の根を切断して深く打ち込むことができ、草などを伝ってパイプ20内外を通じた新たな水みちが形成されるのを防止する。
【0039】
本発明の装置を設置するには、漏水個所6を有する地面7上に折り畳まれた袋体8を載置して展開し、上部11の水密ファスナー13を開いて開口部12を開放し、底部9の取水口10を漏水個所6に一致せしめる。
【0040】
この状態で取水口10の周縁の底部9上にパッキン14を載置し、当該パッキン14上に押え板18を載置し、これら押え板18、パッキン14及び取水口10を貫通して、漏水個所6を取り巻く地面7にパイプ20を打ち込み、さらに押え板18上に土嚢19を載置する。そしてこの状態で袋体8の開口部12を水密ファスナー13で閉じて、袋体8内を密封する。
【0041】
本発明においては、取水口10の周囲に載置したパッキン14を押圧手段で押さえ、袋体8の底部9に圧接せしめることが必要である。以上の説明においては、その押圧手段として押え板18及び土嚢19を使用しているが、押圧手段としてはこれに限られるものではない。
【0042】
図3はその押圧手段として土嚢19のみを使用した例を示すものである。すなわち取水口10の周囲にパッキン14を載置し、当該パッキン14上に直接土嚢19を載置したものである。
【0043】
地面7に段差があるような場合には、押え板18を載置することにより段差の低い部分にパッキン14が十分に沿いにくいので、パッキン14上に直接土嚢19を載置することにより、地面7の段差などの凹凸にパッキン14が沿い易くなる。
【0044】
また図4は、押圧手段として押え板18のみを使用した例を示すものである。地面に凹凸などがないときには、パッキン14上に十分に比重の大きい金属などの材料よりなる環状の押え板18を載置することにより、パッキン14を袋体8の底部9を介して地面に圧接せしめることができる。
【0045】
また図5は、パイプ20が押圧手段を兼ねた例を示すものである。すなわちパイプ20はその上端にフランジ22が形成されており、パッキン14上に押え板18を載置し、当該パッキン14、押え板18及び取水口10を貫通してパイプ20を打ち込むと共に、当該パイプ20のフランジ22が押え板18を押圧し、その押え板18と袋体8の底部9との間にパッキン14を挟圧するのである。さらに押え板18上に土嚢19を載置することもできる。
【0046】
これらの押圧手段やパッキン14は、漏水個所6の周囲の地面の状態などにより適切なものを使用するのがよい。すなわち袋体8と共に各種のパッキン14、パイプ20、押え板18、土嚢19などを用意しておき、現場の地面の状況に応じて最も適切なものを使用するのが好ましい。
【0047】
本発明によれば、押え板18と袋体8の底部9との間にパッキン14が挟圧されており、且つ漏水個所6を取り囲んでパイプ20が打ち込まれているので、漏水個所6から漏出した水は確実に袋体8内に入る。またパッキン14として水膨潤体15を使用することにより、漏水個所6から漏出した水によって水膨潤体15が膨潤して大幅に体積を増し、押え板18と底部9との間を確実にシールする。
【0048】
従って施工前に漏水個所6から流出した水によって浸食溝が形成されている場合など、地面が平滑でない場合においても、漏水個所6から流出した水は確実に袋体8内に溢れ、底部9と地面7との間を通って流出することはなく、また袋体8内の水が底部9の下に逆流することもない。
【0049】
従って、漏水個所6から流出した水は袋体8内に確実に貯留され、そこに貯留された水の水頭圧により漏水個所6から水みち5内に圧力がかかると共に、袋体8が水で満たされた後は、漏水個所6から漏出する水によって袋体8内の圧力はさらに高まり、漏水個所6からの水の流出を抑えて水みち5内の水流を抑制し、水みち5の穿掘を阻止してパイピングを防止することができるのである。
【0050】
前述のように一般に釜段工などにおいては、漏水個所に作用する水頭圧が50cm程度で十分にパイピング防止効果があるとされているが、本発明においては漏水個所6からの漏水が続く限り袋体8内の圧力は高まるので、漏水個所6に50cmを超える水頭圧に相当する圧力が作用することも可能であり、パイピングによる水の漏出をほゞ完全に阻止することができるのである。なお、袋体8内の圧力が無制限に高まるのは好ましくないので、前述のように適宜の排出手段を講じるのが好ましい。
【符号の説明】
【0051】
6 漏水個所
7 地面
8 袋体
9 底部
10 取水口
11 上部
12 開口部
13 水密ファスナー
14 パッキン
15 水膨潤体
16 袋
17 水膨潤性樹脂粉末
18 押え板
19 土嚢
20 パイプ
21 カッター刃
22 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(9)に取水口(10)と上部(11)に開閉可能の開口部(12)とを有する柔軟な水密性の扁平な袋体(8)と、前記底部(9)における取水口(10)の周囲上面に設けられた環状のパッキン(14)と、当該パッキン(14)及び前記袋体(8)の取水口(10)とを貫通して地面(7)に打ち込まれたパイプ(20)とを有し、前記パッキン(14)を押圧手段により前記袋体(8)の底部(9)に圧接せしめたことを特徴とする、堤防の漏水抑止装置
【請求項2】
前記パッキン(14)が、透水性を有する環状の袋(16)内に水膨潤性樹脂粉末(17)を封入してなる水膨潤体(15)であることを特徴とする、請求項1に記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項3】
前記パイプ(20)の先端に、カッター刃(21)を形成したことを特徴とする、請求項1又は2に記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項4】
前記押圧手段が、パッキン(14)の上に載置された土嚢(19)であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項5】
前記パッキン(14)上に環状の押え板(18)を載置し、当該押え板(18)の上に前記土嚢(19)を載置したことを特徴とする、請求項4に記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項6】
前記押圧手段が、パッキン(14)の上に載置された、比重の大きい材料よりなる環状の押え板(18)であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項7】
前記押圧手段が、パッキン(14)の上に載置された押え板(18)と、前記パイプ(20)の上端に形成されたフランジ(22)とよりなり、パイプ(20)を地面に打ち込むことにより前記フランジ(22)が押え板(18)を押圧して、当該押え板(18)と前記袋体(8)の底部(9)との間にパッキン(14)を挟圧したことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項8】
前記袋体(8)が、0.005MPaを超える内圧を排出する排出手段を有することを特徴とする、請求項1乃至7に記載の堤防の漏水抑止装置
【請求項9】
漏水を生じている地面(7)上に、請求項1乃至8に記載の堤防の漏水抑止装置における袋体(8)を載置し、当該袋体(8)の開口部(12)を開いて底部(9)の取水口(10)を漏水個所(6)に一致せしめ、前記取水口(10)の周囲上面に環状のパッキン(14)を載置し、当該パッキン(14)を袋体(8)の底部(9)に圧接せしめ、当該パッキン(14)と袋体(8)の取水口(10)とを貫通してパイプ(20)を地面(7)に打ち込み、この状態で袋体(8)の開口部(12)を閉じ、前記漏水個所(6)から漏出する水を袋体(8)内に貯留することを特徴とする、堤防の漏水抑止方法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−42948(P2011−42948A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190637(P2009−190637)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(301031392)独立行政法人土木研究所 (107)
【出願人】(000117135)芦森工業株式会社 (447)
【Fターム(参考)】