説明

塔状構造体

【課題】塔状構造体の構築現場における作業を極力少ないものとし、従来に比べて工期を短縮できる塔状構造体の提供。
【解決手段】複数のセグメント1を連結して短筒状に組み立てたセグメントリングRを上下に積み上げて一体化させることによって構成された塔状構造体であって、セグメントリングRの内側で各セグメント1の接合端部の内側に突出部4a,4bが一体に設けられ、互いに接合された接合端部の内の一方の突出部4a内に他方の突出部4bに向かってアンカーPC鋼棒6を突出させ、これを他方の突出部4bに形成されたPC鋼棒貫通孔7を通して他方の突出部4bの背面側に緊張定着させることによってセグメント1相互間を一体化させた塔状構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセグメントを連結して短筒状のセグメントリングを組立て、そのセグメントリングを上下に積み重ねて互いに連結することによって中空筒状に構築された塔状構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば大型の煙突等の塔状構造体には、基礎に鉄筋を環状に立設し、この鉄筋を内と外から挟むように内側型枠及び外側型枠を組立て、この両型枠間にコンクリートを流し込んで単位施工長さの筒状体を成型する工程を順次上方に向けて施工することによって構築されるものがある。
【0003】
この他、H型鋼を、間隔を隔てて環状に立設し、このH型鋼間に板状のプレキャストコンクリートブロックを挿入して固定することによって中空筒状の塔状構造体とするものがある。
【0004】
更に、上記従来例の塔状構造体よりも、工期を短くできるものとして、略半円筒形状をした一対のプレキャストコンクリートブロックを、その各端部の接合面を互いにつき合わせて円筒形の周壁を形成させ、その接合端面間に場所打ちの連結用コンクリートを打設して円筒形リングを形成させ、その円筒形リングを上下に多数積み上げることによって中空筒状の塔状構造体を構築する工法がある(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特許第3044459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の塔状構造体の内、外壁を場所打ちのコンクリートによって成型するものにあっては、型枠の組み立て、配筋、コンクリート打設等の多くの現場作業が必要になり、工期が長くならざるを得ず、しかも広い作業用のスペースが必要になり、狭い施工現場での工事が困難となる等の問題があった。
【0006】
また、工場で製造するコンクリートセグメント等のプレキャストコンクリートブロックを使用するものにあっては、躯体の一部を工場にて製造したものを使用するため工期が短縮できるが、一部に場所打ちコンクリートを使用するため型枠の組み立て、配筋、コンクリートの充填などの作業が必要であった。
【0007】
更に、従来の工法によって構築されている塔状構造体にあっては、その外周面全体又はその一部を現場施工によって成型するようにしているため、例えば周辺の環境に合わせた色彩やデザインを施す場合、塔状構造体の躯体を構築した後にその外面の仕上げ工が必要になり、コスト高となるとともに、そのための工期が必要になるという問題があった。
【0008】
本発明は、上述の如き従来の問題に鑑み、塔状構造体の構築現場における作業を極力少ないものとし、前述した従来工法に比べて工期を短縮できる塔状構造体の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き従来の問題を解決し、初期の目的を達成するための、請求項1に係る発明の特徴は、複数のセグメントを連結して短筒状に組み立てたセグメントリングを上下に積み上げて一体化させることによって構成された塔状構造体において、前記セグメントリングの内側で該セグメントリングを構成している各セグメントの接合端部の内側に突出部が一体に設けられ、互いに接合された接合端部の内の一方の突出部内に他方の突出部に向かって突出させたアンカーPC鋼棒が設けられ、前記他方の突出部に前記アンカーPC鋼棒の延長方向にPC鋼棒貫通孔が形成され、前記アンカーPC鋼棒を、前記PC鋼棒貫通孔を通して前記他方の突出部の背面側に緊張定着させることによって前記セグメント相互間を一体化させたことにある。
【0010】
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記一方の突出部に突設させたアンカーPC鋼棒の先端にカプラーを介して緊張用延長PC鋼棒を連結し、該緊張用延長PC鋼棒を前記他方の突出部のPC鋼棒貫通孔に貫通させて該他方の突出部背面側に緊張定着させたことにある。
【0011】
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記他方の突出部の背面にPC鋼棒定着部材が収容される凹部が形成され、該凹部内に定着部材が後埋めによって埋設されていることにある。
【0012】
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1,2又は3の構成に加え、セグメントリングは、これを2等分割した形状の一対のセグメントを各セグメント両端の接合面を互いに接合させて連結することによって構成され、かつ各接合面が接合されている一対の接合部間に開き止め部材が架設されていることにある。
【0013】
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1〜3又は4の構成に加え、前記各セグメントには、セグメントリングの軸方向に向けた鉛直方向のPC鋼棒挿通孔が設けられ、該PC鋼棒挿通孔に上下のセグメントに跨らせて挿通したPC鋼棒を緊張することによって上下のセグメントリングを一体化させたことにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、セグメントリングの内側で該セグメントリングを構成している各セグメントの接合端部の内側に突出部が一体に設けられ、互いに接合された接合端部の内の一方の突出部内に他方の突出部に向かって突出させたアンカーPC鋼棒が設けられ、前記他方の突出部に前記アンカーPC鋼棒の延長方向にPC鋼棒貫通孔が形成され、前記アンカーPC鋼棒を、前記PC鋼棒貫通孔を通して前記他方の突出部の背面側に緊張定着させることによって前記セグメント相互間を一体化させたこと(請求項1)により、セグメントの接合作業はセグメントリングの内側からのみ行い、しかもその接合部は隙間のない所謂ゼロ目地接合とすることができ、セグメントリングにおけるセグメント間接合部の外面の仕上げが不要になり、工場で製造したセグメントの外面のデザインがそのまま外面化粧として使用できるため、躯体構築後における外面のデザインの補修や外面仕上げ作業が不要となり、従来に比べて工期が短縮される。
【0015】
また、前記一方の突出部に突設させたアンカーPC鋼棒の先端にカプラーを介して緊張用延長PC鋼棒を連結し、該緊張用延長PC鋼棒を前記他方の突出部のPC鋼棒貫通孔に貫通させて該他方の突出部背面側に緊張定着させたこと(請求項2)により、アンカーPC鋼棒の接合面からの突出長さを短くしておくことができ、セグメントの搬送や保管時の扱いが容易となる。
【0016】
更に、前記他方の突出部の背面にPC鋼棒定着部材が収容される凹部が形成され、該凹部内に定着部材が後埋めによって埋設されている(請求項3)ことにより、後埋め部がセグメントリングの内側となるので、後埋め部が剥落して通行人に被害を及ぼす危険性がなく、後埋め部形成のための外吊り足場を形成する必要もなくなる。
【0017】
更に、セグメントリングは、これを2等分割した形状の一対のセグメントを各セグメント両端の接合面を互いに接合させて連結することによって構成され、かつ各接合面が接合されている一対の接合部間に開き止め部材が架設されている(請求項4)ことにより、セグメントの接合部分の半径方向への膨らみが防止され、強固な結合がなされる。
【0018】
更に、前記各セグメントには、セグメントリングの軸方向に向けた鉛直方向のPC鋼棒挿通孔が設けられ、該PC鋼棒挿通孔に上下のセグメントに跨らせて挿通したPC鋼棒を緊張する(請求項5)ことによって、塔状構造体の全長に亘ってプレストレスが付与されると同時に、上下のセグメントリング間の強固な一体化がなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明に係る塔状構造体の実施の形態を図面について説明する。
【0020】
本例は、六角筒状をした塔状構造体を水平方向に多数分割した輪切り状のセグメントリングRを上下に積み上げて連結することによって塔状構造体を構成し、また、セグメントリングRは、図1に示すように、その六角形のリング形状を2つの対角位置で2等分に分割した形状のセグメント1を互いに接合させて構成されている。
【0021】
図1に示す、二つの角部をそれぞれ有する2個のセグメント1,1は、予め工場にて成型されたプレキャストコンクリートブロックであり、各セグメント1,1の接合端部2a,2bの接合面3a,3bは互に密着可能に形成されている。接合端部2a,2bの接合面3a,3bは、各接合端部のセグメントリングRの内側にそれぞれ突出させて一体成型した突出部4a,4bによってその水平方向の長さが延長された構造となっている。
【0022】
このセグメント1は、所謂マッチキャストによって製造されたもの、即ち、一対のセグメント間において互いに接合される接合面3a,3bを、互いに突合せ配置にして両セグメント1,1同時に製造したものを使用し、これによって目地材を介在させない所謂ゼロ目地の状態で接合されたセグメントリングRが形成されるようにしている。
【0023】
一方の接合面3aには、図2に示すように、セグメント1内に埋設したアンカープレート5によって抜け止めされたセグメント間連結用のアンカーPC鋼棒6の先端が突出されており、他方の接合面3bには、突出部4bに貫通したPC鋼棒挿通孔7が開口されている。このPC鋼棒挿通孔7の接合面側開口部側は、カプラー収容用の拡径部7aとなっており、その拡径部7a内にカプラー8を収容させ、該カプラー8をもって前述したアンカーPC鋼棒6の先端にPC鋼棒挿通孔7に挿通させた締結用の緊張用延長PC鋼棒9を連結し、この緊張用延長PC鋼棒9を突出部4bのセグメントリングRの内面側にて緊張し、支圧板10に対して定着具11をもって定着させている。これによって両セグメント1,1がリング状のセグメントリングRに組み立てられている。
【0024】
尚、支圧板10、延長用PC鋼棒9の突出端部及び定着具11からなるPC鋼棒定着部材は、突出部4bの背面の凹陥部12内に収容され、その凹陥部12をモルタル等の後埋め13によって埋めることによって外気にさらされないように埋設されている。
【0025】
各セグメント1には図2に示すように、水平方向に一定間隔を隔てて縦筋挿通孔20及びPC鋼棒挿通孔21が貫通開口されている。
【0026】
図3に示すように、縦筋挿通孔20の下端には充填式継手22が埋設され、その上下にグラウト孔22a,22aがセグメント1の内面側に連通開口されている。この継手22の下端内に、下側のセグメントの縦筋挿通孔20内に挿通した縦筋23の上端を、同継手22の上端内に、上側のセグメントの縦筋挿通孔22内に挿通した縦筋23の下端をそれぞれ挿入し、いずれかのグラウト孔22aより固化性のグラウトを充填することによって上下の縦筋23,23を連結させている。
【0027】
また図4に示すように、PC鋼棒挿通孔21には、その下端にカプラー収容用の拡径部21aが形成され、その内部に収容されるカプラー25の下端を、下側のセグメント1のPC鋼棒挿通孔21に挿通されて該セグメントの上面より突出させたPC鋼棒26の上端に螺合させ、そのカプラー25の上端に上側のセグメントのPC鋼棒挿通孔21に挿通したPC鋼棒26の下端を螺合させることによって塔状構造体の上下に亘って連続させている。
【0028】
上下に隣り合うリング状のセグメントリングR間の接合面には、水平度調整するための水平目地用隙間30が形成され、その隙間にライナー(図示せず)を介在させることによって水平度を調整し、該隙間30内に無収縮モルタルからなる水平目地材31を充填している。
【0029】
尚、最下端部のセグメントリングRは、図4に示すように基礎部32にアンカープレート33によって抜け止めして埋設されたアンカーPC鋼棒34にカプラー25を介してPC鋼棒26を連結し、また最上部のセグメントにおいては、そのPC鋼棒挿通孔21上端部に形成した凹陥部35内の支圧板36に対して緊張定着させ、定着後に凹陥部35をモルタルによって埋めている。また、上下の各セグメントリングRに対するPC鋼棒26の緊張定着は、各セグメントリングRの積み上げ毎に緊張し、その各セグメントの上端面に設置した支圧板36に対して定着具37によって定着させている。
【0030】
更に、各セグメントリングRの互いに対角配置にあるセグメント接合部間、本例では両セグメントの前記他方の各突出部4a,4b間にはコンクリート製の押し出し成型版からなる隔壁材兼用の開き止め部材38が掛け渡されており、これによって接合部が外側に広がるのを防止し、接合部を補強している。
【0031】
次に、本発明に係る塔状構造体の施工工程について説明する。
【0032】
先ず、施工現場において必要な基礎部32を構築した後、又はこれと並行して地上で1対のセグメント1,1をリング状のセグメントリングRに組み立てるための接合台組立作業を行う。この接合台40は、図5、図6に示すように基礎41上にレベル出しH型鋼材42,42……を並行に並べ、その上にスライド用H型鋼材43,43……を並行に並べてそれらをブルマンにて固定し一体化させる。然る後、所要数のスライド用H型鋼材43の上にポリテトラフルオロエチレン(商標「テフロン」)版から成る滑り板44を設置する。
【0033】
この接合台40上に、工場で予め製造した一対のセグメント1,1をその各接合面3a,3bを対向させて載置する。図4、図5は2個のセグメント1の接合直前の状態を示しており、セグメント1の各接合面3a,3bに、エポキシ樹脂接着剤を塗布する。ここでは、端面のレイタンス、泥、水、油等、接着に不都合な物を除去し、乾燥させて塗布作業を行う。塗布作業は、例えば塗布厚さ2〜3mmの厚さで塗り斑塗り残しのない様に行う。
【0034】
次いで図5に示すようにセグメント1,1間にレバーブロック50を取り付け、セグメント1,1同士の引き寄せ作業を行う。この場合、セグメント1にレバーブロック50を張架するためのインサート51を予め設置しておき、このインサート間にワイヤーを介してレバーブロック50を張架し、これを操作することにより、複数箇所のセグメント1の接合面間が同様に狭まり、端面同士が密着していわゆるゼロ目地状態で接合できるように、均等に引き寄せる。また、この時、図2に示すように一方の接合面3aのアンカーPC鋼棒6に螺合させたカプラー8を、他方の接合面3bのPC鋼棒挿通孔7の拡径部7a内に挿入させる。
【0035】
しかる後、他方の突出部4bの背面側からPC鋼棒挿通孔7内に緊張用延長PC鋼棒9を挿入し、その先端をカプラー8に螺合させる。この状態で緊張用延長PC鋼棒9を突出部4bの背面側から緊張し、定着具11をもって支圧板10に定着させる。定着後にPC鋼棒挿通孔7に必要なグラウト充填作業を行うとともに、開き止め部材38を突出部4b,4b間に固定する。尚、この開き止め部材38は、強度を高めることが設計上必要な場合に設置するものであり、必ずしも全ての場合に必要なものではない。
【0036】
このようにして組立てられたセグメントリングRを、クレーンにて吊り上げ、最初は基礎部32上に、その後は先に積み重ねられている最上端のセグメントリングR上に積み上げる。ここでは、図7に示すように既設セグメントリングR下に仮置き台52を設置し、下の基礎部又はセグメントリングRとの間に作業用空間を持たせた状態で、下側のPC鋼棒26又は34に対するカプラー25及び、そのカプラー25に対する上側のPC鋼棒26の螺合作業を行う。
【0037】
ついでクレーンを使用して稍上昇させ、仮置き台52を除去し、所定の位置にセグメントリングRを降下させ、上下のセグメントリングRを接合させる。その際に水平合わせを行い、水平目地用隙間30内にライナーを介在させて水平に設置する。
【0038】
この時、下側のセグメントの縦筋挿通孔20に縦筋23を挿入し、その下端を充填式継手22内に挿入してその内部に固定させておくとともに、その縦筋23の上端をセグメントリングRの上端面に突出させておき、該縦筋23の上端を上側に接合されるセグメントリングRの下面に開口している充填式継手22内に挿入する。
【0039】
このようにして新たに積み上げるセグメントリングRを下側のセグメントリングR上に接合させた後、水平目地用隙間30内に無収縮性の目地モルタルからなる充填材を充填し、その充填材の所望の強度発現を待って、セグメントリングRの上面に突出しているPC鋼棒26を緊張し定着具を介して支圧板に定着させる。これによって上下に隣り合うセグメントリングRの連結強度を確保するとともに塔状構造体全体に対する縦方向のプレストレスを付与する。
【0040】
このPC鋼棒26の緊張定着作業後に、前記縦筋23が挿入されている縦筋挿通孔20内及びPC鋼棒挿通孔21内にグラウト注入する。また、充填式継手22内へのグラウト注入は上側のセグメントリングRの接合作業完了後、PC鋼棒緊張定着作業或いは各グラウト注入作業に並行して行う。
【0041】
これらの作業は、図8、図9に示すように、予め最上部及びその下側のセグメントリングRに対し、予めセグメントに設置したアンカー等の足場取り付け部材(図示せず)に対してボルト等の固定具(図示せず)を介して外吊り足場53を設置し、その下に昇降足場54を設置した状態で行い、1つのセグメントリングRを上方に延長させる毎に、昇降足場54を追加する。
【0042】
このように外吊り足場53をセグメントリングRの積み上げ連結作業を行う部分のみに設けることにより、作業に必要な部分のみに足場を設置することとなり足場設置に要する費用を大幅に削減できる。また、最上部の作業位置以外には外吊り足場がないため、施工途中においても美観を損なわず、近隣住民は建設状況を外部から確認することができる。
【0043】
尚、この例ではセグメントに縦筋挿通孔20を開けておき、セグメントリングRの接合作業時に縦筋23を挿入するようにしているが、この縦筋23はセグメント製造の際に予め充填式継手22に下端を挿入させた状態でセグメント内に一体に埋め込んでおいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の塔状構造体における筒状単体の簡略平面図である。
【図2】図1中のセグメント接合部分を示す部分拡大断面図である。
【図3】塔状構造体の縦筋挿通部を示す部分省略縦断面図である。
【図4】同、縦向きのPC鋼棒挿通部を示す部分省略縦断面図である。
【図5】接合上におけるセグメントリング組み立て状態を示す簡略平面図である。
【図6】同、簡略側面図である。
【図7】セグメントリング積み上げ時の縦PC鋼棒連結工程を示す簡略側面図である。
【図8】塔状構造体の構築状態を示す平面図である。
【図9】同、側面図である。
【符号の説明】
【0045】
R セグメントリング
1 セグメント
2a,2b 接合端部
3a,3b 接合面
4a,4b 突出部
5 アンカープレート
6 アンカーPC鋼棒
7 PC鋼棒挿通孔
7a 拡径部
8 カプラー
9 緊張用延長PC鋼棒
10 支圧板
11 定着具
12 凹陥部
13 後埋め
20 縦筋挿通孔
21 PC鋼棒挿通孔
21a 拡径部
22 充填式継手
22a グラウト孔
23 縦筋
25 カプラー
26 PC鋼棒
30 水平目地用隙間
31 水平目地材
32 基礎部
33 アンカープレート
34 アンカーPC鋼棒
36 支圧板
37 定着具
38 開き止め部材
40 接合台41 基礎
42 レベル出しH型鋼材
43 スライド用H型鋼材
44 滑り板
50 レバーブロック
51 インサート
53 外吊り足場
54 昇降足場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセグメントを連結して短筒状に組み立てたセグメントリングを上下に積み上げて一体化させることによって構成された塔状構造体において、
前記セグメントリングの内側で該セグメントリングを構成している各セグメントの接合端部の内側に突出部が一体に設けられ、互いに接合された接合端部の内の一方の突出部内に他方の突出部に向かって突出させたアンカーPC鋼棒が設けられ、前記他方の突出部に前記アンカーPC鋼棒の延長方向にPC鋼棒貫通孔が形成され、前記アンカーPC鋼棒を、前記PC鋼棒貫通孔を通して前記他方の突出部の背面側に緊張定着させることによって前記セグメント相互間を一体化させたことを特徴としてなる塔状構造体。
【請求項2】
前記一方の突出部に突設させたアンカーPC鋼棒の先端にカプラーを介して緊張用延長PC鋼棒を連結し、該緊張用延長PC鋼棒を前記他方の突出部のPC鋼棒貫通孔に貫通させて該他方の突出部背面側に緊張定着させてなる請求項1に記載の塔状構造体。
【請求項3】
前記他方の突出部の背面にPC鋼棒定着部材が収容される凹部が形成され、該凹部内に定着部材が後埋めによって埋設されている請求項1又は2に記載の塔状構造体。
【請求項4】
セグメントリングは、これを2等分割した形状の一対のセグメントを各セグメント両端の接合面を互いに接合させて連結することによって構成され、かつ各接合面が接合されている一対の接合部間に開き止め部材が架設されている請求項1,2又は3に記載の塔状構造体。
【請求項5】
前記各セグメントには、セグメントリングの軸方向に向けた鉛直方向のPC鋼棒挿通孔が設けられ、該PC鋼棒挿通孔に上下のセグメントに跨らせて挿通したPC鋼棒を緊張することによって上下のセグメントリングを一体化させてなる請求項1〜4又は5に記載の塔状構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−107370(P2007−107370A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85432(P2006−85432)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3117906号
【原出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.レバーブロック
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)