説明

塔状構造物の構築方法,塔状構造物

【課題】高所作業を行う必要がなく、かつ、施工期間を短縮することができる塔状構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】(A)内筒部30を構築し、(B)クライミング機構を有するクライミングステージ100を用いて、下部外筒部20を所定の中間高さまで構築し、(D)内筒部30の頂部上に設置した揚重装置により、センターシャフト40の上端部分を構成する部材を吊り上げながら、前記センターシャフト40を構築し、(F)構築したセンターシャフト40の上端部がクライミングステージ100よりも上方に突出した後、揚重装置で、センターシャフト40を更に上方に吊り上げながら、センターシャフト40のクライミングステージ100から上方に突出した部分の周囲に上方外筒部50を構築し、(H)クライミングステージ100を地上で解体する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塔状構造物及びその構築方法に関し、特に、短期間で安全に構築することのできる塔状構造物及びその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、塔状構造物を構築する方法としては、地盤高さにタワークレーンを設置し、このタワークレーンにより鉄骨部材を揚重しながら、下方より鉄骨部材を組み立てていく方法が広く用いられている。
【0003】
しかし、この方法では、鉄骨部材の組立て作業などが高所作業となるため、危険がともなうとともに、強風などにより作業が中止になり施工が長期化することがある。そこで例えば、特許文献1には、建設中の建屋内に鉄塔組立用の空間を設け、この空間内で構築した鉄塔をジャッキなどにより押し上げることにより屋上まで移動し、鉄塔の下部を建屋内に収容した状態で建屋に固定することにより塔状構造物を構築する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平10―88861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の方法では、建屋内に鉄塔組立用の空間を確保しなければならない。このため、鉄塔を屋上までスライドさせる工程が完了するまで、この空間に当たる部分の施工を行うことができず、施工期間が長期化するという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、高所作業をともなわず、安全に短期間で施工可能な塔状構造物の構築方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の塔状構造物の構築方法は、地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、 前記中央シャフトの上端に取り付けられたアンテナ鉄塔と、前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備える塔状構造物を構築する方法であって、前記内筒部を構築するステップと、前記内筒部を取り囲むように、クライミング機構を有する作業ステージを設置するステップと、この作業ステージ上で前記外筒部を構築して、構築した外筒部に沿って前記クライミング機構により前記作業ステージを上昇させる工程を繰り返すことにより、前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築するステップと、前記内筒部の頂部上に設置した揚重装置により、前記アンテナ鉄塔を吊り上げながら、吊り上げたアンテナ鉄塔の下側に、前記中央シャフトの構成部材を順次接続することにより前記中央シャフトを構築していくステップと、前記構築した中央シャフトの上端部が前記作業ステージよりも上方に突出した後、前記揚重装置により前記中央シャフトを更に上方に吊り上げながら、前記作業ステージ上で前記中央シャフトの前記作業ステージから上方に突出した部分の周囲に前記外筒部を構築するステップと、を備えることを特徴とする。
【0007】
上記の塔状構造物の構築方法において、前記アンテナ鉄塔は複数の部材を上下に接続して構成され、前記中央シャフトを構築していくステップでは、前記アンテナ鉄塔の上端部を構成する部材を前記揚重装置により吊り上げながら、吊り上げた部材の下側に、順次、前記アンテナ鉄塔の上端より下側の部分を構成する部材を接続することにより前記アンテナ鉄塔を構築し、こうして構築したアンテナ鉄塔を吊り上げながら、吊り上げたアンテナ鉄塔の下側に、前記中央シャフトの構成部材を順次接続することにより前記中央シャフトを構築してもよい。
【0008】
また、本発明の塔状構造物の構築方法は、地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、 地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備える塔状構造物を構築する方法であって、前記内筒部を構築するステップと、前記内筒部を取り囲むように、クライミング機構を有する作業ステージを設置するステップと、この作業ステージ上で前記外筒部を構築して、構築した外筒部に沿って前記クライミング機構により前記作業ステージを上昇させる工程を繰り返すことにより、前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築するステップと、前記内筒部の頂部上に設置した揚重装置により、前記中央シャフトの上端部分を構成する部材を吊り上げながら、吊り上げた部材の下側に順次、前記中央シャフトの上端より下側の部分を構成する部材を接続することにより前記中央シャフトを構築していくステップと、前記構築した中央シャフトの上端部が前記作業ステージよりも上方に突出した後、前記揚重装置により前記中央シャフトを更に上方に吊り上げながら、前記作業ステージ上で前記中央シャフトの前記作業ステージから上方に突出した部分の周囲に前記外筒部を構築するステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
上記の塔状構造物の構築方法において、前記塔状構造物は前記所定の中間高さ付近に展望室を備え、前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築した後、前記作業ステージ上で前記展望室を構築するステップを備えてもよい。
【0010】
また、本発明の塔状構造物は、地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、 前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備えることを特徴とする。
上記の塔状構造物において、前記所定の高さ付近に展望室を備えてもよく、前記中央シャフトの上端にアンテナ鉄塔が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、地上で中央シャフトの構築を行いながら、クライミングステージ上で外筒部の上部を構築することができるため、施工期間を短縮することができる。また、塔状構築物を構築するための作業を地上又はクライミングステージ上で全て行うことができるため、高所作業を行う必要がなく安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の塔状構造物及びその構築方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の塔状構造物1を示す鉛直断面図である。また、図2(A)は、図1におけるA−A´断面における水平断面図であり、同図(B)は、図1におけるB−B´断面における水平断面図である。
図1に示すように、塔状構造物1は、先端にアンテナ鉄塔80を有する例えば600m程度の高さの塔状構造物であり、アンテナ鉄塔80の下部には上部展望室60が、高さ方向中間部には中央展望室70が設けられている。
【0013】
また、図2に示すように、塔状構造物1は中央展望室70の上下で構造が異なり、同図(A)に示すように、中央展望室70より下方の部分は、鉄骨造のセンターシャフト40と、センターシャフト40を取り囲むように設けられた鉄筋コンクリート造の内筒部30と、この内筒部30を取り囲むように設けられた下部外筒部20とで構成される。また、同図(B)に示すように、中央展望室70より上方の部分は、内部にエレベータシャフトや階段や設備配管などを備える鉄骨造のセンターシャフト40と、センターシャフト40を取り囲むように設けられた鉄骨造の上部外筒部50とで構成される。
【0014】
ところで、従来、塔状構造物は、鉄骨造または鉄筋コンクリート造の何れかの構造により構成されていた。しかしながら、高さ600mといった超高層の塔状構造物を鉄骨造のみで構築しようとすると、高価な鉄骨部材が多量に必要となり、コスト高になってしまうという問題がある。一方、塔状構造物を鉄筋コンクリート造のみで構築しようとすると、コンクリートは鉄骨部材に比べて重量が非常に大きいため、自重が過大になってしまうという問題がある。
【0015】
これに対して、本実施形態の塔状構造物1は、上述のように、中央展望室70よりも上部は鉄骨造のみからなり、中央展望室70よりも下部は鉄骨造と鉄筋コンクリート造とが組み合わされた構造からなる。このため、全体を鉄骨造のみで構成する場合に比べて鉄骨部材を削減することができるため、コストを抑えることができるとともに、鉄筋コンクリート造は一部のみに用いられているため自重が過大になることもない。特に、中央展望室70より上部が鉄骨造のみで構成されるため、塔状構造物1の高層部分での重量化を防止することが可能であり、低層部分に要求される設計強度を軽減できるなどの利点がある。
【0016】
以下、上記の塔状構造物1の構築方法を説明する。図3は、本実施形態の塔状構造物1の構築方法を説明するための図である。まず、同図(A)に示すように、地上高さにおいて内筒部30を構築するためのスリップフォーム装置120を組み立て、スリップフォーム装置120を上方に移動しなら、内筒部30を下方から上方に向かって構築していく。なお、スリップフォーム装置120は、型枠を上方に移動させながら連続的に鉄筋コンクリート造の構造物を構築し、構築した構造物に沿って上昇することができる装置である。
【0017】
次に、同図(B)に示すように、構築された内筒部30を取り囲むようにクライミングステージ100を設置し、これを下部外筒部20に沿って上昇させながら鉄骨構造物である下部外筒部20を下から上へ構築していく。クライミングステージ100は、クレーンなどの工事用重機110を上部に搭載した作業用構台であり、この工事用重機110で揚重した鉄骨により下部外筒部20を構築する。そして、構築した下部外筒部20により自重を支持しながら、ジャッキなどからなるクライミング機構により上昇又は下降することができる。また、クライミングステージ100は充分な広さを有する作業用構台であり、クライミングステージ100上での作業は高所作業とならず、安全に行うことができる。
【0018】
このクライミングステージ100を用いて、中央展望室70の高さまで、クライミングステージ100上での作業により下部外筒部20を構築する。なお、本実施形態では、内筒部30の構築が完了した後、下部外筒部20の施工を開始する構成としたが、これに限らず、内筒部30の構築と並行して下部外筒部20の施工を行ってもよい。
【0019】
次に、同図(C)に示すように、地上においてアンテナ鉄塔80を内筒部30内で組み立てる。アンテナ鉄塔80は複数の筒状部材を上下に接続してなる構成であり、最上部の筒状部材を、内筒部30に反力を取って内筒部30の頂部上に設置された揚重装置130(図4)で吊り上げて、下側の筒状部材を順次接続していくことにより構築することができる。このアンテナ鉄塔80の外周面にパラボラアンテナやテレビアンテナなどの各種アンテナが取り付けられている。
【0020】
図4は、内筒部30の頂部上に設置された揚重装置130の構成を示す模式図である。同図に示すように、揚重装置130は、内筒部30の頂部上に設けられた架台150と、架台150上に設置されたリフトアップジャッキ140とにより構成される。リフトアップジャッキ140より下方に吊りロッド160が延び、吊りロッド160の下端に接続されたシャフト吊りリング170が揚重対象物200(本実施形態ではアンテナ鉄塔80又はセンターシャフト40)を取り囲むように取り付けられ、リフトアップジャッキ140により、架台150上で内筒部30に反力を取りながら吊りロッド160を引き上げることにより、揚重対象物200を吊り上げることができる。
【0021】
次に、同図(D)に示すように、揚重装置130によりアンテナ鉄塔80を内筒部30内で上方に吊り上げながら、アンテナ鉄塔80の下方に鉄骨部材を順次接続することによりセンターシャフト40を組み立てていく。センターシャフト40を組み立てるための鉄骨部材は予めブロック状に組み立てておき、ブロック状に組み立てられた鉄骨部材を接続していけばよい。この際、鉄骨部材の接続作業は、地上で行うことができるので、高所作業にならずに安全である。
【0022】
次に、同図(E)に示すように、センターシャフト40の上部展望室60にあたる部分がクライミングステージ100を丁度超える程度の高さまで到達したら、センターシャフト40の周囲に上部展望室60を組み立てる。この際、上部展望室60の組立て作業は充分な広さを持ったクライミングステージ100上で行うため、高所作業にならずに安全に行うことができる。
【0023】
上部展望室60の構築が完了したら、次に、同図(F)に示すように、センターシャフト40を揚重装置130により吊り上げながら、再び同図(D)の場合と同様に地上においてセンターシャフト40の下部に鉄骨部材を接続してセンターシャフト40を構築しながら、クライミングステージ100上において鉄骨部材を組み立てて上部外筒部50を構築する。上記の上部展望室60の構築作業と同様に、クライミングステージ100上での上部外筒部50の構築作業も高所作業とならず、また、センターシャフト40の構築作業も地盤高さで行うことができるため、高所作業とならず安全である。
【0024】
次に、センターシャフト40の構築が終了したら、次に、同図(G)に示すように、クライミングステージ100上において、センターシャフト40の周囲に中央展望室70の組立てを行う。このクライミングステージ100上での構築作業も高所作業とならず安全である。
中央展望室70の構築が終了したのち、同図(H)に示すように、クライミングステージ100を地盤高さまで降下させ、地上においてクライミングステージ100を解体する。
以上の工程により、塔状構造物1を構築することができる。
【0025】
本実施形態の塔状構造物1の構築方法によれば、地盤高さ及びクライミングステージ100上で構築作業を行うことができる。このため、高所作業を行う必要がなくなり安全性を向上することができる。また、センターシャフト40を構築しながら上部外筒部50を構築することができるため、施工期間を短縮することができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、中央展望室70が内筒部30の上端部の高さに設置されるものとして、上部外筒部50の構築が完了した後、中央展望室70を構築するものとしたが、これに限らず、中央展望室70が内筒部30の上端部よりも高い位置に設けられる場合は、その設置箇所がクライミングステージ100の高さに達するまでセンターシャフト40を構築した時点で、中央展望室70を構築すればよい。
【0027】
また、上記実施形態では、塔状構造物1が中央展望室70を備え、外筒部が中央展望室70より上方の上部外筒部50と下方の下部外筒部20とに分かれるものとしたが、中央展望室70を備えない塔状構造物の場合は、外筒部を上下に分けることなく、全体が一体の鉄骨構造物として構築されることになる。
【0028】
なお、上記実施形態では、センターシャフト40の上端にアンテナ鉄塔80を備える塔状構造物1を構築する場合について説明したが、本発明はこれに限らずアンテナ鉄塔を備えない塔状構造物についても適用可能である。すなわち、図3(C)のアンテナ鉄塔を吊り上げながら構築する手順を省略し、センターシャフトの最上部の構成部材を揚重装置130で吊り上げながら同図(D)のように、下側にセンターシャフトの構成部材を接続していけばよく、それ以外の施工手順は上記実施形態の場合と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施形態の塔状構造物の鉛直断面図である。
【図2】(A)は、塔状構造物の中間展望室よりも下部の水平断面図であり、(B)は、中間展望室よりも上部の水平断面図である。
【図3】本実施形態の塔状構造物を構築方法を説明するための図である。
【図4】内筒部の頂部上に設置された揚重装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0030】
1 塔状構造物
20 下部外筒部
30 内筒部
40 中央シャフト
50 上部外筒部
60 上部展望室
70 中央展望室
80 アンテナ鉄塔
100 クライミングステージ
110 工事用重機
120 スリップフォーム装置
130 揚重装置
140 リフトアップジャッキ
150 架台
160 吊りロッド
170 シャフト吊りリング
200 揚重対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、
前記中央シャフトの上端に取り付けられたアンテナ鉄塔と、
前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、
地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備える塔状構造物を構築する方法であって、
前記内筒部を構築するステップと、
前記内筒部を取り囲むように、クライミング機構を有する作業ステージを設置するステップと、
この作業ステージ上で前記外筒部を構築して、構築した外筒部に沿って前記クライミング機構により前記作業ステージを上昇させる工程を繰り返すことにより、前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築するステップと、
前記内筒部の頂部上に設置した揚重装置により、前記アンテナ鉄塔を吊り上げながら、吊り上げたアンテナ鉄塔の下側に、前記中央シャフトの構成部材を順次接続することにより前記中央シャフトを構築していくステップと、
前記構築した中央シャフトの上端部が前記作業ステージよりも上方に突出した後、前記揚重装置により前記中央シャフトを更に上方に吊り上げながら、前記作業ステージ上で前記中央シャフトの前記作業ステージから上方に突出した部分の周囲に前記外筒部を構築するステップと、
を備えることを特徴とする塔状構造物の構築方法。
【請求項2】
前記アンテナ鉄塔は複数の部材を上下に接続して構成され、
前記中央シャフトを構築していくステップでは、前記アンテナ鉄塔の上端部を構成する部材を前記揚重装置により吊り上げながら、吊り上げた部材の下側に、順次、前記アンテナ鉄塔の上端より下側の部分を構成する部材を接続することにより前記アンテナ鉄塔を構築し、こうして構築したアンテナ鉄塔を吊り上げながら、吊り上げたアンテナ鉄塔の下側に、前記中央シャフトの構成部材を順次接続することにより前記中央シャフトを構築していくことを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の構築方法。
【請求項3】
地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、
前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、
地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備える塔状構造物を構築する方法であって、
前記内筒部を構築するステップと、
前記内筒部を取り囲むように、クライミング機構を有する作業ステージを設置するステップと、
この作業ステージ上で前記外筒部を構築して、構築した外筒部に沿って前記クライミング機構により前記作業ステージを上昇させる工程を繰り返すことにより、前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築するステップと、
前記内筒部の頂部上に設置した揚重装置により、前記中央シャフトの上端部分を構成する部材を吊り上げながら、吊り上げた部材の下側に順次、前記中央シャフトの上端より下側の部分を構成する部材を接続することにより前記中央シャフトを構築していくステップと、
前記構築した中央シャフトの上端部が前記作業ステージよりも上方に突出した後、前記揚重装置により前記中央シャフトを更に上方に吊り上げながら、前記作業ステージ上で前記中央シャフトの前記作業ステージから上方に突出した部分の周囲に前記外筒部を構築するステップと、
を備えることを特徴とする塔状構造物の構築方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れかに記載の塔状構造物の構築方法であって、
前記塔状構造物は前記所定の中間高さ付近に展望室を備え、
前記外筒部を前記所定の中間高さまで構築した後、前記作業ステージ上で前記展望室を構築するステップを備えることを特徴とする塔状構造物の構築方法。
【請求項5】
地上から上方に延びる鉄骨造の中央シャフトと、
前記中央シャフトを取り囲むように設けられた鉄骨造の筒状構造物である外筒部と、
地上から前記外筒部の所定の中間高さまでの高さを有し、前記中央シャフトを取り囲み、かつ、前記外筒部に取り囲まれるように設けられた鉄筋コンクリート造の筒状構造物である内筒部と、を備えることを特徴とする塔状構造物。
【請求項6】
前記所定の中間高さ付近に展望室を備えることを特徴とする請求項5記載の塔状構造物。
【請求項7】
前記中央シャフトの上端にアンテナ鉄塔が設けられていることを特徴とする請求項5又は6記載の塔状構造物。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−75340(P2008−75340A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255903(P2006−255903)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)