説明

塗布具付き容器

【課題】容器本体内の内容物が減少しても塗布部に内容物を保持させ易くして、残量を低減させること。
【解決手段】内容物が収容される有底筒状の容器本体11と、該容器本体11の口部12に着脱自在に装着されるキャップ体14と、該キャップ体14に装着されるとともに該キャップ体14から容器本体11の底部15側に向けて突出し、先端に塗布部16が配設された塗布具17と、を備え、キャップ体14は、口部12に容器軸O回りに回転可能に装着され、塗布具17は、キャップ体14に底部15側に向けて前進移動可能に装着されるとともに付勢部材42により底部15側に向けて付勢され、塗布部16が底部15に圧接されることにより前進移動が規制されている塗布具付き容器10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示すような塗布具付き容器が知られているが、この種の塗布具付容器として一般に、内容物が収容される有底筒状の容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に装着されるキャップ体と、該キャップ体に装着されるとともに該キャップ体から容器本体の底部側に向けて突出し、先端に塗布部が配設された塗布具と、を備える構成が知られている。前記塗布部は、容器本体内の内容物内に挿入されており、塗布部は、例えば含浸または付着などにより内容物を保持している。
前記塗布具付き容器を使用するときには、まず、キャップ体を塗布具とともに容器本体から離脱させる。すると塗布部が、内容物を保持した状態で容器本体内から引き出されることとなり、その後、塗布部に保持された内容物を被塗布部に塗布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−1411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の塗布具付き容器では、容器本体内の内容物が減少すると、塗布部が内容物を保持し難くなることから、容器本体内の内容物を使い切ることが困難であった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、容器本体内の内容物が減少しても塗布部に内容物を保持させ易くして、残量を低減させることができる塗布具付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布具付き容器は、内容物が収容される有底筒状の容器本体と、該容器本体の口部に着脱自在に装着されるキャップ体と、該キャップ体に装着されるとともに該キャップ体から前記容器本体の底部側に向けて突出し、先端に塗布部が配設された塗布具と、を備える塗布具付き容器であって、前記キャップ体は、前記口部に容器軸回りに回転可能に装着され、前記塗布具は、前記キャップ体に前記底部側に向けて前進移動可能に装着されるとともに付勢部材により前記底部側に向けて付勢され、前記塗布部が前記底部に圧接されることにより前進移動が規制されていることを特徴とする。
【0007】
この発明では、内容物を塗布する際、容器本体からキャップ体を離脱させるために、キャップ体を容器本体に対して、前記底部側とは反対の反底部側に移動させると、塗布具も前記反底部側に移動しようとする。すると、容器本体の底部による塗布具の前進移動の規制が解除され、塗布具が、付勢部材の付勢力によりキャップ体に対して前記底部側に前進移動させられる。
そして、塗布具が前進端位置まで前進移動させられた後には、塗布具も、キャップ体と一体に前記反底部側へ移動させられ、これらのキャップ体および塗布具が容器本体から離脱される。
【0008】
以上のように、キャップ体を容器本体から離脱させるときに、塗布具が、付勢部材の付勢力によりキャップ体に対して前記底部側に前進移動させられるので、塗布部の容器軸方向の位置を同等に維持し、塗布部を前記底部側に継続して位置させ易くすることができる。これにより、容器本体内の内容物が減少したときであっても、塗布部に内容物を保持させ易くすることができる。
またキャップ体が、容器本体の口部に容器軸回りに回転可能に装着されているので、塗布具の塗布部を、容器本体の底部に圧接させた状態でキャップ体とともに容器本体に対して容器軸回りに回転させることが可能になり、容器本体内の内容物が減少したときであっても、容器本体の底部上の内容物を、塗布部に保持させ易くすることができる。
以上より、容器本体内の内容物が減少したときであっても、塗布部に内容物を保持させ易くすることが可能になり、残量を低減させることができる。
【0009】
また、前記キャップ体および前記塗布具には、前記塗布具が前記キャップ体に対して前進端位置に位置するときに、容器軸方向に互いに係合し合うことで前記塗布具の更なる前進移動を規制する係合部が各別に配設され、前記塗布具は、前記係合部により更なる前進移動が規制された状態で、前記付勢部材により前記底部側に向けて付勢されてもよい。
【0010】
この場合、塗布具が、係合部により更なる前進移動が規制された状態で、付勢部材により前記底部側に向けて付勢されるので、塗布部を被塗布部に押し当てて内容物を塗布する際に、塗布具が後退させられるのを抑制することが可能になり、内容物を容易に塗布することができる。
【0011】
また前記係合部は、前記キャップ体および前記塗布具のうちのいずれか一方から径方向に突設された係合凸部と、他方に配設され内部に前記係合凸部が配置された係合凹部と、を備え、前記係合凹部は、容器軸方向に延在する縦溝状に形成されていてもよい。
【0012】
この場合、係合凹部が、容器軸方向に延在する縦溝状に形成されているので、塗布具が、キャップ体に対して前記底部側に前進移動させられるときに、係合凸部が係合凹部に案内されながら容器軸方向に移動することとなり、塗布具を容器軸方向に円滑に前進移動させることができる。
【0013】
また前記キャップ体は、前記口部に対して容器軸回りに回転させられることにより該口部から離脱されていてもよい。
【0014】
この場合、キャップ体が、容器本体の口部に対して容器軸回りに回転させられることにより該口部から離脱されるので、キャップ体を容器本体から離脱させるときに、塗布具の塗布部を、容器本体の底部に圧接させた状態でキャップ体とともに容器本体に対して容器軸回りに回転させることが可能になり、内容物を効率良く容器本体から取り出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る塗布具付き容器によれば、容器本体内の内容物が減少しても塗布部に内容物を保持させ易くして、残量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗布具付き容器の縦断面図である。
【図2】図1に示す塗布具付き容器を構成する容器本体の要部の正面図である。
【図3】図1に示す塗布具付き容器の要部の側面図である。
【図4】図1に示す塗布具付き容器の作用を説明する縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る塗布具付き容器を説明する。
図1に示すように、塗布具付き容器10は、内容物が収容される有底筒状の容器本体11と、該容器本体11の口部12に着脱自在に装着されるキャップ体14と、該キャップ体14に装着されるとともに該キャップ体14から下側(底部側)に向けて突出し、先端に塗布部16が配設された塗布具17と、を備えている。
【0018】
なお前記内容物としては、例えば液状体や粉状体などを採用することが可能である。
また、容器本体11およびキャップ体14の各中心軸線は、共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿ってキャップ体14側を上側(反底部側)といい、容器本体11の底部15側を下側といい、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0019】
容器本体11は、前記口部12および前記底部15と、口部12よりも大径とされ下端開口が底部15により閉塞された胴部18と、口部12の下端と胴部18の上端とを連結する肩部19と、を備えている。
なお容器本体11の外面には、例えば蒸着などにより遮光膜が形成されていてもよい。この場合、例えば遮光膜を、胴部18の外周面に全面にわたって形成する一方で底部15に形成しないことで、容器本体11の内部を、底部15を通して視認可能にすること等が可能になる。
【0020】
図2に示すように、容器本体11の口部12の外周面には、後述する内部材31の爪部35aが配置される配置凹部21が、周方向に間隔をあけて複数設けられている。配置凹部21は、前記口部12の外周面上に形成された凹部画成部22と、前記肩部19と、の間に画成されている。凹部画成部22は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0021】
凹部画成部22は、容器軸O方向に沿って延設されるとともに下端が前記肩部19に連結された第1突条部23と、第1突条部23の上端から周方向に延在する第2突条部24と、第2突条部24における周方向の中間部から下方に向けて延設され下端が前記肩部19に連結された第3突条部25と、を備えている。これらの第1突条部23、第2突条部24および第3突条部25と、肩部19と、の間に画成される空間が、前記配置凹部21となっている。
【0022】
なお、全ての凹部画成部22における各第2突条部24は、各第1突条部23から周方向のうちの同一方向に向けて螺旋をなすように延設されている。
また、第3突条部25における前記口部12の外周面からの突出量は、第1突条部23における前記口部12の外周面からの突出量よりも小さくなっている。
【0023】
図1に示すように、容器本体11の口部12内には、塗布具17に付着した余分な内容物をしごき落とすしごき部材26が配設されている。しごき部材26は、前記口部12内に嵌合された嵌合筒部27と、嵌合筒部27から径方向の内側に向けて突設されたしごき片28と、を備えている。これらの嵌合筒部27およびしごき片28は、一体に形成されるとともに、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0024】
嵌合筒部27の上端には、径方向の外側に向けて突出する外フランジ部29が設けられており、この外フランジ部29は、前記口部12の開口端縁上に配置されている。また嵌合筒部27の下端には、径方向の外側に向けて突出し、口部12の下端に当接もしくは近接する規制凸部30が形成されている。
しごき片28は、周方向の全周にわたって延在するとともに、径方向の内側に向かうに従い漸次、下方に向けて延在している。
【0025】
キャップ体14は、容器本体11の口部12に容器軸O回りに回転可能に装着されるとともに、該口部12に対する回転に伴って塗布具17を容器軸O回りに回転させる。また本実施形態では、キャップ体14は、容器本体11の口部12に対して容器軸O回りに回転させられることにより該口部12に着脱される。
該キャップ体14は、前記口部12に着脱自在に装着された内部材31と、該内部材31に装着され、前記塗布具17が液密に挿通されるとともに前記しごき片28に上方から液密に当接する筒状のシール部材32と、内部材31に外挿された有頂筒状の外部材33と、を備えており、これらのシール部材32および外部材33は、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0026】
内部材31は、下端部が口部12に外挿された本体筒部35と、本体筒部35から径方向の内側に向けて突設されたフランジ部36と、フランジ部36から上方に向けて延設された立ち上がり筒部37と、フランジ部36から下方に向けて延設された取付け筒部38と、を備えている。これらの本体筒部35、フランジ部36、立ち上がり筒部37、および取付け筒部38は、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0027】
本体筒部35の下端部には、径方向の内側に向けて突出する爪部35aが設けられている。爪部35aは、容器本体11の口部12における前記配置凹部21と対応して、周方向に間隔をあけて複数配設されており、各爪部35aは、当該爪部35aに対応する配置凹部21内に各別に配置されている。
また、内部材31において下端部よりも上側に位置する部分には、径方向に貫通する開口部35bが形成されている。図示の例では、開口部35bは、容器軸O方向に延在するとともに上方に向けて開口している。
【0028】
立ち上がり筒部37は、フランジ部36の内周縁に立設されており、立ち上がり筒部37の上端は、本体筒部35の上端よりも下側に位置している。立ち上がり筒部37には、図1および図3に示すように、容器軸O方向に延在する縦溝状に形成された係合凹部40が形成されている。係合凹部40は、容器軸Oを径方向に挟むように一対配設されるとともに、本体筒部35の前記開口部35bに径方向に対向している。また係合凹部40は、径方向に貫通するとともに上方に向けて開口している。
【0029】
図1に示すように、取付け筒部38は、前記嵌合筒部27の上端部内に位置しており、この取付け筒部38に前記シール部材32が装着されている。シール部材32の上端面には、容器軸Oと同軸に配置された環状溝32aが上方に向けて開口しており、この環状溝32a内に取付け筒部38が嵌合されている。また、シール部材32の下側部分の外径は、上方から下方に向かうに従い漸次、小さくなっており、この下側部分の外周面が、しごき片28の上面に液密に当接している。
【0030】
外部材33の容器軸O方向に沿った大きさは、内部材31の本体筒部35の容器軸O方向に沿った大きさと同等となっており、外部材33は、本体筒部35に対する容器軸O回りの回転が規制された状態で、本体筒部35に外嵌されている。
また、外部材33の頂壁部33aには、下方に向けて延在する垂下筒部41が、容器軸Oと同軸に配設されている。垂下筒部41の下端は、前記立ち上がり筒部37の上端よりも上方に位置しており、垂下筒部41の下端と立ち上がり筒部37の上端とは、間に隙間をあけた状態で容器軸O方向に近接または当接している。
【0031】
そして本実施形態では、塗布具17は、キャップ体14に下方に向けて前進移動可能に装着されるとともに付勢部材42により下方に向けて付勢され、塗布部16が容器本体11の底部15に圧接されることにより前進移動が規制されている。
塗布具17は、容器軸O方向に延在する棒状の本体部43と、前記塗布部16と、を備えている。
【0032】
本体部43は容器軸Oと同軸に配置されており、本体部43の上側部分43bは、前記垂下筒部41内、前記立ち上がり筒部37内、および前記シール部材32内に容器軸O方向に摺動自在に挿通されている。本体部43の上側部分43bの外周面は、前述した垂下筒部41、立ち上がり筒部37およびシール部材32の各内周面のうち、少なくともシール部材32の内周面に液密に当接している。
【0033】
また、本体部43の下側部分43aは、前記上側部分43bよりも大径とされ、本体部43において、これらの上側部分43bと下側部分43aとを連結する段部には、シール部材32の下端が当接している。
塗布部16は、本体部43の下端に装着されるとともに、弾性変形可能なヘラ状に形成され、容器本体11の底部15に圧接させられた状態で、折り曲げられて弾性変形させられている。また塗布部16の基端部は、容器軸O上に位置し、塗布部16は、基端部から先端部に向かうに従い漸次、径方向の外側に向けて延在している。
【0034】
ここで、本体部43の前記上側部分43bには、径方向に延在するピン部材44が貫設されている。ピン部材44は、前記上側部分43bを径方向に貫通する挿通孔45に挿通されており、例えば、内部材31の前記開口部35bを通して内部材31の外部から内部に進入させた後、前記挿通孔45に挿通させることができる。
【0035】
このピン部材44において、本体部43から径方向の外側に突出する部分である係合凸部46は、容器軸Oを径方向に挟むように一対配設されており、これらの係合凸部46はそれぞれ、立ち上がり筒部37の係合凹部40内に各別に配置されている。また図示の例では、係合凸部46は係合凹部40の上端縁よりも下方に位置し、係合凸部46における径方向の外側の外端部46aは、係合凹部40から径方向の外側に張り出している。また係合凸部46と、係合凹部40を画成する壁面のうち、上方を向く規制壁面47と、の間には、容器軸O方向に隙間があいている。
【0036】
付勢部材42は、容器軸O方向に弾性変形された状態で、キャップ体14と塗布具17との間に配設されている。本実施形態では、付勢部材42は、容器軸Oと同軸に配置された筒状に形成されるとともにキャップ体14の前記垂下筒部41に外挿され、付勢部材42の下端は、係合凸部46の前記外端部46aに当接し、付勢部材42の上端は、外部材33の頂壁部33aに当接している。なお付勢部材42は、例えば樹脂ばね、金属ばね(コイルスプリング等)、ゴム製部材、エラストマー樹脂製部材等により構成することが可能であるとともに、例えば外部材33等と一体に成形することも可能である。
【0037】
次に、前記塗布具付き容器10の作用について説明する。
内容物を塗布するため、キャップ体14を容器本体11から離脱させるときには、まずキャップ体14を、容器本体11の口部12に対して容器軸O回りに回転させる。これにより、キャップ体14の前記爪部35aが、前記凹部画成部22の第3突条部25(図2参照)を乗り越えることで、配置凹部21から離脱される。
またこのとき、キャップ体14の前記係合凹部40を画成する壁面のうち、周方向を向く押圧壁面48が係合凸部46を周方向に押圧することで、キャップ体14と塗布具17とが容器軸O回りに共回りする。すると、塗布具17の塗布部16が、容器本体11の底部15に圧接された状態で容器軸O回りに回転させられる。
【0038】
その後、キャップ体14を容器本体11に対して上方に離間移動させ、キャップ体14の爪部35aに、前記口部12において周方向に互いに隣り合う凹部画成部22同士の間を通過させることで、キャップ体14を前記口部12から離脱させる。
このとき、キャップ体14の容器本体11に対する上方への移動に伴って、塗布具17も上方に移動しようとする。すると、容器本体11の底部15による塗布具17の前進移動の規制が解除されることとなり、塗布具17の前記係合凸部46が、キャップ体14の前記係合凹部40に案内されながら、塗布具17が、付勢部材42の付勢力によりキャップ体14に対して下方に前進移動させられる。
【0039】
そして図4に示すように、塗布具17が前進端位置まで前進移動させられた後には、塗布具17も、キャップ体14と一体に上方へ移動させられ、これらのキャップ体14および塗布具17が容器本体11から離脱される。その後、塗布部16に保持された内容物を被塗布部に塗布する。
【0040】
なお本実施形態では、塗布具17がキャップ体14に対して前進端位置に位置するときに、キャップ体14の前記係合凹部40と、塗布具17の前記係合凸部46と、が、容器軸O方向に互いに係合し合うことで塗布具17の更なる前進移動を規制している。これらの係合凸部46と係合凹部40とは、係合凸部46が、係合凹部40の前記規制壁面47に当接することにより、互いに係合し合っている。
そしてこのとき、塗布具17は、係合凸部46および係合凹部40により更なる前進移動が規制された状態で、付勢部材42により下方に向けて付勢されている。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る塗布具付き容器10によれば、キャップ体14を容器本体11から離脱させるときに、塗布具17が、付勢部材42の付勢力によりキャップ体14に対して下方に前進移動させられるので、塗布部16の容器軸O方向の位置を同等に維持し、塗布部16を下方に継続して位置させ易くすることができる。これにより、容器本体11内の内容物が減少したときであっても、塗布部16に内容物を保持させ易くすることができる。
またキャップ体14が、容器本体11の口部12に容器軸O回りに回転可能に装着されているので、塗布具17の塗布部16を、容器本体11の底部15に圧接させた状態でキャップ体14とともに容器本体11に対して容器軸O回りに回転させることが可能になり、容器本体11内の内容物が減少したときであっても、容器本体11の底部15上の内容物を、塗布部16に保持させ易くすることができる。
以上より、容器本体11内の内容物が減少したときであっても、塗布部16に内容物を保持させ易くすることが可能になり、残量を低減させることができる。
【0042】
また、キャップ体14が、容器本体11の口部12に対して容器軸O回りに回転させられることにより該口部12から離脱されるので、キャップ体14を容器本体11から離脱させるときに、塗布具17の塗布部16を、容器本体11の底部15に圧接させた状態でキャップ体14とともに容器本体11に対して容器軸O回りに回転させることが可能になり、内容物を効率良く容器本体11から取り出すことができる。
【0043】
さらに係合凹部40が、容器軸O方向に延在する縦溝状に形成されているので、塗布具17が、キャップ体14に対して下方に前進移動させられるときに、係合凸部46が係合凹部40に案内されながら容器軸O方向に移動することとなり、塗布具17を容器軸O方向に円滑に前進移動させることができる。
【0044】
また塗布具17が、係合凸部46および係合凹部40により更なる前進移動が規制された状態で、付勢部材42により下方に向けて付勢されているので、塗布部16を被塗布部に押し当てて内容物を塗布する際に、塗布具17が後退させられるのを抑制することが可能になり、内容物を容易に塗布することができる。
【0045】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、しごき部材26およびシール部材32はなくてもよい。
【0046】
また、塗布部16は前記実施形態に示したものに限られず、例えば含浸または付着などにより内容物を保持する他の構成等を適宜採用することが可能である。例えば、塗布部として、基部材にフロッキー加工を施すことにより、基部材の表面に植毛部が形成されてなる構成を採用してもよい。また塗布部として、スポンジ状や匙(スパチュラ)状、ブラシ状の構成などを採用することも可能である。
【0047】
また前記実施形態では、付勢部材42の下端が、係合凸部46の前記外端部46aに当接しているものとしたが、これに限られない。例えば、付勢部材42が、垂下筒部41の内部に配置され、付勢部材42の下端が、塗布具17の本体部43の上端面に当接していてもよい。
さらに前記実施形態では、塗布具17の本体部43にピン部材44が貫設され、ピン部材44において、本体部43から径方向の外側に突出する部分が前記係合凸部46であるものとしたが、これに限られない。例えば、本体部43と係合凸部46とが一体成形されていてもよい。
【0048】
また前記実施形態では、キャップ体14を容器本体11の口部12に対して回転させるときに、係合凹部40の前記押圧壁面48が係合凸部46を周方向に押圧することで、キャップ体14と塗布具17とが容器軸O回りに共回りするものとしたが、キャップ体14および塗布具17に、塗布具17に対するキャップ体14の容器軸O回りの回転を規制する回転規制部を、係合凹部40および係合凸部46とは別途、設けることも可能である。
【0049】
また前記実施形態では、塗布具17に係合凸部46が設けられ、キャップ体14に係合凹部40が設けられているものとしたが、これに限られず、塗布具17に係合凹部40が設けられ、キャップ体14に係合凸部46が設けられていてもよい。つまり、キャップ体および塗布具のうちのいずれか一方から径方向に突設された係合凸部と、他方に配設され内部に前記係合凸部が配置された係合凹部と、を備えていればよい。
【0050】
また前記実施形態では、係合凹部40が縦溝状に形成されているものとしたが、これに限られない。例えば、係合凹部40が周方向に延在する周溝状に形成されていてもよい。
さらに係合凹部40はなくてもよい。この場合、例えば、前記立ち上がり筒部37を形成せずに、塗布具17がキャップ体14に対して前進端位置に位置するときに、係合凸部46を、フランジ部36の内周縁に係合させてもよい。
さらにまた、係合凹部40および係合凸部46を設けることに代えて、キャップ体および塗布具に、塗布具がキャップ体に対して前進端位置に位置するときに、容器軸方向に互いに係合し合うことで塗布具の更なる前進移動を規制する係合部となる他の構成を各別に配設してもよい。
【0051】
また前記実施形態では、容器本体11の口部12の前記配置凹部21に、キャップ体14の前記爪部35aが配置されることにより、キャップ体14が前記口部12に装着されているものとしたが、これに限られるものではなく、キャップ体14として、口部12に対して容器軸O回りに回転させられることにより口部12に離脱される他の構成を適宜採用することが可能である。例えば、キャップ体14および口部12に雌ねじ部および雄ねじ部を各別に形成し、これらのキャップ体14と口部12とを螺着させてもよい。
さらに、キャップ体14として、口部12に容器軸O回りに回転可能に装着されている一方で、口部12に対して容器軸O回りに回転させずに口部12に着脱させることができる構成を採用してもよく、例えば、キャップ体14が、口部12に対して容器軸O回りに回転可能で、かつ着脱自在にアンダーカット嵌合されていてもよい。
【0052】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 塗布具付き容器
11 容器本体
12 口部
14 キャップ体
15 底部
16 塗布部
17 塗布具
40 係合凹部
42 付勢部材
46 係合凸部
O 容器軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される有底筒状の容器本体と、
該容器本体の口部に着脱自在に装着されるキャップ体と、
該キャップ体に装着されるとともに該キャップ体から前記容器本体の底部側に向けて突出し、先端に塗布部が配設された塗布具と、を備える塗布具付き容器であって、
前記キャップ体は、前記口部に容器軸回りに回転可能に装着され、
前記塗布具は、前記キャップ体に前記底部側に向けて前進移動可能に装着されるとともに付勢部材により前記底部側に向けて付勢され、前記塗布部が前記底部に圧接されることにより前進移動が規制されていることを特徴とする塗布具付き容器。
【請求項2】
請求項1記載の塗布具付き容器であって、
前記キャップ体および前記塗布具には、前記塗布具が前記キャップ体に対して前進端位置に位置するときに、容器軸方向に互いに係合し合うことで前記塗布具の更なる前進移動を規制する係合部が各別に配設され、
前記塗布具は、前記係合部により更なる前進移動が規制された状態で、前記付勢部材により前記底部側に向けて付勢されることを特徴とする塗布具付き容器。
【請求項3】
請求項2記載の塗布具付き容器であって、
前記係合部は、前記キャップ体および前記塗布具のうちのいずれか一方から径方向に突設された係合凸部と、他方に配設され内部に前記係合凸部が配置された係合凹部と、を備え、
前記係合凹部は、容器軸方向に延在する縦溝状に形成されていることを特徴とする塗布具付き容器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の塗布具付き容器であって、
前記キャップ体は、前記口部に対して容器軸回りに回転させられることにより該口部から離脱されることを特徴とする塗布具付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−231912(P2012−231912A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101980(P2011−101980)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)