説明

塗布用具

【課題】 皮膚に化粧用クリーム等の塗布剤を塗布する場合に、塗布部分周辺の皮膚の皺を伸ばしながら、化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことが容易になし得る塗布用具を提供する。
【解決手段】 用具本体2の頂部に皮膚9に押圧する押圧面11aが形成され、押圧面11aの外周部の周方向に複数の皮膚伸ばし片3が起立状に突設され、複数の皮膚伸ばし片3は押圧面11aの周方向に互いに離間しかつ先広がり状に傾斜して押圧面11aから突出され、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに押圧面11aの外周部から複数の皮膚伸ばし片3の基部内面に亘って段差のない連続した接当面17aが形成されるように、押圧面11aの外周縁部に前記複数の皮膚伸ばし片3がそれぞれ薄肉のヒンジ部14を介して連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むための塗布用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗布用具により皮膚に化粧用クリーム等の塗布剤を塗布する場合、皮膚の皺を広げるための手と塗布剤を塗り込むための手が必要であった。この方法では必ず両手が必要であり、手間が掛かる、滑るといった問題があり、塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことが困難であった。
そこで、皮膚引き延ばし手段で皮膚を引き伸ばしながら一定量の薬剤を射出するようにした従来のジェット式注入デバイスとして、皮膚引き伸ばしユニットの本体部外面に、皮膚と係合する複数の指状突起部材を突出したものがあり(例えば引用文献1)、これを使用して化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むようにすることが考えられる。
【0003】
また、治療面にある容量の液体を塗布するための従来の拡散器具として、基部の外周部に治療面と係合する弾性変形可能な山形壁を一体に形成したものがあり(例えば引用文献2)、これを使用して化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むようにすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007−514489号公報
【特許文献2】特表2010−515490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の前者の場合は、複数の指状突起部材が本体部外面の外周端部よりも内方側に突出されており、指状突起部材を皮膚に押し付けて皮膚を引き延ばしたときには、本体部外面に複数の指状突起部材が重合して、本体部外面と指状突起部材の基部との間には大きな段差が生じてしまい、本体部外面から複数の指状突起部材の基部にわたって皮膚に対して略フラットな面で押し当てることができず、この従来のジェット式注入デバイスの皮膚引き延ばし手段部分を塗布用具に使用しても、塗布部分周辺の皮膚の皺を伸ばしながらクリームの塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことはできなかった。
【0006】
従来の後者の場合、山形壁は可撓性に富む膜から形成されたものであり、皮膚上に液体を広げる作用をするのみで、これを皮膚に押し当てても皮膚の皺を伸ばすことができず、この拡散器具を使用しても塗布部分周辺の皺を伸ばしながらクリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことはできなかった。
本発明は上記問題点に鑑み、皮膚に化粧用クリーム等の塗布剤を塗布する場合に、塗布部分周辺の皮膚の皺を伸ばしながら、化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことが容易になし得る塗布用具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、用具本体2の頂部に皮膚9に押圧する押圧面11aが形成され、押圧面11aの外周部の周方向に複数の皮膚伸ばし片3が起立状に突設され、複数の皮膚伸ばし片3は押圧面11aの周方向に互いに離間しかつ先広がり状に互いに傾斜して押圧面11aから突出され、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに押圧面11aの外周部から複数の皮膚伸ばし片3の基部内面に亘って段差のない連続した接当面17aが形成されるように、押圧面11aの外周縁部に前記複数の皮膚伸ばし片3がそれぞれ薄肉のヒンジ部14を介して連結されている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、用具本体2は、押圧面11aを皮膚9に押圧するためのバックアップ部6を有する被取付部材7に装着可能とされていてバックアップ部6に嵌合される筒状の嵌合側壁10と嵌合側壁10の頂部側を閉塞する押圧壁11とが具備され、押圧壁11の表面が前記押圧面11aとされ、押圧壁11の裏面が前記バックアップ部6が接当する被接当面11bとされている点にある。
【0009】
また、本発明の他の技術的手段は、嵌合側壁10が塗布剤4を収納する容器21の吐出頸部22に嵌合装着されて、容器21が被取付部材7とされると共に吐出頸部22が被取付部材7のバックアップ部6とされ、押圧壁11に吐出頸部22の吐出口26に対応する注出孔29が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記注出孔29は押圧壁11に形成した切り込み30から成る逆止弁構造とされている点にある。
【0010】
また、本発明の他の技術的手段は、嵌合側壁10の内周に容器21の吐出頸部22に螺合する雌ねじ41が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、押圧面11aが凸面状に膨出されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、嵌合側壁10が手持ち可能な柄部材の一端部に嵌合装着されて、柄部材が被取付部材7とされ、柄部材の一端部がバックアップ部6とされている点にある。
【0011】
また、本発明の他の技術的手段は、前記嵌合側壁10の頂部外周に、前記ヒンジ部14を形成するための凹溝15が設けられている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、用具本体2に手持ち可能な柄部材が一体に形成され、柄部材の一端面が前記押圧面11aとされている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記複数の皮膚伸ばし片3の基部に、前記ヒンジ部14を形成するための凹溝15が形成さている点にある。
【0012】
また、本発明の他の技術的手段は、前記皮膚伸ばし片3の内面に滑り止め用の凸条31が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記押圧面11aにマッサージ用の凸部36が形成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記複数の皮膚伸ばし片3は周方向に等間隔をおいて3本形成されている点にある。
【0013】
また、本発明の他の技術的手段は、前記皮膚伸ばし片3の外端部に皮膚9を引っかけるための切欠溝39が形成されている点にある。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、押圧面の外周縁部に複数の皮膚伸ばし片がそれぞれ薄肉のヒンジ部を介して連結されており、押圧面を皮膚に押圧したときに押圧面の外周部から複数の皮膚伸ばし片の基部内面に亘って段差のない連続した接当面が形成されるので、皮膚に化粧用クリーム等の塗布剤を塗布する場合に、塗布部分周辺の皮膚の皺を伸ばしながら、化粧用クリーム等の塗布剤を皮膚の奥部まで塗り込むことが容易になし得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態を示す塗布用具の拡大正面断面図で、図1(a)は皮膚伸ばし片を皮膚に押圧する前の断面図、図1(b)は皮膚伸ばし片を皮膚に押圧した後の断面図、図1(c)は押圧面を皮膚に押圧した後の断面図である。
【図2】同塗布用具の拡大斜視図である。
【図3】第2実施形態を示す塗布用具の拡大平面図である。
【図4】同塗布用具を容器に装着した状態の拡大正面断面図で、図4(a)は塗布剤を押圧面に注出する前の断面図、図4(a)は塗布剤を押圧面に注出した後の断面図である。
【図5】第3実施形態を示す塗布用具の拡大斜視図である。
【図6】第4実施形態を示す塗布用具を柄部材に装着した状態の拡大正面断面図である。
【図7】第5実施形態を示す塗布用具を柄部材に装着した状態の拡大正面断面図である。
【図8】第6実施形態を示す塗布用具の拡大斜視図である。
【図9】第7実施形態を示す塗布用具を容器に装着した状態の拡大正面断面図である。
【図10】第8実施形態を示す塗布用具の拡大正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図2は第1実施形態を示している。図1〜図2において、塗布用具1は、化粧用クリームや薬用クリームその他液状又は粉状の化粧品等の塗布剤4を皮膚9に塗布するためのもので、用具本体2と複数の皮膚伸ばし片3とを備え、シリコン樹脂等の弾性を有する比較的柔らかい合成樹脂により一体成形され、用具本体2の頂部に皮膚9に押圧する押圧面11aが形成されている。
【0017】
用具本体2は、押圧面11aを皮膚9に押圧するためのバックアップ部6を有する被取付部材7に装着可能とされていて、バックアップ部6に嵌合される円筒状の嵌合側壁10と嵌合側壁10の頂部側を閉塞する円板状の押圧壁11とが具備されている。押圧壁11の表面が円形の押圧面11aとされ、押圧壁11の裏面がバックアップ部6が接当する被接当面11bとされている。本実施形態の場合、嵌合側壁10が手持ち可能な柄部材の一端部に嵌合装着されて、柄部材が被取付部材7とされ、柄部材の一端部がバックアップ部6とされている。
【0018】
嵌合側壁10の下端部には内方突出した環状の係合部12が形成され、係合部12は被取付部材7のバックアップ部6下方の括れ部13に係合されている。
前記複数の皮膚伸ばし片3は押圧面11aの外周部の周方向に起立状に突設され、押圧面11aの周方向に互いに離間しかつ先広がり状に互いに傾斜して押圧面11aから突出され、本実施形態では、皮膚伸ばし片3は周方向に等間隔をおいて3本形成されている。押圧面11aの外周縁部に複数の皮膚伸ばし片3がそれぞれ薄肉のヒンジ部14を介して連結され、嵌合側壁10の頂部外周に、ヒンジ部14を形成するための凹溝15が環状に形成されている。なお、凹溝15は嵌合側壁10の頂部外周に環状に形成されていなくてもよく、複数の皮膚伸ばし片3に対応してそれぞれ別個に形成してもよい。
【0019】
従って、複数の皮膚伸ばし片3は、互いに独立していてそれぞれヒンジ部14を介して嵌合側壁10の頂部及び押圧壁11の外周縁部に連結されており、複数の皮膚伸ばし片3を皮膚9に押圧したときに、複数の皮膚伸ばし片3はその基端内縁部からそれぞれヒンジ部14を介して嵌合側壁10の径外方向に大きく広がり、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに、図1(c)に示す如く押圧面11aから複数の皮膚伸ばし片3の内面に亘って皮膚9に接当する接当面17aが形成され、この接当面17aは押圧面11a全体から複数の皮膚伸ばし片3の内面全体に亘って段差のない連続した面一なフラット面となる。
【0020】
前記実施形態では、塗布用具1により皮膚9に化粧用クリーム等の塗布剤4を塗布する場合、図1(a)に示す如く塗布剤4の収納容器等から押圧壁11の押圧面11aに塗布剤4を注出した後、図1(b)に示す如く複数の皮膚伸ばし片3を皮膚9に押圧し、さらに図1(c)に示す如く押圧面11aを皮膚9に押圧し、この押圧動作を繰り返せばよい。
【0021】
複数の皮膚伸ばし片3を皮膚9に押圧したときに、複数の皮膚伸ばし片3はその基端内縁部からそれぞれヒンジ部14を介して嵌合側壁10の径外方向に大きく広がり、複数の皮膚伸ばし片3で皮膚9を外方に放射状に引っ張って、皮膚9の皺を外側に大きく伸ばし、その後に、押圧面11aが皮膚9に押圧して、伸びきった皮膚9の中央部に塗布剤4が塗布され、皮膚9の奥部に塗布剤4をすり込むように浸透させることができる。
【0022】
従って、皮膚9に化粧用クリーム等の塗布剤4を塗布する場合に、塗布部分周辺の皮膚9の皺を伸ばしながら、化粧用クリーム等の塗布剤4を皮膚9の奥部まで塗り込むことが容易になし得る。また、複数の皮膚伸ばし片3及び押圧面11aを皮膚9に押圧して、それらを皮膚9から離間させる動作を繰り返すことにより、皮膚9の奥部へ塗布剤4をすり込むと共に、塗布部分のマッサージ効果が得られる。
【0023】
図3〜図4は第2実施形態を示している。図3〜図4に示すように、嵌合側壁10が塗布剤4を収納する容器21の吐出頸部22に嵌合装着されて、容器21が被取付部材7とされると共に吐出頸部22が被取付部材7のバックアップ部6とされている。ここで、容器21は化粧用クリームや薬用クリームその他液状又は粉状の化粧品等の塗布剤4を収納する収納容器であり、容器21の口部24に中栓25が嵌合装着され、この中栓25に吐出口26を有する吐出頸部22が上方突設されている。押圧壁11に吐出頸部22の吐出口26に対応する注出孔29が設けられている。この注出孔29は押圧壁11に形成した十字状の切り込み30から成る逆止弁構造とされている。その他の点は前記第1実施形態と同様の構成である。
【0024】
この実施形態の場合、前記第1実施形態と同様に塗布部分周辺の皮膚9の皺を伸ばしながら、化粧用クリーム等の塗布剤4を皮膚9の奥部まで塗り込むことが容易になし得る。また、容器21内から吐出頸部22の吐出口26及び押圧壁11の注出孔29を通して塗布剤4を押圧面11a上に注出することができ、指等を塗布剤4で汚すこともなくなる。しかも、注出孔29が逆止弁構造になっているため、押圧面11a上に注出した塗布剤4が逆流して容器21内に戻るのを防ぐことができ、衛生的である。
【0025】
図5は第3実施形態を示し、皮膚伸ばし片3の内面に滑り止め用の凸条31が幅方向に形成され、この滑り止め用の凸条31は皮膚伸ばし片3の突出方向に間隔をおいて複数設けられている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成であり、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに押圧面11aから複数の皮膚伸ばし片3の基部内面に亘って段差のない連続した接当面17a(図1(c)参照)が形成される。
【0026】
この実施形態の場合、滑り止め用の凸条31によって皮膚9に対して皮膚伸ばし片3が滑るのを防いで皮膚9を放射状により確実に伸ばすことができる。
図6は第4実施形態を示し、押圧壁11及び押圧面11aが凸面状に膨出され、押圧壁11とバックアップ部6の端面との間に空隙34が形成されている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。
【0027】
この実施形態の場合、前記第1実施形態の場合と同様に、複数の皮膚伸ばし片3を皮膚9に押圧したときに、複数の皮膚伸ばし片3は嵌合側壁10の径外方向に大きく広がり、押圧面11aが皮膚9に押圧したときに、押圧面11aから複数の皮膚伸ばし片3の内面に亘って皮膚9に接当する接当面17aが形成され、この接当面17aは押圧面11a全体から複数の皮膚伸ばし片3の内面全体に亘って段差のない連続した面一なフラット面となる。そして、押圧壁11乃至押圧面11aでゆっくりソフトに皮膚9を押圧しながら塗布剤4を塗布することができる。
【0028】
なお、前記第4実施形態では、押圧壁11とバックアップ部6の端面との間に空隙34が形成されているが、これに代え、押圧壁11を外周から中央部に向かうに従って徐々に肉厚が大きくなるように形成して押圧面11aを凸面状に膨出したままで押圧壁11とバックアップ部6との間の空隙34をなくするようにしてもよい。この場合には、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに、押圧面11aはある程度凸面状に膨出した状態を保つが、押圧面11aの外周部から複数の皮膚伸ばし片3の内面に亘って段差のない連続した接当面17aが形成され、押圧面11aを皮膚9に押圧する動作を繰り返すことにより、皮膚9の奥部へ塗布剤4をすり込むと共に、塗布部分のマッサージ効果が得られる。
【0029】
図7は第5実施形態を示し、複数の皮膚伸ばし片3の基部内面にそれぞれヒンジ部14を形成するための円弧状に湾曲した凹溝15が形成されている。また、押圧面11aにマッサージ用の凸部36が複数形成されている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。
この実施形態の場合、押圧面11aを皮膚9に押圧した際にマッサージ用の凸部36で皮膚9を押してより強くマッサージしながら塗布剤4を塗布することができる。また、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに、2点鎖線で示す如く押圧面11aの外周部から複数の皮膚伸ばし片3の基部内面に亘って段差のない連続した接当面17aがなだらかな曲面として形成され、前記第1実施形態の場合と同様に複数の皮膚伸ばし片3で皮膚9を大きく伸ばすことができる。
【0030】
なお、第5実施形態では、皮膚伸ばし片3の基部内面に凹溝15が形成されているが、これに代え、皮膚伸ばし片3の基部外面にヒンジ部14を形成するための凹溝15を形成するようにしてもよく、このようにすれば、押圧面11aを皮膚9に押圧したときに、押圧面11aの外周部から複数の皮膚伸ばし片3の基部内面に亘って段差のない連続した接当面17aがフラット面として形成される。
【0031】
図8は第6実施形態を示し、皮膚伸ばし片3の外端部に皮膚9を引っかけるための三角状の切欠溝39が形成されている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。
この実施形態の場合、複数の皮膚伸ばし片3を皮膚9に押圧する際に、切欠溝39で皮膚9を引っ掛けて複数の皮膚伸ばし片3でより確実に伸張して皮膚9の皺を伸ばすことができる。
【0032】
図9は第7実施形態を示し、嵌合側壁10の内周に容器21の吐出頸部22(口部24の雄ねじ40)に螺合する雌ねじ41が形成されている。ここで、吐出頸部22は容器21の口部24と口部24に嵌合装着した中栓25とを備えてなり、中栓25に吐出口26が形成されている。従って、嵌合側壁10は容器21の口部24に外嵌するように大径の円筒状に形成され、これに伴い押圧壁11乃至押圧面11aも大径に形成されている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。
【0033】
この実施形態の場合、キャップを容器21の口部24から取り外すことにより、容器21の口部24に塗布用具1を螺合して簡単に装着することができる。そして、塗布用具1で皮膚9に塗布剤4を塗布する際に、容器21の口部24乃至中栓25を押圧面11aを皮膚9に押圧するためのバックアップ部6として有効に利用することができる。
図10は第8実施形態を示し、用具本体2に手持ち可能な柄部材44が一体に形成され、柄部材44の一端面が前記押圧面11aとされている。その他の点は第1実施形態の場合と同様の構成である。この場合、押圧壁11及び複数の皮膚伸ばし片3よりも柄部材44を硬質な合成樹脂で2色成形するようにしてもよい。
【0034】
なお、前記実施形態では、第1実施形態〜第8実施形態までそれぞれ別個独立に構成しているが、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせたり、第2実施形態と第3実施形態と第4実施形態と第5実施形態と第6実施形態とを組み合わせるたりしてもよく、種々の実施形態同士を組み合わせることが考えられる。
また、押圧面11aは円形に限定されず、楕円形であってもよいし、三角形、四角形、五角形その他の多角形であってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 塗布用具
2 用具本体
3 皮膚伸ばし片
4 塗布剤
6 バックアップ部
7 被取付部材
9 皮膚
10 嵌合側壁
11 押圧壁
11a 押圧面
11b 被接当面
14 ヒンジ部
15 凹溝
17a 接当面
21 容器
22 吐出頸部
26 吐出口
29 注出孔
31 凸条
36 凸部
39 切欠溝
41 雌ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用具本体(2)の頂部に皮膚(9)に押圧する押圧面(11a)が形成され、押圧面(11a)の外周部の周方向に複数の皮膚伸ばし片(3)が起立状に突設され、複数の皮膚伸ばし片(3)は押圧面(11a)の周方向に互いに離間しかつ先広がり状に互いに傾斜して押圧面(11a)から突出され、押圧面(11a)を皮膚(9)に押圧したときに押圧面(11a)の外周部から複数の皮膚伸ばし片(3)の基部内面に亘って段差のない連続した接当面(17a)が形成されるように、押圧面(11a)の外周縁部に前記複数の皮膚伸ばし片(3)がそれぞれ薄肉のヒンジ部(14)を介して連結されていることを特徴とする塗布用具。
【請求項2】
用具本体(2)は、押圧面(11a)を皮膚(9)に押圧するためのバックアップ部(6)を有する被取付部材(7)に装着可能とされていてバックアップ部(6)に嵌合される筒状の嵌合側壁(10)と嵌合側壁(10)の頂部側を閉塞する押圧壁(11)とが具備され、押圧壁(11)の表面が前記押圧面(11a)とされ、押圧壁(11)の裏面が前記バックアップ部(6)が接当する被接当面(11b)とされていることを特徴とする請求項1に記載の塗布用具。
【請求項3】
嵌合側壁(10)が塗布剤(4)を収納する容器(21)の吐出頸部(22)に嵌合装着されて、容器(21)が被取付部材(7)とされると共に吐出頸部(22)が被取付部材(7)のバックアップ部(6)とされ、押圧壁(11)に吐出頸部(22)の吐出口(26)に対応する注出孔(29)が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の塗布用具。
【請求項4】
前記注出孔(29)は押圧壁(11)に形成した切り込み(30)から成る逆止弁構造とされていることを特徴とする請求項3に記載の塗布用具。
【請求項5】
嵌合側壁(10)の内周に容器(21)の吐出頸部(22)に螺合する雌ねじ(41)が形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項6】
押圧面(11a)が凸面状に膨出されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項7】
嵌合側壁(10)が手持ち可能な柄部材の一端部に嵌合装着されて、柄部材が被取付部材(7)とされ、柄部材の一端部がバックアップ部(6)とされていることを特徴とする請求項2に記載の塗布用具。
【請求項8】
前記嵌合側壁(10)の頂部外周に、前記ヒンジ部(14)を形成するための凹溝(15)が設けられていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項9】
用具本体(2)に手持ち可能な柄部材が一体に形成され、柄部材の一端面が前記押圧面(11a)とされていることを特徴とする請求項1に記載の塗布用具。
【請求項10】
前記複数の皮膚伸ばし片(3)の基部に、前記ヒンジ部(14)を形成するための凹溝(15)が形成さていることを特徴とする請求項1〜7又は9のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項11】
前記皮膚伸ばし片(3)の内面に滑り止め用の凸条(31)が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項12】
前記押圧面(11a)にマッサージ用の凸部(36)が形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項13】
前記複数の皮膚伸ばし片(3)は周方向に等間隔をおいて3本形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の塗布用具。
【請求項14】
前記皮膚伸ばし片(3)の外端部に皮膚(9)を引っかけるための切欠溝(39)が形成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の塗布用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−239824(P2012−239824A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116024(P2011−116024)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【特許番号】特許第4923156号(P4923156)
【特許公報発行日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(000241625)エム・エフ・ヴィ株式会社 (22)