説明

塗布膜転写具

【課題】転写ヘッドをケース内に出没可能に装填した塗布膜転写具において、ケース外に突出させた転写ヘッドにかかる圧力を吸収して操作性を高めた塗布膜転写具を提供する。
【解決手段】収納ケース4内に、未使用状態の転写テープが巻装される供給ボビンと、使用済みの転写テープが巻着される巻取ボビンと、供給ボビンの回転と巻取ボビンの回転を連動させる回転伝達装置とを内部に装備し、前記供給ボビンから引き出された転写テープを懸架させる転写ヘッドを突出させて具備した塗布膜転写部2と、前記収納ケース4の後端から突出するノック部材と、前記塗布膜転写部とノック部材の間に配置される回転部材及び回転支持部材と、前記塗布膜転写部を後方へ付勢する弾性部材とが装填され、前記回転支持部材は撓み可能な支持アームを備えて、前記転写ヘッドの押圧力に応じて塗布膜転写部2が収納ケース4内で前後に微動可能とした塗布膜転写具1とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布膜転写具に関し、更に詳しくは、転写対象に圧接させて転写テープの塗布膜を転写するための転写ヘッドをケース内に出没可能に装填した塗布膜転写具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、糊の貼付や誤字の修正に用いる塗布膜転写具が種々提案されている。このような塗布膜転写具の構成としては、ケース内に未使用の転写テープが巻装される供給ボビンが装着される供給リールと、供給ボビンから引き出されて使用された使用済み転写テープが巻着される巻取ボビンが装着される巻取リールと、前記供給リールと巻取リールとを連動させるリール連動手段とを備えており、供給リールの軸部には供給リールと巻取リールのテープ搬送量の差を吸収し、転写テープの緊張を一定に保つスリップ機構が設けられたものが一般的であった。そして、これに使用される転写テープとしては、搬送媒体となる樹脂テープ又は紙テープの表面に、この表面から容易に剥離可能な塗布膜が設けられるものが使用されていた。
【0003】
このような塗布膜転写具では、転写ヘッドをケースから突出させて当該転写ヘッドに転写テープを懸架させており、転写ヘッドが紙面等の転写対象に密着した状態で押し付けながら、ケースを移動させることにより、転写テープの塗布膜を紙等の転写対象に転写させる。それと同時に、供給リールからは転写テープが繰り出され、使用済み転写テープは巻取リールに巻き取られる。
【0004】
転写ヘッドがケースから突出した態様の塗布膜転写具では、ケースから露出した塗布膜が乾燥したり、誤転写されてしまうのを防止するために、転写ヘッドを覆うキャップを設けている。しかしながら、使用時にキャップの取り外しと取り付けの操作を行う必要があり、操作が面倒である。
【0005】
そこで、転写ヘッドに掛止された転写テープの塗布膜を保護する技術として、転写ヘッドの前端を露出させたケースの前端部に保護カバーを設け、保護カバー又はケースの何れか一方に螺旋溝を形成するとともに、他方には該螺旋溝に嵌入する突起を設けた塗布膜転写具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この塗布膜転写具は、保護カバーを回動させることにより該保護カバーをケースに対して前進又は後退させて、転写ヘッドを保護又は露出させる。
【0006】
また、転写ヘッドをケース内から出没可能に構成した技術としてノック式やスライド式があり、例えば、供給リール、巻取リール、両リールを連動させる連動機構、並びに転写ヘッドを装填した塗布膜転写部を外側ケース内に収納し、外側ケース後端から突出するノック部材と、塗布膜転写部をケース後方に付勢する弾性体と、ノック部材と塗布膜転写部の間に連動可能に配置される回転部材とを備え、該ノック部材を押圧すると転写ヘッドが外側ケース内から突出し、さらにノック部材を押圧すると転写ヘッドが外側ケース内部に収納されるダブルノック機構を有する塗布膜転写具が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−1850号公報
【特許文献2】特開2006−272949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記ノック式の塗布膜転写具は、ノック部材を押圧して転写ヘッドをケース外に突出させて固定しているが、転写ヘッドが完全に固定されていると、強い押圧力が加わった場合に転写ヘッドを破損したり、転写対象を損傷することがあり、転写時の押圧力の調整が難しいという問題点があった。
【0008】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、転写ヘッドをケース内に出没可能に装填した塗布膜転写具において、ケース外に突出させた転写ヘッドにかかる圧力を吸収して操作性を高めた塗布膜転写具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、収納ケース内に、未使用状態の転写テープが巻装される供給ボビンと、使用済みの転写テープが巻着される巻取ボビンと、供給ボビンの回転と巻取ボビンの回転を連動させる回転伝達装置とを内部に装備し、前記供給ボビンから引き出された転写テープを懸架させる転写ヘッドを突出させて具備した塗布膜転写部と、前記収納ケースの後端から突出するノック部材と、前記塗布膜転写部とノック部材の間に配置される回転部材及び回転支持部材と、前記塗布膜転写部を後方へ付勢する弾性部材とを装填した塗布膜転写具であって、前記回転支持部材は撓み可能な支持アームを備えて、前記転写ヘッドの押圧力に応じて塗布膜転写部が収納ケース内で前後に微動可能としていることを特徴とするものである。
【0010】
又、前記支持アームの先端側は収納ケースの軸方向に対して傾斜する一方、該収納ケース内周面には該支持アームが摺接する摺動支持部が形成されているものである。
【0011】
更に、前記ノック部材は摺動突起及び摺動溝のいずれか一方を備え、前記収納ケース内周面は摺動突起及び摺動溝のいずれか他方を備えて、該摺動突起及び摺動溝とを嵌入させて互いを摺動可能としているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗布膜転写具によれば、塗布膜転写部を出没させるために回転可能に備えられた回転部材を係止する回転支持部材が撓み可能な支持アームを備え、この支持アームは収納ケースの内周面に設けられた摺動支持部に摺接されているため、転写ヘッドに押圧力が加わった場合、その押圧力に応じて回転支持部材の支持アームが摺動支持部に沿って撓み、回転支持部材が僅かに後退する。そして、収納ケースに装填された塗布膜転写部は弾性部材により後方へ付勢されているため、回転支持部材の後退により共に後退することとなり、転写ヘッドの押圧力に応じて前後に微動可能となる。従って、転写ヘッドへ加わる圧力が軽減され、操作性を高めることができる。
【0013】
又、支持アームは、先端側を収納ケースの軸方向に対して傾斜させて形成され、収納ケース内に形成した摺動支持部に当接した状態で支持されているため、回転支持部材は塗布膜転写具の被操作時は安定して収納ケース内に固定されると共に、転写ヘッドに押圧力が加わった場合の摺動も容易となり、塗布膜転写部の微動を容易に可能とすることができる。
【0014】
更に、ノック部材は摺動突起及び摺動溝のいずれか一方を備え、収納ケース内周面には摺動突起及び摺動溝のいずれか他方を備えているため、ノック部材は収納ケースに対して回転不能とされて軸方向に真っ直ぐに摺動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態の塗布膜転写具は、収納ケース内に、未使用状態の転写テープが巻装される供給ボビンと、使用済みの転写テープが巻着される巻取ボビンと、供給ボビンの回転と巻取ボビンの回転を連動させる回転伝達装置とを内部に装備し、供給ボビンから引き出された転写テープを懸架させる転写ヘッドを突出させて具備した塗布膜転写部と、前記収納ケースの後端から突出するノック部材と、前記塗布膜転写部とノック部材の間に配置される回転部材及び回転支持部材と、前記塗布膜転写部を後方へ付勢する弾性部材とを装填して構成され、前記回転支持部材は先端側が収納ケースの軸方向に対して傾斜する撓み可能な支持アームを備えると共に、収納ケース内周面には支持アームが摺接する摺動支持部を形成して、前記転写ヘッドの押圧力に応じて支持アームが摺動支持部に沿って僅かに後退することにより、塗布膜転写部が収納ケース内で前後に微動可能とするものである。
【0016】
そして、ノック部材の外周面には摺動突起を備え、収納ケース内面には摺動突起が嵌入する摺動溝を形成して、ノック部材が収納ケースに対して回転不能に軸方向に摺動可能とするものである。
【実施例1】
【0017】
以下、本発明の塗布膜転写具に関して図に基づいて詳説する。本発明の塗布膜転写具1は、図1に示すように、転写対象に塗布膜を転写する塗布膜転写部2と、この塗布膜転写部2を前後に摺動させるノック式機構の動作制御部3と、塗布膜転写部2及び動作制御部3が巻取される収納ケース4とを備えるものである。尚、本明細書内において転写ヘッド24が位置する方向を前方とし、動作制御部3が位置する方向を後方とし、図2における第一転写部カバー26側を下方、第二転写部カバー27側を上方として説明している。
【0018】
そして、この塗布膜転写具1は、ノック式機構によって塗布膜転写部2を前後方向に摺動させることにより、後述する転写ヘッド24を収納ケース4の前端から突出或いは収納ケース4内に収納させることが可能なノック式タイプであり、ノック式機構によって転写ヘッド24を収納ケース4の前端から突出させ、転写ヘッド24を転写対象上に圧接させたまま摺動させることにより転写ヘッド24に懸架された転写テープ20の塗布膜が転写対象に転写されるものである。
【0019】
塗布膜転写部2は、図2乃至図4に示すように、未使用状態の転写テープ20が巻装される供給ボビン21と、使用済みの転写テープ20を巻取る巻取ボビン22と、転写テープ20を懸架し転写テープ20の塗布膜を転写対象に押圧することにより感圧転写する転写ヘッド24と、供給ボビン21と巻取ボビン22を互いに連動して回転させ、供給ボビン21の回転を巻取ボビン22に伝達すると共に巻取ボビン22の回転を制御する回転伝達装置と、供給ボビン21の回転の負荷を調整する負荷調整手段と、図1に示した動作制御部3と共にノック式機構の一部とされる転写ヘッド保持部材41及び押しバネ42並びに係止部材43と、これらの各部材が装着される第一転写部カバー26及び第二転写部カバー27から形成された転写部収納ケースとを備えるものである。
【0020】
転写テープ20は、修正テープ等の塗布膜と、片面にこの塗布膜が剥離層を介して係着された基材テープとから形成され、供給ボビン21と巻取ボビン22に両端が接続され、転写ヘッド24に懸架されているものであり、転写ヘッド24によって転写対象に圧接されることにより塗布膜が転写対象に感圧転写されるものである。
【0021】
供給ボビン21は、両端面を開口とする円筒形状であって、側面の一端近傍の三方から外縁に沿って延設するように形成された後述する第二転写部カバー27の供給ボビン緩止壁27aに圧接することによって負荷調整手段とされる弾性アーム21aを有し、内周縁には後述するクラッチ部材31と噛合する複数の噛合突起21bが形成されているものであり、外周縁に未使用状態の転写テープ20が巻装されているものである。
【0022】
巻取ボビン22は、円筒と、両端面近傍の側面から外方に突出するように形成された上円板及び下円板と、下円板の中央から下方に突出するように形成された回転伝達装置の構成部材である巻取側ギア35と、巻取側ギア35の中心から下方に突出するように形成された巻取補助部39とを備えるものである。この巻取ボビン22は、使用済みの転写テープ20の基材テープを巻取るものであり、供給ボビン21の回転が回転伝達装置によって伝達されて回動するものである。又、巻取補助部39は、下端を螺子頭の形状とし、転写ヘッド24が図1に示した収納ケース4の内部に収納されている場合に後述する第一収納ケース4aの巻取穴78と対向する位置に位置し、巻取穴78から螺子回し等を挿入して巻取補助部39を回動させることにより、巻取ボビン22が回動して転写テープ20の弛みを解消することができるものである。
【0023】
転写ヘッド24は、コの字状に形成された針金のフランク部分に円筒が回動可能に貫挿されたものであって、転写ヘッド保持部材41の前端部に固定されており、円筒の側面に転写テープ20が懸架されているものである。そして、この転写テープ20が懸架された転写ヘッド24を転写対象に押圧したまま摺動させることにより転写対象に塗布膜を感圧転写するものである。
【0024】
転写ヘッド保持部材41は、後方側に位置する円柱形状の摺動軸41aと、前方に位置し転写ヘッド24が装着される装着部41bとから形成されているものである。この摺動軸41aは、押しバネ42のコイル部が貫挿されると共に係止部材43が懸架されるものであり、後端近傍に後述する第一転写部カバー26の後方保持部26fと係止する係止部を備えるものである。又、装着部41bは、摺動軸41aとの境界に形成され後述する第一転写部カバー26及び第二転写部カバー27の平板保持溝26h,27eに嵌挿される平板と、該平板の前方に形成され先端に転写ヘッド24の脚が貫挿される穴を備えたコの字状の転写ヘッド貫挿部とを備えるものである。そして、転写ヘッド保持部材41は、摺動軸41aに係止部材43が懸架され、係止部材43の後方に係止部材43を前方に付勢するように押しバネ42が装着され、転写ヘッド貫挿部に転写ヘッド24が装着された状態で、第一転写部カバー26に配置されるものである。
【0025】
係止部材43は、転写ヘッド保持部材41の摺動軸41aに懸架されるU字形状の切欠きを有した方形状の平板と、切欠きの後端周縁から後方に突出するように形成された押しバネ係止部と、平板の切欠きが形成された辺と垂直に交わる二辺からそれぞれ外方に突出するように形成された係止爪43aとを備えるものである。
【0026】
そして、この係止部材43は、転写ヘッド保持部材41の摺動軸41aに切欠きが懸架され、押しバネ係止部に転写ヘッド保持部材41の摺動軸41aに貫挿された押しバネ42のコイル部が係着されるものであり、係止部材43の係止爪43aは、後述する第一転写部カバー26及び第二転写部カバー27の摺動レール26g,27dを貫挿して後述する収納ケース4の係止部72a,72bと係止しているものである。又、係止部材43の係止爪43aが収納ケース4の係止部72a,72bと係止しているため、係止部材43の後方に挿入される押しバネ42がその弾性力によって塗布膜転写部2を収納ケース4内の後方に付勢しているものである。
【0027】
回転伝達装置は、略円筒形状であって供給ボビン21と連動して回動するクラッチ部材31と、このクラッチ部材31が圧接される供給側ギア32と、供給側ギア32の径よりも小さな径とされた巻取ボビン22の巻取側ギア35と、供給側ギア32及び巻取側ギア35と噛合して回転を連動させる連結ギア36とを備えるものである。
【0028】
このクラッチ部材31は、両端面を開口とする円筒と、円筒の上端近傍から下端近傍まで側面の三カ所に等間隔で形成され、供給ボビン21の噛合突起21bと噛合する三本の噛合歯31aと、噛合歯31aの下端近傍にクラッチ部材31の円筒周縁に沿って延設するように形成され、後述する供給側ギア32のクラッチ部材緩止壁32aに圧接する供給側ギア緩止アーム31bとを備え、供給側ギア緩止アーム31bが形成された位置から円筒の下端が僅かに下方に突出しているものである。そして、このクラッチ部材31は、供給ボビン21の円筒内にクラッチ部材31の円筒が貫挿され、供給ボビン21の円筒内に形成された噛合突起21bとクラッチ部材31の噛合歯31aが噛合することにより、供給ボビン21と連動して回動するものであり、第一転写部カバー26の保持軸26aに回動可能に貫挿されているものである。
【0029】
又、供給側ギア32は、略円板形状であって中心に開口を有し、上方に凹部を形成するクラッチ部材緩止壁32aを備え、外周縁に連結ギア36と噛合する歯が形成され、下面には後述する第一転写部カバー26の逆回転防止アーム26iと係止する係止歯32bが形成されているものである。そして、供給側ギア32の開口にクラッチ部材31の円筒下端が回動可能に貫挿され、上面の凹部にクラッチ部材31の供給側ギア緩止アーム31bが挿入されてクラッチ部材緩止壁32aに供給側ギア緩止アーム31bがスリップ可能に圧接されており、クラッチ部材緩止壁32aと供給側ギア緩止アーム31bとの間で発生するスリップトルクにより、巻取ボビン22に伝達する回転力を制御しているものである。又、係止歯32bと第一転写部カバー26の逆回転防止アーム26iが係止することにより、供給側ギア32が逆回転することを防止しているものである。
【0030】
転写部収納ケースの第一転写部カバー26は、後方に位置するボビン保持部と、前方に位置する摺動部とから形成されるものである。このボビン保持部は、後端近傍に位置し上方に突出するように形成された供給ボビン21が貫挿される保持軸26aと、前端近傍に形成された巻取ボビン22の巻取補助部39が回動可能に貫挿される巻取ボビン貫挿穴26bと、保持軸26aと巻取ボビン貫挿穴26bの間に位置し上方に突出するように形成された連結ギア36が軸着される連結ギア軸26cと、保持軸26aの周縁に形成された逆回転防止アーム26iとを備え、後端には後端壁が形成され、この後端壁には動作制御部3と係止する係止柱26dが後方に向かって延設するように形成されているものである。
【0031】
又、第一転写部カバー26の摺動部は、前端近傍及び後端に転写ヘッド保持部材41を保持する前方保持部26e及び後方保持部26fが上方に突出するように形成され、前方保持部26eと後方保持部26fの間の平板には係止部材43の係止爪43aが摺動する摺動レール26gが形成されているものである。更に、前方保持部26e及び後方保持部26fの上端には第二転写部カバー27の嵌合穴と嵌合する複数の嵌合突起を備え、前方保持部26eの前方に位置する平板には転写ヘッド保持部材41の平板が嵌挿される平板保持溝26hが形成されているものである。
【0032】
転写部収納ケースの第二転写部カバー27は、後方に位置する平板状のボビン保持部と、前方に位置する平板状の摺動部とから形成されるものである。このボビン保持部は、後端近傍に位置し供給ボビン21の弾性アーム21aが圧接される円筒形状の供給ボビン緩止壁27aと、前端近傍に位置し巻取ボビン22の上方の開口に貫挿する巻取ボビン貫挿部27bとを備えるものである。
【0033】
又、第二転写部カバー27の摺動部は、前後端部近傍には第二転写部カバー27の嵌合突起が嵌合する複数の嵌合穴が形成され、平板の前端近傍から後端近傍まで係止部材43の係止爪43aが貫挿する摺動レール27dが形成され、前端近傍に形成された嵌合穴の前方に位置する平板には転写ヘッド保持部材41の平板が嵌挿される平板保持溝27eが形成されているものである。
【0034】
そして、負荷調整手段は、供給ボビン21の弾性アーム21aと、第二転写部カバー27の供給ボビン緩止壁27aから構成されるものであり、供給ボビン21の弾性アーム21aを第二転写部カバー27の供給ボビン緩止壁27aの内側に圧接することにより、摩擦力によるスリップトルクが発生するため、供給ボビン21の回転に負荷を掛けることができるものである。
【0035】
そして、この塗布膜転写部2は、第一転写部カバー26の保持軸26aに供給側ギア32、クラッチ部材31、供給ボビン21が順に貫挿され、供給側ギア32の下面の係止歯32bと逆回転防止アーム26iが係止し、供給側ギア32の上方の凹部にクラッチ部材31の供給側ギア緩止アーム31bが嵌挿されてクラッチ部材緩止壁32aにクラッチ部材31の供給側ギア緩止アーム31bが回動可能に圧接され、クラッチ部材31の円筒の下端が供給側ギア32の中心の開口を貫挿し、クラッチ部材31の噛合歯31aと供給ボビン21の噛合突起21bが噛合しているものである。
【0036】
又、第一転写部カバー26の連結ギア軸26cに連結ギア36が回動可能に軸着され、該連結ギア36は供給側ギア32及び巻取側ギア35と噛合し、第一転写部カバー26の巻取ボビン貫挿穴26bには巻取ボビン22の巻取補助部39が回動可能に貫挿されているものである。
【0037】
更に、第一転写部カバー26の前方保持部26e及び後方保持部26fに転写ヘッド保持部材41が装着され、転写ヘッド保持部材41の平板が第一転写部カバー26の平板保持溝26hに嵌合され、係止部材43が係止爪43aが摺動レール26gを貫挿するように転写ヘッド保持部材41に懸架されているものであり、両端が供給ボビン21及び巻取ボビン22に巻装されている転写テープ20が転写ヘッド24に懸架されているものである。
【0038】
又、塗布膜転写部2は、各部材が取付けられた第一転写部カバー26の上方から第二転写部カバー27が被せられており、供給ボビン21の弾性アーム21aが供給ボビン緩止壁27aに回動可能に圧接されることによってスリップトルクを発生して負荷調整手段とされ、転写ヘッド保持部材41の係止部材43の係止爪43aが摺動レール27gを貫挿し、転写ヘッド保持部材41の平板が平板保持溝26hに嵌合され、第二転写部カバー27と第一転写部カバー26が嵌合されているものである。
【0039】
そして、この塗布膜転写部2は、転写ヘッド24を転写対象に押圧したまま摺動させると、転写ヘッド24に懸架された転写テープ20に張力が働き、供給ボビン21から新たな転写テープ20が繰り出され、転写テープ20が繰り出される時に供給ボビン21が回転し、供給ボビン21の回転が回転伝達装置によって巻取ボビン22に伝わるため、巻取ボビン22が回転して使用済みの転写テープ20を巻取る。これによって、転写ヘッド24を転写対象に押圧したまま摺動させると転写が常に可能となるものである。
【0040】
転写ヘッド24を収納ケース4から出没可能とするために塗布膜転写部2を前後に摺動させるノック機構の動作制御部3は、図5に示すように、転写ヘッド24の収納ケース4から出入させる場合に操作されるノック部材51と、塗布膜転写部2とノック部材51の間に配置される回転支持部材55と、回転支持部材55の内部に摺動回転可能に配置される回転部材61とを備えるものである。
【0041】
ノック部材51は、前方方向に開口し後端部が曲面状に形成された中空の操作部52と操作部52の内周面後端部から軸方向に延びる円筒状の軸体53とで形成されているものである。この操作部52は、前端縁外周面の相対する位置に二個の摺動突起52aを有し、軸体53は、先端が操作部52の前端縁よりも突出するように形成され、又、この軸体53の先端部は複数の傾斜部により歯部53aが形成されている。更に、操作部52の外周の径は後述する収納ケース4の後端に形成される後開口部よりも僅かに小さく形成されており、摺動突起52aを後述する収納ケース4の後端側に形成される摺動溝77a,77bに嵌入させることにより、操作部52は後端部が収納ケース4の後開口部から突出させた状態で軸方向に回転不能に摺動可能とされるものである。
【0042】
回転支持部材55は、前端と後端を開放した略円筒形状の筒状本体部56と、筒状本体部56の外周面の前端近傍に設けられた二個の支持アーム58とで形成されているものである。この筒状本体部56の外周径は、前記ノック部材51の操作部52の内周径よりも小径に形成され、内部空間にはノック部材51の軸体53が挿入可能とされている。又、筒状本体部56の内周面には、図6に示すように、周方向に等間隔を隔てて三カ所に軸方向に延びる三本の案内溝部56aが形成されて、該案内溝部56aの後端に第一係止部57aを有するものである。また、隣り合った案内溝部56aで挟まれた部位には、案内溝部56aの前端から後方に傾斜して第二係止部57bを有する第一傾斜部56bと、第一傾斜部56bの後端から軸方向に前方に延びる摺動壁部56cと、摺動壁部56cの前端から後方に傾斜して案内溝部56aに連続する第二傾斜部56dがそれぞれ形成されているものである。
【0043】
又、二個の支持アーム58は筒状本体部56の先端側の外周面の相対する位置に形成されているものであり、図7及び図8に示すように、筒状本体部56の外周面から略直交して突出する肩部58cと、肩部58cに連続して軸方向に前方に延びるアーム基部58bと、アーム基部58bに連続して先端側が外方に傾斜する傾斜部58aとで形成されているものである。従って、支持アーム58の先端部に外方から押圧力が加わった場合、支持アーム58は互いの先端側が接近する方向に撓み可能とされている。更に、支持アーム58は、アーム基部58bと傾斜部58aとが、後述する収納ケース4に形成された摺動支持部75a,75bに当接するように形成されており、収納ケース4の後止め部73a,73bの凹部74a,74bに筒状本体部56が支承され、支持アーム58のアーム基部58bと傾斜部58aが摺動支持部75a,75bに当接した状態で収納ケース4内に配置され、筒状本体部56の後端側の開口部にノック部材51の軸体53を挿入させるものである。
【0044】
回転部材61は、前端側を開口した略円筒形状の大径部62と、大径部62の後端縁から縮径するテーパー部を介して大径部62の後方に備えられた小径部63とで形成され、大径部62は外周面に回転支持部材55の三本の案内溝部56aに嵌合する線条突起部64を備えているものである。大径部62は、回転支持部材55の内部に収容可能な外径を有し、その内径は塗布膜転写部2の第一転写部カバー26に突設された係止柱26dの外径よりも僅かに大きな径として形成して塗布膜転写部2の係止柱26dを挿入可能とするものであ。又、小径部63は、ノック部材51の軸体53の内径よりも僅かに小さい外径として形成して軸体53に挿入可能とされているものである。線条突起部64は小径部63の前端から大径部62の前端近傍まで形成されるものであり、後端部は回転支持部材55の内周面に形成された第一傾斜部56b及び第二傾斜部56dの傾斜と略一致する傾斜面を有して形成されるものである。
【0045】
塗布膜転写部2、ノック部材51、回転支持部材55及び回転部材61を装填する収納ケース4は、図9に示すように、第一収納ケース4aと第二収納ケース4bとで形成されるものであり、全体として片手による手持ち操作可能な前後に細長い収納ケース4を形成するものである。
【0046】
第一収納ケース4aは、正面視で前端及び後端が幅狭に形成された側板部と、この側板部の両側縁からそれぞれ該側板部と略直交する周縁部とで断面視略コ字形状に形成されているものである。側板部の内周面の前端近傍には、線条段部である前止め部71aが側板部の幅方向に延びて形成され、前止め部71aの後側面からは小突起が二カ所に設けられて略中央位置に塗布膜転写部2に配設された係止部材43を係止するための係止部72aが形成されているものである。
【0047】
そして、側板部の内周面の後端近傍には、周縁部の幅寸法よりもやや短い高さの後止め部73aが側板部の幅方向に延びて形成され、後止め部73aの略中央部は側部縁を前述した回転支持部材55の外周面に略一致する円弧状に切り欠いて回転支持部材55を配置するための凹部74aが形成されているものである。凹部74aの両外方の後止め部73aの前側面からは、先端側が周縁部に向けて傾斜し後端側が第一収納ケース4aの軸方向に沿う保持部76aが形成されており、互いに中心軸の対称に位置して正面視略ハ字形状とされている。また、これら保持部76aの外方にはそれぞれ保持部76aに平行な摺動支持部75aが設けられており、該摺動支持部75aは保持部76aよりも突出して形成されているものである。そして、後止め部73aの後側面からは軸方向に延びて後端部が連結した二本の線条段部により略中央位置に前記ノック部材51の摺動突起52aが嵌合される摺動溝77aが形成されている。また、側板部の中央付近には転写テープの緊張を調整するために収納ケース4外から塗布膜転写部2の巻取補助部39を操作するための巻取穴78が形成されている。
【0048】
第二収納ケース4bは、第一収納ケース4aと相対する部材であり、正面視で前端及び後端が幅狭に形成された側板部と、この側板部の両側縁からそれぞれ側板部と略直交する周縁部とで断面視略コ字形状に形成されているものである。側板部の内周面の前端近傍には、線条段部である前止め部71bが側板部の幅方向に延びて形成され、前止め部71bの後側面からは小突起が二カ所に設けられて略中央位置に塗布膜転写部2に配設された係止部材43を係止するための係止部72bが形成されているものである。
【0049】
そして、側板部の内周面の後端近傍には、周縁部の幅寸法よりもやや短い高さの後止め部73bが側板部の幅方向に延びて形成され、該後止め部73bの略中央部は側部縁を回転支持部材55の外周面に略一致する円弧状に切り欠いて回転支持部材55を配置するための凹部74bが形成されているものである。凹部74bの両外方の後止め部73bの前側面からは、先端側が周縁部に向けて傾斜し後端側が第二収納ケース4bの軸方向に沿う保持部76bが形成されており、中心軸の対称に位置して正面視略ハ字形状とされている。また、これら保持部76bの外方にはそれぞれ保持部76bに平行な摺動支持部75bが設けられており、該摺動支持部75bは保持部76bよりも突出して形成されているものである。従って、第一収納ケース4aと第二収納ケース4bを一体化した際に保持部76a,76bと摺動支持部75a,75bとで回転支持部材55の支持アーム58を支持可能な段差部を形成するものである。そして、後止め部73bの後側面からは軸方向に延びて後端部が連結した二本の線条段部により略中央位置にノック部材51の摺動突起52aが嵌合される摺動溝77bが形成されている。
【0050】
第一収納ケース4aと第二収納ケース4bは、互いの周縁部の縁部が嵌合可能なように凹部又は凸部として形成されると共に、前端近傍及び後端近傍には係止突部又は係止受部を形成し、更に、第一収納ケース4a又は第二収納ケース4bのどちらか一方の側板部の内周面から組付軸部79aを周縁部より突出させて備え、他方のケースの側板部の内周面にはこの組付軸部79aが嵌め合う軸受孔79bを形成しているものである。従って、第一収納ケース4aと第二収納ケース4bを互いに組付けることにより中空状となり、前端には前開口部が、後端には後開口部が形成されるものである。
【0051】
塗布膜転写部2、ノック部材51、回転支持部材55及び回転部材61は、図5及び図7に示したように、塗布膜転写部2の係止柱26dを回転部材61に挿入し、この回転部材61を回転支持部材55の内部に嵌入させる際に線条突起部64を案内溝部56aに位置させて配置し、回転支持部材55の後端側の開口からノック部材51の軸体53を挿入して軸体53の歯部53aと回転部材61の線条突起部64を係合させて各部材を同一軸上に組んだ状態とする。そして、収納ケース4の後止め部73a,73bの凹部74a,74bと摺動支持部75a,75bとにより回転支持部材55を支持し、更に、塗布膜転写部2の係止部材43に設けた係止爪43aを収納ケース4の前止め部71a,71bに形成した係止部72a,72bに係合させ、ノック部材51の摺動突起52aを収納ケース4の後止め部73a,73bの後方に形成した摺動溝77a,77bに係合させるようにして、収納ケース4内に装填されるものである。このとき、塗布膜転写部2に装備した押しバネ42は伸張状態となって塗布膜転写部2を後方へ付勢しており、回転部材61は回転支持部材55の後端側に位置して塗布膜転写部2は後退状態とされると共に、転写ヘッド24は収納ケース4内に収納されている。
【0052】
次に、本発明の塗布膜転写具1の動作について説明する。
図7に示したように転写ヘッド24が後退して収納ケース4の内部に収納された状態では、図6(a)に示したように、回転部材61の線条突起部64が回転支持部材55の案内溝部56aに嵌挿されて線条突起部64の後端部が案内溝部56aの第一係止部57aに係止している。
【0053】
ノック部材51を後方からノックすると、押しバネ42に抗して、ノック部材51の軸体53により線条突起部64の後端部が押されて線条突起部64が案内溝部56aを前方方向へ摺動する。このとき、係止柱26dにより回転部材61に係止している塗布膜転写部2も同時に前進することとなる。線条突起部64の後端部が案内溝部56aの前端部を越えて摺動すると、図6(b)に示したように、軸体53の先端部の歯部53aの傾斜部に線条突起部64の後端の傾斜面が接触し、回転部材61は押しバネ42により後方へ付勢され、またノック部材51は回転不能に収納ケース4に装備されているため、線条突起部64は歯部53aの傾斜に沿って回転しながら後方移動する。回転移動した回転部材61の線条突起部64の傾斜面が第一傾斜部56bに接触すると、線条突起部64は第一傾斜部56bの傾斜に沿って後方へ摺動して、図6(c)に示したように、第二係止部57bに係止する。すると、図8に示したように、回転部材61は回転支持部材55から突出した状態で固定され、回転部材61に係合する塗布膜転写部2も前進した位置で固定されて、転写ヘッド24が収納ケース4より突出することとなる。このとき、塗布膜転写部2に装備された係止部材43は収納ケース4に係止されているため、押しバネ42は圧縮状態となっている。
【0054】
そして、再度ノック部材51をノックすると、第二係止部57bに係止した回転部材61の線条突起部64がノック部材51の歯部53aに押されて、押しバネ42に抗して摺動壁部56cに沿って前方方向へ摺動するが、摺動壁部56cの前端部を越えて前進すると、押しバネ42による後方方向への付勢力により第二傾斜部56dの傾斜に沿って後方向へ摺動するとともに、第二傾斜部56dに連続する案内溝部56aに嵌入して第一係止部57aに係止することとなる。回転部材61が回転支持部材55の後端位置へ摺動すると、塗布膜転写部2も押しバネ42の付勢力により後退し、転写ヘッド24が収納ケース4内に収納される。
【0055】
本発明において、回転部材61を係止する回転支持部材55は支持アーム58を備え、この支持アーム58は収納ケース4の側板部に形成された摺動支持部75a,75bに摺接した状態で配備されているため、転写ヘッド24に圧力がかかると支持アーム58が摺動支持部75a,75bに沿って撓み、回転支持部材55が僅かに後方に摺動する。回転支持部材55の後方への摺動に伴い、押しバネ42に後方へ付勢されている塗布膜転写部2も後退することとなり、転写ヘッド24に加わる押圧力に応じて塗布膜転写部2は前後に微動することとなる。従って、転写ヘッド24にかかる押圧力を吸収し、塗布膜転写具1の操作性を高めることができる。
【0056】
本発明において、ノック部材51は摺動突起52aを備え、収納ケース4の内周面に摺動突起52aに係合する摺動溝77a,77bを形成しているため、ノック部材51を回転不能に軸方向に前後に摺動させることができる。尚、ノック部材51に摺動溝を形成し、収納ケース4の内周面にこの摺動溝に係合する摺動突起を形成する構成としても良い。
【0057】
尚、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る塗布膜転写具の斜視図。
【図2】本発明に係る塗布膜転写具が備える塗布膜転写部を上方から見た分解斜視図。
【図3】本発明に係る塗布膜転写具が備える塗布膜転写部を下方から見た分解斜視図。
【図4】本発明に係る塗布膜転写具が備える塗布膜転写部の断面図。
【図5】本発明に係る塗布膜転写具の分解斜視図。
【図6】本発明に係る塗布膜転写具が備える動作制御部の動作を説明する参考図。
【図7】本発明に係る塗布膜転写具において転写ヘッドが後退した場合における断面図。
【図8】本発明に係る塗布膜転写具において転写ヘッドが突出した場合における断面図。
【図9】本発明に係る塗布膜転写具が備える収納ケースの分解斜視図。
【符号の説明】
【0059】
1 塗布膜転写具 2 塗布膜転写部
3 動作制御部 4 収納ケース
4a 第一収納ケース 4b 第二収納ケース
20 転写テープ 21 供給ボビン
21a 弾性アーム 21b 噛合突起
22 巻取ボビン 24 転写ヘッド
26 第一転写部カバー 26a 保持軸
26b 巻取ボビン貫挿穴 26c 連結ギア軸
26d 係止柱 26e 前方保持部
26f 後方保持部 26g 摺動レール
26h 平板保持溝 26i 逆回転防止アーム
27 第二転写部カバー 27a 供給ボビン緩止壁
27b 巻取ボビン貫挿部 27d 摺動レール
27e 平板保持溝 27g 摺動レール
31 クラッチ部材 31a 噛合歯
31b 供給側ギア緩止アーム 32 供給側ギア
32a クラッチ部材緩止壁 32b 係止歯
35 巻取側ギア 36 連結ギア
39 巻取補助部 41 転写ヘッド保持部材
41a 摺動軸 41b 装着部
42 押しバネ 43 係止部材
43a 係止爪 51 ノック部材
52 操作部 52a 摺動突起
53 軸体 53a 歯部
55 回転支持部材 56 筒状本体部
56a 案内溝部 56b 第一傾斜部
56c 摺動壁部 56d 第二傾斜部
57a 第一係止部 57b 第二係止部
58 支持アーム 58a 傾斜部
58b アーム基部 58c 肩部
61 回転部材 62 大径部
63 小径部 64 線条突起部
71a 前止め部 71b 前止め部
72a 係止部 72b 係止部
73a 後止め部 73b 後止め部
74a 凹部 74b 凹部
75a 摺動支持部 75b 摺動支持部
76a 保持部 76b 保持部
77a 摺動溝 77b 摺動溝
78 巻取穴 79a 組付軸部
79b 軸受孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納ケース内に、
未使用状態の転写テープが巻装される供給ボビンと、使用済みの転写テープが巻着される巻取ボビンと、供給ボビンの回転と巻取ボビンの回転を連動させる回転伝達装置とを内部に装備し、前記供給ボビンから引き出された転写テープを懸架させる転写ヘッドを突出させて具備した塗布膜転写部と、
前記収納ケースの後端から突出するノック部材と、
前記塗布膜転写部とノック部材の間に配置される回転部材及び回転支持部材と、
前記塗布膜転写部を後方へ付勢する弾性部材と
が装填された塗布膜転写具であって、
前記回転支持部材は撓み可能な支持アームを備えて、前記転写ヘッドの押圧力に応じて塗布膜転写部が収納ケース内で前後に微動可能としていることを特徴とする塗布膜転写具。
【請求項2】
前記支持アームの先端側は収納ケースの軸方向に対して傾斜する一方、該収納ケース内周面には該支持アームが摺接する摺動支持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布膜転写具。
【請求項3】
前記ノック部材は摺動突起及び摺動溝のいずれか一方を備え、前記収納ケース内周面には摺動突起及び摺動溝のいずれか他方を備えて、該摺動突起及び摺動溝とを嵌入させて互いを摺動可能としていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布膜転写具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−166441(P2009−166441A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9812(P2008−9812)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(301033282)プラスステーショナリー株式会社 (24)