説明

塗装用刷毛の支持具

【課題】各種寸法の汎用の塗装用刷毛を確実に支持でき、しかも高さ調整が容易な塗装用刷毛の支持具を提供する。
【解決手段】塗装用刷毛1の柄2を着脱自在に保持するクリップ部11と、塗料5を収容する作業容器6の縁部に着脱自在に取り付けられて、クリップ部11を支持する支持脚20とを有し、塗装用刷毛1のブラシ部3を作業容器6内の塗料5に浸漬した状態に支持する塗装用刷毛1の支持具10であって、クリップ部11が、二股状のアーム部13と、アーム部13の先端部から両アーム部13間へ折り返してアーム部13の基部側へ延び、塗装用刷毛1の柄2を挟持する挟持部14とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料を収容する作業容器に対する塗装用刷毛の支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗装作業で用いた塗装用刷毛は、塗料を収容する作業容器内の塗料に浸漬して、作業容器に乾燥防止用のカバーを取り付け、翌日の作業再開まで一時保管することが一般的に行われている。しかし、このように塗装用刷毛を塗料に浸漬すると、塗装用刷毛のブラシ部が作業容器の底部や側部等に当接して変形し、翌日の塗装作業に支障をきたすことがあった。
【0003】
そこで、ブラシ部が作業容器の底部や側部に当接しないように、塗装用刷毛を作業容器に支持する支持具が種々提案されている。例えば、塗装用刷毛の柄の途中部に係合するフック部材を設け、このフック部材のフック部を作業容器の側壁部の上端部に引っ掛けて、塗装用刷毛を支持したり(例えば、特許文献1参照。)、作業容器の側壁部に着脱自在なブラシ保持具を設け、該ブラシ保持部に磁石を設けて、塗装用刷毛の金属部分を磁石で保持させて、塗装用刷毛を支持したり(例えば、特許文献2参照。)、塗装用刷毛の柄に磁石を取り付けて、塗装用刷毛を作業容器の内面に磁気吸着にて保持したり(例えば、特許文献3参照。)したものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−232431号公報
【特許文献2】実開平2−68200号公報
【特許文献3】実開昭57−85243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1、2記載の発明では、塗装用刷毛の高さ調整がほとんどできず、ブラシ部が塗料に浸漬されない場合には、作業容器に塗料を追加する必要があった。また、特許文献1記載の発明では、柄が1枚の板からなる場合には使用できないし、特許文献2記載の発明では、金属部分を有さない塗装用刷毛には適用できないという問題がある。
【0006】
また、特許文献3記載の発明では、高さ調整は可能であるが、作業容器が合成樹脂製の場合には使用できないし、塗装用刷毛に磁石を取り付けることから、現在使用している使い慣れた塗装用刷毛に容易に適用できないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、各種寸法の汎用の塗装用刷毛を確実に支持でき、しかも高さ調整が容易な塗装用刷毛の支持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る塗装用刷毛の支持具は、塗装用刷毛の柄を着脱自在に保持するクリップ部と、塗料を収容する作業容器の縁部に着脱自在に取り付けられて、クリップ部を支持する支持脚とを有し、塗装用刷毛のブラシ部を作業容器内の塗料に浸漬した状態に支持する塗装用刷毛の支持具であって、前記クリップ部が、二股状のアーム部と、アーム部の先端部から両アーム部間へ折り返してアーム部の基部側へ延び、前記塗装用刷毛の柄を挟持する挟持部とを備えたものである。
【0009】
この塗装用刷毛の支持具では、塗装用刷毛の柄を両挟持部間に挟持して、塗装用刷毛を支持することになるが、柄の厚さが薄い場合には、主に挟持部が弾性変形し、柄の厚さが厚い場合には、挟持部及びアーム部が弾性変形して、塗装用刷毛の柄の厚さに応じた2段階のバネ力で両挟持部間に柄を挟持して、塗装用刷毛を支持できる。このため、柄の厚さの異なる各種寸法の汎用の塗装用刷毛を安定性良く支持することができる。しかも、挟持部間において柄を上下方向に移動させることで、高さ位置によって柄の厚さが変化しない塗装用刷毛は云うまでもなく、高さ位置によって柄の厚さの異なる塗装用刷毛でも、所望の高さに容易に高さ調整して保持できる。このため、ブラシ部を作業容器の塗料に浸漬させて、塗装用刷毛を一時保管する場合において、ブラシ部が作業容器の底部や側壁等に接触しないような高さ位置に塗装用刷毛を支持させて保管でき、ブラシ部に付着した塗料の固化を防止しつつ、ブラシ部の変形を防止できる。
【0010】
ここで、前記挟持部により挟持する柄の厚さが一定厚さ未満の場合には、前記挟持部の先端部がアーム部から離間し、一定厚さ以上になると前記挟持部の先端部がアーム部に当接するように構成することが好ましい実施の形態である。この場合には、塗装用刷毛の柄の厚さが薄い場合には、主に挟持部が弾性変形し、柄の厚さが厚い場合には、挟持部及びアーム部が弾性変形して、塗装用刷毛の柄の厚さに応じた2段階のバネ力で両挟持部間に柄を挟持することができる。このため、現在販売されている各種厚さの柄を備えた塗装用刷毛を安定性良く支持できる。
【0011】
前記アーム部の基端部の内側に嵌合凹部を形成し、前記挟持部の先端部に前記嵌合凹部に凹凸嵌合可能な嵌合凸部を形成することも好ましい実施の形態である。この場合には、アーム部の基端部の嵌合凹部に、挟持部の先端部の嵌合凸部が凹凸嵌合することで、アーム部と挟持部とで閉断面を形成し、厚さの厚い柄を挟持するときに、挟持部及びアーム部を確実に弾性変形させて、強い挟持力で柄を挟持することができる。
【0012】
前記挟持部をアーム部よりも薄肉に構成することも好ましい実施の形態である。挟持部とアーム部とは同じ厚さに設定することも可能であるが、挟持部の弾性変形量を増やして薄肉の柄を無理なく確実に挟持できるように、挟持部はアーム部よりも薄肉に構成することが好ましい。
【0013】
前記両挟持部の対向面に滑り止め用の突部を形成することも好ましい実施の形態である。このように構成すると、挟持部と柄間における滑りを防止して、塗装用刷毛を安定的に保持できる。突起としては、支持具を作業容器に取り付けた状態において挟持部の高さ方向に延びる突条を形成することが、クリップ部の成形性を確保する上で好ましい。
【0014】
前記両挟持部の途中部が相互に接近するように、両挟持部を湾曲状に形成することも好ましい実施の形態である。このように構成すると、挟持部の弾性変形量を増やして、薄肉の柄を無理なく確実に挟持することが可能となる。
【0015】
前記両挟持部の基端側部分に、基端側へ行くにしたがって相互に間隔が広くなるように湾曲する案内部を形成することも好ましい実施の形態である。このように構成すると、両挟持部の案内部間に柄を押し込んで、両挟持部の基端部及び両アーム部の先端部を相互に押し広げながら、挟持部間へ柄を挿入することが可能となり、柄の挿入操作性を向上できる。
【0016】
前記クリップ部と支持脚とを別部材で構成することも好ましい実施の形態である。クリップ部と支持脚とは一体成形品で構成することも可能性あるが、成形のための金型構造が複雑になって製作コストが高くなるとともに、クリップ部は弾性変形可能な素材で構成する必要があるのに対して、支持脚の素材には弾性変形はそれ程要求されないので、製作コストを安くしつつクリップ部及び支持脚の機能を十分に確保できるように、両者は別部材で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明によれば、塗装用刷毛の柄を両挟持部間に挟持して、塗装用刷毛を支持することになるが、柄の厚さが薄い場合には、主に挟持部が弾性変形し、柄の厚さが厚い場合には、挟持部及びアーム部が弾性変形して、塗装用刷毛の柄の厚さに応じた2段階のバネ力で両挟持部間に柄を挟持して、塗装用刷毛を支持できる。このため、柄の厚さの異なる各種寸法の汎用の塗装用刷毛を安定性良く支持することができる。しかも、挟持部間において柄を上下方向に移動させることで、高さ位置によって柄の厚さが変化しない塗装用刷毛は云うまでもなく、高さ位置によって柄の厚さの異なる塗装用刷毛でも、所望の高さに容易に高さ調整して保持できる。このため、ブラシ部を作業容器の塗料に浸漬させて、塗装用刷毛を一時保管する場合において、ブラシ部が作業容器の底部や側壁等に接触しないような高さ位置に塗装用刷毛を支持させて保管でき、ブラシ部に付着した塗料の固化を防止しつつ、ブラシ部の変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】支持具にて塗装用刷毛を支持させた作業容器の縦断面図
【図2】支持具の(a)は斜視図、(b)は分解斜視図
【図3】支持具の側面図
【図4】支持具の平面図
【図5】図2(a)のV-V線断面図
【図6】(a)は薄肉の柄を挟んだ状態での図3のVI-VI線断面図、(b)は厚肉の柄を挟んだ状態での図3のVI-VI線断面図
【図7】他の構成の支持具の斜視図
【図8】同支持具の側面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態では、図2(a)に示す前後左右を基準に前後左右を定義して説明する。
【0020】
図1〜図6に示すように、支持具10は、塗装用刷毛1の柄2を着脱自在に保持するクリップ部11と、塗料5を収容する作業容器6の側壁部6aに着脱自在に取り付けられて、クリップ部11を支持する支持脚20とを有している。そして、この支持具10を用いて使用後の塗装用刷毛1を一時保管する際には、作業容器6の側壁部6aに支持具10を固定して、ブラシ部3を作業容器6内の塗料5に浸漬し、作業容器6の底面や側壁にブラシ部3が当接しないように、該支持具10に塗装用刷毛1を支持した後、作業容器6の開口を覆うように図示外の袋を気密に被せて保管することで、塗装用刷毛1のブラシ部3の変形を防止しつつ、ブラシ部3や塗料5の乾燥を防止して、次回の塗装作業が円滑に行えるようにすることになる。
【0021】
作業容器6は、図1に示すように、合成樹脂などからなる硬質な外容器7と、外容器7に着脱自在な柔軟フィルムからなる使い捨て用の内容器8とから構成されている。ただし、内容器8は、色替えのときに内容器8ごと新しい色に交換できるので好ましいが、内容器8を備えていない作業容器6に本発明の支持具10を取り付けることも可能である。
【0022】
クリップ部11と支持脚20とは別部材で構成され、クリップ部11は支持脚20の上端部に取り付けられている。クリップ部11と支持脚20とは一体成形品で構成することも可能であるが、成形のための金型構造が複雑になって製作コストが高くなるとともに、クリップ部11は弾性変形可能な素材で構成する必要があるのに対して、支持脚20は必ずしも弾性変形可能な素材で構成する必要がないので、製作コストを安くしつつクリップ部11及び支持脚20の機能を十分に確保できるように、両者は別部材で構成することが好ましい。
【0023】
クリップ部11の素材としては、弾性部材として優れた性能を有するポリカーボネートなどの合成樹脂材料やエラストマを好適に採用でき、支持脚20の素材としては、安価に入手可能なポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂材料を好適に採用できる。
【0024】
支持脚20は上下方向に細長い緩やかに湾曲した板状部材で構成され、支持脚20の下半部には固定部20aが設けられ、固定部20aの前側にはL字状断面の保持フック22が設けられ、支持脚20は、固定部20aと保持フック22間に作業容器6の側壁部6aを挟持することで、作業容器6に着脱可能に取付けられている。なお、図7、図8に示す支持具10Aのように、保持フック22の前端部から上方へ延びて下側の係止フック21に連結される補強部22aを一体成形した支持脚20Aを用い、補強部22aにより支持脚20Aの強度を高めるように構成することもできる。
【0025】
図1〜図6に示すように、クリップ部11は、後壁部11aと、後壁部11aの左右両側部から前方へ延びる左右1対のアーム部13と、アーム部13の先端部から両アーム部13間へ折り返してアーム部13の基部側へ延びる1対の挟持部14とを備えている。
【0026】
支持脚20に対するクリップ部11の取付構造について説明すると、支持脚20の上端部には二股に分岐した上下1対の係止フック21が後方へ向けて突出状に設けられ、両係止フック21の前端部には相互に接近する方向へ突出するフック部21aが対面状に形成されている。クリップ部11の後壁部11aには係止突部11bが後方へ突出状に形成され、係止突部11bの上部と下部には上下のフック部21aが嵌合可能な嵌合孔12が形成されている。下側のフック部21aの上面には案内面21bが傾斜状に形成され、クリップ部11は上側の係止フック21のフック部21aを上側の嵌合孔12に嵌合させた状態で、案内面21bを介して下側の係止フック21のフック部21aを下側の嵌合孔12に嵌合させることで、容易に取り外せないように支持脚20に取り付けられている。
【0027】
クリップ部11にて柄2を保持するため、左右の挟持部14の前後方向の途中部には相互に接近する方向へ湾曲状に突出する圧接部14aが形成され、左右の圧接部14aの対向面には上下方向に延びる滑り止め用の突条15が突出状に形成されている。圧接部14aの前後両側には上下方向に延びる移動規制部14bが突出状に形成され、両圧接部14a間に挟持した柄2の前後方向への移動が移動規制部14bにより規制されるように構成されている。
【0028】
アーム部13の基端部の内側には嵌合凹部13aが形成され、挟持部14の先端部には嵌合凹部13aに凹凸嵌合可能な嵌合凸部14cが形成されている。図4に示すように、両挟持部14間に塗装用刷毛1の柄2を挟持していない状態では、嵌合凸部14cとアーム部13の内面間には隙間Gが形成され、両挟持部14間に挟持する塗装用刷毛1の柄2が一定厚さ未満の薄肉の場合には、挟持部14が弾性変形して、図6(a)に示すように、嵌合凸部14cがアーム部13の内面に接近し、主に挟持部14の弾性変形による付勢力で柄2が挟持される。一方、挟持する塗装用刷毛1の柄2が一定厚さ以上の厚肉の場合には、図6(b)に示すように、嵌合凸部14cがアーム部13の内面に圧接されて嵌合凹部13aに嵌合し、挟持部14の弾性変形とアーム部13の弾性変形による付勢力で柄2が強く挟持されることになる。なお、挟持部14の嵌合凸部14cがアーム部13の嵌合凹部13aに嵌合するときの柄2の最小の板厚は、例えば5mm〜8mmに設定でき、クリップ部11では、例えば板厚が3mm〜20mmの柄2を保持できるように構成することになる。ただし、嵌合凸部14c及び嵌合凹部13aを省略し、挟持する柄2の厚さが一定厚さ未満の場合には、挟持部14の先端部がアーム部13から離間し、一定厚さ以上になると挟持部14の先端部がアーム部13の内面に圧接するように構成することも可能である。
【0029】
挟持部14はアーム部13よりも薄肉に構成されている。挟持部14とアーム部13とは同じ厚さに構成することもできるが、挟持部14を薄肉に構成することで、薄肉の柄2を挟持するときにおける挟持部14の弾性変形量を大きく設定して、薄肉の柄2を確実に保持することが可能となるので好ましい。両挟持部14の基端側部分(前端側部分)には、基端側へ行くにしたがって相互に間隔が広くなるように湾曲する案内部14dが形成され、クリップ部11の前側から挟持部14間へ塗装用刷毛1の柄2を挿入するときに、案内部14dにて柄2を両挟持部14間の中央部へ案内して、容易に柄2を挿入することが可能となるので好ましい。
【0030】
この支持具10を用いて使用後の塗装用刷毛1を一時保管する際には、図1に示すように、先ず支持脚20の固定部20aと保持フック22間に作業容器6の側壁部6aを嵌合させて、作業容器6の側壁部6aに支持具10を固定する。
【0031】
次に、クリップ部11の前側から挟持部14間に塗装用刷毛1の柄2を挿入し、圧接部14aを柄2の側面に圧接させて、クリップ部11に柄2を保持することになる。このとき、柄2の板厚が薄い場合には、図6(a)に示すように、挟持部14のみが弾性変形して、柄2が保持されることになるが、柄2の板厚が厚い場合には、図6(b)に示すように、挟持部14の嵌合凸部14cがアーム部13の嵌合凹部13aに凹凸嵌合して、挟持部14とアーム部13とが弾性変形して、強く柄2が保持されることになり、厚さの異なる柄2でも確実に保持できることになる。
【0032】
次に、ブラシ部3を作業容器6内の塗料5に浸漬し、作業容器6の底面や側壁にブラシ部3が当接しないように、塗装用刷毛1の柄2をクリップ部11に対して上下方向にスライドさせて、支持具10の高さを調整した後、作業容器6の開口を覆うように図示外の袋を気密に被せて、塗装用刷毛1を一時保管することになる。なお、複数本の塗装用刷毛1を保管する場合には、塗装用刷毛1の本数と同数の支持具10を作業容器6に取り付けて、それぞれの支持具10に対して塗装用刷毛1を前記と同様に支持させた状態で、作業容器6の開口を覆うように図示外の袋を気密に被せて、塗装用刷毛1を一時保管することになる。
【0033】
このように、この支持具10では、塗装用刷毛1の柄2を両挟持部14間に挟持して、塗装用刷毛1を支持することになるが、柄2の厚さが薄い場合には、主に挟持部14が弾性変形し、柄2の厚さが厚い場合には、挟持部14及びアーム部13が弾性変形して、塗装用刷毛1の柄2の厚さに応じた2段階のバネ力で両挟持部14間に柄2を挟持して、塗装用刷毛1を支持できる。このため、柄2の厚さの異なる各種寸法の汎用の塗装用刷毛1を安定性良く支持することができる。しかも、挟持部14間において柄2を上下方向に移動させることで、高さ位置によって柄2の厚さが変化しない塗装用刷毛1は云うまでもなく、高さ位置によって柄2の厚さの異なる塗装用刷毛1でも、所望の高さに容易に高さ調整して保持できる。このため、ブラシ部3を作業容器6の塗料5に浸漬させて、塗装用刷毛1を一時保管する場合において、ブラシ部3が作業容器6の底部や側壁等に接触しないような高さ位置に塗装用刷毛1を支持させて保管でき、ブラシ部3に付着した塗料5の固化を防止しつつ、ブラシ部3の変形を防止できる。クリップ部11の付勢力が2段階に切り替わるので、薄肉の柄2でも厚肉の柄2でも確実に保持できる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0035】
1 塗装用刷毛 2 柄
3 ブラシ部 5 塗料
6 作業容器 6a 側壁部
7 外容器 8 内容器
10 支持具 11 クリップ部
11a 後壁部 11b 係止突部
12 嵌合孔 13 アーム部
13a 嵌合凹部 14 挟持部
14a 圧接部 14b 移動規制部
14c 嵌合凸部 14d 案内部
15 突条
20 支持脚 20a 固定部
21 係止フック 21a フック部
21b 案内面 22 保持フック
10A 支持具 20A 支持脚
22a 補強部 G 隙間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装用刷毛の柄を着脱自在に保持するクリップ部と、塗料を収容する作業容器の縁部に着脱自在に取り付けられて、クリップ部を支持する支持脚とを有し、塗装用刷毛のブラシ部を作業容器内の塗料に浸漬した状態に支持する塗装用刷毛の支持具であって、
前記クリップ部が、二股状のアーム部と、アーム部の先端部から両アーム部間へ折り返してアーム部の基部側へ延び、前記塗装用刷毛の柄を挟持する挟持部とを備えた、
ことを特徴とする塗装用刷毛の支持具。
【請求項2】
前記挟持部により挟持する柄の厚さが一定厚さ未満の場合には、前記挟持部の先端部がアーム部から離間し、一定厚さ以上になると前記挟持部の先端部がアーム部に当接する請求項1記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項3】
前記アーム部の基端部の内側に嵌合凹部を形成し、前記挟持部の先端部に前記嵌合凹部に凹凸嵌合可能な嵌合凸部を形成した請求項2記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項4】
前記挟持部をアーム部よりも薄肉に構成した請求項1〜3のいずれか1項記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項5】
前記両挟持部の対向面に滑り止め用の突部を形成した請求項1〜4のいずれか1項記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項6】
前記両挟持部の途中部が相互に接近するように、両挟持部を湾曲状に形成した請求項1〜5のいずれか1項記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項7】
前記両挟持部の基端側部分に、基端側へ行くにしたがって相互に間隔が広くなるように湾曲する案内部を形成した請求項1〜6のいずれか1項記載の塗装用刷毛の支持具。
【請求項8】
前記クリップ部と支持脚とを別部材で構成した請求項1〜7のいずれか1項記載の塗装用刷毛の支持具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−95056(P2013−95056A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240119(P2011−240119)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(506123690)株式会社佐藤産業 (1)
【Fターム(参考)】