説明

壁掛け型カールドライヤー

【課題 】使い勝手のよい壁掛け型カールドライヤー及びこのカールドライヤー用のホルダーを提供すること。
【解決手段】 筒形のドライヤー本体2の長手方向適所に複数のプッシュスイッチ8aを周方向に位置を変えて配置し、プッシュスイッチ8aの配置された外周にそれに対応する枠状のスイッチボタン8bを設け、枠状のスイッチボタン8bが複数個のプッシュスイッチ8aのいずれかに接触することによってカールドライヤーに通電が開始されるようにした。枠状のスイッチボタン8bが設けられたドライヤー本体2は、横置きしたときに置かれた面に枠状のスイッチボタンが接触しないように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテルや旅館用として使用されるカールドライヤーとそのカールドライヤーを保持するため壁面に取り付けられるホルダーからなる壁掛け型カールドライヤーに関し、カールドライヤー及びそのホルダーの構造に係るものである。
【背景技術】
【0002】
頭髪をカールするために使用されるカールドライヤーは、多数の掛け止めピンを有するロールブラシに頭髪を巻きつけ、それに対してロールブラシの内部後方から温風を吹きつけるものである。ホテルや旅館の客室用として備え付けて使用される場合、通常は、カールドライヤーのドライヤー本体と、ドライヤー本体にアタッチメントとして着脱自由になされているロールブラシ及びブローブラシとが浴室などの壁に取付けられたホルダーにセットされ、このホルダーは壁のコンセントの商用電源と接続される。
【0003】
この種の壁掛け型カールドライヤーは、使用する度に差込プラグを壁面などに露出しているコンセントに差し込むと、ユーザが感電する危険があるだけでなく、カールドライヤーがコンセントから簡単に分離可能であると、カールドライヤーをそこから外して持ち逃げされ盗難が発生する可能性がある。このような問題を防ぐために、下記特許文献1(実公昭63−18962号公報)の「壁掛型へヤードライヤー」には、図8に見られるように、ヘヤードライヤー71のプラグ72とホルダー73のコンセントは常に差し込み接続状態として、この差込部を収納ケース本体73により覆い、客が簡単にプラグを外してヘヤードライヤー71を持ち逃げできないようにしたものが開示されている。
【0004】
すなわち、壁に取り付けた収納ケース(ホルダー)の前側に凹部75を設け、この凹部にヘヤードライヤー71を収納する。そして、使用時にはヘヤードライヤー71を収納ケースの凹部から外して使用する。このようなヘヤードライヤーは、家庭用と異なり不特定多数の宿泊客に利用されるものであるため、中にはヘヤードライヤー本体の電源スイッチをOFFすることなくホルダーに載置される場合もある。
【0005】
ヘヤードライヤー本体の電源スイッチがOFFされずにホルダーに載置されると、ヘヤードライヤーが常時電源に接続されているため、ヘヤードライヤーは運転状態のままになり、ヘヤードライヤー本体の温風吐出口から出る風がホルダーの壁や庇に長時間当たって温度が上昇し、合成樹脂製のホルダーにおいてはその変形、溶解を生じ、木材の壁面の場合には火災の危険を生じる。このようなことから、下記特許文献2(特開2004−329482号公報)には、ハンドルを握ればファンモータとヒータに通電され、離せばファンモータとヒータへの通電を遮断するグリップスイッチを設けた壁掛け型ヘヤードライヤーが開示されている。
【特許文献1】実公昭63−18962号公報(第4図、第1頁第1欄18行〜第2欄16行、第2頁第1欄22行〜第1欄25行〕)
【特許文献2】特開2004−329482号公報(図1、段落〔0005〕、〔0017〕)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のドライヤーは、いずれもハンドルがドライヤー本体とは別途で設けられたいわゆるピストル型のドライヤーである。しかしながら、カールドライヤーの場合はハンドルがなく、ブローやカールを行うときにドライヤー本体を握る位置がカールする状態によってまちまちとなる。このため、定位置にグリップスイッチを設置すると、スイッチをオンするためにはドライヤー本体を握る状態を限定しなければならず、快適な保持状況で使用できるとは限らず、きわめて使いにくい状況を強制されることもある。
【0007】
さらにホルダーにおいては、T字型のヘヤードライヤーが収納された場合には、ヘヤードライヤー本体よりもハンドルは細めであるから下方に垂下したハンドルとホルダーの壁面との間には隙間ができるので、握りやすく操作が容易であるが、円筒型で棒状のカールドライヤーの場合は、ドライヤー本体とホルダーの壁面との間には隙間がなく、指を入れて把握しにくいという問題があった。
【0008】
本願の発明者は、上記の問題点を解決すべく種々検討を行った結果、カールドライヤーのグリップスイッチとして、ドライヤー本体の胴部周囲に沿ってタッチセンサーを複数個に配置し、それらのタッチセンサーのいずれかとドライヤー本体の胴部周囲に設置された枠状の加圧部材とが接触すればカールドライヤーが作動されるような構造にすることにより、使い勝手のよいカールドライヤーを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、使い勝手のよいカールドライヤーを提供しようとするものである。
【0010】
また、本発明の目的は、リング状のタッチセンサーを備えたカールドライヤーに適用できる、カールドライヤー用の使い勝手のよいホルダーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の壁掛け型カールドライヤーの発明は、カールドライヤーと該カールドライヤーを保持するホルダーを備えた壁掛け型カールドライヤーにおいて、筒形に形成されたドライヤー本体の長手方向の適所に複数のタッチセンサーを周方向に位置を変えて配置し、該タッチセンサーの配置された周壁に該タッチセンサーに対応する枠状のスイッチボタンを設け、該枠状のスイッチボタンが該複数のタッチセンサーのいずれかに接触することによって駆動されるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の壁掛け型カールドライヤーにおいて、前記タッチセンサーがプッシュボタンスイッチであることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の壁掛け型カールドライヤーにおいて、前記カールドライヤーを横置きしたときに、前記枠状のスイッチボタンがドライヤー本体の載置面から離間されて前記タッチセンサーが作動しないようにする手段を該ドライヤー本体に設けたことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の壁掛け型カールドライヤーにおいて、前記ドライヤー本体の吐出口近くに形成されたつば状の掛け止め部を有し、該掛け止め部がカールドライヤーを横置きしたときに前記枠状のスイッチボタンを載置面から離間して前記タッチセンサーの作動を防止することを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の壁掛け型カールドライヤーにおいて、前記枠状のスイッチボタンが設けられたドライヤー本体の部分は、該ドライヤー本体の長手方向の両側が該枠状のスイッチボタンよりも高くなるように形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の壁掛け型カールドライヤーにおいて、前記ホルダーは側面形状がF字状で上部に庇部を有し、庇部から所定間隔をもって前記カールドライヤーのドライヤー本体を支持するための載置部を備え、載置した該ドライヤー本体の尾部近辺に対応する部分にドライヤー本体とホルダー壁間にスペースをもたせるための突起を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、カールドライヤーとカールドライヤーを保持するホルダーを備えた壁掛け型カールドライヤーにおいて、筒形に形成されたドライヤー本体の長手方向の適所に複数のタッチセンサーを周方向に位置を変えて配置し、タッチセンサーの配置された周壁にタッチセンサーに対応する枠状のスイッチボタンを設け、枠状のスイッチボタンがそれら複数のタッチセンサーのいずれかに接触することによってヒータが駆動されるようにしたことにより、ドライヤー本体をどのように握ってもスイッチを容易にONすることができるようになる。すなわち、複数のタッチセンサーをドライヤー本体の周方向に配置したのと、枠状のスイッチボタンを設けたことにより、枠状のスイッチボタンに手が触れて複数のタッチセンサーのいずれかが圧力を受けるとモータやヒータに通電されるので、握持の仕方に自由度が高く、容易に操作できるカールドライヤーを提供できる。
【0018】
請求項2の発明によれば、前記タッチセンサーがプッシュボタンスイッチであり、握持によってONするので、安価な装置で確実な入力操作ができる。なお、ドライヤー本体は、円筒形状であってもよいし、角筒形状であってもよい。ドライヤー本体が円筒形状の場合タッチセンサーは円周に沿って配置され、スイッチボタンは環状に配置される。また、ドライヤー本体が角筒形状の場合、タッチセンサーはその角筒形状の外周に沿って配置され、スイッチボタンはその周囲を取巻くように枠形状をなす。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、カールドライヤーを横置きしたときに、枠状のスイッチボタンがカールドライヤー本体が載置された載置面から離間されて作動しないようになるので、カールドライヤーを横置きしたときに、電源スイッチが必ずOFFとなるので安全である。すなわち、カールドライヤーを使用しないときに、ホルダーに戻して載置する場合は、スイッチがOFFとなり安全面の危険性も無駄なエネルギーの浪費もないが、洗面台や卓上などに横置きに放置した場合には、従来のものではスイッチボタンが洗面台や卓面に接触したままになることによりスイッチボタンがタッチセンサーに接触してスイッチがONとなり、ファンモータとヒータへの給電が継続されたままになるというおそれがある。しかし、本発明によれば、洗面台や卓上などに横置きに放置した場合にも、確実にカールドライヤーへの給電が停止される。
【0020】
また、請求項4の発明は、カールドライヤー本体が載置された載置面から枠状のスイッチボタンを離間させて作動しないようにする手段として、カールドライヤー本体の温風吐出口近くにつば状の掛け止め部を形成したので、カールドライヤーを横置きしたときに、掛け止め部が枠状のスイッチボタンをカールドライヤーが載置された載置面から離間させることによってスイッチボタンの作動を防止することのできる安全なカールドライヤーを提供できる。また、このつば状の掛け止め部により、ホルダーの載置部にこの部分を掛け止めしておくと、使用時に容易に把持できる。
【0021】
また、請求項5の発明によれば、枠状のスイッチボタンが設けられたドライヤー本体の部分は窪みとなっており、その長手方向の両側が枠状のスイッチボタンよりも高くなるように形成されていることによって、カールドライヤーを台や卓上に横向きに置いても必ずスイッチOFFとなる安全なカールドライヤーを提供できる。
【0022】
請求項6の発明によれば、側面形状がF字状で上部に庇部を有し、庇部から所定間隔をもってカールドライヤー本体を支持するための載置部を備えており、ホルダー壁面の、載置したドライヤー本体の尾部近辺に対応する部分にドライヤー本体とホルダー壁間にスペースをもたせるための突起を設けたので、使用するときにカールドライヤー本体を握持する際にドライヤー本体とホルダー壁間のスペースに指を入れて把握することが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのカールドライヤー及びそのホルダーを例示するものであって、本発明をこれらの実施形態に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0024】
図1は本発明の一実施例に係るカールドライヤー及びホルダーの側面図である。図2は図1のB−B線で切断した本発明の実施例に係るカールドライヤーの断面図である。図3は同カールドライヤーの使用状態を示す断面図である。図4は本発明の一実施例に係るホルダーの斜視図である。
【0025】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
【0026】
図1、図2及び図4に示すように、カールドライヤー1は、前端を温風吐出口3となし、内部にヒータとファンとファンを駆動するファンモータ12を収納し、後端は吸気口7を備え、後端からヒータとファンモータに給電する電源コード4を引き出してコンセントに接続している円筒形状のドライヤー本体2と、このドライヤー本体2の前端に嵌着して使用されるブローブラシ5やロールブラシ6などのブラシ部分を備えてなり、壁掛け型ホルダー20に収納されるものである。
【0027】
ドライヤー本体2は、その円筒形の送風胴10にヒータのON/OFFおよびファンモータによる送風量を調整するためのスライドスイッチ11を備え、また、その長手方向における使用時の保持部分9となる適所に環状のグリップスイッチ8を備えている。このグリップスイッチ8は、複数(図2では4個)のプッシュスイッチ8aと、それに対応する数のスイッチボタン8bから構成される。プッシュスイッチ8aはドライヤー本体2の内部にある円筒16の周りに環状に配置してあり、それぞれのスイッチは電気的には互いに並列に接続されている。スイッチボタン8bは環状で、上述のプッシュスイッチ8aの配置された外周に、プッシュスイッチ8aに対応するように配置される。スイッチボタン8bは、ドライヤー本体2内部の円筒16に図示しないスプリングなどによって支持される。このスイッチボタン8bは、カールドライヤー1を使用しないときにはプッシュスイッチ8aに接触しない。カールドライヤー1の使用時に、使用者がドライヤー本体2を握ると、図3のように環状のスイッチボタン8bが複数のプッシュスイッチ8aのいずれかに接触し、ファンモータ12とヒータに通電が開始される。このような構造にすると、ドライヤー本体1の握る場所が一定しないカールドライヤーにおいてもスイッチの操作がし易くなる。また、環状のスイッチボタン8bを、図示しないが、接点となる部分以外を可撓性あるゴムやプラスチックのような材質で成形し、一体に設けた内向きの突起によってドライヤー本体2内部の円筒16に支持し、使用者がグリップスイッチ8を握ると、スイッチボタン8bが握力によって変形して接点がプッシュスイッチ8aに接触するものであってもよい。
【0028】
また、カールドライヤー1の吐出口3付近には、ドライヤー本体2の外周に沿ってつば状の掛け止め部13が形成される。これにより、ドライヤー本体2をホルダー20に収納するため送風胴10を載置部22に形成された挿脱部23に挿入した際に、この掛け止め部13が載置部22に掛止される。このように、ドライヤー本体2は、不使用時にはホルダー20に簡単に載置することができる。
【0029】
かかるカールドライヤー用のホルダー20は壁に固定されることによって、カールドライヤー2と壁面に形成されたコンセントの商用電源との接続部を外部に露出しないよう隠蔽している。図1及び図4に示すように、ホルダー20は、側面形状がF字状で上部に庇部21を有し、その庇部21から所定間隔をもってカールドライヤー本体やブローブラシ5やロールブラシ6などのブラシ部分を支持するための棚状の載置部22を備えている。載置部22の棚には、ドライヤー本体2の掛け止め部13が係止できるようにU字状の切込みからなる挿脱部23が設けられ、ドライヤー本体2が挿脱される。ホルダー20の壁面の、載置部22に載置されたドライヤー本体2の尾部近辺に対応する部分には、ドライヤー本体2を側面から支持するとともに、ドライヤー本体2とホルダー20の壁との間にスペースを維持するための突起25が設けられている。これによって、ホルダー20に収納されたドライヤー本体2とホルダー20の壁面との間には、使用者がドライヤー本体2をホルダー20から取り外すために保持しようとするとき、容易に握持できる適度のスペースが形成される。
【0030】
図5は本発明のカールドライヤーの一実施例の回路図である。14はAC電源、15はニクロムヒータ、11はスライドスイッチで運転状態、詳しくはOFF、冷風(cool)、温風(弱)(low)、温風(強)(high)を選択できる。また、ドライヤーのON/OFF操作は複数個のプッシュスイッチが並列に接続された環状のグリップスイッチ8によりなされる。スライドスイッチ11でOFF以外の運転状態が設定されたときに、4個のプッシュスイッチのいずれか一つが接触するとニクロムヒータ15が加熱され、ファンモータ12が作動して、ブローモードあるいはカールモードとなる。
【実施例2】
【0031】
上記のような壁掛け型カールドライヤー1において、環状のグリップスイッチ8のスイッチボタン8bが円筒状のドライヤー本体2から浮き出ている(または突出している)と、使用者が不使用時に台や卓上に横向きに置いたままにして放置した場合に、本体の重みでグリップスイッチ8がONされてカールドライヤーが通電されたままとなり、過熱状態になるおそれがある。そこで、カールドライヤー1を横置きしたときに、環状のスイッチボタン8bがドライヤー本体の載置面から離間されて作動しないようにする手段をドライヤー本体2に設けておくことが必要になる。
【0032】
図6は、本発明の他の実施例に係るカールドライヤー1の側面図である。本実施例において、ドライヤー本体2の吐出口3付近に形成されたつば状の掛け止め部13は、カールドライヤー1を横置きしたときに、環状スイッチボタン8bがカールドライヤー1の載置面に接触しないようにする大きさで形成されており、環状スイッチボタン8bを載置面から離間させてその作動を防止する構造になっている。
【実施例3】
【0033】
図7は本発明のさらに他の実施例に係るカールドライヤーの斜視図である。図示したように、ドライヤー本体2の、環状のスイッチボタン8bが設けられる部分は、その長手方向の両側が環状のスイッチボタン8bよりも高くなるように形成されている。すなわち、ドライヤー本体2の、カールドライヤーの環状のスイッチボタン8bが設けられた部分は窪みとなっており、その長手方向の両側が環状のスイッチボタン8bよりも高くなるように形成されることにより、台や卓上に横向きに置いた場合でもスイッチボタン8bが載置面に接触しないためにスイッチが必ず切れる。上記のようなカールドライヤー1は、環状のグリップスイッチ8のスイッチボタン8bが円筒状のドライヤー本体2から浮き出ているような構造であっても、ドライヤー本体2のその両側部分が高くなっているから、使用者が不使用時に台や卓上に横向きに置いたままにして放置した場合にスイッチがONされてカールドライヤーが通電されたままになって、過熱状態になるおそれがない。このような構造にすることによって、安全なカールドライヤーを提供することができる。
【0034】
なお、上記の実施例においては、ドライヤー本体2の形状を円筒形、プッシュスイッチ8aがその周囲に環状に配置され、スイッチボタン8bはさらにその外周に環状に配置されるものとして説明したが、本発明の壁掛け型カールドライヤーのドライヤー本体の形状は円筒形に限られず、例えば6角形又は他の美観を有するような角筒形状であってもよい。その場合、プッシュスイッチは角筒形状のドライヤー本体の外周に沿って適当な間隔で配置され(例えばドライヤー本体が6角筒形状の場合、プッシュスイッチは6角形の各辺(面)上に配置される)、スイッチボタンはプッシュスイッチの周囲に、ドライヤー本体の形状に対応した枠状の部材(例えばドライヤー本体が6角筒形状の場合、スイッチボタンは6角形状の枠体)として配置される。
【0035】
なお、上記の実施例においては、タッチセンサーとしてプッシュボタンスイッチを使用した例を説明したが、もちろんプッシュボタンスイッチである必要はなく、圧力センサーなど他のタッチセンサーであってよい。
【0036】
また、上記の実施例においては、カールドライヤーを駆動する電源スイッチをカールドライヤー本体に設けてある場合を説明したが、電源スイッチをホルダーに設けて、カールドライヤー本体に設けないやり方もある。この場合は、盗難のおそれがより少なくなる。
【0037】
以上説明したように、本発明によれば、簡単な構成で、ホテルや旅館用として使用される壁掛け型カールドライヤー及びそのホルダーおいて、使い勝手のよいものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るカールドライヤー及びホルダーの側面図である。
【図2】図2は図1のB−B線で切断した本発明の実施例に係るカールドライヤーの断面図である。
【図3】図3は同カールドライヤーの使用状態を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の一実施例に係るホルダーの斜視図である。
【図5】図5は図1の本発明の実施例にかかるカールドライヤーの回路図である。
【図6】図6は本発明の他の実施例に係るカールドライヤーの側面図である。
【図7】図7は本発明のさらに他の実施例に係るカールドライヤーの斜視図である。
【図8】図8は従来のドライヤーとホルダーを示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 カールドライヤー
2 ドライヤー本体
3 吐出口
4 電源コード
5 ブローブラシ
6 ロールブラシ
7 吸気口
8a プッシュスイッチ
8b 環状スイッチボタン
9 保持部分
10 送風胴
13 掛け止め部
20 ホルダー
21 庇部
22 載置部
23 挿脱部
24 収納部
25 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カールドライヤーと該カールドライヤーを保持するホルダーを備えた壁掛け型カールドライヤーにおいて、筒形に形成されたドライヤー本体の長手方向の適所に複数のタッチセンサーを周方向に位置を変えて配置し、該タッチセンサーの配置された周壁に該タッチセンサーに対応する枠状のスイッチボタンを設け、該枠状のスイッチボタンが該複数のタッチセンサーのいずれかに接触することによって駆動されるようにしたことを特徴とする壁掛け型カールドライヤー。
【請求項2】
前記タッチセンサーがプッシュボタンスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の壁掛け型カールドライヤー。
【請求項3】
前記カールドライヤーを横置きしたときに、前記枠状のスイッチボタンがドライヤー本体の載置面から離間されて前記タッチセンサーが作動しないようにする手段を該ドライヤー本体に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の壁掛け型カールドライヤー。
【請求項4】
前記ドライヤー本体の吐出口近くに形成されたつば状の掛け止め部を有し、該掛け止め部がカールドライヤーを横置きしたときに前記枠状のスイッチボタンを載置面から離間して前記タッチセンサーの作動を防止することを特徴とする請求項3に記載の壁掛け型カールドライヤー。
【請求項5】
前記枠状のスイッチボタンが設けられたドライヤー本体の部分は、該ドライヤー本体の長手方向の両側が該枠状のスイッチボタンよりも高くなるように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の壁掛け型カールドライヤー。
【請求項6】
前記ホルダーは側面形状がF字状で上部に庇部を有し、庇部から所定間隔をもって前記カールドライヤーのドライヤー本体を支持するための載置部を備え、載置した該ドライヤー本体の尾部近辺に対応する部分にドライヤー本体とホルダー壁間にスペースをもたせるための突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載の壁掛け型カールドライヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−295469(P2008−295469A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141196(P2007−141196)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】