説明

壁構造

【課題】床版3の組立作業を簡略化して、床版3の組立コスト、換言すれば、橋梁の構築コストを低減すること。
【解決手段】床版3の外端部にコンクリート製の残存型枠11が立設され、残存型枠11の下端側が床版3よりも下方向へ突出し、残存型枠11の内側面にコンクリート壁27が一体的に接合され、残存型枠11の内側面の下端側に底板5の上面に近接した下部シール保持板33が残存型枠11の幅方向に沿って横断するように設けられ、下部シール保持板33の下面と底板5の上面との間に下部シール材35が設けられたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば橋梁等の建築物の床版に構築された壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工期短縮等を要請に応じて、橋梁等の建築物の床版に構築された壁構造には、コンクリート製の残存型枠が広く用いられている。そして、コンクリート製の残存型枠を具備した従来の壁構造の構成、及び壁構造の周辺構造の構成について図9を参照して説明すると、次のようになる。ここで、図9は、従来の壁構造の断面図である。
【0003】
図9(a)に示すように、従来の壁構造101(101A)は、例えば橋梁の床版103に構築されたものであって、床版103の外端部には、壁構造101(101A)の一部を構成するコンクリート製の残存型枠105が立設されている。また、残存型枠105の内側面には、コンクリート壁107が一体的に接合されており、このコンクリート壁107は、残存型枠105と残存型枠105の内側に配置した内側型枠(図示省略)との間にコンクリートを打設することによって形成されるものである。
【0004】
一方、壁構造101の周辺構造である床版103は、例えば橋梁の橋桁(図示省略)に設けられた底板109と、この底板109の上面に接合されたコンクリート床111と、底板109の外端面に溶接によって設けられかつ残存型枠105の表面上の雨水を切る水切り用両フランジ113とを備えている。また、コンクリート床111は、底板109の上側にコンクリートを打設することによって形成されるものである。
【0005】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1に示すものがある。
【特許文献1】特許第3636960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、壁構造101(101A)にあっては、残存型枠105の内側に打設されたコンクリート(具体的には、コンクリート床111又はコンクリート壁107を形成する際に打設されるコンクリート)の内圧によって、残存型枠105と水切り用両フランジ113との間に隙間が生じて、その隙間からコンクリートが漏れる場合がある。そのため、図9(b)に示すように、従来の別タイプの壁構造101(101B)にあっては、残存型枠105を水切り用両フランジ113の内側に配置したり、図9(c)に示すように、従来の別タイプの壁構造101(101C)にあっては、残存型枠105の下面と底板109の上面との間にシール材115を挟持されるように設けたりすることにより、残存型枠105の内側に打設されたコンクリートの漏れを防止している。なお、別タイプの壁構造101(101C)の周辺構造である床版103にあっては、底板109の外端面に水切り用両フランジ113が溶接によって設けられる代わりに、底板109の下面の外端側に残存型枠105の表面上の雨水を切る水切り用片フランジ117が溶接によって設けられている。
【0007】
しかし、別タイプの壁構造101(101B,101C)にあっては、前述のように、残存型枠105の内側に打設されたコンクリートの漏れを防止することができるものの、別タイプの壁構造101(101B,101C)の周辺構造である床版103にあっても、壁構造101(101A)の周辺構造である床版103と同様に、水切り用両フランジ113又は水切り用片フランジ117を底板109に溶接する際に、底板109を上下に反転させなければならない。そのため、床版103の組立作業が煩雑化して、床版103の組立コスト、換言すれば、建築物の構築コストが高くなるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成の壁構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、建築物の床版に構築された壁構造において、前記床版の外端部に立設され、下端側が前記床版よりも下方向へ突出したコンクリート製の残存型枠と、前記残存型枠の内側面に一体的に接合され、前記残存型枠と前記残存型枠の内側に配置した内側型枠との間にコンクリートを打設することによって形成されたコンクリート壁と、前記残存型枠の内側面の下端側に前記残存型枠の幅方向に沿って横断するように設けられ、前記床版における底板の上面に近接した下部シール保持板と、前記下部シール保持板の下面と前記底板の上面との間に設けられた下部シール材と、を具備したことを要旨とする。
【0010】
第1の特徴によると、前記下部シール保持板の下面と前記底板の上面との間に前記下部シール材が設けられているため、前記残存型枠の内側に打設されたコンクリート(具体的には、前記床版におけるコンクリート床又は前記コンクリート壁を形成する際に打設されたコンクリート)が前記残存型枠と底板の隙間から漏れることを防止できる。
【0011】
また、前記残存型枠の下端側が前記床版よりも下方向へ突出しているため、前記残存型枠の下端によって前記残存型枠の表面上の雨水を切ることができる。
【0012】
本発明の第2に特徴は、建築物の床版に構築された壁構造において、前記床版の外端部に立設されたコンクリート製の残存型枠と、前記残存型枠の内側面に一体的に接合され、前記残存型枠と前記残存型枠の内側に配置した内側型枠との間にコンクリートを打設することによって形成されたコンクリート壁と、前記残存型枠の下面と前記床版における底板の上面との間に挟持されるように設けられ、前記残存型枠の幅方向の全域に亘って延びてあって、外端側が下方向を向くように折曲がっているシール板と、を具備したことを要旨とする。
【0013】
第2の特徴によると、前記残存型枠の下面と前記底板の上面との間に前記シール板が挟持されるように設けられているため、前記残存型枠の内側に打設されたコンクリートが前記残存型枠と底板の隙間から漏れることを防止できる。
【0014】
また、前記シール板の外端側が下方向を向くように折曲がっているため、前記シール板の外端によって前記残存型枠の表面上の雨水を切ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前記残存型枠の内側に打設されたコンクリートが前記残存型枠と前記底板の隙間から漏れることを防止した上で、前記残存型枠の下端又は前記シール板の外端によって前記残存型枠の表面上の雨水を切ることができるため、前記底板から水切り用フランジ(前述の水切り用両フランジ113又は水切り用片フランジ117に相当するフランジ)を省略することができ、前記底板を上下に反転させることなく、前記床版を組立てることができる。よって、前記床版の組立作業を簡略化して、前記床版の組立コスト、換言すれば、前記建築物の構築コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図6を参照して説明する。
【0017】
ここで、図1は、第1実施形態に係る壁構造の断面図、図2は、上部シール保持板及び下部シール保持板が取付けられた状態の残存型枠を裏からみた図、図3は、図2を上から見た図、図4は、図2におけるIV-IV線に沿った図、図5は、図1における矢視部Vの拡大図、図6は、図1における矢視部VIの拡大図である。
【0018】
図1に示すように、第1実施形態に係る壁構造1は、橋梁の床版3に構築された構造であって、壁構造1の具体的な構成等は、以下のようになる。なお、壁構造1の周辺構造である床版3は、橋梁の橋桁(図示省略)に設けられた底板5と、この底板5の上面に設けられかつ底板5を補強するH形鋼材7と、底板5の上面に一体的に接合されたコンクリート床9とを備えおり、コンクリート床9は、底板5の上側にコンクリートを打設することによって形成されたものである。
【0019】
底板5の外端部には、複数(1つのみ図示)のコンクリート製の残存型枠11が一対(1つのみ図示)のブラケット13を介してそれぞれ立設されており、複数の残存型枠11は、連結具(図示省略)によって一体的に連結されている。また、各残存型枠11の下端側は、底板5よりも下方向へ突出してある。そして、壁構造1の主要な構成要素である残存型枠11の具体的な構成は、次のようになる。
【0020】
図2から図4に示すように、残存型枠11は、四角形状の型枠本体15を備えており、この型枠本体15は、コンクリートからなるものである。そして、型枠本体15の略全領域には、型枠本体15を補強する鉄筋又は網状体等の補強骨材17が埋設されており、この補強骨材17は、鉄又はステンレス等からなるものである。また、補強骨材17は、表面に、防食塗装が施されている。
【0021】
補強骨材17には、上下方向(型枠本体15の高さ方向)へ延びた一対の溝形鋼材(形鋼材の1つ)19が溶接等によって一体的に接合されており、各溝形鋼材19の一部分(本発明の実施形態にあっては、溝形鋼材19の短辺方向の長さmの半分程度)は、型枠本体15の内側面から露出している。また、各溝形鋼材19には、複数の取付穴21が間隔を置いて形成されており、複数の取付穴21は、前記連結具等の取付に用いられるものである。更に、各溝形鋼材19は、表面に、防食塗装が施されている。なお、上下方向へ延びた一対の溝形鋼材19の他に、型枠本体15の幅方向へ延びた複数の溝形鋼材が補強骨材17に一対の溝形鋼材19を連結するように接合されたり、溝形鋼材19の代わりに、H形鋼材等の別の形鋼材を用いたりしても構わない。
【0022】
各溝形鋼材19の下端側には、取付金具23が固定されており、各取付金具23は、対応するブラケット13に複数の締結ボルト25によって締結可能になっている(図1参照)。
【0023】
図1に示すように、複数の残存型枠11の内側面には、コンクリート壁27が一体的に接合されており、このコンクリート壁27の上面は、床版3の内方向に向かって徐々に低くなるように水平方向に対して傾斜している。また、コンクリート壁27は、残存型枠11と残存型枠11の内側にセパレート(図示省略)等を介して配置した木製の内側型枠29との間にコンクリートを打設することによって形成されたものであって、木製の内側型枠29は、壁構造1の構築後に撤去されるものである。更に、コンクリート壁27には、コンクリート壁27を補強する鉄筋ユニット31が適宜に埋設されている。
【0024】
図1及び図6に示すように、各残存型枠11における型枠本体15の内側面の下端側には、下部シール保持板33が残存型枠11の幅方向に沿って横断するように設けられており、各下部シール保持板33の基端部は、対応する残存型枠11における補強骨材17に溶接等によって一体的に接合されている。また、各下部シール保持板33は、鉄等からなるものであって、底板5の上面に近接している。更に、各下部シール保持板33は、表面に、防食塗装が施されてあって、各下部シール保持板33の先端部は、水平方向(換言すれば、型枠本体15の厚み方向)に対して上向きに傾斜している。そして、各下部シール保持板33の下面と底板5の上面との間には、下部シール材35が挟持されるように設けられている。なお、下部シール材35は、合成ゴムからなるシール板35aと、合成ゴム又は合成樹脂からなるペースト状のコーキング材35bである。
【0025】
図1及び図5に示すように、各残存型枠11における型枠本体15の内側面の上端側には、上部シール保持板37が残存型枠11の幅方向に沿って横断するように設けられており、各上部シール保持板37の基端部は、対応する残存型枠11における補強骨材17に溶接等によって一体的に接合されている。また、各上部シール保持板37は、鉄等からなるものであって、コンクリート壁27の上面に近接している。更に、各上部シール保持板37は、表面に、防食塗装が施されてあって、先端側が低くなるように水平方向に対して傾斜している。そして、各上部シール保持板37の下面とコンクリート壁27の上面との間には、上部シール材39が設けられており、各上部シール材は、上方向からみたときに上部シール保持板37に覆われている。なお、上部シール材39は、合成ゴム又は合成樹脂からなるペースト状のコーキング材である。
【0026】
続いて、第1実施形態の作用及び効果について説明する。
【0027】
各下部シール保持板33の下面と底板5の上面との間に下部シール材35が挟持されるように設けられているため、残存型枠11の内側に打設されたコンクリート(具体的には、床版3におけるコンクリート床9を形成する際に打設されたコンクリート)が残存型枠11と底板5の隙間から漏れることを防止できる(打設コンクリートの漏れ防止作用)。特に、各下部シール保持板33の先端部は、水平方向に対して上向きに傾斜しているため、残存型枠11の内側に打設されたコンクリートの内圧により下部シール保持板33の先端部にくさび効果が働いて、下部シール保持板33の保持力が強まって、打設コンクリートの漏れ防止作用を高めることができる。
【0028】
また、各残存型枠11の下端側(各残存型枠11における型枠本体15の下端側)が底板5よりも下方向へ突出しているため、各残存型枠11における型枠本体15の下端によって型枠本体15の表面上の雨水を切ることができる。
【0029】
更に、各上部シール保持板37の下面とコンクリート壁27の上面との間に上部シール材39が設けられ、各上部シール材は上方向からみたときに上部シール保持板37に覆われてあって、コンクリート壁27の上面が床版3の内方向に向かって徐々に低くなるように水平方向に対して傾斜しているため、紫外線による上部シール材39の劣化を抑えつつ、残存型枠11とコンクリート壁27との接合部への雨水の侵入を長期に亘って防止することができる(雨水の侵入防止作用)。特に、各上部シール保持板37は、先端側が低くなるように水平方向に対して傾斜しているため、各上部シール保持板37の先端は残存型枠11における型枠本体15の内側面上の雨水を切ることができ、雨水の浸入防止作用を高めることができる。
【0030】
また、各下部シール保持板33の基端部及び各上部シール保持板37の基端部が対応する残存型枠11における補強骨材17に一体的に溶接等によって接合されているため、各下部シール保持板33及び各上部シール保持板37を残存型枠11に強固に固定することができる。
【0031】
以上の如き、第1実施形態によれば、残存型枠11の内側に打設されたコンクリートが残存型枠11と底板5の隙間から漏れることを防止した上で、各残存型枠11における型枠本体15の下端によって型枠本体15の表面上の雨水を切ることができるため、底板5から水切り用フランジ(前述の水切り用両フランジ113又は水切り用片フランジ117に相当するフランジ)を省略することができ、底板5を上下に反転させることなく、床版3を組立てることができる。よって、床版3の組立作業を簡略化して、床版3の組立コスト、換言すれば、橋梁の構築コストを低減することができる。
【0032】
また、残存型枠11とコンクリート壁27との接合部への雨水の侵入を長期に亘って防止することができるため、壁構造1の耐久性を向上させることができる。
【0033】
更に、各下部シール保持板33及び各上部シール保持板37を残存型枠11に強固に固定できるため、壁構造1の構築作業中に、各下部シール保持板33及び各上部シール保持板37が残存型枠11から離脱することを防止することができる。
【0034】
(第2実施形態)
第2実施形態について図7及び図8を参照して説明する。
【0035】
ここで、図7は、第2実施形態に係る壁構造の断面図、図8は、図7における矢視部VIIIの拡大図である。
【0036】
図7及び図8に示すように、第2実施形態に係る壁構造41は、橋梁の床版3に構築された構造であって、第1実施形態に係る壁構造1と略同じ構成を有しており、第2実施形態の係る壁構造41の構成のうち、第1実施形態に係る壁構造1の構成と異なる部分(壁構造41の下側部分の構成)について説明する。なお、第2実施形態に係る壁構造41における複数の構成要素のうち、第1実施形態に係る壁構造1における構成要素と対応するものについては、図中に同一番号を付して、説明を省略する。
【0037】
即ち、各残存型枠11における型枠本体15の下面は、底板5の上面に近接してあって、各残存型枠11における型枠本体15の下面と底板5の上面との間には、シール板43が挟持されるように設けられている。また、各シール板43は、合成ゴムからなるものであって、対応する残存型枠11の幅方向の全域に亘って延びている。更に、各シール板43は、外端側が下方向を向くように垂直に折れ曲がっている。なお、各シール板43は、外端側が下方向を向くように折れ曲がっていれば、垂直に折れ曲がっていなくても構わない。
【0038】
各残存型枠11の下面と対応するシール板43の上面との間には、コーキング保持板45が挟持されるように設けられており、各コーキング保持板45の基端部は、残存型枠11における補強骨材17に一体的に接合されている。また、各コーキング保持板45は、鉄等からなるものであって、底板5の上面に近接している。更に、各コーキング保持板45は、表面に、防食塗装が施されてあって、各コーキング保持板45の先端部は、水平方向に対して上向きに傾斜している。そして、各コーキング保持板45の下面と底板5の上面との間には、コーキング材47が充填されるように設けられており、各コーキング材47は、合成ゴム又は合成樹脂からなるものである。
【0039】
続いて、第2実施形態の作用及び効果について説明する。
【0040】
各残存型枠11の下面と底板5の上面との間にシール板43が挟持されるように設けられ、各コーキング保持板45の下面と底板5の上面との間にコーキング材47が充填されるように設けられているため、残存型枠11の内側に打設されたコンクリート(具体的には、床版3におけるコンクリート床9を形成する際に打設されたコンクリート)が残存型枠11と底板5の隙間から漏れることを防止できる(打設コンクリートの漏れ防止作用)。特に、各コーキング保持板45の先端部は、水平方向に対して上向きに傾斜しているため、残存型枠11の内側に打設されたコンクリートの内圧によりコーキング保持板45の先端部にくさび効果が働いて、コーキング保持板45の保持力が強まって、打設コンクリートの漏れ防止作用を高めることができる。
【0041】
また、各シール板43の外端側が下方向を向くように垂直に折曲がっているため、各シール板43の外端によって残存型枠11における型枠本体15の表面上の雨水を切ることができる。
【0042】
なお、第2実施形態においても、第1実施形態の作用の1つである雨水の侵入防止作用を奏する。
【0043】
以上の如き、第2実施形態によれば、残存型枠11の内側に打設されたコンクリートが残存型枠11と底板5の隙間から漏れることを防止した上で、各シール板43の外端によって残存型枠11における型枠本体15の表面上の雨水を切ることができるため、底板5から水切り用フランジ(前述の水切り用両フランジ113又は水切り用片フランジ117に相当するフランジ)を省略することができ、底板5を上下に反転させることなく、床版3を組立てることができる。よって、床版3の組立作業を簡略化して、床版3の組立コスト、換言すれば、橋梁の構築コストを低減することができる。
【0044】
また、雨水の侵入防止作用を奏するため、壁構造1の耐久性を向上させることができる。
【0045】
なお、本発明は、前述の第1実施形態及び第2実施形態の説明に限られるものではなく、例えば、各下部シール保持板33の基端部及び各上部シール保持板37の基端部が残存型枠11における補強骨材17に溶接等によって一体的に接合されないようにする等、その他、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1実施形態に係る壁構造の断面図である。
【図2】上部シール保持板及び下部シール保持板が取付けられた状態の残存型枠を裏からみた図である。
【図3】図2を上から見た図である。
【図4】図2におけるIV-IV線に沿った図である。
【図5】図1における矢視部Vの拡大図である。
【図6】図1における矢視部VIの拡大図である。
【図7】第2実施形態に係る壁構造の断面図である。
【図8】図7における矢視部VIIIの拡大図である。
【図9】従来の壁構造の断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 壁構造
3 床版
5 底板
9 コンクリート床
11 残存型枠
15 型枠本体
27 コンクリート壁
29 内側型枠
33 下部シール保持板
35 下部シール材
35a シール板
35b コーキング材
37 上部シール保持板
39 上部シール材
41 壁構造
43 シール板
45 コーキング保持板
47 コーキング材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の床版に構築された壁構造において、
前記床版の外端部に立設され、下端側が前記床版よりも下方向へ突出したコンクリート製の残存型枠と、
前記残存型枠の内側面に一体的に接合され、前記残存型枠と前記残存型枠の内側に配置した内側型枠との間にコンクリートを打設することによって形成されたコンクリート壁と、
前記残存型枠の内側面の下端側に前記残存型枠の幅方向に沿って横断するように設けられ、前記床版における底板の上面に近接した下部シール保持板と、
前記下部シール保持板の下面と前記底板の上面との間に設けられた下部シール材と、を具備したことを特徴とする壁構造。
【請求項2】
前記下部シール保持板の先端側は、水平方向に対して上向きに傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の壁構造。
【請求項3】
前記残存型枠の内側面の上端側に前記残存型枠の幅方向に沿って横断するように設けられ、前記コンクリート壁の上面に近接した上部シール保持板と、
前記上部シール保持板の下面と前記コンクリート壁の上面との間に設けられた上部シール材と、を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁構造。
【請求項4】
前記上部シール保持板は、先端側が低くなるように水平方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の壁構造。
【請求項5】
建築物の床版に構築された壁構造において、
前記床版の外端部に立設されたコンクリート製の残存型枠と、
前記残存型枠の内側面に一体的に接合され、前記残存型枠と前記残存型枠の内側に配置した内側型枠との間にコンクリートを打設することによって形成されたコンクリート壁と、
前記残存型枠の下面と前記床版における底板の上面との間に挟持されるように設けられ、前記残存型枠の幅方向の全域に亘って延びてあって、外端側が下方向を向くように折曲がっているシール板と、を具備したことを特徴とする壁構造。
【請求項6】
前記残存型枠と前記シール板の上面との間に挟持されるように設けられ、前記残存型枠の幅方向の全域に亘って延びてあって、先端側が水平方向に対して上向きに傾斜したコーキング保持板と、
前記コーキング保持板の下面と前記床面の上面との間に充填するように設けられたコーキング材と、を具備したことを特徴とする請求項5に記載の壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−161944(P2009−161944A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340587(P2007−340587)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)