壁部材およびこれを備える計量装置
【課題】ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送する。
【解決手段】集合排出シュート20は、5枚のプレート21a〜21eを備え、水平コンベア7の下流側に配置され、水平コンベア7を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。水平コンベア7は、昆布などの粘着性を有する物品を略水平方向に搬送する。各プレート21a〜21eは、物品に衝突され付着される。プレート21a〜21eは、各プレート21a〜21eに付着した物品が一体とならないように互いに水平方向にずれて配置されている。
【解決手段】集合排出シュート20は、5枚のプレート21a〜21eを備え、水平コンベア7の下流側に配置され、水平コンベア7を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。水平コンベア7は、昆布などの粘着性を有する物品を略水平方向に搬送する。各プレート21a〜21eは、物品に衝突され付着される。プレート21a〜21eは、各プレート21a〜21eに付着した物品が一体とならないように互いに水平方向にずれて配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性を有する物品に衝突されることにより物品を落下させる壁部材およびこれを備える計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の計量を高速かつ高精度に行うには、組合せ計量を行うことが望ましいとされている。組合せ計量においては、複数のホッパに収容した物品の重量をホッパごとに計量し、これらの重量値に基づいて組合せ演算を行ってその合算値が所定範囲内に収まるような重量値の組合せを決定し、当該組合せに対応するホッパ内の物品を集合させる。これにより、所定重量または所定数量の物品の集合体を得ることができる。
【0003】
このような組合せ計量を行う装置としては、特許文献1に記載のものなどが存在するが、その一例を図1に示す。
【0004】
図1に示す組合せ計量装置101は、テーブル102、供給フィーダ103、プールホッパ104、計量ホッパ105、ブースタホッパ106、水平コンベア107などから構成されている。ここでは、作業者が、テーブル102にストックされている物品を、テーブル102に設けられている投入口を介して目分量で供給フィーダ103に適量投入する。供給フィーダ103に投入された物品は、プールホッパ104を経て計量ホッパ105に供給され、計量ホッパ105内においてその重量値が測定された後、ブースタホッパ106に供給される。制御部は、計量ホッパ105およびブースタホッパ106内に貯留されている物品の重量値に基づいて組合せ演算を行う。組合せ演算の結果、重量値の組合せが選定されると、対応するホッパ105,106のゲートが開かれ、当該ホッパ105,106内の物品が水平コンベア107上に排出される。水平コンベア107上に排出された物品は、集合排出シュート110,120のいずれかまで搬送され、集合排出シュート110,120を通過するときに集合させられる。
【0005】
集合排出シュート110,120は、垂直面または傾斜面を形成する金属製の側壁を有しており、その上部および下部には開口が形成されている。水平コンベア107から上部の開口に投入された物品は、側壁に導かれて下部の開口に集められて排出される。他の計量装置における集合排出シュートも、概ね同様の構造である。
【0006】
ところで、水平コンベアの搬送速度が速い場合など、物品が集合排出シュートの側壁に強く打ち付けられる場合には、たとえ側壁が垂直または垂直に近い傾斜を有している場合であっても、側壁に物品が付着してしまうことがある。特に、粘着性の高い物品の場合には、このような付着現象が生じ易い。漬物などの食品でもこの現象が見られるが、昆布や、ミートソースを含むスパゲティ、マヨネーズを含むサラダなどの極めて粘着性の高い食品の場合には、物品が壁面上で大きく成長することになる。そして、壁面上で大きな塊となった物品は、その後、壁面上から一気に剥がれ落ちることになる。このため、集合排出シュートにまとまって導入される物品の重量と、集合排出シュートからまとまって送り出される物品の重量とに差異が生じ、集合排出シュートを通過する物品の量をコントロールすることが困難になる。
【0007】
そこで、特許文献1では、集合排出シュートの側壁をベルトコンベアによって形成している。これにより、物品が壁面上で成長しにくくなり、集合排出シュートに導入された物品がスムーズに下流側へと排出されることになる。
【特許文献1】特開2002−173210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のようにベルトコンベアを設置する場合には、コスト高になることが懸念される。
【0009】
本発明の課題は、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することが可能な壁部材およびこれを備える計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明にかかる壁部材は、第1面と、第2面とを備え、搬送装置の下流側に配置され、搬送装置を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。搬送装置は、粘着性を有する物品を所定の搬送方向に搬送する。第1面は、物品に衝突され付着される。第2面は、物品に衝突され付着される。第1面と第2面とは、第1面に付着した物品と第2面に付着した物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている。
【0011】
この壁部材は、搬送装置によって搬送されてくる昆布などの粘着性を有する物品を、当該物品との衝突によって下方へと導く壁面を形成する。この壁部材は、少なくとも2段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積は、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対して小さく抑えられている。これにより、この壁部材に衝突し付着した物品は、大きな塊へと成長する前にこの壁部材から少しずつ剥がれ落ちることになる。これにより、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【0012】
第2発明にかかる壁部材は、第1発明にかかる壁部材であって、第1面に付着した物品と、第2面に付着した物品とは、別々に下方に剥がれ落ちる。
【0013】
階段状に形成されているこの壁部材からは、多量の物品が同じタイミングで剥がれ落ちることがないようになっている。
【0014】
第3発明にかかる壁部材は、第1発明または第2発明にかかる壁部材であって、第1面は、第2面より上方に位置する。第1面を含む面は、第2面を含む面より搬送方向に上流側に位置する。
【0015】
この壁部材は、物品の搬送経路に沿って下り階段状になっている。したがって、段と段との間の空間に物品が貯まりにくくなっている。これにより、物品の大きな塊が成長しにくくなっている。
【0016】
第4発明にかかる壁部材は、第3発明にかかる壁部材であって、第3面をさらに備える。第3面は、物品に衝突され付着される。第2面は、第3面よりも上方に位置する。第2面を含む面は、第3面を含む面よりも搬送方向に上流側に位置する。
【0017】
この壁部材は、少なくとも3段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積が、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対してより小さく抑えられている。
【0018】
第5発明にかかる壁部材は、第3発明または第4発明にかかる壁部材であって、第1面と第2面とは、不連続である。
【0019】
階段状に形成されているこの壁部材の各面は、互いに分断されている。これにより、段と段との間の空間に物品がより貯まりにくくなっている。また、この壁部材は、下り階段状となっているため、搬送される物品が段と段との隙間に対向することがなく、段と段との隙間から搬送経路外に飛び出すこともない。
【0020】
第6発明にかかる壁部材は、第1発明から第5発明のいずれかにかかる壁部材であって、搬送装置は、計量装置の下流側に配置されている。計量装置は、物品を計量し、物品を所定量ずつ送り出す装置である。
【0021】
この壁部材の上流側にある搬送装置のさらに上流側には、物品の計量装置が配置されている。したがって、この壁部材は、計量装置における計量を経て所定量ずつ送り出された物品を、誤差を殆ど生じさせないままに下流側に送り出すことができる。
【0022】
第7発明にかかる壁部材は、第1発明から第6発明のいずれかにかかる壁部材であって、搬送装置の搬送方向は、略水平方向である。
【0023】
この壁部材には、略水平方向に上流側から物品が衝突してくる。これにより、この壁部材は、略水平方向に進む物品を下方に導くことができる。
【0024】
第8発明にかかる計量装置は、計量部と、搬送部と、壁部材とを備え、粘着性を有する物品を計量する。計量部は、物品を計量し、物品を所定量ずつ送り出す。搬送部は、計量部から送り出された物品を所定量ずつ所定の搬送方向に搬送する。壁部材は、搬送部の下流側に配置され、搬送部を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。壁部材は、第1面と、第2面とを有する。第1面は、物品に衝突され付着される。第2面は、物品に衝突され付着される。第1面と第2面とは、第1面に付着した物品と第2面に付着した物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている。
【0025】
この計量装置では、昆布などの粘着性を有する物品が計量部によって計量された後、所定量ずつ搬送部へと送り出される。そして、搬送部によって所定の方向に搬送される物品は、壁部材との衝突によって下方へと導かれることになる。この壁部材は、少なくとも2段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積は、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対して小さく抑えられている。これにより、この壁部材に衝突し付着した物品は、大きな塊へと成長する前にこの壁部材から少しずつ剥がれ落ちることになる。これにより、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる組合せ計量装置1について説明する。
【0028】
<組合せ計量装置1の構成>
図2および図3に示す組合せ計量装置1は、食品などの物品を10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6に振り分け、各ホッパ5,6内の物品の重量値に基づいてその合算値が所定範囲内に収まるような重量値の組合せを決定し、当該組合せに対応するホッパ5,6内の物品を集合させて所定重量または所定数量の物品の集合体を得る装置である。
【0029】
組合せ計量装置1は、テーブル2と、10個の供給フィーダ3と、10個のプールホッパ4と、10個の計量ホッパ5と、10個のブースタホッパ6と、2つの水平コンベア7と、駆動ボックス8と、制御パネル9と、第1集合排出シュート10と、第2集合排出シュート20とを備えている。
【0030】
テーブル2に供給された商品は、テーブル2から供給フィーダ3へ、供給フィーダ3からプールホッパ4へ、プールホッパ4から計量ホッパ5へ、計量ホッパ5からブースタホッパ6へ、ブースタホッパ6から水平コンベア7へ、水平コンベア7から第1集合排出シュート10または第2集合排出シュート20へと順に搬送される。それぞれ10個の供給フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6は、互いに1対1で対応している。すなわち、ある供給フィーダ3から排出された商品は、特定のプールホッパ4、特定の計量ホッパ5および特定のブースタホッパ6を経由して、水平コンベア7へと導かれるようになっている。
【0031】
〔テーブル〕
テーブル2は、物品をストックすることが可能な矩形のトレーである。テーブル2の底面の前部には、複数の投入口が等間隔で開口している。これらの投入口の下方には、これらの投入口に1対1で対応する複数の供給フィーダ3が横方向に直線状に並んで配置されている。テーブル2上の物品は、これらの投入口を通って各供給フィーダ3に投入されることになる。
【0032】
〔供給フィーダ〕
各供給フィーダ3は、電磁振動装置と、傾斜トラフとを有している。この電磁振動装置は、テーブル2から傾斜トラフの後部に投入された物品に振動を加えて、物品をプールホッパ4へと搬送する。
【0033】
〔プールホッパ、計量ホッパおよびブースタホッパ〕
プールホッパ4は、供給フィーダ3の前部の下方に配置されており、供給フィーダ3から供給される物品を受け取って一時的に貯える。
【0034】
計量ホッパ5は、プールホッパ4の真下に配置されており、プールホッパ4から排出される物品を受け取って一時的に貯える。そして、この間に、各計量ホッパ5内の物品は、駆動ボックス8内のロードセル5a(図3参照)によってその重量値が測定されることになる。測定された重量値は、制御部(図示されない)に送られて組合せ演算に用いられる。
【0035】
ブースタホッパ6は、計量ホッパ5の真下に配置されており、計量ホッパ5から排出される物品を受け取って一時的に貯える。ブースタホッパ6に貯えられた物品は、計量ホッパ5内の物品とともに、組合せ演算に参加することになる。
【0036】
プールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6の構造は、略同一である。各ホッパ4,5,6は、合成樹脂で成形された上下に連通する筒状の本体と、当該本体の下部の開口を開閉可能なゲートとを有している。各ホッパ4,5,6は、ゲートを閉じているときにはその内部に物品を貯留するこができ、ゲートを開いたときにはその内部の物品を下方に排出することができる。
【0037】
〔水平コンベア〕
図4および図5に示すように、2つの水平コンベア7は、それぞれベルト7aを有するベルトコンベアであり、計量ホッパ5およびブースタホッパ6から排出された物品を水平方向に搬送する。一方の水平コンベア7は、物品を第1集合排出シュート10まで移送し、他方の水平コンベア7は、物品を第2集合排出シュート20まで移送する。各ベルト7aの搬送面上の両側方には、搬送される物品が搬送面上から脱落することがないようにガイドするガイドプレート7bが設けられている。
【0038】
〔第1集合排出シュート〕
漏斗状の第1集合排出シュート10は、図2に示すように左右2つの水平コンベア7の間に設けられており、水平コンベア7の内側の端部から落下する物品を周囲に飛散させることなく下方へと導く。第1集合排出シュート10は、重力による物品の落下を利用し、下部の開口から物品を排出する。
【0039】
〔第2集合排出シュート〕
図4、図5および図6に示すように、第2集合排出シュート20は、第1側壁21、第2側壁22、第3側壁23、第4側壁24および屋根25を有しており、上下に開口30a,30bが形成されている。なお、図4においては、第1側壁21の構造を分かり易くするために、第3側壁23が省略されている。第2集合排出シュート20は、上部の開口30aを介して物品を受け取り、当該物品を四方を側壁21〜24および屋根25に囲まれる空間に通し、下部の開口30bを介して排出する。開口30bの下方には別装置によってトレーTがセットされ、開口30bから排出された物品はトレーT内に入る。また、第2集合排出シュート20は、金属製であり、図面には明瞭に示されていないが、エンボス加工が施されている。
【0040】
第1側壁21は、5枚の矩形形状のプレート21a〜21eにより構成されており、各プレート21a〜21eの幅は、水平コンベア7のベルト7aの幅と概ね等しくなっている。各プレート21a〜21eは、鉛直方向に伸びており、水平コンベア7によって上部の開口30aまで搬送されてくる物品に対向するような方向を向いており、その結果、当該物品に衝突されることになる。プレート21a〜21eは、この順に鉛直方向に並んでおり、プレート21aが最も上方に位置し、プレート21eが最も下方に位置している。各プレート21a〜21eの鉛直線への投影線分は連続し、互いに重ならないようになっている。
【0041】
また、プレート21a〜21eは、この順に水平方向に等間隔に並んでおり、プレート21aが最も水平コンベア7の近くに位置し、プレート21eが最も水平コンベア7の遠くに位置している。すなわち、プレート21a〜21eは、互いに水平方向にずれて配置されており、プレート21a〜21eをそれぞれ含む面Sa〜Se(図4中の二点鎖線を参照)は、この順に物品の搬送されてゆく方向についてより上流側に位置している。
【0042】
各プレート21a〜21eは、上下方向の辺が互いに不連続となっており、横方向の辺が第3側壁23および第4側壁24に連続している。すなわち、プレート21aの下辺とプレート21bの上辺との間には、隙間が広がっており、他の隣接するプレート間も同様である。
【0043】
第2側壁22は、1枚の矩形形状のプレートにより構成されており、第2側壁22の幅は、第1側壁21の幅と概ね等しくなっている。第2側壁22は、第1側壁21に対向しているが、第1側壁21よりも高さが低くなっている。このため、屋根25と第2側壁22との間に、開口70aが形成されるようになっている。
【0044】
第3側壁23および第4側壁24は、それぞれ1枚の台形形状のプレートにより構成されている。第3側壁23および第4側壁24は、互いに対向しており、それぞれ第1側壁21および第2側壁22の両方に直交するように配置されている。第3側壁および第4側壁24の下辺は、水平方向に伸びている。そして、第3側壁および第4側壁24それぞれの鉛直方向に伸びる2辺のうち、水平コンベア7に近い側の辺は、水平コンベア7に遠い側の辺よりも長くなっている。その結果、第3側壁および第4側壁24の上辺は、水平コンベア7に近い側から遠い側に向けて下方に傾斜している。
【0045】
屋根25は、1枚の矩形形状のプレートにより構成されており、第1側壁21のプレート31aの水平方向に伸びる上辺と、第3側壁23および第4側壁24の傾斜した上辺とに連続している。
【0046】
〔駆動ボックス、制御パネル〕
供給フィーダ3の電磁振動装置、各ホッパ4,5,6のゲートを開閉するための駆動モータ、水平コンベア7の駆動モータ、計量ホッパ5のロードセル5aなどは、駆動ボックス8内に配置されている。駆動ボックス8の側部には、制御パネル9を支持する支柱が固定されている(図2参照)。
【0047】
また、制御パネル9の裏側または駆動ボックス8内には、CPU、ROM、RAM、HDDなどから構成される図示しない制御部が配置されている。この制御部は、上述した電磁振動装置、駆動モータ、ロードセル5aなどに接続されており、組合せ計量装置1の動作を制御している。例えば、この制御部は、ロードセル5aから送られてくる測定データに基づいて組合せ演算を行う。組合せ演算の結果、10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6の中から数個のホッパ5,6が選択される。なお、組合せ演算とは、各ホッパ5,6内に貯留されている物品の重量値を様々に組合せて合算し、その合算値が所定範囲内に収まるような物品の組合せを求めることをいう。そして、この制御部は、組合せ演算によって求めた組合せに含まれる物品を貯留しているホッパ5,6に対応するゲートを開くように制御することにより、所定量の物品を水平コンベア7上に落下させる。
【0048】
制御パネル9は、オペレータからの入力を受け付ける入力部としての役割を果たすとともに、種々の表示を行う表示部としての役割も果たす。
【0049】
<組合せ計量装置の動作>
次に、組合せ計量装置1の動作を説明する。
【0050】
組合せ計量装置1では、鉛直方向に1つずつ一列に並ぶプールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6から構成されるヘッドが左右方向に5個ずつ配置されている(図2参照)。組合せ計量装置1には、種々の使い方が存在する。例えば、左右計10個のヘッド全てを1種類の物品の計量に使用し、ヘッドを経た物品を第1集合排出シュート10で集合させる使い方も可能であるし、左右5個ずつのヘッドをそれぞれ別種の物品の計量に使用し、左の5個のヘッドを経た物品を第2集合排出シュート20で集合させ、右の5個のヘッドを経た物品を第1集合排出シュート10で集合させる使い方も可能である。
【0051】
以下では、左の5個のヘッドを用いて物品を計量し、計量後の物品を第2集合排出シュート20からトレーTへと排出する使い方について説明する。なお、計量対象となる物品としては、昆布や、ミートソースを含むスパゲティ、マヨネーズを含むサラダなどの粘着性の高い食品を想定している。
【0052】
〔物品の投入から組合せ計量までの動作について〕
まず、組合せ計量装置1の後方に立つ作業者が、テーブル2にストックされている物品を、テーブル102に設けられている投入口を介して目分量で供給フィーダ3に適量投入する。供給フィーダ3に投入された物品は、電磁振動装置による振動によって供給フィーダ3から対応するプールホッパ4に供給される。
【0053】
プールホッパ4の下方の計量ホッパ5内に物品が存在しない場合には、プールホッパ4のゲートが開き、プールホッパ4内の物品が計量ホッパ5内へと排出される。計量ホッパ5に供給された物品の重量値は、ロードセル5aによって検出され、制御部に送られる。
【0054】
計量ホッパ5の下方のブースタホッパ6内に物品が存在しない場合には、物品の重量値の検出後に計量ホッパ5のゲートが開き、計量ホッパ5内の物品がブースタホッパ6内へと排出される。空になった計量ホッパ5には、プールホッパ4から物品が補充される。そして、補充された物品の重量値もロードセル5aによって検出され、制御部に送られる。つまり、制御部には、現在の計量ホッパ5内の物品の重量値と、現在のブースタホッパ6内の物品の重量値とが、対応するホッパ5,6に関連付けられて記憶されている。
【0055】
このような動作は、ヘッドごとに行われる。そして、ホッパ5,6が物品を排出してその上流のホッパ4,5から新たな物品を受け取る度に、そのホッパ5,6に関連付けられて制御部に記憶されている重量値も更新されることになる。
【0056】
そして、制御部は、これらの重量値に基づいて組合せ演算を行う。すなわち、制御部は、10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6の中から最適な組合せとなる数個のホッパ5,6を選択する。ただし、計量ホッパ5を選択するためには、その計量ホッパ5の下方のブースタホッパ6も選択されている必要がある。
【0057】
ホッパ5,6の組合せが選定されると、制御部は、該当するホッパ5,6のゲートを開き、それらのホッパ5,6内の物品を水平コンベア7上に落下させる。物品を排出したことにより空になったホッパ5,6内には、順次その上流のホッパ4,5から物品が補充される。
【0058】
そして、組合せ計量装置1の動作中においては、上記動作が所定の間隔で繰り返される。これにより、ホッパ5,6からは、所定の間隔で所定の量の物品が水平コンベア7上に落下し、第2集合排出シュート20へと送り出されてゆくことになる。
【0059】
〔複数の計量ホッパおよびブースタホッパから排出された物品の集合動作について〕
ホッパ5,6から水平コンベア7上に排出された物品は、水平コンベア7によって第2集合排出シュート20へと移送される。この使い方では、物品は、正規に計量が完了した場合には第2集合排出シュート20に搬送され、エラーなどでホッパ5,6内の物品を廃棄する場合には第1集合排出シュート10に搬送される。すなわち、水平コンベア7の搬送方向は、制御部によって正逆自在に切り替え可能になっている。
【0060】
水平コンベア7のベルト7aに載せられて第2集合排出シュート20まで運ばれた物品は、図4の矢印Aで示すように、第1側壁21に向かって斜め下方に落ち、側壁21〜24により囲まれる空間へと入っていく。すなわち、水平コンベア7によって水平方向に搬送されてきた物品は、その慣性によって水平コンベア7の端部から水平方向に飛び出すとともに、重力を受けて下向きの速度を得る。これにより、第1側壁21のプレート21a〜21eは、物品に衝突されることになる。
【0061】
プレート21a〜21eに衝突した物品の大部分は、プレート21a〜21eから逆向きの力を受けて跳ね返りながら、あるいはプレート21a〜21eに沿うようにして下方のトレーT内へと落下してゆく。プレート21a〜21eとの衝突により跳ね返った物品は、第2側壁22、第3側壁23および第4側壁の存在により、第2集合排出シュート20から飛び出すことなく確実にトレーT内に収容されるようになっている。なお、第2集合排出シュート20の下方にトレーTをセットする別装置(図示されない)は、組合せ計量装置1と同期しており、ホッパ5,6から一度に排出された物品(プレート21a〜21eへの付着分を除く)がトレーT内に収容されるたびに、新しいトレーTをセットする。
【0062】
一方、プレート21a〜21eに衝突した物品のうちの残りの部分は、直ちに落下せずにプレート21a〜21eに付着する。組合せ計量装置1の動作中には、物品が次々と第2集合排出シュート20内に運ばれてくるため、プレート21a〜21eの表面上では、物品の塊が序々に成長してゆく。なお、5枚のプレート21a〜21eは、それぞれ水平方向にずれて配置されているため、各プレート21a〜21eの表面上の物品の塊は、一体となることなく別々に成長することになる。
【0063】
そして、各プレート21a〜21eの表面上で成長した物品の塊は、ある程度の大きさになるとその自重によって別々に当該プレート21a〜21eから剥がれ落ち、開口30bを介してトレーT内へと入ってゆく。
【0064】
<組合せ計量装置1の特徴>
上記実施形態では、水平コンベア7を飛び出した物品が向かってゆく第1側壁21が、5枚のプレート21a〜21eから構成されており、階段状になっている。したがって、第1側壁に該当するパーツが1枚のプレートから構成されている従来例と比較すると、第1側壁21に付着した物品は第1側壁21から少しずつ剥がれ落ちることになり、第1側壁21の表面上において物品の塊があまり大きく成長しないようになっている。これにより、組合せ計量を経て第2集合排出シュート20に所定量ずつ運ばれてくる物品の量が、第1側壁21からランダムに少しずつ剥がれ落ちる物品によって、第2集合排出シュート20の通過の前後で大きく変動することがないようになっている。このため、トレーTには、概ね組合せ計量における目標値とされていた量の物品が収容されることになる。
【0065】
このように、第2集合排出シュート20は、特許文献1のようにベルトコンベアなどの複雑な機構を備えていなくとも、昆布などの粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができるようになっている。
【0066】
また、第1側壁21は、物品の搬送されてゆく方向に沿って下り階段状になっている。すなわち、階段の段と段との間に物品が引っ掛かって貯まってしまうことがない。したがって、物品の塊が大きく成長しにくくなっている。
【0067】
また、鉛直方向に隣接するプレート21a〜21e間には隙間が広がっているが、第1側壁21は下り階段状となっているため、搬送される物品が当該隙間から第2集合排出シュート20外に飛び出すこともない。
【0068】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な改変が可能である。また、下記に示す各変形例の特徴は、任意に組合せ得る。
【0069】
(A)
第2集合排出シュート20の上流側に、組合せ計量装置1以外の計量装置が配置されていてもよい。すなわち、組合せ計量装置でなくてもよいし、ホッパが円形に配置されるタイプなど、別のタイプの組合せ計量装置が配置されていてもよい。あるいは、第2集合排出シュート20の上流側に、計量装置が配置されていなくてもよい。
【0070】
(B)
水平コンベア7が傾斜していてもよい。
【0071】
(C)
図7に示すように、第1側壁21だけでなく、他の側壁22も、階段状になっていてもよい。また、図8に示すように、第1側壁21が1枚のプレートから構成されており、第2側壁22が複数枚のプレートから構成されるようになっていてもよい。
【0072】
すなわち、第2集合排出シュート20のどの側壁21〜24を階段状としてもよいが、本発明の効果を考えると、物品に衝突し易い面を中心に階段状とすることが好ましい。
【0073】
(D)
図9および図10に示すように、第1側壁21が全体として傾斜していてもよい。図9の例では、第1側壁21は、上方のプレート21aが下方のプレート21eよりも水平方向に水平コンベア7の遠くに位置しており、図10の例では、上方のプレート21aが下方のプレート21eよりも水平方向に水平コンベア7の近くに位置している。また、図9および図10の例でも、上記実施形態と同様に、第1側壁21が物品の搬送されてゆく方向に沿って下り階段状になっているため、物品が第2集合排出シュート20外に飛び出すことがない。
【0074】
(E)
図11に示すように、第1側壁21の各プレート21a〜21eの上下方向の辺が互いに連続していてもよい。すなわち、プレート21a〜21e間に隙間がなく、隣接するプレート21a〜21eどうしが他のプレートで連結されていてもよい。
【0075】
(F)
図12に示すように、第1側壁21の各プレート21a〜21eの鉛直線への投影線分が互いに重なるようになっていてもよい。
【0076】
(G)
第1側壁21を構成するプレートの枚数は、上記実施形態のように5枚に限られず、第1側壁21の全長などを考慮して適当な枚数(複数枚)とすることができる。だたし、1枚のプレートのサイズは、その表面上で成長する物品の塊が許容範囲以上の大きさにまでならないようになっている必要がある。
【0077】
(H)
第2集合排出シュート20の水平方向の断面は、上記実施形態のように矩形形状となっている必要はなく、例えば、円形であってもよいし、楕円形であってもよいし、半円形であってもよい。この場合、第1側壁21の各プレート21a〜21eが、上記実施形態のように平面板ではなく、湾曲した板であってもよい。
【0078】
(I)
第1集合排出シュート10の側壁も、第2集合排出シュート20と同様に、階段状になっていてもよい。
【0079】
(J)
第2集合排出シュート20の内側表面への物品の付着を妨げるために、第2集合排出シュート20に、エンボス加工以外の表面処理、例えばシェーパ加工などが施されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができるという効果を有し、粘着性を有する物品に衝突されることにより物品を落下させる壁部材およびこれを備える計量装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の組合せ計量装置の斜視図。
【図2】本発明に係る組合せ計量装置の正面図。
【図3】本発明に係る組合せ計量装置の側面図。
【図4】第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図5】第2集合排出シュート周辺の平面図。
【図6】上部の開口から見た第2集合排出シュートの内側の図。
【図7】変形例(C)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図8】変形例(C)にかかる別の第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図9】変形例(D)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図10】変形例(D)にかかる別の第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図11】変形例(E)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図12】変形例(F)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【符号の説明】
【0082】
1 組合せ計量装置(計量装置)
4 プールホッパ(計量部)
5 計量ホッパ(計量部)
5a ロードセル(計量部)
6 ブースタホッパ(計量部)
7 水平コンベア(搬送装置、搬送部)
20 第2集合排出シュート(壁部材)
21 第1側壁
21a〜21e プレート(第1面、第2面、第3面)
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着性を有する物品に衝突されることにより物品を落下させる壁部材およびこれを備える計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、物品の計量を高速かつ高精度に行うには、組合せ計量を行うことが望ましいとされている。組合せ計量においては、複数のホッパに収容した物品の重量をホッパごとに計量し、これらの重量値に基づいて組合せ演算を行ってその合算値が所定範囲内に収まるような重量値の組合せを決定し、当該組合せに対応するホッパ内の物品を集合させる。これにより、所定重量または所定数量の物品の集合体を得ることができる。
【0003】
このような組合せ計量を行う装置としては、特許文献1に記載のものなどが存在するが、その一例を図1に示す。
【0004】
図1に示す組合せ計量装置101は、テーブル102、供給フィーダ103、プールホッパ104、計量ホッパ105、ブースタホッパ106、水平コンベア107などから構成されている。ここでは、作業者が、テーブル102にストックされている物品を、テーブル102に設けられている投入口を介して目分量で供給フィーダ103に適量投入する。供給フィーダ103に投入された物品は、プールホッパ104を経て計量ホッパ105に供給され、計量ホッパ105内においてその重量値が測定された後、ブースタホッパ106に供給される。制御部は、計量ホッパ105およびブースタホッパ106内に貯留されている物品の重量値に基づいて組合せ演算を行う。組合せ演算の結果、重量値の組合せが選定されると、対応するホッパ105,106のゲートが開かれ、当該ホッパ105,106内の物品が水平コンベア107上に排出される。水平コンベア107上に排出された物品は、集合排出シュート110,120のいずれかまで搬送され、集合排出シュート110,120を通過するときに集合させられる。
【0005】
集合排出シュート110,120は、垂直面または傾斜面を形成する金属製の側壁を有しており、その上部および下部には開口が形成されている。水平コンベア107から上部の開口に投入された物品は、側壁に導かれて下部の開口に集められて排出される。他の計量装置における集合排出シュートも、概ね同様の構造である。
【0006】
ところで、水平コンベアの搬送速度が速い場合など、物品が集合排出シュートの側壁に強く打ち付けられる場合には、たとえ側壁が垂直または垂直に近い傾斜を有している場合であっても、側壁に物品が付着してしまうことがある。特に、粘着性の高い物品の場合には、このような付着現象が生じ易い。漬物などの食品でもこの現象が見られるが、昆布や、ミートソースを含むスパゲティ、マヨネーズを含むサラダなどの極めて粘着性の高い食品の場合には、物品が壁面上で大きく成長することになる。そして、壁面上で大きな塊となった物品は、その後、壁面上から一気に剥がれ落ちることになる。このため、集合排出シュートにまとまって導入される物品の重量と、集合排出シュートからまとまって送り出される物品の重量とに差異が生じ、集合排出シュートを通過する物品の量をコントロールすることが困難になる。
【0007】
そこで、特許文献1では、集合排出シュートの側壁をベルトコンベアによって形成している。これにより、物品が壁面上で成長しにくくなり、集合排出シュートに導入された物品がスムーズに下流側へと排出されることになる。
【特許文献1】特開2002−173210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のようにベルトコンベアを設置する場合には、コスト高になることが懸念される。
【0009】
本発明の課題は、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することが可能な壁部材およびこれを備える計量装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明にかかる壁部材は、第1面と、第2面とを備え、搬送装置の下流側に配置され、搬送装置を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。搬送装置は、粘着性を有する物品を所定の搬送方向に搬送する。第1面は、物品に衝突され付着される。第2面は、物品に衝突され付着される。第1面と第2面とは、第1面に付着した物品と第2面に付着した物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている。
【0011】
この壁部材は、搬送装置によって搬送されてくる昆布などの粘着性を有する物品を、当該物品との衝突によって下方へと導く壁面を形成する。この壁部材は、少なくとも2段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積は、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対して小さく抑えられている。これにより、この壁部材に衝突し付着した物品は、大きな塊へと成長する前にこの壁部材から少しずつ剥がれ落ちることになる。これにより、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【0012】
第2発明にかかる壁部材は、第1発明にかかる壁部材であって、第1面に付着した物品と、第2面に付着した物品とは、別々に下方に剥がれ落ちる。
【0013】
階段状に形成されているこの壁部材からは、多量の物品が同じタイミングで剥がれ落ちることがないようになっている。
【0014】
第3発明にかかる壁部材は、第1発明または第2発明にかかる壁部材であって、第1面は、第2面より上方に位置する。第1面を含む面は、第2面を含む面より搬送方向に上流側に位置する。
【0015】
この壁部材は、物品の搬送経路に沿って下り階段状になっている。したがって、段と段との間の空間に物品が貯まりにくくなっている。これにより、物品の大きな塊が成長しにくくなっている。
【0016】
第4発明にかかる壁部材は、第3発明にかかる壁部材であって、第3面をさらに備える。第3面は、物品に衝突され付着される。第2面は、第3面よりも上方に位置する。第2面を含む面は、第3面を含む面よりも搬送方向に上流側に位置する。
【0017】
この壁部材は、少なくとも3段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積が、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対してより小さく抑えられている。
【0018】
第5発明にかかる壁部材は、第3発明または第4発明にかかる壁部材であって、第1面と第2面とは、不連続である。
【0019】
階段状に形成されているこの壁部材の各面は、互いに分断されている。これにより、段と段との間の空間に物品がより貯まりにくくなっている。また、この壁部材は、下り階段状となっているため、搬送される物品が段と段との隙間に対向することがなく、段と段との隙間から搬送経路外に飛び出すこともない。
【0020】
第6発明にかかる壁部材は、第1発明から第5発明のいずれかにかかる壁部材であって、搬送装置は、計量装置の下流側に配置されている。計量装置は、物品を計量し、物品を所定量ずつ送り出す装置である。
【0021】
この壁部材の上流側にある搬送装置のさらに上流側には、物品の計量装置が配置されている。したがって、この壁部材は、計量装置における計量を経て所定量ずつ送り出された物品を、誤差を殆ど生じさせないままに下流側に送り出すことができる。
【0022】
第7発明にかかる壁部材は、第1発明から第6発明のいずれかにかかる壁部材であって、搬送装置の搬送方向は、略水平方向である。
【0023】
この壁部材には、略水平方向に上流側から物品が衝突してくる。これにより、この壁部材は、略水平方向に進む物品を下方に導くことができる。
【0024】
第8発明にかかる計量装置は、計量部と、搬送部と、壁部材とを備え、粘着性を有する物品を計量する。計量部は、物品を計量し、物品を所定量ずつ送り出す。搬送部は、計量部から送り出された物品を所定量ずつ所定の搬送方向に搬送する。壁部材は、搬送部の下流側に配置され、搬送部を通過した物品に衝突されることにより物品を落下させる。壁部材は、第1面と、第2面とを有する。第1面は、物品に衝突され付着される。第2面は、物品に衝突され付着される。第1面と第2面とは、第1面に付着した物品と第2面に付着した物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている。
【0025】
この計量装置では、昆布などの粘着性を有する物品が計量部によって計量された後、所定量ずつ搬送部へと送り出される。そして、搬送部によって所定の方向に搬送される物品は、壁部材との衝突によって下方へと導かれることになる。この壁部材は、少なくとも2段の階段状になっている。したがって、各段の面の面積は、この壁部材により形成される壁面全体の面積に対して小さく抑えられている。これにより、この壁部材に衝突し付着した物品は、大きな塊へと成長する前にこの壁部材から少しずつ剥がれ落ちることになる。これにより、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる組合せ計量装置1について説明する。
【0028】
<組合せ計量装置1の構成>
図2および図3に示す組合せ計量装置1は、食品などの物品を10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6に振り分け、各ホッパ5,6内の物品の重量値に基づいてその合算値が所定範囲内に収まるような重量値の組合せを決定し、当該組合せに対応するホッパ5,6内の物品を集合させて所定重量または所定数量の物品の集合体を得る装置である。
【0029】
組合せ計量装置1は、テーブル2と、10個の供給フィーダ3と、10個のプールホッパ4と、10個の計量ホッパ5と、10個のブースタホッパ6と、2つの水平コンベア7と、駆動ボックス8と、制御パネル9と、第1集合排出シュート10と、第2集合排出シュート20とを備えている。
【0030】
テーブル2に供給された商品は、テーブル2から供給フィーダ3へ、供給フィーダ3からプールホッパ4へ、プールホッパ4から計量ホッパ5へ、計量ホッパ5からブースタホッパ6へ、ブースタホッパ6から水平コンベア7へ、水平コンベア7から第1集合排出シュート10または第2集合排出シュート20へと順に搬送される。それぞれ10個の供給フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6は、互いに1対1で対応している。すなわち、ある供給フィーダ3から排出された商品は、特定のプールホッパ4、特定の計量ホッパ5および特定のブースタホッパ6を経由して、水平コンベア7へと導かれるようになっている。
【0031】
〔テーブル〕
テーブル2は、物品をストックすることが可能な矩形のトレーである。テーブル2の底面の前部には、複数の投入口が等間隔で開口している。これらの投入口の下方には、これらの投入口に1対1で対応する複数の供給フィーダ3が横方向に直線状に並んで配置されている。テーブル2上の物品は、これらの投入口を通って各供給フィーダ3に投入されることになる。
【0032】
〔供給フィーダ〕
各供給フィーダ3は、電磁振動装置と、傾斜トラフとを有している。この電磁振動装置は、テーブル2から傾斜トラフの後部に投入された物品に振動を加えて、物品をプールホッパ4へと搬送する。
【0033】
〔プールホッパ、計量ホッパおよびブースタホッパ〕
プールホッパ4は、供給フィーダ3の前部の下方に配置されており、供給フィーダ3から供給される物品を受け取って一時的に貯える。
【0034】
計量ホッパ5は、プールホッパ4の真下に配置されており、プールホッパ4から排出される物品を受け取って一時的に貯える。そして、この間に、各計量ホッパ5内の物品は、駆動ボックス8内のロードセル5a(図3参照)によってその重量値が測定されることになる。測定された重量値は、制御部(図示されない)に送られて組合せ演算に用いられる。
【0035】
ブースタホッパ6は、計量ホッパ5の真下に配置されており、計量ホッパ5から排出される物品を受け取って一時的に貯える。ブースタホッパ6に貯えられた物品は、計量ホッパ5内の物品とともに、組合せ演算に参加することになる。
【0036】
プールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6の構造は、略同一である。各ホッパ4,5,6は、合成樹脂で成形された上下に連通する筒状の本体と、当該本体の下部の開口を開閉可能なゲートとを有している。各ホッパ4,5,6は、ゲートを閉じているときにはその内部に物品を貯留するこができ、ゲートを開いたときにはその内部の物品を下方に排出することができる。
【0037】
〔水平コンベア〕
図4および図5に示すように、2つの水平コンベア7は、それぞれベルト7aを有するベルトコンベアであり、計量ホッパ5およびブースタホッパ6から排出された物品を水平方向に搬送する。一方の水平コンベア7は、物品を第1集合排出シュート10まで移送し、他方の水平コンベア7は、物品を第2集合排出シュート20まで移送する。各ベルト7aの搬送面上の両側方には、搬送される物品が搬送面上から脱落することがないようにガイドするガイドプレート7bが設けられている。
【0038】
〔第1集合排出シュート〕
漏斗状の第1集合排出シュート10は、図2に示すように左右2つの水平コンベア7の間に設けられており、水平コンベア7の内側の端部から落下する物品を周囲に飛散させることなく下方へと導く。第1集合排出シュート10は、重力による物品の落下を利用し、下部の開口から物品を排出する。
【0039】
〔第2集合排出シュート〕
図4、図5および図6に示すように、第2集合排出シュート20は、第1側壁21、第2側壁22、第3側壁23、第4側壁24および屋根25を有しており、上下に開口30a,30bが形成されている。なお、図4においては、第1側壁21の構造を分かり易くするために、第3側壁23が省略されている。第2集合排出シュート20は、上部の開口30aを介して物品を受け取り、当該物品を四方を側壁21〜24および屋根25に囲まれる空間に通し、下部の開口30bを介して排出する。開口30bの下方には別装置によってトレーTがセットされ、開口30bから排出された物品はトレーT内に入る。また、第2集合排出シュート20は、金属製であり、図面には明瞭に示されていないが、エンボス加工が施されている。
【0040】
第1側壁21は、5枚の矩形形状のプレート21a〜21eにより構成されており、各プレート21a〜21eの幅は、水平コンベア7のベルト7aの幅と概ね等しくなっている。各プレート21a〜21eは、鉛直方向に伸びており、水平コンベア7によって上部の開口30aまで搬送されてくる物品に対向するような方向を向いており、その結果、当該物品に衝突されることになる。プレート21a〜21eは、この順に鉛直方向に並んでおり、プレート21aが最も上方に位置し、プレート21eが最も下方に位置している。各プレート21a〜21eの鉛直線への投影線分は連続し、互いに重ならないようになっている。
【0041】
また、プレート21a〜21eは、この順に水平方向に等間隔に並んでおり、プレート21aが最も水平コンベア7の近くに位置し、プレート21eが最も水平コンベア7の遠くに位置している。すなわち、プレート21a〜21eは、互いに水平方向にずれて配置されており、プレート21a〜21eをそれぞれ含む面Sa〜Se(図4中の二点鎖線を参照)は、この順に物品の搬送されてゆく方向についてより上流側に位置している。
【0042】
各プレート21a〜21eは、上下方向の辺が互いに不連続となっており、横方向の辺が第3側壁23および第4側壁24に連続している。すなわち、プレート21aの下辺とプレート21bの上辺との間には、隙間が広がっており、他の隣接するプレート間も同様である。
【0043】
第2側壁22は、1枚の矩形形状のプレートにより構成されており、第2側壁22の幅は、第1側壁21の幅と概ね等しくなっている。第2側壁22は、第1側壁21に対向しているが、第1側壁21よりも高さが低くなっている。このため、屋根25と第2側壁22との間に、開口70aが形成されるようになっている。
【0044】
第3側壁23および第4側壁24は、それぞれ1枚の台形形状のプレートにより構成されている。第3側壁23および第4側壁24は、互いに対向しており、それぞれ第1側壁21および第2側壁22の両方に直交するように配置されている。第3側壁および第4側壁24の下辺は、水平方向に伸びている。そして、第3側壁および第4側壁24それぞれの鉛直方向に伸びる2辺のうち、水平コンベア7に近い側の辺は、水平コンベア7に遠い側の辺よりも長くなっている。その結果、第3側壁および第4側壁24の上辺は、水平コンベア7に近い側から遠い側に向けて下方に傾斜している。
【0045】
屋根25は、1枚の矩形形状のプレートにより構成されており、第1側壁21のプレート31aの水平方向に伸びる上辺と、第3側壁23および第4側壁24の傾斜した上辺とに連続している。
【0046】
〔駆動ボックス、制御パネル〕
供給フィーダ3の電磁振動装置、各ホッパ4,5,6のゲートを開閉するための駆動モータ、水平コンベア7の駆動モータ、計量ホッパ5のロードセル5aなどは、駆動ボックス8内に配置されている。駆動ボックス8の側部には、制御パネル9を支持する支柱が固定されている(図2参照)。
【0047】
また、制御パネル9の裏側または駆動ボックス8内には、CPU、ROM、RAM、HDDなどから構成される図示しない制御部が配置されている。この制御部は、上述した電磁振動装置、駆動モータ、ロードセル5aなどに接続されており、組合せ計量装置1の動作を制御している。例えば、この制御部は、ロードセル5aから送られてくる測定データに基づいて組合せ演算を行う。組合せ演算の結果、10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6の中から数個のホッパ5,6が選択される。なお、組合せ演算とは、各ホッパ5,6内に貯留されている物品の重量値を様々に組合せて合算し、その合算値が所定範囲内に収まるような物品の組合せを求めることをいう。そして、この制御部は、組合せ演算によって求めた組合せに含まれる物品を貯留しているホッパ5,6に対応するゲートを開くように制御することにより、所定量の物品を水平コンベア7上に落下させる。
【0048】
制御パネル9は、オペレータからの入力を受け付ける入力部としての役割を果たすとともに、種々の表示を行う表示部としての役割も果たす。
【0049】
<組合せ計量装置の動作>
次に、組合せ計量装置1の動作を説明する。
【0050】
組合せ計量装置1では、鉛直方向に1つずつ一列に並ぶプールホッパ4、計量ホッパ5およびブースタホッパ6から構成されるヘッドが左右方向に5個ずつ配置されている(図2参照)。組合せ計量装置1には、種々の使い方が存在する。例えば、左右計10個のヘッド全てを1種類の物品の計量に使用し、ヘッドを経た物品を第1集合排出シュート10で集合させる使い方も可能であるし、左右5個ずつのヘッドをそれぞれ別種の物品の計量に使用し、左の5個のヘッドを経た物品を第2集合排出シュート20で集合させ、右の5個のヘッドを経た物品を第1集合排出シュート10で集合させる使い方も可能である。
【0051】
以下では、左の5個のヘッドを用いて物品を計量し、計量後の物品を第2集合排出シュート20からトレーTへと排出する使い方について説明する。なお、計量対象となる物品としては、昆布や、ミートソースを含むスパゲティ、マヨネーズを含むサラダなどの粘着性の高い食品を想定している。
【0052】
〔物品の投入から組合せ計量までの動作について〕
まず、組合せ計量装置1の後方に立つ作業者が、テーブル2にストックされている物品を、テーブル102に設けられている投入口を介して目分量で供給フィーダ3に適量投入する。供給フィーダ3に投入された物品は、電磁振動装置による振動によって供給フィーダ3から対応するプールホッパ4に供給される。
【0053】
プールホッパ4の下方の計量ホッパ5内に物品が存在しない場合には、プールホッパ4のゲートが開き、プールホッパ4内の物品が計量ホッパ5内へと排出される。計量ホッパ5に供給された物品の重量値は、ロードセル5aによって検出され、制御部に送られる。
【0054】
計量ホッパ5の下方のブースタホッパ6内に物品が存在しない場合には、物品の重量値の検出後に計量ホッパ5のゲートが開き、計量ホッパ5内の物品がブースタホッパ6内へと排出される。空になった計量ホッパ5には、プールホッパ4から物品が補充される。そして、補充された物品の重量値もロードセル5aによって検出され、制御部に送られる。つまり、制御部には、現在の計量ホッパ5内の物品の重量値と、現在のブースタホッパ6内の物品の重量値とが、対応するホッパ5,6に関連付けられて記憶されている。
【0055】
このような動作は、ヘッドごとに行われる。そして、ホッパ5,6が物品を排出してその上流のホッパ4,5から新たな物品を受け取る度に、そのホッパ5,6に関連付けられて制御部に記憶されている重量値も更新されることになる。
【0056】
そして、制御部は、これらの重量値に基づいて組合せ演算を行う。すなわち、制御部は、10個の計量ホッパ5および10個のブースタホッパ6の中から最適な組合せとなる数個のホッパ5,6を選択する。ただし、計量ホッパ5を選択するためには、その計量ホッパ5の下方のブースタホッパ6も選択されている必要がある。
【0057】
ホッパ5,6の組合せが選定されると、制御部は、該当するホッパ5,6のゲートを開き、それらのホッパ5,6内の物品を水平コンベア7上に落下させる。物品を排出したことにより空になったホッパ5,6内には、順次その上流のホッパ4,5から物品が補充される。
【0058】
そして、組合せ計量装置1の動作中においては、上記動作が所定の間隔で繰り返される。これにより、ホッパ5,6からは、所定の間隔で所定の量の物品が水平コンベア7上に落下し、第2集合排出シュート20へと送り出されてゆくことになる。
【0059】
〔複数の計量ホッパおよびブースタホッパから排出された物品の集合動作について〕
ホッパ5,6から水平コンベア7上に排出された物品は、水平コンベア7によって第2集合排出シュート20へと移送される。この使い方では、物品は、正規に計量が完了した場合には第2集合排出シュート20に搬送され、エラーなどでホッパ5,6内の物品を廃棄する場合には第1集合排出シュート10に搬送される。すなわち、水平コンベア7の搬送方向は、制御部によって正逆自在に切り替え可能になっている。
【0060】
水平コンベア7のベルト7aに載せられて第2集合排出シュート20まで運ばれた物品は、図4の矢印Aで示すように、第1側壁21に向かって斜め下方に落ち、側壁21〜24により囲まれる空間へと入っていく。すなわち、水平コンベア7によって水平方向に搬送されてきた物品は、その慣性によって水平コンベア7の端部から水平方向に飛び出すとともに、重力を受けて下向きの速度を得る。これにより、第1側壁21のプレート21a〜21eは、物品に衝突されることになる。
【0061】
プレート21a〜21eに衝突した物品の大部分は、プレート21a〜21eから逆向きの力を受けて跳ね返りながら、あるいはプレート21a〜21eに沿うようにして下方のトレーT内へと落下してゆく。プレート21a〜21eとの衝突により跳ね返った物品は、第2側壁22、第3側壁23および第4側壁の存在により、第2集合排出シュート20から飛び出すことなく確実にトレーT内に収容されるようになっている。なお、第2集合排出シュート20の下方にトレーTをセットする別装置(図示されない)は、組合せ計量装置1と同期しており、ホッパ5,6から一度に排出された物品(プレート21a〜21eへの付着分を除く)がトレーT内に収容されるたびに、新しいトレーTをセットする。
【0062】
一方、プレート21a〜21eに衝突した物品のうちの残りの部分は、直ちに落下せずにプレート21a〜21eに付着する。組合せ計量装置1の動作中には、物品が次々と第2集合排出シュート20内に運ばれてくるため、プレート21a〜21eの表面上では、物品の塊が序々に成長してゆく。なお、5枚のプレート21a〜21eは、それぞれ水平方向にずれて配置されているため、各プレート21a〜21eの表面上の物品の塊は、一体となることなく別々に成長することになる。
【0063】
そして、各プレート21a〜21eの表面上で成長した物品の塊は、ある程度の大きさになるとその自重によって別々に当該プレート21a〜21eから剥がれ落ち、開口30bを介してトレーT内へと入ってゆく。
【0064】
<組合せ計量装置1の特徴>
上記実施形態では、水平コンベア7を飛び出した物品が向かってゆく第1側壁21が、5枚のプレート21a〜21eから構成されており、階段状になっている。したがって、第1側壁に該当するパーツが1枚のプレートから構成されている従来例と比較すると、第1側壁21に付着した物品は第1側壁21から少しずつ剥がれ落ちることになり、第1側壁21の表面上において物品の塊があまり大きく成長しないようになっている。これにより、組合せ計量を経て第2集合排出シュート20に所定量ずつ運ばれてくる物品の量が、第1側壁21からランダムに少しずつ剥がれ落ちる物品によって、第2集合排出シュート20の通過の前後で大きく変動することがないようになっている。このため、トレーTには、概ね組合せ計量における目標値とされていた量の物品が収容されることになる。
【0065】
このように、第2集合排出シュート20は、特許文献1のようにベルトコンベアなどの複雑な機構を備えていなくとも、昆布などの粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができるようになっている。
【0066】
また、第1側壁21は、物品の搬送されてゆく方向に沿って下り階段状になっている。すなわち、階段の段と段との間に物品が引っ掛かって貯まってしまうことがない。したがって、物品の塊が大きく成長しにくくなっている。
【0067】
また、鉛直方向に隣接するプレート21a〜21e間には隙間が広がっているが、第1側壁21は下り階段状となっているため、搬送される物品が当該隙間から第2集合排出シュート20外に飛び出すこともない。
【0068】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な改変が可能である。また、下記に示す各変形例の特徴は、任意に組合せ得る。
【0069】
(A)
第2集合排出シュート20の上流側に、組合せ計量装置1以外の計量装置が配置されていてもよい。すなわち、組合せ計量装置でなくてもよいし、ホッパが円形に配置されるタイプなど、別のタイプの組合せ計量装置が配置されていてもよい。あるいは、第2集合排出シュート20の上流側に、計量装置が配置されていなくてもよい。
【0070】
(B)
水平コンベア7が傾斜していてもよい。
【0071】
(C)
図7に示すように、第1側壁21だけでなく、他の側壁22も、階段状になっていてもよい。また、図8に示すように、第1側壁21が1枚のプレートから構成されており、第2側壁22が複数枚のプレートから構成されるようになっていてもよい。
【0072】
すなわち、第2集合排出シュート20のどの側壁21〜24を階段状としてもよいが、本発明の効果を考えると、物品に衝突し易い面を中心に階段状とすることが好ましい。
【0073】
(D)
図9および図10に示すように、第1側壁21が全体として傾斜していてもよい。図9の例では、第1側壁21は、上方のプレート21aが下方のプレート21eよりも水平方向に水平コンベア7の遠くに位置しており、図10の例では、上方のプレート21aが下方のプレート21eよりも水平方向に水平コンベア7の近くに位置している。また、図9および図10の例でも、上記実施形態と同様に、第1側壁21が物品の搬送されてゆく方向に沿って下り階段状になっているため、物品が第2集合排出シュート20外に飛び出すことがない。
【0074】
(E)
図11に示すように、第1側壁21の各プレート21a〜21eの上下方向の辺が互いに連続していてもよい。すなわち、プレート21a〜21e間に隙間がなく、隣接するプレート21a〜21eどうしが他のプレートで連結されていてもよい。
【0075】
(F)
図12に示すように、第1側壁21の各プレート21a〜21eの鉛直線への投影線分が互いに重なるようになっていてもよい。
【0076】
(G)
第1側壁21を構成するプレートの枚数は、上記実施形態のように5枚に限られず、第1側壁21の全長などを考慮して適当な枚数(複数枚)とすることができる。だたし、1枚のプレートのサイズは、その表面上で成長する物品の塊が許容範囲以上の大きさにまでならないようになっている必要がある。
【0077】
(H)
第2集合排出シュート20の水平方向の断面は、上記実施形態のように矩形形状となっている必要はなく、例えば、円形であってもよいし、楕円形であってもよいし、半円形であってもよい。この場合、第1側壁21の各プレート21a〜21eが、上記実施形態のように平面板ではなく、湾曲した板であってもよい。
【0078】
(I)
第1集合排出シュート10の側壁も、第2集合排出シュート20と同様に、階段状になっていてもよい。
【0079】
(J)
第2集合排出シュート20の内側表面への物品の付着を妨げるために、第2集合排出シュート20に、エンボス加工以外の表面処理、例えばシェーパ加工などが施されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、ベルトコンベアなどの複雑な機構を用意することなく、粘着性を有する物品を所定量ずつ搬送することができるという効果を有し、粘着性を有する物品に衝突されることにより物品を落下させる壁部材およびこれを備える計量装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の組合せ計量装置の斜視図。
【図2】本発明に係る組合せ計量装置の正面図。
【図3】本発明に係る組合せ計量装置の側面図。
【図4】第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図5】第2集合排出シュート周辺の平面図。
【図6】上部の開口から見た第2集合排出シュートの内側の図。
【図7】変形例(C)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図8】変形例(C)にかかる別の第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図9】変形例(D)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図10】変形例(D)にかかる別の第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図11】変形例(E)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【図12】変形例(F)にかかる第2集合排出シュート周辺の正面図。
【符号の説明】
【0082】
1 組合せ計量装置(計量装置)
4 プールホッパ(計量部)
5 計量ホッパ(計量部)
5a ロードセル(計量部)
6 ブースタホッパ(計量部)
7 水平コンベア(搬送装置、搬送部)
20 第2集合排出シュート(壁部材)
21 第1側壁
21a〜21e プレート(第1面、第2面、第3面)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着性を有する物品を所定の搬送方向に搬送する搬送装置の下流側に配置され、前記搬送装置を通過した前記物品に衝突されることにより前記物品を落下させる壁部材であって、
前記物品に衝突され付着される第1面と、
前記物品に衝突され付着される第2面と、
を備え、
前記第1面と前記第2面とは、前記第1面に付着した前記物品と前記第2面に付着した前記物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている、
壁部材。
【請求項2】
前記第1面に付着した前記物品と、前記第2面に付着した前記物品とは、別々に下方に剥がれ落ちる、
請求項1に記載の壁部材。
【請求項3】
前記第1面は、前記第2面より上方に位置し、
前記第1面を含む面は、前記第2面を含む面より前記搬送方向に上流側に位置する、
請求項1または2に記載の壁部材。
【請求項4】
前記物品に衝突され付着される第3面、
をさらに備え、
前記第2面は、前記第3面よりも上方に位置し、
前記第2面を含む面は、前記第3面を含む面よりも前記搬送方向に上流側に位置する、
請求項3に記載の壁部材。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面とは、不連続である、
請求項3または4に記載の壁部材。
【請求項6】
前記搬送装置は、前記物品を計量し、前記物品を所定量ずつ送り出す計量装置の下流側に配置されている、
請求項1から5のいずれかに記載の壁部材。
【請求項7】
前記搬送方向は、略水平方向である、
請求項1から6のいずれかに記載の壁部材。
【請求項8】
粘着性を有する物品を計量する計量装置であって、
前記物品を計量し、前記物品を所定量ずつ送り出す計量部と、
前記計量部から送り出された前記物品を前記所定量ずつ所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部の下流側に配置され、前記搬送部を通過した前記物品に衝突されることにより前記物品を落下させる壁部材と、
を備え、
前記壁部材は、
前記物品に衝突され付着される第1面と、
前記物品に衝突され付着される第2面と、
を有し、
前記第1面と前記第2面とは、前記第1面に付着した前記物品と前記第2面に付着した前記物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている、
計量装置。
【請求項1】
粘着性を有する物品を所定の搬送方向に搬送する搬送装置の下流側に配置され、前記搬送装置を通過した前記物品に衝突されることにより前記物品を落下させる壁部材であって、
前記物品に衝突され付着される第1面と、
前記物品に衝突され付着される第2面と、
を備え、
前記第1面と前記第2面とは、前記第1面に付着した前記物品と前記第2面に付着した前記物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている、
壁部材。
【請求項2】
前記第1面に付着した前記物品と、前記第2面に付着した前記物品とは、別々に下方に剥がれ落ちる、
請求項1に記載の壁部材。
【請求項3】
前記第1面は、前記第2面より上方に位置し、
前記第1面を含む面は、前記第2面を含む面より前記搬送方向に上流側に位置する、
請求項1または2に記載の壁部材。
【請求項4】
前記物品に衝突され付着される第3面、
をさらに備え、
前記第2面は、前記第3面よりも上方に位置し、
前記第2面を含む面は、前記第3面を含む面よりも前記搬送方向に上流側に位置する、
請求項3に記載の壁部材。
【請求項5】
前記第1面と前記第2面とは、不連続である、
請求項3または4に記載の壁部材。
【請求項6】
前記搬送装置は、前記物品を計量し、前記物品を所定量ずつ送り出す計量装置の下流側に配置されている、
請求項1から5のいずれかに記載の壁部材。
【請求項7】
前記搬送方向は、略水平方向である、
請求項1から6のいずれかに記載の壁部材。
【請求項8】
粘着性を有する物品を計量する計量装置であって、
前記物品を計量し、前記物品を所定量ずつ送り出す計量部と、
前記計量部から送り出された前記物品を前記所定量ずつ所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部の下流側に配置され、前記搬送部を通過した前記物品に衝突されることにより前記物品を落下させる壁部材と、
を備え、
前記壁部材は、
前記物品に衝突され付着される第1面と、
前記物品に衝突され付着される第2面と、
を有し、
前記第1面と前記第2面とは、前記第1面に付着した前記物品と前記第2面に付着した前記物品とが一体とならないように水平方向にずれて配置されている、
計量装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−80027(P2009−80027A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−249900(P2007−249900)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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