説明

売上データ処理装置、ドロア装置及びプログラム

【課題】有線接続による制限なく売上データ処理装置とドロア装置とを配置することである。
【解決手段】売上データ処理装置10は、ドロア装置20に無線で電力を送信する。ドロア装置20は、売上データ処理装置10から無線で電力を受信し、当該受信した電力により、金銭を収納するドロアをオープンする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置、ドロア装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を販売する店舗に設置され、顧客が購入した商品の金額等の売上データを登録する売上データ処理装置として、ECR(Electronic Cash Resister)やPOS(Point Of Sales)端末が知られている。
【0003】
一般的な売上データ処理装置は、金銭を収納するためのドロアを備える。また、レジスタの登録を行うための本体部と、ドロアと、が別体である売上データ処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この売上データ処理装置では、本体部とドロアとが信号線で接続されている。この信号線を介して、本体部からドロアに電力供給を行うとともに、本体部からドロアへ送信されるドロアオープン制御信号等の通信がなされていた。
【0004】
また、無線で電力を供給する技術が知られている。例えば、共鳴形ワイヤレス電力伝送において、60ワットの電球を輝かせることに成功したことが開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−150148号公報
【非特許文献1】Franklin Hadley,”Goobye wires…”,[online],June 7 2007, [2008年8月19日検索],インターネット,<URL:http://web.mit.edu/newsoffice/2007/wireless-0607.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の本体部とドロアとが別体の売上データ処理装置は、本体部及びドロアを比較的自由に配置できるが、信号線があるため、本体部及びドロアの配置に制限があった。さらに、信号線の配線作業が必要であり、売上データ処理装置の設置における作業者の作業負担も大きかった。
【0006】
また、非特許文献1に記載のような無線電力伝送が考えられているが、売上データ処理装置への応用がなされていなかった。
【0007】
本発明の課題は、有線接続による制限なく売上データ処理装置とドロア装置とを配置することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明の売上データ処理装置は、無線で受信された電力により、金銭を収納するドロアをオープンするドロア装置に無線で電力を送信する電力送信手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の売上データ処理装置において、ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を当該ドロア装置に無線送信する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の売上データ処理装置において、ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアに収納される金銭の金額情報を当該ドロア装置に無線送信する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明のドロア装置は、金銭を収納するドロアと、無線で電力を送信する売上データ処理装置から無線で電力を受信する電力受信手段と、この電力受信手段により受信された電力により、前記ドロアをオープンさせるドロアオープン手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のドロア装置において、売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、この情報通信手段を介して前記ドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を前記売上データ装置から無線受信する制御手段と、を備え、前記ドロアオープン手段は、前記無線受信されたドロアオープン制御信号に基づき前記ドロアをオープンさせることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のドロア装置において、売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、この情報通信手段を介して前記ドロアに収納される金銭の金額情報を前記売上データ処理装置から無線受信する制御手段と、前記制御手段により無線受信された金銭の金額情報を記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明のプログラムは、売上データ処理装置のコンピュータを、無線で受信された電力により、金銭を収納するドロアをオープンするドロア装置に無線で電力を送信する電力送信手段、ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段、この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を当該ドロア装置に無線送信する制御手段、として機能させる。
【0015】
請求項8に記載の発明のプログラムは、ドロア装置のコンピュータを、無線で電力を送信する売上データ処理装置から無線で送信される電力を受信する電力受信手段、売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段、この情報通信手段を介して、金銭を収納するドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を前記売上データ装置から無線受信する制御手段、前記無線受信されたドロアオープン制御信号に基づき前記ドロアをオープンさせるドロアオープン手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、売上データ処理装置とドロア装置とが無線接続され、有線接続による制限なく売上データ処理装置とドロア装置とを配置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0018】
先ず、図1〜図3を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態のレジスタシステム1の構成を示す。
【0019】
本実施の形態のレジスタシステム1は、商品を販売する店舗内に設置され、顧客が購入した商品の金額、個数等の売上データの登録を行うとともに、顧客に受け渡す現金(金銭)を収納するシステムである。図1に示すように、レジスタシステム1は、売上データ処理装置10と、ドロア装置20と、を備える。売上データ処理装置10と、ドロア装置20とは、有線接続されておらず、物理的に分離されている。また、レジスタシステム1は、現金のみを扱うシステムとして説明するが、現金に加え、クレジットカード、電子マネー、各種ポイント、商品券等も扱う構成としてもよい。
【0020】
売上データ処理装置10は、店員等のオペレータの操作入力に応じて、商品の金額等の売上データの登録を行うとともに、ドロア装置20に無線で電力Wを供給し、無線電波Nを介してドロア装置20と無線通信を行う。
【0021】
ドロア装置20は、現金を収納するドロア(引き出し)を有し、売上データ処理装置10から無線で供給された電力Wにより駆動するとともに、無線電波Nを介して売上データ処理装置10と無線通信を行う。ドロア装置20は、売上データ処理装置10からの無線データ受信に応じて、ドロアをオープンしたり、ドロアに収納される現金の金額データ(在高)を記憶したり、その記憶された現金の金額データ(在高)を売上データ処理装置10に無線送信する。
【0022】
図2を参照して、売上データ処理装置10の内部構成を説明する。図2に、売上データ処理装置10の内部構成を示す。
【0023】
図2に示すように、売上データ処理装置10は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)11と、操作部12と、RAM(Random Access Memory)13と、表示部14と、記憶手段としての記憶部15と、印刷部16と、電力送信手段としての電力送信部17と、情報通信手段としての情報通信部18と、を備え、各部がバス19を介して接続されている。
【0024】
CPU11は、売上データ処理装置10の各部を中央制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0025】
CPU11は、記憶部15に記憶されたレジスタプログラムに従い、商品の金額等の売上データの登録処理を行い、登録処理後、電力送信部17によりドロア装置20に電力供給し、ドロアオープン制御信号をドロア装置20に送信する。また、CPU11は、登録処理後、ドロア装置20の在高を算出して、電力送信部17によりドロア装置20に電力供給し、情報通信部18を介して、前記算出した在高をドロア装置20に送信する。
【0026】
また、CPU11は、顧客の最初の商品の金額の登録時に、電力送信部17によりドロア装置20に電力供給し、情報通信部18を介してドロア装置20が無線通信可能か否かを確認するドロア確認信号をドロア装置20に送信し、そのレスポンスをドロア装置20から受信すると、登録処理を続行し、そのレスポンスを受信しないと、表示部に警告表示を行う。また、CPU11は、ドロア装置20を入れ替えた場合に、電力送信部17によりドロア装置20に電力供給し、情報通信部18を介して、在高とドロア装置IDを要求する在高及びID要求(信号)をドロア装置20に送信する。
【0027】
操作部12は、文字、数字入力キー、各種機能キー及び電源キー等を備えたレジ用のキー入力部を含む構成とし、店員等のオペレータによる各キーの操作入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。操作部12のキー入力部は、金額キー121、部門キー122、現金預キー123、ドロア入替キー124等を含む。
【0028】
金額キー121は、金額を入力するトリガを入力するためのキーである。つまり、金額キー121の押下に続けて商品、預かり金の金額が入力される。部門キー122は、商品の部門を入力するキーである。部門とは、商品を分類するための情報であり、例えば、生もの、飲料等の商品分類とする。これらの部門がオーナー、店長等により予め設定されているものとする。部門キー122は、部門に対応付けて設定された少なくとも一つの部門キーからなり、入力する各部門に対応する部門キーの押下により、各部門が入力される。商品の金額の入力に続けて、その商品に対応する部門キー122が押下入力される。
【0029】
現金預キー123は、顧客から現金を預かった場合に商品の登録の完了を入力するためのキーである。現金預キー123の押下に応じて、商品の登録が完了するとともに、ドロア装置20のドロア24がオープンされる。
【0030】
ドロア入替キー124は、現金回収/補充のため、既に使用されているドロア装置20を、予め用意したドロア装置20に入れ替える際のトリガを入力するためのキーである。なお、操作部12は、商品に付されたバーコードを読み取るバーコードスキャナ等を備えることとしてもよい。
【0031】
RAM13は、揮発性のメモリである。また、RAM13は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0032】
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、CPU11から入力される表示信号に従って画面表示を行う。また、操作部12は、表示部14と一体的にタッチパネルを構成する構成としてもよい。
【0033】
記憶部15は、フラッシュメモリ等の情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部で構成される。記憶部15には、接続先管理テーブル150と、部門別合計器31と、現金取引合計器32と、取引額33と、在高34と、が記憶されている。
【0034】
接続先管理テーブル150は、無線接続されるドロア装置20を管理するためのテーブルである。接続先管理テーブル150は、詳細に後述される。部門別合計器31は、売上データ処理装置10における部門別の全売上商品の合計金額のデータである。現金取引合計器32は、現金による全売上商品の合計金額のデータである。本実施の形態では、売上データ処理装置10が現金のみを扱う装置とし、現金取引合計器32が、売上データ処理装置10の全売上商品の現金の合計金額のデータとなる。
【0035】
取引額33は、商品の取引単位(顧客単位)の全売上商品の合計金額のデータである。在高34は、ドロア装置20のドロア24に収納されている現金の合計金額のデータである。
【0036】
部門別合計器31、現金取引合計器32は、売上データ処理装置10に通信接続されたサーバ装置(図示略)に、定期的(例えば、毎日店舗の営業時間終了後)に送信され、そのサーバ装置で管理される。また、記憶部15には、レジスタプログラムが記憶されている。
【0037】
印刷部16は、サーマルプリンタ等のプリンタであり、レシート用、ジャーナル用のロール紙を有し、CPU11から入力される制御信号に従って、各ロール紙に対して金額等のデータを印刷して、レシート、ジャーナルとして出力する。
【0038】
電力送信部17は、コイル17aを有し、CPU11から入力される制御信号に従って、電磁誘導方式でドロア装置20に電力を送信して供給する回路部である。電力送信部17は、コイル17aから磁束を出力し、その磁束をドロア装置20の電力受信部26のコイル26aに伝達することにより、ドロア装置20に無線で電力供給を行う。
【0039】
情報通信部18は、アンテナ18aを有し、CPU11から入力される制御信号に従って、アンテナ18aを介した無線電波の送受信により、ドロア装置20と無線で情報の通信を行う回路部である。情報通信部18は、入力される送信対象のデータ信号を変調してアンテナ18aによりドロア装置20の情報通信部27のアンテナ27aに無線電波として送信し、またアンテナ18aによりドロア装置20の情報通信部27のアンテナ27aから送信された無線電波を受信し、その受信信号を復調してデータ信号を取得する。
【0040】
次いで、図3を参照して、ドロア装置20の内部構成を説明する。図3に、ドロア装置20の内部構成を示す。
【0041】
図3に示すように、ドロア装置20は、制御手段としてのCPU21と、ドロアオープン手段としてのドロアオープン回路22と、RAM23と、ドロアとしてのドロア24と、記憶手段としての記憶部25と、電力受信手段としての電力受信部26と、情報通信手段としての情報通信部27と、を備える。CPU21、ドロアオープン回路22、RAM23、記憶部25、電力受信部26及び情報通信部27は、バス28に接続されている。
【0042】
CPU21は、ドロア装置20の各部を中央制御する。CPU21は、記憶部25に記憶されているプログラムの中から指定されたプログラムをRAM23に展開し、RAM23に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0043】
CPU21は、記憶部25に記憶されたドロアプログラムに従い、電力受信部26により売上データ処理装置10から電力を受信し、情報通信部27を介して売上データ処理装置10からドロアオープン制御信号を受信すると、ドロア24をオープンする。また、CPU21は、電力受信部26によりドロア装置20から電力を受信し、情報通信部27を介して売上データ処理装置10から在高を受信すると、その在高を記憶部25に記憶する。
【0044】
また、CPU21は、電力受信部26によりドロア装置20から電力を受信し、情報通信部27を介して売上データ処理装置10からドロア確認信号を受信すると、そのレスポンスを売上データ処理装置10に送信する。また、CPU21は、電力受信部26によりドロア装置20から電力を受信し、情報通信部27を介して売上データ処理装置10から在高及びID要求を受信すると、在高及びドロア装置IDを記憶部25から読み出して売上データ処理装置10に送信する。
【0045】
ドロアオープン回路22は、CPU21から入力される制御信号に応じて、ドロア24をオープンする回路部である。ドロアオープン回路22は、例えば、ソレノイドコイル及びプランジャを備え、ソレノイドコイルに通電することにより、閉まっている状態のドロア24のバネをロックしているプランジャを引いてドロア24をオープンする。
【0046】
RAM23は、揮発性のメモリである。また、RAM23は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0047】
ドロア24は、現金を収納する引き出しであり、ドロアオープン回路22によりオープンされ、オペレータにより手動で閉められる。ドロア24は、バネを有し、ドロア24がオープンされる方向に、バネが引っ張られるように構成されている。ドロア24が閉められた状態では、ドロアオープン回路22のプランジャにバネが引っ掛けられてロックされている。
【0048】
記憶部25は、フラッシュメモリ等の情報の読み出し及び書き込みが可能な記憶部で構成される。記憶部25には、ドロア装置ID41と、在高42と、が記憶されている。
【0049】
ドロア装置ID41は、自己のドロア装置20を識別する識別情報である。在高42は、ドロア24に収納されている現金の合計金額のデータである。また、記憶部25には、ドロアプログラムが記憶されている。
【0050】
電力受信部26は、コイル26aを有し、電磁誘導方式で売上データ処理装置10から無線で電力を受信し、その電力をドロア装置20の各部に供給する回路部である。電力受信部26は、売上データ処理装置10のコイル17aから出力された磁束がコイル26aに入力され、コイル26aに流れる電流を電力として得る。ドロア装置20は、電力受信部26のみを電源とし、売上データ処理装置10から電力受信部26に電力供給された場合にのみ、動作が可能である。
【0051】
情報通信部27は、アンテナ27aを有し、CPU21から入力される制御信号に従って、アンテナ27aを介した無線電波の送受信により、売上データ処理装置10と無線で情報の通信を行う回路部である。情報通信部27は、送信対象のデータ信号を変調してアンテナ27aにより売上データ処理装置10の情報通信部18のアンテナ18aに無線電波として送信し、またアンテナ27aにより売上データ処理装置10の情報通信部18のアンテナ18aから無線電波を受信し、その受信信号を復調してデータ信号を取得する。
【0052】
次に、図4を参照して、売上データ処理装置10の記憶部15に記憶された接続先管理テーブル150を説明する。図4に、接続先管理テーブル150の構成を示す。
【0053】
図4に示すように、接続先管理テーブル150は、売上データ処理装置ID151と、ドロア装置ID152と、を有する。売上データ処理装置ID151は、自己の売上データ処理装置10を識別する識別情報である。ドロア装置ID152は、売上データ処理装置10に無線接続が許可されたドロア装置20を識別する識別情報である。
【0054】
次に、図5〜図10を参照して、レジスタシステム1の動作を説明する。レジスタシステム1では、通常の商品の登録処理が行われるとともに、ドロア装置20の入れ替えにも対応している。ここで、図5を参照して、ドロア装置20の入れ替えについて説明する。図5に、ドロア装置20の入れ替えの様子を示す。
【0055】
店舗業務において、売上データ処理装置のドロア内の現金を適切な量の現金(釣銭準備金)にするために、その現金の回収/補充がなされている。従来、ドロア内の現金の回収/補充は、店舗営業時間中や営業時間終了後に、店舗の現金管理者が、売上データ処理装置の設置場所(レジカウンタ)を周り、売上データ処理装置のドロアをオープンして現金を回収/補充し、回収後の在高を売上データ処理装置に登録することにより行っていた。店舗営業時間中にドロアをオープンしている間は、売上データ処理装置の登録作業ができないため、商品の登録処理に遅れが出て、顧客に迷惑をかけるおそれがあった。また、レジカウンタで現金を回収/補充する場合に、現金管理者が現金を手に持つため、その現金を悪意の人物に狙われるおそれもあった。
【0056】
これに対し、本実施の形態では、図5に示すように、レジスタシステム1が店舗のレジカウンタに設置されているとともに、別の売上データ処理装置10が店舗の事務室等のバックヤードにも設置されている。ドロア装置20内の現金の回収/補充を行う場合に、先ず、現金管理者が、バックヤードで売上データ処理装置10に入れ替え用のドロア装置20をセットし、そのドロア24をオープンしてお釣用等の適量の現金を収納する。そして、その在高を売上データ処理装置10に登録することで、その在高がドロア装置20の在高42に記憶される。
【0057】
売上データ処理装置10をドロア装置20にセットするとは、売上データ処理装置10からドロア装置20に電力供給及び無線通信が可能な位置に配置することとする。
【0058】
そして、店舗営業時間中や営業時間終了後に、店舗の現金管理者が、入れ替え用のドロア装置20をレジカウンタに運び、レジカウンタで使用しているドロア装置20を入れ替え用のドロア装置20に入れ替え、使用していたドロア装置20をバックヤードに運ぶ。売上データ処理装置10とドロア装置20とが無線接続であるため、接続線の差し替え作業も不要で、容易に入れ替えがなされる。
【0059】
レジカウンタでは、入れ替え後のドロア装置20がそのまま使用される。バックヤードでは、使用していたドロア装置20が売上データ処理装置10にセットされ、売上データ処理装置10により、ドロア装置20に電力供給及び無線通信が行われ、ドロア装置20で在高42が記憶部25から読み出されて売上データ処理装置10に送信され、売上データ処理装置10で受信された在高が表示部14に表示され、例えば現金預キー123の押下に応じて、ドロア24がオープンされる。そして、現金管理者により、ドロア24に収納されている現金がカウントされ、カウントされた在高と、表示された在高とが比較され、現金の過不足を容易に確認できる。
【0060】
次いで、図6〜図9を参照して、売上データ処理装置10の動作を説明する。図6に、売上データ処理装置10で実行されるレジスタ処理の流れを示す。図7に、レジスタ処理中の金額キー押下処理の流れを示す。図8に、レジスタ処理中の部門キー押下処理の流れを示す。図9に、レジスタ処理中の現金預キー押下処理の流れを示す。
【0061】
売上データ処理装置10で実行されるレジスタ処理は、通常の商品の登録処理とともに、ドロア装置20に電力供給及び無線通信を行う処理であり、上記ドロア装置20の入れ替えにも対応している。
【0062】
売上データ処理装置10において、例えば、オペレータから操作部12を介してレジスタ処理の実行指示が入力されたことをトリガとして、記憶部15から読み出されて適宜RAM13に展開されたレジスタプログラムと、CPU11との協働で、レジスタ処理が実行される。
【0063】
図6に示すように、先ず、オペレータから操作部12のドロア入替キー124が押下されたか否かが判別される(ステップS1)。ドロア入替キー124が押下された場合(ステップS1;YES)、電力送信部17を介してドロア装置20に電力が供給開始される(ステップS2)。そして、情報通信部18を介してドロア装置20に在高及びドロア装置IDを要求するための在高及びID送信要求が送信される(ステップS3)。
【0064】
そして、情報通信部18を介してドロア装置20から送信された在高及びドロア装置IDを受信したか否かが判別される(ステップS4)。在高及びドロア装置IDを受信していない場合(ステップS4;NO)、ステップS4に移行される。在高及びドロア装置IDを受信した場合(ステップS4;YES)、記憶部15に記憶された接続先管理テーブル150が参照され、受信したドロア装置IDがドロア装置ID152にあるか否かが判別される(ステップS4a)。
【0065】
受信したドロア装置IDがドロア装置ID152にない場合(ステップS4a;NO)、無線接続中のドロア装置20が許可されたものでなく、無線接続中のドロア装置20が許可されたドロア装置でない旨の警告が表示部14に表示され(ステップS4b)、レジスタ処理が終了する。
【0066】
受信したドロア装置IDがドロア装置ID152にある場合(ステップS4a;YES)、無線接続中のドロア装置20が許可されたものであり、受信された在高が記憶部15の在高34に記憶される(ステップS5)。そして、変数flagに1が代入され、電力送信部17を介したドロア装置20への電力供給が終了される(ステップS6)。変数flagは、ドロア装置20に存在確認を行うか否かを示すフラグである。変数flagが1であると、ドロア装置20に存在確認を行うことを示し、変数flagが0であると、ドロア装置20に存在確認を行わないことを示す。存在確認とは、ドロア装置20が、売上データ処理装置10と無線通信が可能な状態で存在するか否かの確認であり、後述するように、無線通信可能か否かの確認である。
【0067】
そして、オペレータから操作部12の金額キー121が押下されたか否かが判別される(ステップS7)。金額キー121が押下された場合(ステップS7;YES)、商品又は預かり金の金額の登録を行う金額キー押下処理が実行され(ステップS8)、ステップS1に移行される。金額キー押下処理は、詳細に後述される。ドロア入替キー124が押下されていない場合(ステップS1;NO)、ステップS7に移行される。
【0068】
金額キー121が押下されていない場合(ステップS7;NO)、オペレータから操作部12の部門キー122が押下されたか否かが判別される(ステップS9)。部門キー122が押下された場合(ステップS9;YES)、部門に関する情報の登録を行う部門キー押下処理が実行され(ステップS10)、ステップS1に移行される。部門キー押下処理は、詳細に後述される。
【0069】
部門キー122が押下されていない場合(ステップS9;NO)、オペレータから操作部12の現金預キー123が押下されたか否かが判別される(ステップS11)。現金預キー123が押下された場合(ステップS11;YES)、商品の登録を完了する現金預キー押下処理が実行され(ステップS12)、ステップS1に移行される。現金預キー押下処理は、詳細に後述される。
【0070】
現金預キー123が押下されていない場合(ステップS11;NO)、オペレータから操作部12を介してレジスタ処理の終了指示が入力されて、レジスタ処理を終了するか否かが判別される(ステップS13)。レジスタ処理を終了する場合(ステップS13;YES)、レジスタ処理が終了する。レジスタ処理を終了しない場合(ステップS13;NO)、その他の処理が実行され(ステップS14)、ステップS1に移行される。その他の処理とは、オペレータから操作部12を介したボタン入力に応じた、掛売り(付け払い)、値引きの登録等の処理である。また、ステップS14では、行う処理がないときは、処理を行うことなくステップS1に移行される。
【0071】
図7を参照して、ステップS8の金額キー押下処理を説明する。先ず、変数flag が1であるか否かが判別される(ステップS81)。変数flagが0である場合(ステップS81;NO)、オペレータから操作部12への商品の数値入力が受け付けられる(ステップS82)。ステップS82で入力される金額は、その金額入力の後、部門キー122が押下されると、対応する部門の商品の金額入力となり、その金額入力の後、現金預キー123が押下されると、顧客からの預かり金の金額入力となる。
【0072】
そして、ステップS82で受け付けられた数値がRAM13に記憶される(ステップS83)。そして、ステップS83でRAM13に記憶された数値が表示部14に表示され(ステップS84)、金額キー押下処理が終了する。
【0073】
変数flagが1である場合(ステップS81;YES)、現在の顧客の最初の商品の金額の登録(第一登録)であり、電力送信部17を介してドロア装置20に電力が供給開始される(ステップS85)。そして、情報通信部18を介してドロア装置20に、ドロア装置20が無線可能な状態で存在するか否かの確認のためのドロア確認信号が送信される(ステップS86)。
【0074】
そして、ドロア確認信号に対応して、情報通信部18を介してドロア装置20から送信されたレスポンスを受信したか否かが判別される(ステップS87)。ステップS87では、例えば、所定時間内にレスポンスが受信されないと、レスポンスが受信していないと判別される。レスポンスを受信した場合(ステップS87;YES)、変数flagに0が代入され、電力送信部17を介したドロア装置20への電力供給が終了され(ステップS88)、ステップS82に移行される。
【0075】
レスポンスを受信していない場合(ステップS87;NO)、ドロア装置20が無線可能な状態で存在しない旨の警告が表示部14に表示され、金額キー121の押下がクリアされるとともに、電力送信部17を介したドロア装置20への電力供給が終了され(ステップS89)、ステップS82に移行される。
【0076】
図8を参照して、ステップS10の部門キー押下処理を説明する。先ず、RAM13に記憶されている商品の金額の数値が、記憶部15の押下された部門キー122の種類に対応する部門別合計器31に累計されて記憶される(ステップS101)。そして、RAM13に記憶されている商品の金額の数値が、記憶部15の取引額33に累計されて記憶される(ステップS102)。
【0077】
そして、RAM13に記憶されている商品の金額と、押下された部門キー122の種類に対応する部門コードと、取引額33に記憶されている取引額とが、表示部14に表示される(ステップS103)。そして、RAM13に記憶されている商品の金額と、押下された部門キー122の種類に対応する部門コードとが、印刷部16によりレシート及びジャーナルに印刷され(ステップS104)、部門キー押下処理が終了する。
【0078】
図9を参照して、ステップS12の現金預キー押下処理を説明する。先ず、RAM13に預かり金としての金額の数値が記憶されているか否かが判別される(ステップS121)。預かり金の金額の数値が記憶されている場合(ステップS121;YES)、RAM13から預かり金としての金額の数値が読み出され、記憶部15から取引額として取引額33の金額の数値が読み出され、取得した預かり金−取得した取引額が算出され、その算出値が釣銭としてRAM13に記憶される(ステップS122)。そして、RAM13に記憶されている預かり金、釣銭が表示部14に表示される(ステップS123)。
【0079】
そして、記憶部15に記憶されている取引額33の数値が、記憶部15の現金取引合計器32に累計されて記憶される(ステップS124)。預かり金の金額の数値が記憶されていない場合(ステップS121;NO)、ステップS124に移行される。そして、取引額33に記憶されている取引額が、表示部14に表示される(ステップS125)。そして、電力送信部17を介してドロア装置20に電力が供給開始される(ステップS126)。そして、情報通信部18を介してドロア装置20にドロアオープン制御信号が送信される(ステップS127)。このとき、ドロア装置20のドロア24がオープンされ、オペレータにより、顧客より渡された預かり金がドロア24に収納され、お釣りがあれば、そのお釣りがドロア24から取り出されて顧客に手渡される。
【0080】
そして、記憶部15に記憶されている取引額33の数値が、記憶部15に記憶されている在高34の数値に加算される(ステップS128)。そして、記憶部15に記憶されている在高34が在高として読み出され、情報通信部18を介してドロア装置20に読み出された在高が送信される(ステップS129)。そして、記憶部15に記憶されている取引額33の数値が、印刷部16によりレシート及びジャーナルに印刷される(ステップS130)。ステップS130では、取引額と預かり金が異なる場合には、RAM13に記憶されている預かり金及び釣銭もレシート及びジャーナルに印刷される。
【0081】
そして、RAM13に記憶されている取引額、在高、預かり金、釣銭の情報がクリアされる(ステップS131)。そして、変数flagに1が代入され、電力送信部17を介したドロア装置20への電力供給が終了され(ステップS132)、現金預キー押下処理が終了する。ステップS132の電力供給終了は、ドロア装置20の在高記憶が確定してからでもよい。
【0082】
次いで、図10を参照して、ドロア装置20の動作を説明する。図10に、ドロア装置20で実行されるドロア処理の流れを示す。
【0083】
ドロア処理は、売上データ処理装置10の要求に応じて、ドロア24をオープンしたり、情報を売上データ処理装置10に送信する処理である。ドロア装置20において、レジスタ処理のステップS2,S85,S126に対応して、電力受信部26により売上データ処理装置10から供給される電力を受信したことをトリガとして、記憶部25から読み出されてRAM23に展開されたドロアプログラムと、CPU21との協働により、ドロア処理が実行される。なお、レジスタ処理のステップS6,S88,S89,S132に対応して、電力受信部26による売上データ処理装置10からの電力受信が終了すると、ドロア処理も終了する。
【0084】
図10に示すように、先ず、レジスタ処理のステップS127に対応して、情報通信部27を介して売上データ処理装置10からドロアオープン制御信号を受信したか否かが判別される(ステップS201)。ドロアオープン制御信号を受信した場合(ステップS201;YES)、ドロアオープン回路22により、ドロア24がオープンされ(ステップS202)、ステップS201に移行される。
【0085】
ドロアオープン制御信号を受信していない場合(ステップS201;NO)、レジスタ処理のステップS86に対応して、情報通信部27を介して売上データ処理装置10からドロア確認信号を受信したか否かが判別される(ステップS203)。ドロア確認信号を受信した場合(ステップS203;YES)、情報通信部27を介して、ドロア装置20が無線通信可能な状態で存在する旨のレスポンスが売上データ処理装置10に送信され(ステップS204)、ステップS201に移行される。
【0086】
ドロア確認信号を受信していない場合(ステップS203;NO)、レジスタ処理のステップS3に対応して、情報通信部27を介して売上データ処理装置10から在高及びID送信要求を受信したか否かが判別される(ステップS205)。在高及びID送信要求を受信した場合(ステップS205;YES)、記憶部25の在高42、ドロア装置ID41から在高及びドロア装置IDが読み出され、情報通信部27を介して、読み出した在高及びドロア装置IDが売上データ処理装置10に送信され(ステップS206)、ステップS201に移行される。
【0087】
在高及びID送信要求を受信していない場合(ステップS205;NO)、レジスタ処理のステップS129に対応して、情報通信部27を介して売上データ処理装置10から在高を受信したか否かが判別される(ステップS207)。在高を受信した場合(ステップS207;YES)、受信された在高が記憶部25の在高42に記憶され(ステップS208)、ステップS201に移行される。在高を受信していない場合(ステップS207;NO)、ステップS201に移行される。
【0088】
以上、本実施の形態によれば、売上データ処理装置10とドロア装置20とが、無線の電力供給を可能に接続される。このため、有線接続による制限なく、売上データ処理装置10とドロア装置20とを、無線接続できる範囲で自在に配置できる。
【0089】
また、売上データ処理装置10が、ドロア装置20に無線で電力送信し、ドロア装置20をオープンする場合に、ドロアオープン制御信号をドロア装置20へ無線送信する。そして、ドロア装置20が、売上データ処理装置10から無線で電力受信し、ドロアオープン制御信号を売上データ処理装置10から受信し、ドロアオープン回路22によりドロア24をオープンする。このため、売上データ処理装置10からドロア装置20へ電力を供給してドロア24を自在にオープンすることができる。
【0090】
また、売上データ処理装置10が、ドロア装置20の入れ替え後に、ドロア入替キー124が押下されると、ドロア装置20に無線で電力を送信し、在高要求をドロア装置20へ無線送信する。そして、ドロア装置20が、売上データ処理装置10から無線で電力受信し、在高要求を売上データ処理装置10から無線受信し、記憶部25の在高42から在高を読み出して売上データ処理装置10に無線送信する。そして、売上データ処理装置10が、在高をドロア装置20から受信して記憶部15に記憶する。このため、ドロア装置20の入れ替え後に、売上データ処理装置10が、新しいドロア装置20の在高を確実に取得でき、その在高を記憶部15に記憶できる。
【0091】
また、売上データ処理装置10が、登録処理後の在高を算出して記憶部15に記憶された在高34を更新し、ドロア装置20に無線で電力を送信し、当該更新後の在高をドロア装置20へ無線送信する。そして、ドロア装置20が、売上データ処理装置10から無線で電力受信し、在高を売上データ処理装置10から無線受信し、当該受信した在高を記憶部25に在高42として記憶する。このため、ドロア装置20の記憶部25に在高を記憶させることができる。また、現金回収/補充のためにドロア装置20を自在に入れ替えて、バックヤードで、使用されていたドロア装置20のドロア24に収納された現金の金額と、記憶部25に記憶されている在高42(の表示部14における表示)とを現金管理者が比較して、ドロア24に収納された現金を容易に確認できる。
【0092】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る売上データ処理装置、ドロア装置及びプログラムの一例であり、これに限定されるものではない。
【0093】
例えば、上記実施の形態では、売上データ処理装置10、ドロア装置20が、それぞれ、電磁誘導型の電力送信部17、電力受信部26を備え、電磁誘導方式の無線電力供給がなされる構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、売上データ処理装置10、ドロア装置20が、それぞれ、電波受信型又は共鳴型の電力送信手段、電力受信手段を備え、電磁誘導方式の無線電力供給がなされる構成としてもよい。電波受信方式の電力供給では、電力送信手段が送信アンテナから電波を送信し、その電波を電波受信型の電力受信手段が受信アンテナで受信し、得られるアンテナ電流を電力として利用する。共鳴型の電力供給では、電力送信手段、電力受信手段がそれぞれLC共振器を有し、LC共振器同士の電場だけ、磁場だけの共鳴を利用して電力が供給される。また、電波受信型又は共鳴型の電力供給では、売上データ処理装置10とドロア装置20との間に障害物があるとしても、電力供給が可能である。
【0094】
また、上記実施の形態では、ドロア装置20が、ドロアオープン回路22、電力受信部26、情報通信部27を有し、電力受信部26が、CPU11等の各部と、ドロアオープン回路22とに電力を供給する構成であったが、これに限定されるものではない。
【0095】
図11を参照して、上記実施の形態の変形例としてのレジスタシステム2を説明する。図11に、レジスタシステム2の概略構成を示す。
【0096】
レジスタシステム2は、売上データ処理装置10Aと、ドロア装置20Aと、を備える。売上データ処理装置10Aは、電力送信部17Aと、R/W(リーダライタ)部18Aと、を備える。ドロア装置20Aは、ドロア24と、RFID(Radio Frequency IDentification)20αと、電力受信部26Aと、を備える。
【0097】
電力送信部17Aは、ドロア24をオープンするための電力を電力受信部26Aに無線送信する。R/W部18Aは、売上データ処理装置10A内のCPUの制御により、RFID20αに無線で電力を供給するとともに、無線信号の送受信でRFID20αのメモリの情報の読み出し及び書き込みを行う。
【0098】
RFID20αは、電磁誘導型等のRFIDであり、CPUと、RAMと、プログラムメモリと、ドロア装置ID41及び在高42を記憶する書き換え可能なメモリと、電力送信部及び情報通信部(コイル)と、を有する。また、RFID20αは、R/W部18Aから電力受信するとともに、R/W部18Aから無線送信される信号に応じて、メモリ内のドロア装置ID41、在高42を読み出し又は書き込みし、ドロア装置IDを売上データ処理装置10Aに無線送信する。
【0099】
電力受信部26Aは、電磁誘導型等の電力受信部であり、ドロアオープン回路22を有する。電力受信部26Aは、売上データ処理装置10Aから受信した電力により、ドロアオープン回路22を駆動してドロア24をオープンする。電力受信部26Aは、CPU等に接続されない。ドロアオープン回路22は、ドロア24のバネに掛けられたプランジャを有するコイルと、コンデンサと、を有し、売上データ処理装置10Aから受信した電力の電荷がコンデンサに所定量貯まると、その電荷がコイルに流れてプランジャが引かれ、ドロア24をオープンする構成とする。なお、電力受信部26Aは、ドロア装置20と同様に、CPU、RAM、ROM等が接続される構成としてもよい。
【0100】
つまり、レジスタシステム2では、無線信号の送受信の構成及びその部分への無線の電力供給の構成を、R/W部18A及びRFID20αで構成し、ドロア24を無線でオープンする構成及びその部分への無線の電力供給の構成を、電力送信部17A及び電力受信部26Aで構成する。このため、レジスタシステム1と同様の効果を奏するとともに、無線による通信及び電力供給を行うレジスタシステムを容易且つ安価に構成することができる。
【0101】
また、上記実施の形態及び変形例におけるレジスタシステム1、2の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0102】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として記憶部15、記憶部25を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明に係る実施の形態のレジスタシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】売上データ処理装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】ドロア装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】接続先管理テーブルの構成を示す図である。
【図5】ドロア装置の入れ替えの様子を示す図である。
【図6】売上データ処理装置で実行されるレジスタ処理を示すフローチャートである。
【図7】レジスタ処理中の金額キー押下処理を示すフローチャートである。
【図8】レジスタ処理中の部門キー押下処理を示すフローチャートである。
【図9】レジスタ処理中の現金預キー押下処理を示すフローチャートである。
【図10】ドロア装置で実行されるドロア処理を示すフローチャートである。
【図11】変形例のレジスタシステムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0104】
1,2 レジスタシステム
10,10A 売上データ処理装置
11 CPU
12 操作部
121 金額キー
122 部門キー
123 現金預キー
124 ドロア入替キー
13 RAM
14 表示部
15 記憶部
16 印刷部
17,17A 電力送信部
17a コイル
18 情報通信部
18A R/W部
18a アンテナ
19 バス
20,20A ドロア装置
21 CPU
22 ドロアオープン回路
23 RAM
24 ドロア
25 記憶部
26,26A 電力受信部
26a コイル
27 情報通信部
27a アンテナ
28 バス
20α RFID

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線で受信された電力により、金銭を収納するドロアをオープンするドロア装置に無線で電力を送信する電力送信手段を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、
この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を当該ドロア装置に無線送信する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、
この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアに収納される現金の金額情報を当該ドロア装置に無線送信する制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
金銭を収納するドロアと、
無線で電力を送信する売上データ処理装置から無線で電力を受信する電力受信手段と、
この電力受信手段により受信された電力により、前記ドロアをオープンさせるドロアオープン手段と、
を備えることを特徴とするドロア装置。
【請求項5】
売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、
この情報通信手段を介して前記ドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を前記売上データ装置から無線受信する制御手段と、を備え、
前記ドロアオープン手段は、
前記無線受信されたドロアオープン制御信号に基づき前記ドロアをオープンさせることを特徴とする請求項4に記載のドロア装置。
【請求項6】
売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段と、
この情報通信手段を介して前記ドロアに収納される金銭の金額情報を前記売上データ処理装置から無線受信する制御手段と、
前記制御手段により無線受信された金銭の金額情報を記憶する記憶手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載のドロア装置。
【請求項7】
売上データ処理装置のコンピュータを、
無線で受信された電力により、金銭を収納するドロアをオープンするドロア装置に無線で電力を送信する電力送信手段、
ドロア装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段、
この情報通信手段を介して前記ドロア装置のドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を当該ドロア装置に無線送信する制御手段、
として機能させるプログラム。
【請求項8】
ドロア装置のコンピュータを、
無線で電力を送信する売上データ処理装置から無線で送信される電力を受信する電力受信手段、
売上データ処理装置と無線で情報の通信を行う情報通信手段、
この情報通信手段を介して、金銭を収納するドロアをオープンさせるためのドロアオープン制御信号を前記売上データ装置から無線受信する制御手段、
前記無線受信されたドロアオープン制御信号に基づき前記ドロアをオープンさせるドロアオープン手段、
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−79687(P2010−79687A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248570(P2008−248570)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】