説明

売上データ処理装置及びプログラム

【課題】顧客を撮影した画像に基づいて顧客を特定する場合に、取引毎にその顧客を適切に特定できるようにする。
【解決手段】登録待ちファイルRFから前回の「取引番号」に対応する「顧客ID」を全て読み出し取得すると共に(図8のステップB1)、今回取引の顧客IDのいずれか一つを指定した後(ステップB4)、指定した顧客IDと前回取引の各顧客IDとを比較し(ステップB5)、今回取引の指定顧客IDが前回取引の各顧客IDのいずれかに一致していれば(ステップB6でYES)、前回取引の各顧客IDの中から一致する顧客IDを前回取引の顧客ではないとして除外(削除)することにより前回取引の顧客を特定する(ステップB7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、店舗においては、ECR(Electronic Cash Register)、POS(Point of sale)端末などの売上データ処理装置により登録処理された売上データを分析したり、その顧客(購入者)の属性(買物頻度、リピート率、性別、年齢層など)を分析したりするようにしている。例えば、顧客の買物頻度やリピート率、性別や年齢層などを分析する場合には、予め発行した会員カードから読み取ったカードデータに基づいてその顧客(会員ID)を特定して、購入履歴として記録して分析するようにしているが、会員カードを媒体とした顧客分析では、会員カードの発行やコスト、更には会員加入率に課題が残るほか、非会員にあっては顧客分析を行うことはできない。
そこで、従来では、顧客の顔を撮影するカメラを備え、このカメラによる撮影画像から顔の特徴を抽出して、その抽出結果と顧客データデータベースの内容(顔の特徴点データ)とを照合することにより顧客を特定し、その顧客に対応付けられている顧客データ(氏名、住所、電話番号など)をデータベースから読み出して表示するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−325433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術にあっても、予め会員登録した顧客を対象としたものであり、会員以外の誰でも顔を認識して顧客を特定するようにしたものではなく、しかも、登録待ち(精算待ち)している顧客の待ち行列を撮影した場合に後続の他の顧客も一緒に写ってしまうことが多く、更には顧客の中に家族、友達同士などの同伴者が含まれている場合には同伴者も一緒に写ってしまうことが多いために、取引毎にその顧客を特定しようとしたとしても顧客を適切に特定することができないという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、顧客を撮影した画像に基づいて顧客を特定する場合に、取引毎にその顧客を適切に特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する認識手段と、
前記認識手段により前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前記検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する機能と、
前記前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する機能と、
前記同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【0008】
また、上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
【0009】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する機能と、
同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、顧客を撮影した画像に基づいて顧客を特定する場合に、取引毎にその顧客を適切に特定することができ、信頼性及び実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】売上データ処理装置として適用したECRの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】ECRをその前方斜め(顧客側)から見た状態の外観図。
【図3】ECRをその一側面から見た状態の外観図。
【図4】(1)は、客側カメラ25によって撮影された画像を例示した図、(2)は、操作側カメラ26によって撮影された画像を例示した図。
【図5】登録待ち(精算待ち)ファイルRFを説明するための図。
【図6】顧客データベースDBを説明するための図。
【図7】売上データの登録処理時の動作を示したフローチャート。
【図8】登録待ち行列処理(図7のステップA12)を詳述するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1〜図8を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、売上データ処理装置として適用したECR(Electronic Cash Register)の基本的な構成要素を示したブロック図である。
このECR(売上データ処理装置)は、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とに分離された構成で、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とは、ケーブル3を介して着脱自在に接続されている。ECR本体ユニット部1は、ECRとしての基本的な機能(標準機能)として、入力された一取引分の売上データを登録処理すると共に、一取引分の登録終了時に顧客から渡された金種に応じた種類の締め処理を行う売上データ登録機能などを備えている。また、更にECR本体ユニット部1には各種のキー操作やドロアオープン/クローズなどに応じてイベントコードを発生させて、そのイベントコードをジャーナルデータとしてカメラユニット部2に対して転送する機能を有している。
【0013】
カメラユニット部2は、登録待ち(精算待ち)をしている顧客を撮影したり、担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影したりするカメラ機能のほか、このカメラ機能により撮影された顧客画像に基づいてその取引の顧客を特定する顧客特定機能と、この顧客特定機能により特定された顧客に基づいて顧客(購入者)分析を行う顧客分析機能などを有し、これらの各種機能をモジュール化した構成となっている。このカメラユニット部2は、ケーブル3を介してECR本体ユニット部1に着脱自在に接続されており、故障などに応じて何時でも自由に交換可能となっている。なお、ECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とは、必要に応じて協動して各種の処理を行うようにしている。
【0014】
ECR本体ユニット部1は、CPU11を中核とするもので、各種プログラムにしたがってこのECR本体ユニット部1の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部12は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体やその駆動系を有し、後述する図7及び図8(一部)に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどを記憶したり、データベース、文字フォントデータなどを記憶したりする。なお、上述の記憶媒体は固定的に設けた内蔵型の記憶媒体に限らず、着脱可能な可搬型の外部記憶媒体であってもよく、また、プログラム/データは、他の機器から有線伝送路あるいは無線伝送路を介して記憶媒体にインストールしたり、プログラム/データを記憶管理するサーバなどをアクセスして使用したりするようにしてもよい。メモリ13は、計時データ、フラグなど、このECR本体ユニット部1が動作するために必要な各種のデータを一時的に記憶するワーク領域である。
【0015】
また、CPU11には、その入出力周辺デバイスである操作部14、スキャナ15、操作者用表示部16、印字部17、ドロア駆動部18、COMポート19がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU11はそれらの動作を制御する。操作部14は、押しボタン式の各種キーが配列されているキーボードを有し、このキーボード上にはテンキー(図示省略)などのほか、部門キーK1、小計キーK2、現金/預かり金キーK3などが配設されていると共に、モードスイッチMSが配設されている。
【0016】
モードスイッチMSは、その切り換え位置に応じて「登録(REG)」、「戻し(RF)」、「精算(Z)」などの各種の動作モード(プログラム種)を切り換えるロータリー式のスイッチである。部門キーK1は、商品を部門別に登録を指示する部門別登録時に操作されるキーである。また、小計キーK2は、一取引中において現時点まで登録した売上データの合計金額を小計として表示させるキーである。現金/預かり金キーK3は、預かり金の置数後に一取引の登録終了を指示する締めキーである。CPU11は、「登録(REG)」モードに切り換えられている状態において、各種のキー操作に応じてその操作に応じたイベントコードを生成すると共に、入力された売上データを表示させたり、売上合計を更新したりする登録処理を実行し、一取引の登録終了時に現金/預かり金キーK3が押下されると、ドロアを開放させたり、レシートを発行させたりする。
【0017】
スキャナ15は、例えば、CCDやCMOSなどの画像センサ(イメージセンサ)を有し、商品の登録時のスキャニング動作時にその商品に添付されているバーコードや二次元コードを撮影することにより読み取るもので、CPU11は、スキャナ15により撮影された画像データを解析することによってバーコードなどをデコードして商品を特定するようにしている。操作者用表示部16は、担当者(オペレータ)用として、金額や商品に関するデータ、メッセージなどを表示するもので、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにより構成されている。印字部17は、例えば、熱転写やインクジェットなどのノンインパクトプリンタあるいはドットインパクトプリンタであり、レシート印字を行う。ドロア駆動部18は、キー操作に応じてドロア18Aの開閉を制御するもので、CPU11は、ドロア18Aの開閉に応じてドロアオープン/クローズイベントを生成する。COMポート19は、カメラユニット部2との接続用のシリアルポートである。
【0018】
カメラユニット部2は、CPU21を中核とするもので、各種プログラムにしたがってこのカメラユニット部2の全体動作を制御する中央演算処理装置である。記憶部22は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体やその駆動系を有し、後述する図7及び図8(一部)に示した本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどを記憶する。メモリ23は、このカメラユニット部2が動作するために必要な各種のデータを一時的に記憶するワーク領域である。CPU21には、その入出力周辺デバイスである客用表示部20424、客側カメラ25、操作側カメラ26、カードインターフェイス部27、COMポート29がバスラインを介して接続されており、入出力プログラムにしたがってCPU21はそれらの動作を制御する。客用表示部20424は、登録待ち(精算待ち)の顧客用としてその画面を顧客側に対面させたもので、例えば、7セグメントLED(発光ダイオード)などにより構成され、商品単価、個数、小計金額、預かり金額などを数値表示する。
【0019】
客側カメラ25は、客用表示部24に接近配設されたもので、登録待ちしている顧客の顔を中心として撮影し、また、操作側カメラ26は、担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影するもので、担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影する監視用のカメラである。なお、客側カメラ25、操作側カメラ26の詳細は、図示省略したが、レンズ部、撮像素子、A/D(アナログ/デジタル)変換部などを有し、動画像を撮影可能な構成で、レンズ部からの被写体像が撮像素子(CCD又はCMOS)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能な構成となっている。
【0020】
カードインターフェイス部27は、記録媒体としてのSDカード28が挿入接続されるもので、このSDカード28には、後述する各種のファイルが格納されている。なお、カメラユニット部2には、カードインターフェイス部27に挿入接続されたSDカード28の盗難などを防ぐために錠前(図省略)が配設されており、例えば、責任者が所持する専用鍵を使用して、錠前を開いてSDカード28を取り出すようにしている。また、SDカード28に限らず、その他の外部記録媒体であってもよい。COMポート29は、ECR本体ユニット部1との接続用のシリアルポートである。
【0021】
図2は、上述のように構成されたECRをその前方斜め(顧客側)から見た状態の外観図であり、図3は、ECRの一側面から見た状態の外観図である。
ECR本体ユニット部1の上面部には、操作者用表示部16が配設されていると共に、操作部14を構成するキーボード及びモードスイッチMSが配設されている。また、ECR本体ユニット部1の上面部には、印字部17から送出されるレシートを取り出すためのレシート発行口(図示省略)が配設されている。
【0022】
カメラユニット部2は、客用表示部24の筐体2Aと、その筐体2Aを支持するポール状の支持部材(支持ポール)2Bとを有している。支持ポール2Bは、客用表示部24の筐体2Aを支持するもので、その下端部はECR本体ユニット部1の背面側に垂直に固定(着脱自在に装着)されている。また、支持ポール2Bの上端部は客用表示部24の筐体2Aが装着され、その長さを調整可能な構造となっていると共に、客用表示部24の筐体2Aは、支持ポール2Bに対して回転可能となっている。つまり、筐体2Aの高さとその向きを調整可能となっており、それに応じて客用表示部24、客側カメラ25の高さとその向きも調整可能となっている。
【0023】
客側カメラ25は、図2及び図3に示すように筐体2Aの前面において客用表示部24の一端部(図中、左側端部)に接近配設され、その撮影方向は、登録待ちしている顧客方向で、その画角は、登録待ち行列の顧客を撮影可能な範囲となっている。図4(1)は、客側カメラ25によって撮影した登録待ち行列の顧客画像を例示したもので、先頭の顧客の後ろに次の顧客が並んでいる状態を示している。操作側カメラ26は、支持ポール2Bの上端部に配設され、その撮影方向は、オペレータ方向で、その画角は、操作部14の全体及び操作中のオペレータの顔を撮影可能な範囲となっている。図4(2)は、操作側カメラ26によって担当者(オペレータ)及びその操作状況を撮影した監視画像を例示したもので、ドロア18Aを開放した状態でオペレータが貨幣を出し入れしている場合を示している。
【0024】
図5は、登録待ち(精算待ち)ファイルRFを説明するための図である。
登録待ちファイルRFは、客側カメラ25により登録待ち行列が撮影された場合に、その撮影画像に基づいて取引毎にその顧客を特定するために使用されるファイルで、「取引番号(伝票番号)」毎に複数の「顧客ID」を記憶可能な構成となっている。「取引番号」は、取引毎に更新される一連番号である。「顧客ID」は、取引毎に顧客を識別するための顧客識別データであり、本実施形態では、客側カメラ25により登録待ち行列を撮影した顧客画像を解析することにより顔の画像部分を1つ以上検出すると共に、検出した顔の画像部分に基づいて、顧客毎にその顔を画像認識して顧客ID(顧客識別データ)を生成し、登録待ちファイルRFに記憶させるようにしている。なお、一取引に対応して一つの顧客IDが記憶される場合に限らず、複数の顧客IDが記憶される場合がある。
【0025】
カメラユニット部2のCPU21は、この登録待ちファイルRFを参照して、前回取引の「顧客ID」と、今回取引の「顧客ID」とを比較して、同一の「顧客ID」が含まれているか否かを判別し、同一の「顧客ID」が含まれている場合には、前回取引の「顧客ID」の中から当該同一の「顧客ID」を除外(削除)することにより前回取引の顧客を特定するようにしている。例えば、図示の例では、「取引番号」が“102001”に対応して「顧客ID」として“2568486024”、“1654861146”が記憶されている場合を示し、また、「取引番号」が“102002”に対応して「顧客ID」として“1654861146”、“4568915764”、“3265487694”が記憶され、また、「取引番号」が“102003”に対応して「顧客ID」として“3265487694”、“241223330”が記憶されている場合を示している。
【0026】
このような場合において、例えば、「取引番号」が“102002”の取引を今回取引とすると、この今回取引の「取引番号」“102002”と前回取引の「取引番号」“102001”には、同一の「顧客ID」として“1654861146”がそれぞれ記憶されているため、この“1654861146”を「取引番号」“102001”の取引から除外(削除)することにより当該取引の顧客としては、「顧客ID」が“2568486024”の一人に特定される。同様に、前回取引の「取引番号」“102002”と今回取引の“102003”には、同一の「顧客ID」として“3265487694”が記憶されているため、この“3265487694”を「取引番号」“102002”の取引から除外(削除)することにより当該取引の顧客としては、「顧客ID」が“1654861146”、“4568915764”の二人に特定される。
【0027】
図6は、顧客データベースDBを説明するための図である。
顧客データベースDBは、顧客毎にその顧客に関するデータを記憶管理するもので、顧客に関するデータとして「顧客ID」、「性別」、「年齢層」、「登録日」、「売上実績」などの項目を有している。「顧客ID」は、顔認識用データファイル(図示省略)とリンクさせるための顧客識別データである。なお、顔認識用データファイルは、小計キーK2の操作タイミングに基づいて客側カメラ25により撮影された画像の顔部分を解析して得られた顔の「特徴点データ」と、「顧客ID」とを対応付けて記憶する構成のファイルである。「性別」、「年齢層」は、顔認識により推定された顧客に関するデータである。「登録日」は、新規顧客として顧客データベースDBに登録された日付である。「売上実績」は、「登録日」から現時点までの売上金額や個数の累計値である。
【0028】
次に、本実施形態におけるECRの動作概念を図7及び図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0029】
図7は、売上データの登録処理時の動作を示したフローチャートであり、モードスイッチMSを「登録(REG)」の位置に切り換えた際に実行開始される。
先ず、登録操作が行われたか、つまり、商品からバーコードなどを読み取るためにスキャナ15によるスキャニング動作が行われたか、金額データの値数入力後に部門キーK1が操作されたかを調べたり(ステップA1)、小計キーK2が操作されたかを調べたりする(ステップA5)。
【0030】
いま、登録操作が行われたときには(ステップA1でYES)、次のステップA2に移り、入力された商品名及び単価を操作者用表示部16及び客用表示部24に表示させた後、図示省略した部門別合計ファイルの内容(売上データ)などを更新する登録処理を行う(ステップA3)。この場合、ECR本体ユニット部1から表示データをカメラユニット部2側に転送することにより客用表示部24に商品名及び単価を表示させるようにしている。次に、一取引分の小計金額を更新する処理(ステップA4)を行った後、上述のステップA1に戻り、以下、登録操作が行われる毎に(ステップA1でYES)、上述の動作を繰り返す(ステップA2〜A4)。
【0031】
また、小計キーK2が操作されたときには(ステップA5でYES)、小計金額を操作者用表示部16及び客用表示部24に表示させた後(ステップA6)、カメラユニット部2に対して客側カメラ25を起動させて、登録待ち顧客の撮影を指示する(ステップA7)。カメラユニット部2は、客側カメラ25を起動させてその撮影画像を解析し(ステップA8)、顧客の顔部分を認識すると共に、その顔部分の個数を計数し(ステップA9)、その顔の個数は1以上かを調べる(ステップA10)。ここで、顔の個数が1以上でなければ、つまり、顔部分を認識することができなければ(ステップA10でNO)、上述のステップA10に戻り、顔を認識するまで上述の動作を繰り返しながら待機状態となる。
【0032】
ここで、認識した顔の個数が1以上であれば(ステップA10でYES)、顔毎に顔認識を行ってその顧客IDを取得する(ステップA11)。この場合、顔画像をデジタルズーム処理により所定の大きさに拡大処理した後、その顔画像の解析を行って顔の特徴点データを抽出する顔検出処理を行う。その際、顧客の顔の輪郭や顔を形成するパーツ(目、口、鼻、額など)の形や位置関係などを総合的に判断して、顧客の顔の特徴点を抽出するが、この抽出する機能は、カメラにおいて一般的に用いられている技術であり、本実施形態ではその周知技術を利用するようにしているため、その具体的な説明については省略するものとする。
【0033】
これによって認識した顔部分の画像に基づいて顔認識用データファイル(図示省略)を参照し、同一の顔画像が登録されていれば、それに対応する顧客IDを読み出し取得するが、登録されていなければ、新規な顧客として判断して新たな顧客IDを生成し、この新たな顧客IDをその顔部分の特徴データと共に、顔認識用データファイルに追加登録した後、この生成した顧客IDを顔認識の結果として読み出し取得する。その後、登録待ち行列処理に移る(ステップA12)。
【0034】
図8は、登録待ち行列処理(図7のステップA12)を詳述するためのフローチャートである。
先ず、カメラユニット部2は、登録待ちファイルRFから前回の「取引番号」に対応する「顧客ID」を全て読み出し取得すると共に(ステップB1)、この前回の「取引番号」を“+1”した新たな「取引番号」を今回の取引の識別番号として生成する(ステップB2)。そして、生成した前回の「取引番号」と、上述した図7のステップA11で取得した今回の顧客IDを登録待ちファイルRFに追加登録する(ステップB3)。そして、今回取引の顧客IDのいずれか一つを指定した後(ステップB4)、指定した顧客IDと前回取引の各顧客IDとを比較し(ステップB5)、顧客IDが一致するか、つまり、今回取引の顧客IDと同一の顧客IDが前回取引の中に含まれているかを調べる(ステップB6)。言い換えれば、前回取引時に撮影された登録待ち行列の顧客の中に今回取引で撮影された登録待ち行列の顧客が含まれているかを調べる。
【0035】
いま、今回取引の指定顧客IDが前回取引の各顧客IDのいずれにも一致していなければ、つまり、今回取引の指定顧客IDが前回取引の各顧客IDの中に含まれていなければ(ステップB6でNO)、今回取引の顧客IDの中から次の顧客IDを指定し(ステップB8)、今回取引の各顧客IDを全て指定し終わったかを調べ(ステップB9)、全ての顧客IDを指定し終わるまで上述のステップB4に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。これによって今回取引の指定顧客IDが前回取引の各顧客IDのいずれかに一致していれば(ステップB6でYES)、前回取引の各顧客IDの中から一致する顧客IDを前回取引の顧客ではないとして除外(削除)することにより前回取引の顧客を特定する(ステップB7)。
【0036】
例えば、上述したように「取引番号」“102001”と“102002”には、同一の「顧客ID」として“1654861146”が記憶されているため、この“1654861146”を「取引番号」“102001”の取引から除外(削除)することにより「取引番号」“102001”の取引の顧客として、「顧客ID」が“2568486024”の一人に特定される。そして、今回取引の顧客IDの中から次の顧客IDを指定し(ステップB8)、今回取引の各顧客IDを全て指定し終わったことがステップB9で検出されるまで上述のステップB4に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。
【0037】
このようにして小計キーK2の操作に応じて登録待ち行列処理(図7のステップA12)が終わると、ステップA13に移り、現金取引では預かり金の置数入力待ちとなる。ここで、預かり金が置数されると(ステップA13でYES)、入力された預かり金を操作者用表示部16及び客用表示部24に表示する処理(ステップA14)を行った後、現金/預かり金キーK3の操作待ちとなる(ステップA15)。いま、現金/預かり金キーK3が操作されると(ステップA15でYES)、一取引の登録を終了させる締め処理を実行して今回の取引分の売上データを現金取引用の売上合計器(図示せず)に加算してその内容を更新する処理(ステップA16)を行った後、一取引分の売上データを印字させてレシートを発行させる処理を行う(ステップA17)。そして、モードスイッチMSにより「登録(REG)」モードが解除されたことがステップA18で検出されるまで上述のステップA1に戻り、次の取引における最初の登録操作が行われるまで待ち状態となる。
【0038】
他方、モードスイッチMSにより「登録(REG)」モードが解除されて図7及び図8のフローから抜けた場合には、モードスイッチMSの切り換え位置に応じた処理として、例えば、「戻し(RF)」モードであれば、返品処理を実行し、「精算(Z)」モードであれば、一日分の精算処理など実行する。なお、「精算(Z)」モードでの処理フローは、図示省略したが、登録待ちファイルRFを参照して取引毎にその顧客IDを読み出し、その顧客IDに基づいて顧客データベースDBを検索して、その取引分の売上データを該当する「売上実績」に更新する処理を行う。この場合、登録待ちファイルRFから読み出した一取引分の顧客IDが複数であれば、顧客ID毎に顧客データベースDBを検索してその取引分の売上データを該当する「売上実績」に更新する。
【0039】
以上のように本実施形態においてECR(売上データ処理装置)は、登録待ちの顧客を撮影する客側カメラ25により撮影された画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行うと共に、検出した顧客の顔部分を画像認識して顧客IDを生成し、前回の取引時に生成した顧客IDと今回の取引時に生成した顧客IDとを比較して、同一の顧客IDが含まれていれば、前回の取引における顧客IDの中から当該同一の顧客IDを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定するようにしたので、顧客の待ち行列を撮影した場合に後続の他の顧客が一緒に写ってしまったり、家族、友達同士などの同伴者が一緒に写ってしまったりするような場合でも、取引毎にその顧客を適切に特定することができ、信頼性及び実用性に富んだものとなる。
【0040】
一取引分の売上データを登録する一連の操作のうち、一取引中において現時点まで登録した売上データの合計金額を小計として表示させる小計キーK2が操作された場合に、画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行うようにしたので、取引毎に顧客を撮影した画像からその取引の顧客を特定する場合に、客用表示部20424の表示内容(金額)を顧客が目視確認するタイミングで顧客の顔を正面から撮影した撮影画像に基づいて、顧客を特定することができ、顔認識にとって良好なものとなり、その顧客を高い確率で特定することができる。
【0041】
客側カメラ25は、登録待ち顧客が視認する客用表示部20424に搭載されていると共に登録待ちの顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されるようにしたので、顧客が金額を確認するタイミングで顧客の顔を正面から撮影された撮影画像に基づいて、顧客を特定することができる。
【0042】
なお、上述した実施形態においては、検出した顧客の顔部分を画像認識して顧客IDを生成し、前回の取引時に生成した顧客IDと今回の取引時に生成した顧客IDとを比較して、同一の顧客IDが含まれていれば、前回の取引における顧客IDの中から当該同一の顧客IDを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定するようにしたが、顧客ID同士を比較する場合に限らず、顔部分の画像同士を比較することにより顧客を特定するようにしてもよい。
【0043】
すなわち、登録待ちの顧客を撮影する客側カメラ25により撮影された画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行うと共に、前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別し、同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された各顔の中から当該同一の顔を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定するようにしてもよい。
【0044】
ここで、顔部分の画像同士の比較により顧客を特定する場合には、上述した実施形態に代わって次のようにすれば、実現可能となる。すなわち、図7のステップA11では、顔認識を行って顧客IDを生成するようにしたが、撮影画像から顔部分を抽出する処理に変更するようにすればよい。また、上述した実施形態において、登録待ちファイルRFは、「取引番号(伝票番号)」毎に複数の「顧客ID」を記憶可能な構成としたが、「取引番号」毎に複数の「顔部分の画像」を記憶可能な構成とすればよい。そして、図8のフローのステップB1において、登録待ちファイルRから前回取引の各「顔部分の画像」を取得する処理を行い、また、ステップB3においては、今回取引の「顔部分の画像」を登録待ちファイルRに追加登録する処理を行う。以下、ステップB4〜B9において、「顧客ID」を「顔部分の画像」に置き換えるようにすれば、前回取引と今回取引の顔部分の画像同士とを比較することにより顧客を特定することができる。
【0045】
このように顔部分の画像同士の比較により顧客を特定する場合においても、本実施形態と同様の効果を有する。すなわち、顧客の待ち行列を撮影した場合に後続の他の顧客が一緒に写ってしまったり、家族、友達同士などの同伴者が一緒に写ってしまったりすような場合でも、取引毎にその顧客を適切に特定することができる。
【0046】
また、コンピュータに対して、売上データを取引毎に登録処理する機能と、登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する機能と、同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、を実現させるためのプログラムであってもよい。この場合においても本実施形態と同様の効果を有する。
【0047】
また、上述した実施形態において、小計キーK2が操作された際に顧客を特定するようにしたが、一取引の登録を終了させる現金/預かり金キーK3の操作で顧客を特定するようにしてもよい。更に、小計キーK2、現金/預かり金キーK3のほか、部門キーK1、又は入力データの訂正を指示する訂正キー、入力データをキャンセルする戻しキーなどであってもよい。
【0048】
また、上述した各実施形態においては、ECR(売上データ処理装置)を構成する筐体をECR本体ユニット部1とカメラユニット部2とに分離した構成としたが、それらを統合した構成であってもよい。また、売上データ処理装置としてECRに適用した場合を示したが、構内専用回線に接続したPOS端末に適用するようにしてもよい。また、インターネットを介して本部のPCに接続した売上データ処理システムに適用するようにしてもよい。
【0049】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する認識手段と、
前記認識手段により前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項1あるいは請求項2に記載の売上データ処理装置において、
前記検出手段は、一取引分の売上データを登録する一連の操作のうち、所定の操作が行われた場合に、顧客画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う、
ようにしたことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の売上データ処理装置において、
前記撮像手段は、登録待ち顧客が視認する客用表示部に搭載されていると共に登録待ちの顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されている、
ことを特徴とする売上データ処理装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前記検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する機能と、
前記前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する機能と、
前記同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する機能と、
同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0051】
1 ECR本体ユニット部
2 カメラユニット部
11、21 CPU
12、22 記憶部
14 操作部
15 スキャナ
16 操作者用表示部
19、29 COMポート
24 客用表示部
25 客側カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する認識手段と、
前記認識手段により前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
売上データを取引毎に登録処理する売上データ処理装置であって、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段と、
前記撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う検出手段と、
前記検出手段により前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する顧客特定手段と、
を具備したことを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項3】
前記検出手段は、一取引分の売上データを登録する一連の操作のうち、所定の操作が行われた場合に、顧客画像を解析して顔の画像部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
前記撮像手段は、登録待ち顧客が視認する客用表示部に搭載されていると共に登録待ちの顧客の顔を対面撮影することが可能な向きに設置されている、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前記検出された顔部分に基づいて、その顔を画像認識して顧客識別データを生成する機能と、
前記前回の取引時に生成された顧客識別データと今回の取引時に生成された顧客識別データとを比較して、同一の顧客識別データが含まれているか否かを判別する機能と、
前記同一の顧客識別データが含まれていると判別された場合に、前回の取引時に生成された顧客識別データの中から当該同一の顧客識別データを前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
コンピュータに対して、
売上データを取引毎に登録処理する機能と、
登録待ちの顧客を撮影する撮像手段により撮影された顧客画像を解析して顧客の顔部分を1つ以上検出する動作を取引毎に行う機能と、
前回の取引時に検出された顔の画像部分と今回の取引時に検出された顔の画像部分とを比較して、同一の顔が含まれているか否かを判別する機能と、
同一の顔部分が含まれていると判別された場合に、前回の取引時に検出された顔の画像部分の中から当該同一の顔部分を前回取引の顧客ではないとして除外することにより前回取引の顧客を特定する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−45132(P2013−45132A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180260(P2011−180260)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】