説明

変性ブロック共重合体および変性ブロック共重合体組成物

【課題】本発明の目的は、本発明は、引張試験の強度、破断伸びおよび耐衝撃性を大きく改善する変性ブロック共重合体および、変性ブロック共重合体と極性樹脂等の混合組成物を提供すること。
【解決手段】炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有するビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上を有し、且つ、下記B、C、D、Eより選ばれる重合体ブロックを少なくとも1個以上有するブロック共重合体に、
B:共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック
C:共役ジエン単位を主体とする、二重結合の一部または全部を水添した重合体ブロック
D:アルキレン単位を主体とする重合体ブロック
E:共役ジエン単位およびビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
少なくとも1種の官能基含有不飽和単量体がグラフトしていることを特徴とする変性ブロック共重合体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性ブロック共重合体および、極性樹脂体あるいはフィラーを含有してなる混合組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車部品、OA機器部品、家電部品等の分野において軽量化が進み、その素材として各種、極性樹脂含有組成物やフィラー含有組成物が目覚しい。
なかでも、耐熱性に優れたエンジニアリング樹脂は自動車部品に種々採用されつつあるのが現状であり、特にポリマーアロイは、これ等産業界における革新的素材の一つであると云える。
【0003】
本発明の変性ブロック共重合体組成物はこれ等の用途に使用可能な材料を提供するものである。
ところで,エンジニアリング樹脂は優れた耐熱性をもつものの単独の樹脂では多様な物性要求を満足する事が出来ず各種ポリマーアロイの開発がおこなわれている。
【0004】
特にエンジニアリング樹脂単独では耐衝撃性が十分でないため各種エラストマーを補強材とするポリマーアロイの開発がさかんである。
又結晶性樹脂単独では成形時の収縮が大きくいわゆるヒケ又はソリが発生しやすい。
特にポリエステル、ポリアミド等の結晶性樹脂は吸湿による機械的強度の低下が大きく寸法変化が大きい等の欠点がある。
【0005】
非晶性のエンジニアリング樹脂、例えばポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等単独では一般にその耐熱性が高くなるにつれ、溶融粘度が高くなり、流動性が不十分となって成型加工性が悪化する。
これ等相互の欠点を改良する目的で両者をブレンドする事が考えられるが一般的には異種のポリマーを単純にブレンドすると互の相溶性がとぼしいためハク離現象を生じほとんど実用になる組成物は得られない。
【0006】
これらを改善するため、様々な方法が検討されている。
特許文献1には、熱可塑性重合体とカルボン酸又はそれ等の誘導体で変性した変性水添ブロック重合体よりなる混合組成物が提案されている。
しかしながら、変性水添ブロック共重合体のハードセグメント(硬質ブロック)としては、芳香族ビニル単量体単位からなるブロックが例示され、アルキルスチレン由来の構造単位を含有した効果については記載がない。
【0007】
特許文献2には、グリシジル基を有する官能基含有不飽和単量体をグラフトした変性水添ブロック共重合体と極性樹脂等の混合組成物が提案されている。しかしながら、変性水添ブロック共重合体のハードセグメント(硬質ブロック)としては、芳香族ビニル単量体単位からなるブロックが例示され、アルキルスチレン由来の構造単位を含有した効果については記載がない。
【特許文献1】特開昭58−7443号公報
【特許文献2】特開平01−203454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、引張強度、破断伸びおよび耐衝撃性を大きく改善する変性ブロック共重合体および、変性ブロック共重合体組成物(変性ブロック共重合体と極性樹脂等の混合組成物)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは特定の硬質ブロックを持つブロック共重合体に、パーオキサイド化合物および官能基含有不飽和単量体を用いて、官能基含有不飽和単量体をグラフト変性した変性ブロック共重合体を用いることによって、効果的に解決されることの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0010】
1.炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有するビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上を有し、且つ、下記B、C、D、Eより選ばれる重合体ブロックを少なくとも1個以上有するブロック共重合体に、
B:共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック
C:共役ジエン単位を主体とする、二重結合の一部または全部を水添した重合体ブロック
D:アルキレン単位を主体とする重合体ブロック
E:共役ジエン単位およびビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
少なくとも1種の官能基含有不飽和単量体がグラフトしていることを特徴とする変性ブロック共重合体。
【0011】
2.前記官能基含有不飽和単量体の官能基が、酸性基であることを特徴とする前記1に記載の変性ブロック共重合体。
【0012】
3.前記官能基含有不飽和単量体の官能基が、カルボン酸基あるいはその誘導体、あるいはグリシジル基であることを特徴とする前記1に記載の変性ブロック共重合体。
【0013】
4.前記重合体ブロックAの含有量が、10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【0014】
5.ブロック共重合体が前記重合体ブロックCを有し、且つ共役ジエン単位の75モル%以上が水添されていることを特徴とする前記2〜4のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【0015】
6.少なくとも、グラフト変性前のブロック共重合体、官能基含有不飽和単量体およびパーオキサイド化合物を用いて製造することを特徴とする前記1〜5のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【0016】
7.前記1〜6のいずれかに記載の変性ブロック共重合体と、少なくとも極性樹脂体あるいはフィラーを含有してなる混合組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明の変性ブロック共重合体を用いることで、変性ブロック共重合体および、変性ブロック共重合体組成物(変性ブロック共重合体と極性樹脂又はフィラーの混合組成物)において、引張試験の強度および破断伸びを大きく改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の変性ブロック共重合体は、炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有するビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上を有し、且つ以下B、C、Dより選ばれる重合体ブロックを少なくとも1つ以上有するブロック共重合体に、
B:共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック
C:共役ジエン単位を主体とする、二重結合の一部または全部を水添した重合体ブロック
D:アルキレン単位を主体とする重合体ブロック
E:共役ジエン単位およびビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
官能基含有不飽和単量体をグラフト変性して得られる。
【0019】
重合体ブロックAにおいて、構造単位(a)を構成するアルキルスチレンとしては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜8であるo−アルキルスチレン、m−アルキルスチレン、p−アルキルスチレン、2,4−ジアルキルスチレン、3,5−ジアルキルスチレン、2,4,6−トリアルキルスチレン、前記したアルキルスチレン類におけるアルキル基の水素原子の1個または2個以上がハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルキルスチレン類などを挙げることができる。より具体的には、構造単位(a)を構成するアルキルスチレンとしては、例えばo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、2,4,6−トリエチルスチレン、o−プロピルスチレン、m−プロピルスチレン、p−プロピルスチレン、2,4−ジプロピルスチレン、3,5−ジプロピルスチレン、2,4,6−トリプロピルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、2,4−ビス(クロロメチル)スチレン、3,5−ビス(クロロメチル)スチレン、2,4,6−トリ(クロロメチル)スチレン、o−ジクロロメチルスチレン、m−ジクロロメチルスチレン、p−ジクロロメチルスチレンなどを挙げることができる。
【0020】
重合体ブロックAは、構造単位(a)として前記したアルキルスチレンおよびハロゲン化アルキルスチレンのうちの1種または2種以上からなる単位を有することができる。これらの中でも、構造単位(a)として、p−メチルスチレンに基づく構造単位が入手の容易さおよび架橋反応性に優れる点から好ましい。
【0021】
また、本発明においては、重合体ブロックA中に、構造単位(a)以外の芳香族ビニル化合物単位を含むことができ、該構造単位(a)以外の芳香族ビニル化合物単位としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、モノフルオロスチレン、ジフルオロスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、インデン、アセトナフチレンなどからなる単位を挙げることができ、これらの中でもスチレン、α−メチルスチレンからなる単位が好ましい。
【0022】
重合体ブロックAにおける構造単位(a)の割合は、機械強度の点で、重合体ブロックAに対し1wt%以上が好ましく、製造性の点で、99wt%以下が好ましい。10wt%以上、80wt%以下がより好ましく、30wt%以上、60wt%以下がさらに好ましい。
【0023】
重合体ブロックAは、構造単位(a)を含む芳香族ビニル化合物からなる構造単位と共に、必要に応じて他の重合性単量体からなる構造単位を少量有していてもよく、その場合の他の重合性単量体からなる構造単位の割合は、重合体ブロックAの質量に基づいて30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。その場合の他の重合性単量体としては、例えば1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、ブタジエン、イソプレン、メチルビニルエーテルなどを挙げることができる。
【0024】
変性前のブロック共重合体中の重合体ブロックAの含有量は、耐熱性の点で、10wt%以上が好ましく、柔軟性や機械強度の点で、50wt%以下が好ましい。13wt%以上、40wt%以下がより好ましく、15wt%以上、30wt%以下がさらに好ましく、16wt%以上、28wt%以下が最も好ましい。
【0025】
変性前のブロック共重合体は、重合体ブロックA以外に、B、C、DあるいはEより選ばれる重合体ブロックを少なくとも1つ以上有することが必須である。
B:共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック
C:共役ジエン単位を主体とする、二重結合の一部または全部を水添した重合体ブロック
D:アルキレン単位を主体とする重合体ブロック
E:共役ジエン単位およびビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
本発明でいう「主体とする」とは、60wt%以上を指す。80wt%以上がより好ましく、90wt%以上がさらに好ましく、95wt%以上が最も好ましい。
【0026】
共役ジエン単位は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンであり、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。
特に、一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0027】
1,3−ブタジエンとイソプレンの中では、機械強度の観点から、1,3−ブタジエンを主体とするのが好ましい。共役ジエン中の1,3−ブタジエン含有量が、50wt%以上が好ましく、80wt%以上がより好ましく、95wt%以上がさらに好ましい。
【0028】
アルキレン単位とは、エチレン単位、プロピレン単位、ブチレン単位、ヘキシレン単位あるいはオクチレン単位等のモノオレフィン単位を示す。このなかでも、エチレン単位、プロピレン単位及びブチレン単位が経済性の点で好ましい。これらは一種のみならず二種以上を使用してもよい。
【0029】
ブロックE中のビニル芳香族単量体単位の重量比率は、エラストマー性の点で、75wt%以下が好ましい。混合組成物に極性樹脂やフィラーを使用する場合の親和性の点で、20wt%以上が好ましい。30wt%以上65wt%以下がより好ましく、40wt%以上、60wt%以下がさらに好ましい。
【0030】
B、CおよびDの中では、耐熱性および耐老化性の点で、CおよびDがより好ましい。
さらに、製造性の点で、共役ジエン単位を主体とする水添重合体ブロックCが好ましい。
【0031】
Cの水素添加前に含まれる共役ジエン単位中のビニル含有量は、柔軟性、軟化剤のブリード抑制の点で、20mol%以上が好ましく、耐磨耗性の点で、85mol%以下が好ましい。30mol%以上80mol%以下の範囲がさらに好ましく、35wt%以上、70mol%以下の範囲がさらに好ましい。
【0032】
C中の共役ジエン中の水素添加率は、耐磨耗性や耐熱老化性の点で、75mol%以上が好ましい。80mol%がより好ましく、90mol%がさらに好ましく、95mol%以上が最も好ましい。
【0033】
変性前のブロック共重合体の重合方法は限定されない。配位重合、アニオン重合あるいはカチオン重合が好ましい。構造の制御の容易さの点で、アニオン重合が好ましい。
アニオン重合のブロック共重合体の製造方法としては、公知の方法でよく、例えば特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特公昭51−49567号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
【0034】
(A)の構造としては、例えば、下記の一般式
(a−b)m 、(a−b)m−a 、(a−b)m−X 、 (a−b)m−X−(b)n
(上式において、aは、重合体ブロックA。bは、重合体ブロックB、C、DあるいはE(但し、bは、B、C、Dのなかから1つ以上の重合体ブロックを有しても良い)。各ブロックの境界や最端部は必ずしも明瞭に区別される必要はなく、テーパー状あるいは階段状であっても良い。b中のビニル芳香族化合物の分布は、前記のビニル芳香族化合物含有量の範囲ならば限定されず、均一に分布していても、テーパー状、階段状、凸状、あるいは凹状に分布していてもよい。また、ビニル芳香族化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。また、結晶部が存在していても良い。
Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素化合物、カルボン酸エステル化合物、ポリビニル化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、エステル系化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。nおよびmは1以上の整数を示し、一般的には1〜5である。
b中の共役ジエン単位のビニル単位の分布は特に限定されないが、分布があっても良い。ビニル単位の分布は、重合中にビニル化剤を添加する、重合中の温度を変化させる等が挙げられる。また、共役ジエンの水素添加率には分布があってもよい。水添率の分布は、ビニル分布を変更する、あるいは、イソプレンとブタジエンを共重合した後に、Tiを含む化合物を用いて水素添加し、イソプレンとブタジエンの水素添加速度の差を利用する方法等が挙げられる。)
【0035】
ブロック構造の好適な例としては、(a−b)m−a 、(a−b)m−Xが挙げられる。
【0036】
共役ジエンの水素添加の方法としては、水添触媒の存在化に、水素を供給し、不飽和部を水素添加する方法が挙げられる。水添触媒としては、特に制限されず、従来から公知である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩などの遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。具体的な水添触媒としては、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒を使用することができる。
【0037】
変性ブロック共重合体は、前述したブロック共重合体に、官能基含有不飽和単量体をグラフト変性して得られる。
変性前のブロック共重合体と官能基含有不飽和単量体とを、エン付加重合等を利用して、グラフト反応することもできるが、機械強度の点で、パーオキサイド化合物を用いて、グラフト反応させる方法が最も好ましい。
【0038】
官能基含有不飽和単量体の官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、ウレタン基、イソチオシアネート基、シラノール基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する化合物が挙げられ、中でも、カルボキシル基、エポキシ基、グリシジル基、アミノ基、アミド基、酸無水物基、シラノール基、エステル基等の極性基を有するものが好ましく、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基を有するものがより好ましい。2種類以上の官能基を有したり、2種以上の官能基含有不飽和単量体を用いても良い。
【0039】
混合組成物の機械強度の点で、酸性官能基を有する不飽和単量体が好ましい。
極性樹脂やフィラーとの相溶性の点で、特に、カルボン酸基、その誘導体(例えば、カルボキシル基及び/又は酸無水物基)と、グリシジル基等が好ましい。
不飽和基としては、特に限定されないが、アクリル基、メタクリル基あるいはジカルボン酸中の不飽和基等が好ましい。
【0040】
具体例として、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、グリシジルメタクリレートあるいはグリシジルアクリレート等が挙げられる。
【0041】
官能基含有不飽和単量体中の官能基数は、特に限定されないが、3個以下が好ましい。
パーオキサイド化合物としては、有機パーオキサイド(ペルオキシド)が好ましく、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2.5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテートなどがあげられる。パーオキサイド以外に、アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどを用いることもできる。
【0042】
有機パーオキサイドの添加方法としては、安全性および品質の安定性を確保するため、有機パーオキサイドのモノオレフィン共重合ゴム等でマスターバッチを製造し、添加しても良い。
【0043】
有機パーオキサイドの添加量は、変性前のブロック共重合体100質量部に対して、機械強度の点で、0.005重量部以上2.0重量部以下が好ましい。0.03重量部以上0.5重量部以下がより好ましく、0.04以上、0.3重量部以下がさらに好ましい。
【0044】
グラフト方法としては、変性前のブロック共重合体を、トルエン、キシレン等の溶媒に溶解し、そこに不飽和ジカルボン酸無水物を添加してグラフト反応させる方法、あるいは、押出機を使用して、変性前のブロック共重合体を溶融し、そこに、カルボキシル基及び/又は酸無水物基やグリシジル基を有する不飽和単量体を添加してグラフト反応させる方法等が挙げられる。
【0045】
押出機を使用して変性する場合、変性ブロック共重合体中に残留する官能基含有不飽和単量体を真空ポンプを用いてベント穴より強制ベントしながら残去する方法をとる事が出来る。
【0046】
効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を実施することが好ましい。グラフト反応は、通常60℃〜350℃の条件で行われる。
【0047】
変性ブロック共重合体中の平均のグラフト量としては、機械強度の点で、1個以上が好ましく、熱安定性およびグラフト製造性の点で、30個以下が好ましい。2個以上、20個以下がより好ましく、3個以上、10個以下がさらに好ましい。
【0048】
変性ブロック共重合体中に、グラフトしていない不飽和単量体を、0.05wt%〜0.5wt%程度であれば含有しても良い。
また、酸無水物をグラフト共重合したとき、その酸無水物の開環量は、少ない方が好ましいが、全酸無水物量が50mol%以下であれば、開環していても良い。
【0049】
パーオキサイド化合物を少量添加することで、機械物性を高められた理由の1つとして、アルキルスチレンを有するブロック共重合体のハードセグメント(硬質ブロック)に、官能基含有不飽和単量体が反応し、さらに硬質ブロックが固定化されることで、より高い機械強度を発現したものと推定される。
【0050】
また、アルキルスチレンを有するブロック共重合体を用いることで、グラフト率が高められるのも本願の特徴である。
【0051】
変性ブロック共重合体は、樹脂あるいはフィラーの混合物で、機械強度を高められる。
樹脂であれば、特に制限はないが、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等の芳香族系樹脂、6・6ナイロン、6ナイロン等のポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル系樹脂等を挙げることができる。これらは、単独でも二種以上を併用して用いても良い。
【0052】
スチレン系樹脂としてはポリスチレン、ゴム強化ポリスチレン(ハイインパクトポリエステル)、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合樹脂及びその水素添加物、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン ・メタクリル酸メチル共重合体(MS樹脂)等のスチレン・メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル ・ブタジエン・スチレン三元共重合体(ABS樹脂)、 ゴム強化MS樹脂、無水マレイン酸・スチレン三元共重合体、無水マレイン酸・アクリロニトリル・スチレン三元共重合体、アクリロニトリル・α-メチルスチレン三 元共重合体、メタクリロニトリル・スチレン共重合体、メタクリル酸メチル・アクリロニトリル・スチレン三元 共重合体等を挙げることができる。
【0053】
メタクリル樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メタクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体等を例示することができる。
これらの中では、極性樹脂が相溶性の点でより好ましく、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイドなどが挙げられる。
この中でも、機械強度の点で、極性樹脂が好ましく、具体的には、ポリアミド系樹脂およびエステル系樹脂が好ましい。
【0054】
フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、 クレー、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、有機処理マイカ等が挙げられる。
【0055】
本発明の混合組成物には、その他に、熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、粘着助剤、着色剤、滑剤、難燃剤、軟化剤、表面改質剤、発泡剤等の添加物を配合することが出来る。
【0056】
混合組成物の製造例としては、予め加熱されたロールミルやバンバリーミキサー、加圧型ニーダーなどの密閉型混練機、押出機等を用いて混合する方法が挙げられる。
【0057】
本発明の混合組成物は、成形品として使用する場合、成形方法としては、押出成形、射出成形、中空成形、圧空成形、真空成形、発泡成形、複層押出成形、複層射出成形、高周波融着成形、スラッシュ成形及びカレンダー成形などを用いることができる。
成形品の例としては、シート、フィルム、チューブや、不織布や繊維状の成形品、合成皮革等が挙げられる。
【0058】
本発明の混合組成物からなる成形品は、食品包装材料、医療用具材料、家電製品及びその部品、電子デバイス及びその部品、自動車部品、工業部品、家庭用品、玩具等の素材、履物用素材、繊維素材、粘・接着剤用素材、アスファルト改質剤などに利用できる。
【0059】
自動車部品の具体例としては、サイドモール、グロメット、ノブ、ウェザーストリップ、窓枠とそのシーリング材、アームレスト、ドアグリップ、ハンドルグリップ、コンソールボックス、ベッドレスト、インストルメントパネル、バンパー、スポイラー、エアバック装置の収納カバー等が挙げられる。医療用具の具体例としては、血液バッグ、血小板保存バック、輸液(薬液)バック、人工透析用バック、医療用チューブ、カテーテル等が挙げられる。その他工業用又は食品用ホース、掃除機ホース、電冷パッキン、電線、その他の各種被覆材、グリップ用被覆材、軟質人形等、粘接着テープ・シート・フィルム基材、表面保護フィルム基材及び該フィルム用粘接着剤、カーペット用粘接着剤、ストレッチ包装用フィルム、熱収縮性フィルム、被覆鋼管用被覆材、シーラントなどに用いることができる。
〔実施例〕
【0060】
以下、測定例、実施例及び比較例により本発明についてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0061】
1)水添触媒の調製
ブロック共重合体の水添反応に用いた水添触媒は下記の方法で調製した。
窒素置換した反応容器に乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込み、ビスシクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn-ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
【0062】
2)グラフト変性水添ブロック共重合体の調整
2−1)グラフト変性前の水添ブロック共重合体の調製
<ポリマー1>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。はじめに、スチレン7.5重量部とp−メチルスチレン7.5重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムを全モノマ−100重量部に対して0.025重量部とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAとする)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.5モル添加し、55℃で60分間重合した。その後ブタジエン70重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて55℃で120分間重合した。最後にスチレン7.5重量部とp−メチルスチレン7.5重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて55℃で60分間重合した。得られたポリマーのポリブタジエンブロック部のビニル結合量40wt%、ポリマー全体の分子量7.0万、分子量分布1.05であった。
【0063】
次に、得られたポリマーに、上記水添触媒をポリマー100重量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。得られた水添ブロック共重合体(ポリマー1)のブタジエンの水添率は99%であった。
【0064】
<ポリマー2>
内容積が10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を洗浄、乾燥、窒素置換してバッチ重合を行った。はじめに、スチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を投入した。次いでn−ブチルリチウムを全モノマ−100重量部に対して0.025重量部とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下TMEDAとする)をn−ブチルリチウム1モルに対して0.5モル添加し、55℃で60分間重合した。その後ブタジエン70重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて55℃で120分間重合した。最後にスチレン15重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20wt%)を加えて55℃で60分間重合した。得られたポリマーのポリブタジエンブロック部のビニル結合量40wt%、ポリマー全体の分子量7.0万、分子量分布1.05であった。
【0065】
次に、得られたポリマーに、上記水添触媒をポリマー100重量部当たりチタンとして100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水添反応を行った。その後メタノールを添加し、次に安定剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを重合体100質量部に対して0.3質量部添加した。得られた水添ブロック共重合体(ポリマー2)のブタジエンの水添率は99%であった。
【0066】
2−2)グラフト変性ブロック共重合体
2−1)で得られたポリマー1および2に、ポリマー100重量部に対して、無水マレイン酸1.4 重量部、パーオキサイド化合物(パーヘキサ25B(日本油脂製、商品名)を0.15重量部、酸化防止剤(イルガノックスP168(チバガイギー製、商品名)を0.1重量部ドライブレンドさせて、30mmΦの二軸押出機にて235℃でグラフト化させた。
グラフト量は、ナトリウムメチラートを用いた滴定値より求めた。
【0067】
3)グラフト変性水添ブロック共重合体と極性樹脂の混合組成物の調整
ナイロン6樹脂(東レアミラン1041)80重量部と、2)で得られた各変性ブロック共重合体20重量部を、二軸同方向回転の30mm押出機を用いて樹脂温260℃で押出し、混合組成物を得た。
【0068】
4)グラフト変性前の水添ブロック共重合体の組成および構造評価
4-1)スチレン含有量、共役ジエンのビニル結合量、共役ジエンに基づく二重結合の水素添加率
ポリマー中のスチレン単位、ブタジエンの1,4−結合単位および1,2−結合単位、エチレン単位あるいはブチレン単位量は、核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により下記の条件で測定した。
測定機器:JNM−LA400(JEOL製)
溶媒:重水素化クロロホルム
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度:50mg/ml
観測周波数:400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数:64回
パルス幅:45°
測定温度:26℃
【0069】
4−2)スチレンブロック含有量
I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム酸法で測定した。
測定サンプル:ポリマーを水素添加する前の抜き取り品
ポリマー分解用溶液:オスミウム酸0.1gを第3級ブタノ−ル125mlに溶解した溶液
【0070】
4−3)重量平均分子量及び分子量分布
共重合体の重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件でゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
測定装置:LC−10(島津製作所製)
カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)、2本
溶媒:テトラヒドロフラン
検量線用サンプル:市販(東ソー株式会社製)の標準ポリスチレン、10点測定
分子量分布は、得られた重量平均分子量と数平均分子量の比を取って求めた。
【0071】
5)グラフト変性水添ブロック共重合体と、グラフト変性水添ブロック共重合体と極性樹脂の混合組成物の特性
5−1)引張強度
JIS K6251に従い、3号ダンベル、クロスヘッドスピード500mm/分で測定した。
【0072】
5−2)アイゾット衝撃強度
3)で得られたグラフト変性水添ブロック共重合体と極性樹脂の混合組成物を、260℃、射出圧30Kg/cm2で射出成型する事により1/8アイゾット衝撃試験用テストピースを作成し、ASTMD256に基づきアイゾット衝撃強度(ノッチ付き)を25℃で測定した。
〔実施例1および比較例1〕
得られたグラフト変性水添ブロック共重合体の分子量分布、変性(無水マレイン酸不可)量、引張物性を表1に示す。
【0073】
【表1】

【0074】
アルキルスチレンを有するブロック共重合体(ポリマー1)の方が、分子量分布がシャープで、且つ変性量も高く、変性ポリマー単独の引張物性も高くなった。
〔実施例2および比較例2〕
グラフト変性水添ブロック共重合体と極性樹脂(ナイロン6)の混合組成物のアイゾッド衝撃試験の結果を表2に示す。
【0075】
【表2】

【0076】
機械物性を高められた理由の1つとして、アルキルスチレンを有するブロック共重合体のハードセグメント(硬質ブロック)に、官能基含有不飽和単量体が反応し、さらに硬質ブロックが固定化されることで、より高い機械強度を発現したものと推定される。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明によれば、特定の硬質ブロックを持つブロック共重合体に、パーオキサイド化合物および官能基含有不飽和単量体を用いて、官能基含有不飽和単量体をグラフト変性した変性ブロック共重合体を用いることによって、引張試験の強度、破断伸びおよび耐衝撃性を大幅に高める材料が提供される。特に、極性樹脂との混合組成物に好適であり、自動車部品、家電部品、電線被覆材、医療部品、雑貨、履物等の材料として産業上の利用の可能性を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数1〜8のアルキル基の少なくとも1個がベンゼン環に結合したアルキルスチレン由来構造単位(a)を少なくとも1質量%以上有するビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックAを1個以上を有し、且つ、下記B、C、D、Eより選ばれる重合体ブロックを少なくとも1個以上有するブロック共重合体に、
B:共役ジエン単位を主体とする重合体ブロック
C:共役ジエン単位を主体とする、二重結合の一部または全部を水添した重合体ブロック
D:アルキレン単位を主体とする重合体ブロック
E:共役ジエン単位およびビニル芳香族単量体単位を主体とする水添共重合体ブロック
少なくとも1種の官能基含有不飽和単量体がグラフトしていることを特徴とする変性ブロック共重合体。
【請求項2】
前記官能基含有不飽和単量体の官能基が、酸性基であることを特徴とする請求項1に記載の変性ブロック共重合体。
【請求項3】
前記官能基含有不飽和単量体の官能基が、カルボン酸基あるいはその誘導体、あるいはグリシジル基であることを特徴とする請求項1に記載の変性ブロック共重合体。
【請求項4】
前記重合体ブロックAの含有量が、10wt%以上50wt%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【請求項5】
ブロック共重合体が前記重合体ブロックCを有し、且つ共役ジエン単位の75モル%以上が水添されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【請求項6】
少なくとも、グラフト変性前のブロック共重合体、官能基含有不飽和単量体およびパーオキサイド化合物を用いて製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の変性ブロック共重合体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の変性ブロック共重合体と、少なくとも極性樹脂体あるいはフィラーを含有してなる混合組成物。

【公開番号】特開2009−215360(P2009−215360A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57799(P2008−57799)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】