説明

外部デバイス制御装置

【課題】接続中の外部デバイスに異常が発生したときに、この異常の解決方法に関する情報を容易に得ることができる外部デバイス制御装置を提供すること。
【解決手段】車載装置1は、接続された携帯端末装置30を特定する固有情報を取得する固有情報取得部12と、携帯端末装置30の異常の有無を検出する異常検出部13と、異常を検出したときに固有情報を検索キーに含めて、インターネットを介して接続された検索処理部80に対して、異常の解決方法について情報の検索を依頼する検索依頼部14と、この依頼に応じて送られてくる検索結果情報を取得する検索結果取得部15と、取得した前記検索結果情報を表示する検索結果表示部16、表示処理部50、表示装置52とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続中の外部デバイスに異常が発生したときにこの異常の解決方法に関する情報を取得する外部デバイス制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータに接続されたプリンタにエラーまたは警告等が生じたときに、パーソナルコンピュータのプリンタドライバにあらかじめ登録されているURLにアクセスして、サポートホームページを表示させるようにしたデバイス制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このサポートページには、不具合や障害の種類に対応する解決方法等が含まれており、利用者は、このサポートページに表示された解決方法等を参考にプリンタの不具合を解消することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−108355号公報(第5−8頁、図1−8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたデバイス制御装置では、プリンタドライバにサポートページのURLを登録しておく必要がある。特に、プリンタドライバの場合には、プリンタ設置時に製品に添付のCDから読み込んで、プリンタ製造メーカーの特定のウェブページからダウンロードしてパーソナルコンピュータにインストールするケースが多いため、このようなプリンタドライバにサポートページのURLを登録しておくことが可能となる。しかし、この場合にはサポートページのURLが変更になったときにサポートページを表示させることができない。また、プリンタ以外の外部デバイス(例えば、USBポートに接続されるその他の外部デバイス)であって、パーソナルコンピュータのOS(オペレーティングシステム)に標準に備わっている各種のドライバについては、上述したような各外部デバイスに対応するサポートページのURLを登録しておくことはできない。このように、従来は、特定のURLを登録することなく、発生した異常の解決方法に関する情報を得ることはできなかった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、接続中の外部デバイスに異常が発生したときに、この異常の解決方法に関する情報を容易に得ることができる外部デバイス制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の外部デバイス制御装置は、接続された外部デバイスを特定する固有情報を取得する固有情報取得手段と、外部デバイスの異常の有無を検出する異常検出手段と、異常検出手段によって外部デバイスの異常を検出したときに、固有情報を検索キーに含めて、インターネットを介して接続された検索処理手段に対して、異常の解決方法について情報の検索を依頼する検索依頼手段と、検索依頼手段による依頼に応じて検索処理手段から送られてくる検索結果情報を取得する検索結果取得手段と、検索結果取得手段によって取得した検索結果情報を表示する検索結果表示手段とを備えている。これにより、接続中の外部デバイスに異常が発生したときに、この外部デバイスの固有情報を指定してインターネットを利用した異常の解決方法の検索を行うことができ、異常の解決方法に関する情報を容易に得ることができる。
【0007】
また、利用者による指示に応じて、検索結果表示手段に表示された検索結果情報の中から外部デバイスの異常の解決方法が含まれる項目を選択し、この項目に対応する詳細情報を、インターネットを介して取得する詳細情報取得手段をさらに備えることが望ましい。これにより、異常の解決方法に関する詳細情報を確実に取得することができる。
【0008】
また、上述した検索処理手段は、インターネットを介して不特定の利用者に提供される検索エンジンによって実現されることが望ましい。これにより、第三者によって提供されている検索エンジンを利用して、異常の解決方法に関して必要な情報を確実に得ることができる。
【0009】
また、上述した外部デバイスは、USBインタフェースを介して接続されることが望ましい。特に、上述した固有情報取得手段は、外部デバイスの接続時に行われるエニュメレーションによって、固有情報としてのデバイス機器情報とメーカ情報を取得することが望ましい。これにより、特別な操作を行うことなく、正確な固有情報を容易に取得することができる。
【0010】
また、上述した異常検出手段は、外部デバイスに向けてINトークンを送信し、このINトークンに対応する応答がないときに、外部デバイスの異常検出を行うことが望ましい。また、異常検出手段は、INトークンに対応する応答がなく、さらに、USBリセットを発行して応答がないときに、外部デバイスの異常検出を行うことが望ましい。これにより、USBインタフェースを介して接続された外部デバイスが動作不能の異常状態にあることを確実かつ迅速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態の車載装置の全体構成を示す図である。
【図2】携帯端末装置に異常が発生してその解決方法に関する情報を取得する動作手順を示す図である。
【図3】検索結果の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の外部デバイス制御装置を適用した一実施形態の車載装置について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の外部デバイス制御装置としての車載装置の全体構成を示す図である。本実施形態の車載装置1は、接続された外部デバイスとしての携帯端末装置30と連係した処理を行う。例えば、携帯端末装置30は音楽プレーヤの機能を有しており、車載装置1は、携帯端末装置30と連係して楽曲の再生を行う。なお、本実施形態では、車載装置1において、接続された携帯端末装置30の異常を検出し、この検出した異常の解決方法に関する情報を取得することに特徴があり、携帯端末装置30と連係する車載装置1の処理内容自体は楽曲再生以外であってもよい。例えば、ナビゲーション装置としての機能を有する車載装置1に携帯端末装置30を接続するような場合であってもよい。
【0013】
この車載装置1は、所定のネットワーク3を介して情報検索サーバ2と接続される。ネットワーク3は、例えばインターネットであり、車載装置1に接続された携帯電話および基地局(ともに図示せず)を介して接続する場合や、車載装置1に接続された(あるいは内蔵された)無線LAN用の通信装置およびアクセスポイント(ともに図示せず)を介して接続する場合などが考えられる。また、無線LANによって接続可能な場合には無線LANによる接続を行い、無線LANによる接続が不可能な場合(近くにアクセスポイントがない場合など)には携帯電話を用いた接続を行うようにしてもよい。
【0014】
車載装置1は、制御部10、USB(Universal Serial Bus)インタフェース部(USB I/F)20、オーディオ処理部40、増幅器42、表示処理部50、操作部60、通信部70を備えている。
【0015】
制御部10は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することにより、車載装置1の全体を制御する。制御部10の詳細については後述する。USBインタフェース部20は、USB製品である外部デバイスとしての携帯端末装置30との間で信号の入出力を行うためのものであり、USBホストコントローラを含んでいる。
【0016】
オーディオ処理部40は、音楽プレーヤの機能を有する携帯端末装置30から読み込まれる楽曲データを再生するためのものであり、データ形式毎の音声復号処理等を行ってオーディオ信号を出力する。このオーディオ信号は、増幅器42によって増幅され、スピーカ44から出力される。なお、車載装置1のオーディオ音出力は、実際には、2チャンネルあるいはそれ以上のチャンネル数で行われるが、図1に示す構成では、簡略化して1つの増幅器42と1つのスピーカ44が図示されている。
【0017】
表示処理部50は、制御部10によって作成された各種の操作画面等を表示するためのものであり、操作画面等を内容とする映像信号を出力する。この映像信号は、表示装置52に入力されて映像表示が行われる。
【0018】
操作部60は、利用者による各種操作を受け付けるためのものであり、各種のスイッチや操作つまみ等が備わっている。なお、表示装置52の画面に重ねて配置されるタッチパネルを用いて操作部60を構成したり、リモートコントロールユニット等を用いて操作部60を構成するようにしてもよい。通信部70は、情報検索サーバ2との間でネットワーク3を介して各種データを送信あるいは受信するためのものであり、通信方式に応じた所定の処理を行う。
【0019】
次に、制御部10について説明する。図1に示すように、制御部10は、固有情報取得部12、異常検出部13、検索依頼部14、検索結果取得部15、検索結果表示部16を含んで構成されている。
【0020】
固有情報取得部12は、携帯端末装置30の接続時に実施されるエニュメレーションによって得られる携帯端末装置30の固有情報としてのデバイス機器情報とメーカ情報とを取得する。
【0021】
異常検出部13は、定期的にあるいは携帯端末装置30が予期しない動作を行ったときにINトークンを携帯端末装置30に向けて送信し、期待する応答がない場合に、異常の発生を検出する。この異常には、USBインタフェース部20と携帯端末装置30との間の通信に何らかの障害が発生し、携帯端末装置30に向けてUSBリセットを発行することで解消する場合がある。したがって、本実施形態では、異常検出部13は、最初に異常を検出した後USBリセットを発行し、それでも異常が解消されない場合を真の異常と判定する。
【0022】
検索依頼部14は、異常発生時に、固有情報取得部12によって取得した携帯端末装置30の固有情報を特定して、ネットワーク3を介して接続された情報検索サーバ2に対して異常の解決方法についての情報の検索を依頼する。情報検索サーバ2は検索処理部80を有する。検索処理部80は、不特定の利用者に検索サービスを提供する検索エンジンであり、本実施形態では、車載装置1の製造や販売を行うメーカー等とは異なる第三者(企業やその他の団体等)によって、必要な構成や処理手順の構築および内容更新が行われることを想定している。
【0023】
検索結果取得部15は、検索依頼部14による検索依頼に応じて情報検索サーバ2内の検索処理部80から送られてくる検索結果情報を取得する。例えば、上述した検索依頼部14および検索結果取得部15は、ウェブブラウザの機能を利用して実現することができる。また、上述した検索結果情報は、検索処理部80によって抽出された検索結果表示用の情報であり、一般にはテキスト情報と制御情報としてHTMLタグとが含まれるHTML形式のデータが用いられる。検索結果表示部16は、検索結果情報を表示処理部50に送り、表示装置52の画面に表示する。
【0024】
上述した固有情報取得部12が固有情報取得手段に、異常検出部13が異常検出手段に、検索処理部80が検索処理手段に、検索依頼部14が検索依頼手段に、検索結果取得部15が検索結果取得手段、詳細情報取得手段に、検索結果表示部16、表示処理部50、表示装置52が検索結果表示手段にそれぞれ対応する。
【0025】
本実施形態の車載装置1はこのような構成を有しており、次に、接続された携帯端末装置30に異常が発生してその解決方法に関する情報を取得する動作について説明する。
【0026】
図2は、携帯端末装置30に異常が発生してその解決方法に関する情報を取得する動作手順を示す図である。固有情報取得部12は、USBデバイス(携帯端末装置30)が接続されたか否かを判定しており(ステップ100)、接続されるまで否定判断を行ってこの判定を繰り返す。また、USBデバイスが接続されると、ステップ100の判定において肯定判断が行われる。次に、固有情報取得部12は、携帯端末装置30の接続時に実施されるエニュメレーションによって得られる携帯端末装置30の固有情報としてのデバイス機器情報とメーカ情報とを取得する(ステップ102)。その後、携帯端末装置30と連係した再生動作が行われる(ステップ104)。
【0027】
また、この再生動作と並行して、異常検出部13は、何らかの異常が発生したか否かを判定する(ステップ106)。異常が発生していない場合には否定判断が行われ、ステップ104に戻って再生動作が継続される。また、何らかの異常が発生すると、ステップ106の判定において肯定判断が行われる。次に、異常検出部13は、携帯端末装置30に向けてUSBリセットを発行し(ステップ108)、応答(ACK)が携帯端末装置30から返ってきたか否かを判定する(ステップ110)。応答が返ってきた場合には、携帯端末装置30との間の単なる通信異常である場合が考えられ、肯定判断が行われた後、ステップ102に戻って固有情報の取得以降の動作が繰り返される。
【0028】
また、USBリセットに対して応答がない場合にはステップ110の判定において否定判断が行われる。この場合には、異常検出部13は、携帯端末装置30自身の異常であると判定する(ステップ112)。
【0029】
次に、検索依頼部14は、検索エンジンとしての検索処理部80を特定するURL(Uniform Resource Locator)を指定し、固有情報取得部12によって取得した固有情報を検索キーに含ませて、検索処理部80に対して解決方法についての情報検索を依頼する(ステップ114)。
【0030】
検索処理部80ではこの検索依頼に対して検索キーに基づく関連情報の検索をウェブページを対象に行い、検索結果取得部15は、検索結果としてのHTML形式のデータ(HTMLデータ)を取得し(ステップ116)、検索結果表示部16はこの取得結果を表示する(ステップ118)。
【0031】
図3は、検索結果の表示例を示す図である。図3に示す例では、固有情報としてのデバイス機器情報(A)とメーカ情報(B社)に加え、解決方法としての「リセット」が検索キーとして指定されて検索エンジンに対して検索依頼を行った場合が示されている。なお、「リセット」の代わりに「異常発生時の解決方法」等の他の検索キーを指定するようにしてもよい。
【0032】
また、項目200、210、220は、リンクが張られた見出し部分である。また、項目202、212、222は、見出し部分に対応する内容の要約a、b、cである。利用者は、要約a、b、cを見て、項目200、210、220の中から詳細情報を知りたいものを選択することができる。この選択は、利用者自身が操作部60を操作して項目200、210、220のいずれかを指し示すことにより行われる。利用者によっていずれかの項目が指し示されると、検索依頼部14は、この指し示された項目に対応するリンクのURLを指定し、検索結果取得部15は、このURLから送られてくる詳細情報としての検索結果であるHTML形式のデータを取得し、検索結果表示部16はこの詳細情報を表示する。なお、図3に示す検索結果を表示した後の詳細情報の取得については、通常のインターネットを用いた情報の取得と同じであり、ウェブブラウザの機能を利用して容易に実現することができる。
【0033】
このように、本実施形態の車載装置1では、接続中の外部デバイスである携帯端末装置30に異常が発生したときに、この携帯端末装置30の固有情報を指定してインターネットを利用した異常の解決方法の検索を行うことができ、異常の解決方法に関する情報を容易に得ることができる。第三者によって提供されている検索エンジンを利用することにより、異常の解決方法に関して必要な情報を確実に得ることができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、上述した実施形態では、USB製品としての外部デバイスを接続する場合について説明したが、固有情報を取得することができるものであれば、USB製品以外の外部デバイスを他のインタフェースを介して接続する場合にも本発明を適用することができる。
【0035】
また、上述した実施形態では、車載装置1に携帯端末装置30を接続する場合について説明したが、車載装置1以外の国内等に設置の機器あるいはパーソナルコンピュータ等にUSB製品を接続する場合について、広く本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述したように、本発明によれば、携帯端末装置30に異常が発生したときに、この携帯端末装置30の固有情報を指定してインターネットを利用した異常の解決方法の検索を行うことができ、異常の解決方法に関する情報を容易に得ることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 車載装置
2 情報検索サーバ
3 ネットワーク
10 制御部
12 固有情報取得部
13 異常検出部
14 検索依頼部
15 検索結果取得部
16 検索結果表示部
20 USBインタフェース部(USB I/F)
30 携帯端末装置
40 オーディオ処理部
42 増幅器
50 表示処理部
60 操作部
70 通信部
80 検索処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された外部デバイスを特定する固有情報を取得する固有情報取得手段と、
前記外部デバイスの異常の有無を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段によって前記外部デバイスの異常を検出したときに、前記固有情報を検索キーに含めて、インターネットを介して接続された検索処理手段に対して、異常の解決方法について情報の検索を依頼する検索依頼手段と、
前記検索依頼手段による依頼に応じて前記検索処理手段から送られてくる検索結果情報を取得する検索結果取得手段と、
前記検索結果取得手段によって取得した前記検索結果情報を表示する検索結果表示手段と、
を備えることを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
利用者による指示に応じて、前記検索結果表示手段に表示された検索結果情報の中から前記外部デバイスの異常の解決方法が含まれる項目を選択し、この項目に対応する詳細情報を、インターネットを介して取得する詳細情報取得手段をさらに備えることを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記検索処理手段は、インターネットを介して不特定の利用者に提供される検索エンジンによって実現されることを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記外部デバイスは、USBインタフェースを介して接続されることを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記固有情報取得手段は、前記外部デバイスの接続時に行われるエニュメレーションによって、前記固有情報としてのデバイス機器情報とメーカ情報を取得することを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記異常検出手段は、前記外部デバイスに向けてINトークンを送信し、このINトークンに対応する応答がないときに、前記外部デバイスの異常検出を行うことを特徴とする外部デバイス制御装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記異常検出手段は、前記INトークンに対応する応答がなく、さらに、USBリセットを発行して応答がないときに、前記外部デバイスの異常検出を行うことを特徴とする外部デバイス制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−220981(P2012−220981A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82592(P2011−82592)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)