説明

外部機器匣体

【目的】 部品点数を削減し、作業性を向上させ、外観も良好にする。
【構成】 下側キャビネット1と上側キャビネット2とドアフラップ3とから成り、下側キャビネットと上側キャビネットにはその後端部に係合部12a、21aと側縁部にスライド係合部13a、13b、13c、13d、22a、22b、22c、22dとが設けられると共に、下側キャビネットと上側キャビネットの前側の両側縁部に重ね合わされる形状の部分14、23が設けられ、この両側縁部の重ね合わされた部分にそれぞれ連通する孔14a、14b、23a、23bが設けられ、これらの孔にそれぞれブッシング4a、4bが挿入されて下側キャビネットと上側キャビネットが固定されると共に、これらのブッシングを軸受けとしてドアフラップの回動軸33a、33bが取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、いわゆる外付けのフロッピー・ディスク・ドライブ(FDD)等の外部機器の収容される外部機器匣体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば外付けのフロッピー・ディスク・ドライブ(FDD)の収容される外部機器匣体としては、従来から下側キャビネットと上側キャビネットとを組み立てて、下側キャビネットの底面からネジ止めにて固定する装置が知られている。しかしながらこのような外部機器匣体では、ネジ止めに例えば4本のビスを使用するなど部品点数が多くなる。また組み立てに4本のビスの締結の作業が含まれて作業性が悪い。さらにキャビネットの底面にビスの頭が露出して外観が劣る、などの問題を生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、従来の装置では部品点数が多く、作業性が悪く、外観が劣るなどの問題を生じるというものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下側キャビネット1と上側キャビネット2とドアフラップ3とから成り、上記下側キャビネットと上側キャビネットにはその後端部に係合部12a、21aと側縁部にスライド係合部13a、13b、13c、13d、22a、22b、22c、22dとが設けられると共に、上記下側キャビネットと上側キャビネットの前側の両側縁部が重ね合わされる形状(部分14、23)とされ、この両側縁部が重ね合わされた部分にそれぞれ連通する孔14a、14b、23a、23bが設けられ、これらの孔にそれぞれブッシング4a、4bが挿入されて上記下側キャビネットと上側キャビネットが固定されると共に、これらのブッシングを軸受けとして上記ドアフラップが回動自在(軸33a、33b)に取り付けられるようにした外部機器匣体である。
【0005】
【作用】これによれば、部品点数が削減され、作業性が向上され、外観も良好にすることができる。
【0006】
【実施例】図1において、この外部機器匣体は下側キャビネット1と上側キャビネット2とドアフラップ3とから形成されている。そしてまず下側キャビネット1には、後端部に収容される例えばフロッピー・ディスク・ドライブ(FDD)の接続コード(図示せず)が固定されて導出されるコードクランパー11が設けられ、このコードクランパー11に接続コードのリブフランジ12が挿入され、このリブフランジ12に係合部12aが設けられる。
【0007】さらにこの下側キャビネット1の側縁部にスライド係合部13a、13b、13c、13dが設けられる。またこの下側キャビネット1の前側の両側縁部に後述する上側キャビネット2の部分23と重ね合わされる部分14が設けられ、これらの部分14にそれぞれ後述する上側キャビネット2の孔23a、23bと連通する孔14a、14bが設けられる。
【0008】またこの下側キャビネット1の側縁部の内側に後述するシールド5の係止部15が設けられる。さらにこの下側キャビネット1の内側の底部にシールド5及び収容される機器の位置決め用のボス16a、16b、16c、16dが設けられると共に、これらのボス16a、16b、16c、16dの周囲には僅かな段部17a、17b、17c、17dが設けられて、シールド5が底部より浮かされるようになっている。
【0009】なおシールド5は周囲が折り曲げられて、下側キャビネット1の内側を後端部及び側縁部で覆う形状にされると共に、後端部側には接続コード(図示せず)を覆う折り曲げ部51が設けられる。また上述のボス16a、16b、16c、16dの挿通される孔52a、52b、52c、52dが設けられている。
【0010】これに対して、上側キャビネット2には後端部に係合部12aに対応する係合部21aが設けられる。また側縁部にスライド係合部13a、13b、13c、13dに対応する係合部22a、22b、22c、22dが設けられる。さらに前側の両側縁部に前述の下側キャビネット1の部分14と重ね合わされる部分23が設けられ、これらの部分23にそれぞれ下側キャビネット1の孔14a、14bと連通する孔23a、23bが設けられる。
【0011】またこの上側キャビネット2の側縁部の内側に後述するシールド6の係止部24が設けられる。さらにこの上側キャビネット2の内側の底(天井)部に所定の凸条25、26が設けられる。これに対してシールド6は周囲が折り曲げられて、上側キャビネット2の内側を後端部及び側縁部で覆う形状にされると共に、上述の凸条25、26に対応する位置に舌片61、62が設けられて、シールド6が底部より浮かされるようになっている。
【0012】従ってこの装置において、図2のAに示すように下側キャビネット1と上側キャビネット2を前後にずらした状態で重ね合わせ、同図のBに示すように下側キャビネット1に対して上側キャビネット2を後方にスライドさせることによって、スライド係合部13a、13b、13c、13dと係合部22a、22b、22c、22dが係合され、さらに係合部12aと係合部21aが係合される。そしてこの状態で、同図のCに示すように下側キャビネット1の孔14a、14bと上側キャビネット2の孔23a、23bとがそれぞれ連通され、これらの連通された孔14aと23a、孔14bと23bにそれぞれブッシング4a、4bが挿入される。これによって下側キャビネット1と上側キャビネット2が固定される。
【0013】さらにドアフラップ3は全体がコ字状に形成され、ドアフラップ3の中間部分31にて固定された下側キャビネット1と上側キャビネット2の前面の開口が覆われると共に、ドアフラップ3の両側の部分32a、32bの互いに対向する面にはそれぞれ回動軸33a、33bが設けられ、これらの回動軸33a、33bが同図のDに示すように上述の孔14aと23a、孔14bと23bに挿入されたブッシング4a、4bにて軸受けされるように取り付けられる。これによって同図のEに示すようにブッシング4a、4bはドアフラップ3の両側の部分32a、32bにて遮蔽される。
【0014】こうして上述の装置によれば、部品点数が削減され、作業性が向上され、外観も良好にすることができるものである。
【0015】すなわち上述の装置において、下側キャビネット1と上側キャビネット2との固定にビス等を使用しないので部品点数が削減されると共に、作業性も向上される。またブッシング4a、4bはドアフラップ3の両側の部分32a、32bにて遮蔽されるので外観も良好にすることができる。
【0016】なお上述の装置によれば、シールド5、6がそれぞれ下側キャビネット1と上側キャビネット2の底部より浮かされるようになっているので、収容される機器はこれらのシールド5、6にて弾性的に挟持され、機器等を良好に保持することができる。
【0017】
【発明の効果】この発明によれば、部品点数が削減され、作業性が向上され、外観も良好にすることができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による外部機器匣体の一例の構成を示す分解斜視図である。
【図2】その説明のための図である。
【符号の説明】
1 下側キャビネット
2 上側キャビネット
3 ドアフラップ
12a、21a 係合部
13a、13b、13c、13d スライド係合部
22a、22b、22c、22d 係合部
14、23 部分
14a、14b、23a、23b 連通する孔
4a、4b ブッシング
33a、33b 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下側キャビネットと上側キャビネットとドアフラップとから成り、上記下側キャビネットと上側キャビネットにはその後端部に係合部と側縁部にスライド係合部とが設けられると共に、上記下側キャビネットと上側キャビネットの前側の両側縁部が重ね合わされる形状とされ、この両側縁部が重ね合わされた部分にそれぞれ連通する孔が設けられ、これらの孔にそれぞれブッシングが挿入されて上記下側キャビネットと上側キャビネットが固定されると共に、これらのブッシングを軸受けとして上記ドアフラップが回動自在に取り付けられるようにした外部機器匣体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開平5−28729
【公開日】平成5年(1993)2月5日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−186354
【出願日】平成3年(1991)7月25日
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)