外部電極を有する照明装置
【課題】本発明の目的は、安価で容易に製作ができ、長寿命および均一な放電を達成するための照明装置を提供することである。
【解決手段】本発明の照明装置10bは、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管12と、蛍光管12の両端部の外周に設けられた外部電極21と、外部電極21に電圧を印加するために、外部電極21に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体16と、を有する照明装置10bであって、導電体で形成された板体16に、外部電極21と接触する導電性の弾性体22を設け、外部電極21と弾性体22との接触が面接触となっている。
【解決手段】本発明の照明装置10bは、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管12と、蛍光管12の両端部の外周に設けられた外部電極21と、外部電極21に電圧を印加するために、外部電極21に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体16と、を有する照明装置10bであって、導電体で形成された板体16に、外部電極21と接触する導電性の弾性体22を設け、外部電極21と弾性体22との接触が面接触となっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電極蛍光ランプを用いる照明装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイの大型化に伴い、バックライトとして外部電極蛍光ランプ(EEFL:external
electrode fluorescent lamp)を使用することが増えている。
【0003】
図10に示すように、EEFL30は、内面に蛍光体の層(図示せず)を有し、水銀と希ガスを封入した蛍光管32と、蛍光管32の両端部に設けた外部電極34とを有するものである。EEFL30は、周知の冷陰極蛍光ランプ(CCFL:cold cathode fluorescent lamp)のようにに蛍光管の内部に電極がないため、放電による電極の消耗がない。したがって、EEFL30はCCFLよりも長寿命である。
【0004】
大型の液晶ディスプレイでは複数のEEFL30を並列接続して使用する。図11および図12に示すように、平行に並べた複数の蛍光管32の端部にある外部電極34を両側から金属板36で挟み込む。図12の2枚の金属板36は一方が絶縁板であっても良い。金属板36で容易に並列接続ができる。金属板36がソケットの役割を果たす。
【0005】
しかし、外部電極34の断面がリング状であるため、外部電極34と金属板36とは線接触であり、接触面積が非常に小さい。EEFL30はCCFLよりも印加電圧が高く、1000V以上である。外部電極34と金属板36との接触部分に電流が集中するため、外部電極34の接触部分の劣化が早くなる。一般に約60000時間の使用が可能であると言われるEEFL30であっても、外部電極34の劣化によって耐用時間が減少する。また、電流の集中によって蛍光管32内での放電が不均一になるおそれがある。
【0006】
図12の並列接続であれば、蛍光管32および外部電極34の厚みを一定にする必要がある。一定にしないと2枚の金属板36で複数の外部電極34を挟んだときに、接触不良となるEEFL30が発生する。接触不良により、点灯できないEEFL30が発生する。
【0007】
また、外部電極34を製造するためには、成分がガラスである蛍光管32の上に金属薄膜34を形成する必要がある。このような製造技術は高度なものが必要とされ、製造設備も高価となる。
【0008】
引用文献1に長寿命化および輝度の均一化を目的としたEEFLが開示されている。このEEFLは、蛍光体の層の上に水銀に対して親和性の高い金属酸化物を被着させている。金属酸化物によって主照射面への水銀の凝集を回避させている。このことにより、輝度の均一化が保たれ、長時間の使用が可能である。しかし、電極については記載が無く、電極の劣化によって製品寿命を短縮してしまうおそれがある。
【0009】
【特許文献1】特開2004−253246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、安価で容易に製作ができ、長寿命および均一な放電を達成するための照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明装置の要旨は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極とを有する照明装置であって、前記外部電極が導電性の弾性体で形成された層を含む。両端部の外部電極に交流電圧を印加することによって、蛍光管の内部で放電が起こり、蛍光体の層が発光する。
【0012】
また、本発明の他の照明装置の要旨は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、を有する照明装置であって、前記2枚の板体の内の少なくとも一方に、前記外部電極と接触する導電性の弾性体を設け、該外部電極と弾性体との接触が面接触である。2枚の板体に設けられた導電性の弾性体より外部電極に電圧が印加される。両端部の外部電極間に交流電圧が印加されることによって、蛍光管の内部で放電が起こり、蛍光体の層が発光する。また、2枚の板体は、少なくとも一方が導電性の弾性体で形成されていても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部電極として導電性の弾性体を使用することにより、外部電極とソケットとなる板体との接触面積を広げることができる。このことにより、電流の集中を防止することができ、外部電極の寿命を延ばすことができる。また、外部電極の厚みが多少異なる蛍光管同士でも、外部電極に圧力をかけながら板体で挟み込むことにより、全ての外部電極を確実に接続することができる。弾性体を板体に設けても同様の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の照明装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示す本発明の照明装置10は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層(図示せず)を有する蛍光管12と、蛍光管12の両端部の外周を1周するように設けられた外部電極14とを有する。なお、電源に関しては、一般の商用電源か電池を使用し、それに応じた電源回路を設ける。
【0016】
蛍光管12は、円筒のガラス管を利用し、ガラス管の内面に蛍光体の層を有する。蛍光管12の内部には、水銀および希ガスが封止されている。
【0017】
外部電極14は、導電性の弾性体で形成されている。例えば、弾性体は導電性ゴムを使用する。この導電性ゴムはゴムの内部に均一にカーボン粉末を混入させたものである。蛍光管12の端部にリング形状の導電性ゴムをはめ込むだけで外部電極14を形成できる。従来よりあるEEFLの外部電極よりも簡単・安価に外部電極14を形成できる。また、ゴムの中に金属細線を多数混入させて、導電性を有する弾性体にしても良い。
【0018】
図2(a)に示すように、本発明は、外部電極14に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体16を含む。この板体16は、外部電極14に電圧を印加するための物であり、ソケットの役割である。外部電極14を挟み込むだけで簡単に電源との接続をおこなうことができる。図2(b)に示すように、一方の板体16bが凹部17を有するものであっても良い。また、両方の板体16に凹部17を設けても良い。凹部17に外部電極14をはめ込むので位置あわせが簡単である。
【0019】
外部電極14が弾性体であるため、板体16で圧力をかけながら挟み込んだときに、図2(a)のように外部電極14が押しつぶされる。外部電極14と板体16との接触が線接触から面接触となる。したがって、従来技術で説明した接触部分の電流の集中が無くなる。外部電極14の劣化を防止することができ、外部電極14の寿命を延ばすことができる。外部電極14での電流の集中がないため、蛍光管12内での放電を均一におこなうことができる。
【0020】
以上のように、外部電極14となる弾性体は、従来の金属で形成された電極よりも厚く、外部からの力で変形しやすいことが条件となる。例えば、蛍光管12の外径が約4mmであれば、弾性体である外部電極14の厚みは約1mm位が適当であり、この場合、外部電極14と板体16との接触面積は約50mm2となった。
【0021】
図3および図4のように、複数の蛍光管12を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極14同士を板体16で電気接続してもよい。蛍光管12を並列接続するためである。大型の液晶ディスプレイのバックライトとして使用できる。外部電極14が弾性体なので外部電極14の外径の違いが多少あっても、全ての外部電極14が圧力をかけて挟み込まれることにより、全ての外部電極14を確実に接続することができる。
【0022】
以上のように外部電極14に導電性の弾性体を使用することによって、外部電極14と板体16との接触面積を広げることができる。電流の集中を回避することができ、外部電極14の劣化を防ぐことができる。また、電流の集中がないため、放電を均一におこなうことができる。さらに、導電性の弾性体によって複数の蛍光管12の並列接続を確実にすることができる。
【0023】
以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されることはない。例えば、外部電極の変形の仕方によっては、外部電極と蛍光管とに隙間ができる場合がある。隙間によって放電が不均一になる場合がある。そこで、図5に示すように、外部電極19は、蛍光管12の外周を1周するように形成された導電性樹脂18を含むようにする。この導電性樹脂18の上に導電性の弾性体15を取り付ける。すなわち、外部電極19が複数の層を有するようにし、板体16と接触する部分が弾性体15となるようにする。導電性樹脂18は、カーボンを含有し、硬化時に収縮する塗料を塗布して形成する。硬化時に収縮するため、カーボン同士が結合し、導電性を有する樹脂膜となる。図6のように、弾性体15と樹脂18との間に隙間20が発生しても、樹脂18と蛍光管12とには隙間ができないため、放電を均一におこなうことができる。なお、樹脂18が金属などの導電体であっても電流の集中を避けることができる。
【0024】
図7のように導電性の弾性体22を板体16の方に設けた照明装置10bであっても良いし、板体16全体自体を導電性の弾性体で構成しても良い。2枚の板体16はいずれか一方が導電性を有していればよい。弾性体22を設ける板体16は導電性を有する方である。2枚の板体16が導電性を有するのであれば、少なくとも一方の板体に弾性体22を設ける。2枚の板体16が外部電極21に対して圧力をかけながら挟み込むことによって、弾性体22が変形する。弾性体22と外部電極21との接触面積が増えることによって、外部電極21での電流の集中を防止することができる。板体16自体を導電性の弾性体で形成する場合、少なくとも一方の板体16を弾性体となるようにする。板体16自体が弾性体であれば、板体としての形状が崩れずに外部電極21と接触させるために、必要に応じて補強部材を設けても良い。
【0025】
図7の場合も、図4のように複数の蛍光管12を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極21同士を板体16で電気接続してもよい。蛍光管12を並列接続するためである。外部電極21との接触が弾性体22であるので、外部電極の厚みがばらついていても、接続を確実にすることができる。
【0026】
外部電極21は、蛍光管12の外周に導電性樹脂を塗布して形成してもよい。上述したように、樹脂を塗布・硬化させるだけで簡単に形成することができる。なお、本実施形態であれば、金属の外部電極であっても同様の効果が得られる。
【0027】
また、板体16において、外部電極21と対向する面の全体に弾性体22を設けても良い。外部電極21と対向する板体16の表面の全体に弾性体22の層ができる。外部電極の位置が多少ずれても外部電極21に電圧を印加できる。なお、弾性体22によって複数の蛍光管12を並列接続することができるので、板体16は不導体であっても良い。
【0028】
図8のように、導電性の板体16と絶縁性の板体17とを使用して蛍光管12を挟み込む場合、絶縁性の板体17に絶縁性の弾性体23を使用しても良い。絶縁性の弾性体23はスポンジなどを使用する。二つの弾性体22,23によって蛍光管12を押さえながら挟み込む。蛍光管12を弾性体22,23で押さえるので、弾性体22,23が凹み、蛍光管12が移動しにくくなる。蛍光管12と弾性体22,23との接触が線ではなく面となり、蛍光管12への力も分散され、蛍光管12の破損を少なくすることができる。外部電極21と導電性の弾性体22との接触は面接触となり、電流の集中を防ぐことができる。蛍光管12を並列に並べたときの位置決めを自在にすることができ、生産効率が向上する。
【0029】
図9のように、周知のCCFLの蛍光管12の両端部に導電性の弾性体を取り付けて外部電極14としても良い。リング状の導電性ゴムを取り付けるだけで、EEFLとして使用することができる。また、内部電極24と外部電極14との両方を利用しCCFLとEEFLの動作を同時にさせるようにしてもよい。
【0030】
外部電極に弾性体を使用したり、板体に弾性体を設けたりしたが、両方に弾性体を設けても良い。
【0031】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の照明装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の照明装置の外部電極と板体とを接触させたときの断面図であり、(a)はフラットな2枚の板体で外部電極を挟んだ場合の断面図であり、(b)は一方の板体の窪みに外部電極をはめ込んで2枚の板体で外部電極を挟み込んだ場合の断面図である。
【図3】複数の蛍光管を並列接続したときの図である。
【図4】図3の場合の外部電極と板体との接触の様子を示す図である。
【図5】外部電極を導電性の塗料の層と導電性の弾性体の層とを有する場合の断面図である。
【図6】導電性の塗料と導電性の弾性体との間に空間ができた場合の断面図である。
【図7】板体に導電性の弾性体を設けた場合の断面図である。
【図8】板体の一方を絶縁体にしてその上に絶縁性の弾性体を設けた場合の断面図である。
【図9】CCFLの蛍光管に導電性の弾性体を取り付けた図である。
【図10】従来のEEFLの外観を示す図である。
【図11】図10のEEFLを並列接続した図である。
【図12】図11の場合の外部電極と板体との接触の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10,10b,10c:照明装置
12:蛍光管
14,19,21:外部電極
15,22:弾性体
16:板体
17:凸部
18:樹脂膜
20:空間
24:内部電極
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電極蛍光ランプを用いる照明装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイの大型化に伴い、バックライトとして外部電極蛍光ランプ(EEFL:external
electrode fluorescent lamp)を使用することが増えている。
【0003】
図10に示すように、EEFL30は、内面に蛍光体の層(図示せず)を有し、水銀と希ガスを封入した蛍光管32と、蛍光管32の両端部に設けた外部電極34とを有するものである。EEFL30は、周知の冷陰極蛍光ランプ(CCFL:cold cathode fluorescent lamp)のようにに蛍光管の内部に電極がないため、放電による電極の消耗がない。したがって、EEFL30はCCFLよりも長寿命である。
【0004】
大型の液晶ディスプレイでは複数のEEFL30を並列接続して使用する。図11および図12に示すように、平行に並べた複数の蛍光管32の端部にある外部電極34を両側から金属板36で挟み込む。図12の2枚の金属板36は一方が絶縁板であっても良い。金属板36で容易に並列接続ができる。金属板36がソケットの役割を果たす。
【0005】
しかし、外部電極34の断面がリング状であるため、外部電極34と金属板36とは線接触であり、接触面積が非常に小さい。EEFL30はCCFLよりも印加電圧が高く、1000V以上である。外部電極34と金属板36との接触部分に電流が集中するため、外部電極34の接触部分の劣化が早くなる。一般に約60000時間の使用が可能であると言われるEEFL30であっても、外部電極34の劣化によって耐用時間が減少する。また、電流の集中によって蛍光管32内での放電が不均一になるおそれがある。
【0006】
図12の並列接続であれば、蛍光管32および外部電極34の厚みを一定にする必要がある。一定にしないと2枚の金属板36で複数の外部電極34を挟んだときに、接触不良となるEEFL30が発生する。接触不良により、点灯できないEEFL30が発生する。
【0007】
また、外部電極34を製造するためには、成分がガラスである蛍光管32の上に金属薄膜34を形成する必要がある。このような製造技術は高度なものが必要とされ、製造設備も高価となる。
【0008】
引用文献1に長寿命化および輝度の均一化を目的としたEEFLが開示されている。このEEFLは、蛍光体の層の上に水銀に対して親和性の高い金属酸化物を被着させている。金属酸化物によって主照射面への水銀の凝集を回避させている。このことにより、輝度の均一化が保たれ、長時間の使用が可能である。しかし、電極については記載が無く、電極の劣化によって製品寿命を短縮してしまうおそれがある。
【0009】
【特許文献1】特開2004−253246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、安価で容易に製作ができ、長寿命および均一な放電を達成するための照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の照明装置の要旨は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極とを有する照明装置であって、前記外部電極が導電性の弾性体で形成された層を含む。両端部の外部電極に交流電圧を印加することによって、蛍光管の内部で放電が起こり、蛍光体の層が発光する。
【0012】
また、本発明の他の照明装置の要旨は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、を有する照明装置であって、前記2枚の板体の内の少なくとも一方に、前記外部電極と接触する導電性の弾性体を設け、該外部電極と弾性体との接触が面接触である。2枚の板体に設けられた導電性の弾性体より外部電極に電圧が印加される。両端部の外部電極間に交流電圧が印加されることによって、蛍光管の内部で放電が起こり、蛍光体の層が発光する。また、2枚の板体は、少なくとも一方が導電性の弾性体で形成されていても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外部電極として導電性の弾性体を使用することにより、外部電極とソケットとなる板体との接触面積を広げることができる。このことにより、電流の集中を防止することができ、外部電極の寿命を延ばすことができる。また、外部電極の厚みが多少異なる蛍光管同士でも、外部電極に圧力をかけながら板体で挟み込むことにより、全ての外部電極を確実に接続することができる。弾性体を板体に設けても同様の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の照明装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示す本発明の照明装置10は、両端部が封止され、内面に蛍光体の層(図示せず)を有する蛍光管12と、蛍光管12の両端部の外周を1周するように設けられた外部電極14とを有する。なお、電源に関しては、一般の商用電源か電池を使用し、それに応じた電源回路を設ける。
【0016】
蛍光管12は、円筒のガラス管を利用し、ガラス管の内面に蛍光体の層を有する。蛍光管12の内部には、水銀および希ガスが封止されている。
【0017】
外部電極14は、導電性の弾性体で形成されている。例えば、弾性体は導電性ゴムを使用する。この導電性ゴムはゴムの内部に均一にカーボン粉末を混入させたものである。蛍光管12の端部にリング形状の導電性ゴムをはめ込むだけで外部電極14を形成できる。従来よりあるEEFLの外部電極よりも簡単・安価に外部電極14を形成できる。また、ゴムの中に金属細線を多数混入させて、導電性を有する弾性体にしても良い。
【0018】
図2(a)に示すように、本発明は、外部電極14に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体16を含む。この板体16は、外部電極14に電圧を印加するための物であり、ソケットの役割である。外部電極14を挟み込むだけで簡単に電源との接続をおこなうことができる。図2(b)に示すように、一方の板体16bが凹部17を有するものであっても良い。また、両方の板体16に凹部17を設けても良い。凹部17に外部電極14をはめ込むので位置あわせが簡単である。
【0019】
外部電極14が弾性体であるため、板体16で圧力をかけながら挟み込んだときに、図2(a)のように外部電極14が押しつぶされる。外部電極14と板体16との接触が線接触から面接触となる。したがって、従来技術で説明した接触部分の電流の集中が無くなる。外部電極14の劣化を防止することができ、外部電極14の寿命を延ばすことができる。外部電極14での電流の集中がないため、蛍光管12内での放電を均一におこなうことができる。
【0020】
以上のように、外部電極14となる弾性体は、従来の金属で形成された電極よりも厚く、外部からの力で変形しやすいことが条件となる。例えば、蛍光管12の外径が約4mmであれば、弾性体である外部電極14の厚みは約1mm位が適当であり、この場合、外部電極14と板体16との接触面積は約50mm2となった。
【0021】
図3および図4のように、複数の蛍光管12を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極14同士を板体16で電気接続してもよい。蛍光管12を並列接続するためである。大型の液晶ディスプレイのバックライトとして使用できる。外部電極14が弾性体なので外部電極14の外径の違いが多少あっても、全ての外部電極14が圧力をかけて挟み込まれることにより、全ての外部電極14を確実に接続することができる。
【0022】
以上のように外部電極14に導電性の弾性体を使用することによって、外部電極14と板体16との接触面積を広げることができる。電流の集中を回避することができ、外部電極14の劣化を防ぐことができる。また、電流の集中がないため、放電を均一におこなうことができる。さらに、導電性の弾性体によって複数の蛍光管12の並列接続を確実にすることができる。
【0023】
以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されることはない。例えば、外部電極の変形の仕方によっては、外部電極と蛍光管とに隙間ができる場合がある。隙間によって放電が不均一になる場合がある。そこで、図5に示すように、外部電極19は、蛍光管12の外周を1周するように形成された導電性樹脂18を含むようにする。この導電性樹脂18の上に導電性の弾性体15を取り付ける。すなわち、外部電極19が複数の層を有するようにし、板体16と接触する部分が弾性体15となるようにする。導電性樹脂18は、カーボンを含有し、硬化時に収縮する塗料を塗布して形成する。硬化時に収縮するため、カーボン同士が結合し、導電性を有する樹脂膜となる。図6のように、弾性体15と樹脂18との間に隙間20が発生しても、樹脂18と蛍光管12とには隙間ができないため、放電を均一におこなうことができる。なお、樹脂18が金属などの導電体であっても電流の集中を避けることができる。
【0024】
図7のように導電性の弾性体22を板体16の方に設けた照明装置10bであっても良いし、板体16全体自体を導電性の弾性体で構成しても良い。2枚の板体16はいずれか一方が導電性を有していればよい。弾性体22を設ける板体16は導電性を有する方である。2枚の板体16が導電性を有するのであれば、少なくとも一方の板体に弾性体22を設ける。2枚の板体16が外部電極21に対して圧力をかけながら挟み込むことによって、弾性体22が変形する。弾性体22と外部電極21との接触面積が増えることによって、外部電極21での電流の集中を防止することができる。板体16自体を導電性の弾性体で形成する場合、少なくとも一方の板体16を弾性体となるようにする。板体16自体が弾性体であれば、板体としての形状が崩れずに外部電極21と接触させるために、必要に応じて補強部材を設けても良い。
【0025】
図7の場合も、図4のように複数の蛍光管12を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極21同士を板体16で電気接続してもよい。蛍光管12を並列接続するためである。外部電極21との接触が弾性体22であるので、外部電極の厚みがばらついていても、接続を確実にすることができる。
【0026】
外部電極21は、蛍光管12の外周に導電性樹脂を塗布して形成してもよい。上述したように、樹脂を塗布・硬化させるだけで簡単に形成することができる。なお、本実施形態であれば、金属の外部電極であっても同様の効果が得られる。
【0027】
また、板体16において、外部電極21と対向する面の全体に弾性体22を設けても良い。外部電極21と対向する板体16の表面の全体に弾性体22の層ができる。外部電極の位置が多少ずれても外部電極21に電圧を印加できる。なお、弾性体22によって複数の蛍光管12を並列接続することができるので、板体16は不導体であっても良い。
【0028】
図8のように、導電性の板体16と絶縁性の板体17とを使用して蛍光管12を挟み込む場合、絶縁性の板体17に絶縁性の弾性体23を使用しても良い。絶縁性の弾性体23はスポンジなどを使用する。二つの弾性体22,23によって蛍光管12を押さえながら挟み込む。蛍光管12を弾性体22,23で押さえるので、弾性体22,23が凹み、蛍光管12が移動しにくくなる。蛍光管12と弾性体22,23との接触が線ではなく面となり、蛍光管12への力も分散され、蛍光管12の破損を少なくすることができる。外部電極21と導電性の弾性体22との接触は面接触となり、電流の集中を防ぐことができる。蛍光管12を並列に並べたときの位置決めを自在にすることができ、生産効率が向上する。
【0029】
図9のように、周知のCCFLの蛍光管12の両端部に導電性の弾性体を取り付けて外部電極14としても良い。リング状の導電性ゴムを取り付けるだけで、EEFLとして使用することができる。また、内部電極24と外部電極14との両方を利用しCCFLとEEFLの動作を同時にさせるようにしてもよい。
【0030】
外部電極に弾性体を使用したり、板体に弾性体を設けたりしたが、両方に弾性体を設けても良い。
【0031】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の照明装置の外観を示す図である。
【図2】本発明の照明装置の外部電極と板体とを接触させたときの断面図であり、(a)はフラットな2枚の板体で外部電極を挟んだ場合の断面図であり、(b)は一方の板体の窪みに外部電極をはめ込んで2枚の板体で外部電極を挟み込んだ場合の断面図である。
【図3】複数の蛍光管を並列接続したときの図である。
【図4】図3の場合の外部電極と板体との接触の様子を示す図である。
【図5】外部電極を導電性の塗料の層と導電性の弾性体の層とを有する場合の断面図である。
【図6】導電性の塗料と導電性の弾性体との間に空間ができた場合の断面図である。
【図7】板体に導電性の弾性体を設けた場合の断面図である。
【図8】板体の一方を絶縁体にしてその上に絶縁性の弾性体を設けた場合の断面図である。
【図9】CCFLの蛍光管に導電性の弾性体を取り付けた図である。
【図10】従来のEEFLの外観を示す図である。
【図11】図10のEEFLを並列接続した図である。
【図12】図11の場合の外部電極と板体との接触の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
10,10b,10c:照明装置
12:蛍光管
14,19,21:外部電極
15,22:弾性体
16:板体
17:凸部
18:樹脂膜
20:空間
24:内部電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、
前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、
前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、
を有する照明装置であって、
前記導電体で形成された板体に、前記外部電極と接触する導電性の弾性体を設け、該外部電極と弾性体との接触が面接触である照明装置。
【請求項2】
複数の前記蛍光管を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極同士を前記板体で電気接続した請求項1の照明装置。
【請求項3】
前記2枚の板体の内の一方が絶縁体である場合、該絶縁体に絶縁性の弾性体の層を設け、前記導電性の弾性体と該絶縁性の弾性体とで前記外部電極を挟み込む請求項1または2の照明装置。
【請求項4】
両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、
前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、
前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、
を有する照明装置であって、
前記外部電極が、導電性の弾性体で形成された層を含み、該外部電極と板体との接触が面接触である照明装置。
【請求項5】
複数の前記蛍光管を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極同士を前記板体で電気接続した請求項4の照明装置。
【請求項6】
前記外部電極が、前記蛍光管の外周に形成された導電性樹脂と、該導電性樹脂の上に設けられた前記導電性の弾性体とを含む請求項4または5の照明装置。
【請求項1】
両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、
前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、
前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、
を有する照明装置であって、
前記導電体で形成された板体に、前記外部電極と接触する導電性の弾性体を設け、該外部電極と弾性体との接触が面接触である照明装置。
【請求項2】
複数の前記蛍光管を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極同士を前記板体で電気接続した請求項1の照明装置。
【請求項3】
前記2枚の板体の内の一方が絶縁体である場合、該絶縁体に絶縁性の弾性体の層を設け、前記導電性の弾性体と該絶縁性の弾性体とで前記外部電極を挟み込む請求項1または2の照明装置。
【請求項4】
両端部が封止され、内面に蛍光体の層を有する蛍光管と、
前記蛍光管の両端部の外周に設けられた外部電極と、
前記外部電極に電圧を印加するために、該外部電極に対して圧力をかけながら挟み込み、少なくとも一方が導電体で形成された2枚の板体と、
を有する照明装置であって、
前記外部電極が、導電性の弾性体で形成された層を含み、該外部電極と板体との接触が面接触である照明装置。
【請求項5】
複数の前記蛍光管を並行に並べ、同一方向の端部にある外部電極同士を前記板体で電気接続した請求項4の照明装置。
【請求項6】
前記外部電極が、前記蛍光管の外周に形成された導電性樹脂と、該導電性樹脂の上に設けられた前記導電性の弾性体とを含む請求項4または5の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−250527(P2007−250527A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17633(P2007−17633)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(505145091)ツジコー株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(505145091)ツジコー株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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