多リブ付きデンタルテープ
【課題】従来のモノフィラメントフロスよりも良好に清掃し、かつ口中感、歯間スライド、抵抗力などのプラスの特性を保持するモノフィラメントテープを提供する。
【解決手段】哺乳動物の歯間空隙から歯垢および／または食物くずを除去するためのモノフィラメントデンタルテープ１０を含み、このデンタルテープは、約５：１よりも大きいアスペクト比と、第１の清掃面、および第１の清掃面と反対側の第２の清掃面とを備えるコア体１２を有し、第１の清掃面および第２の清掃面の少なくとも一方は当該一方の長さに沿って配置された複数のリブ１８を含み、かつデンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約４：１から約２５：１である。
【解決手段】哺乳動物の歯間空隙から歯垢および／または食物くずを除去するためのモノフィラメントデンタルテープ１０を含み、このデンタルテープは、約５：１よりも大きいアスペクト比と、第１の清掃面、および第１の清掃面と反対側の第２の清掃面とを備えるコア体１２を有し、第１の清掃面および第２の清掃面の少なくとも一方は当該一方の長さに沿って配置された複数のリブ１８を含み、かつデンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約４：１から約２５：１である。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【０００１】
〔発明の分野〕
本発明は、歯間の隙間から食物片または食物残渣および歯垢を除去するための多リブ付きデンタルテープを対象とする。
【０００２】
〔発明の背景〕
デンタルフロスは、歯の間から歯垢や挟まった食物片を除去し、また口中に清潔感を与えるために１００年以上の間使用されてきた。最初のフロスは瓶に入れた加撚シルクからなっていた。それ以来、フロッシングをより便利に、より問題のないものにするために、多くの改善がデンタルフロスに加えられてきた。ほとんどの改善はフロッシングのマイナスの側面の解決を目指すものであった。これらには、ほつれや破断を減少させること、歯間への挿入をより容易にすること、およびより柔らかくて歯肉や手に優しいフロスを提供することが含まれる。ナイロンの発明により、テナシティが高くほつれにくい糸（yarn）がシルクの代わりに使用され、ほつれ抵抗が増すことになった。加撚マルチフィラメント糸へのワックスの付加は、繊維を一緒に固定するのに役立ち、同時に容易な挿入のための滑らかなコーティングを提供した。同様に、空気を巻き込んだ繊維をワックスと組合せて使用することにより（米国特許第５，９０８，０３９参照）、より柔らかくて、よりほつれにくい、かつより良好な清掃力のあるマルチフィラメントフロスが提供された。ワックスでコーティングされた低摩擦モノフィラメントPTFE糸（米国特許第５，５１８，０１２参照）は、撚りまたは折り目の厚さや欠如次第で良好な挿入容易性を提供し、また改善されたほつれ抵抗を提供する。残念なことに、PTFEモノフィラメントは、PTFEの低い摩擦係数のため、良好には清掃せず、また容易に歯間の空隙から食物片を除去しない。
【０００３】
清掃および小片除去特性の改善は、軟質ポリマーでマルチフィラメントを包むことによる擬似モノフィラメント製品の提供によって試みられた（米国特許第６，０３９，０５４号および米国特許第６，７４２，５２８号参照）。かかるフロスは歯の間で容易にスライドし、清掃および食物除去の改善を提供するが、PTFE製品に柔らかさおよびほつれ抵抗を与えるには至らない。
【０００４】
フロスに対するさらなる改善は、エラストマー材料で製作され、歯間空隙に入り込む時には狭くなり、その後に張力を解放すると膨張するモノフィラメントテープを提供することによって試みられた。伸縮性の低い変形例が米国特許第６，５９１，８４４号に教示されている。このモノフィラメントテープは市販のフロスよりも高い伸び範囲を示すが、柔らかさおよび口中感（mouth feel）に劣り、また改善された清掃を提供することができない。非常に柔らかい“ゲル”フロスが米国特許第６，０２９，６７８号に教示されており、そこで糸は当該糸の元の長さの少なくとも２００％まで、かつ当該糸の元の長さの２，０００％程度に伸ばされることができる。テープの形態において、このフロスは少なくとも０．２５４mm（０．０１０インチ）から２．５４０mm（０．１００インチ）の厚さであり、通例は０．５０８mm（０．０２０インチ）から５．０８０mm（０．２００インチ）の厚さである。このことは、柔らかいが、使用者は歯間にこの製品を通すためにこの製品をかなり伸ばさなければならないことを意味する。一たび歯間の空所に入れられたら、このフロスは膨張し、歯間の空所を満たすことになる。しかしながら、このフロスは滑らかな表面を有し、多くの歯垢や挟まれた食物片を除去しそうにない。この伸びの程度のため、消費者は清掃工程中にフロスを上下に動かすために必要な張力を維持するのが困難であることがわかることもある。
【０００５】
過去何年にもわたって、フロッシングをより便利に、より問題のないものとするためにデンタルフロスに多くの改善がなされてきた。しかしながら、各々の改善は概してマイナスの効果でもって打消されてしまうものである。消費者使用テストおよび臨床研究は、モノフィラメントフロスがより少ないほつれでより良好にスライドするが、これに対してマルチフィラメント製品はより良好に清掃し、より多くの歯垢を除去するが、ほつれや破断を受けやすいことを示している。本発明は、従来のモノフィラメントフロスよりも良好に清掃するのみならず、口中感、容易な歯間スライド、およびほつれまたはちぎれに対する抵抗力等の消費者に望ましいモノフィラメントフロスのプラスの特性を保持するモノフィラメントテープを提供する。
【０００６】
〔発明の概要〕
本発明は、哺乳動物の歯間空隙から歯垢および／または食物くずを除去するためのモノフィラメントデンタルテープを対象とし、このテープは、約５：１よりも大きいアスペクト比と、第１の清掃面、および第１の清掃面と反対側の第２の清掃面とを有するコア体を含んでおり、第１の清掃面および第２の清掃面の少なくとも一方は当該一方の長さに沿って配置された複数のリブを含み、かつデンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約３：１から約２５：１である。ある実施の形態において、本発明のデンタルテープのコア体は、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有し、また少なくとも約８つのリブが第１の清掃面および第２の清掃面に沿って配置されている。
【０００７】
〔発明の詳細な説明〕
本発明によるモノフィラメントデンタルテープは、互いに反対側の第１および第２の清掃面を有するコア体を備えており、ここで少なくとも一方の清掃面は当該清掃面の長さに沿って配置された複数のリブを備えている。本明細書で使用する限り、「リブ」の語は、デンタルテープのコア体と一体で、当該コア体から突出する構造的な要素を意味し、この構造的な要素は、哺乳動物の歯間空隙からの歯垢および／または食物くずの除去を可能にするために有効な形態および寸法を有している。リブは、デンタルテープのコア体から実質的に垂直に、またはある角度の傾斜をもって突出することもできる。本明細書で使用する限り、「清掃面」の語は、哺乳動物の歯間空隙内に入れられた時に歯の表面と接触し、それによって歯間空隙から歯垢および／または食物くずの除去を可能にするデンタルテープの表面を意味する。本モノフィラメントテープは、良好なデンタルフロス特性のために必要な引張強さおよび基礎構造を持っている。本テープは、市販の材料、ならびに既知のモノフィラメント溶融押出技術（melt extrusion technology）および設備を使用して製作することができる。本テープは、ほつれずまたは切れず、手に持つのが容易であり、かつコーティングが簡単である。
【０００８】
好ましくは、テープは、この発明品の断面形態において、押出されたときに高度の圧縮性を持つ材料を使用して製作されて、歯の間の狭い空隙をテープが滑り抜けることができるようにする。一たび歯間の空所を経て歯間空隙に入ると、テープは、圧縮から実質的に回復して、歯の間から歯垢および食物片を除去するかき取り器（scrapers）として作用するリブを包含する清掃面を提供する。
【０００９】
図面を参照すると、例示のモノフィラメントデンタルテープ１０が図１〜３に図示されている。図１は、第１の清掃面１４と第２の清掃面１６を備えたコア体１２を含むデンタルテープ１０の実施の形態の断面図を示す。図示の実施の形態において、リブ１８は第１の清掃面１４および第２の清掃面１６の両方から突出している。他の実施の形態において、リブはモノフィラメントデンタルテープの１つの清掃面からのみ突出することもできる。デンタルテープ１０の幅はwtによって表され、テープ１０の厚さはttによって表される。
【００１０】
図１に図示された実施の形態は、モノフィラメントデンタルテープ１０の清掃面１４、１６から突出する合計２２の、すなわち清掃面１４から１１、清掃面１６から１１の、リブ１８を示す。本発明の他の実施の形態において、デンタルテープの両清掃面から突出するリブの合計の数は、約８よりも多くても、または約２０よりも多くてもよい。図１は、モノフィラメントデンタルテープ１０の第１の清掃面１４および第２の清掃面１６の両方から突出する１１のリブ１８を示している。しかしながら、他の実施の形態において、デンタルテープの第１の清掃面から突出するリブの数は、第２の清掃面から突出するリブの数と同じであっても、ほぼ同じであっても、または著しく異なっていてもよいことは理解されるべきである。いくらかの実施の形態において、すべてのリブは第１または第２のリブの一方に沿って配置されることもできる。加えて、図１に示すモノフィラメントデンタルテープ１０の断面輪郭は平らであるが、他の実施の形態において、テープは、非限定的に、アーチ形、波形、またはジグザグ形等の他の輪郭を有することもできる。
【００１１】
図２は、正面上から見た第１の清掃面１４およびリブ１８を備えた図１の実施の形態のデンタルテープ１０の斜視図を示す。デンタルテープ１０の長さはltで表される。
【００１２】
図３は、図１の実施の形態のデンタルテープ１０の拡大断面図を示す。テープ１０のコア１２の厚さは、tcによって表される。リブ１８の高さおよび幅はそれぞれhrおよびwrで表される。図３は、すべてのリブが高さおよび幅において均一である実施の形態を示す。リブの高さおよび幅は、デンタルテープの清掃面にわたって変えることもできることは理解されるべきである。例えば、１つの実施の形態において、リブは清掃面の中心よりも清掃面の縁端部でより短くおよび／または細くすることもできよう。
【００１３】
デンタルテープ１０の第１の清掃面１４または第２の清掃面１６上の隣り合ったリブ１８間の間隔は、srによって表される。図３において、srは、デンタルテープ１０の第１の清掃面１４の隣り合ったリブ１８間の間隔として図示されている。しかしながら、srがデンタルテープ１０の第１の清掃面１４または第２の清掃面１６のいずれの清掃面上の隣り合ったリブ１８間の間隔を測定するのにも使用できることは理解されるべきである。図３は、デンタルテープ１０の清掃面１４、１６の隣り合ったリブ１８間の間隔（sr）がすべてのリブ１８についてほぼ同一である実施の形態を示す。しかしながら、デンタルテープのどちらの清掃面の隣り合ったリブ間の間隔もほぼ同一でなくてもよいことは理解されるべきである。それゆえ、例えば、最初の２つの隣り合ったリブ間の間隔をsr1-2と表し、他方では次の２つの隣り合ったリブ間の間隔をsr2-3、などと表すこともできよう。本発明の他の実施の形態において、いく組かの隣り合ったリブ間の間隔をほぼ等しくし、他方では他の組の隣り合ったリブ間の間隔をほぼ等しくないものとすることも想定される。
【００１４】
sarの語は、互い違いのリブ間の間隔、すなわち、デンタルテープ１０の第１の清掃面１４上のリブ１８と、第２の清掃面１６上の隣接したリブ１８との間の間隔を示すために使用される。図３は、互い違いのリブ間の間隔sarが隣り合ったリブ間の間隔srの約２分の１である実施の形態を示す。それゆえ、デンタルテープ１０の第２の清掃面１６のリブは、第１の清掃面１４のリブの間のほぼ中間に位置付けられるようにずれている。図４は、互い違いのリブ間の間隔sarが隣り合ったリブ間の間隔srと等しい実施の形態を示す。それゆえ、デンタルテープ１０の第２の清掃面１６のリブは第１の清掃面１４のリブと整列されている。
【００１５】
図１〜４に示す例示のモノフィラメントデンタルテープ１０の実施の形態において、リブ１８の断面形状は、リブの遠位端に単一の丸みのある先端を備えた長方形として示されている。他の断面リブ形状も本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの考えられる実施の形態であることは理解されるべきである。図５a〜５fは、本発明のリブのいくつかの他の断面形状の実施の形態を示す。これらのリブ形状は本発明において考えられるほんの一部の形状であり、これらの形状が本発明の精神の限定となるものではないことは理解されるべきである。図５aにおいて、リブ１８の断面形状は、リブの遠位端に円形の先端を備えた長方形として示されている。図示されていない他の実施の形態において、リブの遠位端の先端は楕円形でもまたは半円形であってもよい。図５bおよび５cは、それぞれ長方形および三角形の断面形状を備えたリブ１８を図示する。図５dに示すリブ１８は、図１〜４に示すリブ１８と類似の断面形状を有するが、リブ１８はテープ１０の第１の清掃面１４に対してアルファの角度で突出して示されている。図５eおよび５fに示すリブ１８の断面形状は、それぞれおおよそ英文字「T」および「V」の形状である。
【００１６】
本発明の所与の実施の形態のすべてのリブは、同じ断面形状とすることもできるが、同じ断面形状にする必要があるのではないことは理解されるべきである。リブ付きモノフィラメントデンタルテープの使用状況によって決定されるように、断面形状の混合物を用いることもできる。
【００１７】
歯の効果的なフロッシングは、歯の間の歯間空隙にデンタルフロスを入れ、その後にフロスを個々の歯の側面に引き付けて歯の表面をできるだけこすることを伴う。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、歯間空隙に挿入され、このように動かされる。リブの形態および寸法のため、リブはスキージ（squeegees）のように作用して、例えば、テープの長さに沿って配置されたかかるリブを含まないテープよりも高い効率でもって、歯垢や食物くずをそれぞれのリブ間の間隔に除去し、また捕捉／保持し、このようにして歯の不規則な表面の改善された清掃を提供する。
【００１８】
フロスは、狭い歯の間、すなわち千分の１インチ（１インチ＝２５．４mm）のすき間を通ることができなければならない。フロスはこのすき間を通り抜けるように寸法付けられるか、または歯間の空隙に入る時に縮むことができる材料および構成で製作されなければならない。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、狭い歯の間をスライドすることができるように１つの寸法において薄い。このテープは、もう１つの方向において幅広で、歯の表面と接触する２つの実質的な清掃面を提供する。ある実施の形態において、コア体のアスペクト比は少なくとも約５：１、または少なくとも約１０：１、または少なくとも約３５：１とすることさえもできる。デンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約３：１から約２５：１、または約１０：１から約２０：１に及ぶこともできる。
【００１９】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、当該技術分野で知られている多数の材料を使用して製作することもできる。これらの材料は、エラストマーであっても、非エラストマーであってもよい。テープを製作することができるいくらかの非エラストマー材料は、ナイロンまたはポリテトラフルオロエチレン（PTFE）を含む。
【００２０】
好ましくは、デンタルテープは、歯間空隙に入る時に縮み、その後に歯間空隙に入ると、デンタルテープの元の形態のある割合を回復することができる材料で製作される。よって、本発明のデンタルテープは、約５０パーセントよりも大きい圧縮率および約４０パーセントよりも大きい回復率を、または、ある実施の形態において、約６０パーセントよりも大きい圧縮率および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ。また、歯の表面は規則的ではないので、歯の間の歯間空隙も不規則となり、個別の隣接した歯の構造次第で多く、または少なく開かれた領域を有する。そのようなものとして、リブはコア体に対して可撓性があり、容易にそれて歯間空隙に入ることができるのが好ましい。最適な清掃を実現するために、リブは一たび力が除かれたら元の寸法を実質的に回復し、かつ、一たびデンタルテープが歯間空隙の大きな領域に至ったら、元の高さの大部分を取り戻すのが望ましい。このようにして、リブは歯の断面輪郭に一致し、より多くの歯垢や食べ物を除去することになる。
【００２１】
本発明の多リブ付きモノフィラメントデンタルテープを形成するのに使用することもできる材料は、非限定的に、PEBAX 7033、5533 MX1205、4033、3533、および2533等の、PEBAXの商品名（フランス、Hauts-de-Seine、Ato Chimie社）で販売されているポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体；HYTREL 7246、5556、および4056等の、HYTRELの商品名（米国、デラウェア州、Wilmington、E. I. du Pont de Nemours社）で販売されているポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体およびポリエステル−ポリエステルブロック共重合体；TECOFLEXの商品名（米国、オハイオ州、Cleveland、Lubrizol Advanced Materials社）で販売されている脂肪族熱可塑性ポリウレタンエラストマー；PELLETHANEの商品名（米国、ミシガン州、Midland、Dow Chemical社）で販売されている芳香族熱可塑性ポリウレタンエラストマー；およびMULTI-FLEXの商品名（米国、ミシガン州、Midland、Dow Chemical社）で販売されている熱可塑性ポリオレフィンエラストマーを含む。
【００２２】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの寸法は、以下の通りとすることもできる。デンタルテープの幅またはwtは、約１．０１６から約２．５４０mm（約０．０４０から約０．１００インチ）または約１．７７８から約２．２８６mm（約０．０７０から約０．０９０インチ）である。テープの厚さttは、約０．０８８９から約０．３０４８mm（約０．００３５から約０．０１２インチ）または約０．１７７８から約０．２２８６mm（約０．００７から約０．００９インチ）である。テープのコア体の厚さtcは、約０．０２５４から約０．１０１６mm（約０．００１から約０．００４インチ）または約０．０５０８mm（約０．００２インチ）である。リブ１８の高さhrは、約０．０１２７から約０．１０１６mm（約０．０００５から約０．００４インチ）または約０．０５０８mm（約０．００２インチ）である。リブの幅wrは、約０．０１２７から約０．０７６２mm（約０．０００５から約０．００３インチ）または約０．０３８１mm（約０．００１５インチ）である。デンタルテープの清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔srは、デンタルテープの幅および清掃面上のリブの数次第である。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープに関し、清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔は、約０．０７６２から約０．５０８０mm（約０．００３から約０．０２０インチ）または約０．１２７０から約０．２５４０mm（約０．００５から約０．０１０インチ）である。
【００２３】
sarの語は、互い違いのリブ間の間隔、すなわち、デンタルテープの第１の清掃面のリブと、第２の清掃面のリブとの間の間隔を示すために使用される。この開示の目的上、sarとsrとの比は、互い違いのリブ間の特別な関係を定める。この比は、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブとの整列からわずかにはずれている場合の０よりも少しだけ大きい値から、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられる場合の０．５（図３参照）を経て、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブと整列される場合の１．０（図４参照）まで変動することもできる。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープに関し、好ましいsarとsrとの比は約０．５である。
【００２４】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、商業上の溶融紡糸工程（melt spinning process）によって生産することもできる。この工程において、樹脂は押出機スクリューに供給され、そこで材料は加熱され、溶融され、そして溶融ポンプに移される。溶融ポンプはダイに溶融材料を調節しながら供給するが、当該ダイは、ダイを出て行く溶融押出物にダイの輪郭が付与されるように表面が機械加工された所望の輪郭を備えている。押出物はダイから進み、下方に流れて凝固工程を開始するようにされる。この時点でいくらかのネッキングダウン（necking down）がよくみられる。材料は水槽に入り、そこでポリマー溶融体の、固体テープへの凝固が完了する。テープはその後に延伸工程に付され、そこでテープは加熱された状態で伸ばされ、最終特性が実現される。最終デンタルテープはスプールに巻きつけられる。スプールは、糸（yarn）がボビンに巻き取られる巻取機に装着されることもでき、ボビンはディスペンサーに入れられる。または、より好ましくは、スプールは最初に塗布機に装着され、そこで巻取操作より前にコーティングを適用されることもできる。
【００２５】
代替的に、本発明のリブ付きデンタルテープは、同時押出によって、または圧延工程もしくは接着工程を介する積層（lamination）によって形成された多材料を含むこともできる。
【００２６】
本発明のデンタルテープは、シート材料から生産することもできる。樹脂は、フィルムに形状を付与する正確な寸法の成形されたダイを通じて押出される。押出物はダイから進み、下方に流れて凝固工程を開始するようにされる。この時点でいくらかのネッキングダウンがよくみられる。材料は水槽に入り、そこでポリマー溶融体の、固体テープへの凝固が完了する。フィルムはこの時点でスリットされ、最終寸法に延伸されるか、またはフィルムは最初に延伸され、その後にスリットされることもできる。
【００２７】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの他の実施の形態において、コーティングをデンタルテープの第１または第２の清掃面に設けることもできる。これらのコーティングは、微結晶ワックス、蜜蝋、軽量のポリエチレンワックス、シリコーン油、精油、鉱油またはこれらの組合せ等の潤滑剤；唾液分泌促進剤；嗅覚刺激剤；センセート（sensate）；精油；ポリエチレングリコール（PEG）等の可溶性材料の剥離コーティング；ポリオキサマー４０７（Polyoxamer 407）等の溶融可能な界面活性剤；液体フレーバー剤；噴霧乾燥フレーバー剤；シリカおよび第二リン酸カルシウム（DCP）等の研磨剤；フッ化物等の活性剤；塩化セチルピリジニム（cetyl pyridinim chloride）（CPC）；ピロリン酸四ナトリウム（tetra sodium pyrophosphate）；過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化カルバミド、および現場で（in-situ）過酸化水素を生成できる他の過酸化化合物等の白化剤；抗菌剤；および抗ウイルス剤を含むこともできる。
【００２８】
かかる成分は、固体、液体、粒子、ゲル、等々として用いることもでき、また、状況に応じて、従来のカプセル化技術によって従来のポリマー材料に包み、ポリマーシェルと、上記の形態のうちの１つの成分を含むコアとを有するカプセル化された材料を形成することもできる。かかる成分は、適宜、コーティングキャリアを必要とすることなく直接本発明のデンタルテープに適用することもできる。
【００２９】
不溶性ワックスを含むコーティングであって、噴霧乾燥フレーバー剤、精油、または、不溶性ワックス内の可溶性球体に保護され当該球体から放出される他の成分等のカプセル化された成分を含有するコーティングを適用することもでき、あるいは、可溶性コーティングを糸にまたは不溶性コーティングの上に直接適用することもできる。可溶性コーティングは、ワックスに直接、または噴霧乾燥もしくは当該技術分野で一般に実践されている他のカプセル化技術の使用を通じてワックスに入れられる成分を含有することもできる。
【００３０】
コーティングはエマルション槽を介して適用することもでき、そこでテープはワックス、フレーバー剤および他の所望のコーティング剤を通して引っ張られ、またコーティング量は、ダイまたはローラーにコーティングされたテープを通してテープを絞り余分なコーティングを除去することによって制御されるか、または余分なコーティングは吊るされて除かれる。代替的に、コーティングは米国特許出願公開第２００３０１８８７６２Ａ１号に記載された技術を用いて適用することもできる。コーティングは個々のリブの間に調節しながら供給し特定の機能を持たせるようにすることもできる。
【００３１】
コーティングは、デンタルテープの第１または第２の清掃面のリブの間に位置させることもできるが、コーティングのごく一部がリブの上に位置してもよい。リブの上のごく一部のコーティングは、清掃要素として作用するリブの能力に明らかな影響を及ぼすべきではない。図５a〜５fに断面形状で示す本発明のリブの実施の形態のいくつかは、コーティングをデンタルテープ上に保持するのに役立つものと予期される。
【００３２】
＜実施例＞
以下の実施例に示すデンタルテープは、本発明のデンタルテープの具体的な実施の形態を示すが、これらのデンタルテープは本発明を限定することを意図するものではない。他の改変例もこの発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって計画されることができるものである。
【００３３】
＜実施例１＞
本発明のデンタルテープをPEBAX MX 1205樹脂を使用して生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、Slack and Parr社のギア式溶融ポンプが取付けられたHaake社の２０mmの押出機に供給し、ステンレス鋼で形成され図１に示すデンタルテープの断面と類似の断面を有する成形されたダイを通じて押出しした。押し出されたデンタルテープは、第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブを含んでいた。スロットの全幅（wt）は、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さ（tc）は、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さおよび幅（hrおよびwr）は、それぞれ０．１９０５mm（０．００７５インチ）および０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）、sarとsrとの比は０．５、すなわち第２の清掃面のリブは第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００３４】
押し出されたテープは室温の水槽中を通され、スプールに巻きつけられた。
【００３５】
１件の押出しを成形されたダイを使用して行い、本発明のデンタルテープを準備した。比較のために、２件の押出しをフラットダイを通じて行い、何のリブも備えない比較デンタルテープを準備した。試験（Run）２に関し、ダイの厚さおよび幅はそれぞれ２．１５９mm（０．０８５インチ）および１２．４５mm（０．４９０インチ）であった。試験３に関し、ダイの厚さおよび幅はそれぞれ０．３０４８mm（０．０１２インチ）および８．８９０mm（０．３５０インチ）であった。
【００３６】
３件の押出しの条件を表Iに示す。
【表１】
【００３７】
３件の押出し試験で得られたテープを延伸操作に付して、最終デンタルテープを生産した。延伸操作において、テープをスプールから巻き出し、加熱ローラーにかけ、ホットプレートを横断させ、そして第２のローラーに巻き返した。３件の延伸試験の条件を表IIに示す。
【表２】
【００３８】
試験１で得られたテープの一部を微結晶ワックス、すなわちCrompton社（米国、ペンシルベニア州、Petrola）によって供給されるW445でコーティングした。このテープを試験１aと記した。テープをコーティングするために、テープを８８℃のワックスを入れた槽を通して引っ張った。槽を離れると同時に、余分なワックスを除去した。適用したワックスの平均重量は最終テープの重量の５２％であった。
【００３９】
テープの全幅、全厚さ、および全デニールを測定し、表IIIにまとめている。
【表３】
【００４０】
上で製作したテープの圧縮および回復膨張を、２つの隣接した歯の表面を再現するよう使用される２つのスチールシャフトを含む装置を使用して、測定した。一方のスチールシャフトは固定され、他方のシャフトは旋回された。厚み計を、可動シャフトが固定シャフト上に休止している時にゼロに設定した。テープを停止シャフトの軸に対して９０度で装着した。ニップポイントにほとんど圧力を及ぼさないように構成された可動シャフトをテープの上に休止させ、元の厚さ（to）の読取値を厚み計から得た。次に、約０．４５３６キログラム（１ポンド）のおもりを直接ニップポイントの上に適用し、圧縮厚さ（tc）の読取値を記録した。圧縮率は、
圧縮率=100x(to-tc)/to
で計算した。
【００４１】
テープの回復膨張の測定値を、この装置を使用して、すべての力を取り除き、厚み計の回復厚さ（tr）の読取値を書き留めることによって取得した。回復率は、
回復率=100x(tr-tc)/(to-tc)
で計算した。
【００４２】
各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表IVにまとめられている。
【表４】
【００４３】
次に、テープの引張特性およびテナシティを、インストロン型万能試験機（Instron universal testing machine）を使用して、試験片の長さ２５４mm（１０インチ）で、毎分２５４mm（１０インチ）のクロスヘッド速度で、測定した。
【００４４】
各々のテープの引張強さ、破断点伸び率、およびテナシティを測定し、結果は表Vにまとめられている。
【表５】
【００４５】
いくつかのフロスおよびテープの清掃能力の比較を次に行った。使用した工程は、Yankel, S.L.らの論文、「Laboratory Evaluations of Three Dentifrices with Polishing or Brushing」、Journal of Clinical Dentistry、9(3):61-63(1998)にまとめられている。手短に言えば、Yankelに記載された感圧湿紙（wet pressure sensitive paper）を９．５２５mm（３／８”）の直径の直立シャフトに装着させた。テスト対象のフロスまたはテープをアイレットに通し、それによってフロスを２．５４０mm（０．１００インチ）シャフトの両側に引き戻した。アイレットは、シャフトの中心線から２５．４０mm（１インチ）の等距離に位置した。おおよそ２５０グラムの張力をフロスに与えた。フロスを噴霧ボトルにより脱イオン水で湿らし、テープまたはフロスを上記紙に対して上下に移動させ（１９．０５mm（３／４インチ）ストローク距離）、それによって紙繊維をすり減らし、さまざまな着色表面を露出させた。５サイクルの後に紙を取り外し、比較のために保存した。堆積物除去深さ（Depth of Deposit Removal(DDR)）を、比較カラーチャートの０〜４の目盛りを使用して記録した。
【００４６】
上述のように製作した試験１のテープを、２つの市販のデンタルフロスと同様にテストした。市販のデンタルフロスは、GLIDE ORIGINALの商品名（米国、オハイオ州、Cincinnati、Proctor & Gamble社）で販売されているモノフィラメントのコーティングされたフロスと、REACH MINT WAXEDの商品名（米国、ニュージャージー州、Skillman、PPC Division of McNeil-PPC社）で販売されているワックスコーティングされたマルチフィラメントフロスであった。
【００４７】
図６a〜６cは、上記のデンタルフロスおよびテープに関し上述の堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真である。像は５０倍の倍率である。フロッシングパターンは、像に対し右上から左下への対角線である。表VIは、テストしたテープに関する堆積物除去深さ（DDR）値の比較を示す。
【表６】
【００４８】
結果は、本発明のリブ付きデンタルテープがマルチフィラメントのREACH MINT WAXEDと同程度に、または多少より良好に機能し、またモノフィラメントのGLIDE ORIGINALより優れていることを示した。
【００４９】
最後に、いくつかのテープおよびフロスの靱性の比較を行った。簡単に言えば、参照して本明細書に組み入れる米国特許第５，９０８，０３９号（図３および４）に記載された靱性試験機を使用した。このテストでは歯を使用するのではなく、歯に代えて米国特許第５，９０８，０３９号に示された２つの金属棒を使用した。項目２１は、ねじ付き表面を備えた直径９．５２５mm（０．３７５インチ）で長さ１８．４２mm（０．７２５インチ）の鋼製円筒体であった。ねじ山は深さが０．２５４mm（０．０１インチ）でピッチが０．５０８mm（０．０２インチ）であった。このことは、鋭くはないが粗い表面を表す。項目２２は、長さが１８．４２mm（０．７２５インチ）の円錐形の滑らかな円筒であった。円錐体の基部は直径が３．８１０mm（０．１５インチ）であった。円錐体の直径は、１４．４８mm（０．５７インチ）の長さにわたって直径９．５２５mm（０．３７５インチ）まで増加し、０．６３５mm（０．０２５インチ）の間は９．５２５mm（０．３７５インチ）のままであった。それから直径は残りの長さにわたって３．１７５mm（０．１２５インチ）まで減少した。項目２４のばね力は、歯２２に０．７９３８kg（１．７５lb）の力を及ぼすように設定された。テスト対象のフロスまたはテープを模擬歯の間に張った。フロスまたはテープをおおよそ２５０グラムの張力で保持し、円筒体を上下に動かした。これをテープまたはフロスが切れるまで繰り返した。テストは試験対象の各々のテープまたはフロスに対して１０回繰り返した。
【００５０】
上述のように製作した試験１、１a、および２のテープを、市販のデンタルフロスと同様にテストした。市販のデンタルフロスは、GLIDE ORIGINALと、軽くワックスがけしたモノフィラメントフロスであるGLIDE COMFORTと、REACH MINT WAXEDであった。
【００５１】
テストした各々のテープおよびフロスに関する破損までのサイクル数の比較は表VIIにまとめられている。
【表７】
【００５２】
表VIIは、試験１aのフロスが他のすべてのものよりも高い、破損までの平均サイクル数を有することを示している。試験２は、試験１および１aと同じ材料であるが断面が平らな材料を使用した。驚いたことに、試験１は試験２よりも著しく高い、破損までのサイクル数を示した。理論に縛られるつもりはないが、モノフィラメントテープのコア体の表面に沿ったリブの存在は、モノフィラメントテープをちぎれから保護し、それによって、表VIに示すようにリブなしのテープよりも良好に清掃するのみでなく、ちぎれに対してより強くて抵抗力のあるデンタルテープを提供するものと信じられる。
【００５３】
＜実施例２＞
本発明のデンタルテープをいくつかの他の樹脂を使用して生産した。使用した樹脂は表VIIIに列記されている。
【表８】
【００５４】
これらの樹脂を７５℃で３時間乾燥させた。これらの樹脂を、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００５５】
押出しの条件は表IXに示されている。
【表９】
【００５６】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表Xに示されている。
【表１０】
【００５７】
テープの全幅、全厚さ、および全デニールを測定し、表XIにまとめている。
【表１１】
【００５８】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XIIにまとめられている。
【表１２】
【００５９】
＜実施例３＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、延伸条件を調整して最終テープの寸法が変更されるようにして生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００６０】
押出しの条件は表XIIIに示されている。
【表１３】
【００６１】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XIVに示されている。
【表１４】
【００６２】
テープの全幅、全厚さおよび全デニールを測定し、表XVにまとめている。
【表１５】
【００６３】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XVIにまとめられている。
【表１６】
【００６４】
＜実施例４＞
本発明のデンタルテープをPEBAX MX 1205、3533、および2533樹脂を使用して生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００６５】
押出しの条件は表XVIIに示されている。
【表１７】
【００６６】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XVIIIに示されている。
【表１８】
【００６７】
テープの全幅、全厚さおよび全デニールを測定し、表XIXにまとめている。
【表１９】
【００６８】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XXにまとめられている。
【表２０】
【００６９】
＜実施例５＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの数を調整して最終テープの構造が変更されるようにして生産した。
【００７０】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。相違点は、実施例１においては、第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあったことである。ここでは、第１および第２の清掃面の両方から突出する５つのリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．７４７mm（０．３０５インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．１９０５mm（０．００７５インチ）と０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブの間の間隔（sr）は１．２７０mm（０．０５０インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００７１】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出しの条件は表XXIに示されている。
【表２１】
【００７２】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXIIに示す。
【表２２】
【００７３】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００７４】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXIIIにまとめられている。
【表２３】
【００７５】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った（conducted）。結果は表XXIVにまとめられている。
【表２４】
【００７６】
清掃面当たり、より少ない数のリブを利用することは、清掃面当たり約８つよりも多くの、例えば１０以上のリブを有するものほど強くはないデンタルテープを提供するが、試験１４は、デンタルテープの両方の清掃面に沿って配置された複数のリブを有することにより、表VI、試験２に明らかなように、何らのリブも有しないデンタルテープと比較して、強度が改善されることを実証している。
【００７７】
＜実施例６＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの幅を調整して最終テープの構造および寸法が変更されるようにして生産した。
【００７８】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．１９０５mm（０．００７５インチ）と０．０６３５mm（０．００２５インチ）であった。実施例１において、ダイのリブ部の幅（wr）は０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００７９】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出しの条件は表XXVに示されている。
【表２５】
【００８０】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXVIに示されている。
【表２６】
【００８１】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００８２】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXVIIにまとめられている。
【表２７】
【００８３】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った。結果は表XXVIIIにまとめられている。
【表２８】
【００８４】
＜実施例７＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの高さを調整して最終テープの構造および寸法が変更されるようにして生産した。
【００８５】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．０９６５mm（０．００３８インチ）と０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。実施例１において、ダイのリブ部の高さ（hr）は０．１９０５mm（０．００７５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００８６】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出し条件は表XXIXに示されている。
【表２９】
【００８７】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXXに示されている。
【表３０】
【００８８】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００８９】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXXIにまとめられている。
【表３１】
【００９０】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った。結果は表XXXIIにまとめられている。
【表３２】
【００９１】
〔実施の態様〕
（１）モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の少なくとも一方に沿って配置された複数のリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
（２）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の両方がリブを備える、デンタルテープ。
（３）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
（４）実施態様３に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【００９２】
（５）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しい、デンタルテープ。
（６）実施態様５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブと整列されている、デンタルテープ。
（７）実施態様５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
（８）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の前記間隔が不規則である、デンタルテープ。
【００９３】
（９）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート（sensate）、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（１０）実施態様９に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
（１１）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが約１０のリブを含んでいる、デンタルテープ。
（１２）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが、前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々に沿って配置された約５つのリブを含んでいる、デンタルテープ。
【００９４】
（１３）モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約５：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面に沿って配置された少なくとも約８つのリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
（１４）実施態様１３に記載のデンタルテープにおいて、
約５０パーセントよりも大きい圧縮率、および約４０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
（１５）実施態様１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
（１６）実施態様１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【００９５】
（１７）実施態様１６に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
（１８）実施態様１７に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しく、かつ前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
（１９）実施態様１７に記載のデンタルテープにおいて、
約６０パーセントよりも大きい圧縮率、および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
（２０）実施態様１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【００９６】
（２１）実施態様１３に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（２２）実施態様１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（２３）実施態様２１に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
（２４）実施態様２２に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【図面の簡単な説明】
【００９７】
【図１】本発明のデンタルテープの１つの実施の形態の断面図である。
【図２】正面上から見た図１の斜視図である。
【図３】図１の拡大断面図である。
【図４】本発明のデンタルテープの別の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ａ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｂ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｃ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｄ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｅ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｆ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図６ａ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【図６ｂ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【図６ｃ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【開示の内容】
【０００１】
〔発明の分野〕
本発明は、歯間の隙間から食物片または食物残渣および歯垢を除去するための多リブ付きデンタルテープを対象とする。
【０００２】
〔発明の背景〕
デンタルフロスは、歯の間から歯垢や挟まった食物片を除去し、また口中に清潔感を与えるために１００年以上の間使用されてきた。最初のフロスは瓶に入れた加撚シルクからなっていた。それ以来、フロッシングをより便利に、より問題のないものにするために、多くの改善がデンタルフロスに加えられてきた。ほとんどの改善はフロッシングのマイナスの側面の解決を目指すものであった。これらには、ほつれや破断を減少させること、歯間への挿入をより容易にすること、およびより柔らかくて歯肉や手に優しいフロスを提供することが含まれる。ナイロンの発明により、テナシティが高くほつれにくい糸（yarn）がシルクの代わりに使用され、ほつれ抵抗が増すことになった。加撚マルチフィラメント糸へのワックスの付加は、繊維を一緒に固定するのに役立ち、同時に容易な挿入のための滑らかなコーティングを提供した。同様に、空気を巻き込んだ繊維をワックスと組合せて使用することにより（米国特許第５，９０８，０３９参照）、より柔らかくて、よりほつれにくい、かつより良好な清掃力のあるマルチフィラメントフロスが提供された。ワックスでコーティングされた低摩擦モノフィラメントPTFE糸（米国特許第５，５１８，０１２参照）は、撚りまたは折り目の厚さや欠如次第で良好な挿入容易性を提供し、また改善されたほつれ抵抗を提供する。残念なことに、PTFEモノフィラメントは、PTFEの低い摩擦係数のため、良好には清掃せず、また容易に歯間の空隙から食物片を除去しない。
【０００３】
清掃および小片除去特性の改善は、軟質ポリマーでマルチフィラメントを包むことによる擬似モノフィラメント製品の提供によって試みられた（米国特許第６，０３９，０５４号および米国特許第６，７４２，５２８号参照）。かかるフロスは歯の間で容易にスライドし、清掃および食物除去の改善を提供するが、PTFE製品に柔らかさおよびほつれ抵抗を与えるには至らない。
【０００４】
フロスに対するさらなる改善は、エラストマー材料で製作され、歯間空隙に入り込む時には狭くなり、その後に張力を解放すると膨張するモノフィラメントテープを提供することによって試みられた。伸縮性の低い変形例が米国特許第６，５９１，８４４号に教示されている。このモノフィラメントテープは市販のフロスよりも高い伸び範囲を示すが、柔らかさおよび口中感（mouth feel）に劣り、また改善された清掃を提供することができない。非常に柔らかい“ゲル”フロスが米国特許第６，０２９，６７８号に教示されており、そこで糸は当該糸の元の長さの少なくとも２００％まで、かつ当該糸の元の長さの２，０００％程度に伸ばされることができる。テープの形態において、このフロスは少なくとも０．２５４mm（０．０１０インチ）から２．５４０mm（０．１００インチ）の厚さであり、通例は０．５０８mm（０．０２０インチ）から５．０８０mm（０．２００インチ）の厚さである。このことは、柔らかいが、使用者は歯間にこの製品を通すためにこの製品をかなり伸ばさなければならないことを意味する。一たび歯間の空所に入れられたら、このフロスは膨張し、歯間の空所を満たすことになる。しかしながら、このフロスは滑らかな表面を有し、多くの歯垢や挟まれた食物片を除去しそうにない。この伸びの程度のため、消費者は清掃工程中にフロスを上下に動かすために必要な張力を維持するのが困難であることがわかることもある。
【０００５】
過去何年にもわたって、フロッシングをより便利に、より問題のないものとするためにデンタルフロスに多くの改善がなされてきた。しかしながら、各々の改善は概してマイナスの効果でもって打消されてしまうものである。消費者使用テストおよび臨床研究は、モノフィラメントフロスがより少ないほつれでより良好にスライドするが、これに対してマルチフィラメント製品はより良好に清掃し、より多くの歯垢を除去するが、ほつれや破断を受けやすいことを示している。本発明は、従来のモノフィラメントフロスよりも良好に清掃するのみならず、口中感、容易な歯間スライド、およびほつれまたはちぎれに対する抵抗力等の消費者に望ましいモノフィラメントフロスのプラスの特性を保持するモノフィラメントテープを提供する。
【０００６】
〔発明の概要〕
本発明は、哺乳動物の歯間空隙から歯垢および／または食物くずを除去するためのモノフィラメントデンタルテープを対象とし、このテープは、約５：１よりも大きいアスペクト比と、第１の清掃面、および第１の清掃面と反対側の第２の清掃面とを有するコア体を含んでおり、第１の清掃面および第２の清掃面の少なくとも一方は当該一方の長さに沿って配置された複数のリブを含み、かつデンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約３：１から約２５：１である。ある実施の形態において、本発明のデンタルテープのコア体は、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有し、また少なくとも約８つのリブが第１の清掃面および第２の清掃面に沿って配置されている。
【０００７】
〔発明の詳細な説明〕
本発明によるモノフィラメントデンタルテープは、互いに反対側の第１および第２の清掃面を有するコア体を備えており、ここで少なくとも一方の清掃面は当該清掃面の長さに沿って配置された複数のリブを備えている。本明細書で使用する限り、「リブ」の語は、デンタルテープのコア体と一体で、当該コア体から突出する構造的な要素を意味し、この構造的な要素は、哺乳動物の歯間空隙からの歯垢および／または食物くずの除去を可能にするために有効な形態および寸法を有している。リブは、デンタルテープのコア体から実質的に垂直に、またはある角度の傾斜をもって突出することもできる。本明細書で使用する限り、「清掃面」の語は、哺乳動物の歯間空隙内に入れられた時に歯の表面と接触し、それによって歯間空隙から歯垢および／または食物くずの除去を可能にするデンタルテープの表面を意味する。本モノフィラメントテープは、良好なデンタルフロス特性のために必要な引張強さおよび基礎構造を持っている。本テープは、市販の材料、ならびに既知のモノフィラメント溶融押出技術（melt extrusion technology）および設備を使用して製作することができる。本テープは、ほつれずまたは切れず、手に持つのが容易であり、かつコーティングが簡単である。
【０００８】
好ましくは、テープは、この発明品の断面形態において、押出されたときに高度の圧縮性を持つ材料を使用して製作されて、歯の間の狭い空隙をテープが滑り抜けることができるようにする。一たび歯間の空所を経て歯間空隙に入ると、テープは、圧縮から実質的に回復して、歯の間から歯垢および食物片を除去するかき取り器（scrapers）として作用するリブを包含する清掃面を提供する。
【０００９】
図面を参照すると、例示のモノフィラメントデンタルテープ１０が図１〜３に図示されている。図１は、第１の清掃面１４と第２の清掃面１６を備えたコア体１２を含むデンタルテープ１０の実施の形態の断面図を示す。図示の実施の形態において、リブ１８は第１の清掃面１４および第２の清掃面１６の両方から突出している。他の実施の形態において、リブはモノフィラメントデンタルテープの１つの清掃面からのみ突出することもできる。デンタルテープ１０の幅はwtによって表され、テープ１０の厚さはttによって表される。
【００１０】
図１に図示された実施の形態は、モノフィラメントデンタルテープ１０の清掃面１４、１６から突出する合計２２の、すなわち清掃面１４から１１、清掃面１６から１１の、リブ１８を示す。本発明の他の実施の形態において、デンタルテープの両清掃面から突出するリブの合計の数は、約８よりも多くても、または約２０よりも多くてもよい。図１は、モノフィラメントデンタルテープ１０の第１の清掃面１４および第２の清掃面１６の両方から突出する１１のリブ１８を示している。しかしながら、他の実施の形態において、デンタルテープの第１の清掃面から突出するリブの数は、第２の清掃面から突出するリブの数と同じであっても、ほぼ同じであっても、または著しく異なっていてもよいことは理解されるべきである。いくらかの実施の形態において、すべてのリブは第１または第２のリブの一方に沿って配置されることもできる。加えて、図１に示すモノフィラメントデンタルテープ１０の断面輪郭は平らであるが、他の実施の形態において、テープは、非限定的に、アーチ形、波形、またはジグザグ形等の他の輪郭を有することもできる。
【００１１】
図２は、正面上から見た第１の清掃面１４およびリブ１８を備えた図１の実施の形態のデンタルテープ１０の斜視図を示す。デンタルテープ１０の長さはltで表される。
【００１２】
図３は、図１の実施の形態のデンタルテープ１０の拡大断面図を示す。テープ１０のコア１２の厚さは、tcによって表される。リブ１８の高さおよび幅はそれぞれhrおよびwrで表される。図３は、すべてのリブが高さおよび幅において均一である実施の形態を示す。リブの高さおよび幅は、デンタルテープの清掃面にわたって変えることもできることは理解されるべきである。例えば、１つの実施の形態において、リブは清掃面の中心よりも清掃面の縁端部でより短くおよび／または細くすることもできよう。
【００１３】
デンタルテープ１０の第１の清掃面１４または第２の清掃面１６上の隣り合ったリブ１８間の間隔は、srによって表される。図３において、srは、デンタルテープ１０の第１の清掃面１４の隣り合ったリブ１８間の間隔として図示されている。しかしながら、srがデンタルテープ１０の第１の清掃面１４または第２の清掃面１６のいずれの清掃面上の隣り合ったリブ１８間の間隔を測定するのにも使用できることは理解されるべきである。図３は、デンタルテープ１０の清掃面１４、１６の隣り合ったリブ１８間の間隔（sr）がすべてのリブ１８についてほぼ同一である実施の形態を示す。しかしながら、デンタルテープのどちらの清掃面の隣り合ったリブ間の間隔もほぼ同一でなくてもよいことは理解されるべきである。それゆえ、例えば、最初の２つの隣り合ったリブ間の間隔をsr1-2と表し、他方では次の２つの隣り合ったリブ間の間隔をsr2-3、などと表すこともできよう。本発明の他の実施の形態において、いく組かの隣り合ったリブ間の間隔をほぼ等しくし、他方では他の組の隣り合ったリブ間の間隔をほぼ等しくないものとすることも想定される。
【００１４】
sarの語は、互い違いのリブ間の間隔、すなわち、デンタルテープ１０の第１の清掃面１４上のリブ１８と、第２の清掃面１６上の隣接したリブ１８との間の間隔を示すために使用される。図３は、互い違いのリブ間の間隔sarが隣り合ったリブ間の間隔srの約２分の１である実施の形態を示す。それゆえ、デンタルテープ１０の第２の清掃面１６のリブは、第１の清掃面１４のリブの間のほぼ中間に位置付けられるようにずれている。図４は、互い違いのリブ間の間隔sarが隣り合ったリブ間の間隔srと等しい実施の形態を示す。それゆえ、デンタルテープ１０の第２の清掃面１６のリブは第１の清掃面１４のリブと整列されている。
【００１５】
図１〜４に示す例示のモノフィラメントデンタルテープ１０の実施の形態において、リブ１８の断面形状は、リブの遠位端に単一の丸みのある先端を備えた長方形として示されている。他の断面リブ形状も本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの考えられる実施の形態であることは理解されるべきである。図５a〜５fは、本発明のリブのいくつかの他の断面形状の実施の形態を示す。これらのリブ形状は本発明において考えられるほんの一部の形状であり、これらの形状が本発明の精神の限定となるものではないことは理解されるべきである。図５aにおいて、リブ１８の断面形状は、リブの遠位端に円形の先端を備えた長方形として示されている。図示されていない他の実施の形態において、リブの遠位端の先端は楕円形でもまたは半円形であってもよい。図５bおよび５cは、それぞれ長方形および三角形の断面形状を備えたリブ１８を図示する。図５dに示すリブ１８は、図１〜４に示すリブ１８と類似の断面形状を有するが、リブ１８はテープ１０の第１の清掃面１４に対してアルファの角度で突出して示されている。図５eおよび５fに示すリブ１８の断面形状は、それぞれおおよそ英文字「T」および「V」の形状である。
【００１６】
本発明の所与の実施の形態のすべてのリブは、同じ断面形状とすることもできるが、同じ断面形状にする必要があるのではないことは理解されるべきである。リブ付きモノフィラメントデンタルテープの使用状況によって決定されるように、断面形状の混合物を用いることもできる。
【００１７】
歯の効果的なフロッシングは、歯の間の歯間空隙にデンタルフロスを入れ、その後にフロスを個々の歯の側面に引き付けて歯の表面をできるだけこすることを伴う。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、歯間空隙に挿入され、このように動かされる。リブの形態および寸法のため、リブはスキージ（squeegees）のように作用して、例えば、テープの長さに沿って配置されたかかるリブを含まないテープよりも高い効率でもって、歯垢や食物くずをそれぞれのリブ間の間隔に除去し、また捕捉／保持し、このようにして歯の不規則な表面の改善された清掃を提供する。
【００１８】
フロスは、狭い歯の間、すなわち千分の１インチ（１インチ＝２５．４mm）のすき間を通ることができなければならない。フロスはこのすき間を通り抜けるように寸法付けられるか、または歯間の空隙に入る時に縮むことができる材料および構成で製作されなければならない。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、狭い歯の間をスライドすることができるように１つの寸法において薄い。このテープは、もう１つの方向において幅広で、歯の表面と接触する２つの実質的な清掃面を提供する。ある実施の形態において、コア体のアスペクト比は少なくとも約５：１、または少なくとも約１０：１、または少なくとも約３５：１とすることさえもできる。デンタルテープの幅とデンタルテープの厚さとの比は、約３：１から約２５：１、または約１０：１から約２０：１に及ぶこともできる。
【００１９】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、当該技術分野で知られている多数の材料を使用して製作することもできる。これらの材料は、エラストマーであっても、非エラストマーであってもよい。テープを製作することができるいくらかの非エラストマー材料は、ナイロンまたはポリテトラフルオロエチレン（PTFE）を含む。
【００２０】
好ましくは、デンタルテープは、歯間空隙に入る時に縮み、その後に歯間空隙に入ると、デンタルテープの元の形態のある割合を回復することができる材料で製作される。よって、本発明のデンタルテープは、約５０パーセントよりも大きい圧縮率および約４０パーセントよりも大きい回復率を、または、ある実施の形態において、約６０パーセントよりも大きい圧縮率および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ。また、歯の表面は規則的ではないので、歯の間の歯間空隙も不規則となり、個別の隣接した歯の構造次第で多く、または少なく開かれた領域を有する。そのようなものとして、リブはコア体に対して可撓性があり、容易にそれて歯間空隙に入ることができるのが好ましい。最適な清掃を実現するために、リブは一たび力が除かれたら元の寸法を実質的に回復し、かつ、一たびデンタルテープが歯間空隙の大きな領域に至ったら、元の高さの大部分を取り戻すのが望ましい。このようにして、リブは歯の断面輪郭に一致し、より多くの歯垢や食べ物を除去することになる。
【００２１】
本発明の多リブ付きモノフィラメントデンタルテープを形成するのに使用することもできる材料は、非限定的に、PEBAX 7033、5533 MX1205、4033、3533、および2533等の、PEBAXの商品名（フランス、Hauts-de-Seine、Ato Chimie社）で販売されているポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体；HYTREL 7246、5556、および4056等の、HYTRELの商品名（米国、デラウェア州、Wilmington、E. I. du Pont de Nemours社）で販売されているポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体およびポリエステル−ポリエステルブロック共重合体；TECOFLEXの商品名（米国、オハイオ州、Cleveland、Lubrizol Advanced Materials社）で販売されている脂肪族熱可塑性ポリウレタンエラストマー；PELLETHANEの商品名（米国、ミシガン州、Midland、Dow Chemical社）で販売されている芳香族熱可塑性ポリウレタンエラストマー；およびMULTI-FLEXの商品名（米国、ミシガン州、Midland、Dow Chemical社）で販売されている熱可塑性ポリオレフィンエラストマーを含む。
【００２２】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの寸法は、以下の通りとすることもできる。デンタルテープの幅またはwtは、約１．０１６から約２．５４０mm（約０．０４０から約０．１００インチ）または約１．７７８から約２．２８６mm（約０．０７０から約０．０９０インチ）である。テープの厚さttは、約０．０８８９から約０．３０４８mm（約０．００３５から約０．０１２インチ）または約０．１７７８から約０．２２８６mm（約０．００７から約０．００９インチ）である。テープのコア体の厚さtcは、約０．０２５４から約０．１０１６mm（約０．００１から約０．００４インチ）または約０．０５０８mm（約０．００２インチ）である。リブ１８の高さhrは、約０．０１２７から約０．１０１６mm（約０．０００５から約０．００４インチ）または約０．０５０８mm（約０．００２インチ）である。リブの幅wrは、約０．０１２７から約０．０７６２mm（約０．０００５から約０．００３インチ）または約０．０３８１mm（約０．００１５インチ）である。デンタルテープの清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔srは、デンタルテープの幅および清掃面上のリブの数次第である。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープに関し、清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔は、約０．０７６２から約０．５０８０mm（約０．００３から約０．０２０インチ）または約０．１２７０から約０．２５４０mm（約０．００５から約０．０１０インチ）である。
【００２３】
sarの語は、互い違いのリブ間の間隔、すなわち、デンタルテープの第１の清掃面のリブと、第２の清掃面のリブとの間の間隔を示すために使用される。この開示の目的上、sarとsrとの比は、互い違いのリブ間の特別な関係を定める。この比は、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブとの整列からわずかにはずれている場合の０よりも少しだけ大きい値から、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられる場合の０．５（図３参照）を経て、第２の清掃面のリブが第１の清掃面のリブと整列される場合の１．０（図４参照）まで変動することもできる。本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープに関し、好ましいsarとsrとの比は約０．５である。
【００２４】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープは、商業上の溶融紡糸工程（melt spinning process）によって生産することもできる。この工程において、樹脂は押出機スクリューに供給され、そこで材料は加熱され、溶融され、そして溶融ポンプに移される。溶融ポンプはダイに溶融材料を調節しながら供給するが、当該ダイは、ダイを出て行く溶融押出物にダイの輪郭が付与されるように表面が機械加工された所望の輪郭を備えている。押出物はダイから進み、下方に流れて凝固工程を開始するようにされる。この時点でいくらかのネッキングダウン（necking down）がよくみられる。材料は水槽に入り、そこでポリマー溶融体の、固体テープへの凝固が完了する。テープはその後に延伸工程に付され、そこでテープは加熱された状態で伸ばされ、最終特性が実現される。最終デンタルテープはスプールに巻きつけられる。スプールは、糸（yarn）がボビンに巻き取られる巻取機に装着されることもでき、ボビンはディスペンサーに入れられる。または、より好ましくは、スプールは最初に塗布機に装着され、そこで巻取操作より前にコーティングを適用されることもできる。
【００２５】
代替的に、本発明のリブ付きデンタルテープは、同時押出によって、または圧延工程もしくは接着工程を介する積層（lamination）によって形成された多材料を含むこともできる。
【００２６】
本発明のデンタルテープは、シート材料から生産することもできる。樹脂は、フィルムに形状を付与する正確な寸法の成形されたダイを通じて押出される。押出物はダイから進み、下方に流れて凝固工程を開始するようにされる。この時点でいくらかのネッキングダウンがよくみられる。材料は水槽に入り、そこでポリマー溶融体の、固体テープへの凝固が完了する。フィルムはこの時点でスリットされ、最終寸法に延伸されるか、またはフィルムは最初に延伸され、その後にスリットされることもできる。
【００２７】
本発明のリブ付きモノフィラメントデンタルテープの他の実施の形態において、コーティングをデンタルテープの第１または第２の清掃面に設けることもできる。これらのコーティングは、微結晶ワックス、蜜蝋、軽量のポリエチレンワックス、シリコーン油、精油、鉱油またはこれらの組合せ等の潤滑剤；唾液分泌促進剤；嗅覚刺激剤；センセート（sensate）；精油；ポリエチレングリコール（PEG）等の可溶性材料の剥離コーティング；ポリオキサマー４０７（Polyoxamer 407）等の溶融可能な界面活性剤；液体フレーバー剤；噴霧乾燥フレーバー剤；シリカおよび第二リン酸カルシウム（DCP）等の研磨剤；フッ化物等の活性剤；塩化セチルピリジニム（cetyl pyridinim chloride）（CPC）；ピロリン酸四ナトリウム（tetra sodium pyrophosphate）；過酸化カルシウム、過酸化水素、過酸化カルバミド、および現場で（in-situ）過酸化水素を生成できる他の過酸化化合物等の白化剤；抗菌剤；および抗ウイルス剤を含むこともできる。
【００２８】
かかる成分は、固体、液体、粒子、ゲル、等々として用いることもでき、また、状況に応じて、従来のカプセル化技術によって従来のポリマー材料に包み、ポリマーシェルと、上記の形態のうちの１つの成分を含むコアとを有するカプセル化された材料を形成することもできる。かかる成分は、適宜、コーティングキャリアを必要とすることなく直接本発明のデンタルテープに適用することもできる。
【００２９】
不溶性ワックスを含むコーティングであって、噴霧乾燥フレーバー剤、精油、または、不溶性ワックス内の可溶性球体に保護され当該球体から放出される他の成分等のカプセル化された成分を含有するコーティングを適用することもでき、あるいは、可溶性コーティングを糸にまたは不溶性コーティングの上に直接適用することもできる。可溶性コーティングは、ワックスに直接、または噴霧乾燥もしくは当該技術分野で一般に実践されている他のカプセル化技術の使用を通じてワックスに入れられる成分を含有することもできる。
【００３０】
コーティングはエマルション槽を介して適用することもでき、そこでテープはワックス、フレーバー剤および他の所望のコーティング剤を通して引っ張られ、またコーティング量は、ダイまたはローラーにコーティングされたテープを通してテープを絞り余分なコーティングを除去することによって制御されるか、または余分なコーティングは吊るされて除かれる。代替的に、コーティングは米国特許出願公開第２００３０１８８７６２Ａ１号に記載された技術を用いて適用することもできる。コーティングは個々のリブの間に調節しながら供給し特定の機能を持たせるようにすることもできる。
【００３１】
コーティングは、デンタルテープの第１または第２の清掃面のリブの間に位置させることもできるが、コーティングのごく一部がリブの上に位置してもよい。リブの上のごく一部のコーティングは、清掃要素として作用するリブの能力に明らかな影響を及ぼすべきではない。図５a〜５fに断面形状で示す本発明のリブの実施の形態のいくつかは、コーティングをデンタルテープ上に保持するのに役立つものと予期される。
【００３２】
＜実施例＞
以下の実施例に示すデンタルテープは、本発明のデンタルテープの具体的な実施の形態を示すが、これらのデンタルテープは本発明を限定することを意図するものではない。他の改変例もこの発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって計画されることができるものである。
【００３３】
＜実施例１＞
本発明のデンタルテープをPEBAX MX 1205樹脂を使用して生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、Slack and Parr社のギア式溶融ポンプが取付けられたHaake社の２０mmの押出機に供給し、ステンレス鋼で形成され図１に示すデンタルテープの断面と類似の断面を有する成形されたダイを通じて押出しした。押し出されたデンタルテープは、第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブを含んでいた。スロットの全幅（wt）は、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さ（tc）は、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さおよび幅（hrおよびwr）は、それぞれ０．１９０５mm（０．００７５インチ）および０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両清掃面上の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）、sarとsrとの比は０．５、すなわち第２の清掃面のリブは第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００３４】
押し出されたテープは室温の水槽中を通され、スプールに巻きつけられた。
【００３５】
１件の押出しを成形されたダイを使用して行い、本発明のデンタルテープを準備した。比較のために、２件の押出しをフラットダイを通じて行い、何のリブも備えない比較デンタルテープを準備した。試験（Run）２に関し、ダイの厚さおよび幅はそれぞれ２．１５９mm（０．０８５インチ）および１２．４５mm（０．４９０インチ）であった。試験３に関し、ダイの厚さおよび幅はそれぞれ０．３０４８mm（０．０１２インチ）および８．８９０mm（０．３５０インチ）であった。
【００３６】
３件の押出しの条件を表Iに示す。
【表１】
【００３７】
３件の押出し試験で得られたテープを延伸操作に付して、最終デンタルテープを生産した。延伸操作において、テープをスプールから巻き出し、加熱ローラーにかけ、ホットプレートを横断させ、そして第２のローラーに巻き返した。３件の延伸試験の条件を表IIに示す。
【表２】
【００３８】
試験１で得られたテープの一部を微結晶ワックス、すなわちCrompton社（米国、ペンシルベニア州、Petrola）によって供給されるW445でコーティングした。このテープを試験１aと記した。テープをコーティングするために、テープを８８℃のワックスを入れた槽を通して引っ張った。槽を離れると同時に、余分なワックスを除去した。適用したワックスの平均重量は最終テープの重量の５２％であった。
【００３９】
テープの全幅、全厚さ、および全デニールを測定し、表IIIにまとめている。
【表３】
【００４０】
上で製作したテープの圧縮および回復膨張を、２つの隣接した歯の表面を再現するよう使用される２つのスチールシャフトを含む装置を使用して、測定した。一方のスチールシャフトは固定され、他方のシャフトは旋回された。厚み計を、可動シャフトが固定シャフト上に休止している時にゼロに設定した。テープを停止シャフトの軸に対して９０度で装着した。ニップポイントにほとんど圧力を及ぼさないように構成された可動シャフトをテープの上に休止させ、元の厚さ（to）の読取値を厚み計から得た。次に、約０．４５３６キログラム（１ポンド）のおもりを直接ニップポイントの上に適用し、圧縮厚さ（tc）の読取値を記録した。圧縮率は、
圧縮率=100x(to-tc)/to
で計算した。
【００４１】
テープの回復膨張の測定値を、この装置を使用して、すべての力を取り除き、厚み計の回復厚さ（tr）の読取値を書き留めることによって取得した。回復率は、
回復率=100x(tr-tc)/(to-tc)
で計算した。
【００４２】
各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表IVにまとめられている。
【表４】
【００４３】
次に、テープの引張特性およびテナシティを、インストロン型万能試験機（Instron universal testing machine）を使用して、試験片の長さ２５４mm（１０インチ）で、毎分２５４mm（１０インチ）のクロスヘッド速度で、測定した。
【００４４】
各々のテープの引張強さ、破断点伸び率、およびテナシティを測定し、結果は表Vにまとめられている。
【表５】
【００４５】
いくつかのフロスおよびテープの清掃能力の比較を次に行った。使用した工程は、Yankel, S.L.らの論文、「Laboratory Evaluations of Three Dentifrices with Polishing or Brushing」、Journal of Clinical Dentistry、9(3):61-63(1998)にまとめられている。手短に言えば、Yankelに記載された感圧湿紙（wet pressure sensitive paper）を９．５２５mm（３／８”）の直径の直立シャフトに装着させた。テスト対象のフロスまたはテープをアイレットに通し、それによってフロスを２．５４０mm（０．１００インチ）シャフトの両側に引き戻した。アイレットは、シャフトの中心線から２５．４０mm（１インチ）の等距離に位置した。おおよそ２５０グラムの張力をフロスに与えた。フロスを噴霧ボトルにより脱イオン水で湿らし、テープまたはフロスを上記紙に対して上下に移動させ（１９．０５mm（３／４インチ）ストローク距離）、それによって紙繊維をすり減らし、さまざまな着色表面を露出させた。５サイクルの後に紙を取り外し、比較のために保存した。堆積物除去深さ（Depth of Deposit Removal(DDR)）を、比較カラーチャートの０〜４の目盛りを使用して記録した。
【００４６】
上述のように製作した試験１のテープを、２つの市販のデンタルフロスと同様にテストした。市販のデンタルフロスは、GLIDE ORIGINALの商品名（米国、オハイオ州、Cincinnati、Proctor & Gamble社）で販売されているモノフィラメントのコーティングされたフロスと、REACH MINT WAXEDの商品名（米国、ニュージャージー州、Skillman、PPC Division of McNeil-PPC社）で販売されているワックスコーティングされたマルチフィラメントフロスであった。
【００４７】
図６a〜６cは、上記のデンタルフロスおよびテープに関し上述の堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真である。像は５０倍の倍率である。フロッシングパターンは、像に対し右上から左下への対角線である。表VIは、テストしたテープに関する堆積物除去深さ（DDR）値の比較を示す。
【表６】
【００４８】
結果は、本発明のリブ付きデンタルテープがマルチフィラメントのREACH MINT WAXEDと同程度に、または多少より良好に機能し、またモノフィラメントのGLIDE ORIGINALより優れていることを示した。
【００４９】
最後に、いくつかのテープおよびフロスの靱性の比較を行った。簡単に言えば、参照して本明細書に組み入れる米国特許第５，９０８，０３９号（図３および４）に記載された靱性試験機を使用した。このテストでは歯を使用するのではなく、歯に代えて米国特許第５，９０８，０３９号に示された２つの金属棒を使用した。項目２１は、ねじ付き表面を備えた直径９．５２５mm（０．３７５インチ）で長さ１８．４２mm（０．７２５インチ）の鋼製円筒体であった。ねじ山は深さが０．２５４mm（０．０１インチ）でピッチが０．５０８mm（０．０２インチ）であった。このことは、鋭くはないが粗い表面を表す。項目２２は、長さが１８．４２mm（０．７２５インチ）の円錐形の滑らかな円筒であった。円錐体の基部は直径が３．８１０mm（０．１５インチ）であった。円錐体の直径は、１４．４８mm（０．５７インチ）の長さにわたって直径９．５２５mm（０．３７５インチ）まで増加し、０．６３５mm（０．０２５インチ）の間は９．５２５mm（０．３７５インチ）のままであった。それから直径は残りの長さにわたって３．１７５mm（０．１２５インチ）まで減少した。項目２４のばね力は、歯２２に０．７９３８kg（１．７５lb）の力を及ぼすように設定された。テスト対象のフロスまたはテープを模擬歯の間に張った。フロスまたはテープをおおよそ２５０グラムの張力で保持し、円筒体を上下に動かした。これをテープまたはフロスが切れるまで繰り返した。テストは試験対象の各々のテープまたはフロスに対して１０回繰り返した。
【００５０】
上述のように製作した試験１、１a、および２のテープを、市販のデンタルフロスと同様にテストした。市販のデンタルフロスは、GLIDE ORIGINALと、軽くワックスがけしたモノフィラメントフロスであるGLIDE COMFORTと、REACH MINT WAXEDであった。
【００５１】
テストした各々のテープおよびフロスに関する破損までのサイクル数の比較は表VIIにまとめられている。
【表７】
【００５２】
表VIIは、試験１aのフロスが他のすべてのものよりも高い、破損までの平均サイクル数を有することを示している。試験２は、試験１および１aと同じ材料であるが断面が平らな材料を使用した。驚いたことに、試験１は試験２よりも著しく高い、破損までのサイクル数を示した。理論に縛られるつもりはないが、モノフィラメントテープのコア体の表面に沿ったリブの存在は、モノフィラメントテープをちぎれから保護し、それによって、表VIに示すようにリブなしのテープよりも良好に清掃するのみでなく、ちぎれに対してより強くて抵抗力のあるデンタルテープを提供するものと信じられる。
【００５３】
＜実施例２＞
本発明のデンタルテープをいくつかの他の樹脂を使用して生産した。使用した樹脂は表VIIIに列記されている。
【表８】
【００５４】
これらの樹脂を７５℃で３時間乾燥させた。これらの樹脂を、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００５５】
押出しの条件は表IXに示されている。
【表９】
【００５６】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表Xに示されている。
【表１０】
【００５７】
テープの全幅、全厚さ、および全デニールを測定し、表XIにまとめている。
【表１１】
【００５８】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XIIにまとめられている。
【表１２】
【００５９】
＜実施例３＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、延伸条件を調整して最終テープの寸法が変更されるようにして生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００６０】
押出しの条件は表XIIIに示されている。
【表１３】
【００６１】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XIVに示されている。
【表１４】
【００６２】
テープの全幅、全厚さおよび全デニールを測定し、表XVにまとめている。
【表１５】
【００６３】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XVIにまとめられている。
【表１６】
【００６４】
＜実施例４＞
本発明のデンタルテープをPEBAX MX 1205、3533、および2533樹脂を使用して生産した。樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で、実施例１に記載したリブ付きダイを使用して処理した。
【００６５】
押出しの条件は表XVIIに示されている。
【表１７】
【００６６】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XVIIIに示されている。
【表１８】
【００６７】
テープの全幅、全厚さおよび全デニールを測定し、表XIXにまとめている。
【表１９】
【００６８】
テープの引張特性を実施例１で記載したように測定した。引張強さおよび破断点伸び率は表XXにまとめられている。
【表２０】
【００６９】
＜実施例５＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの数を調整して最終テープの構造が変更されるようにして生産した。
【００７０】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。相違点は、実施例１においては、第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあったことである。ここでは、第１および第２の清掃面の両方から突出する５つのリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．７４７mm（０．３０５インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．１９０５mm（０．００７５インチ）と０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブの間の間隔（sr）は１．２７０mm（０．０５０インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００７１】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出しの条件は表XXIに示されている。
【表２１】
【００７２】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXIIに示す。
【表２２】
【００７３】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００７４】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXIIIにまとめられている。
【表２３】
【００７５】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った（conducted）。結果は表XXIVにまとめられている。
【表２４】
【００７６】
清掃面当たり、より少ない数のリブを利用することは、清掃面当たり約８つよりも多くの、例えば１０以上のリブを有するものほど強くはないデンタルテープを提供するが、試験１４は、デンタルテープの両方の清掃面に沿って配置された複数のリブを有することにより、表VI、試験２に明らかなように、何らのリブも有しないデンタルテープと比較して、強度が改善されることを実証している。
【００７７】
＜実施例６＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの幅を調整して最終テープの構造および寸法が変更されるようにして生産した。
【００７８】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．１９０５mm（０．００７５インチ）と０．０６３５mm（０．００２５インチ）であった。実施例１において、ダイのリブ部の幅（wr）は０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００７９】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出しの条件は表XXVに示されている。
【表２５】
【００８０】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXVIに示されている。
【表２６】
【００８１】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００８２】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXVIIにまとめられている。
【表２７】
【００８３】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った。結果は表XXVIIIにまとめられている。
【表２８】
【００８４】
＜実施例７＞
本発明のデンタルテープを、PEBAX MX 1205樹脂を使用し、リブの高さを調整して最終テープの構造および寸法が変更されるようにして生産した。
【００８５】
ダイはステンレス鋼で形成され、実施例１の断面と類似の断面を有した。第１および第２の清掃面の両方から突出する１１のリブがあった。スロットの全幅またはwtは、７．６９６mm（０．３０３インチ）であった。ダイのコア体の厚さtcは、０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。ダイのリブ部の高さと幅（それぞれhrとwr）は、０．０９６５mm（０．００３８インチ）と０．０８８９mm（０．００３５インチ）であった。実施例１において、ダイのリブ部の高さ（hr）は０．１９０５mm（０．００７５インチ）であった。両方の清掃面の隣り合ったリブ間の間隔（sr）は０．６６０４mm（０．０２６インチ）であり、sarとsrとの比は０．５、すなわち、第２の清掃面のリブは、第１の清掃面のリブの間のほぼ中間に位置付けられていた。
【００８６】
樹脂を７５℃で３時間以上乾燥させ、実施例１の押出機で処理した。押出し条件は表XXIXに示されている。
【表２９】
【００８７】
押出試験で得られたテープを実施例１の手順に従って延伸した。３件の延伸試験の条件は表XXXに示されている。
【表３０】
【００８８】
テープを実施例１で記載したように微結晶ワックス、W445でコーティングし、コーティングしたテープを試験１aと記した。
【００８９】
テープの圧縮および回復膨張を実施例１で記載したように測定した。各々のテープの圧縮率および回復率を測定し、結果は表XXXIにまとめられている。
【表３１】
【００９０】
テープの靱性を、実施例１で記載したように、各々のテープの破損までのサイクル数を測定することによって扱った。結果は表XXXIIにまとめられている。
【表３２】
【００９１】
〔実施の態様〕
（１）モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の少なくとも一方に沿って配置された複数のリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
（２）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の両方がリブを備える、デンタルテープ。
（３）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
（４）実施態様３に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【００９２】
（５）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しい、デンタルテープ。
（６）実施態様５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブと整列されている、デンタルテープ。
（７）実施態様５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
（８）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の前記間隔が不規則である、デンタルテープ。
【００９３】
（９）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート（sensate）、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（１０）実施態様９に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
（１１）実施態様１に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが約１０のリブを含んでいる、デンタルテープ。
（１２）実施態様２に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが、前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々に沿って配置された約５つのリブを含んでいる、デンタルテープ。
【００９４】
（１３）モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約５：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面に沿って配置された少なくとも約８つのリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
（１４）実施態様１３に記載のデンタルテープにおいて、
約５０パーセントよりも大きい圧縮率、および約４０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
（１５）実施態様１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
（１６）実施態様１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【００９５】
（１７）実施態様１６に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
（１８）実施態様１７に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しく、かつ前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
（１９）実施態様１７に記載のデンタルテープにおいて、
約６０パーセントよりも大きい圧縮率、および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
（２０）実施態様１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【００９６】
（２１）実施態様１３に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（２２）実施態様１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
（２３）実施態様２１に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
（２４）実施態様２２に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【図面の簡単な説明】
【００９７】
【図１】本発明のデンタルテープの１つの実施の形態の断面図である。
【図２】正面上から見た図１の斜視図である。
【図３】図１の拡大断面図である。
【図４】本発明のデンタルテープの別の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ａ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｂ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｃ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｄ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｅ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図５ｆ】本発明のデンタルテープのリブの他の実施の形態の拡大断面図である。
【図６ａ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【図６ｂ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【図６ｃ】いくつかのデンタルテープに関し堆積物除去深さ（DDR）評価を行った後の感圧湿紙の写真（５０x）である。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の少なくとも一方に沿って配置された複数のリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
【請求項２】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の両方がリブを備える、デンタルテープ。
【請求項３】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【請求項４】
請求項３に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【請求項５】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しい、デンタルテープ。
【請求項６】
請求項５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブと整列されている、デンタルテープ。
【請求項７】
請求項５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
【請求項８】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の前記間隔が不規則である、デンタルテープ。
【請求項９】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１０】
請求項９に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【請求項１１】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが約１０のリブを含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１２】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが、前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々に沿って配置された約５つのリブを含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１３】
モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約５：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面に沿って配置された少なくとも約８つのリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
【請求項１４】
請求項１３に記載のデンタルテープにおいて、
約５０パーセントよりも大きい圧縮率、および約４０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
【請求項１５】
請求項１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【請求項１６】
請求項１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【請求項１７】
請求項１６に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【請求項１８】
請求項１７に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しく、かつ前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
【請求項１９】
請求項１７に記載のデンタルテープにおいて、
約６０パーセントよりも大きい圧縮率、および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
【請求項２０】
請求項１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【請求項２１】
請求項１３に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項２２】
請求項１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項２３】
請求項２１に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【請求項２４】
請求項２２に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【請求項１】
モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約１０：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の少なくとも一方に沿って配置された複数のリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
【請求項２】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の両方がリブを備える、デンタルテープ。
【請求項３】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【請求項４】
請求項３に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【請求項５】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しい、デンタルテープ。
【請求項６】
請求項５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブと整列されている、デンタルテープ。
【請求項７】
請求項５に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
【請求項８】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の前記間隔が不規則である、デンタルテープ。
【請求項９】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１０】
請求項９に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【請求項１１】
請求項１に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが約１０のリブを含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１２】
請求項２に記載のデンタルテープにおいて、
前記複数のリブが、前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々に沿って配置された約５つのリブを含んでいる、デンタルテープ。
【請求項１３】
モノフィラメントデンタルテープにおいて、
第１の清掃面、および前記第１の清掃面と反対側の第２の清掃面を備えるコア体であって、約５：１よりも大きいアスペクト比を有する、コア体と、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面に沿って配置された少なくとも約８つのリブと、
を備えており、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの比が、約３：１から約２５：１である、デンタルテープ。
【請求項１４】
請求項１３に記載のデンタルテープにおいて、
約５０パーセントよりも大きい圧縮率、および約４０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
【請求項１５】
請求項１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【請求項１６】
請求項１４に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープの幅と前記デンタルテープの厚さとの前記比が、約１０：１から約２０：１である、デンタルテープ。
【請求項１７】
請求項１６に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの断面形態が実質的に長方形であり、かつ前記リブの高さと前記リブの幅との比が約１．５：１から約８：１である、デンタルテープ。
【請求項１８】
請求項１７に記載のデンタルテープにおいて、
前記リブの間の間隔が実質的に等しく、かつ前記第１の清掃面上の前記リブが前記第２の清掃面上の前記リブからずれている、デンタルテープ。
【請求項１９】
請求項１７に記載のデンタルテープにおいて、
約６０パーセントよりも大きい圧縮率、および約６０パーセントよりも大きい回復率を持つ、デンタルテープ。
【請求項２０】
請求項１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記第１の清掃面および前記第２の清掃面の各々が少なくとも約１０のリブを備える、デンタルテープ。
【請求項２１】
請求項１３に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項２２】
請求項１８に記載のデンタルテープにおいて、
前記デンタルテープに適用されたコーティングをさらに備え、
前記コーティングが、平滑剤、離型剤、研磨剤、白化剤、活性剤、嗅覚刺激剤、唾液分泌促進剤、センセート、精油、フレーバー剤、抗菌剤、および抗ウイルス剤からなる群より選択された成分を含んでいる、デンタルテープ。
【請求項２３】
請求項２１に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【請求項２４】
請求項２２に記載のデンタルテープにおいて、
前記成分がカプセルに包まれている、デンタルテープ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図５ｃ】
【図５ｄ】
【図５ｅ】
【図５ｆ】
【図６ａ】
【図６ｂ】
【図６ｃ】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５ａ】
【図５ｂ】
【図５ｃ】
【図５ｄ】
【図５ｅ】
【図５ｆ】
【図６ａ】
【図６ｂ】
【図６ｃ】
【公開番号】特開２００９−１６０３８０（Ｐ２００９−１６０３８０Ａ）
【公開日】平成２１年７月２３日（２００９．７．２３）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２００８−２８６１２４（Ｐ２００８−２８６１２４）
【出願日】平成２０年１１月７日（２００８．１１．７）
【出願人】（５９１２５２８３９）マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】ＭＣＮＥＩＬ−ＰＰＣ，ＩＮＣＯＲＰＯＲＡＴＥＤ
【公開日】平成２１年７月２３日（２００９．７．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２８６１２４（Ｐ２００８−２８６１２４）
【出願日】平成２０年１１月７日（２００８．１１．７）
【出願人】（５９１２５２８３９）マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】ＭＣＮＥＩＬ−ＰＰＣ，ＩＮＣＯＲＰＯＲＡＴＥＤ
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