説明

多品種秤量装置および多品種秤量装置システム構成

【課題】 本発明は、インスタントラーメンなどのカップ麺を数種類の具材と共にカップ詰めする際に、具材を秤量して切り出す多品種秤量装置および多品種秤量装置システム構成を提供することを目的とする。
【解決手段】 粉粒状の原料A、Bを第1の原料ホッパー2と第2の原料ホッパー3に個別に貯留して下流側へ徐々に送り出し、秤量をして第1のシュート10と第2のシュート11に排出してカップ詰め装置23に供給し、第1の原料ホッパー2から第1のシュート10までの1系列と、第2の原料ホッパー3から第2のシュート11までの1系列とが上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成された、省スペース型およびメンテ性容易型の多品種秤量装置であり、多品種の具材を混合させることができると共に、原料ホッパーの小型軽量化で作業性を向上させ、さらに、据付面積1/2化の省スペース、および洗浄の容易さを実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスタントラーメンなどのカップ麺を数種類の具材と共にカップ詰め、および粉粒刻み状のふりかけなどを小袋詰めする際に、それぞれの原料である具材を秤量して切り出す多品種秤量装置および多品種秤量装置システム構成に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、背景技術について説明する。
図6は、従来の多品種計量装置の一実施形態を示す図である。インスタントラーメンなどの粉末スープ、乾燥食品、ふりかけ、お菓子、およびお茶漬け等の小袋詰めで売られている食品を袋詰めする際に、数種類の原料をそれぞれ秤量して混合して切り出す多品種秤量装置101において、乾燥した数種類の粉粒状物の原料を種類毎に貯留し、種類毎の送り機構によって原料を徐々に送り出し、原料の種類毎に秤量を行って種類毎のシュートに所定量を排出し、排出された原料を受け取る一つのシュートで数種類の原料を混合して袋詰め装置に供給する連続秤量切り出し装置であって、図6に示すように、一種類の原料に対して、下部が徐々に細くなって底側部に複数段に配置された複数ヶ所の排出部102を有する粉粒状物の原料を貯留するホッパー103と、このホッパー103の排出部102に軸受を介して連結され、ホッパー103から流出する粉粒状物の原料を徐々に下方に移動させ、傾斜して複数段に配置された複数個の細長の回転筒105と、斜め下方に排出ダンパー109を有し、回転筒105から切り出される粉粒状物の原料を一時収納する複数段に配置された複数個の受け容器107と、この受け容器107に投入された粉粒状物の原料をその風袋と共に秤量する複数段に配置された複数個のロードセルからなる計重器108と、この回転筒105を高速回転させた後、計重器108からの測定信号が目標値近くになった場合に、回転筒105を低速回転に切替える複数段に配置された複数個のモーター機構106と、この計重器108からの信号を基にして、受け容器107の排出ダンパー109を開く複数段に配置された複数個のダンパー開閉機構110と、受け容器107から排出される所定量の粉粒状物の原料を下方に流す一つのシュート111とを有し、排出された数種類の原料をまとめて混合して袋詰め装置に供給する1個のシュート111を有する。これによって、複数の粉粒状物の原料を正確に秤量し混合して切り出し、従来の袋詰めラインに適用することが可能である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−124619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この連続秤量切り出し装置は、1種類の原料について、ホッパーと、回転筒と、受け容器と、計重器と、モーター機構と、受け容器の排出ダンパーを開くダンパー開閉機構と、一つのシュートとを備え、これを4セット組み込んで4種類の原料を混合することによって、精度の高い秤量と、数種類の材料の混合を行い袋詰めをすることができるが、多連の切り出し部を上下に積層しなければならないためロードセルを上方において受け容器を吊り下げる構造であり、秤量精度が出し難い点、および粉粒状物の流路を構成する部位の洗浄などメンテし難い点があった。
本願発明は、多品種の具材を混合させることができると共に、原料ホッパーの小型軽量化で作業性を向上させ、さらに、据付面積1/2化の省スペース、および洗浄の容易さを実現する多品種秤量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明の多品種秤量装置は、粉粒状の同じ種類の原料、および異なった種類の原料のいずれか一方の原料を第1の原料ホッパーと第2の原料ホッパーの2個の原料ホッパーにそれぞれ個別に貯留して、上流側に設けられた前記第1の原料ホッパーと前記第2の原料ホッパーから前記原料を下流側へ徐々に送り出し、それぞれ秤量を行って所定量を前記第1の原料ホッパーの下流側の第1のシュートと、前記第2の原料ホッパーの下流側の第2のシュートにそれぞれ排出して前記原料をカップ詰め装置に供給する、前記第1の原料ホッパーから前記第1のシュートまでの1系列と、前記第2の原料ホッパーから前記第2のシュートまでの1系列とが前記上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成された、省スペース型およびメンテ性容易型の多品種秤量装置であって、
前記第1の原料ホッパーと前記第2の原料ホッパーの下部に設けられたそれぞれ複数の第1の排出口と複数の第2の排出口と、
前記複数の第1の排出口と前記複数の第2の排出口のそれぞれに対応して接続され、前記原料が前記下流側へ流動するように連続的に設けられた、前記下流側へ下降傾斜した回転筒状の複数の第1のパイプフィーダーと複数の第2のパイプフィーダーと、
前記複数の第1のパイプフィーダーと前記複数の第2のパイプフィーダーの前記下流側のそれぞれの端部に設けられた、開閉蓋を有する複数の第1の計重ホッパーと複数の第2の計重ホッパーと、
前記複数の第1の計重ホッパーと前記複数の第2の計重ホッパーとを下方からそれぞれ支持して前記第1の計重ホッパーと前記第2の計重ホッパーの重量を前記原料の重量と共にそれぞれ秤量する複数の第1の計重センサーと複数の第2の計重センサーと、
前記複数の第1の計重ホッパーと前記複数の第2の計重ホッパーの下流側に設けられたそれぞれ前記第1のシュートと前記第2のシュートと、
を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多品種秤量装置であって、前記第1、第2の原料ホッパーは、第1、第2の上部原料ホッパー、第1、第2の中部原料ホッパー、および第1、第2の下部原料ホッパーをそれぞれ備え、
前記第1の下部原料ホッパーと前記第2の下部原料ホッパーは、それぞれその前記下部に複数の前記第1の排出口と複数の前記第2の排出口を備え、
前記複数の第1の排出口と前記複数の第2の排出口の各々に前記パイプフィーダーが連続的に設けられ、
前記第1のパイプフィーダーの上方に前記第2のパイプフィーダーがオーバーラップして離間して設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の多品種秤量装置であって、前記複数の第1の計重ホッパーのうち隣接する2個に対して統合された1個の前記第1のシュートと、
前記複数の第2の計重ホッパーのうち隣接する2個に対して統合された1個の前記第2のシュートと、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の前記多品種秤量装置の洗浄用扉を対面させて2台の前記多品種秤量装置を配置して前記原料をカップ詰め装置に供給する多品種秤量装置システム構成であって、
前記2台の多品種秤量装置を20〜50cm以下の狭間隔で向かい合わせに配置して、前記2台の多品種秤量装置に設けられた前記ホッパー、前記パイプフィーダーおよび前記計重ホッパーの洗浄のための取り出しを容易にすることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の多品種秤量装置システム構成であって、
前記多品種秤量装置の筐体には、原料の流れ方向に対してその前後に第1、第2の洗浄用扉を備え、
前記2台の多品種秤量装置のそれぞれの前記第1、第2の洗浄用扉のうち、前記第1、第1の洗浄用扉同士、および前記第2、第2の洗浄用扉同士のうちいずれか一方同士を対面させて原料の流れ方向に配置し、さらに、原料の流れ方向に対して並列に配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、多品種秤量装置は、第1の原料ホッパーから第1のシュートまでの1系列と、第2の原料ホッパーから第2のシュートまでの1系列とが上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成されているため、立体的に形成され、平面的には省スペース型にすることができる。
また、従来のように、ロードセルから長いアーム状のハンガーによってぶら下げられた計重ホッパーに比べ、ロードセルを用いた計重センサーを各系列毎にその下方に置いてその上に計重ホッパーを載置するため、ふらつかずしっかりと固定することができ、精度良く秤量することができる。また、原料ホッパーは女性のオペレータでは重量の点で大きさが制約されるため、多連の切り出し部を8連までしか構成できなかったが、小型装置を並列に配置できるように工夫したことで16連相当の多連化をすることができた。さらに、洗浄用扉を対面させて並列および縦列に配置することによって、4台の小型装置を構成することができ、据付面積1/2化の省スペースおよび洗浄の容易さを実現することができた。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、排出口の各々にパイプフィーダーが連続的に設けられ、第1のパイプフィーダーの上方に第2のパイプフィーダーがオーバーラップして設けられていることによって、装置自体をコンパクトにできる。これによって、第1、第2のシュート排出口間を狭ピッチにすることができ、製造ライン自体を省スペース型にすることができ、4台の小型装置を構成することができ、据付面積1/2化の省スペースを実現することができた。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、パイプフィーダー2個に対して1個のシュートが設けられているため、パイプフィーダー1個に対して1個のシュートとした場合に対して、パイプの径を小さくでき、結果的に高速化および高精度とすることができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、従来のように、ロードセルから長いアーム状のハンガーによってぶら下げられた計重ホッパーに比べ、ロードセルを用いた計重センサーを下方に置いてその上に計重ホッパーを載置するため、具材と接触する流路の容器を洗浄する際に、筐体に設けられた洗浄用扉を大きくし、広く開放させる必要があったが、洗浄用扉を対面させて配置する場合でも人一人が入る、わずかなスペースで流路部品を取り外すことができる。そして、洗浄用扉を具材の流れ方向に対面させて配置することによって、4台の小型装置を構成することができ、据付面積1/2化の省スペースおよび洗浄の容易さを実現することができた。
また、原料ホッパーについては女性のオペレータでは重量の点で大きさが制約されるため、多連の切り出し部を8連までしか構成できなかったが、小型装置を並列に配置することで16連相当の多連化を実現することができた。
【0014】
請求項5に係る発明によれば、洗浄用扉を具材の流れ方向に対面させて配置することによって、4台の小型装置を構成することができ、据付面積1/2化の省スペースおよび洗浄の容易さを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る多品種秤量装置の概略を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る多品種秤量装置の概略を示し、図1に示すA矢視図であり側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る多品種秤量装置のシステム構成の概略を示し、(a)は正面図、(b)は(a)に示すB矢視図であり、側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る多品種秤量装置のシステム構成を説明する製造ラインの平面図であり、(a)は従来の製造ラインの平面図、(b)は本願発明の製造ラインの平面図である。
【図5】単一原料の生産ラインを説明する多品種秤量装置を用いたシステム構成の概略を示し、(a)は正面図、(b)は(a)に示すC矢視図であり、側面図である。
【図6】従来の実施形態に係る多品種秤量装置の概略図であり、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る多品種秤量装置の構成を示す概略図であり、多品種秤量装置の概略を示す正面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る多品種秤量装置の概略を示し、図1に示すA矢視図であり、側面図である。
図1、図2に示すように、多品種秤量装置1は、多品種対応型、省スペース型およびメンテ性容易型の秤量装置であって、粉粒状の同じ種類の原料Aを第1、第2の原料ホッパー2、3に貯留する場合と、異なった種類の原料A、Bを第1、第2の原料ホッパー2、3にそれぞれ貯留する場合があり、どちらでも構成は同様である。
図1では、異なった種類の原料A、Bを第1、第2の原料ホッパー2、3にそれぞれ貯留する場合を例に説明している。
先ず、第1の原料ホッパー2と第2の原料ホッパー3の2個の原料ホッパーに原料A、Bをそれぞれ個別に貯留して、図中上方の上流側に設けられた第1の原料ホッパー2と第2の原料ホッパー3から原料A、Bをそれぞれ図中下方の下流側へ徐々に送り出し、それぞれ秤量を行って所定量を第1の原料ホッパー2の下流側の第1のシュート10と、第2の原料ホッパー3の下流側の第2のシュート11にそれぞれ排出して原料A、Bをそれぞれカップ詰め装置23(図3参照)に供給する。
【0017】
この多品種対応型、省スペース型およびメンテ性容易型の多品種秤量装置1は、第1の原料ホッパー2から第1のシュート10までの1系列と、第2の原料ホッパー3から第2のシュート11までの1系列とが上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成されている。
そして、第1の原料ホッパー2は、第1の上部原料ホッパー2a、第1の中部原料ホッパー2b、および第1の下部原料ホッパー2cを備え、第2の原料ホッパー3は、第2の上部原料ホッパー3a、第2の中部原料ホッパー3b、および第2の下部原料ホッパー3cをそれぞれ備えている。因みに、図中、第2の原料ホッパー3を含む系列が、第1の原料ホッパー2を含む系列の上方に配置されている。
【0018】
第1の下部原料ホッパー2cと第2の下部原料ホッパー3cは、その下部に複数の、ここでは8つの第1の排出口2ca(2ca1、2ca2・・)と8つの第2の排出口3ca(3ca1、3ca2・・)とを備えている。
これら8つの第1の排出口2ca(2ca1、2ca2・・)と8つの第2の排出口3ca(3ca1、3ca2・・)のそれぞれに対応して、下流側へ下降傾斜した回転筒状の8つの第1のパイプフィーダー4、4・・と、8つの第2のパイプフィーダー5、5・・とが、原料A、Bを下流側へ流動させるように連続的に設けられている。そして、この第1のパイプフィーダー4、4・・の上方に第2のパイプフィーダー5、5・・がオーバーラップして離間して設けられている。そして、前記パイプフィーダーは、回転筒状であり、モーターなどの駆動手段により回転させることで、原料を下流側方向へ徐々に送り出すことができる。本実施形態では、上下に並列に設けた各系列のパイプフィーダーの径を特に指定していないが25〜65mmφであるが、これに限るものではなく、さらに、上下異なった径であっても構わない。
【0019】
この8つの第1のパイプフィーダー4、4・・と8つの第2のパイプフィーダー5、5・・は、第1の内筒4a(4a1、4a2・・)と第1の外筒4b(4b1、4b2・・)、および第2の内筒5a(5a1、5a2・・)と第2の外筒5b(5b1、5b2・・)とをそれぞれ備えている。そして、これらの内筒4a、4bと外筒5a、5bとがほぼ同期して回転するように、これらの内筒4a、5aは外筒4b、5bによって取り外し可能に外嵌されている。
そして、第1のパイプフィーダー4の第1の内筒4a、第2のパイプフィーダー5の第2の内筒5aのそれぞれの第1の端部4ab(4ab1、4ab2・・)、第2の端部5ab(5ab1、5ab2・・)には、第1、第2の開閉蓋6b、7bを有する第1の計重ホッパー6と第2の計重ホッパー7とがそれぞれ8つずつ設けられている。
【0020】
そして、第1の計重ホッパー6、6・・、第2の計重ホッパー7、7・・にはそれぞれ第1の計重容器6a(6a1、6a2・・)、第2の計重容器7a(7a1、7a2・・)、第1の開閉蓋6ab(6ab1、6ab2・・)、第2の開閉蓋7ab(7ab1、7ab2・・)を備えている。そして、これらの第1、第2の計重ホッパー6、7を下方からそれぞれ支持する計重センサーとしてのロードセル8a(8a1、8a2・・)、9a(9a1、9a2・・)が設けられている。
これらの8つの第1の計重ホッパー6、6・・と8つの第2の計重ホッパー7、7・・とを下方からそれぞれ支持して第1の計重ホッパー6と第2の計重ホッパー7の重量を原料A、Bの重量と共にそれぞれ秤量する8つの第1の計重センサー8a(8a1、8a2・・)と8つの第2の計重センサー9a(9a1、9a2・・)とが設けられている。
【0021】
この第1のロードセル8a(8a1、8a2・・・)、第2のロードセル9a(9a1、9a2・・・)は、計重ホッパー6、6・・、7、7・・の重量を原料A、Bの重量と共に個別に秤量する。そしてこれら複数の計重ホッパー6、7の下流側にはそれぞれ第1のシュート10、10・・、第2のシュート11、11・・が設けられている。そして、第1のシュート10、10・・、第2のシュート11、11・・は、その下端に、第1のシュート排出口10b(10b1、10b2、10b3、10b4)、第2のシュート排出口11b(11b1、11b2、11b3、11b4)を備えている。ここでは、隣接する2つのパイプフィーダーが、1つのシュートに集約されて構成されている。すなわち、ここでは、1台の多品種秤量装置にはシュートは4つあり、パイプフィーダーは8つから構成されている。
【0022】
このように、粉粒状の2種類の原料A、Bを第1の原料ホッパー2と第2の原料ホッパー3にそれぞれ個別に貯留して、これらの原料ホッパー2、3から原料A、Bを下流側へ徐々に送り出し、それぞれ秤量を行って所定量を第1のシュート10、10・・、第2のシュート11、11・・にそれぞれ排出して、第1のシュート10、10・・、第2のシュート11、11・・に備わる第1、第2のシュート排出口10a(10a1、10a2、10a3、10a4)、11a(11a1、11a2、11a3、11a4)からそれぞれカップ22(図3参照)に供給する。
【0023】
また、多品種秤量装置1の筐体20には、原料の流れ方向に対してその前後に第1、第2の洗浄用扉20a、20bを備え、そして、2台の多品種秤量装置1、1のそれぞれの第1、第2の洗浄用扉20a、20bのうち、第1、第1の洗浄用扉同士20a、20a、または第2、第2の洗浄用扉同士20b、20bを対面させて原料の流れ方向に配置し、さらに、原料の流れ方向に対して並列に配置している。
【0024】
そして、第1、第2の高さ調節ねじ16(16a1、16a2・・)、19(19a1、19a2・・)は、第1、第2のパイプフィーダー4、5の傾斜角度を調節するもので、下流側に対して0〜7°程度傾斜させることができる。傾斜角度はこれに限定するものではなく、設計上適宜変更可能である。
また、第1、第2のパイプフィーダー4、5の外筒である回転筒4b、5bの外周には第1、第2の回転筒用歯車14(14a1、14a2・・)、17(17a1、17a2・・)がその外周に固定されており、第1、第2の回転筒用モーター15(15a1、15a2・・)、18(18a1、18a2・・)によって所定の速度で回転する。なお、第1、第2の回転筒用モーター15、18のそれぞれのロータ軸(図略)には、第1、第2のパイプフィーダー4、5のその外周に固定された歯車と噛み合うように歯車(符号略)が設けられている。
【0025】
これによれば、従来のように、ロードセルから長いアーム状のハンガーによってぶら下げられた計重ホッパーに比べ、ロードセルを下方に置いてその上に計重ホッパーを載置するためふらつくことはなくしっかりと固定して精度良く秤量することができる。また、原料ホッパーは女性のオペレータでは重量の点で大きさが制約されるため、多連の切り出し部を8連までしか構成できなかったが、小型装置を並列に配置することで16連相当の多連化をすることができた。さらに、第1、第2の洗浄用扉20a、20bのうち、第1、第1の洗浄用扉、または第2、第2の洗浄用扉同士を対面させて縦列に配置し、さらに、製品の流れ方向に対して並列に配置することによって、4台の小型装置を構成することができ、据付面積1/2化の省スペースおよび洗浄の容易さを実現することができた。
【0026】
また、多品種秤量装置は、第1の原料ホッパーから第1のシュートまでの1系列と、第2の原料ホッパーから第2のシュートまでの1系列とが上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成されているため、立体的に形成され、平面的には省スペース型にすることができた。
【0027】
次に、本願発明の多品種秤量装置の動作を説明する。
図1、図2に示すように、第1、第2の原料ホッパー2、3に貯留された原料A、Bが第1、第2の上部原料ホッパー2a、3a、第1、第2の中部原料ホッパー2b、3b、第1、第2の下部原料ホッパー2c、3cへと流動する。第1、第2の上部原料ホッパー2a、3aから第1、第2の中部原料ホッパー2b、3bとの間には第1、第2の撹拌機2aa、3aaが設けられており、原料A、Bを強制的に送り出すようになっている。これによって、原料A、Bが途中で停留することを防止し、原料A、Bは流暢に移動する。
この第1、第2の上部原料ホッパー2a、3a、第1、第2の中部原料ホッパー2b、3b、第1、第2の下部原料ホッパー2c、3c、第1、第2のパイプフィーダー4、5、第1、第2の計重ホッパー6、7など、原料が流動する経路の部材は、洗浄のために取り外すことができるようになっており、第1、第2の洗浄用扉20a、20bを開放することで取り外しを容易にしている。
【0028】
次に、多品種秤量装置1を用いた製造ラインを説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る多品種秤量装置のシステム構成の概略を示し、(a)は正面図、(b)は(a)に示すB矢視図であり、側面図である。
図3の(a)(b)に示すように、多品種対応型、省スペース型およびメンテ性容易型の多品種秤量装置システム構成50は、図中に矢印で示すカップ送り方向に間隔Qを設けて2台の多品種秤量装置1、1を配置して、それぞれの第2の洗浄用扉20bを略30cmの間隔で対面させている。なお、それぞれ第1の洗浄用扉20a同士を対面させるようにしても構わない。
このように、2台の多品種秤量装置1、1を操作者がその隙間Qに入って作業ができるように20〜50cmの狭間隔で向かい合わせに配置して、2台の多品種秤量装置1、1に設けられたホッパー2、3、パイプフィーダー4、5、計重ホッパー6、7、およびシュート10、11の洗浄のための取り出しを容易にすることができた。
【0029】
また、多品種秤量装置1の下方には、従来ラインのカップ詰め装置23が設けられている。図中、原料A、原料B、原料C、原料Dをそれぞれ貯留する原料ホッパーから下流側へ徐々に送り出し、それぞれ秤量を行って所定量を複数のシュート10(10a1、10a2・・)、11(11a1、11a2・・)にそれぞれ排出して、カップ詰め装置23のカップ22に供給されて混合される。
【0030】
図4は、本発明の実施形態に係る多品種秤量装置のシステム構成を説明する製造ラインの平面図であり、(a)は従来の製造ラインの平面図、(b)は本願発明の製造ラインの平面図、(c)は省スペースを説明する式(1)(2)である。
図4の(a)に示すように、従来の多品種秤量装置101を例えば4台用いた製造ラインである。その4台の多品種秤量装置101の配置方法は、製品の流れ方向に対して、多品種秤量装置101の前方に間隔Qを離して配置している。そして更に間隔Qを空けて配置している。更にそれらの前方に間隔Qを空けて配置している。これで製造ラインが8レーンの4セットの32か所のシュート排出口を設けることができる。この場合、装置全体の設置長さは寸法Sである。次に、これと同様の製造を行う構成を、本願発明の多品種秤量装置1を例に説明する。
【0031】
図4の(b)に示すように、多品種秤量装置1を製品の流れ方向に対して、左右に2台並列配置する。それらの前方に間隔Qを離して更に2台並列配置する。これで製造ラインが8レーンの4セットの32か所のシュート排出口を有する構成となる。この場合、装置全体の設置長さは寸法Tである。
図4の(c)に示すように、式(1)T≦S、式(2)T≒S×1/2の関係がある。つまり、製品の流れ方向に対して幅方向は、従来ラインも本願発明ラインもほぼ同様の寸法Rである。長さ方向は寸法Tと寸法Sとなり、本願発明の場合の方が、約半分の設置面積となる。このようにスペース効率は極めて良い。
【0032】
次に、装置の構成は変わらないが、原料を一種類とした場合を説明する。
図5は、単一原料の生産ラインを説明する多品種秤量装置を用いたシステム構成の概略を示し、(a)は正面図、(b)は(a)に示すC矢視図であり、側面図である。
図3に示す多品種秤量装置システム構成50と図5に示す多品種秤量装置システム構成50の異なる点は、装置の構成は同じであるが、原料を単一とした点である。図3に示す多品種秤量装置システム構成50と同一符号を付されている箇所は、説明を省略する。
これによれば、1台当たりの設置面積はほぼ同じであるが生産能力は倍増した。つまり、半分の省スペースで生産することができると共に、従来と同一面積の生産ラインであれば生産能力を倍増することができる。
また、最上部の原料ホッパーを半分の幅とすることができるため、女性オペレータでも容易に持ち上げることができる。
【0033】
以上、好ましい実施の形態を説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することの無い範囲内において適宜変更が可能なものである。例えば、複数のパイプフィーダーを8つのパイプフィーダーとして、それに伴い4つのシュートとして説明したが、これに限定するものではなく適宜設定可能である。また、第1、第2の原料ホッパーからの上下2系列を備えたとしたが、さらに多段に設けても構わない。また、インスタントラーメンなどのカップ麺を数種類の具材と共にカップ詰めを例に説明したが、粉粒刻み状のふりかけなどを小袋詰めするようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、インスタントラーメンなどのカップ麺を数種類の具材と共にカップ詰めする際に、それぞれの原料である具材を秤量して切り出す多品種秤量装置および多品種秤量装置システム構成に適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 多品種秤量装置
2 第1の原料ホッパー
2a 第1の上部原料ホッパー
2b 第1の中部原料ホッパー
2c 第1の下部原料ホッパー
2ca、2ca1、2ca2・・ 第1の排出口
3 第2の原料ホッパー
3a 第2の上部原料ホッパー
3b 第2の中部原料ホッパー
3c 第2の下部原料ホッパー
3ca、3ca1、3ca2・・ 第2の排出口
4 第1のパイプフィーダー
4a、4a1、4a2、4a3・・ 内筒
4b、4b1、4b2、4b3・・ 外筒
5 第2のパイプフィーダー
5a、5a1、5a2・・ 内筒
5b、5b1、5b2・・ 外筒
6 第1の計重ホッパー
6a、6a1、6a2・・ 第1の計重容器
6b、6b1、6b2・・ 第1の開閉蓋
6c、6c1、6c2・・ 第1の開閉蓋用モーター
7 第2の計重ホッパー
7a、7a1、7a2・・ 第2の計重容器
7b、7b1、7b2・・ 第2の開閉蓋
7c、7c1、7c2・・ 第2の開閉蓋用モーター
8a、8a1、8a2・・ 第1の計重センサー、第1のロードセル
9a、9a1、9a2・・ 第2の計重センサー、第2のロードセル
10 第1のシュート
10a、10a1、10a2・・ 第1のシュート排出口
11 第2のシュート
11a、11a1、11a2・・ 第2のシュート排出口
12 第1の受け皿
13 第2の受け皿
14、14a1、14a2・・ 第1の回転筒用歯車
15、15a1、15a2・・ 第1の回転筒用モーター
16、16a1、16a2・・ 第1の高さ調節ねじ
17、17a1、17a2・・ 第2の回転筒用歯車
18、18a1、18a2・・ 第2の回転筒用モーター
19、19a1、19a2・・ 第2の高さ調節ねじ
20 筐体
20a 第1の洗浄用扉
20b 第2の洗浄用扉
21 表示灯
22 カップ
23 カップ詰め装置
50 多品種秤量装置システム構成


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒状の同じ種類の原料、および異なった種類の原料のいずれか一方の原料を第1の原料ホッパーと第2の原料ホッパーの2個の原料ホッパーにそれぞれ個別に貯留して、上流側に設けられた前記第1の原料ホッパーと前記第2の原料ホッパーから前記原料を下流側へ徐々に送り出し、それぞれ秤量を行って所定量を前記第1の原料ホッパーの下流側の第1のシュートと、前記第2の原料ホッパーの下流側の第2のシュートにそれぞれ排出して前記原料をカップ詰め装置に供給する、前記第1の原料ホッパーから前記第1のシュートまでの1系列と、前記第2の原料ホッパーから前記第2のシュートまでの1系列とが前記上流側から下流側に沿って階段状に上下に並行して形成された、省スペース型およびメンテ性容易型の多品種秤量装置であって、
前記第1の原料ホッパーと前記第2の原料ホッパーの下部に設けられたそれぞれ複数の第1の排出口と複数の第2の排出口と、
前記複数の第1の排出口と前記複数の第2の排出口のそれぞれに対応して接続され、前記原料が前記下流側へ流動するように連続的に設けられた、前記下流側へ下降傾斜した回転筒状の複数の第1のパイプフィーダーと複数の第2のパイプフィーダーと、
前記複数の第1のパイプフィーダーと前記複数の第2のパイプフィーダーの前記下流側のそれぞれの端部に設けられた、開閉蓋を有する複数の第1の計重ホッパーと複数の第2の計重ホッパーと、
前記複数の第1の計重ホッパーと前記複数の第2の計重ホッパーとを下方からそれぞれ支持して前記第1の計重ホッパーと前記第2の計重ホッパーの重量を前記原料の重量と共にそれぞれ秤量する複数の第1の計重センサーと複数の第2の計重センサーと、
前記複数の第1の計重ホッパーと前記複数の第2の計重ホッパーの下流側に設けられたそれぞれ前記第1のシュートと前記第2のシュートと、
を備えることを特徴とする多品種秤量装置。
【請求項2】
前記第1、第2の原料ホッパーは、第1、第2の上部原料ホッパー、第1、第2の中部原料ホッパー、および第1、第2の下部原料ホッパーをそれぞれ備え、
前記第1の下部原料ホッパーと前記第2の下部原料ホッパーは、それぞれ複数の前記第1の排出口と複数の前記第2の排出口を備え、
前記複数の第1の排出口と前記複数の第2の排出口の各々に前記パイプフィーダーが連続的に設けられ、
前記第1のパイプフィーダーの上方に前記第2のパイプフィーダーがオーバーラップして離間して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の多品種秤量装置。
【請求項3】
前記複数の第1の計重ホッパーのうち隣接する2個に対して統合された1個の前記第1のシュートと、
前記複数の第2の計重ホッパーのうち隣接する2個に対して統合された1個の前記第2のシュートと、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の多品種秤量装置。
【請求項4】
請求項1に記載の前記多品種秤量装置の洗浄用扉を対面させて2台の前記多品種秤量装置を配置して前記原料をカップ詰め装置に供給する多品種秤量装置システム構成であって、
前記2台の多品種秤量装置を20〜50cmの狭間隔で向かい合わせに配置して、前記2台の多品種秤量装置に設けられた前記ホッパー、前記パイプフィーダーおよび前記計重ホッパーの洗浄のための取り出しを容易にすることを特徴とする多品種秤量装置システム構成。
【請求項5】
前記多品種秤量装置の筐体には、原料の流れ方向に対してその前後に第1、第2の洗浄用扉を備え、
前記2台の多品種秤量装置のそれぞれの前記第1、第2の洗浄用扉のうち、前記第1、第1の洗浄用扉同士、および前記第2、第2の洗浄用扉同士のうちいずれか一方同士を対面させて原料の流れ方向に配置し、さらに、原料の流れ方向に対して並列に配置することを特徴とする請求項4に記載の多品種秤量装置システム構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−15457(P2013−15457A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149466(P2011−149466)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【特許番号】特許第4895412号(P4895412)
【特許公報発行日】平成24年3月14日(2012.3.14)
【出願人】(599093225)株式会社プラスワンテクノ (13)