説明

多機能コーティングされたコンドーム

エラストマー層と、無水加温潤滑剤、およびそこに分散される少なくとも1つ以上の成分を含有するコーティングを有し、該コーティングは、片方または両方の表面上に配置される、コンドームを提供する。エラストマー層上に配置される成分は、無水加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性である固体粒子または被包成分であり得る。これらのコンドームの作製および使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、コンドームの1つ以上の表面に配置される無水加温潤滑剤および少なくとも1つ以上の成分を有するコンドームに関し、潤滑剤は、皮膚により生成される水分と、接触と同時に反応し、温度の上昇および存在する1つ以上の成分の増大された効果を生じる。具体的には、コンドームの1つ以上の表面に配置される潤滑剤中に分散される、少なくとも1つの固体粒子または被包成分を含むコンドーム、ならびにその使用および製造方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
コンドームおよび他の予防および保護器具は、体液または他の液体の伝達に対して物理的バリアを提供する。化学的バリアも、そのような伝達を防ぐために、単独使用、またはコンドームと併用され得る。ある場合において、化学的バリアは、物理的バリアが破られた時に補助的な保護形態としての機能を果たす。
【0003】
潤滑剤等の化学的バリアは、エラストマーコンドームの潤滑剤および皮膚の潤滑剤を含む、数多くの用途に使用されている。近年、潤滑剤は、グリセリンおよび/またはプロピレングリコールが水に溶解される時に生成される熱の利点を生かすように設計されている。残念なことに、グリセリンは、皮膚の表面から水分を奪うため、グリセリンおよびプロピレングリコール自体は、皮膚および他の表面に容易に拡がらず、長期間の使用後に皮膚を刺激することがある。このような潤滑剤の展延性は、潤滑剤の熱の保持に役立つことが報告されている、蜂蜜、ミリスチン酸イソプロピルおよび/またはパルミチン酸イソプロピル等の1つ以上の絶縁剤の添加によりさらに解決される(例えば、以下に説明する国際出願公開WO第03/092652号、WO第03/092651号、およびWO第03/092650号(米国特許第7,005,408号、第7,285,517号、第7,417,013号(Ahmad)、米国特許公開第2003/021 1 161号、第2004/0167039号、第2004/0185065号、第2005/0042248号、第2005/0042249号、US第2006/0094608号、および第2007/0287714号(Ahmad)に対応)を参照されたい)。
【0004】
グリセリンおよびプロピレン基材のアルコールは、水溶性コンドーム潤滑剤に使用されている。例えば、Tsushimaによる米国特許第6,196,227号は、コンドーム用の水溶性潤滑剤および該水溶性潤滑剤を含むコンドームスプレッドを開示している。潤滑剤自体は水を含有しているため、本潤滑剤は、皮膚により生成される水分と接触した時に加温効果を与えることを意図していない。Ahmadらの米国特許第5,885,591号および第6,139,848号は、1つ以上の多価アルコール、セルロース由来の1つ以上の水溶性ポリマー、水、および任意に、保存料およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩基を含む高潤滑性個人用潤滑剤組成物を開示している。これらの組成物は、既に水を含有しているため、潤滑剤が身体に塗布され、グリセリンが身体により生成された水分と接触した時に加熱または加温反応を引き起こさない。
【0005】
Tsengらの米国特許第5,512,289号は、ポリエトキシル化ヒマシ油を含むアルキルフェノキシポリエトキシエタノール殺精子薬および水溶性化部分を含むヒドロキシアルキルセルロースを含む水溶性ポリマーゲルマトリックスを含有する殺精子抗ウイルス潤滑剤組成物を開示している。アルキルフェノキシポリエトキシエタノール殺精子薬の使用は、ヒドロキシアルキルセルロースゲルの破壊を防止する。殺精子組成物は、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等のアルコール、およびそれらの混合物等の医薬的に許容されるビヒクルの使用により分散され得る。殺精子潤滑剤の典型的な製剤は、水75.50重量%、グリセリン17.00重量%、ヒドロキシエチルセルロース1.00重量%、ポリビニルピロリドン0.90重量%、カルボキシメチルセルソース1.00重量%、ノノキシノール−9殺精子薬2.00重量%、ポリエトキシル化ヒマシ油2.00重量%、メチルパラベン0.20重量%、ソルビン酸0.05重量%、およびクエン酸0.35重量%を含み得る。グリセリンおよびグリコールは、既に水に溶解されているため、潤滑剤は、加温効果を提供しない。
【0006】
グリセリンおよび他の多価アルコールを含む加温潤滑剤は、先行技術において公知である。例えば、Ahmadらの国際出願公開WO第03/092651号およびWO第03/092652号(米国特許第7,005,408号および第7,417,013号、米国出願公開第2003/0211161号および第 2006/0094608号も参照のこと)は、多価アルコールおよび絶縁剤を含む加温および非刺激性の潤滑性組成物を開示している。多価アルコールは、グリセリン、アルキレングリコール、またはそれらの混合物を含む。アルキレングリコールは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびヘキサレングリコールから成る群から選択されるが、ポリエチレングリコールは、ポリエチレングリコール300およびポリエチレングリコール400から成る群から選択される。絶縁剤は、蜂蜜、ミリスチン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソプロピルから成る群から選択される。加温作用は、多価アルコールを水に溶解する時に放出される熱により生じ、絶縁剤が熱を保持する。無水加温潤滑剤の添加用に選択される全化合物は、水およびグリコールの両方に可溶性であり、したがって、加温潤滑剤に粒子は存在しない。
【0007】
展延可能な加温潤滑剤が、米国特許出願公開第2006/0188528号(Chuah)および第2006/0189493号(Chuah)で提供されている。これらの潤滑剤は、実質的に無水であり、グリセリン、多価アルコール、および非イオン性界面活性剤の混合物を含み、増粘された潤滑剤において、カルボマー増粘剤が使用され得る。
【0008】
Barderの米国特許出願公開第2005/0076916号は、コンドームを開示している。コンドームは、その外部表面に塗布される、好ましくは、女性の性機能不全に付随する症状を緩和するためにコンドームの開口端に向かって配置される血管拡張剤活性化合物を有する。使用される潤滑剤は、pHの範囲が3から5の水性である。したがって、使用される潤滑剤は、加温潤滑剤ではない。
【0009】
Kempの米国特許第6,840,244号は、勃起性組成物を含むコンドームを開示している。コンドームは、内部コンドーム表面上の頭端部に固定される勃起性血管拡張剤化合物を有する。勃起性化合物は、増粘液体媒体を含むゲル担体中に分散または溶解され得る。コンドームは、また、勃起性化合物または組成物を含む非混合性である潤滑剤を含んでもよい。勃起化合物は、加温潤滑剤に分散される不溶性粒子としては提供されないが、むしろコンドームの頭端で局在化される。潤滑剤が水性の場合、増粘液体媒体は、不相溶性を達成するために、好ましくは、例えばヒマシ油等の植物油を含む。潤滑剤が油性の場合、媒体は、好ましくは、プロピレングリコール等のポリヒドロキシ化合物を含む。血管拡張剤は、硝酸、長時間および短時間作用性α−アドレナリン受容体遮断薬、麦角アルカロイド、血圧降下剤、およびプロスタグランジンから選択される。潤滑剤は、加温潤滑剤ではない。
【0010】
Harrisonの米国特許第7,405,186号は、潤滑剤組成物、コンドーム製品、およびコンドームの作製方法を開示している。加温潤滑剤は、2つの異なる分子量のポリアルキレングリコールを含む、50重量%の無水ポリアルキレングリコール成分を含み、残りは、粘性誘発セルロース系誘導体を含む。潤滑剤は、ニコチン酸メチルまたは塩酸ヒスタミン等の血管拡張剤を含んでもよい。ニコチン酸メチルおよび塩酸ヒスタミンの両方は、水およびアルコールの両方に可溶性で、それらの可溶性のため、加温潤滑剤に分散される活性血管拡張剤粒子とならない。
【0011】
Keeferらの米国特許第6,290,981号は、不能症を治療するための一酸化窒素放出剤の使用を開示している。本方法は、少なくとも1つの一酸化窒素放出官能基を含むポリエーテルであり得る一酸化窒素の投与を含む。また、本方法で使用するための経尿道アプリケータ、陰茎インプラント、皮膚パッチ、またはコンドーム等の一酸化窒素送達手段を提供する。
【0012】
Barone,Jr.らの米国特許第7,214,390号は、性反応を増大するための局部用組成物を開示している。本局部用組成物は、哺乳類の性反応を増大し、組成物を生成するために医薬的に許容される局部用ビヒクルと混合される、有効投与量の末梢血管拡張剤、吸収促進薬、血管収縮剤、α受容体遮断薬を含む。組成物は、a)約1%のニコチン酸メチル、b)ヨヒンベから抽出した約25滴のアルコール、c)約8mg/cmのL−アルギニン、d)ムイラプラムから抽出した約12滴のアルコール、e)カツアバから抽出した約12滴のアルコール、f)マカから抽出した約12滴のアルコール、およびg)ノコギリヤシから抽出した約12滴のアルコールを含み得、a)からg)は、アロエおよびビタミンEを含む医薬的に許容される水性の局部用ビヒクルに含まれる。本水性の組成物は、加温効果がない。
【0013】
したがって、現在入手可能な潤滑剤付コンドームを上回る機能性、および増大された効果を有する潤滑剤を含むコンドームが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】WO第03/092652号
【特許文献2】WO第03/092651号
【特許文献3】WO第03/092650号
【特許文献4】米国特許第7,005,408号
【特許文献5】米国特許第7,285,517号
【特許文献6】米国特許第7,417,013号
【特許文献7】米国特許公開第2003/0211161号
【特許文献8】米国特許公開第2004/0167039号
【特許文献9】米国特許公開第2004/0185065号
【特許文献10】米国特許公開第2005/0042248号
【特許文献11】米国特許公開第2005/0042249号
【特許文献12】米国特許公開第2006/0094608号
【特許文献13】米国特許公開第2007/0287714号
【特許文献14】米国特許第6,196,227号
【特許文献15】米国特許第5,885,591号
【特許文献16】米国特許第6,139,848号
【特許文献17】米国特許第5,512,289号
【特許文献18】WO第03/092651号
【特許文献19】WO第03/092652号
【特許文献20】米国特許第7,005,408号
【特許文献21】米国特許第7,417,013号
【特許文献22】米国出願公開第2003/0211161号
【特許文献23】米国出願公開第2006/0094608号
【特許文献24】米国特許出願公開第2006/0188528号
【特許文献25】米国特許出願公開第2006/0189493号
【特許文献26】米国特許出願公開第2005/0076916号
【特許文献27】米国特許第6,840,244号
【特許文献28】米国特許第7,405,186号
【特許文献29】米国特許第6,290,981号
【特許文献30】米国特許第7,214,390号
【発明の概要】
【0015】
発明の開示
少なくとも1つの成分が加温潤滑剤に分散され、本成分が、皮膚により生成される水分によって活性成分を溶解または放出することにより使用者の皮膚に接触する、非常に効果的かつ濃縮された形態で提供される、加温潤滑剤および活性成分を有するコンドームを提供する。皮膚上の活性成分のこの局部的な濃縮は、活性成分が元の潤滑剤に完全に溶解されてしまった時と比較すると、非常に大きな効果を提供する。非常に効果的かつ濃縮された形態への言及は、最初の接触時に、加温作用が起こり、溶解された活性成分の局部的濃度が、皮膚上の利用可能な水分の飽和限界に近づくことを意味する。局部的に活性成分を濃縮する能力のため、活性成分が元の潤滑剤に溶解された時に必要とされるものよりも少ない活性成分を必要とし、したがって、活性成分は、希釈されないため非常に効果的である。
【0016】
本発明の他の実施形態は、固体であるか、または水溶性カプセルシェルで被包されているかのいずれかである、少なくとも1つ以上の活性成分と組み合わせた、無水加温潤滑剤のコーティングを有するコンドームを含み、活性成分は、加温潤滑剤に不溶性で、水に容易に可溶である。適切な加温潤滑剤は、例えば、約40%から60%の量のグリセリン、約40%から60%の量の多価アルコール、および約0.1%から10%の量の非イオン性界面活性剤を含む。適切な展延性の加温潤滑剤の1つは、米国特許出願公開第2006/0188528号(Chuah)で提供されており、本開示は、本明細書に参照によりその全体が援用される。適切な増粘された展延性の加温潤滑剤は、米国特許出願公開第2006/0189493号(Chuah)で提供されており、本開示は、本明細書に参照によりその全体が援用される。
【0017】
皮膚により生成される水分がコーティングに接触すると、皮膚からの距離の関数として含水量が徐々に減少する、湿度勾配が皮膚と加温潤滑剤との間で確立される。皮膚により生成される水分は、加温潤滑剤と反応して、無水加温潤滑剤の溶解熱を放出し、よって、皮膚に隣接する領域の潤滑剤温度(約4℃)を上昇させる。皮膚に隣接する固体粒子または活性成分被包は、次に、皮膚に隣接する皮膚により生成される水分に急速に、かつ実質的に同時に溶解または放出される。皮膚の孔を拡張するのに役立つ温度上昇、および活性成分の局部的な高濃度の組み合わせは、活性成分の皮膚への急速な吸収を可能にし、よって、加温潤滑剤が存在しない場合と比較して、同時に、そして相乗的に活性成分の効果を増大することを可能にする。さらに、皮膚により生成される少量の水分による活性成分の溶解は、概して、活性成分の急速でより効果的な相乗作用を引き起こす活性成分の高濃度溶液を生成する。その潤滑剤不溶性と水溶性のため、活性成分は、そこに溶解されることにより、皮膚により生成される水分と接触すると、局部的に高濃度で利用可能になる。結果として、完全に溶解された活性成分を使用する潤滑剤組成物と異なり、全体の無水加温潤滑剤組成物中の低濃度の活性成分のみが、効果的な性能を提供するために必要である。
【0018】
このようなコンドームの実施形態のいくつかは、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせおよびコポリマー等のエラストマー層から作製される。無水加温潤滑剤に添加される活性不溶性成分の例は、抗生物質化合物、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、加温潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディションナー、香味剤および/または香料を含み、それぞれ、不溶性固体粒子か、または被包成分のいずれかとして提供される。1つ以上の特定の実施形態は、エラストマーコンドームの内および外表面上の両方に配置されるL−アルギニンの固体粒子との組み合わせで無水加温潤滑剤を有するコンドームを含む。別の実施形態は、少なくとも2つの成分を有し、そのうちの1つは、コンドームのエラストマー層の内表面のみ、または外表面のみに分散される無水加温潤滑剤である。本発明の1つ以上の実施形態において、少なくとも1つの成分は、被包され、活性成分は、皮膚により生成される水分が被包されたカプセル壁を溶解することにより放出される。適切な被包壁部材は、ゼラチンおよび/またはヒドロキシアルキルセルロースであり、それら全ては、非常に水溶性で、多価グリコールに不溶性を示す。
【0019】
本発明の一側面によると、いくつかのコンドームのエラストマー層は、最小限の含水量を含むグリセリンおよびポリプロピレングリコールと、溶解せずに無水潤滑剤中に安定したままのL−アルギニン血管拡張剤の離散粒子を含む加温潤滑剤を有する。無水加温潤滑剤およびL−アルギニンの固体粒子を含むコンドームが少量の皮膚により生成される水分と接触すると、グリセリンおよびポリプロピレングリコールの熱溶液の放出により潤滑剤の加温が起こる。L−アルギニン固体粒子は同時に溶解し、非常に濃縮されたL−アルギニンの溶液を生成し、組織内に一酸化窒素の放出を増大する。加温作用は、皮膚の孔を拡張し、L−アルギニンの濃縮された溶液が皮膚および組織に容易に浸透することを可能にする。L−アルギニンの濃縮された溶液の本生成により、全潤滑剤組成物中のL−アルギニンの量は、L−アルギニンが全体として潤滑剤溶液中に溶解される組成物と比較してより少量であり得る。
【0020】
殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤、および香料等の水溶性で、無水加温潤滑剤に不溶性である他の成分の添加は、同様の機能を有するであろう。このような化合物の例は、テトラサイクリン等のほとんどの抗生物質、グルコン酸クロロヘキシジン等の殺菌剤を含み、本クラスに属する甘味料および香味剤は、スクロース、デキストロースデキストリン、マルトース、トレハロース、D−タガトース、乾燥転化糖、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトースグルコース、マルトデキストリン、ポリデキストロース、イソマルト、ソルビトール、シロップ、マンニトール、キシリトール、ヘキサレゾルシノール、マルチトール、イソマルトールエリスリトール、ラクチトール、キシロース、タガトース、および水素化デンプン加水分解物(マルチトールシロップ)を含む。高力価甘味料は、ジペプチドアスパルテーム、ネオテームおよびアリテーム;その塩を含むサッカリンおよびその塩を含むアセスルファム等のN−スルホニルアミド;その塩を含むシクラメート等のスルファミン酸;スクラロース等の塩素化糖誘導体;レバウディオシド−Aステビオシドおよびグリチルリジン等のテルペノイドグリコシド;タウマチンおよびモネリン等のタンパク質およびジヒドロカルコンを含む。様々な1つ以上の香味剤が使用されてもよい。適切な香味剤は、天然、天然と同様および/または人工香味物質、またはそれらの混合物を含む。適切な味の例のいくつかは、ペパーミント、レモン、およびオレンジである。
【0021】
活性成分が皮膚により生成される水分の存在下で容易に溶解する(および無水加温潤滑剤に不溶性である)カプセル壁に被包される時、カプセルは、無水加温潤滑剤に可溶性である液体活性成分および/または固体活性成分を含むために使用されてもよい。典型的に、マイクロカプセルの壁は、ゼラチンゲルおよび/またはヒドロキシアルキルセルロース、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
本発明の一側面によると、いくつかのコンドームのエラストマー層は、約0.05mm以下の厚さを有する。本発明の他の側面は、コンドームの画定部位でより大きい径を有する、あるいはテクスチャ加工された表面を有するように形成される、エラストマー層を備えたコンドームを含む。
【0023】
本発明の少なくとも1つの側面によると、無水加温潤滑剤およびエラストマー層上に配置される少なくとも1つの成分を有するコンドームを製造する方法も提供する。このような方法の実施形態は、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせのいずれかからエラストマー層をコンドームの形状に形成するステップと、無水加温潤滑剤および少なくとも1つの成分をエラストマーコンドーム上に配置するステップを含み、第2の成分は、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤および香料を含んでもよい。本発明の一実施形態は、無水加温潤滑剤との組み合わせでエラストマー層の内および外表面上の両方に少なくとも1つの成分を配置するステップをさらに含むが、他の実施形態は、内または外表面上のみに1つ以上の成分を配置するステップを含む。
【0024】
また他の実施形態は、エラストマー層上への配置前に少なくとも1つの成分を被包する追加のステップを含み、エラストマー層上に配置された被包成分は、露出される(つまり、任意の別のラテックス層により被覆されない)。1つ以上の実施形態も、被包成分の塗布前にエラストマー層上にフィルムを形成し、次に、被包成分をフィルム層に塗布するステップを含む。これらの実施形態も、被包成分が塗布後に露出されたままとなる。
【0025】
本発明の他の実施形態は、永久的にコンドームパッケージに安定したままそこに配置される無水加温潤滑剤およびL−アルギニンの粒子を有するコンドームを作製するための方法を含む。
【0026】
L−アルギニンの粒子は、加温潤滑剤に添加され、一般的な混合方法により分散される。代替的な製造方法において、L−アルギニンは、少量の水に溶解され、この少量のL−アルギニン濃縮溶液の無水加温潤滑剤への添加は、濃縮L−アルギニン溶液から水を抽出し、適切な量のグリセリンおよびポリプロピレングリコールを有するほぼ無水加温潤滑剤中のL−アルギニンの微粒子の即時沈殿を可能にする。
【0027】
L−アルギニン粒子を含む無水加温潤滑剤が使用中に皮膚により生成される水分と接触すると、無水加温潤滑剤の加温作用およびL−アルギニン粒子の水分への溶解は、皮膚に近接するL−アルギニンの濃縮溶液を形成し、加温作用は、皮膚の孔を拡張しL−アルギニンの皮膚組織への侵入を可能にする。心地よい感覚を提供するために、メンチルラクテートをコンドーム潤滑剤に添加してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1、2、3、および4は、本発明の一実施形態の顕微鏡写真であり、活性成分は、コンドームの外表面に示される、加温潤滑剤に不溶性であるL−アルギニンの固体粒子である。図2および4は、それぞれ、図1および3の反転像である。
【図2】図1、2、3、および4は、本発明の一実施形態の顕微鏡写真であり、活性成分は、コンドームの外表面に示される、加温潤滑剤に不溶性であるL−アルギニンの固体粒子である。図2および4は、それぞれ、図1および3の反転像である。
【図3】図1、2、3、および4は、本発明の一実施形態の顕微鏡写真であり、活性成分は、コンドームの外表面に示される、加温潤滑剤に不溶性であるL−アルギニンの固体粒子である。図2および4は、それぞれ、図1および3の反転像である。
【図4】図1、2、3、および4は、本発明の一実施形態の顕微鏡写真であり、活性成分は、コンドームの外表面に示される、加温潤滑剤に不溶性であるL−アルギニンの固体粒子である。図2および4は、それぞれ、図1および3の反転像である。
【図5】図5は、内および外表面上の両方に配置された無水加温潤滑剤および1つの活性成分を含むエラストマー層を有するコンドームの実施形態の部分的な横断面図である。
【図6】図6は、内表面上の無水加温潤滑剤に配置された1成分と、外表面上に配置された無水加温潤滑剤に1成分とを含むエラストマー層を有するコンドームの実施形態の部分的な横断面図であり、内表面上に配置された成分の1つは、被包されている。
【図7】図7は、外表面上のみに配置された無水加温潤滑剤に2成分を含むエラストマー層を有するコンドームの実施形態の部分的な横断面図であり、成分の1つは、被包されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の例示的な実施形態のいくつかを説明する前に、本発明は、以下の説明に記載される構造およびプロセスの詳細に制限されるものではないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法での実践または実施が可能である。
【0030】
発明の詳細な説明
本発明の1つ以上の実施形態は、その表面上に配置される不溶性固体粒子または不溶性被包カプセルとして、無水加温潤滑剤および少なくとも1つ以上の成分を含むエラストマー層を有するコンドームを含む。いくつかの実施形態において、成分は、無水加温潤滑剤と組み合わせて2つ以上の成分を含んでもよい。成分は、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、加温潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤および香料から選択され得るが、これに限定されない。1つの機能のために特定の実施形態で、そして別の機能のために別の実施形態で、特定の成分が使用されてもよい。
【0031】
本開示に使用される通り、「天然ゴムラテックス」という用語は、ヘベアブラジルゴム(一般的なゴムの木)、グアユールゴムの木(グアユール)、ヒマワリ、アキノキリンソウ等、ならびにこれらの遺伝子組み換えされた変形、または他の生物学的起源から供給される硬化後のエラストマー材料を包含する。
【0032】
本明細書に使用される通り、「殺菌剤」という用語は、性行為感染症の原因であるものを含む、バクテリア、ウイルス、酵母および菌類等の微生物または細菌に対して活性である物質を意味する。本明細書に使用される殺菌剤は、微生物の感染力を軽減する目的を有する殺菌および静菌特性のいずれかまたは両方を有する、物質を意味し、また抗菌薬を含む。このような物質は、粘膜および皮膚と適合性があるべきである。さらに、成分は、任意の他の成分と不適切に反応してはならない。これらの成分が無水加温潤滑剤に不溶性である時、これらは固体粒子として使用されてもよく、これらがそれに可溶性である、または液状で提供される時、これらの活性成分は、本発明のいくつかの実施形態において被包される。本発明のいくつかの実施形態で使用される殺菌剤の例は、ドデシル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム塩、ハロゲン化ヒドロキシ芳香族、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン、ミコナゾール、クロルトリマゾール、ならびにそれらの医薬的に許容される塩を含むが、これに限定されない。本発明の1つ以上の実施形態は、当該分野で周知の他の殺菌剤を使用する。
【0033】
本明細書に使用される通り、「加温潤滑剤」という用語は、皮膚に熱感を生成する、または生じる物質を意味する。いくつかの実施形態において、米国特許出願公開第2006/0188528号(Chuah)および第2006/0189493号(Chuah)に開示される加温潤滑剤を使用することができ、これは、その全体が参照によって援用され得る。これらの実施形態において、加温潤滑剤は、実質的に無水であり、グリセリン、多価アルコールおよび非イオン性界面活性剤等の物質を含み、使用者の皮膚表面に存在する水分と接触すると熱を生成する。
【0034】
本明細書に使用される通り、「血管拡張剤」という用語は、局部的に塗布される時、ヒトの身体に血管拡張を起こす、つまり、身体部への血液循環を増大する、一酸化窒素レベルを増加する、熱を生成する、または熱感を生じるおよび/もしくは性的興奮、反応を増大する、あるいは性機能不全を治療する物質を意味する。このような物質は、粘膜および皮膚と適合性があるべきであり、本発明のいくつかの実施形態で使用される任意の他の成分、被包および/またはフィルムと不適切に反応してはならない。本発明の実施形態は、ナイアシン(つまり、ニコチン酸およびその生理的に適合する誘導体)、L−アルギニン、ショウガ、メントール、一酸化窒素前駆体、およびそれらの変形等の血管拡張剤を使用するが、他の実施形態は、当該分野に周知の他の血管拡張剤を使用してもよい。
【0035】
本明細書に使用される通り、「殺精子薬」という用語は、ヒト精子の運動性の低下、数の減少等を含み得るが、これらの限定されない効果を有する物質を意味する。ノノキシノール−9、塩化ベンザルコニウムおよび乳酸等の化合物は、殺精子および精子運動性低下の効果を有するとして、文献に認識されている。このような物質は、粘膜および皮膚と適合性があるべきであり、本発明のいくつかの実施形態で使用される任意の他の成分、被包と不適切に反応してはならない。
【0036】
本明細書に使用される通り、「スキンコンディショナー」という用語は、保湿、抗炎症、または他の治療性質を有する物質を意味する。さらに、「スキンコンディショナー」という用語は、乾燥肌、皮膚弾性およびコラーゲン量損失等の皮膚状態を防止する、または治療するのに役立つ、アロエベラ、ポリブチレン、脂肪酸およびその誘導体、ジメチコン、グリセリン、多価グリコール等を含む物質を含むが、これに限定されない。このような物質は、粘膜および皮膚と適合性があるべきであり、本発明のいくつかの実施形態で使用される任意の他の成分、被包と不適切に反応してはならない。本発明の様々な実施形態は、アロエベラ、グリセリン、およびプロピレングリコールを使用するが、他の実施形態は、当該分野に周知の他のスキンコンディショナーを組み込んでもよい。
【0037】
本明細書に使用される通り、「性的機能強化潤滑剤」という用語は、皮膚への局部的な塗布領域に脱感または無感覚の効果を生じる物質を意味する。このような物質の例は、テトラカイン、リドカイン、およびベンゾカイン等の「カイン」麻酔薬;プロモキシン;メントール;およびその適切な組み合わせを含むが、これに限定されない。このような物質は、粘膜および皮膚と適合性があるべきであり、本発明のいくつかの実施形態で使用される任意の他の成分および/または被包と不適切に反応してはならない。
【0038】
本発明のコンドームの表面上で使用される任意の成分は、粘膜および皮膚と適合性があるべきであり、本発明のいくつかの実施形態で使用される任意の他の成分、被包と不適切に反応してはならない。本発明の任意の実施形態で使用される成分は、使用者に不適切な効果を与えてはならず、全ての使用者に対して安全でなくてはならない。さらに、任意の実施形態で使用される成分は、実質的に無水、水溶性、乳化、被包、吸着、吸着、可溶化、微細化、ならびにそれらの適切な組み合わせを含む、任意の形態であり得るが、これに限定されない。
【0039】
さらに、本発明の実施形態は、被包される1つ以上の成分を含む。いくつかの実施形態において、このような被包成分は、無水加温潤滑剤に不溶性だが、皮膚により生成される水分に容易に溶解し、よって、被包されたカプセルの中味を容易に放出する被包壁を有する。本被包手順は、無水加温潤滑剤に容易に溶解する、液状活性成分および活性成分の使用を可能にする。本性質を有する細胞壁は、ゼラチンおよび/またはヒドロキシアルキルセルロースから作製され得る。本発明によると、カプセルは、約1から1000ミクロメータの範囲、および長さが約1から1000ナノメータの範囲を含む、任意の大きさであり得る。
【0040】
米国特許第6,541,030号(Vaghefi)、およびそこに引用される参考文献は、被包方法、ならびに本発明のコンドームの1つ以上の表面上での使用に適した様々な成分の被包に適切な化合物を開示している。米国特許第4,983,404号(Raman)も、本発明のコンドームの1つ以上の表面上での使用に適した化合物の放出を制御するような被包の使用を開示している。本明細書に引用されるこれらの特許および参考文献は、本開示に参照としてその全体が援用される。
【0041】
本発明の実施形態は、エラストマー層を有するコンドームを含み、無水加温潤滑剤との組み合わせで少なくとも1つ以上の成分が、任意の組み合わせで、および任意の層上で配置される。本発明の1つ以上の実施例は、エラストマー層の内および外表面上の両方に配置される少なくとも1つの成分を有するが、他の実施例は、エラストマー層の内表面または外表面のみに配置される少なくとも2つの成分を有する。また他の実施形態において、エラストマー層に配置された2つの成分の内の少なくとも1つが被包される。さらに、いくつかの実施形態も、片方または両方の層に配置される被包成分を含む。
【0042】
図1、2、3、および4において、コンドーム表面上の加温潤滑剤に不溶性である活性成分のL−アルギニンを示す顕微鏡写真を提供する。実施例29は、L−アルギニンの固体不溶性粒子を含む無水加温潤滑剤を有する本コンドームの作製方法を詳しく述べる。図1および3は、そこに懸濁されているL−アルギニンの粒子を示す加温潤滑剤を有するコンドーム表面の顕微鏡写真を提供する。図1および2において、1mmの目盛りは、実際のコンドームで19.4mmを表す。図3および4において、1mmの目盛りは、45.5mmを表す。次に、存在するL−アルギニンの粒子の大きさと容易に比較された既知の大きさの基準円である、図1および2の項目「A」、図3および4の項目「B」を示す。図1および2において、粒子の大きさは、約39ミクロンであり、図3および4において、粒子の大きさは、約48ミクロンである。図2および4は、それぞれ、顕微鏡写真の詳細の識別を補助するための、図1および3の反転像である。図1および3の白色固体不溶性粒子は、図2および4で黒色に見える。図1および3で黒色の無反射のコンドーム表面は、改善された態様のために図2および4で白色に見える。これらの顕微鏡写真の作製において、コンドームを、平らな帯のように裁断し、暗い平坦な表面に設置し、表示してオリンパスSZ−III立体顕微鏡で写真撮影した。溶解されなかった存在するL−アルギニンの固体粒子を強調するために、照明光を表面に対して急角に設置した。コンドーム中の気泡はXで示され、明るい光の反射はRRに沿って見られる。不溶性L−アルギニンの粒子は、反射光が鋭い急角である泡の領域で明確に示される。
【0043】
他の実施例に戻ると、図5において、エラストマー層100は、内表面101および外表面102を有する。殺菌剤201および無水加温潤滑剤202は、エラストマー層100の内表面101上に配置され、殺菌剤301および無水加温潤滑剤302は、外表面102上に配置される。
【0044】
理論によって拘束されることを意図しないが、熱を生成する、または生じる物質の存在は、活性成分の効果を増大すると考えられる。例えば、加温潤滑剤は、使用者の皮膚または粘膜上に存在する水分と接触すると熱を生成し、例えば、血管拡張剤が皮膚に侵入することを可能にするために皮膚の孔を広げることにより、血管拡張剤の活性を増大する。この生成熱は、揮発性を高めることで、活性成分として使用される香料の放出を増大してもよいと考えられる。揮発香料は、次に、隣接環境に拡散する。
【0045】
図6によると、エラストマー層400は、内表面401および外表面402を有する。図2の内表面401は、無水加温潤滑剤中に被包された性的機能強化潤滑剤501を保有する。さらに、外表面402は、被包601なしの無水加温潤滑剤中に殺精子薬を保有する。他の成分は、成分501および601に置換され得る。さらに、追加の成分が添加され得る。これらの成分は、担体基材中に提供され得る。
【0046】
図7によると、エラストマー層600は、内表面601および外表面602を有し、内表面は、成分を保有しない。図4の外表面602は、しかしながら、無水加温潤滑剤中に被包された血管拡張剤701および被包されていない殺精子薬702を有する。
【0047】
本発明の実施例は、また、エラストマー層の内および外表面上、内表面上のみおよび/または外表面上のみに以下の成分の組み合わせを含む。特定の実施形態において、物質がコンドームの内および外表面上の両方に存在する時、一方または他方の表面上の物質は、同一または異なってもよい。実施例において、硬化天然ゴムラテックスから形成されたコンドームが、実施例として使用される。ポリ塩化ビニル、ポリクロロプレン、ポリウレタン、エラストマー物質のコポリマー等の他のエラストマー物質から形成されたコンドームも使用され、本発明の範囲内とみなす。
【0048】
以下の実施例に参照される、無水加温潤滑剤中の潤滑物質は、1つ以上の活性成分の担体としての機能を果たし、カルボキシまたはヒドロキシセルロース、セルロース系誘導体等の修飾セルロース系物質;ポリジメチルシロキサン等の「乾燥」シリコン基材物質;使用者の皮膚または粘膜上に存在する水分との接触により機能する無水物質;および個人用潤滑剤の分野に精通する者に周知の他の物質を含むこれらの物質の組み合わせであってもよい。
【実施例】
【0049】
無水加温潤滑剤および少なくとも1つ以上の存在する成分を有する本発明のコンドームの一連の実施例を以下に示す。これらの、そして他の例示的成分は、以下の通り、特定の用途のコンドームの1つ以上の表面上に、多量または少量で存在してもよい。
【0050】
実施例1
殺菌剤および性的機能潤滑剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約5%(w/w)の間のグルコン酸クロルヘキシデン、殺菌剤、および約0.1から約10%(w/w)の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0051】
実施例2
殺菌剤および加温剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約2から約5%(w/w)の間のグルコン酸クロルヘキシデン、殺菌剤、および水分と接触すると加温を示すと報告される混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0052】
実施例3
殺菌剤および血管拡張剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約2から約5%(w/w)の間の塩化ベンザルコニウム、殺菌剤、および血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)のナイアシンを含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0053】
実施例4
殺菌剤および殺精子薬を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約2から約5%(w/w)の間のグルコン酸クロルヘキシデン、殺菌剤、および殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0054】
実施例5
殺菌剤およびスキンコンディショナーを担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約2から約5%(w/w)の間のグルコン酸クロルヘキシデン、殺菌剤、およびスキンコンディショニング剤である約0.1から約10%(w/w)の間のグリセリンを含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0055】
実施例6
殺菌剤および香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約5%(w/w)の間のミコナゾール、殺菌剤、および約0.1から約5.0%(w/w)の間の天然のラズベリー味を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0056】
実施例7
殺菌剤および香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約5%(w/w)の間のミコナゾール、殺菌剤、および約0.1から約10%(w/w)の間の被包された花の香料を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0057】
実施例8
性的機能強化潤滑剤および加温潤滑剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤、および水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0058】
実施例9
性的機能強化潤滑剤および血管拡張剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤、および血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)のナイアシンを含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0059】
実施例10
性的機能強化潤滑剤および殺精子薬を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤、および殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)のノノキシノール−9を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0060】
実施例11
性的機能強化潤滑剤およびスキンコンディショナーを担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%(w/w)の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤、およびスキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)のグリセリンを含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0061】
実施例12
性的機能強化潤滑剤および香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%(w/w)の間のイチョウ基材の性的機能強化潤滑剤、および約0.1から約10%(w/w)の天然の緑茶味を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0062】
実施例13
性的機能強化潤滑剤および香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%(w/w)の間のメントール基材の性的機能強化潤滑剤、および約0.1から約10%(w/w)の天然のミント香料を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0063】
実施例14
加温潤滑剤および血管拡張剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物、および血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)の間のナイアシンを含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0064】
実施例15
加温潤滑剤および殺精子薬を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物、および殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9を含む表面上に、約0.5から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0065】
実施例16
加温剤およびスキンコンディショナーを担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物、およびスキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)の間のアロエベラを含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0066】
実施例17
加温潤滑剤および香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物、および約0.1から約10%(w/w)の間の天然のラズベリー味を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0067】
実施例18
加温潤滑剤および香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、水分と接触すると温感を生成する混合物である、約0.1から約75%(w/w)の間のグリセリン、プロピレングリコールおよび界面活性剤の実質的に無水の混合物、および約0.1から約10%(w/w)の間の被包された花の香料を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0068】
実施例19
血管拡張剤および殺精子薬を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)の間のナイアシン、および殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0069】
実施例20
血管拡張剤およびスキンコンディショナーを担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)の間のナイアシン、およびスキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)の間のグリセリンを含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0070】
実施例21
血管拡張剤および香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)の間のナイアシン、および約0.1から約10%(w/w)の間の天然のイチゴ味を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0071】
実施例22
血管拡張剤および被包された香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、血管拡張剤である約0.1から約10%(w/w)の間のナイアシン、および約0.1から約10%(w/w)の間の被包された白檀の香料を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0072】
実施例23
殺精子薬およびスキンコンディショナーを担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9、およびスキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)の間のアロエベラを含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0073】
実施例24
殺精子薬および香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9、および約0.1から約10%(w/w)の間の天然のラズベリー味を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0074】
実施例25
殺精子薬および香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、殺精子薬である約0.1から約10%(w/w)の間のノノキシノール−9、および約0.1から約10%(w/w)の間の被包された白檀の香料を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0075】
実施例26
スキンコンディショナーおよび香味剤を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、スキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)の間のアロエベラ、および約0.1から約10%(w/w)の間の被包された天然のラズベリー味を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0076】
実施例27
スキンコンディショナーおよび香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、スキンコンディショナーである約0.1から約10%(w/w)の間のアロエベラ、および約0.1から約10%(w/w)の間の新鮮な野花の香料含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0077】
実施例28
香味剤および香料を担体と混合し、コンドームの1つ以上の表面に塗布する。コンドームは、約0.1から約10%(w/w)の間の天然のラズベリー味、および約0.1から約10%(w/w)の間の壊れやすい被包された白檀の香料を含む表面上に、約0.1から約1.0mlの間の潤滑物質を有してもよい。
【0078】
実施例29
実施的に等量のプロピレングリコールと、グリセリンと、ポリソルベート界面活性剤とを混合して、実質的に無水の加温潤滑剤を調製した。L−アルギニン成分(混合物全体の約0.75重量%)と、(混合物全体の)約1.2重量%の水を加温潤滑剤に添加した。L−アルギニン成分は、加温潤滑剤に実質的に不溶性であったL−アルギニン基材であった。メントール成分であるメンチルラクテートを約3.9重量%の量に添加した。保存料およびpH調製剤成分も添加した。混合物をコンドームの両側に塗布し、得られた生成物を図1〜4に示す。加温潤滑剤中にL−アルギニン基材を有するコンドームは、(実施例29の加温潤滑剤に存在するより、約2重量%多い量で)溶解されたL−アルギニンを含む、水性で非加温潤滑剤を有するコンドームと比較して、増大した血管拡張性効果を生じた。
【0079】
本発明によると、さらなる実施形態は、実施例1〜28および29に記載される組み合わせを含み、1つ、または両方の成分が被包される。さらに他の実施形態は、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、加温潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤、および香料を含む群から選択される追加成分を含む。1つ以上のこれらの追加成分も、特定の用途のために被包されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、成分は、エラストマー層上で離散、かつ画定された層を形成してもよいが、他の実施形態において、成分は、エラストマー層塗布時に混合層を形成してもよい。さらに、被包された成分および被包されない成分も、塗布時に、離散、かつ画定された層を形成するか、もしくは混合層を形成してもよい。
【0081】
いくつかの実施形態において、エラストマー層は、男性または女性コンドームの一般的な形状において、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、それらの組み合わせ、およびそれらのコポリマーから構成される。さらなる実施形態では、簡易男性コンドームの形状である。他の実施形態は、(当該分野に周知の)他の物質を使用して、エラストマー層を形成する。いくつかの実施形態において、エラストマー層は、柔軟で不透過性である。他の実施形態において、エラストマー層は、コンドームの開口端および/またはコンドームの閉口端でより大きい径を有するように形成される。例えば、いくつかの実施形態は、形成されたエラストマー層の径が、少なくとも56mmである形成部を有する。
【0082】
本発明の一側面において、エラストマー層は、薄いフィルムであり得る。例えば、いくつかの実施形態は、約0.05mm以下の厚さを有するエラストマー層を使用する。他の実施形態は、約0.045mm以下の厚さを有するエラストマー層を使用する。
【0083】
さらに本発明の他の実施形態は、テクスチャ加工された表面を備えたエラストマー層を有する。いくつかの実施形態は、エラストマー層の内および/または外表面上に構造的装飾を含む。
【0084】
本発明のさらなる実施形態は、本明細書に説明するように、コンドームを含む梱包を含む。梱包の例は、包装、箱、密封された框体を有するタブ、およびそれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。多くの実施形態において、これらの梱包は、使用前の保管中、コンドーム上に存在する成分が保持され、実質的に未変化であるように、空気および/または水分、ならびにコンドーム上に存在し得る成分の通過に実質的に耐性である材料から形成されてもよい。
【0085】
本発明の1つ以上の実施形態は、以下のステップ:男性または女性コンドームの形状におけるエラストマー層を形成するステップと、エラストマー層上に少なくとも2つの成分を配置するステップと、を用いる、少なくとも2つの成分を有するコンドームの調製方法を含む。一実施形態において、エラストマー層は、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、それらの組み合わせ、およびそれらのコポリマーから作製される。他の実施形態において、エラストマー層上に配置される材料の例は、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、加温潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤および香料を含む。
【0086】
本発明の一実施形態において、形成されたエラストマー層上に少なくとも2つの成分を配置するステップは、エラストマー層の内および外層上の両方への配置を含む。他の実施形態において、少なくとも2つの成分を配置するステップは、エラストマー層の内または外表面に制限される。一実施形態において、少なくとも2つの成分を配置するステップは、1つ以上の被包された成分の配置を含む。さらなる実施形態は、また、被包された成分を配置する前に、エラストマー層の片方または両方の表面上にフィルムを配置することを含む。いくつかの実施形態において、フィルムは、カプセルをラテックスに接着するための、ポリウレタン等のポリマー、または当該分野に周知の任意の他の物質である。いくつかの実施形態において、内表面上に配置される成分は、外表面上に配置される成分と異なる。他の実施形態において、内および外表面上の両方に配置される成分は、同一である。
【0087】
他の実施形態において、コンドームの製造プロセスは、規定の厚さを有する形成されたエラストマー層を作製する。これらの実施形態において、エラストマー層は、厚さが約0.6mm以下であり得るが、他の実施形態は、厚さが約0.045mm以下であるエラストマー層を有する。
【0088】
本発明のまた他の実施形態は、輪郭形状を有する形成されたエラストマー層を有する。例えば、一実施形態において、コンドームの開口端は、形成されたコンドームの残りの長さより大きい径を有する。他の実施形態において、コンドームの閉口端は、コンドームの残りの長さより大きい径を有する。さらに他の実施形態は、コンドームの閉口および開口端の両方で拡張された径を有する。1つ以上の実施形態において、コンドームの拡張された、または形成された部分は、約56mmの径を有する。さらに他の実施形態において、プロセスは、テクスチャ方面を備えたエラストマー層を有する、または他の構造的装飾を含むコンドームを作製する。
【0089】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、完成したコンドームを梱包するステップを含む。特に、いくつかの実施形態において、そこに配置される少なくとも2つの成分を有する形成されたエラストマー層は、包装、箱、密封された框体を有するタブ、またはそれらの組み合わせで梱包される。いくつかの実施形態において、パッケージを形成するために使用される材料は、空気および水分の通過に実質的に不透過であるパッケージを形成できる材料から選択される。梱包材料は、紙または板紙等のセルロース系物質、ポリマーフィルムおよびシート、金属ホイル、およびこれらの材料から形成される複合材料を含むが、これに限定されない。
【0090】
本発明の様々な側面によるコンドーム作製に有用であり得るプロセスは、当該分野の当事者に周知である。本明細書に説明される組み合わせも、エラストマー手袋に塗布され得る。エラストマーフィルムの手袋作製に携わる当業者は、手袋の製造に有用な方法、成分、およびコーティング材の側面が、コンドームの調製に使用されてもよいことを認識するであろう。本発明の様々な側面に有用であり得るプロセスを開示する米国特許および公開出願には、米国特許第7,235,505号(Gromelski)、第7,157,393号(Gromelski)、第7,048,884号(Woodford)、第7,037,579号(Hassan)、第6,709,725号(Lai)、第6,378,137号(Hassan)、第6,352,666号(Nile)、第6,347,409号(Nile)、第6,306,514号(Weikel)、第6,075,081号(Nile)、第5,977,223号(Ryan)、第5,888,441号(Milner)、第5,323,544号(Osgood)、第5,097,697号(Carnal)、米国特許出願公開第2006/0070167号(Eng)、第2006/0141165号(Hassan)、第2005/0066414号(Yu)、および第2004/0115250号(Loo)が含まれ、全てが、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0091】
本明細書を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特性、構造、材料、または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して、様々な場所での「1つ以上の実施形態」、「特定の実施形態」、「一実施形態」、または「ある実施形態」等の句の出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態を言及していない。さらに、特定の特性、構造、材料、または特徴は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な様態で組み合わされてもよい。
【0092】
本明細書の本発明は、特定の実施形態を参照して説明されたが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示であることを理解されたい。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変形修正および変形が、本発明の方法および器具になされてもよいことは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、付属の特許請求およびそれらの同等物の範囲内である修正および変形を含むことを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンドームであって、
外表面および内表面を有するエラストマー層と、
前記エラストマー層上に配置されるコーティングであって、前記コーティングは、実質的に無水の加温潤滑剤と、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤、および香料から成る群から選択される少なくとも1つの成分と、を含み、
前記少なくとも1つの成分は、前記加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性の形態であり、皮膚により生成される水分と接触すると、使用者の皮膚上で非常に効果的かつ濃縮された形態で提供される、コンドーム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの成分の局部的な濃度は、全体的なコーティングの濃度を上回る、請求項1に記載のコンドーム。
【請求項3】
前記加温潤滑剤は、グリセリン、プロピレングリコール、および界面活性剤を含み、活性成分はL−アルギニンを含む、請求項1に記載のコンドーム。
【請求項4】
コンドームであって、
外表面および内表面を有するエラストマー層と、
前記エラストマー層上に配置されるコーティングであって、前記コーティングは、実質的に無水の加温潤滑剤と、前記加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性である少なくとも1つの成分とを含み、前記成分は、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤、および香料から成る群から選択され、
前記加温潤滑剤および前記少なくとも1つの成分はともに、前記加温潤滑剤が存在しない前記少なくとも1つの成分の使用と比較して、両方が水分と接触すると、増大された効果をもたらす、コンドーム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの成分は、固体相である、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの成分は、被包される、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの成分は、ゼラチン、ヒドロキシアルキルセルロース、またはそれらの組み合わせのコーティングで被包される、請求項6に記載のコンドーム。
【請求項8】
前記加温潤滑剤は、実質的に等量のグリセリンおよび多価アルコールを含む、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項9】
前記コーティングは、前記内表面、前記外表面、または両表面上に配置される、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項10】
前記エラストマー層は、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、それらの組み合わせ、およびそれらのコポリマーを含む群から選択される物質から構成される、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの成分は、L−アルギニン成分である血管拡張剤を含む、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項12】
適切なパッケージで提供される、請求項4に記載のコンドーム。
【請求項13】
コンドームであって、
外表面および内表面を有するエラストマー層と、
前記エラストマー層の片方または両方の表面上に配置されるコーティングであって、前記コーティングは、実質的に無水の加温潤滑剤と、前記加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性であるL−アルギニン成分とを含み、
前記加温潤滑剤およびL−アルギニン成分はともに、前記加温潤滑剤が存在しない前記L−アルギニンの使用と比較して、両方が水分と接触すると、増大された効果をもたらす、コンドーム。
【請求項14】
前記コーティングは、メントール成分をさらに含む請求項13に記載のコンドーム。
【請求項15】
前記加温潤滑剤は、実質的に等量のグリセリンおよび多価アルコールを含む、請求項13に記載のコンドーム。
【請求項16】
前記L−アルギニン成分は、固体相で提供される、請求項13に記載のコンドーム。
【請求項17】
コンドームの製造方法であって、
コンドームの形状で外表面および内表面を有するエラストマー層を形成するステップであって、前記エラストマー層は、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される物質を含む、ステップと、
前記エラストマー層の前記内表面、前記外表面、または両表面上にコーティングを配置するステップであって、前記コーティングは、実質的に無水の加温潤滑剤と、殺菌剤、性的機能強化潤滑剤、加温潤滑剤、血管拡張剤、殺精子薬、スキンコンディショナー、香味剤、および香料から成る群から選択される少なくとも1つの成分を含み、前記少なくとも1つの成分は、実質的に前記加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性である形態で提供される、ステップと、を含み、
前記加温潤滑剤および前記少なくとも1つの成分はともに、前記加温潤滑剤が存在しない前記少なくとも1つの成分の使用と比較して、両方が水分と接触すると効果を増大する、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの成分を固体相で提供するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの成分を被包形態で提供するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
血管拡張剤の効果を増大する方法であって、
コンドームの形状で外表面および内表面を有するエラストマー層を提供するステップであって、前記エラストマー層は、天然ゴムラテックス、合成ポリイソプレン、グアユール、ポリウレタン、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される物質を含む、ステップと、
前記エラストマー層上にコーティングを配置するステップであって、前記コーティングは、実質的に無水の加温潤滑剤と、L−アルギニン成分であり、かつ実質的に前記加温潤滑剤に不溶性で、水に可溶性である前記血管拡張剤とを含む、ステップと、
前記加温潤滑剤および前記L−アルギニン成分を身体からの水分と接触させ、それによって、前記加温潤滑剤が存在しない前記血管拡張剤の使用と比較して、前記拡張剤の増大された効果をもたらすステップと、を含む、方法。

【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−500287(P2011−500287A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531271(P2010−531271)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/081083
【国際公開番号】WO2009/055652
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(598165943)アンセル・ヘルスケア・プロダクツ・エルエルシー (15)
【氏名又は名称原語表記】Ansell Healthcare Products LLC
【Fターム(参考)】