説明

多機能マットレス

【課題】マットレスとして使用可能である一方、昼間においては、これを押し入れに収容することなくソファー、ベビーベッド等のクッション材として利用可能な多機能のマットレスを提供する。
【解決手段】3以上の直方体のマットレスブロック12が連接されている折り畳み可能なマットレスであって、端部の2つのマットレスブロックが、枠部18と前記枠部18に着脱自在に形成された内側部材14とからなる多機能マットレス10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス、ソファー、ベビーベッド等として利用可能な多機能のマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
3ないし4個の同一形状の平面形状が長方形の直方体に裁断した軟質ポリウレタンフォームを織物により形成した表皮材に収容し、3つ又は4つに折り畳んで押し入れ等の収納庫に収容可能にしたマットレスは周知である(例えば特許文献1、2)。軟質ポリウレタンフォームはソファーや椅子、車両のクッション材としても一般的に使用されている。
【0003】
特許文献1に開示されたマットレスは、「洗濯や移動等において分解や結合を楽に行うことが出来、また収納時等には、必要に応じて簡単に折り畳むことが出来る」ことを目的とするものであり、それぞれ独立して表皮材に収容し、ファスナーで分離自在に接続した3ないし4個の長方形の軟質ポリウレタンフォームからなるものである。
【0004】
【特許文献1】特開2002−315651号公報
【特許文献2】特開2001−000281号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2に開示されたマットレスは、その目的とするとおり、洗濯や移動等において分解や結合を楽に行うことができ、また収納時等には、必要に応じて簡単に折り畳むことができるものである。
【0006】
しかるに近年、特にワンルームマンションにおいては、部屋の大きさが制限されていることから、また家族用のマンションにおいては収納スペースが制限されていることから、マットレスとソファーを別個に配置することが難しい状況にある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みて、マットレスとして使用可能である一方、昼間においては、これを押し入れに収容することなくソファー、ベビーベッド等のクッション材として利用可能な多機能のマットレスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の多機能マットレスは、3以上の直方体のマットレスブロックが連接されている折り畳み可能なマットレスであって、
端部の2つのマットレスブロックが、枠部と前記枠部に着脱自在に形成された内側部材とからなることを特徴とする。
【0009】
上記構成のマットレスは、マットレス、ソファー、ベビーケージ等として利用可能な多機能を有するマットレスである。連接は着脱可能であってもなくてもよい。マットレスブロックは、平面視にて長方形或いは正方形であり、厚さは特に限定されるものではないが、5〜20cmであることが好ましい。各マットレスブロックは異なる形状であってもよいが、同一形状であることが好ましい。マットレス全体の長さは特に限定されるものではなく、一般的には1.8〜2.5mである。また、幅は一般的なシングル、ダブル等に応じた大きさとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の多機能マットレスを構成する素材は特に限定されず、公知のマットレスに使用される素材を使用することができる。クッション材としては、軟質ポリウレタンフォーム、ラバーフォーム、熱可塑性弾性樹脂の連続線条のランダムループからなり、前記連続線条の接触部の大部分が融着された3次元立体構造網状体(特開平9−1708号公報開示;市販品ブレスエア(東洋紡績))等が例示され、単独、又は2種以上を積層して使用することができる。クッション材を多層構造とする場合、下層部材として硬綿相当材料を使用してもよい。本発明のマットレスの表皮材は、皮革、織物、不織布等であってマットレスやクッション材の表皮材構成材料として公知の素材にて形成されたものを使用することができる。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の多機能マットレスの好適な形態を例示した斜視図であり、図1(a)は平坦に敷いたマットレスとして使用できる状態であり、図1(b)は押し入れ等に収容可能に3つに折り畳んだ状態である。マットレス10は、上面図にて長方形の平坦な直方体であり、同じ形状の第1マットレスブロック12a、第2マットレスブロック12b及び第3マットレスブロック12cからなり、それぞれのマットレスブロックはクッション材とこれを被覆する表皮材とから構成される。第1マットレスブロック12aと第2マットレスブロック12b、第2マットレスブロック12bと第3マットレスブロック12cとは、平坦に敷いた状態で互いに逆の面にて連接されており、この連接部にて折り返すことにより図1(b)のように折り畳むことができる。マットレス10の第1マットレスブロック12aと第2マットレスブロック12bは、枠部18と該枠部18に着脱自在に形成された内側部材14とから構成されている。
【0012】
マットレスブロックを着脱自在に構成する場合、連接する方法としては特に限定されるものではなく、連接する直方体の稜にファスナーを配設する方法、折り返して畳む場合に互いに接する面の端部に幅方向に面ファスナーを配設する方法、折り返して畳む場合に互いに接する面の端部近傍にマットレスの長さ方向に複数本のベルト状の面ファスナーを配設する方法等を例示することができる。内側部材を構成するサブブロックを着脱自在に連接する場合も同様の構成とすることができる。内側部材を枠部に着脱自在に装着する方法としては、単に嵌着する方法であってもよく、ファスナーや面ファスナーを使用する方法であってもよい。
【0013】
内側部材14は、連接された第1マットレスブロック12aと第2マットレスブロック12bの中央部をくり抜いて別部材としたに相当する構成を有する。即ち内側部材14は、上面図にて長方形の平坦な直方体であり、第1サブブロック16a及び第2サブブロック16bとから構成されており、第1サブブロック16aと第2サブブロック16bとは端部にて折り畳み可能に連接されている。内側部材14は、第1マットレスブロック12aと異なった形状であってもよいが、同形状であることが好ましい。第1サブブロック16aと第2サブブロック16bも異なった形状であってもよいが、同形状であることが好ましい。
【0014】
図2は、図1に示した多機能マットレス10をソファーとして使用できるようにした配置例である。マットレス10は、図1(b)のように折り畳むと共に内側部材14を取り外して平坦化し、これを第3マットレスブロック12cの下に敷くことによりソファーとして使用可能な形状となる。枠部18のマットレス長さ方向側部分は背もたれ部になり、枠部18のマットレスの幅方向部分は肘置き部となる。
【0015】
図3は、図1に示した多機能マットレス10をベビーベッドとして使用できるようにした配置例である。マットレス10は、内側部材14を取り外して下に敷き、第3マットレスブロック12cを枠部の下に折返して端部を内側部材の長辺側に当接させ、下に内側部材14と第3マットレスブロック12cとからなるクッション部が形成されると共に、その上に枠部16が形成されたベビーベッドとする。係る構成により、赤ん坊が寝返りをした場合にクッション部より外に転がり出ることがなく、また掛け布団のずれ落ちも防止可能である。
【実施例2】
【0016】
図4には、本発明の多機能マットレスの好適な別の形態を斜視図にて示した。多機能のマットレス20は、第1マットレスブロック22a、第2マットレスブロック22b、第3マットレスブロック22c及び第4マットレスブロック22dが図1の例と同様に連接されており、第1マットレスブロック22aと第2マットレスブロック22bとは、枠部28と該枠部28に着脱自在に形成された内側部材24とから構成されている。
【0017】
図5には、図4に示した多機能マットレスをソファーとして使用できるようにした配置例を斜視図にて示した。第3マットレスブロック22cと第4マットレスブロック22dは開いた状態とし、第1マットレスブロック22aと第2マットレスブロック22bは第3マットレスブロック22cの上に折り畳む。内側部材24は長辺側端部にて折り畳み可能に連接された第1サブブロック26a及び第2サブブロック16bとから構成されており、一方のサブブロック、図示した例では第1サブブロック26aを第3マットレスブロック22cの上面から枠部28に斜めに立てかけるように配設する。係る構成によれば、足を伸ばした状態でソファーとして使用できる。
【0018】
図6は、図4に示した多機能マットレスにおいて内側部材24を構成する第1サブブロック26aと第2サブブロック26bを別体とした例を示した斜視図である。
【0019】
図7には、図6に示した多機能マットレスをソファーとして使用できるようにした配置例を斜視図にて示した。配置は図5と同様であり、図5において、枠部28の外側に懸垂状態となっていた第2サブブロック26bを第4マットレスブロック22d上に、足首、ふくらはぎ、ひざ下とうの位置に載置することにより、脚下端部を上げてソファーに座ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の多機能マットレスの好適な実施形態を例示した斜視図
【図2】図1に示した多機能マットレスをソファーとして使用できるようにした配置例
【図3】図1に示した多機能マットレスをベビーベッドとして使用できるようにした配置例
【図4】本発明の多機能マットレスの別の好適な実施形態を例示した斜視図
【図5】図4に示した多機能マットレスをソファーとして使用できるようにした配置例
【図6】図4に示した多機能マットレスにおいて内側部材を構成する第1サブブロックと第2サブブロックを別体とした例を示した斜視図
【図7】図6に示した多機能マットレスをソファーとして使用できるようにした配置例
【符号の説明】
【0021】
10 多機能マットレス
12a,12b,12c マットレスブロック
14 内側部材
16 サブブロック
18 枠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上の直方体のマットレスブロックが連接されている折り畳み可能なマットレスであって、
端部の2つのマットレスブロックが、枠部と前記枠部に着脱自在に形成された内側部材とからなることを特徴とする多機能マットレス。
【請求項2】
前記マットレスブロックは、同じ形状であり、かつ前記内側部材と前記マットレスブロックとが同じ形状であることを特徴とする請求項1に記載の多機能マットレス。
【請求項3】
前記内側部材は、2個のサブブロックからなり、前記サブブロックは着脱自在であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多機能マットレス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−212560(P2008−212560A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57661(P2007−57661)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】