説明

多機能性成形材

【課題】 耐火不燃性、軽量性、高断熱性及び廃棄性と再利用も可能な多機能性成形材を安価に提供する。
【解決手段】 独立気泡構造若しくは連続気泡構造で見掛比重が0.1乃至0.2及びその粒径が0.5乃至10mmのパーライトが容量割合で80乃至90容量%割合と、アルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸の混合物からなる水溶液が10乃至20容量%割合で混合混練されてなる成形原料を、成形型内に充填のうえ加熱乾燥によりパーライト相互を一体的強固に接着成形させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は耐火不燃性を初め軽量性や高断熱性並びに廃棄性と再利用性にも優れる多機能性成形材に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国は戦後の高度成長期を経て先進国の仲間入りにまで経済成長を遂げてきたものであるが、この高度成長期には他方において化学工業の発達とともに多様な化学薬材や、安価で耐久性能に優れる合成樹脂製品の開発と普及も大きく寄与してきたものと考えられている。
而して高度成長期を経て安定成長期に至った今日においては量的充足から質的充足が強く求められ、更には高度成長期に開発され普及された化学薬剤や合成樹脂製品等による数多の健康被害や環境破壊を、防止且削減することが現状では最優先課題と位置付けられるに至っている。
【0003】
即ち具体的事案においてみれば、建設構築物における省エネのための外断熱板材や内断熱板材、或いは冷熱機器における断熱材としては、加工性に優れ軽量安価で耐久性とともに高い断熱性を保持することからポリウレタンやポリスチレン或いはフェノール合成樹脂による発泡シート材を、単独で若しくは他の耐火素材と接合し使用しているものであるが、近年の建設構築物は密閉性が高く、これら発泡シート材が内断熱板材として使用されてなる場合に、一旦火炎が発生すると猛烈な有害ガスや焦煙が発生し、これによる多くの人命が失われる惨事が各地で発生している。
【0004】
加えて冷熱機器等にも前記発泡シート材が多用されているものの、耐久使用後の廃棄に際しては環境保全のうえから金属部材と発泡シート材とを分解分別せねばならず、且その焼却に際しても特別な焼却手段が要請される。
更に耐火不燃性が要請される建築部材等は、その素材もコンクリートや陶磁、セラミックス或いは金属等に制約されることから極めて多重となり、反面建設労働者の高齢化とも相俟ってその取扱性や運搬性が著しく損なわれる結果となっており、軽量で耐火不燃性素材が強く要請されている。
【0005】
発明者はかかる実情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、シロキサンとシラノール塩とをその分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状で、且水分が略40乃至60重量%程度のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を用いて、所要の成形型内に注入し加熱を施すことにより、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分蒸散の放散に伴う連続気泡構造で、その発泡度が略5乃至10倍で見掛比重が0.1乃至0.2程度の酸化珪素態からなる発泡成形材が形成しえることを究明し、先願においてその内容を開示している。
【0006】
而してシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を素材として成形型内で加熱し水分蒸散により連続気泡構造を形成させて所要の発泡成形材を形成するには、略40乃至60重量%にも亘る水分を確実に蒸散させるために、多大且高温度の加熱エネルギーが必要となるばかりか、発泡成形材の成形は成形型の外面からの受熱によりなされるため、成形も成形型の外面から発泡成形がなされ且この発泡成形材は高い断熱性能を保持するため、内部への受熱が阻害され全体の発泡成形には極めて長時間を要するばかりか、加熱に伴う加熱融着性の創出により成形型内面との接合が強く働き成形型からの型抜きも不能となるため、剥離層の形成が不可欠となるものの、該剥離層形成材としてはせいぜい280乃至300℃程度の耐熱性しか無く、而も該剥離層の形成で更に内部受熱が阻害される問題をも孕んでいる。
【0007】
そこで発明者はかかる問題につき更なる研究を重ねた結果、かかる問題の解決にはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を素材として用い、且その40乃至60重量%に亘る水分を加熱蒸散せしめて連続気泡構造の生成による発泡成形材を形成する技術思想に代えて、酸化珪素態からなりその見掛比重が0.1乃至0.2に予め焼成発泡させた、黒曜石を初め発泡頁岩や真珠岩或いは松脂岩等からなるパーライトの発泡特性を活用し、該パーライトを成形素材の略80乃至90容量%割合で、且このパーライト相互を加熱発泡と接着とにより一体的に接着成形せしめることにより、短時間における成形と且成形型からの剥離も容易に製造が可能なることを解明するに至った。
【特許文献1】 特願2004−300752号
【特許文献2】 特願2005−381378号
【特許文献3】 特願2007−96842号
【0008】
ところでかかる如き生産技術思想の変更により、耐火不燃性を初め軽量性や高断熱性と廃棄性や再利用性を保持する発泡成形材を能率良く生産しえることになったが、耐火不燃性を保持するコンクリートやシラス、珪酸カルシウム、粘土、硅藻土等の素材からなる製品は極めて安価で、生産技術の変更のみならず素材面からの価格低減化も図らぬと、広範囲な市場への普及には至らない。
してみると発明者が解明した発泡成形材の素材は、その80乃至90容量%を占めるパーライトについては、その見掛比重が0.1乃至0.2と極めて軽量嵩高であり且コスト的にも安価であるが、他方シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液は、該パーライトに比べて容量比では10乃至20容量%の使用に過ぎぬものの、重量比においては略同等量に相当するものであり、且価格的にも高価であるため該シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液と同等の性能と且安価な発泡接着材の開発が不可避の課題とされるに至った。
【0009】
そこで発明者はシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液の加熱による水分蒸散に伴うシロキサン結合の促進や加熱融着性の創出及び連続気泡構造の生成等の性状を有し、且安価な素材として、化学式Me・nSiO(Meはアルカリ金属)からなるアルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸の混合物からなる水溶液が好適であること、及び接着力の向上のために金属酸化物、金属水酸化物、ケイ化物やケイフッ化物、リン酸塩若しくはホウ酸塩からなる硬化剤の混合が極めて有利なることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は耐火不燃性を初め軽量性、高断熱性、廃棄性と再利用も可能な多機能性成形材を極めて安価に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、主要素材に黒曜石、発泡頁岩、真珠岩若しくは松脂岩を破砕のうえ焼成発泡させた独立気泡構造若しくは連続気泡構造からなり、その見掛比重が0.1乃至0.2で且その粒径が0.5乃至20mmのパーライトと、このパーライトの容量に対して10乃至20容量%の割合で、化学式Me・nSiOで表わされるアルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸との混合物からなり、而も水分率が40乃至60重量%の水溶液が混合混練されたうえ、所要の寸法形状の成形型内に充填され、少なくとも200℃以上の温度で加熱し水分蒸散とともに、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び加熱発泡とによりパーライト相互を一体的に接着させた構成からなる、多機能性成形材に存するものである。
【0012】
更にはより加熱発泡と接着を強固に形成させるうえから、混合混練されるアルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸との混合物からなる水溶液の容量に対して金属酸化物、金属水酸化物、ケイ化物若しくはケイフッ化物、リン酸塩若しくはホウ酸塩からなる硬化剤が5乃至20容量%割合で混合混練されたうえ、パーライト相互を一体的に接着成形させた構成からなる多機能性成形材に存するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述の如き構成からなるものであって、主要素材として黒曜石、発泡頁岩、真珠岩若しくは松脂岩を焼成発泡させて独立気泡構造若しくは連続気泡構造で、その見掛比重が0.1乃至0.2及びその粒径が0.5乃至10mmのパーライトが80乃至90容量%に使用され、更にその化学式がMe・nSiOで表されるアルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸との混合物からなる水溶液が10乃至20容量%割合で混合混練されることにより、パーライトの外表面全体にアルカリケイ酸塩水溶液若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸混合物からなる水溶液が塗着されるとともに、この塗着に伴う粘性によりパーライト相互が可塑性を保持し、所要の寸法形状からなる成形型内に容易に充填成形がなしえることとなる。
【0014】
そして充填成形がなされたうえは、少なくとも200℃以上の比較的高温度による加熱乾燥で、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び水分蒸散に伴う連続気泡構造の発泡化と接着性とによりパーライト相互が一体的に接着成形されるもので、充填成形が十分に高粘度である場合には成形型より型抜きのうえ加熱乾燥させることが水分蒸散も早く短時間に生産が可能となる。更に充填成形が低粘度の場合には、混合混練されるパーライトが漏出せぬ程度の網目合若しくは通気孔が形成された金網材やパンチングメタル板材等による成形型の使用で、水分蒸散が能率良くなしえる。
【0015】
加えて本発明においては発泡化と接着性の発揮のために混合混練されるアルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸との混合物からなる水溶液の容量に対して、金属酸化物や金属水酸化物、ケイ化物やケイフッ化物、リン酸塩或いはホウ酸塩からなる硬化剤が5乃至20容量%割合で混合混練された場合には、シラノール間の脱水縮合に伴い分子間にシロキサン結合を生じガラス構造を形成するため、加熱乾燥によるシロキサン結合の促進とも相俟って極めて短時間にパーライト相互の一体的接着が強固になされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
黒曜石、発泡頁岩、真珠岩若しくは松脂岩を破砕のうえ焼成発泡させた独立気泡構造若しくは連続気泡構造で、その見掛比重が0.1乃至0.2で且粒径が0.5乃至10mmのパーライトが80乃至90容量%に、その水分率が50重量%割合のケイ酸ナトリウム水溶液を10乃至20容量%割合で混合混練のうえ、パーライトが漏出せぬ網目合若しくは蒸散孔を有する所有の寸法形状の成形型内に充填のうえ、200℃以上の加熱乾燥を施し、パーライト相互を一体的強固に接着成形させる。
【実施例1】
【0017】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は本発明の主要素材として用いるパーライト1の説明図であって、図1のAは黒曜石を破砕のうえ焼成発泡させた独立気泡構造のパーライト1Aが示されてなるもので、該独立気泡構造のパーライト1Aは強固な結合水を保持し、焼成に際しても膨張する空気をガラス質内部に多数の独立気泡1Cを取り込んだ形態のもので、その見掛比重も略0.1乃至0.2で且所要の寸法形状に均質に成形して使用するうえからは、その粒径として0.5乃至10mm程度のものが望まれる。
【0018】
更に図1のBには連続気泡構造のパーライト1Bが示されてなるもので、該連続気泡構造のパーライト1Bはその内部に結合水を保持する膨張頁岩や真珠岩或いは松脂岩等を破砕のうえ焼成することにより、加熱膨張した空気がガラス質の外面から多数の蒸散放出孔1Dを形成しつつ放出されるため内部膨張がなされず、破砕時の多角塊状の様相を呈するものである。
そして独立気泡構造のパーライト1A若しくは連続気泡構造のパーライト1Bの実用使用に際して留意すべきことは、所要の寸法形状に且均質に成形させるうえからは、その粒径も最大10mm以下のものが望ましく、反面本発明では軽量性に優れる多機能性成形材を形成するものであって、これがためには使用する独立気泡構造のパーライト1A若しくは連続気泡構造のパーライト1Bの粒径が0.5mm以下の細粒となると、その見掛比重も0.3乃至0.5程度にまで上昇し軽量化の実現が不能となるため、細粒径のものでも0.5mm以上のものを選択すべきである。
【0020】
かくして選択される独立気泡構造からなるパーライト1A若しくは連続気泡構造からなるパーライト1Bを一体的に接着成形しえ、且使用特性上からは少なくとも耐火不燃性と軽量性とを実現できる接着成形材2Aが要請される。
これがためには接着成形材2Aとしては、無機質で酸化珪素態からなるパーライトとシロキサン結合による接着性と、且加熱乾燥に際して水分蒸散に伴う発泡性を保持するものが望まれるもので、化学式Me・nSiO(Meはアルカリ金属)で表されるアルカリケイ酸塩や、該アルカリケイ酸塩とケイ酸との混合物からなる水溶液が好適で、具体的にはケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸セシウム、第三級アミンケイ酸塩、第四級アンモニウムケイ酸塩等が挙げられる。更に該接着成形材2Aの水分率は、独立気泡構造のパーライト1Aや連続気泡構造のパーライト1Bとの混合混練により、その外表面に容易且均質に塗着せしめて相互を接合させる粘性を付与せしめるうえから、水分率としては40乃至60重量%で、粘度としては略700乃至7,000cp(センチポアズ)程度が望まれる。
【0021】
図2には独立気泡構造のパーライト1Aに接着成形材2Aが塗着された成形原料2が描かれている。
かくしてなる成形原料2は図3に示す如き所要の成形型3内に充填されたうえ加熱乾燥が施されて接着成形がなされるものである。かかる場合に加熱乾燥に伴って接着成形材2Aの水分を積極的に蒸散放出させることが重要であることから、成形型3はその内部に充填される成形原料2の独立気泡構造からなるパーライト1A若しくは連続気泡構造のパーライト1Bが漏出せぬ程度の網目合3Aからなる金網材や、或いは通気孔が形成されたパンチングメタル板(図示せず)で形成されるもので必要に応じては該成形型3には蓋部3Bを設けることもなされる。
【0022】
図4は連続加熱成形方法4が描かされてなるもので、該連続加熱成形方法4では移送させるベルトコンベア4Aの一側において成形型3を載置のうえ、成形原料2を充填のうえ、加熱手段4Bが配設されてなる加熱乾燥ゾーン4C内を移送させて、成形原料2に混合混練されてなる接着成形材2Aの水分蒸散をなさしめ、シロキサン結合の促進と加熱融着性の創出及び加熱発泡とにより、パーライト相互を強固且一体的に接着させて成形をなすものである。
かかる如くしてパーライト相互を強固且一体的に接着させ成形されたうえは、直ちに型抜き4Dをなすことで図6に示す如き本発明多機能性成形材5が形成される。
【0023】
図5はバッジ式加熱成形方法40が示されてなるもので、該バッジ式加熱成形方法40においては加圧成形方法とも呼ばれ比較的強靭で緻密な接着成形に最適であって、所要の寸法形状の成形雌型40Aと、該成形雌型40A内に嵌入しえる成形雄型40Bが可動自在なピストン40Cに連結されている。
更に成形雌型40A及び成形雄型40Bには、その内部に注入充填される成形原料2を加熱成形させるための加熱ヒーター等の加熱板40Dが配備された構成のものである。
かかるバッジ式加熱成形方法40では成形雌型40Aと成形雄型40Bを離脱のうえ、成形雌型40A内に成形原料2を注入充填のうえ成形雄型40Bで加圧し、加熱板40Dを以って加熱を施すことにより、図6の如き本発明多機能性成形材5が成形できる。
当然の事ながらかかる成形雌型40Aや成形雄型40Bにも、加熱による水分蒸散放出の網目合3A若しくは通気孔が設けられている。
【0024】
ところで本発明は主要素材としてその見掛比重が0.1乃至0.2で粒径が0.5乃至10mmの独立気泡構造からなるパーライト1A若しくは連続気泡構造からなるパーライト1Bが80乃至90容量%と、化学式Me・nSiO(Meはアルカリ金属)で表されるアルカリ金属塩や該アルカリ金属塩とケイ酸との混合物の水溶液からなる接着成形材2Aが10乃至20容量%で混合混練された成形原料2が成形型3内に充填されたうえ、少なくとも200℃以上の比較的高温度で短時間に水分蒸散を図り、シロキサン結合の促進や加熱融着性の創出等に伴う加熱発泡性と接着性とにより、パーライト相互を強固且一体的に接着成形させるものである。しかしながらかかる成形原料2の水分を蒸散させるためには、少なくとも200℃以上の比較的高温度で且大形の成形材や多量の生産の場合には、莫大な加熱エネルギーの供給手段が必要となる。
【0025】
かかる事情に際しては、アルカリ金属塩からなる接着成形材2Aのシラノール間の脱水縮合をせしめてシロキサン結合を促進させてガラス構造状の固化をなさしめ、以って接着成形を著しく早める手段として硬化剤の混合混練が提案されるもので、具体的には金属酸化物としてZnO、MgO、CaO、PbO等が、金属水酸化物としてはCa(OH)、Mg(OH)、Zn(OH)等が、ケイ化物やケイフッ化物としてはNaSiF、KSiF、CaSiO等が、更にリン酸塩としてはAl(PO、ZnO・P、MO・nAl・mP等が、ホウ酸塩としてはKBO・CaB等がある。
そして該硬化剤は混合混練割合により固化硬化の時間も異なるが、接着成形材2Aの容量に対して少なくとも5容量%以上が望まれるが、20容量%を超えると硬化が早まり充填成形時に支障が生じる恐れがあることに留意する必要がある。
【0026】
本発明多機能性成形材についての物性試験結果を以下に述べれば、独立気泡構造でその見掛比重が0.1及び平均粒径が2mmのパーライトを用い、このパーライト85容量%にケイ酸ナトリウムが15容量%割合で、且そのケイ酸ナトリウムの組成割合と粘度がSiO 31.5%とNaO 19.7%で粘度7,000cpを用いたものを試料1、SiO 32.0%とNaO 11.1%粘度1,250cpを用いたものを試料2、及びSiO 29.9とNaO 9.22%、粘度830cpを用いたものを試料3とした。
加熱乾燥はバッジ式加熱成形方法を用いて加熱温度250℃30分間加熱により作成した厚さ5mmの成形板材の性能は表1通りである。
【0027】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0028】
耐火不燃性と高断熱性が要請される建築用断熱板材や冷暖機器の断熱板材としては、即時に代替使用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】 独立気泡構造及び連続気泡構造のパーライトの説明図である。
【図2】 成形原料の説明図である。
【図3】 成形型の説明図である。
【図4】 連続加熱成形方法の工程図である。
【図5】 バッジ式加熱成形方法の説明図である。
【図6】 本発明多機能性成形材の見取図である。
【符号の説明】
【0030】
1 パーライト
1A 独立気泡構造のパーライト
1B 連続気泡構造のパーライト
1C 独立気泡
1D 蒸散放出孔
2 成形原料
2A 接着成形材
2B 硬化剤
3 成形型
3A 網目合
3B 蓋部
4 連続加熱成形方法
4A ベルトコンベア
4B 加熱手段
4C 加熱乾燥ゾーン
4D 型抜き
40 バッジ式成形方法
40A 成形雌型
40B 成形雄型
40C ピストン
40D 加熱板
5 本発明多機能性成形材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造若しくは発泡頁岩、真珠岩、或いは松脂岩を焼成発泡させた連続気泡構造からなり、その見掛比重が0.1乃至0.2及び粒径が0.5乃至10mmのパーライトが80乃至90容量%と、アルカリケイ酸塩若しくはアルカリケイ酸塩とケイ酸混合物の水溶液からなる接着成形材が10乃至20容量%割合で混合混練され成形原料となしたるうえ所要の寸法形状の成形型内に充填し、少なくとも200℃以上の加熱乾燥を施しパーライト相互を強固且一体的に接着成形させてなることを特徴とする、多機能性成形材。
【請求項2】
接着成形材が、40乃至60重量%割合の水分率からなる水溶液である、請求項1記載の多機能性成形材。
【請求項3】
アルカリケイ酸塩がケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸セシウム、第三級アミンケイ酸塩若しくは第四級アンモニウムケイ酸塩である、請求項1記載の多機能性成形材。
【請求項4】
成形原料を形成する接着成形材の容量に対して、金属酸化物、金属水酸化物、ケイ化物若しくはケイフッ化物、リン酸塩或いはホウ酸塩から選ばれる硬化剤が5乃至20容量%割合で混合混練される、請求項1乃至請求項3記載の多機能性成形材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−126764(P2011−126764A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299453(P2009−299453)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(504384516)
【Fターム(参考)】