説明

多用途手袋

【課題】着用者の手を保護するエラストマーの補強部を有する、多用途手袋を提供する。
【解決手段】成形された手のひら部分4は、耐摩耗性のための厚くなった領域、快適性のための肉盛りをされた領域、動きを改善する柔軟な溝、把持性を改善するテクスチャーを与えられた把持用領域、および/または通気性のための穴のうちの1つまたは複数を有する。成形された手のひら部分は、特定の材料の異なる特徴を利用するために、異なるエラストマー材から形成され得る。多用途手袋の成形部分は、少なくとも手の一部分の形状に形成された型部品に対して1枚の布材料12を配置し、異なる厚さを有する対応する型部品を、少なくとも手の一部分の形状の型部品と成形する関係に持っていき、成形部分を形成するように、型の中にエラストマー材を射出することによって形成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2007年7月16日出願の米国仮特許出願第60/950,028号に対する優先権を主張する2008年7月16日出願の米国特許出願第12/218,562号の一部継続出願である。各出願の全体が参照によって援用される。
【0002】
本発明は、作業、庭仕事などのための多用途手袋の分野に関し、より詳細には、着用者の手の保護を改善するエラストマーの補強部を有する、作業、庭仕事などのための多用途手袋に関する。
【背景技術】
【0003】
多用途手袋は、仕事の現場、生産もしくは園芸の施設、または家周りでの庭仕事、建設作業、または雑作業のような領域において使用される。この手袋は、通常、物が使用者の手から滑り落ちるのを防ぐ把持用部分を含み、切り傷、擦り傷および水疱などの、使用者の皮膚の外傷を防ぎ、物体をひねるときまたは掴むときに、よりよく把持できるようにする。手袋の把持用部分は、通常、編まれたナイロン手袋に対して、この手袋にエラストマーの把持用表面を付着させるように、ナイロン手袋を天然ゴムまたは合成ゴムなどのエラストマー材に浸漬することによって取り付けられる。この工程は手袋の密度を増し、湿気および汚れを吸収する傾向のある清掃の困難な布部分を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮特許出願第60/950,028号
【特許文献2】米国特許出願第12/218,562号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、最も摩耗を受けやすい1つまたは複数の領域に継ぎ目のない補強部を有する多用途手袋を作製することである。継ぎ目を最小にすることに加えて、摩耗および/または衝撃を最も受けやすい領域に追加の材料または肉盛りが設けられ、この肉盛りは、好ましくは、やはり継ぎ目のない状態で含まれる。この点について、考えられる最終用途次第で、衝撃および摩耗から保護するために戦略的領域において使用される天然ゴムまたは合成ゴムを含むエラストマー材の量を調整することが可能である。最終的に、このような肉盛りの使用は、より長持ちする、より快適な手袋を最終使用者に提供する。さらに、本発明は、1つまたは複数の強化された把持用表面をさらに提供するように、戦略的領域のエラストマー材に異なるテクスチャーを与える能力を含む。
【0006】
したがって、本発明の目的は、典型的な浸漬ナイロン編みの多用途手袋に対する改良品である多用途手袋を作製することである。
【0007】
本発明の別の目的は、編まれた多用途手袋の密度を増加させる必要なく、追加の耐久性、および異なる手のひらの厚さを有する能力を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、密度を生じさせるためにエラストマー材を布に吸収させることに対する依存を排除することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、戦略的に配置された肉盛りおよび/または耐摩耗領域ならびに強化された把持用領域を有する多用途手袋を提供することである。
【0010】
また、本発明のさらなる目的は、典型的に過度な量の湿気および汚れを吸収する編まれた裏地を任意選択で有さない、エラストマー材を含む手のひらの構造を提供することである。これによって、洗濯するのではなく、湿った布を用いて単純に手袋を清掃することによって、より容易に手袋を清掃できるようになる。
【0011】
本発明の別の目的は、典型的に補強の必要な領域、すなわち人差し指および親指、ならびに、おそらくは人差し指と親指との間の領域、各指の基部および股の直下の領域において、摩耗に対する最大の保護を行うことである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、摩耗および衝撃を最も受けやすい領域、すなわち、親指の基部および指の直下の手のひらの領域にエラストマー材を盛り上げることによって、摩耗および衝撃に対する保護をもたらすことである。
【0013】
本発明の別の目的は、手袋の改善された特徴、および特に把持性および柔軟性をもたらすために、異なる領域に様々なエラストマー材を有するように変更することのできる成形構成要素を作製することである。たとえば、より軟質のエラストマー材は、摩耗を受ける傾向が少なく、さほど強くない領域における柔軟性のために使用可能であり、テクスチャーを与えられたエラストマー材は、把持に関連した領域に使用可能である。
【0014】
本発明のさらなる目的は、予め湾曲された凹形の手のひら部分を有する、より自然な感覚の成形手袋を作製することであり、着用者の手が閉じたときにこぶ状になるのを最小限にするために、少なくとも部分的にカップ状の形状になるように、手のひら部分の中央部が手のひら部分の縁部から始まる。この予め湾曲された手のひら部分は、また、静止時に手がより自然な形状になるように、指まで連続または延在し得る。
【0015】
本発明のさらに他の目的および利点は、本明細書から、部分的に明白となり、部分的に明らかとなろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これらおよび他の目的は、親指部分および少なくとも1つの指部分を備えた、エラストマー材から形成される三次元成形された手のひら部分を含む手のひら側と、布材料を備える手袋の甲側とを有し、成形された手のひら部分が予め湾曲された構成に形成される、本発明の多用途手袋により達成される。成形された手のひら部分は、耐摩耗性のための厚くなった領域、快適性のための肉盛り領域、動きの改善のための柔軟な溝、把持の改善のためのテクスチャーを与えられた把持用領域のうちの1つまたは複数を有し得る。成形された手のひら部分は、特定の材料の異なる特徴を利用するために、異なるエラストマー材から形成され得る。
【0017】
手袋の甲側は、いくつかの用途では外傷を受けやすい使用者の指関節または手の甲に対する保護を形成するように成形部分を含むことが企図される。成形された甲部は、手袋の成形された前面側とは独立しているか、または手袋の成形された前面側と一体的に形成され、成形部分が着用者の手の回りに360°延在するように形成され得る。
【0018】
多用途手袋の成形部分は、少なくとも手の一部分の形状に形成された型部品に対して、1枚の耐熱性の布を配置し、対応する型部品を少なくとも手の一部分の形状の型部品と成形する関係に持っていき、成形された手のひら部分を形成するように型の中にエラストマー材を射出することによって形成され得る。
【0019】
少なくとも手の一部分の形状の型部品は、潜在的使用者の手袋サイズに対して異なるサイズに形成され、対応する型部品は、1つもしくは複数のテクスチャーを与えられた領域、1つもしくは複数の厚くなった領域、1つもしくは複数の肉盛りをされた領域、および1つもしくは複数の柔軟な溝のうちの1つまたは複数を含むことが期待される。好ましくは、耐熱性の布は、エラストマー材の吸収性を改善する編まれた親水性材料である。
【0020】
本発明は、同様の参照符号が同様の部品を示す添付の図面を鑑みて考慮されるとき、よりよく理解されるであろう。しかしながら、図面は、本発明をいかなる方式にも限定することなく、本発明の好ましい実施形態を例示するためのみに示されている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による多用途手袋の手のひら側の前面図である。
【図2】図1の手袋の背面図である。
【図3】図1の手袋の手のひら側の把持用部分の甲を示す図である。
【図4】エンボス加工された把持用細部を有する、図1の手袋の手のひらの把持用部分の手のひら側の図である。
【図5】庭仕事用手袋の実施形態の手のひらの把持用部分の内側を示す図である。
【図6】図5の把持用部分を備えた庭仕事用手袋の手のひら側を示す図である。
【図7】図6の手袋の甲側を示す図である。
【図8】図5の手のひらの把持用部分の手のひら側を示す図である。
【図9】本発明による多用途手袋の好ましい実施形態の手のひら側の前面図である。
【図10】図9の手袋の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、成形された手のひら部分4を備えた多用途手袋2の手のひら側を示す。手袋2の成形された手のひら部分4は、好ましくは、図6に示すエンボス加工された把持用細部6と、図4に示すデボス加工された柔軟な溝8と、図4および6に示す盛り上げられたテクスチャーを与えられた把持用領域10とを有する。この点に関して、図1の実施形態の成形された手のひら部分4は、好ましくは、よりよい把持および補強のために、盛り上げられたまたはより厚いテクスチャーを与えられた人差し指の先端部および親指の先端部として示される、盛り上げられたテクスチャーを与えられた把持用領域10を含む。図1に示される多用途手袋2の手のひら側は、また、成形された手のひら部分4を越えた領域に布材料12を含むが、このような布材料12は、本発明の手のひら側の要素として必要ではない。
【0023】
図2は、布材料12を含み、好ましくは、盛り上げられた、穴の開いた保護形状を施された成形領域14を有する、手袋2の甲側を示す。当然ながら、指が手の甲に接合するところの指関節または手の甲自体を覆う成形部分を含む任意の成形部分が、手袋2の甲側に形成可能である。甲側の布材料12は、好ましくは、手袋の手のひら側の布材料12を用いて形成されるか、または、成形された手のひら部分4もしくは手のひら側の布材料12のいずれかに対して、手袋2の手のひら側に縫い付けられ、布が手のひら側の中から連続的であることが好ましい。また、好ましくは、使用時に使用者の手によりぴったりとはまり、手袋2をしっかりと保持するのを助けるために設けられた、成形された手首ストラップ16として示される閉じ要素がある。
【0024】
手袋2の成形された手のひら部分4または手袋の任意の成形部分は、好ましくは、少なくとも手の一部分の形状になった型部品と対応する型部品とを備える型を用いて、華氏約400度の熱に耐えることのできる耐熱性の編まれた親水性布を使用して製造される。耐熱性の布は、好ましくは、手袋ブランクの形態であるか、または、庭仕事用手袋の実施形態に好ましい成形された手のひら部分4の代替実施形態を示す図3〜4ならびに/もしくは図5および8に示すように、手袋2の成形された手のひら部分4を形成する輪郭を有するエラストマー材の型の形に切断され得る。編まれた親水性の耐熱性布は、少なくとも手の一部分、および好ましくは手全体の形をした型部品に対して配置され、型を作るように対応する型部品が成形する関係に持ってこられる。完了すると、成形者が、次に、型部品に射出し、編まれた親水性布にエラストマー材を結合して、成形部分を形成する。
【0025】
任意の適切な編まれた親水性の耐熱性布が、手袋ブランクに使用可能であるが、本発明において企図されるように、ナイロン材が本発明に最も適切であることが分かっている。
【0026】
有意なことに、本発明のエラストマー材の射出成形は、手袋2の両側(すなわち手のひら側および甲側)にエラストマー材を付着させることが可能であるが、選択的に、手袋2の甲にエラストマー材のない領域を残す。これが手袋2の通気性を確保し、エラストマー材のない開いた部分は、使用者の快適性のために開口部を覆うメッシュまたは他の材料を有し得る。
【0027】
型の三次元部分、すなわち図3および4の実施形態の親指および人差し指、ならびに図5および図8〜10の実施形態の各指には、人差し指および親指を含む各指がその形状を確実に保つように、ステーが挿入可能である。しかしながら、予め湾曲された凹形の構成をとるように構成された指および好ましくは手のひら部分4を含む、形を与えられた成形部品または複数の成形部品は、好ましくは、エラストマー材が手袋2の成形部品または複数の成形部品を形成するように射出成形される、対応する型部品によって形成される。
【0028】
いずれにしても、成形されたエラストマー材は、親指の先端部全体および人差し指または各指を覆うキャップを含む布のすべての領域に接着するように、ならびに、親指および各指の周囲の大部分、すなわち使用者の親指および各指の周囲の少なくとも50%が、所望のように覆われるように意図される。
【0029】
任意選択で、薄い裏地材が、エラストマー材を射出する前に型の平坦な側に挿入可能であり、それによって、使用者の手のひら、親指および各指と接触し得る型のすべての部分に裏地が付けられる。所望の場合、次に、布が、手袋2の各指および補強領域の輪郭の上へ縫い付けられてもよい。
【0030】
次に、成形された手のひら部分4を形成する最後の結合構成要素が、手袋2の残りの部分に取り付けられる。好ましくは、図1〜4の親指の甲および人差し指の甲ならびに図5〜8のすべての指を含む、成形された指の甲に見える布は、縫い付けられるのではなく、成形工程においてエラストマー材に結合される。
【0031】
図1〜4、図9および10の実施形態において、成形された手のひら部分4は、親指および人差し指の先端部の回りに成形され、できる限り多くの防水構造を作る目的のために、親指および人差し指の先端部を覆い、指のまちに隣接する指の下側部分までを含む、指の下の領域の手のひら全体にキャップを形成する。型は、また、使用者が移植ごて、熊手などをより効果的に把持できるように、把持を強化するために人差し指と親指との間が盛り上がっている。柔軟性の改善のために、柔軟な溝8が、好ましくは、手のひらの領域および各指を含む、成形された手のひら部分4の少なくともいくらかの手の関節の領域に配置される。耐摩耗性または肉盛りのために盛り上げられた部分10が、親指および人差し指の先端部に含まれる。
【0032】
成形された手のひら部分4の形成に使用されるエラストマー材に関して、異なる組成のエラストマー材が、成形された手のひら部分4またはその一部の形成に使用可能である。たとえば、ぬれたときにより滑りにくいエラストマー材が、親指と人差し指の間の領域に沿って使用可能であり、それによって、手袋は、ぬれた状態により適応できるようになる。さらに、耐摩耗性が成形された手のひら部分の領域において特に重要である場合、より高密度の材料がその領域に使用可能である。同様に、衝撃抵抗が、肉盛りをされた領域などのある領域において特に重要である場合、より低密度のエラストマー材が好ましいであろう。このような変形例の正しい適用は、当業者には明らかであろう。
【0033】
しかしながら、熱可塑性加硫ゴム(TPV)および熱可塑性ゴム(TPR)が、本発明の手袋2に使用されるエラストマー材を形成する、およびこのエラストマー材として使用するのに好ましい材料であることが分かっている。
【0034】
図5〜10に示される実施形態では、成形された手のひら部分4は、好ましくは、手のひら側全体およびすべての指の側面の大部分、すなわち指の周囲の少なくとも50%を覆い、これは庭仕事用の手袋にとって望ましい。手のひら部分4’は、好ましくは、着用者の手が閉じたときにこぶ状になるのを最小限にするために凹形の構成に予め湾曲されている。成形された手のひら部分4は、また、好ましくは、把持性を向上し、使用者の保護を高めるために、テクスチャーを与えられた環などのエンボス加工された把持用細部6を含む。手袋2の甲部分は、好ましくは、ぴったりと快適にはまる一方で、着用者の手を簡単に挿入および除去できるように、手首ストラップ16ではなく伸縮可能な材料18の形態で示される閉じ要素を含む。
【0035】
当然ながら、図5〜10の手袋2の成形された手のひら部分4は、また、所定のカップ状の形状、柔軟な溝8、またはテクスチャーを与えられた領域6を作るように、肉盛りをされたまたは盛り上げられた部分10、手のひら部分4’のより多いまたは少ない予めの湾曲を含む、異なるパターン、形状および設計の任意の変化を伴う成形に適している。これらの特徴の利益は、同様に、快適さ、外見上の価値、庭仕事などのいくつかの用途には重要となり得る防水加工であり、また、重要な衝撃領域に肉盛りを与え、手袋の重要領域に追加の把持性および/または耐摩耗性を与えることである。
【0036】
図9および10の好ましい実施形態では、成形された予め湾曲された手のひら部分4’は、手を閉じたときにこぶ状になるのをやはり最小限にするために、指を含むカップ状の形状を形成するように指まで続いている。また、この実施形態に組み込まれているのは、柔軟性、持ち、およびクッション性を最大にするために、段階的な厚みを有する盛り上げられた部分10である。最も好ましくは、手のひらの周囲および中、指先と指と手のひらの間の関節との間、および手袋の甲の周囲として示される、成形された第1領域20を形成する。図9の実施形態の領域は、約0.6〜1.0mm、好ましくは約0.8mmのエラストマー材から形成される。これが、使用者に最大の柔軟性を与える。
【0037】
指先、人差し指と親指との間、および手のひらと指との間の領域全体にある、図9および10の実施形態の成形された第2領域22は、中間の盛り上げられた領域10を備える。成形された第2領域22は、約1.2〜1.6mm、好ましくは約1.4mmのエラストマー材から形成される。これが、感触を犠牲にすることなく、持ちおよび追加の保護のための最大の耐久性を与える。
【0038】
手のひらの中および手袋の甲の指関節全体にある、図9および10の実施形態の成形された第3領域は、追加の盛り上げられた領域10’を備える。成形された第3領域は、約1.6〜2.0mm、好ましくは約1.8mmのエラストマー材から形成される。これが、外力の衝撃を最も受けやすい使用者の手の部分に、最大の保護を与える。最も好ましくは、図9および10の実施形態は、空気が流れることのできる、したがって手袋2に通気性を与える開口部を備えた、手袋2の周囲に360°延在するエラストマー材を有する手袋2を提供する。
【0039】
当然ながら、これに加えて、またはこの代わりに、様々な領域20、22および24のエラストマー材が、異なる物理的特徴を有してもよい。これは、密度、粘着性、柔軟性などの違いを含む。
【0040】
また、図9および10に示されるように、手袋2のエラストマー部分は手袋2の外部から手袋の内部まで延在する穴24を含み得る。これらの穴24は、手袋2の内部と外部との間の換気をもたらし、使用者の快適性を向上するだけではなく、手袋2の内部で穴24を封鎖している使用者の指と、手袋2の外部に保持される物との間で真空が発生される、真空把持をもたらすことができる。
【0041】
さらに、図9および10の手袋2の成形部分は、ごつごつした表面の形態の把持用細部6、ぬれたまたは滑りやすい状態における把持性を改善するように、水平方向および垂直方向に水分を移動させる「v」および/または「w」形状の部材を含む。図に示すように、把持用細部6は、上述のように、真空効果の使用によって把持性をさらに向上させるために穴24を有してよいが、これに限定されない。
【0042】
さらに、当業者には明らかとなるように、本発明の手袋2は、上述の構成要素の異なる組合せを用いて設計可能である。たとえば、図1〜2の手袋2は、手首ストラップ16ではなく、伸縮可能な材料18を備えて形成され得るか、または、すべての指の前面および側面を覆う成形された手のひら部分4を含み得る。さらに、人差し指および親指のみ、またはすべての指および親指にわたって、成形された手のひら部分を含む実施形態のみが示されているが、任意の数の指の前面および側面が覆われてよいことを理解されたい。
【0043】
したがって、上述の目的、特に上記の説明において明らかになった目的、およびより多くの目的が、十分に得られることが理解され、特定の変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく上記の構成において行われ得るため、上記の説明に含まれるまたは添付の図面に示されるすべての事物は例示的であり、制限的な意味ではないと解釈されるべきことが意図される。この点に関して、および限定することなく、説明された複数の実施形態に示される様々な特徴は、本発明の範囲を越えることなく、単一で、または任意の数の組合せで適用可能である。
【0044】
また、以下の特許請求の範囲は、本明細書に説明された、本発明のすべての一般的および特定の特徴、ならびに、言語の問題として、本発明の範囲内にあると言うことのできる本発明の範囲のすべての記述にわたることが意図されるように理解されたい。
【符号の説明】
【0045】
2 多用途手袋
4 手のひら部分
4’ 手のひら部分
6 把持用細部
8 柔軟な溝
10 把持用領域
12 布材料
14 成形領域
16 手首ストラップ
18 伸縮可能な材料
20 第1領域
22 第2領域
24 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部および内部を有する多用途手袋であって、前記手袋の手のひら側が、親指部分および少なくとも1つの指部分を有する、エラストマー材から形成される三次元成形された手のひら部分を有し、異なる厚さの2つ以上の隣接するエラストマー領域を含み、前記成形された手のひら部分が、凹形の形状を形成するように前記手のひらの中央部が縁部から始まる、予め湾曲された構成に形成された多用途手袋。
【請求項2】
前記成形された手のひら部分が、1つまたは複数の肉盛りをされた領域を備える、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項3】
前記成形された手のひら部分が、テクスチャーを与えられた把持用部分を備える、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項4】
布材料と、指関節に対応する領域の上に形成されたエラストマー材とを有する前記手袋の甲側をさらに備えた、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項5】
前記手のひら側の前記エラストマー材と前記甲側の前記エラストマー材とが一体的に形成された、請求項4に記載の多用途手袋。
【請求項6】
前記手のひら側の前記エラストマー材と前記甲側の前記エラストマー材とが、前記手袋の周囲360度に一体的に形成された、請求項4に記載の多用途手袋。
【請求項7】
前記手のひら部分の前記予め湾曲された構成が、前記少なくとも1つの指部分へと続く、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項8】
前記親指部分および少なくとも1つの指部分のうちの少なくとも1つが、前記親指および少なくとも1つの指のうちの少なくとも1つの先端部を覆うキャップに終端する、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項9】
前記手袋の前記手のひら側が、前記成形された手のひら部分の内側に布の裏地材料をさらに備える、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項10】
前記成形された手のひら部分を成形する前に型の領域内に前記布材料を置くこと、および前記成形された手のひら部分に前記布材料を縫い付けることのうちの1つによって、前記布材料が、前記成形された手のひら部分に固定される、請求項9に記載の多用途手袋。
【請求項11】
前記親指部分および前記少なくとも1つの指部分が、着用者の親指および少なくとも1つの指のうちの少なくとも1つの周囲の50%を超えて形成される、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項12】
前記テクスチャーを与えられた把持用部分が、ごつごつした部分、w形の部材、v形の部材、テクスチャーを与えられた環、穴、およびエンボス加工された把持用細部からなる群から選択される、請求項3に記載の多用途手袋。
【請求項13】
手の少なくとも1つの関節に対応する柔軟な溝をさらに備える、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項14】
前記成形された手のひら部分が、親指部分と4つの指部分とを含む、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項15】
前記エラストマー材が、前記手袋の外部から内部までの複数の穴を備える、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項16】
前記成形された手のひら部分が、異なる組成のエラストマー材から形成された異なる領域を有する、請求項1に記載の多用途手袋。
【請求項17】
多用途手袋の成形部分を形成する方法において、手の前面および甲の少なくとも一部分の形状に形成された型部品に対して1枚の布を配置するステップと、対応する型部品を少なくとも前記手の一部分の形状の前記型部品と成形する関係に持っていくステップであって、該型部品が、前記型部品に対して配置された前記1枚の布に異なる厚さのエラストマー材を付着させる領域を含むステップと、前記成形部分を形成するように、前記型の中にエラストマー材を射出するステップとを含む方法。
【請求項18】
前記布が耐熱性の編まれた親水性布である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも前記手の一部分の形状に形成された前記型部品が、手の形状に形成され、前記布が、前記型部品の少なくとも一部分を覆う手袋の形状に形成された、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記対応する型部品が、1つもしくは複数のテクスチャーを与えられた領域、1つもしくは複数の肉盛りをされた領域、および1つもしくは複数の柔軟な溝のうちの1つまたは複数を含む、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−80185(P2011−80185A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102027(P2010−102027)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(509287348)
【Fターム(参考)】