説明

多角形セグメントで形成されるトレーニングラダー

トレーニングラダーは、複数の実質的に堅牢な多角形形状のセグメント間に延在するセグメントコネクタによって前記セグメントの複数個を着脱自在に固定することにより形成される。各セグメントの辺はほぼ同じであり、セグメントコネクタにより、2つの隣接するセグメント間の何れの辺にも係合可能である。従って、ラダーを通る経路は変更可能である。開示した一実施形態では、セグメントは八角形状として、セグメントコネクタに対して枢動可能に固定させる。これにより、ラダーは、不使用時には積み重ね折り畳むことが可能であり、セグメントのうちの幾つかをほぼ垂直に延ばすことによって、ハードルや他の可能な垂直構造体を規定することができる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2007年4月8日出願の米国仮出願No.60/916,801の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、主に競技種目用、運動トレーニング用等に用いられる、トレーニングラダーに関する。
【背景技術】
【0003】
トレーニングラダーは通常、地上に互いにほぼ平行に置かれ、細長くて、間隔をあけた横さん(rung)を有している。ラダーを用いる典型的なトレーニング運動では、アスリートが、彼又は彼女の足を横さんに触れないで、横さんの間を素早く走るようにする。
【0004】
典型的なトレーニングラダーは、ロープ、ナイロンストリップなどのような柔軟な材料製のウェビングによって互いに間隔をあけた、実質的に堅牢で、細長い複数の横さんを備えている。これらの既知のトレーニングラダーの使用中に、横さんは、アスリートが、横さん又はこれらを離した状態にしておくウェビングにうっかり接触するので、位置がずれがちである。従って、これら既知のラダーは、一般に、使用中、ラダーが定位置に在るように、地面に杭で固定される。これらの杭は、使用中及びラダーの保管中に、紛失されがちである。
【0005】
さらに、このように杭で固定することは、ラダーの使い易さを制限している。例えば、アスリートが運動の基本練習をする間に、うっかり彼又は彼女の足をウェビングの下に入れてしまい、彼らの足をウェビングの下から外さずに持ち上げた場合、特に、このウェビングが地面に杭で固定されていると、彼又は彼女は、簡単に転んでしまう可能性がある。
【0006】
また、このようなラダーは、容易に再設定して、異なるトレーニング経路等を規定することができず、しかも携帯用ハードルや支持構造体のような他の目的に用いることができない。
【0007】
加えて、ウェビングは、ラダーを折り畳んで、保管する際に絡まりがちである。従って、今後の使用のために、ラダーを容易に組立てられるようにするには、ユーザーの能力に委ねている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
既知の運動用トレーニングラダーの構造にもかかわらず、製造及び購入するのに経済的であり、組立て、使用、折り畳み及び保管が簡単であって、使用中、ユーザーがラダーを地面に杭で固定する必要がない、トレーニングラダーの必要性が残っている。加えて、異なるトレーニング経路を設定可能にし、且つ携帯用ハードル、支持構造体等として用いることが可能である、ラダーの必要性も残っている。そして本発明は、ここで開示した他の利点に加えて、これらの全ての必要性を満たすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施態様では、運動用トレーニングラダーは、一つ以上のセグメントコネクタによって共に連結される、複数の、実質的に堅牢な多角形形状のセグメントで形成する。好ましくは、各セグメントの辺はほぼ同じとして、2つの隣接するセグメント間の任意の辺をセグメントコネクタによって連結することができるようにする。従って、ラダーの経路を変更することができる。
【0010】
より好ましくは、セグメントは八角形状として、セグメントコネクタに枢動可能に固定されるようにすることにより、不使用時にラダーをスタックに折り畳むことができ、且つ、幾つかのセグメントをほぼ垂直に延在させて、ハードル又は他の可能な垂直構造体を規定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による、組立てられた携帯用トレーニングラダーを示す図である。
【図2】図1のラダーが、他のランニング経路に設定可能であることを示している図である。
【図3】図1のラダーの上面図であって、さらに他の第2のランニング経路に設定可能であることを示している図である。
【図4】本発明の実施形態による図1のトレーニングラダーを形成するのに用いられる多角形セグメントの、上面図である。
【図5】図4の多角形セグメントの側面図である。
【図6】本発明の実施形態による、可能なセグメントコネクタの、等角図である。
【図7】図6のセグメントコネクタの上面図である。
【図8】図6のセグメントコネクタの側面図である。
【図9】図6のセグメントコネクタの正面図である。
【図10】図6のセグメントコネクタの底面図である。
【図11】他の可能なセグメントコネクタの、等角図である。
【図12】本発明の実施形態による2つの多角形セグメントを連結する図11のセグメントコネクタの拡大図である。
【図13】本発明の実施形態によるトレーニングラダーが、折り畳み設定が可能であることを示している図である。
【図14】図13のトレーニングラダーをハードルとして位置付け可能であることを示している、左側を後方とした等角図である。
【図15】図14のトレーニングラダーの右側を後方とした等角図である。
【図16】図13のトレーニングラダーを、携帯用構造体として設定可能であることを示している等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜16には、セグメントコネクタ32、32’によって共に連結される、複数の実質的に堅牢な多角形セグメント30、30’を有する、折り畳み式の運動用トレーニングラダー20が示されている。第一の好適実施形態が図4−10に示され、他の好適実施形態が図1〜3及び図11〜16に示されている。過度の繰り返しを減らすために、これら実施形態間の同様な要素には、同様な番号を付している。
【0013】
図1〜3及び図11〜16を参照するに、多角形セグメント30は、ほぼ同じ長さの辺34を有する八角形のような形状とするのが好適である。セグメントコネクタ32(図11参照)は、図12から明らかなように、異なるセグメント30の2つの隣接する辺34a、34bを着脱自在に接続するような大きさ及び形に形成される複数のセグメントを、複数のセグメントコネクタによって共に連結して、多様なランニングパターンを形成することができることは明らかである。例えば、図1は真直ぐなランニング経路40を示し、図2は変更されたランニング経路42を示している。
【0014】
加えて、セグメントコネクタ32は、セグメントが互いに枢動できるようにすることもできる。これにより、全ラダーは、運搬及び保管し易くするために、図13に示すように折り畳むことができる。また、様々なセグメントは、図14及び15に示されるような携帯用ハードル50、又は図16に示されるような携帯用支持構造体52を規定するために、互いに枢動させることができる。
【0015】
好ましくは、各セグメント30は、成形ポリマー、二次成形ファイバーグラスロッド等のような、軽量で、実質的に堅牢な材料で形成する。より好ましくは、各セグメントは八角形にする。或いは、三角形等のような、異なる多角形形状も使用することができる。
【0016】
図4〜10を参照するに、ここには、他の好適なセグメント30’で形成されたトレーニングラダーが開示されている。セグメント30’は、多角形を規定するように成形され、ここでは八角形を示している。辺に沿って凹所60が位置付けられ、セグメントコネクタ32’を凹所内に動作可能に係合させることができる。
【0017】
セグメントコネクタ32’は、図6〜10に最適に示されている。好ましくは、セグメントコネクタ32’は、第1のセグメントに動作可能に係合させるための第1の係合部80、及び第2のセグメントに動作可能に係合させるための第2の係合部82を規定するように一体成形し、これにより、2つのセグメントを共に連結する。各セグメント30’の辺34は、各々、セグメントコネクタ32’における係合部のうちの一つに係合するための凹所60を備えている。
【0018】
ラダーは、複数のセグメント30’を隣接する辺34に沿って一緒に連結して組立てることができる。個々のセグメントを互いに様々な位置に配置し、それから、セグメントコネクタで一緒につなぎ合わせて、色々なトレーニング経路を規定し得ることは明らかである。一つの可能なトレーニング経路を図3に示してある。
【0019】
必要に応じ、ゴム引き脚(図示せず)等を、各セグメントコネクタの底面に取り付けて、ジムの床等のような滑り易い表面上に置いた際に、ラダーを定位置に保持することができる。
【0020】
好適な実施例を参照して本発明の原理を説明し、且つ図解したが、かかる原理を逸脱することなく、この発明の配置及び細部は変更可能である。従って、この原理を加えることができる多くの可能な実施形態に照らして、当然のことながら、実施形態の詳細な説明は一例に過ぎず、本発明の範囲がこれに制限されるわけではない。従って、本発明者らは、以下の特許請求の範囲及びこれと同等物の範囲及び精神内に入るような、全ての変更を本発明として主張する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の辺を規定する、第1の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントと、
第2の辺を規定する、第2の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントと、
前記第1の辺及び前記第2の辺に動作可能に係合して、前記第1と第2の多角形形状のセグメントを共に連結することにより、アスリートが行き来するための経路を規定するためのセグメントコネクタと、
を備える、折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項2】
前記第1の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントは第3の辺を規定し、前記セグメントコネクタは、前記第3の辺に動作可能に係合させることができ、これにより前記セグメントコネクタに動作可能に係合させるのに、前記第1及び第3の辺のどちらをアスリートが選択するかによって前記ラダーを通る前記経路を変更可能にする、
請求項1に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項3】
前記第1の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントは、ほぼ同じ長さを有する5つの辺を規定する八角形である、請求項1に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項4】
前記セグメントコネクタは、前記第1の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントの前記5つの辺の全てに対して、動作可能に固定される、請求項3に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項5】
前記第2の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントは、ほぼ同じ長さを有する5つの辺を規定する八角形である、請求項3に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項6】
前記セグメントコネクタは、前記第2の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントの前記5つの辺の全てに対して、動作可能に固定される、請求項3に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項7】
前記セグメントコネクタは一体成形される、請求項1に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項8】
前記セグメントコネクタは、前記第1の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントに動作可能に係合させるための第1のセグメント係合部及び前記第2の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントに動作可能に係合させるための第2のセグメント係合部を有する、請求項1に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項9】
前記第1のセグメントは前記セグメントコネクタに対して枢動可能に固定され、これにより、前記第1のセグメントは、前記第2のセグメント上に位置するように前記セグメントコネクタの周りを枢動して、前記第1と第2のセグメントを折り畳んだスタックを規定する、請求項8に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項10】
前記第1のセグメントは、前記第2のセグメントに対してほぼ垂直の位置となるように前記セグメントコネクタの周りを枢動して、ハードルを規定する、請求項9に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項11】
第2及び第3の実質的に堅牢な多角形形状のセグメントと、これらのセグメントに動作可能に固定される第2、第3、第4のセグメントコネクタとをさらに備えて、前記ラダーを通る延長状経路を規定する、請求項1に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項12】
前記セグメントは前記セグメントコネクタに対して枢動可能に固定され、前記セグメントが各セグメントの上に旋回して、前記セグメントのスタックを規定する、請求項11に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項13】
前記第2及び第3のセグメントは、前記第1及び第4のセグメントに対してほぼ垂直に位置するように前記セグメントコネクタの周りを枢動して、ハードルを規定する、請求項12に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。
【請求項14】
前記セグメントは前記セグメントコネクタによって連結され、ほぼ立方体形状を規定する、請求項11に記載の折り畳み式の運動用トレーニングラダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2010−526593(P2010−526593A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507676(P2010−507676)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/063125
【国際公開番号】WO2008/138013
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509309123)スパーク プロダクツ インコーポレイテッド (1)